日曜の朝、我が家の猫の額ほどもない庭の生け垣の木を切ることになった。20数年経つのに、ちっとも葉が茂らず垣根の役目を果たさないのだが、一応不要に伸びる。貴重な緑であり、妻は伐採して手間の要らないアルミのフェンスにしたがるが私は少しでも緑がある方が例え雑木であろうが気持ちが落ち着くと言って残してきた生け垣である。作業の最中最近引っ越してきた隣の奥さんがチリトリと箒を持ってでてきた。話をしたことは無かったがヒジャーブを被っておりモスリムの人と分かる。日本語は分からないと聞いていたが一応、日本語か英語が分かりますかと聞いたらNoの返事が返ってきた。それでも一応、どこの国の方ですかと聞いたらガボンと聞こえたのでへぇーと思ったがそのあと聞き取れるアフガニスタンと言われた。カブゥール(首都)の発音をガボンと聞き間違えた自分の英語力も恥ずかしいが、それでも懲りずに「私が働いていたソーラーセンターにアブドラ外相(カルザイ大統領の右腕と言われた男)が日本に援助のお礼に来た帰りに寄られたことがあり、二人で写真も撮りました。」と言うと残念ながら外相のことは通じたがそれ以外は通じなかった。
新聞を広げると一面トップに「COP21革新技術で環境貢献」と首相の演説案が載せられていた。 余談だが、昔首相の演説原稿に目を通す機会があった。太陽光発電に触れた部分に間違いがないかの確認を役人から聞かれた時のことである。驚いたのは平易な漢字を含めて全てにフリガナが打ってあることだった。漢字の読み方を間違えて覚えていて時々失笑を買う首相だったが、流石に国際舞台での間違いは不味いと思ったのだろう。役人も大変である。
COP21の演説案は新聞でしか知らないが水素貯蔵や蓄電に触れている。「水素エネルギー(の活用)は天候に左右される再エネの課題を解決するだけでなく、排出削減を実現しつつエネルギーを「世界中に安定的に供給できるようにしたい」と訴えるという。このことは来春までに「エネルギー・環境イノベーション戦略」を策定し盛り込む予定とのこと。
再エネにより水素を作り貯蔵し、水素を色んなものに利用する、というのは40年前から太陽光発電に携わる多くの学者、企業が描いてきた未来である。やっと本流に流れ込みそうな雰囲気となってきた。ポイントは国内のみならず日本の革新的技術により水素の生産・貯蔵・輸送技術を進化させ世界のエネルギーと環境に貢献しながら経済成長も同時に遂げようとする所である。原発の輸出はセキュリティ上かなり障壁がありそうだが、これならどこの反対も起こらないだろう。COPという環境から発したものだが、エネルギー、経済(成長)も同時に取りこむこの方針を崩さず世界の範となる尊敬される国、日本の実現を目指して欲しい