石にひもをつけてぐるぐる回す。ある程度以上速く回そうとすると石の遠心力に邪魔されてひもを持った手には相当の負担がかってくる。
ひもをうまい具合にひねって回転中の石をはずすと石はその回転円の接線方向に飛んでいく。この方式で鳥をとっていた土人がいたが相当の技術だ。
科学者は粒子(最初は原子核)をこうやって加速して他の粒子とぶつけたりした。サイクロトロンだ。これでずいぶん多くのことが分かってきた。しかし、クウォークとかレプトンとかの性質までは何とかこぎつけたが、それ自体の中身がよく分からず、そうするうちに次々に発見され混乱してきた。
上に書いたことはモノの話で、力は力で4種類以下に統合することはできないできた。先日ヒッグス粒子について書いたがまだまだ推定の域を出ないものをあったように書いていた記事には賛同できない。
日常的常識で言うと時間と空間は別物である。いつどこで、と人は約束をする。クウォークたちは別世界にいる。力とものは連続した一つのモノでないとおかしいことがたくさん出てきた。そうすると力に種類があるのがおかしいし、モノの種類も多すぎる。ビッグバンの時点でアプリオリにこれほど多くのモノと力がありようがない。
そこでクウォークの一種であまり中身が分かっていない電子を破壊して中身を調べようということになった。今科学者たちは上記した4つの力をまとめようと努力中だ。ひいてはモノとの統合を図ろうと考えている。
そのためには粒子を壊して調べるしかない。ところがサイクロトロンでは壊すためぶつけるエネルギーと正確さが足りない。円をどんなに大きくしようとも遠心力という余分な加速度のために必要な加速度がそがれてしまう。直線にして加速しようという発想がある。これをリニアコライダーという。
原子は10のマイナス8乗センチ、クウォークは10のマイナス16乗センチだ。これを30kmの間にほぼ光速まで加速して正確に相手方の粒子に当てなければならない。
一兆円ほどのプロジェクトだ。多くが日本の技術だ。大田区のおっちゃんありがとう。
僕は夢見ている。僕の窓から背振山(せぶりさん)が見える。その山脈にそって10のマイナス16乗センチの精密さでトンネルが走る。世界中が一兆円という金額にしり込みしたリニアコライダーが走る。