左側の細い坂道が国道３０８号暗越奈良街道。二列で歩けば道幅いっぱい、ここも「酷道」の所以でもある。
相変わらず小雨の降り続く暗越奈良街道歩き二日目。登って来た坂道を振返れば大阪のビル群とその向こうには、まさかの淡路島がこんな近くに見える。
髪切山（こきりさん）慈光寺。約1300年前、実在した修険道の開祖・役小角（えんのおづぬ）の開基と伝わる。当時生駒山中に鬼賊が住み、人畜を殺傷していたので、役小角は彼らを捕らえ彼等を義学、義賢と名づけてその髪を切り弟子とした。その由緒をもって髪切山（こぎりさん）と号して、修験道の道場として栄えた。山門には「天然記念物指定時鳥（ほととぎす）名勝」の札がかかり、古くよりほととぎすの名所として知られている。
標高400m近い谷あいから湧き出す通称「弘法の水」はマグネシューム等を含む硬水。この暗越奈良街道を利用した松尾芭蕉を始め多くの旅人の喉を潤したことだろう。
この道の最大の難所。道幅が狭く、ヘヤピンカーブでおまけに急勾配とくる、それに今日は雨が加わりタイヤがスタックして登れない車・車…。「酷道」と言われる所以。赤いパーカーを着たドライバーが様子を見に降ってきた。この先にも3台ほど渋滞。