昨日、ベンジャミン・フランクリンを巡る話を聞いた。これは私的な小さい集まりにおいてである。
その中で話者のTさんは1776年7月4日はアメリカ独立宣言の日だということを単に知っていたが、その独立宣言の後で4年にも及ぶ独立のためのイギリスとの戦争があったことを知らなかった、と言われた。そして自分の詳しいことを知らなかったことの不明を恥じるという意味の気持ちを表明された。
それは私たち、その話を聞いていた者みんなの気持ちでもあったろう。
人はなんでも詳しく知らないためにこのような誤解があろうか。独立宣言したときにアメリカが完全に独立していたかというとそうではなく、その後に長い数年にわたる、独立戦争があったということを知った。主な戦闘でも4回くらいの戦闘があったらしい。
そしてその4回の戦闘にことごとくアメリカが勝利してようやく独立を勝ち得たのである。それはTさんによれば、薄氷を踏むようなものであったともいう。それとともにいかに宗主国が植民地が独立することに抵抗して植民地を抑圧してきたことの僅かな一端を知ることができた。
これは明治維新のときの戊辰戦争にしても、今では圧倒的な勝利にしか見えないが、歴史を詳しく調べた人によれば、結構危うい勝利であったとかどこかで読んだことがある。
私たちは表面的な知識で生きていることはどうしても避けられない。しかし、その分野に少しでも詳しい人の話を虚心坦懐に聞く必要があるということであろうか。