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『孟子』巻第八離婁章句下九十六節、九十七節、九十八節、九十九節

2018-03-12 10:14:44 | 四書解読
九十六節

孟子は言った。
「中和の徳を具えた賢者が、徳の至らぬ人々を教え導き、才能ある者が、無能な人々を教え導く。だからこそ人は才徳すぐれた賢父兄がいて、導いてくれることを喜ぶのだ。もし徳ある者が、不徳の者を見捨て、才能ある者が、不才の者を見捨てたとしたら、徳ある者も徳無く、才ある者も才無しとなり、賢と不肖との隔たりは一寸の開きもないことになる。」

孟子曰、中也養不中、才也養不才。故人樂有賢父兄也。如中也棄不中、才也棄不才、則賢不肖之相去、其閒不能以寸。

孟子曰く、「中や不中を養い、才や不才を養う。故に人、賢父兄有るを樂しむなり。如し中や不中を棄て、才や不才を棄てるなば、則ち賢不肖の相去ること、其の閒、寸を以てすること能わず。」

<語釈>
○「中」、趙注:中は、中和の気を履み、生ずる所、之を賢と謂う。○「養」、教え導くこと。

<解説>
徳ある者は、不徳の者を、才ある者は不才の者を、それぞれ教え導く義務があるということだが、今の我々からすれば、大きなお世話ということだ。

九十七節

孟子は言った。
「人は不義を決して行わないという決心があってこそ、大きな事を成し遂げることが出来るのだ。」

孟子曰、人有不為也、而後可以有為。

孟子曰く、「人為さざる有り、而る後以て為す有る可し。」

<解説>
この節の趣旨について、服部宇之吉氏は云う、「不義を為さざる人にして、其の才始めて用に立ち、為すところあるを得べし。」

九十八節

孟子は言った。
「人の善くない点を言いふらせば、それによる患難がわが身に及ぶことになる。そうなればどう対処するつもりなのか。」

孟子曰、言人之不善、當如後患何。

孟子曰く、「人の不善を言わば、當に後患を如何すべき。」

<解説>
服部宇之吉氏云う、「君子は人の惡を言わず、蓋し人自ら惡有れば、他人の之を言うを惡む、人の惡を言わば、後に患難我が身に及ばんとするを思うべし。」

九十九節

孟子は言った。
「孔子は中庸の精神を重んじて、極端な事をしない人だった。」

孟子曰、仲尼不為已甚者。

孟子曰く、「仲尼は已甚だしきを為さざる者なり。」

<解説>
特に解説することはない。

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