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徳島・高知の旅 室戸岬への道

2021-09-21 | 旅行

連休は、かねての予定通り旅行していました。

四十九日も終わらないのに行っていいの。

黙っていれば誰も何も言わない。

夫は施設に入れた時から少しずつ、お母さんは死んでいったと申します。その上、コロナです。会えず、言葉も交わせず、遠いところにいる。それが亡くなるということなら、肉体はこの世にあってもすでに遠いところへ旅立ったと思っていたのでしょう。

しかしそれは、精いっぱいのお世話をしてもうできないところまで頑張ったからこそ言えることでしょう。

旅行中、夫の知らないお母さんのエピソードを、思い出すままにあれこれ話す。

いちばん受けたのは、私に嫌味を言い続けていた人♀が、夫の祖母が亡くなった時に病室に現われ、さめざめと泣いたこと。我が姑様とは嫁同士。バッグから口紅出して仏様になった大姑の唇に塗り、またさめざめと泣いていた。

ずっと地元にいたらしいけど、元は転勤族、病室へ来ないのでどこか遠くにいると私は思っていた。


姑は大姑を預かり、医療面は舅が担当していたけれど、細かな身の回りの世話は姑が一人でしていた。一年くらいいたと思う。

今気がついたけど、ずっとオシメ当てていて、今みたいにいい紙オシメがなかったので布オシメでお世話していたと思う。

愚痴は一度だけ私に、下着が汚れても替えを同居している長男(夫の伯父)が持ってきてくれないので私が買っている。

あと、下の世話の愚痴は一切言わない人だったので、たった今まで気が付かなかった。さぞ大変だったことでしょう。

大姑のなくなる一週間くらい前、姑は交通事故に遭って入院して葬儀には出ていません。最後のお別れが叶わず、とても残念がっていました。


一度も顔出さずに亡くなってからパフォーマンスしても白けるだけ。よくお世話したあんたのお母さんはとっても偉かったって、夫にそう言って褒めました。

だからこそ、息子に最後まで心を込めて世話してもらえたのだと思います。夫もやれるだけはやったと思えるので、亡くなっても涙も出なかったことでしょう。

少しずつ認知症が進むのを夫がまだ受け入れられなかった頃、姑がおかしなことすると夫は怒っていました。布団の中で小さくなって、袋縫うから布頂戴って私に訴えたことも。お母さん、何の袋ですか?何でもいいの、布くださいって・・・それが最後の自分の心のよりどころだったのでしょうか。

ほっとけ、明日になったら忘れてると夫は言っていました。

しばらくしてその話を持ち出すと、悪いことしたと夫はハラハラと涙をこぼすのでそれからは言わないようにしていました。

汚物を触りまくった時にも、爪の間の汚れをブラシで丁寧に洗い落としながら、「きれいになったね」って言って、この人は仏様かなあと思ったのです。すみません。夫褒めで。

私も同じことして試してみようかしら。餡子かなんかで。

ねえ、ねえきれいにしてぇ~ん♪

きっと相手にされないと思うけど。

姑様が懸命に大姑のお世話する姿を見せていたので、世話してもらえたのかなあと今になれば思います。


で、旅行中、いいお母さんだったと褒めまくって、あれこれを偲ぶ会話を心がけました。少しは元気になったでしょうか。

室戸岬灯台。

手前の建物は、おそらく戦跡。アメリカ軍飛行機を偵察するための建物かなと思いますが説明版はありませんでした。

あるいは自動化される前の、灯台守の宿泊所かもしれません。頑丈な建物は台風に備えて。

この灯台の後ろの少し上に24番札所、室戸山最御崎寺(ほつみさきじ)があります。

薬王寺多宝塔/徳島県美波町(旧日和佐町)

23番、徳島県の薬王寺からは77キロ離れていて、札所の間の距離がいちばん長いところ。普通に歩いては一日でたどり着けません。山が海に迫っていて、長い区間、家も全然ありません。

昔の歩きお遍路さん、さぞ大変だったことでしょう。

地図で見るとまっすぐな海岸線、これは運転が楽なはずと替わったら、もちろんまっ直ぐではなく、景色はとてもいいのによそ見するわけにもいかず、残念でした。

海と空、そして水平線。磯に打ち寄せ砕ける波。そこを黙々と歩く遍路旅。

要らないものが見えない場所は、此岸と彼岸が近いのかもしれません。ここにはいない誰かと対話しているのかもしれません。

旅行は追々追加していきます。

しなければならないことがいろいろたまっているので、きょうからコメント欄、閉じることにしました。再開は未定です。いつも見ていただいてコメントくださった皆様、ありがとうございました。


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