リスペクトコラムです。
地元岡山もそうですが、ここ数年新スタジアムや新アリーナの建設構想ラッシュだったり、IGアリーナのように実際に完成して来場者の大幅アップの事例が続々と出てきています。そんな世の中の動きのなかで、東北の地方都市からサプライズなスタジアム構想が流れてきました。「木造」って想像の域を超えていますが、そういえば関西万博の大屋根リングも木造部分があったっけ。まずはサッカー批評のコラムから。
【J3福島が「日本初の完全木造」「世界初の循環型」新スタジアム構想発表!壮大かつ斬新で「関西万博の大屋根リングみたい」な完成図公開】
「J3の福島ユナイテッドFCが8月30日、地域参加型「みんなでつくるスタジアム」として、日本初の完全木造&世界初の循環型木造スタジアム構想を発表した。」
「クラブ関係者、サポーターからは新スタジアム建設を求める声が大きくなっていた。その中でクラブが新スタジアム構想を正式に発表した。クラブエンブレムに刻まれた「不死鳥」の精神を体現し、希望と再生の象徴として建設予定のスタジアムは、日本初となる完全木造にして、世界初の循環型木造スタジアムとなるとのことだ。
計画では、日本の伝統である「式年遷宮」から着想を得て、木造を採用し、福島県産の製材を積層することで全体を形成する。各部品は分解、再利用できる設計とし、地域資源の循環を推進。建築の部材を作る過程でクラブ関係者や地域の方々が「お祭り」のように制作に参加できる仕組みを導入する。加えて、植林や木工教育を通じて、次世代へ技術を継承し、資源、文化、技術の持続的な循環に挑戦するという。
さらに、福島の盆地型気候を活かし、自然エネルギーを最大限に利用したパッシブデザインを導入。屋根の形状により夏は日射を遮り、冬は冷風を防ぐ設計とし、外壁の形状変化によって夏は卓越風を取り込み、冬は風を遮断。集水した雨水を濾過することで再利用し、冬季に蓄えた雪を夏季の冷房に活用。エネルギーの自給自足の実現を目指し、最終的には、持続可能性と再生デザインを評価する世界最高水準の環境指標「Living Building Challenge」の取得に挑戦するとしている。」
【福島の新スタジアムコンセプトは地域参加型「みんなでつくるスタジアム」 -日本初の完全木造&世界初の循環型木造スタジアム構想-】
「震災と原発事故により大きな被害を受けた福島だからこそ、世界に誇れるリジェネラティブ(再生型)なスタジアムの在り方を追求し、福島から未来への力強いメッセージを世界へ発信してまいります。
【コンセプト】
地域参加型「みんなでつくるスタジアム」~日本初の完全木造&世界初の循環型木造スタジアム構想~
1.福島の木を使用し、市民も建設の工程に参加
日本発のサステナブル建築を模索するにあたり、日本の伝統である「式年遷宮」から着想を得て、木造を採用し、福島県産の製材を積層することで全体を形成します。各部品は分解、再利用できる設計とし、地域資源の循環を推進します。
また、建築の部材を作る過程でクラブ関係者や地域の方々が「お祭り」のように制作に参加できる仕組みを導入。さらに植林や木工教育を通じて、次世代へ技術を継承し、資源、文化、技術の持続的な循環に挑戦してまいります。
2.盆地型気候を活かしたエネルギー循環
福島の盆地型気候を活かし、自然エネルギーを最大限に利用したパッシブデザインを導入します。屋根の形状により夏は日射を遮り、冬は冷風を防ぐ設計とします。外壁の形状変化によって夏は卓越風を取り込み、冬は風を遮断します。さらに、集水した雨水を濾過することで再利用し、冬季に蓄えた雪を夏季の冷房に活用します。
自然エネルギー循環の取り組みによって消費エネルギーを削減すると共に、敷地内で生産した再生可能エネルギーを蓄電システムに蓄えることで、エネルギーの自給自足の実現を目指してまいります。最終的には、持続可能性と再生デザインを評価する世界最高水準の環境指標「Living Building Challenge」の取得に挑戦いたします。」
日本初の完全木造&世界初の循環型木造スタジアムになるのですね。という事は外国には完全木造のスタジアムがあるという事か。どこなんだろ。地域資源の循環を推進するために福島県産の製材を積層することで全体を形成し、各部品は分解、再利用できる設計とするとか。まるで奈良のお寺のようですね。そして、伊勢神宮の「式年遷宮」がモデルで、建築の部材を作る過程でクラブ関係者や地域の方々が「お祭り」のように制作に参加できる仕組みを導入するという事ですが、もはやスタジアムが神社仏閣化しますね。
他にも冬は冷風を防ぐ設計という事で、来季からの秋春制を意識したつくりになります。最後は世界最高水準の環境指標の取得を目指すという事で、もはやスタジアムではなく、文化遺産化しますね。とにかくすごい話だ。
【VUILDとJリーグ・福島ユナイテッドが新スタジアムの計画案を発表。「式年遷宮」から着想を得たというその構想とは?】
「丹下健三の〈東京カテドラル・聖マリア大聖堂〉に代表されるHPシェル構造を採用することで、特徴的な屋根の跳ね出しと大スパンの両立を可能にした。デジタルファブリケーション技術を用いて新たな建築デザインを行うVUILDが、Jリーグ・福島ユナイテッドの新スタジアムを設計。その計画案が発表されました。
デジタルデータを元に部材を加工、造形する「デジタルファブリケーション」。建築家の秋吉浩気が率いるVUILD(ヴィルド)は、その技術を用いて設計から部品製作までを一貫して行う気鋭の建築系スタートアップだ。今回、彼らがJリーグ・福島ユナイテッドを運営する〈スポーツX〉と共に構想を発表したのは木造スタジアム。2011年の東日本大震災以前に発足し、地域の復興と共に歩んできたプロサッカークラブのホームグラウンドとして建設が進められる。
復興の象徴として新たなに誕生するスタジアムをデザインする上でVUILDがテーマに掲げたのが「リジェネラティブ(再生型)」であること。それを模索する上で着想を得たのが日本の伝統である「式年遷宮」だ。〈伊勢神宮〉に代表され、定まった年ごとに社殿を造り変える神事には「資源循環、地域参加、技術伝承という”モノ・コト・ヒト”の3つの循環が実現されている」と秋吉は話す。
その理念を踏まえスタジアムの構造は木造を採用し、福島県産の製材を積層することで全体を形成。各部材は分解・再利用が可能な設計とし、それらを作る過程でクラブスタッフやサポーター、地域住民が「お祭り」のように製作に参加できる仕組みも導入される予定だ。また、植林や木工教育を通じて、次世代への技術継承も想定しているという。
これらを実現できるのは、建築設計だけではなく部材製作から手がけることができるVUILDの技術ゆえと言えるだろう。地域の材を用いて市民と共に建設する、新たなスタジアムの形に今後も注目したい」
このコラムでは結構専門的な話になっています。丹下健三さんといえば世界的な建築家のようですね。今回デザインを手掛けるVUILD㈱という企業は、川崎市にある2017年創業のスタートアップ企業のようで、若さにあふれて幅広く活躍されています。そんな先進的企業が手掛ける「地域参加型スタジアム」。素晴らしいですね。
今も昔も通常のスタジアムは、コンクリートでできた「ハコモノ」。時代で変化するのはスタジアムの回りの部分。でもでも福島さんのこのスタジアムは「ハコ」そのものがストーリーを持ちます。このスタジアムができれば、毎年開幕前にスタジアムの「造り替え」が一大地域行事として、歴史を紡いでいくのかと。頑張って欲しいですね。
そんな福島さん。いわきさんがJ2に昇格され、福島県ダービーは無くなりましたが、J3で戦っておられます。昨季は5位まで上がったようですが、今季は現在13位と低迷していますね。早くJ2に上がって、今度はJ2でのダービーを観たいです。
J3福島関連⑦:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2025/03/19/000102
〃 ⑥:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2024/07/17/000149
〃 ⑤:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2022/08/22/000129
〃 ④:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2022/05/05/000131
〃 ③:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2020/08/25/000137
〃 ②:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2016/03/27/000145
〃 ①:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2016/02/01/000101
福島事情関連:https://j-okayama.hateblo.jp/entry/2008/02/11/005513
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