メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

大洪水のあと

2008-01-25 08:42:36 | 出来事
実は、うち、借家住まいをしているくせに、
隣町のヴィリャエルモサに持ち家があります。
間違って買っちゃったもんです。

まあ話せば長いことながら、
私は「いつどこに転勤になるかわからんのに家なんか買ってどうする」、
ダンナは「住めなきゃ人に貸せばいい、収入源になる」と意見が対立(メキシコ人て必ずこの発想だよね)。
あげくにダンナが勝手に会社からのローンを借りてしまいました。
借りちまったもんはしょうがない、ということで、
まあ当時ヴィリャエルモサへの転勤の話がかなり具体化していたので、
片道3時間のところを週末ごとに何度も往復して家探し。

で、新築庭付き買って、来週にも転勤だよ~、という話になって……
消えてしまいました、転勤。
まあこんなもんです。

じゃあ人に貸しますか、ってことで貸してたんですけど、
去年の3月に新しく入居した家族が、
入ったときの家賃以降、まったく払ってくれなくて、ですね、
まあ揉めたあげく弁護士を立てて出て行っていただきました。
家賃は半年分未払い、弁護士代、さらには3000ペソの電気代未払い。
収入源になるどころか、よけいなお金ばっかりかかります

だから言ったじゃないよ~~、家なんか持ってどうすんだって!!
分不相応なものには手を出すなってことですね。

で、出て行ってもらったのが10月。
11月の頭には、ヴィリャエルモサを未曾有の大洪水が襲いまして。
カイマンさんが新聞からの写真入りで記事を書いておられたので
そちらも参照してみてください こちら

mumuちゃんの同僚の旦那さんが当時ヴィリャを訪れた話では、
都心部は3~4mの浸水。
人とも動物ともつかない水死体がぷかぷか浮いて、地獄だったそうです。

メキシコ中から募金やボランティア活動で物資がかき集められ、
それでも何とか年内に避難生活をしていた人たちも
家に戻れる程度には復旧したようです。
もちろん戻ったって、何もかも水浸しの上、
火事場泥棒ならぬ洪水泥棒も横行していたでしょうから、
すっかり元通りというわけにはいかないでしょうが……。

さて、うちも、あの家どうなったかねえ、と言いつつ、
道がまだ閉鎖されてるとか、行くなら肝炎とコレラとチフスの予防注射を受けて、
あっちで飲み食いはしないで、持参のものだけ口にしろとか、
いろんな情報が錯綜して、行きかねてました。

家族がいるとかなら、たとえ少々の危険を冒してでも行くでしょうが、
まあうちの被害は、所詮、家一軒。

というわけで、やっと重い腰を上げて出かけたのが、
今年に入ってからの、1月5日。

町は、まあ少なくとも見た目にはすっかり以前と変わらず。
ただ、うちの持ち家に向かう道、いつも通ってるんですが、
このときだけは、うわ~、どんどん下り坂になってるよ……と。
しかも、途中の電線に、こんなものが。



家の二階ほどの高さのところに、ぶら下がる椰子の実。
上から落ちてきたわけではないので、つまり、この高さまで水が……?

さて、うちはどんなふうになってるか、と到着しましたら。

 浸水1m、くっきり

うわ~~、きったねえ~~!

 キッチンの勝手口のガラスが割れてました。
なるほど、ここから一気に流れ込んだか。水も、ゴミも。

階段下のトイレ 

 閉め切ってた小部屋

茶色いカスが一面にこびりついたところには、
何やら虫が這い回ったようなあとがびっしりと。
なんですかね、これ?

 ワンコも呆然?

で、これを日帰りで掃除するのはどう考えても無理だし、
それに街中であちこち目につく看板、「建物掃除引き受けます」。
さすが~~、洪水のあとの繁盛商売ナンバーワンですね?

というわけで、何ヶ所かに電話をかけてみましたが、
土曜の午後とあって、働いているところはどこもなし。
まあ前回の借家人に懲りて、洪水の直前から不動産業者に頼んでるので、
鍵はそこに預けてます。
そこと連係で何とかしてもらうしかないでしょう。

まあでもホント、うちはこんな程度の被害ですんで、よかったです。
転勤の話が当時つぶれれて幸運だったかもね~、なんて不謹慎発言も。
でもうちの財産といえばその大半がだったりしますから、
まあせっせと二階に運び上げたとしても、家具だの何だのの被害は出たはずで、
しかもその運び上げる時間があったかどうかも分からない急激な洪水でしたからね。
本だって、市場価値はゼロに近くても、日本語やドイツ語の、
しかも絶版とか入手が非常~~に困難なものとか、まあいろいろあるわけですよ。
カルメンではこんな洪水、起こらないでほしいもんです。
なんと言っても今の借家は平屋ですから。

さて、ヴィリャの新年を迎えた町の中では、クリスマスからの飾り付けが。



ちょうど隠れちゃいましたが、「タバスコは立ち上がる! おめでとう!」
と書いてあります。いや、「立ち上がれ」かもしんない。
タバスコは州の名前で、ヴィリャはその州都です。

あちこちにあったので、もう少しマシな写真を、と思ってたら、
帰る夕方ごろには急激に空が曇り……



雨は当分けっこうです、と言いたいであろうヴィリャの皆さん、ご愁傷さまです。