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WEリーグ(なでしこリーグ)について31

2021-09-16 00:01:00 | サッカー(J3以下・外国・他カテゴリ)

 リスペクトコラムです。
 12日、多くの心配の声を背負って、ついに始まってしまったWEリーグ。当ブログが好まない言葉、まさにいちかばちかの賭けで。一つの新しいプロリーグが始まったのに、メディアの盛り上がりは今一つでしたね。予想はしていましたが、東京五輪の惨敗、高倉監督が退任した雰囲気のまま、始まってしまいました。率直にWEリーグ開幕についての情報をリスペクトしていきましょう。まずは2週連続でWEリーグを特集した、FOOT×BRAINから。
   
【FOOT×BRAIN①】
〔なでしこジャパン メダル獲得ならず 逆境の船出・・・WEリーグ成功のカギは?〕
「世間の多くはWEリーグの存在すら知らない。逆風吹き荒れる中、WEリーグは成功するのか。近年、欧州女子サッカーでプロリーグ化が加速。イングランドWSLは各国の代表クラスが所属。スペインでは政府主導でプロ化も始まる。東京五輪で金メダルを獲得したカナダ代表選手の大半が欧米のプロリーグで活躍。これ以上世界に後れを取らないためにも、日本に女子サッカーのプロ化は急務だった。」
〔アメリカの女子サッカー環境〕
「女子は1972年に『タイトル・ナイン』(高校・大学などでの男女の機会均等を定めた)という法律ができて、男子と女子で同じ金額を大学で使わなければいけない。バスケの巨額な資金を男子だけでなく女子にもつかわなければならないとう事で、サッカーとラクロスがかなり恩恵を受けた。両親は娘がサッカー選手になれば、大学の費用がタダになるので、目の色を変えてサッカーをさせた。そういう素地がアメリカにはあった。」
〔日本の女子サッカー環境〕
「日本の女子サッカーを取り巻く環境は今も厳しい。プロチームでさえ、専用グラウンドが無く、選手自らボール磨きなど用具の管理をする事も多い。街中でのWEリーグを知ってるか聞いたところ、知っている:3%、知らない:97%と知っていたのはたったの3%と衝撃の事実。」
   
〔WEリーグの認知度アップに必要なこと〕
「『#FXBアンケート WEリーグ 岡島チェアに聞きたい事』で意見募集したが、鋭い指摘もあった。
意見①『平均5,000人の観客数を目指しているが、6月のプレシーズンマッチは平均1,012人 どうやって目標達成するのか?』
 JリーグでJ1横浜は「ふれあいサッカープロジェクト」をやったりと、子ども向けのPR効果は大きい。WEリーグは子ども向けの施策としては、サッカー以外のコンテンツをスタジアムに用意する必要があり、例えば仙台では開幕戦にJAXA協力で宇宙体験イベントを実施。
意見②『サッカーをする少女たちは試合を見に来てくれるのか?』
 試合・練習と重なり、プロの試合を見られないという現実がある。WEリーグでは試合日で試合会場のそばでスクールを開催し、そのまま来場してもらう取り組みを考えている。

 また、WEリーグを観に来る日を将来的に作りたい。更に選手と同世代の女性、ライト層の獲得も欠かせないという事で、日向坂46影山さんの「SNS映えするチケット」「スタジアムでのリアルタイム解説」を紹介。
 WEリーグはこのアイディアを聞き、ライト層獲得のアイディア実現に向けて実際に動き出していた。解説アプリはラジオ局から提案を受けており、予算との兼ね合いを考えている状況だが、会場スクリーンでのルール解説は導入予定。
   
意見③『世間に認知されていない状況で「まず理念ありき』の紹介ばかりだと、面倒くさいリーグと思われそう』
 WEリーグが理念を重視する理由は、世間への認知度向上に加えて、スポンサー企業へのアプローチに効果があること。センサリールームの提案が紹介されたが、J1でも川崎さんなどほんのごく一部しか実現できていないのに、果たしてWEリーグでそこまでやれるのかと疑問に思う。
   
 紹介されませんでしたが、実は当ブログでもアンケートを送っています。質問は「岡島チェアは以前にこれからグワーッとWEリーグは盛り上がっていくと言われていましたが、グワーッと来ましたか? 来ていないとしたら原因は何だと思いますか?」という内容です。ちょっと失礼に当たったかもしれません。それくらいその時は心配していたという事です。

〔(プロスポーツ界の)先輩に聞く リーグ成功の秘訣〕

Bリーグ(島田チェアマン)
 クラブが盛り上がらなければリーグが何をしてもしょうがない。クラブの成長なくしてリーグの発展なし。一足飛びは無いと思う。いきなり会場が満員にはならない。フロントスタッフと選手たちが頑張るしかない。とにかくスポンサー、行政、地域の商店街に仕事ください、何かやらせてくださいというくらいのレベルからスタートすべき。志は高くていいが、志の高さと現実のギャップがあり過ぎる場合に、そもそも何をしていいか分からず途方に暮れる。そこで途方に暮れた時に、みんなトリッキーなことや一発当たることを考えてしまう。実はそこが逆で、コツコツ地味なことから始める。地に足をつけるのがスタートライン。むしろそれがプロ。「志は高く、活動は地味に」

 この島田チェアマンの言葉がすべてですね。この言葉でこの日番組は締めて終わった気がしました。結局はこういう草の根活動をしなければダメなのです。その典型的な成功事例が川崎さんでしょう。3冠取ってACLで戦っていても、毎年1月は挨拶周りで全商店街を回っています。こういう話を聞いて欲しい顔が3人くらい浮かびました。例えてみれば、自分達はオリ10クラブと同じくらい付加価値が高いと勘違いしていてはダメなのです。


 WEリーグとしては、理念推進日(奇数クラブ数のために試合が無いクラブは地域の課題解決等に取り組む日)を設けており、該当クラブに毎週実施してもらう。エルフェン埼玉が地元商店街で配ったチラシは7万枚。
   
【FOOT×BRAIN②】
〔歴代なでしこ大集結「WEリーグサミット」 女子サッカーの今と未来 不安・希望・ホンネをぶっちゃける!〕
参加者:荒川恵理子(アテネ世代:埼玉)、MC:大野忍(黄金世代:大宮コーチ)、鮫島彩(黄金世代:大宮)、坂口夢穂(黄金世代:大宮)、中島依美(東京世代:INAC)、山下杏也加(東京世代:INAC)、田中美南(東京世代:INAC)
 それぞれが抱く女子サッカーへの危機感、WEリーグ開幕までの不安。東京五輪の敗北を受けて、各世代を代表する選手達の本音が続々と飛び出す。
テーマ①:東京五輪について
田中:もっとゴールに向かう事をやらなきゃいけない。
中島:フィジカル面の差はあったので、個人が強化していく部分だと感じた。
山下:(日本の)サッカーの方向性が今でもわからない。(なでしこらしいサッカーを見失った)それをなくしちゃったら、諦めた方が早いんじゃないかな。やっぱりそこの(意識の)差は大きかったかなと。
鮫島:W杯優勝して認知してもらえて、その間に出来ることはあっただろう。今の結果は結果なので、これから自分たちがどうするか。リーグ、協会、選手、各クラブでどう連携するか。選手自身で考える事がスタート。
大野:(知名度アップを)継続して行きたかったけど中々難しかった。(WEリーグ開幕で)選手たち自身がそのチャンスを掴んで広げる事は2011年の時と同じだと思う。
   
 山下選手大胆ですね。その言葉の奥に高倉ジャパンの8強に終わってしまった要因みたいなのが、透けて見えましたね。やはり、チームが一体となっていなかったという訳か。そりゃメダルは取れないわ。

 事実、W杯優勝直後のなでしこリーグは観客数が約7千人で例年の5倍の来場者があったが、その盛り上がりは一家背に終わり、観客数も徐々に下降の一途をたどった。果たして女子サッカーは日本に根付くのか。

なでしこリーグ平均観客動員数(1試合当たり)
2010年:912人、2011年:6,965人、2013年:1,865人、2015年:1,723人、2016年:1,414人
   
テーマ②:開幕するWEリーグについて
阪口:率直にえっ!?大丈夫かなって思った。本当にプロ化できるのかな?の方だった。
荒川:単純にWEリーグが、お客さんとか成り立っていけるかなと思った。
田中:最初聞いた時はできるんだって思ったけど、後々資金の事とか給料面の事とか、クラブの経営の仕方とかを色々考えたり、情報が入ってくる中で不安は感じた。
テーマ③:秋春制について
山下:海外に移籍しやすいし、海外の選手が日本に移籍してくれそうなので、ポジティブに思っている。外国人選手と一緒に盛り上げる事ができると思った。
鮫島:リーグのレベルアップのために、スター(外国人)選手に来てもらいたい。スピードやフィジカルとか実感しないとわからない。
荒川:男子のように女子の外国人選手は知られていない。
テーマ④:これからどう盛り上げるか。
鮫島:サッカー以外の所で繋がりを作る。例えば、地域活動に選手とファンの関係ではなくて、活動を通して繋がりを持って、そこの選手だったんだみたいな感じで。ピッチ外での繋がり(人として応援してもらえる繋がり)を積極的に作っていけたら良い。男子Jチームがあれば連携していきたい。
大野:元々のファンに継続して来場してもらうためにも、ピッチの中で良いパフォーマンスを出す事によって、やっぱり女子サッカーは楽しいなっていう人を無くさずに、その人たちから女子サッカーを広めてもらう事も大事。

 という内容でした。当ブログはこう考えます。この盛り下がったまま開幕してしまったWEリーグの一番の要因はやはり田嶋ジャパンの存在。そこにサポーター目線は無いと思います。岡島チェアも気の毒です。そんなしんどいものを背負わされて。理念第一も問題。その視線の先にはスポンサーしかなく、ここもサポーター不在。お客様目線になれない事業は長続きしません。WEリーグがかつてのアメリカ女子サッカーリーグ(WUSA:2001年開幕、興収がふるわずにスポンサーが撤退し、2003年に休止)のようにならない事を祈っています。
 他のWEリーグ関係のコラムとかあって、合わせ技記事にしようと思っていましたが、FOOT×BRAINでお腹いっぱいになりました。今回はその1で、またその2をお届けいたします。まだまだWEリーグ論は続きます。
WEリーグ関連(なでしこリーグプロ化)関連: /  /  /  / / / / /
なでしこリーグ関連: / / / / / / / / / / / / / /
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