省エネ・節電のため冷房時の設定温度を28℃にすることが推奨されております。一部マスコミにから「節電ファッショ」だと指摘されております。さて28℃の設定温度って妥当なのでしょうか?
そもそも28℃の根拠は、と聞かれると困ってしまいます。省エネ業界に携わって20年近くなりますが、本気で調べたことはありません。以前、労働安全衛生法(事務所衛生基準規則)で、そのように決められているというのを文献で読んだことがあります。ですからどうもこれが根拠となっている模様です。政府が定めたものを自ら破ることはできませんので、28℃を推奨していることでしょう。
ではその根拠は、といわれると再びハタと困ってしまいます。おそらくはどなたか偉い学者さんの論文か何かだと想像しますが・・・。
問題は実際に28℃とした時どうかということですね。これは個人差としかいいようがありません。といってしまえば身も蓋もありませんが・・・。
例えば、オフィスの中のデスクワークなどの軽作業に従事している方と工場で重労働している方を一律に論じられません。軽作業であっても防塵服を身に着けていては大変でしょう。
工場の現場などで体験したことですが、室内に発熱体があってエアコンをガンガン効かせても30℃位にしかならないところがあれば、精密機械があって20℃近くまで冷えているところもありました。あるいはエアコンなど無い作業場所もあります。
また、30℃以上の屋外から28℃の室内に入ってくれば、物凄く涼しく感じますが、最初から28℃の部屋に居た人は暑苦しく感じるかもしれません。人間は環境に慣れるのです。環境の変化を敏感に捉えます。そして環境に順応しようと身体を変化させていく能力を持っています。しかし環境に順応するためには時間がかかります。
現在、私の作業部屋の室温は30℃(湿度54%)です。曇っていて幾分涼しく感じます。冷房はありません。日中は35℃以上になることもあります。しかし、同じ30℃でも農作業をしているとクラクラすることがあります。それはムシ刺されなどを防止するため長袖の上着を着用しているからでしょう、汗で通気性が悪くなってしまいます。そのことで気化熱による体温の発散が抑制されてしまっているのでしょう。高温に慣れていても作業環境が異なれば感じ方も異なることの証左だと考えます。
このように一律28℃の設定温度を推奨するのは如何なものかと思います。しかし、そうでもしなければ周知が徹底しないというのも分ります。ですが今回の件は、あくまでも節電の協力を求められているのです。ですから電力使用制限令は少し筋違いなような気がしております。
ましてや同制限令に違反した場合に28℃に温度設置をしていなかったから故意があると認定されてしまうようなことがないように願うばかりです。
<<参考>>
高めに温度設定をすればするほど節電効果が高くなりますが、あまり高くするとエアコンを運転する意味がありません。
外気温より高い温度設定をするくらいならば、窓を開けるなりした方が涼しく過ごせます。もっとも窓を開けられればの話ですが・・・。何らかの理由で、窓が開けられない場合もあると思います。
都会ではエアコンなしでは大変だと思います。それに比べれば、田舎では工夫次第で随分と涼しく過ごせるのではないかと思います。
今年のゴーヤは昨年のコボレ種が芽を出して勝手に育ってくれました。生育が少々遅れましたが、明日くらいには最初の収穫が出来そうです。もちろん「よしず」がわりに日よけになってくれております。
できるだけエアコンに頼らずに暮らしていければと思っております。
お詫びして訂正致します。
人の言うことは、素直に聞くものですね。反省!!