メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

誰もいない海辺

2009-12-11 08:00:00 | 風景
ヴィリャまでの往復6時間。
うちのダンナは無口なので、その間に聞くCDをたっぷり持っていくんですが、
実は私、メキシコに来るまでは車にあまり乗ることがありませんでした。
日本にいたころは、うちには車がなかったので乗らなかったし、
ドイツではまあたまに知り合いに連れられて長距離移動もしましたが、
ドイツ人って音楽をBGMとしてあまり聞かないのですよね。
聞くときは、真剣に聞く。
だから、久しぶりに日本に帰ったときなど、スーパーや商店街、あらゆるお店で
ガンガン鳴ってる音楽に耳が痛くなったほどです。

で、メキシコで自分たちの車を持つようになって、
運転しながら音楽を聞いて、最初の違和感。
それは車の外で鳴るごうごうと空気を切る音と、音楽との不協和音でした。
いつも家で聞き慣れているはずの音楽が、狂って聞こえるのです。
最初の車にはCDプレイヤーなんていいものはなく、カセットテープだったので、
テープが痛んだか、プレイヤーが壊れているかと思いました。
まあすぐに慣れて、気にならなくなったんですが、
ヴィリャまで往復のあいだそんな音楽を聞いていて、
立ち寄った村の外れから海辺へ出たとき、
ただ波と風の音だけがざんざんごうごうと鳴り響いていても、
それがなんだかすごく心地良かったのですよね~。
車が時速100から120キロで走るときに空気を切る音は、
やはり耳が疲れるものなのだなあと思ったことでした。

前置きが長くなりましたが、そういうわけで、
このまったく無人の海辺に出たときの感動と安堵感は大きかったということです。

まあ、家もまだ保存状態がよかったように、
この海辺にもまだ人がいた痕跡はたくさん残っていましたが……。



逆光にしてしまえばゴミも見えないし~。
千鳥たちが平和に歩いてます。

なんと言っても、まったく誰も踏んでいない新雪のような砂浜が気持ちいい。

 

太陽の光を載せて押し寄せる波と、細かくて光る砂と。



まあ普通の角度で見れば、普通の砂浜なんですけどね。
カルメンの海辺はこんな綺麗な砂は、人工的に持ってきて敷き詰めないと、
自然のままだと貝殻だらけの浜になってしまうので、
人がいないことも加えて、さらに神秘的に見えるのでありました。