年が行くと1年が経つのは本当に早い。このまま早くなって行くと何れ去年、今年、来年が昨日今日明日と区別つかなくなるのでは。今一番時間が経つのを遅いと感じるのはラーメンが出来上がるまでの3分間だろう。勤めていた頃運動がてらに丸の内仲通りを歩いて通ることがあった。日常生活と無縁のオシャレな店が並び、客など殆ど入っていないのにテナント料がよく払えるなと感心したり。この時期では街路樹にイルミネーションが飾られる。時々写真に収める人をみたりしたが樹にとっては電線で体中を縛られ、LEDとは云え何時光合成をしたら良いか分からないのではなどと心配していた。
やはり12月と言えばクリスマスだろう。元々クリスマスを祝う習慣などなく特段の思い出はないが、子供の頃近所の教会へ行くとお菓子が貰えるという噂を聞いたがその日だけ行くには子供心にも気が引けた。そもそもサンタクロースが出て来る絵本など見たことがなかった。大人になってからはクリスマスの喧噪、大晦日にはお寺に、正月は神社にと1週間くらいの間に宗旨替えするのも何だか変な気がしていた。隣家との狭い隙間に南天が赤い実をつけている。寒風が通り過ぎる度に枝が激しく揺れるのもこの時期だ。うんと小さいころは理由は知らないが何処の家でも便所の近くに南天が植わって赤い実をつけていた記憶がある。偶然か南天の向こうは隣家のトイレあたりである。アフガン人が住んでいるからこれも意味のないことだが。
これから市民大学の最後の講義に出掛ける。その後の修了式では謝辞を述べ、続けて同じ班の人達と最後の懇親会である。年末は昔の同僚と忘年会もある。思い出すべきことはあっても忘れるべきことなど何も無いこの頃だが結構忙しい。カレンダーの予定はそれが些事でも大事でも確実に過ぎて行く。幸も不幸も決してそこで留まることなど無い。そしてその後には何時も空白のカレンダーが待っている。