メキシコの隅っこ

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ボチート思い出話

2008-01-03 02:58:11 | ニュース
日本語でも記事が出ていたのでご存知のかたも多いでしょうが、
メキシコ市のビートル型タクシー、2008年で引退へ」だそうです。

ええ~~~!?



リンク張っておいて堂々とパクリ写真、スミマセン。
カルメンのタクシーは違うんで、自力で写真が撮れません。

でもシティではいつもお世話になるこのタクシー、
消えてしまうんですか。
次にシティに行ったとき、このタクシーがなかったら、
何に乗ったらいいかわからず、呆然と道端で立ち尽くす気がします

まあ、ドイツではとっくに生産されていないこの車、
でも昔話をさせていただけば、
私がガキンチョでドイツにいた30ン年前、
ドイツはこのケーファー(カブトムシ)の全盛期でした。
あっちを向いてもこっちを向いても、カブトムシカブトムシカブトムシ……。

それが、10何年か経って単独で留学に行ってみたら、
ないなあ、どこにも。
見事に消えてまして。

1991年だったか、メキシコに初めて来たとき、
貧乏な学生や貧乏なメキシコ人、いや普通に中流の人でも
このカブトムシを使っていて、懐かしかったです。
メキシコにはフォルクスワーゲンの工場があって、そこでは未だに
カブトムシを生産していると、ドイツの友人にも言われるほど
メキシコのカブトムシ生産は有名、てか世界で最後だったのかな?

そして最後の工場のプエブラがカブトムシ生産中止になったのが
2003年7月30日だった様子。
そのニュースは覚えてるんですが、正確にいつだったかはこちらの記事で確認。
てことは、これから減る一方なのだろうな、とは覚悟しました。

でもメキシコですからね、もう捨てるしかないような部品でも
何とか使っちゃったりして、修理して修理して、
まだ何年も使えたりするんだろうなと。
実際、2003年から3年半。
未だにシティを走っているタクシーだけで5万台。

しかし、車の登録の条件として2008年モデルでないとダメ、
ということになったらしくて(タクシーの話か?)
これはもうもしかして一斉に消えちゃうんでしょうか?

シティの流しのタクシーは危ないとか言いますが、
私は割と何度も、というかいつも乗ってます。
まあバスターミナルまでとか言って大きな荷物を持って乗ると、
どの道を通りましょうか?なんて訊いてくる。
渋滞状況を相談しつつも、ある程度シティを知っている様子を見せないと、
引っ張りまわされたりするかもしれませんが。

一度はメーターに細工してあるのに乗ったことあります。
ダンナと一緒だったんですが、私はまだスペイン語がわからないので、
メーターを眺めてたら、上がり方が異様に早い。
ドイツ語でダンナにそれを告げたら、途端に止まりました。すげえ。
あとで乗ったタクシーの運ちゃんによると、
ギアやハンドルの辺りにボタンがあって、それをポチポチと押すんだそうです。
用もないのにおかしなところを触るやつには要注意、と教えてもらいました。

また一度は、おかしくもない冗談を連発して、
無視して黙っていると、到着の少し前にメーターを切って吹っかけてきたヤツ。
切る直前まで見ていたし、何度も乗っているコースだったので、
そのことを指摘して通常通りしか払いませんでしたが、
これもあとでいろいろ教えてくれた運転手さんによると、
警察がいるところで止めさせて、警官に訴えると脅すといいんだそうです。
でも、それで警官が介入してきてタクシーにぼられるのは免れても、
今度はその警官に賄賂(お礼)を要求されそうな気もしますがね。

でも、数え切れないほど乗ったうちで、問題があったのは
この二回きりかな。
怖い話は人からはたくさん聞いてますけどね。
まあ、大学構内でタクシーに乗って大学本部に行ってと頼んだら、
それどこ、と言われてびっくり、
そのあとメトロのコピルコ駅まで、と言ったらまたまた
どう行けばいいの、と言われてがっくり、
なんてこともありましたが(でも似たようなことは日本でもあったな)。

ビートル車のタクシーはたいてい、助手席がないです。
後部座席だけで、三人までしか座れません。
助手席があったところには足拭きマットがあったりして、
小銭をその下に貯めてたりします。
ドアにはたいてい太いベルトがついていて、運転手さんはそれで開け閉め。
座席はボロボロで垢で黒ずんでいたりして、
床もゴミだらけの土だらけで何年掃除してないの、という感じ。
のがほとんど。
何度か知り合いのワンコを獣医さんに連れて行くのに付き合ったことがありますが、
そういうタクシーだとワンコだって問題なく一緒に乗れる。
スペースたっぷりだし、遠慮はいらないし(どうせ汚ない)。

カルメンのタクシーはニッサンのTsuruですが、
犬は乗せてくれないだろうなあ。
猫なら抱いて乗ったことありますが。

メキシコではボチョ、ボチートと呼ばれて愛されてきたフォルクスワーゲン、
消えてしまうのは本当に悲しいことです。
La Jornadaの記事もリンクしておきます。

それからウィキペディアの日本語ページにも、詳しい歴史、
そしてメキシコやブラジルで生産が続けられた話なども載ってたのでリンク。
フォルクスワーゲン・タイプ1
また、こちらにもビートルの歴史が載っていて、最後のところにメキシコや
その他どんな国で生産が続いたかが書かれてますね。
第3話 ビートルの歴史(3) 世界中で愛されるクルマへ(5)

そしてこちらが、生産終了のときのニュース(日本語)。
フォルクスワーゲン・ビートル生産終了

世界通算2152万9464台目としてラインオフされた最後のビートル(メキシコでは「ヴォチョ」と呼ばれた)は、
最高出力34kW(約46馬力)の1600ccエンジンを搭載した「ウルティマ・エディシオン(最終エディション)」。
ウルティマ・エディシオンは3000台限定モデルですでに完売しているが、
最後の1台は販売せず、ドイツ・ウォルフスブルクにあるフォルクスワーゲン本社に展示されることになっている。


だそうです。