釣りに出掛けた。このところ釣れていないクロダイにリベンジである、薄曇りでちょっと寒く波は結構荒い。相変わらず大勢のサーファーがいる。皆サーフィンは上手だから常連だろう。平日なのにこの人達はどうやって生活しているのだろうと要らぬ心配もしてしまう。やっぱりアタリはないが粘る。一人の同年配の人がやって来て観てもいいですかというので釣れる場面を見せられたらいいのだけど簡単には釣れないよと言うと、自分も色んな魚を釣ってきたがクロダイはやったことが無いので参考にと言う。そこから竿は何mだとか、餌ガニはどうやってとるのとか仕掛けの細かいことを聞いてくる。少々煩いと思ったがあまりに熱心なの無碍にもできない。暫く話すと隣で釣っている人のところに行って喋り出した。多分同じようなことを聞いているのだろう。また戻ってきて隣は今日40㎝くらいのを1枚上げていると報告する。その時糸が縺れて解そうとすると横から手を出して自分がやりましょうと言う。相当粘って無事解してくれた。ここまで来ると相手をせざるを得ない。その内自分の生活のことまで喋り出した。割と家が近いことが分るとどの道を通ってここまでくるのか、自分はどの道だとかカーナビ並みに詳しく説明を始る。農家の生まれだけどサラリーマンだったのでもう百姓には戻れない。近くに住宅団地が出来て土地を少し売ったから金には困らないが子供がいないので弟の子供を養子にしたかったけど上手く行かなかった。金を残してもしょうがないので定年後は海外を含めて旅行は随分行ったとのこと。もう4年もブラブラしているけど人間何時死ぬかわからないからあくせくするのは止めてこれで良いと思っているとのこと。ここまで来ると世間話もちょっと重たい。釣り場の会話は互いに深入りしない気楽さが良い所だが相槌だけになる。
今は釣りがちょっと面白いというので随分良い身分ではないですかと言うと、そうです気楽なもんですと言う。もうすぐ紅葉が始まるのでそれだけは見に行こうと思っている、後何回観れるか分かりませんからと今度は自分が行った紅葉ベストスポットの話を始める。相槌だけに気付いたのだろうか夕方少し寒くなってきたこともあり帰るという。ちょっとほっとしたが今度は何処の釣り道具屋に行っていると尋ねる。帰りにクロダイ用の竿と仕掛けを買うつもりとのこと。また此処で会いましょう、その時は釣り方を教えて下さいと言うので釣りはまぐれですよ。魚さえ居れば釣れるし、居なければ名人でも釣れないと返しておいた。きっと又顔を合わすことになるだろう。
奥さんと二人で家の会話も尽きているのだろう。初対面であれ程喋る人は珍しい。勿論会話と言うよりモノローグに近いのだがそういう性分だろう。こちらは話し相手が居なくても何時間でも黙っていることはちっとも苦にならない性分だ。釣り場には定年後の同じような境遇の人が随分多いが寂しさを紛らわす方法は様々である。少年っぽい好奇心だけは羨ましいと思った。
今は釣りがちょっと面白いというので随分良い身分ではないですかと言うと、そうです気楽なもんですと言う。もうすぐ紅葉が始まるのでそれだけは見に行こうと思っている、後何回観れるか分かりませんからと今度は自分が行った紅葉ベストスポットの話を始める。相槌だけに気付いたのだろうか夕方少し寒くなってきたこともあり帰るという。ちょっとほっとしたが今度は何処の釣り道具屋に行っていると尋ねる。帰りにクロダイ用の竿と仕掛けを買うつもりとのこと。また此処で会いましょう、その時は釣り方を教えて下さいと言うので釣りはまぐれですよ。魚さえ居れば釣れるし、居なければ名人でも釣れないと返しておいた。きっと又顔を合わすことになるだろう。
奥さんと二人で家の会話も尽きているのだろう。初対面であれ程喋る人は珍しい。勿論会話と言うよりモノローグに近いのだがそういう性分だろう。こちらは話し相手が居なくても何時間でも黙っていることはちっとも苦にならない性分だ。釣り場には定年後の同じような境遇の人が随分多いが寂しさを紛らわす方法は様々である。少年っぽい好奇心だけは羨ましいと思った。