山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

家族農と大規模農業~下町ロケットを視て思うこと

2018-12-07 | 農業
 下町ロケットは以前から共感をもって視聴しておりました。私自身も開発に従事していたこともあり、「だよねー!」と感情移入できるシーンも多々あります。しかも、今回のテーマは農業だということで、ますます期待が高まっておりました。

 しかし、いざ蓋を開けてみると大いなる期待外れでした。色々と取材はされているのでしょうが、あまりにも農業の現実を一面からとらえているといった印象です。確かに農機の自動運転は必要なことでしょう。実現すれば救われる農業者もいらっしゃるでしょう。
ただ、それは極一部の話で、圧倒的多数の農家は、そのようなものの必要性を感じていないと思います。

 おりしも、2017年12月20日の国連総会で、2019年から2028年までの10年間を「家族農業の10年」とすることが採択され、来年はこのスタートの年でもあります。
 世界の食料のうち約8割が家族農業による生産でまかなわれていると言われております。しかるに、農水省は大規模化、ICT化を推進することに躍起になっており、家族農業、中小零細農家は無くなってしまえと言わんばかりの政策を推進しております。

 中小零細農家、兼業農家の役割は当ブログの「農業カテゴリ」で散々書いてきました。大規模化を否定するつもりは毛頭ありませんが、大規模集約化すれば全ての問題が解決するといった幻想は持つべきではないと思います。

 
 私からみれば、下町発のトラクタも大企業のトラクタも五十歩百歩です。少々無理筋のテーマ設定であったと思われます。まぁ、ドラマとしては面白いが・・・。下町ロケットもそういった醒めた眼で視ております。