か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

山滴(したた)る 水沼の里

2019年04月28日 | 食・レシピ

 

 

儲け話に絶望の田舎が飛びついた。そして、一杯食わされた。

 

ことの顛末を要約すると、

ある私立歯科大が、学部の増設のためこの町に白羽の矢を立てた。そもそもがあり得ない話だった。

池の鯉が、千載一遇の好機を逃すまじとわれ先にたった一片の麩(ふ)を求め殺到する。用地買収は進んだ。

そして、大学は言う。「あんたんとこ行かないよ」

ともかく、池の鯉が百戦錬磨の鯉料理人に勝とうものか。農民から集めた土地が宙に浮いた。いいように踊らされた町はそれに気づかず、公金をどぶに捨てた。

農民は、土地成金になり学生アパートを建て…と皮算用をした。

紆余曲折を経て大学が来るはずの土地は公園になった。

 

(この事件のころ僕は学生で、ゼミでこの事件を取り上げた。いずれシリーズ化して書きます。)

 

水沼の里というその公園。住民からは失政を糾す声が上がることもなく、池の鯉はすぐおとなしくなった。

小学生が遠足に来ていた。

幼稚園児も

 

いきさつはともかく、本来なら到底あり得なかった公園とその他の施設が、思わず現実に誕生することになった。

浴場と食堂、老人保養研修施設(はやいはなしが町営カラオケ)…。今日はそのうちの食堂について。

福岡県のほぼ中央に位置するここは、ドライブやツーリングの拠点として利用させてもらっている。福岡歯科大ありがとう。

公務員がひとのカネと思って好きなように、あるいはぞんざいに経営するととんでもないことが起こる。

 

 行政がまんまとペテンにかかりその失態をごまかすためにできた「水沼の里」。その中にある「水沼食堂」、上品な都会の薄味。絶品の醤油でやさしいばあちゃんの味。

このメニューが信じられますか。その価格。

まず200円の雑炊から、           

立派な浴場も200円、雑炊も200円。これで町民の批判をかわせるのだからありがたい町だ。

醤油はもちろん不二家。

ぼくは定食。

andざるそばも。200円

 

ぜんざい、たこ焼き…。100円

 

もはや空気は「山滴る」の夏だった。

 


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