天皇皇后両陛下の何となく心温まる記事である。先にトランプ大統領が国賓として来日し、会見の際に陛下にお土産としてビオラを贈られたときのこと。陛下がオーケストラでビオラを演奏された映像を見たことがあるが、大統領はこれを知って(調べていたのだろうが)選んだのだろう。心温まるのこの先である。皇后さまが今夜お弾きになられたらと言われたそうだ。これは贈り主に対して私も大変喜んでいますという感謝の表現であり当意即妙のお礼である。いや心温まるのはこの後である。
実際、宮中での会見の後、夜の晩餐会までの合間に赤坂御所に戻られた際ビオラを弾かれたという。そして、ビオラは大変素晴らしい音でしたと感想を述べられたとのこと。感想がトランプ大統領に伝わったかどうか知らないが、大統領としてはこれほど嬉しいことはないだろう。夜の晩餐会は陛下の主催であり格調高い大事な行事でもある。その合間にちょっとビオラを弾いてみる。普通は晩餐会の段取りなど頭の中でシミュレーションし緊張で過ごす時間である。この余裕は流石陛下と言わざるを得ない。興味もあり、造詣も深く、自らも奏者である陛下にとっては、例えは失礼だがクリスマスプレゼントの包みを待ちきれず開く少年のような心だったかも知れない。また皇后が言われたことをちゃんと覚えていて弾いてみたのかも知れない。そこには何とも仲睦まじいご夫婦の姿が想像される。贈り主のことを思い、夫婦互いを思いやるエピソードは政治は皇室という枠を超えた心温まるニュースとして伝わった。
これも例えがよろしくないかも知れないが、あの籠池夫妻を思い出した。多くの問題を提起した森友事件ではあるが、窮地に立った夫妻がTVニュースで伝わる映像では奧さんが旦那さんを信頼し尊敬している発言や態度が随所に見られた。旦那さんも奧さんを大事にしている姿は事件の枠を超えて印象に残っている。皇尊弥栄、平和の象徴であり続けられることを願って。