選挙モードに入って小池氏の露出がどんどん露わになってきた。マスコミを上手く使ってきたようだがここに来てすこしづつ綻びが見え始めた。何故希望の党がこれほど脚光を浴びてきたのか。根本理由は驕りや緩みが出て来た巨大与党に対し、国民は対抗する巨大野党という受け皿ができるのではないかという期待にある。
ところが民進党の合流について全てを受け入れる気はさらさらないとか、憲法改正とか安全保障に対する考えが同じ必要があるとか言い出した。多分野合と批判されることを気にしているのではないだろうか。ONE VOICEの政党を目指すと言うのはONE IDEAという意味か。もし、理念が同じであることを絶対条件にしたら従来の小政党が一つ増えるだけだ。9条を廃止することに賛成か、アメリカが先制攻撃をしたら如何なる事情があろうとも我が国の存亡の危機と理由つけをして集団的自衛権を発動して一緒に戦いますことに賛成しますか、逆にもし日本の米軍基地が先制攻撃を受けても外交努力と言い続けますかと問えば与党の中でも意見は分かれるはずだ。だだっ広い理念を持ち出せば何処かに違いがあることは当然である。民進党の中にも合流に反対している人は居る。理念を貫くと言う意味では立派に聞こえるが、では小政党のままでどうやって政策を実現しますか、小政党の乱立では巨大与党とどう対決しますかという問いがあったらどう答えるのだろうか。いや思想信条までは譲れないというならそれはそれで結構だし選挙民の納得を得れば良い。自らの考えや政策が実現しなくともと議員を続けたいと言っているのとほぼ同じなのだが。
もし小池さんが単に新たな政党を作る事だけが目的で、憲法改正や安保法制堅持を目的とするなら第2与党ができるだけと言われても仕方ない。都政で圧倒的に勝利したのはしがらみに勇気を持って立ち向かう姿を都民に対してアッピールし、実際にオリンピックや豊洲移転で旧勢力を向こうに回し立ち回ったことに喝采したのが人気の理由である。勿論今でもかき回しただけで成果は出していないという批判はあるが、それでも過去の知事では問題点すら見抜けなかったと思う。
今求められているのは、巨大与党に立ち向かいしがらみの無い政治を実現することである。そのためには過去どうあっただとか考えが違うということを最優先するのは過去のしがらみを引きずっていることになる。理念や考え方が一致する人だけを受け入れるなどと言われてもなるほど希望の党はそういう立派な考えかと同調して投票するほど選挙民は党のことは知らない。それより、過去は色々あったかも知れないが今党に入りたいと言う人は全員歓迎する。それは巨大与党に対抗するためには必要なことである。ただ、選挙区の問題もあり必ずしも希望通りにいかないこともあるが容赦願いたい、と言えばああ現実問題もあるんだなあと納得する。理念とか考え方など大方の選挙民は理解していない。ただ、リセットとかしがらみの無い政治というのは同調する。そこでイメージだけで具体性が無いという批判が必ず出て来る。具体性は公約だと思うが、公約を破るどころか公約に無かったものまで実現するご時世である。具体性が無いという批判が何処まで信憑性があるのか疑問である。より上位の目標に向かってどこまで国民を納得させられるかにかかっている。政党間の調整やマスコミ批判に汲々していては巨大野党実現は覚束ない。
与党が大勝利を収める方法は一つ。安倍総理は5年間で成果を残してきました。しかし、長く続けることの弊害も出て来たことは国民の皆さんにも明らかだと思います。自民党には中堅、若手に優秀な人材は山ほど居ます。次はこの人達に未来を託し、内閣の若返りを図ります。先輩達は経験を元にそれを全面的にサポートしぶれずに若返って行く党になります。これで決る。
選挙のためだけの烏合の衆では何れ内部分裂で瓦解すると良く言われるし当たっているだろう。しかし、その時は与党の一部を巻き込んだものとなる。その時初めて民主党、共和党のような政権交代可能な2大政党ができる可能性がある。緊張も生まれ、駄目ならこっちという選択肢ができる。自分達に期待されているものは何か、自分達の何処が否定されているのか、冷静に分析し反省しなければ最大票田、無党派層は取り込めない。