花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

MEMLING展-幻の《最後の審判》

2015-01-21 01:44:02 | 展覧会
ローマのスクデリエ・デル・クイリナーレ「MEMLING」展も終了してしまった。感想文を書こうかどうか迷ってネットを彷徨っていたら、ニューヨークタイムズのWeb版で、驚きの事実を知ってしまった。なんと《最後の審判》がグダニスク(ダンツィヒ)から借出される予定だった!しかも、開催3週間前に政治的事情でドタキャンされたとのこと…!!


メムリンク《最後の審判》グダニスク国立美術館(1467-71)

1473年、あのシャルル・テメレール(豪胆王=むこうみず)の時代、トンマーゾ・ポルティナーリがブリュッヘからロンドンへ向かわせたガレー船が、ハンザ同盟に与したパウル・ベネッケの私掠船に捕獲されてしまった。船にはフィレンツェ(フィエーゾレ)に送るべく、ハンス・メムリンクの手による(寄進者アンジェロ・ターニとカタリーナ・タナーリ夫婦)トリプティクが積載されていた。ポルティナーリもむこうみずもシクトゥス4世も、ダンツィヒのベネッケから取り戻すべく奔走した。しかし、むこうみずはナンシーの戦いで不慮の死を迎え、シクトゥス4世はパッツィ家の陰謀事件により手を引く。
(参考書:アビ・ヴァールブルク著作集3『フィレンツェ文化とフランドル文化の交流』、堀越孝一著『ブルゴーニュ家 』)

歴史ってなんて皮肉なのだろう!ダンツィヒの人々はフィレンツェ人からの私掠品であることを忘れ、ダンツィヒの宝石としてしまった。そして…今回も《最後の審判》は帰ってこなかったのだ。(まさかイタリアに貸したら戻ってこないと考えたりして???)

うーん、もしかして観られたかもしれなかったと思うと残念でたまらない。気を取り直して展覧会について書けるかなぁ??(^^;;