知らなかったらから言える事、出来る事は結構あってそれが罷り通ることすらある。退職後勤めていた会社が太陽電池に関して可也基本的な特許を取得して、これでロイヤリティーが他社からとれるとか、場合によっては製造中止に訴えることもできると得意満面になっていると耳に入ってきた。ライバル会社の人からも心配でどうしようという相談すらあった。後輩に内容を聞くと確かに基本的であり、何でこれを特許にしなかったのだろう、ラッキーですと答えてきた。しかし、それは1980年代初頭に既に米国の某有名メーカーからカタログにすら記載されているものであり、公知のものであった。太陽電池は80年代初頭はありとあらゆるアイデアが検討され研究された。当時各社の技術動向を調べることも仕事だったから当然その技術は知っていたしカタログ類は長く保存していた。それが30年くらいの間に忘れ去られ、新しく担当したものは全く新しい技術と思いこみ勇んで特許申請したのが通ってしまったようだ。公知のものでありながら特許審査の不備であり、ライバル各社も異議申請の機会を逃したミスもある。思いついた担当を責めるわけでは無いが勉強不足は否めない。その後この特許の扱いをどうしたかは知らない。
国会質問の時間配分がちょっとしたニュースになっている。与党自民党が選挙で大勝の勢いを借りて、現在の与(2):野(8)から与(7):野(3)に変更すべきだと提案しており野党側の猛反発を食らっている。ワイドショーのコメンテーターが言っていたが、質問時間配分にルールは無く現在の野党側への8割の配分は自民党が野党だった時に要求があってこうなったと言う。
朝刊にこのニュースが載った。麻生政権時代は与(4):野(6)だったが民主党政権が譲って現在の2:8になったという。「譲って」と言うからには野党自民党から要求があったのだろうが決してそうは書かないところがこの新聞らしさである。確かにコメンテーターの言うように質問時間配分は時の情勢による交渉毎、例えば臨時や特別国会の会期決定とバーターするとかだそうである。
ああそういうものかと思わないでも無いが、問題は魔の2回生ら若手中心に国民の付託を受けて大勝した、国民は与党の質問も期待している、官房長官までもが議員数に比例してという記者質問に、そういう民意があって当然ですと答えている。それでは自民党が野党時代に野党8割となったのはどういう民意だったのか不思議に思う。
若手は特許のように昔を知らない、経緯を勉強していないのではないだろうか。勢いだけで辻褄の合わないことを言うと後で恥をかく。配分が交渉毎であるならば、少なくとも過半数以上は野党側に配分するという最低限ルールくらいは必要ではないだろうか。いや与党は国会で質問する前に党内で確認する事ができるから質問はそれが出来ない野党側に多く配分されて当たり前、ヨイショの忖度質問は要らないというのも頷ける。過半数を野党側にというのは落とし所としてあるように思うし、官房長官は分かっていて発言している可能性はある。それでも現在の2:8よりはマシである。交渉毎とはこういうものか。祭りの勢子のように騒ぐだけの若手は誰。