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松本山雅の強さ34

2019-07-18 00:01:31 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 少し前ですが、山雅さんのサポミ(サポーターミーティング)がホームタウンの一つである長野県生坂村で行われました。サポミ(サポカン)を「村」でやるというのは斬新ですね。実際は村長さんの発言が多い、行政色の強い内容になったようですが、それでも画期的な事だと思います。サポカンを1回やってだけでやろうとしない価値観よりよっぽど付加価値が高いと思います。議事録も公式HPできちんと情報公開されています。今回、その要旨・要点をまとめてみたいと思います。
     
【「松本山雅FCサポーターミーティング in 生坂村」議事録要旨】
 クラブの事業としては、本日のテーマであるホームタウン活動、スポーツクラブ事業、性別を問わず様々なスポーツへの活動、喫茶山雅を通じた飲食事業などをしていきたい。Jリーグの理念でも地域の総合型クラブ、世界を見てみるとサッカークラブは1つのツールであり、地域のスポーツの振興、スポーツビジネスの振興などいろいろな角度でこの地域でできることがあると思いチャレンジしていきたい。

〔活動方針(ビジョン)について〕
① ホームタウン活動
 信州の街づくりに積極的に参加し青少年の健全育成の実現。子どもからお年寄りまで気軽に楽しめるスポーツ環境の創出を目指している。
② アルウィン
 感動溢れるスタジアム、安心・安全なスタジアム運営。
③ フットボール事業
 スポーツの神髄の追求、指導者・子供たちの育成などがある。地域の人々に信頼される健全経営についても、クラブ立ち上げから今まで黒字を保てており、全国的に見てもなかなかないクラブの状況。
④革新的な挑戦を続けていくクラブ
 サポーターのおかげで、山雅のムーブメントは革新的だったが、クラブ・フロントが何か革新的な挑戦をしているかというとまだまだであり、やれる余地があると思い様々なことを求めて活動している。

 ホームタウンを生かした活動、クラブの運営、クラブがサイクルを回す中でホームタウン活動を通して地域に貢献することをもう少し深めていきたい。J リーグではホームタウン活動を各クラブに義務付けてはいるのですが、どちらかというとこの活動に対し利益をとらない入口がJリーグにはあった。ただ、長く続けていくこと、活動をもっと通して広げていきたいと思うときには、それなりの人やスキルが必要になる。
 松本山雅のホームタウン活動の方針については、2019 年改めて方向性を確認。目指すところは公共財になれるクラブを目指すこと。そのために実現させたい社会像として、スマイル山雅の追求。それを目指すためにどういった事業の活動を分けつつ軸をもった活動をしていくために「Smile Future」、「Smile Welfare」、「Smile Green Power」3つの柱を設定。
 未来ある子どもたちに向けて笑顔が多くなるような活動、地域に暮らすいろんな方と元気になれる心豊かな街づくり、サポーターが集まっていただくところにはPower が生まれているので、そのような活動を地域に広げてエネルギーを使っていただきたいと思い3 つの柱を設定しました。
①「Smile Future」    :子供たちを通しサッカー教室、食育など様々な活動
②「Smile Welfare」    :ランドセルカバーの贈呈式や各種健康教室のような活動
③「Smile Green Power」:松本ぼんぼん などの地域イベントに参加、ホームタウン中心の緑化計画など。

 昨年からホームタウン活動を見直していく中で、必要として依頼を受けて実施する「イベント依頼型」が今までの活動の主になり、それに伴い活動回数も増加。この部分は今後も大切にしていきたいところだと思う。回数もこなしながら自分たちは本当に何をすべきか、ということに行きつき壁にぶつかった。そんな中で自分たちが注力すべきことを整理して、自分たちから地域の課題に一緒に挑み、一緒に向き合っていくことにより、「イベント依頼型」と「地域課題解決型」の両輪を回せるよう意識しながら昨年より活動。今後ホームタウン活動を通じて目指す姿としては、クラブが地域のHUBになろうと。     
        
 2015 年にドリームサミット開催。「Jリーグをつかおう!」ということで、シャレンプロジェクトがスタート。内容としては地域と地域住民、企業、Jリーグ、クラブが一緒に向き合いながら新しい価値を生み出していこうというもの。ワークショップを今後のサポーターミーティングでも行っていきたい。これからは地域と協働する山雅、また山雅が地域の皆さんの力になれるように発展していくことがクラブのミッションだと思う。
 現時点では地域と協働するということは弱いし、今まで応援いただいた分をしっかり恩返しできているかというとそうではないので、引き続きクラブとしても追及していきたい。今後については、生坂村と喫茶山雅でコラボ「おやき」として共同開発。
 他のJクラブの運営担当者からうらやましいと言われる。「親会社がいなくて人口もそこまで多いわけではないのに、なぜお客さんが入るんですか?」と言われた時には、クラブがみんなのためにやっている、みんなのチームとして考えて行っており、会社(山雅)が良くなればということだけでなく、サポーターが喜んでくれるようなことなどをちゃんと考えてやっていると答えている。

〔グループワークで出た質疑応答〕
・意見交換の時間をもっと長く設けるようなサポーターミーティングにしてほしい
⇒次回からの課題
・これからもホームタウンの追加を考えていますか?増やす活動をしていますか?
⇒クラブとしては増やしていく方向だが、地域に密着した活動ができる距離、ホームタウン数を考えながら進めていきたい。現在は南信へアプローチをしている。
・ホームタウンへの恩恵をホームタウン内のサポーターではない住民にも伝わるようにしてほしい
・HP などの活動報告の下に、活動地域の情報(リンク)を入れてほしい。
・生坂でサポーターミーティングを開催してくれたおかげで、生坂村に来てくれた人がいてうれしく思うので、今回の開催はありがたい。
・ホームタウン対抗運動会など、山雅のホームタウンだからできるような事をしてほしい。
・活用されていない施設を山雅で活用してほしい
・アウェイの試合で、各ホームタウンの特産物を販売したい
引用:J1松本公式HP
「松本山雅FCサポーターミーティング in 生坂村」議事録https://www.yamaga-fc.com/wp-content/uploads/2019/07/9d1940e840dbec85cfe311a2b4d95f96.pdf

 いやぁ、素晴らしい内容ですね。よく山雅さんは市民クラブとしてお手本クラブ№1と言われているそうですが、こういったものを見ても強く頷けるものです。2015年にドリームサミットという当ブログで言う、ホームタウンミーティングを既に実施されていますが、今回は更に進化したものですね。総合型クラブ、ホームタウン活動の重要性、地域課題解決、Jリーグシャレンなど、Jクラブの最先端のキーワードが並んでいますね。素晴らしすぎ。
 ホームタウン活動を通じて目指す姿としては、クラブが地域のHUBになろうというのもいい。ホームタウンの拡大についても、南信地域へアプローチをしているとか。確かに今は全市町村ホームタウン化など、拡大傾向にあります。長野県も神奈川県のように、今後長野さんと陣取り合戦になっていくのかな。
 今回の事例で、Jクラブにとってホームタウンとは何か、どれほど重要なものかという事がよくわかりました。ホーム=我が家(地域)ですから、我が家(地域)を幸せにできないところに来場客が増えていく訳がないのかもしれません。しかもその我が家(地域)というのはスタジアムや練習場周辺という意味ではないと思います。それは山雅さんの活動事例を見れば誰でもわかる事。

 山雅さんのホームタウンに関する素晴らしい事例を見せてもらった後に、地元のJ2岡山の公式HPを改めて観に行ってみました。あれっ、「ホームタウン活動」ページはまだ6年間眠ったままでした・・・ 目を覚ましてもらうのにあと何年かかるのかな。 
J1松本関連:383736353433323130292827262524232221

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