か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

国民国家の終焉

2016年07月03日 | 国際・政治

EUを存在させている歴史的理由をまず述べる。Europeとは、ユーラシアの西の端のキリスト教世界であることのみであった。統一世界をかろうじてなしていた。産業革命のおかげで蒸気機関や鉄道が発達することにより世界のリーダーになり上がった、と学校では教える。この統一世界の生産力は世界を席巻した。だそうだ。

話は、そんなにばかげてない。じゃなぜイギリスはその統一世界から離脱したか、スイスは、北欧は・・・

ほんの現在の国境だけで物事を見るしか知らない低能は、イギリスはレゴブロックの様に取り外し可能な国だと知るべきである。さらにバカになると、そんなことは知っている、だからなぜ離脱したんだ、と反論すら出来ずわめく。人の話をゆっくり聞け。

産業革命期にはヨーロッパの列強は時に対立し時に共同歩調をとり、とにかくすでにヨーロッパ意識が成立していた。1914の大戦では一日に60万の戦死者を出す。大戦中で2000万人以上が死ぬ。1940では5000万以上の人が死ぬ。

対立とは壁があるから生じるのであり、対立するから壁を作るのではない。そこでECSC,EEC,EC,EUと、お互いの壁を低くして無益な人殺しを止めようとした。ここまではそうだ。

ところがヨーロッパが均質で歴史性も共有するならそれでよい。幼稚園の中庭で、ケンカは止めましょうね、皆手をつなぎましょ、といってくれる先生はこの場合いないのだ。子供だけで仲直りが出来るか。そんなら幼稚園に先生は要らん。

百年戦争のとき、フランスのほとんどはイギリスだったのだ。オルレアンの少女がイギリスと戦ったのはフランスの奥地だ。ナポレオンはヨーロッパに帝国を完成させ、ヒットラーは3000万人を殺してヨーロッパを手中にしたが、両者ともはかない夢だった。

blade storm,刃の嵐

人々はWWⅡのあとnationalismのプロパガンダのウソを見抜くようになった。だから消しゴムで消すように国境を消すことが出来たのだ。

ただ、均質でないところまで均質を押し付けてはならぬ。それこそファシズムではないか。EU全体のGDPからしてUK一国が抜けても影響ない。今日のユーロをみろ、あるいはポンドをみろ。

危険な議論は、EUから出ることがジョンブルのアイデンテティを保つことになるという幼稚な議論だ。

そういう大戦期の国民国家を鼓舞したカビの生えた議論が、また頭をもたげてきたこと、すなはち、このことは、ヒットラーを墓場から引きずり出してくることに等しい。

 

 

 

 

 


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