か ら け ん


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光母子殺害事件、秋にも再審請求

2012年06月17日 | ニュース
 
光市母子殺害事件で、少年時の殺人、女性暴行致死などの罪で3月に死刑が確定した大月(旧姓福田)孝行死刑囚(31)の弁護団は26日、確定した広島高裁の差し戻し審の判決に重大な誤りがあるとして、秋にも再審請求する方針を示した。東京都内であった報告集会で明らかにした。
                                      中国新聞2012,5,27

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最高裁は自ら判断することなく広島高裁に差し戻した。残念ながら今後同類の犯罪は起こっていくことが予想されるので、僕は今回最高裁の意見が聞きたかった。棄却や破棄などによって門前払いをし、下級審にその判断をさせることは責任回避だ。

というのも、十分に残虐であった場合、犯人の更生の可能性がいくらあっても首を絞めて殺すことにするという決定は、判例変更にひとしい。下級審を拘束する判例は、棄却などが積み重なってもありうるが、今回のように少年法の意義の根幹にかかわる場合、判決がほしいところだ。

というのも、日本の裁判所の決定命令判決はすべて開示される。僕らはそれを見て考えることができる。ありがたいことだ。煽情的なパソコンサイトのガセネタに狂乱するのはバカだ。その開示された上級審の決定の過程において、一人の裁判官が述べていることがどうしても気になる。

長くなるので一部にする。その判事が取り上げた犯人の精神鑑定と犯人の生い立ちの関係についてである。

関西大学教授の野田正彰鑑定人はこう述べている。

現弁護団は被告に面会し、あまりの幼児性に当惑した。山口家庭裁判所の調査官による「少年記録」には、「発達レベルは4、5歳と評価できる」とあり、生後1年前後で頭部を強く打っていることなどから「脳器質的脆弱(ぜいじゃく)性が存在するのではないか」と書かれている。今勾留(こうりゅう)されている広島拘置所でも、統合失調症の治療に使う向精神薬が長期多量投与されている。

もちろんこれはやる気のない隙間だらけのいい加減な鑑定だ。まず、生後1年で頭部を強打したことと、脳の器質的脆弱性は重要なポイントであり、もっと徹底的に調べるべきだ。向精神薬とその薬が選択された根拠も明らかにすべきだ。頭を強打したのは父親の暴力による。母親の自殺についての言及がない。

日本は罪刑法定主義を採用している近代国家である。街中をひきまわして銃殺する国とは違う。早く殺したくてうずうずしている人はその国に行ってほしい。みんな被害者といったら言い過ぎだが、その暴力によって4,5歳で発達を止める障害を与え、母が自殺するほどの暴力をふるった父親はなんの責めも受けないのか。

犯人がついているあきらかなウソぐらい僕にも分かる。弁護団は犯人を死刑から救いたいのではなく、裁判を引き延ばして死刑制度と戦いたいようだ。

付け足したいことがある。
野田正明鑑定人が証言することを批判した宮崎哲也は正気ではない。証言させることは裁判所固有の権利である。証言内容を批判するならともかく、証言すること自体を批判するのはチンピラのすることだ。

Posted at 2012/05/31 22:25:14

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