か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

クルーザー、まだまだ暑くて気違いが出る  6

2013年10月02日 | あそび

Image_20070705

労働力も商品だから最近の様な不況の時期には価格が下がる。つまり賃下げになる。あたりまえだ。モノが売れないのにどうやって給与を払うか。お上(おかみ)は他人事のようにデフレスパイラルとか口にしているが、当事者としては出口のない嫌な時代を生きるほかない。

「不況を脱出しつつある。」 給料が上がったこともない貧乏がタイムラグとやらを信じるがいい。

むしろ、民主主義は低賃金を選択した。リーマンショックは確かに外来のものだが、先進国の中で唯一そのショックから抜け出せずもがいているのは日本だけだ。他人を蹴落とし、人の口からパンを引きぬき、こっそりカネを巻き上げてきた官僚が、ここで突然優しく思いやりのある大岡越前になる筈はない。

ところが頭を使ってみるとこんな素晴らしい時代は有史以来だとも思える。

クルーザーというのはとても高い。ポルシェだ、フェラーリだと、車は目立つので衆口に上ることも多い。かたやクルーザーは海の上だ。だれにあうともなし、たまにカップルがハーバーにデートに来る程度だ。郊外住宅を艇の長さにびっしり並べても、クルーザーの方がはるかに高価だ。

だからチャンスなのだ。今中古艇は二束三文だ。しかも、車を僕みたいに何十年も乗る人は少ないが、船は30年は中堅どころだ。

クルーザーは二度うれしいという。つくづくその意味をかみしめている。一度は、買ったとき。おそらく人生で2番目にうれしいだろう。もう一度は、売ったとき。人生で一番うれしいだろう。一粒で2度おいしい、まるでグリコだ。バカがミエだけで船を買いやがて動かす知識もなく扱いに困る。ハーバーはそんな千載一遇の好機にあふれている。二度と来ないチャンスだ。だれか買ってくれないかとにわか成金の医者どもが嘆いている。軽の値段で来る。

ただ腕がいる。よいヨットマンになるにはディンギーから訓練を受けるべきだ。波を読み風を読み機関のくせを知り艇のくせを知る。今日本には大型実用帆船は一隻もない。八代湾の打たせ船はあるか。だがなせ航海実習は日本丸や海王丸の機帆船で行うか。

頭だ。風が強ければバカでもわかるが、微風の時舵をどう切るか帆を出すか絞るか。バカのリトマス紙だ。日ごろからそう言っていた僕ですら失敗して死ぬ目にあった。

そこらのアホ。よく聞きなさい。間違えたら死ぬから面白いんだ。ヨットから跳ね飛ばされると3メートルは飛ぶ。水しぶきで顔がはれ上がる。だいいち、風の音すら最近聞いてないだろ。

カネは何とかなる。例えば知識もなく1000万持っていたとしてもそれで終わりだ。だが知識があればカネはなくとも、ハーバーの大型ごみになった古い船を寄せ集めれば立派なディンギーができる。カネだけ持った便所虫より何倍も優れた人生だ。

実際僕は、その方法で何艇もディンギーを作って友達にやった。オマエらの低賃金より何倍も稼いだことになる。不況がなんだ。自分の貧乏の言い訳にしてはいかんぞ。

アメリカスカップが終わった。国の威信をかけ、企業の威信をかけ、裏工作をし、限られたものしか参加を許さないブルジョワのお遊びが終わった。参加費用は30億。勝利したアメリカは、もっとかけているだろう。

僕は肯定的だ。NZの金持ちも、 USAの金持ちも、スイスも、オーストラリアも何兆円という資産家や企業が参加した。だから30億なんてタダだ。ただならあとは何の勝負をしているか。

気合いだ。


最新の画像もっと見る