太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

報復関税

2019-05-14 08:11:36 | 社会観察

中国がアメリカへの対抗としてアメリカからの輸入品の関税を上げることになった。それならばとトランプ大統領は中国からの輸入品ほぼ全てに25%の関税をかけると言い出した。貿易戦争勃発である。これに対しどちらの国も消費者は困るだろう。私などは衣服は殆ど中国かベトナム、最近ではミャンマーやラオス、カンボディアといった東南アジア製も混じる。もしこれが25%値上げされたら裸で暮らすしかない。貿易収支は全世界を積み上げればゼロサムであり、何処かが黒字ならその分どこかが赤字である。会社の負債だって反対側のどこかにそれを資産として享受するところはある筈だ。しかし部分的に極端な貿易赤字や負債が集中すると国や会社としては問題であり殆どメリットはない(黒字にはあるが)。へそ曲がりのんき経済学では米中の貿易戦争で物の行き来が途絶えると、捌け口を求めて中国の安いものが入ってきて、物不足のアメリカに日本が輸出するといった漁夫の利が得られるのではないものだろうかと考える。一攫千金、探せばそういう分野(産業)がありそうな気がするが。

報復(復讐)は英語でrevengeだが日本ではカタカナになったとたん、再挑戦とか勇気ある行動の意味になる。ボクシングファンとしては古くからrevenge-matachとして使われていたことを覚えているが日本では一人のプロ選手があるときリベンジを果たしたいと言ってから有名になった。正確には報復関税の英訳はretaliatory tariffsでありリベンジは使われない。それにしても米中の応酬の早さは驚くべきである。欧州や日本では決断までにあれやこれやと議論百出、税関のシステムだって変えなければならず、通関前の保税倉庫の製品はどうなるかとか纏めるには相当時間がかかるだろう。独裁者(体制)のなせる技である。中国の決断の早さは民間ビジネスでも経験するところだが、アメリカの大統領にこれほど権限が集中しているとは思わなかった。世界経済がたった二人に翻弄されていることは決して好ましい姿ではないだろう。

太陽電池でも関税が問題になったことはある。税関がHSコードの解釈を変えて高い税率を課すと言い出した。これに最初に問題提起したのは地元の輸入業者である。関税はかけた国が払う(輸入業者)筋だが、関税が上がったから値段を下げてくれと輸出元に圧力をかけてきた。それ以外には現地に系列の販売拠点を置く会社はまともに競争力が落ちた。関税を上げて税収を増やそう、国内産業の保護もというのが逆に問題が大きくなりすぎて収拾がつかなくなってしまった。この問題はHSコードの解釈が間違っていると国際的なコンセンサスが出来て元の鞘に治まったが米中貿易戦争は貿易収支というとてつもなく多様な問題を含んだ問題である。ちょっと何かをしたぐらいでは貿易収支が均衡するとは思えない。独裁者が、もういいやと思う時が終わりという予測不能な決着である。株は持っていないから株式欄を見るのが楽しみである。蜜の味。