昨日(4月5日)は、二十四節季の清明、「清浄明潔」
草木の花が咲き始め、万物に晴朗の気が溢れて来る頃とあります。
関東では、桜の花もすっかり葉桜にかわりました。
今週末は、生憎の雨で、野良仕事はできそうにありませんが、
春採りのホウレンソウやコマツナが、収穫のピークとなっています。
雨の合間に、畑の葉物野菜を収穫して来ました。
今夜は、この採りたてホウレンソウで、常夜鍋です。
常夜鍋の名は、毎晩食べても飽きないことに由来しているそうで、
基本は、豚肉とホウレンソウだけの(料理と言うのもおこがましい)極めてシンプルな鍋です。
良質の昆布出汁に日本酒をたっぷり入れるのがおいしさの秘訣。
それだけに、親爺料理としては、日本酒には、こだわりたい訳です。
この季節の日本酒といえば、まずはこれ、純米の浦霞でしょうか。
「塩かまの 浦の松風 霞むなり 八十島かけて 春の立つらむ」
私達日本人は、源実朝の時代から、春夏秋冬、季節のうつろいを愛でていたのでしょうね。
この四合瓶もすぐに空き、もう一本追加、
島根県を代表する酒蔵、私の大学時代の思い出の酒でもあります。
春夜洛城聞笛
誰家玉笛暗飛聲
散入春風滿洛城
此夜曲中聞折柳
何人不起故園情 李白
高校時代の古典の授業、理科系の私には、この難解な漢字の羅列の解読に、いったい何の意味があるのか?
まったく理解できなかった当時、この李白の詩も、若い漢文の先生の朗読を子守唄にして、熟睡していた、
若き日の春を思い出します。
春夜 洛城に笛を聞く
誰が家の玉笛ぞ 暗に聲を飛ばす
散じて春風に入って 洛城に 滿つ
此の夜 曲中 折柳を 聞く
何人か起こさざらん 故園の情
この歳になって、少しづつ、趣を感じられるようにはなってきましたが、和歌も漢詩も、この酒があっての事、
今宵、この深酒とともに、春の夜も、過ぎていきます。