トランプ大統領が国賓として来日し、初日は安倍首相とゴルフ、相撲観戦、炉端焼きで夕食とほぼ1日安倍さんとし一緒に過ごした。ワシントンポストは皮肉でほぼ1日観光客と表現したようだ。しかしこの姿を忸怩たる思いで眺めていたのは次期総裁候補と言われている人達ではないだろうか。本人も楽しそうに見える笑顔でトランプ大統領と1日を過ごせるリーダーに俺はなれるだろうか。たとえ作り笑顔だとしても真似できるものではない。しかもどうも演技ではなく本心から楽しんでいるようにも見える。国民から見れば、あのトランプ大統領とさしで本当の友達のように付き合っている、何とも頼もしいと映るだろう。政治手腕や理念において優っていても俺なんかろくにゴルフもできないし、相撲観戦だって隣に大統領が居たら勝負すら覚えていないだろうし、炉端焼きだとつい自分の好きなスズメの丸焼きを勧めて顰蹙を買うだろう。やっぱり奴には勝てないと思ったのではないだろうか。
トランプ大統領との付き合い方で宰相としての信頼(国民の人気と言うべきか)を得るには二通りのタイプがある。一つは言うまでもなく北朝鮮であり、一つは日本である。怖気ず対峙して存在感を出すか、思い切り懐に飛び込んで親交を深めるかである。前者はある程度体制や取り巻きがお膳立てできることはあるが後者は個人の資質によるところが大きい。ただ何かあると一蓮托生の危険はある。
トランプさんを中心に両端で綱引きをしているような状態だが正反対に見える宰相も実は似たところがあるのではないだろうか。一方はもう少し仲良くなって本音で喋れたらと思い、片方は俺だって自分の考えがありたまには反対意見も言いたいと思っているのではないだろうか。これは正反対で綱を引きあっているように見えるが足がズルズルと滑ってトランプさんを中心に九の字に曲がってやがて完全に折りたたまれて互いが隣に位置する。意外と共感するところがあるかも知れない。日朝会談で拉致解決の糸口が見えたらそれこそ次期候補と思われる人達の出番はゼロになる。