もうそんな季節かと思う。まだ正月まで2カ月もあるのに折り込みチラシやコンビニのポスターに予約受付が始まった。年々少しづつ早まっているよな気がする。そのうち1年が繋がってしまう。おせちと言うのは正月3が日くらいは女の人が料理を作るのを休めるよう考えられたものと子供の頃母親から聞かされていた。どうも間違いのようである。始まりは元旦や五節句の宮中行事で節会(せちえ)と言われる宴がありこの時、神様に供えたり振舞われた料理のことを指していたようだ。御節供(おせちく)が縮まっておせちとなり、江戸時代には庶民の間に広まったそうだ。重箱に収まる具材や料理に意味があるのはお供えものだからである。
確か去年も同じ頃に注意した筈だが未だに誇大広告は続いている。一体公取いやJARO(日本広告審査機構)か、何をしている。おせちは一般的に3段重である。ところが広告写真で開陳された各段に詰められている具材はどう見ても上の重で蓋が出来ないほど箱から飛び出している。写真の見栄えのために立てかけているといった嘘は通じない。伊勢海老など半身以上乗り出し、どう工夫し横に寝かせてもスペースに収まるサイズではない。誇大、拡大広告と言わざるを得ない。料理の全ては写真技術により色鮮やかでこれを誇大、拡大広告と言わずに何と言う。昔食堂の陳列ケースの食品サンプルと実際出てきた料理の差が問題になったことがある。正月くらいと思う消費者の財布の紐の緩さを狙った悪徳商法とも言える。それぞれが重箱のマス目に収まった写真を使うべきである。数千円なら正月だから目をつぶるが数万円である。近所の花まるやゆで太郎で食べる昼食なら2カ月はゆうに通える値段である。コンビニのパンとコーヒーなら3カ月苦労しない。
比較的良心的なファミレスのメニュー写真はほぼ現物どおりでまともである。悪徳ファミレスが出てきてメニューにサイズは書いていないから写真は実物大ですと言って小指くらいの海老フライを出してきたら怒るだろう。文句があるなら買わなきゃいい、食べなきゃいいというものではない。正月早々少なからずショックを受けている沢山の人を思うと黙ってはいられない。
呑気なことを書いているがまた台風がやってくる。沖縄を襲い、本土を縦断しそうな気配である。国際宇宙ステーションから捉えた台風の写真が掲載されたが目がくっきり写っており相当強い台風である。しかし写真は台風が地球を覆っているかのように周辺は地球の球形そのままである。アングルのせいなのか全体を捉えようと魚眼レンズを使っているのか分からないが一言注意書きを入れるべきである。あまりの大きさに腰を抜かす人も居るだろう。釣りの写真で両手を前に突き出して魚を見せるものがあるが後に写る釣り人の顔と比べてメダカも鮭くらいに見えてしまう。早朝は猛烈に雨が降っていたが今は止んで木の葉1枚ゆれていない静けさである。しかしこの辺りの台風のピークは今夜半とのこと。天災は他所事と感じて育ってきたが今はジワリと迫りくる恐怖がある。東大と国立天文台などの研究チームが、宇宙は今後少なくとも1400億年間は存続すると発表した。一安心である。もし140億年なら迫りくる恐怖である。