《河童》の旅メモ

富雄川流域探索

平城京よもやま話「借用書が語るもの」

2010年04月02日 | Weblog
写経の仕事に着ていた人の借用書が残されている。俸給生活者は借金をせざるをえなくなり、 当時写経一巻で4文から5文を得ていたが人が利率13%で1000文を借りて、16分の半の土地を担保等に入れ一ヶ月借り、なお期日が過ぎれば妻子等を売り払っても返しますと云う決意表明が記されている。 また息子3人や友達が保証人となっている。 貨幣社会に慣れてくるが借金をしなくては生活が出来なくなっている。ほとんどは返していたようだが、借金が返せなくなると生活が崩壊して逃げる。ローン社会と名前は変わったが現代とあまり変わりがなさそうである。しかし保険金目当ての殺人はなかっただろう。
(今日の歴史=896年農民が荒田などを占有したり、五位以上が私的に田を営むことを禁止する)