試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

JR103系習志野電車区336F [Tc433] (車体更新完了:塗装変更車廃止,モハ102-267 AU75B(M)冷房機換装)

2019-12-18 21:30:32 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
脱却。

KATO製JR103系サハ103-269以降ラシ336F(Tc433←ラシ336F-2:T359,ラシ336F-3:T269)は動きが止まっていた。
ようやくKATO製クハ103-433,クハ103-434(ラシ336F-2:塗装変更車)の車体更新が完了し装いも新たに再出場となった。
なお変則的なプロトタイプ設定が絡み2社3種混結となる11両体制は変更されていない。




JR103系ラシ336F (1993/10,1995/4)。
[ラシ336F-2]:Tc433-[M142]-[M'267]-[T346]-[M534]-[M'690]-T359-[M560]-[M'716]-Tc434。
[ラシ336F-3]:(Tc433-[M142]-[M'267]-)[T269](-[M534]-[M'690]-)([T346])(-[M560]-[M'716]-Tc434)。
◆クハ103-433,クハ103-434 車体更新,モハ102-267 AU75B(M)冷房機換装。

習志野区のJR103系が36編成体制に達したのは1988年11月である。
ラシ336F(Tc277)の配置を以て101系ラシ104F(Mc136),ラシ105F(Mc148)は引退の時を迎える。
翌1988年12月から津田沼区運用は全て103系持ちに変更された。
ところが1988年12月5日に東中野駅構内で追突事故が発生しラシ336Fは運用離脱を余儀なくされた。
応急的にラシ337F(Mc69)を組成し急場を凌いだが三鷹区への運用移管により35編成体制となった。
これ以降[ラシ336F]は長らく欠番になっていたが約2年11箇月後の1991年11月に復活する。
輸送力増強名目で久々に登場したラシ336F(Tc433)は全車松戸区からの転入車で構成された。
◆ラシ336F:Tc277-M334-M'490-T326-M21-M'21-T327-M336-M'492-Tc278(1988/12)。
◆ラシ336F:Tc433-[M142]-[M'267]-[T346]-M534-M'690-T359-M560-M'716-Tc434(1992/4)。
特筆される点は1992年10月にモハ103-560+モハ102-716が車両更新工事を受けた事である。
1976年度製造車への車両更新工事施工は異例でありモハ103-534+モハ102-690と共に珍しい存在となった。
しばらく動きの無かったラシ336Fだが1995年1月に習志野区へ復帰したサハ103-269が組み込まれた。
最後まで未更新車で残っていたサハ103-359は編成を外れサハ103-346が7号車へ異動している。
◆ラシ336F:Tc433-[M142]-[M'267]-[T269]-[M534]-[M'690]-[T346]-[M560]-[M'716]-Tc434(1995/4)。
1988年10月の編成番号再編によりラシ336Fはラシ326F(Tc433)へ繰り上がった。
組成も旧ラシ336Fを受け継ぎクハ103-433,クハ103-434を除く8両が車両更新工事施工車で占められていた。
しかし2000年4月を最後に運用から外され翌2000年5月には全車揃って廃車されている。
当時習志野区には未更新車が多数在籍していたが編成異動に至らなかったのは検査期限都合だと思われる。


旧ラシ336F-2。

2014年4月に初出場したラシ336F-2(T359)は10両編成化まで約1箇月を要している。
第一陣はモハ103-560+モハ102-716,サハ103-346,サハ103-359で新製投入のKATO製量産冷房車で揃えられた。
だがモハ103-534+モハ102-690にはTOMIX製旧製品旧モハ103-688+旧モハ102-844(元ラシ305F-1:Tc47)が充当される。
グリーンマックス製モハ103-142+モハ102-267はグリーンマックス製スプレーの色温度に恵まれず黄色1号を纏って竣工した。
最後を飾るクハ103-433,クハ103-434(←クハ103-281,クハ103-282高運転台ATC準備車:Tc281)も黄色1号での仕上がりとなる。
既にクハ103-272高運転台ATC車(Tc272:黄色5号)は入手困難に陥っており塗装変更車の起用は致し方ない選択であった。


モハ103-534(車両更新車)。

時間を割いた割にラシ336F-2は寄せ集め感が強く現れる冴えない編成見附で登場した。
2014年3月にはKATO製一般形モハ102-188(廃車:元Mc125)を復籍させた旧サハ103-269(ラシ336F-3:T269)が竣工する。
その後2014年12月に竣工した旧サハ103-346(ラシ336F-2)が加わりラシ336F(Tc433)は一時12両体制まで膨れ上がった。
黄色1号車両の再塗装こそ行われたが依然として3社4種混結となる乱れた編成見附には変化が無かった。
後に編成内のメーカーを極力揃える方針が決定しモハ103-534+モハ102-690はKATO製へ置き替えられる。
車両更新が実施されたモハ103-534+モハ102-690は実質的なラシ336F(Tc433)の見附改善第一陣となった。


サハ103-269(ラシ336F-3:車体更新車)。
※KATO製一般形。

同じ2018年8月にはモハ103-560+モハ102-716,サハ103-346,サハ103-359の車体改修を試行した。
KATO製103系量産冷房車での側面窓セル窓サッシ印刷補修と簡易式改番廃止はこの4両が嚆矢であった。
車両更新及び車体改修より前の2014年4月付で旧サハ103-269はサハ103-196(ラシ305F-3:Tc260)へ改番異動していた。
だが貴重なSC24形インバータ給電式AU712冷房改造車だったため同月中に再登場させている。
しかしサハ103-269も塗装変更車であり車体更新を終えた旧サハ103-196(元ラシ305F-3)にてメーカー塗装車体へと改めた。
2019年4月以降はクハ103-433,クハ103-434だけが塗装変更車で残る状態まで編成見附が改善されている。


サハ103-359(車体振替施工車)。

ラシ336F(Tc433)は何故か他編成の動向に左右される車両が極端に多かった。
側扉窓明灰色Hゴム支持車だったサハ103-359旧モハ102-735(旧ラシ320F:Tc779)と車体を振り替えた。
サハ103-359の車体振替はサハ103-497(ラシ307F-2:M136)の塗装変更車体廃止が施工名目であった。
またサハ103-346(ラシ336F-2)もサハ103-311(ラシ319F:Tc463)の更新に伴いラシ336F(Tc433)を去っている。
車体は置き換えていないがモハ103-142用屋根板はモハ103-162(ラシ325F:Tc461)との相互交換品である。
AU75系冷房機の全高が揃わなくなったモハ102-267は今入場でKATO製AU75B(M)冷房機と交換しモハ103-142との見附を整えた。




クハ103-434 [29C 御茶ノ水]:前照灯照度向上対策再施工車。
※現行LOT前面窓セル装着車。


クハ103-780 [17C 三鷹]:ラシ305F-2(前照灯照度向上対策施工車)。
※旧LOT前面窓セル装着車。

なかなか車体更新に踏み出せなかったクハ103-433,クハ103-434だが遂にクハ103-272,クハ103-272(Tc272)の回着が実現する。
部品類は旧クハ103-433,旧クハ103-434から流用しており前面窓縦桟とワイパーには銀色再現が残された。
行先表示類に変更は無くクハ103-828,クハ103-828(旧ラシ310F:Tc828)時代の[御茶ノ水]表示編成を受け継いでいる。
なお前照灯用電球前進式照度向上対策が今ひとつの結果に終わったクハ103-434は再出場前に修正を試みた。
車体更新直後よりも確実に前照灯光量は増大したがまだクハ103-433の水準には届いていない。
前照灯用プリズムの固定は廃止しており折を見て電球ライト基板更新に取り掛かる予定である。


ラシ321F,ラシ336F-2 (車両更新車,車体更新車)。


ラシ319F。

クハ103-433,クハ103-434の車体更新を以てラシ336F(Tc433)から塗装変更車が全廃された。
雑多な組成だったラシ336F(Tc433)であるが約5年8箇月の月日を経て完成形に辿り着いている。
途中での車両更新が幸いし廃車は旧クハ103-433,旧クハ103-434,旧サハ103-269に留まった。
元サハ103-269だけは解体されたものの元クハ103-433,元クハ103-434には部品取車の役割が与えられている。
ラシ336F(Tc433)の再出場によりクハ103形高運転台ATC車(塗装変更車)編成は3本まで減少した。
当然車両更新車,車体更新車の仕上がりには到底敵わず今後もクハ103-272を積極導入する予定である。




ラシ336F-2サイドビュー(クハ103-433:車体更新車)。


ラシ334Fサイドビュー(クハ103-295:車体更新車)。

ただクハ103形習志野区仕様の車両更新,車体更新にはJRマークインレタ転写が欠かせない工程となる。
前面用はまだTOMIX製旧製品インレタで賄えるが側面用だけはTOMIX製High-Grade製品付属インレタしか残っていない。
頼りにしてきたTOMIX製High-Grade製品付属インレタは経年による転写力低下が発生しつつある。
そのためクハ103-433,クハ103-434双方とも皺や歪みが見られるがここだけは見切った。
残数も更新対象車数を下廻りクハ103-272の投入だけでは済まされない状況に追い込まれた。
新たな側面用JRマークインレタの入手が喫緊の課題と言え更新に影響しない事を祈る。

JR103系習志野電車区321F [Tc188] (クハ103-278 現行LOT前面窓セル化,車体改修,10両編成復帰)

2019-11-26 23:31:15 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
大異動。

2019年10月より組成が休止されていたKATO製JR103系ラシ321F(Tc188)が再出場した。
ラシ317F(Tc259)へ改番異動となった元モハ103-675以下8両の代替にはモハ103-738以下8両(ツヌ307F:Tc805)を起用した。
なおツヌ315F(Tc213)からツヌ307F(Tc805)へのLOT変更があったが編成見附は組成休止前と変わっていない。




JR103系ラシ321F (1993/10)。
[ラシ321F]:[Tc188]-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc278。
◆10両編成復帰,クハ103-188,クハ103-278 車体再改修。

国鉄103系ツヌ327F(Tc101)は1983年4月に豊田区から転入した朱色1号編成だった。
1983年11月にクハ103-101,クハ103-102は黄色5号へ塗装変更されたがモハ103-675以下8両のまま残される。
これと前後してクハ103形の差し替えが行われクハ103-113,クハ103-114(旧ツヌ302F:Tc113)が先頭に立った。
モハ103-675以下8両は1984年10月まで塗装変更がずれ込み遅くまで活躍した朱色1号混色編成となった。
その後二度に渡る編成異動を経てモハ103-675以下8両はラシ321F(Tc213)へと再編された。
◆ツヌ327F:Tc101-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc102(1983/4)。
◆ツヌ327F:Tc113-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc114(1985/4)。
◆ツヌ327F:Tc291-M675-M'831-T450-M676-M'832-T451-M677-M'833-Tc292(1986/4)。
◆ラシ321F:Tc213-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc214(1987/4)。
習志野区103系は1989年1月頃から車両異動が相次ぎラシ321F(Tc213)も1992年3月までに編成が崩される。
先頭車両がクハ103-733,クハ103-746へと置き換えられクハ103-213,クハ103-214は編成から外された。
これはクハ103-213,クハ103-214が仙石線仕様車両更新工事施工対象車となっためでラシ321F(Tc733)は定着すると思えた。
ところが1994年5月にクハ103-733,クハ103-746はツヌ322Fへ異動しクハ103-69,クハ103-611を淘汰する。
新たにラシ321Fへ充当されたクハ103-188,クハ103-278はクハ103形でも異色の存在であった。
◆ラシ321F:Tc773-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc746(1992/4)。
◆ラシ321F:[Tc188]-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc278(1993/10)。
関東地区に投入された第一次改良形のクハ103形はクハ103-188だけに限られた。
1972年3月の新製配置から長らく松戸区で活躍していたが1993年5月付で習志野区に転属となる。
他方クハ103-278も1987年11月に一旦習志野区へ配属された東中野駅追突事故の生き残り車両だった。
その後1988年1月:三鷹区,1988年9月:豊田区,1991年10月:中原区と渡り歩き約5年6箇月振りに習志野区への復帰を果たす。
しかしラシ321F(Tc188)の活躍期間は短く1995年1月にはクハ103-429,クハ103-430に取って代わられた。
そのラシ321F(Tc429)も1997年7月にクハ103-710が投入されクハ103-430は1997年8月付で廃車となった。
クハ103-710は習志野区では貴重なクハ103形車両更新工事施工車であり編成前後の見附が異なる組成が復活している。
◆ラシ321F:Tc429-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-Tc746(1995/4)。
◆ラシ321F:Tc429-M675-M'831-T452-M676-M'832-T453-M677-M'833-[Tc710](1997/8)。
1998年10月の編成番号再編を待たずにラシ321(Tc710)は運用から離脱した。
このうちクハ103-710だけはラシ325F(Tc461)へ異動したがクハ103-429以下9両は運命を共にしている。


ツヌ307F

2019年9月に緊急入場したモハ103-733(ラシ310F-1:Tc803)を切っ掛けとしてKATO製103系量産冷房車の異動が開始された。
新旧LOT混結編成だった旧ラシ310F-1は塗装変更車が含まれる旧ラシ317Fにて現行LOT編成化を図った。
組成休止となった旧ラシ317Fも新旧LOT混結ユニットが存在し塗装変更車廃止と同時に解消が推進される。
当初モハ103-402以下8両(ラシ317F)には国鉄103系ツヌ307F(Tc805)を増備してモハ103-738以下8両へ置き換える予定だった。
しかしツヌ307Fの回着は遅れ車体改修を画策していたモハ103-675以下8両(旧ラシ321F)がラシ317Fに異動となる。
ようやく入手したツヌ307Fがラシ321Fの10両編成復帰用へと充当され約3箇月に及ぶ大規模な車両異動は完了を迎えた。


モハ103-675(車体改修施工車)。

ラシ321Fの10両編成復帰はモハ103-738+モハ102-893(ツヌ307F:2,3号車)を入場第一陣とした。
従来であれば工程は側扉窓黒Hゴム支持化だけで構わないはずだった。
しかし経年の高くなったKATO製品は一部でウエイト腐食が確認されており床板点検も項目に加えられる。
幸いモハ103-738+モハ102-839のウエイトには錆が発生していなかった。
その代わり車体内側の黄色5号塗料が定着し切っていなかったため清掃に追われている。
モハ103-675+モハ102-831の竣工後はモハ103-740+モハ102-896(ツヌ307F:8,9号車)へと入場順が飛ぶ。


アルコールクロス式を試行した車体内側清掃(モハ103-740モハ103-733)。

乾いたクロスによる黄色5号塗料粉の除去は車体断面まで仕上げを要する弱点があった。
作業全体の足を引っ張る作業となっておりモハ103-740でアルコールクロスでの清掃を試行した。
アルコールクロスは水分を多く含み車体内側を拭き上げるだけで黄色5号塗料粉が取り除けた。
これにより車体断面の清掃は省略され同一方式にて試行したモハ102-896では約15分で車体清掃を終えた。
だが遂にウエイトの錆取り作業が必要となってしまいモハ103-733+モハ102-833は苦しい展開を迫られている。
また高経年台紙を併用する車両番号標記インレタ転写も作業遅延の要因と化した。


ウエイト交換に切り替えたサハ103-492

インレタ転写問題はモハ102-895(ツヌ307F:6号車→モハ102-676)で一応の解決策が採られる。
転写力が落ちた高経年台紙の使用を取り止め追加転写部は中経年台紙へ全面変更となった。
またウエイトの錆取り作業に限界を感じサハ103-492,サハ103-493(ツヌ307F:4,7号車)からは発生品転用へと梶が切られた。
アルコールクロス式車体清掃及びウエイト交換の採用でサハ103-452,サハ103-453は作業進捗率が大幅に向上する。
但しモハ103-738からかつての近付けたラプロス式車両番号標記印刷消去が通用し難くなっていた。
旧ラプロス式は車両番号標記印刷濃度の低い車両には有効だったがそれ以外では返って効率を落とす結果に至っている。


通電不良の原因だった動軸前端部と導電板(2エンド側)。

ツヌ307Fからの異動はモハ103-739(動力ユニット搭載車:5号車)が最終入場車となった。
入場前の走行試験で2エンド側用DT33動力台車が機能しておらず実質2軸駆動に陥っていると判明する。
走行機会の多いラシ321Fだけに貴重な現行LOT動力ユニット(保管品)への交換も止む無しと思われた。
取り敢えず2エンド側用DT33動力台車を分解したところ動軸と導電板の状態が予想以上に悪かった。
埃及び油脂に塗れた動軸前端部を清掃し導電板も#600のペーパーで研磨した。
通電性能を取り戻した2エンド側用DT33動力台車のお陰で現行LOT動力ユニット(保管品)は温存されている。


[モハ103-738]:ラプロス#4000単独車両番号標記印刷消去試作車。

そして車両番号標記印刷はラプロス#4000にて全面的に消去する方式へと切り替えられた。
モハ102-895,サハ103-492は使い古したラプロス#4000を用いて車両番号標記痕の完全消去へと漕ぎ着けた。
これを参考にサハ103-493ではラプロス#4000での単独消去が試行され一定の成果を得られた。
ただサハ103-493よりも車両番号標記印刷濃度が濃かったモハ103-739は条件が異なる。
しかも新品のラプロス#4000を使用するため黄色5号塗装まで削いでしまう危険性が高くなった。
車体を軽く払う程度の捌き加減に控え無事[モハ103-739]標記は消え去ってくれた。


クハ103-278 [13C 千葉]:現行LOT前面窓セル交換施工車。

モハ103-676の竣工を以てツヌ307Fからの車両異動が完了しラシ321Fは10両編成に復帰する。
だが竣工時期の早かったクハ103-188,クハ103-278との外観差が発生してしまった。
掠れが著しい戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持再現は見逃せず2両の車体再改修へと取り掛かった。
マッキーはモハ103-832より新品に切り替えられた上に残数が厳しくなった側面用JRマークの保全を両立する作業となる。
転写位置に注意を払いながらHゴム支持モールドを8分割して側扉窓再現の補修を進めた。
なお側扉窓黒Hゴム支持再現修復に併せクハ103-278は現行LOT前面窓セルへの交換が行われている。


初採用の油性メタリックマーカー式側扉窓金属押え面支持再現(クハ103-188)。

クハ103-188はラシ321Fに組み込まれる唯一の車両更新工事施工車仕様である。
原則的に側扉窓金属押え面支持化は油性ペイントマーカーを使用してきたが今補修では油性メタリックマーカーへ変更した。
補修が繰り返されたクハ103-188のHゴム支持モールドはインクが復層に塗り重ねられている。
特殊な構造を採用したクハ103-188は屋根板の撤去が難しく今入場での油性ペイントマーカー剥離には着手しなかった。
代替手段は側面窓セル窓サッシ印刷補修で実績を残す油性メタリックマーカー式となった。
質感は十分に見えるもののHゴム支持再現が車体成形であり耐久性が今後の課題になると思う。


ミツ6F,ラシ321F (クハ103-278,クハ103-278)。
※車体更新車,新製投入車。


ラシ336F-1。
※TOMIX製High-Grade製品。

結果的にラシ321Fは全車が車体改修を要する規模にまで拡大してしまった。
ツヌ307Fを元モハ103-675以下8両の後釜に据える作戦は微妙な結果だったと言わざるを得ない。
ただ側面窓セル窓サッシ印刷補修は一切施工しておらずモハ103-402(元モハ103-675)以下8両よりも整備の軽減が図れた。
まさかの新製投入車だったクハ103-278だが現行LOT前面窓セル交換により車体更新車と同水準へ持ち上げられた。
よってクハ103-278(ミツ6F:Tc93)とは防護無線アンテナ及びベンチレーターに違いが残るだけとなっている。
なおもう1両のクハ103-278はTOMIX製High-Grade製品ラシ336F-1(MM'21)に組成されており全く異なる外観を持つ。




ラシ321Fサイドビュー(クハ103-188:車体改修施工車)。
※第一次改良形改装車。


ラシ317Fサイドビュー(クハ103-259:車体改修施工車)。
※低運転台量産冷房車。


ラシ310F-2サイドビュー(クハ103-803:車体改修施工車)。
※高運転台非ATC車。

ラシ321Fの編成見附は戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持再現が統一され3LOT混結を伺わせない仕上がりに達したと思う。
同様の車体改修を行ったラシ317Fに匹敵する側面見附へと至り無事再出場を迎えている。
これまでKATO製103系量産冷房車の車体改修は何かと苦戦を強いられ続けてきた。
外観とは相反する車体状態にあったツヌ307Fだが幾つかの打開策が見い出せている。
クリーナー式車体清掃は効果覿面で黄色5号車両,朱色1号車両,黄緑6号車両に関わらず展開出来ると思われる。
またラプロス式車両番号標記印刷消去方式の変更も新製投入編成を含め正式採用に向け検討している。

JR103系習志野電車区317F [Tc259] (車体改修,Assyベンチレーター換装,塗装変更車廃止)

2019-10-22 22:09:57 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
軽快。

新旧LOT品,塗装変更車混結編成だったKATO製JR103系ラシ317F(Tc259)の車体改修が完了した。
先にモハ103-626+モハ102-626(旧LOT品)はモハ103-734+モハ102-890(ラシ310F-1:M733)へ改番され一旦消滅していた。
塗装変更車4両もモハ103-675以下8両(ラシ321F:Tc188)の改番異動に併せ淘汰を図り現行LOT編成へと改められている。




JR103系ラシ317F (1997/7)。
[ラシ317F]:Tc259-M402-M'558-T440-M470-M'626-T472-M403-M'559-Tc260。
◆車体改修,Assyベンチレーター換装。

豊田区に在籍していた国鉄103系トタ--F(Tc259)は1982年2月付で津田沼区に転入した。
検査期限都合から朱色1号のまま[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーを貼附した上で営業に入る。
朱色1号編成では中期転属編成に該当し側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーは全扉貼附とされた。
4,7号車に組み込まれたサハ103-755,サハ103-756が特徴で車体裾に段差が生じる編成見附であった。
◆ツヌ317F:Tc259-M402-M'558-T755-M403-M'559-T756-M404-M'560-Tc260(1982/9)。
1983年6月中旬より黄色5号への塗装変更が開始され翌7月上旬に完了している。
モハ103-404+モハ102-560だけ7月の施工であり朱色1号混色編成だった時期があるかもしれない。
JR移行後の1988年3月~12月にかけてサハ103-755,サハ103-756を除く8両は特別保全工事が施工された。
もう少し入場が遅ければ習志野区初の車両更新工事施工車になっていたと思われる。
全36編成体制へと達した1988年12月まで事故廃車されたラシ336F(Tc277)以外目立った動きは無かった。
しかし1989年1月以降は目まぐるしい車両異動が行われラシ317F(Tc259)もその対象となる。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-T755-M403-M'559-T756-M404-M'560-Tc260(1989/10)。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-T172-M161-M'297-T184-M403-M'559-Tc260(1990/10)。
昇順で揃っていたモハユニットはモハ103-404+モハ102-560が豊田区へ復帰しモハ103-161+モハ102-297と入れ替えられた。
モハ103-161+モハ102-297は特別保全工事施工車だがモハ103-404+560よりも車齢が高く今ひとつ腑に落ちない組成変更だった。
しかもSC24インバータ給電式AU712冷房改造車であり編成見附は大きく変わっている。
以後もラシ317Fは編成番号再編によりラシ313F(Tc259)へ変更されるまで車両異動が続いた。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-T215-M161-M'297-T184-M403-M'559-Tc260(1992/4)。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-T215-M470-M'626-T184-M403-M'559-Tc260(1993/5)。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-T440-M470-M'626-T472-M403-M'559-Tc260(1996/8)。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-[T202]-M719-M'875-T472-M403-M'559-Tc260(1998/4)。
1998年10以降よりラシ313Fを名乗った1998年10月以降は旧ラシ317F(T202)の組成で定着し2000年3月を以て運用を離脱する。
廃車はラシ305F(Tc260)へ異動したクハ103-260を除き2000年7月まで持ち越された。
何故かモハ103-403+モハ102-559だけは車籍が残されたが結局2000年12月付で廃車されてしまった。




サハ103-472+モハ103-403 (車両更新車+車両更新車)。

ラシ317Fの改修では都合6両が車両更新対象に挙がりそのうち4両は廃車となった。
モハ103-403+モハ102-559,サハ103-440,サハ103-472は2014年5月に竣工した塗装変更車だった。
何れも塗装状態が優れずモハ103-403+モハ102-559,サハ103-440,サハ103-472と置き換えられている。
欠車していた2両はモハ103-470+モハ102-626で埋め新旧LOT混結ユニットもモハ103-402+モハ102-558にて解消させた。
元モハ103-675以下8両(元ラシ321F)はモハ103-331以下8両(ツヌ315F:Tc213)を改番した車両だった。
よってクハ103-259,クハ103-260(ラシ317F)を含めた全車がツヌ315F出自車で統一された。


旧モハ102-558(元ラシ317F:保留車)。

前途の通り旧モハ103-402+旧モハ102-558(元ラシ317F)は新旧LOT混結ユニットであり編成から外された。
但し車体状態に不都合は無く保留車へ廻し今後の増強若しくは更新用として待機させる。
現在KATO製103系量産冷房車は旧モハ102-890(元ラシ310F-1:現行LOT品)が単独保留車に廻っている。
旧モハ102-558はモハ102-888(ラシ310F-1)に先んじて前モハ102-888(元ラシ310F-1)を改番した現行LOT品だった。
更新種車には申し分なく旧モハ102-558,旧モハ102-890をサハ103形へ編入する方法も検討中である。
なおモハ103-675以下8両を供出したラシ321Fはラシ317Fと入れ替わりで組成休止になった。


ラシ321F。

ラシ321Fではクハ103-188,クハ103-278のみ車体改修が完了している。
各種施工が相次いだクハ103-188,クハ103-278とは対照的にモハ103-675以下8両は製品原形に近かった。
ただ簡易式改番が弱点と言え2017年9月に改修を行える機会を迎えたがインレタ不足により先送りされる。
一度改番入場を逃すと長期間存置される傾向が強くモハ103-675以下8両もこれに当てはまった。
ところが約2年1箇月の間に側面窓セル窓サッシ印刷が劣化してしまい簡易式改番廃止どころではなくなった。
車体改修が急転直下でラシ317Fへ異動する直接要因となり入場は後手に回った影響を受けている。


走行過多と経年劣化が重なった動力ユニット整備(モハ103-470)。

拭き上げ後に斑点状剥離が激しくなる側面窓セル窓サッシ印刷は最後まで変わらなかった。
しかも油性ペイントマーカーの切り替えが重なった時期の全段補修は苦戦が続いた。
加えてサハ103-440では側面窓セルとインクの相性にも悩まされている。
遂にはマッキーまでもが新品へと交換され初期施工車特有の側扉窓黒Hゴム支持再現補修に手を焼かされる。
モハ103-470は走行距離が伸びていた元モハ103-676用動力ユニットを承継させた。
然程性能低下を感じていなかったがDT33動力台車に投入された油脂類は固形化が進行していた。
トラクションタイヤもゴムが伸びきっており全面的な整備を施し性能復元へと繋げた。


クハ103-260,クハ103-260 (ラシ305F-3,ラシ317F:現行LOTベンチレーター装着車,Assyベンチレーター装着車)。

予備品が4器まで減少していた現行LOTベンチレーターはラシ317FをAssyベンチレーター装着編成に改め増強している。
一連の改修で都合14両分の現行LOTベンチレーターが捻出され当座の所要数を確保した。
漸減する一方だった現行LOTベンチレーターはAssyベンチレーター換装での補充を画策していた。
ラシ317FのAssyベンチレーター換装はラシ305F-3(Tc260)との差別化を念頭に置いたものである。
クハ103-260(ラシ317F)とクハ103-260(ラシ305F-3)はプロトタイプが重複し行先表示類以外は同一仕様であった。
Assyベンチレーター装着編成化で独自の個性を持たせると同時に2両在籍するクハ103-260も識別が容易になった。


ラシ315F-1,ラシ317F。


旧ツヌ315F。

広幅Hゴム支持再現前面窓セルと明灰色ベンチレーターは森ノ宮区仕様(Tc243),高槻区仕様(Tc216)だけで採用された。
その後のツヌ315F(Tc213),豊田区仕様(Tc231)では現行LOTベンチレーターへ変更され前面窓Hゴム支持再現も狭幅に改められる。
クハ103-243以下8両(Tc243)を種車に起用した旧ツヌ315F(Tc243)は2013年5月の出場であり当初は製品仕様を保っていた。
後に前面窓金属押え面支持化を要したクハ103-188(ラシ321F),クハ103-260(ラシ305F-3)へ広幅Hゴム支持再現窓セルが転用される。
明灰色ベンチレーターもツヌ314F-1(Tc213)への改番異動時に現行LOTベンチレーターで統一を図り独特の編成見附は消滅した。
原形とは言い難いものの一時期採り入れられたかつての仕様がクハ103-260で久し振りに復活している。




ラシ317Fサイドビュー(クハ103-259:Assyベンチレーター装着車)。
※車体改修施工車。


ラシ315F-1サイドビュー(クハ103-231:現行LOTベンチレーター装着車)。
※車体改修未施工車。

習志野区仕様のクハ103形低運転台量産冷房車編成はラシ315F-1(Tc231)とラシ317Fが在籍している。
ラシ315F-1はラシ317Fとは異なる側扉窓黒Hゴム支持化未施工編成をプロトタイプに据えており競合しない設定である。
但しクハ103-231が前面窓金属押え面支持化施工車のため共通要素が多かった。
これもクハ103-260(ラシ305F-3)と同様にAssyベンチレーターへの換装で明確な区分を設けられた。
モハ103-402以下8両の改修規模は予想を上回ったが最終的に無難な再出場まで持ち込めた。
しかしツヌ315F出自車が占める割合が高く他編成も点検,改修を行う時期に来ていると思う。

JR103系習志野電車区310F [Tc803] (モハ103-162+モハ102-300[ラシ310F-2] 竣工,ラシ310F-2[M162] 再出場)

2019-10-12 23:37:30 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
収斂。

グリーンマックス製JR103系元モハ103-200+モハ102-355(元ラシ319F:Tc463)は早い時期の復帰を目論んでいた。
しかし誤ってKATO製動力ユニット搭載車用側面窓セルを仕立ててしまい強制的に5,6号車へ組み込むしかなくなる。
配置先はラシ310F-1(Tc803→M733)に決定し動力ユニット搭載車を含むモハ103-162+モハ102-300(ラシ310F-2)が竣工した。


JR103系ラシ310F (1995/4,1997/7)。
[ラシ310F-1]:Tc803-M732-M'888-T488-M733-M'889-T489-M734-M'890-Tc810。
[ラシ310F-2]:(Tc803-M732-M'888-T488-)[M162]-[M'300](-T489-M734-M'890-Tc810)。

JR103系モハ103-162+モハ102-300は1997年4月に習志野区へ転入した車両更新工事施工車たった。
1997年7月現在ではラシ310F(Tc803)の5,6号車に組み込まれモハ103-733+モハ102-889を置き換えていた。
当時習志野区で行われるモハユニット単位の異動は故障入場か廃車が大半になりつつあった。
既に新製配置されたサハ103形量産冷房車は初期形冷房改造車(車両更新工事施工車)での淘汰が始まっていた。
◆ラシ310F:Tc803-M732-M'888-T488-[M162]-[M'300]-T489-M734-M'890-Tc810(1997/7)。
しかしモハ103-733+モハ102-889へこの波は及ばず1998年4月までには原編成に復帰した記録が残る。
そしてラシ310Fから外れたモハ103-162+モハ102-300はラシ335F(Tc461)の2,3号車へ異動となった。
この際のラシ335Fは全モハユニットが入れ替えられ1997年7月現在の組成から様変わりした。
◆ラシ335F:Tc461-M566-M'722-[T342]-M567-M'723-[T347]-[M212]-[M'367]-Tc726(1997/7)。
◆ラシ335F:Tc461-[M162]-[M'300]-[T342]-[M212]-[M'367]-[T347]-[M546]-[M'696]-Tc726(1998/4)。
編成番号再編と前後してクハ103-726(10号車)が廃車となりクハ103-710(旧ラシ321F:Tc429)に変更される。
クハ103-710は習志野区では少数派のクハ103形車両更新工事施工車であった。
よってラシ325F(Tc461)に残る未更新車はクハ103-461のみと独特の編成見附になった。
2000年4月現在の習志野区103系は8編成が廃止され19編成まで縮小する。
検査期限の都合からか車両更新工事施工車だったサハ103-342,サハ103-347がラシ325Fから離脱した。
代わりに元ラシ316F(Tc721)よりサハ103-194,サハ103-312(車両更新工事施工車)が異動する最後の組成変更か実施される。
このうちサハ103-312はサハ103-311(ラシ315F:Tc463)と共に習志野区に在籍した貴重な一次改良形でもあった。
ラシ325F:Tc461-[M162]-[M'300]-[T342]-[M212]-[M'367]-[T347]-[M546]-[M'696]-[Tc710](1999/3)。
ラシ325F:Tc461-[M162]-[M'300]-[T194]-[M212]-[M'367]-[T312]-[M546]-[M'696]-[Tc710](2000/4)。
ラシ325Fは2001年2月を以て運用を外れモハ103-162+モハ102-300も同月中に廃車となる。
車両更新工事施工済量産冷房車が先に姿を消す中最晩年まで活躍したモハ103-162+モハ102-300は恵まれた車両と言えるだろう。


ラシ325F。

当初元モハ103-200+元モハ102-355は非動力車ユニットとして復活させる方向だった。
しかし側面窓セル嵌合爪の切断を誤り急遽モハ103-162+モハ102-300へプロトタイプを変更した。
既にグリーンマックス製モハ103-162+モハ102-300(ラシ325F:Tc461)が在籍するため二代目の出場に至っている。
モハ103-162+モハ102-300(ラシ325F)はモハ103-265+モハ102-420(ラシ332F)が種車だった。
保留車になりかけたモハ103-265+モハ102-420だったが旧ラシ311F(Tc817)の10両編成化へ起用される。
プロトタイプ合致作業で旧ラシ310F(Tc803)への再編時にモハ103-162+モハ102-300(旧ラシ310F-2:M162)へ改番となった。
だがバリエーション用ユニットだったモハ103-162+モハ102-300(旧ラシ310F-2)はラシ325Fへの異動が決定しラシ310F-2も消滅した。


モハ103-149(ラシ337Fb:再生モハ103形量産冷房車用動力ユニット搭載試作車)。
※グリーンマックス製。

モハ103-162+モハ102-300(ラシ310F-2)の竣工に障壁となったのはKATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニットだった。
手持ちの保管品は2台が残っていたが何れも用途があり起用に向いていない。
そこでグリーンマックス製モハ103-149(ラシ337Fb:Mc69)で試用中の再生モハ103形量産冷房車用動力ユニットに着目した。
コンデンサー付旧LOTモハ103形量産冷房車用動力ユニットは独自構造が災いし編成増強時にも起用されなかった。
その後経年劣化によりユニットカバーのプラスチック硬化が進行してしまい使用不能まで陥っている。
これを復活させるため現行LOTクモハ103形一般形用動力ユニットAssyからユニットカバー,モーターを移設した。


国鉄103系クモハ103-102(廃車)。


モハ103-162(再生モハ103形量産冷房車用動力ユニット搭載車)。

一応性能確保が確認されモハ103-162(ラシ310F-2)にも再生モハ103形量産冷房車用動力ユニットの採用が決定する。
クモハ103形一般形用動力ユニットは長期休車だったKATO製一般形クモハ103-102(Mc102)から捻出した。
試験名目で導入したクモハ103-102は車体弛緩が著しく部品供出と連動して廃車された。
コンデンサー付旧LOTモハ103形量産冷房車用動力ユニットの復旧もモハ103-149と同一方式を採用した。
灰色成形ユニットカバーへの交換とコンデンサー廃止により見附は大きく変わったが基本構造に変更は無い。
また遂にいんちき黒染車輪化試行へと梶が切られ今後の経過観察を行う。
通電性能への影響が皆無と確認され次第銀色車輪装着車に施工する予定である。


モハ102-300+サハ103-489 (グリーンマックス製KATO製床板装着車+KATO製量産冷房車。

動力ユニット問題が絡みモハ102-300(ラシ310F-2)を先に竣工させる工程となった。
廃車発生品のKATO製モハ102形量産冷房車用床板が充てられユニット間でのメーカー差異発生を防いでいる。
車体不等沈下対策はグリーンマックス製サハ103-180(ラシ333F:Tc773)に続く金属ワッシャー・プラ板併用式とした。
金属ワッシャー・プラ板併用式車体高嵩上はまだ完成形に達しておらず実質第二次試作車と言える。
KATO製サハ103-489(ラシ310F-1:7号車)との全高差はそれなりに纏められたと思う。
ただ1エンド側台枠センターピンへの金属ワッシャー挿入は仮施工でモハ103-162(ラシ310F-2)の竣工を待っていた。


モハ103-162+モハ102-300 (KATO製動力ユニット搭載車+KATO製床板装着車)。

未だにグリーンマックス製車体とKATO製床板を組み合わせる際の特性が掴めていない。
プラ板式,床板湾曲式車体高嵩上施工車は1エンド側に手を加えず全高調整が行えた。
モハ102-300(ラシ310F-2)は単にサハ103-180を踏襲しただけであり1エンド側金属ワッシャーが不用となるかもしれない。
不安を抱きながらの連結試験だったがその結果は悪くなく金属ワッシャーも存置された。
本来なら1エンド側への金属ワッシャー挿入は不要なはずで何が関与しているか不明である。
金属ワッシャー・プラ板併用式車体高嵩上の本格採用にはもう少し解析が必要だろう。


ラシ310F-2サイドビュー(クハ103-803:側扉窓黒Hゴム支持化施工車)。

二代目モハ103-162+モハ102-300の竣工と同時にラシ310F-2(M162)が2014年12月以来となる復活を遂げた。
ちなみに旧ラシ310F-2とは異なり動力車偏位は発生せずラシ310F-1への影響は一切無い。
なおクハ103-803以下8両(ラシ310F-1)を共用する関係でラシ310F(Tc803)が12両体制に変更されている。
またラシ310F(Tc373)の編成管理番号もラシ310F-2から再びラシ310F-3(Tc373)へと戻された。
一時的な組成だと思われるが側扉窓黒Hゴム支持車編成に組み込まれる車両更新工事施工車ユニットの存在感は強い。
同様の組成構成を持つ在籍編成は存在せず加工失敗が切っ掛けながら丸く収まってくれたと思う。

JR103系習志野電車区310F [Tc803] (行先表示類変更,車体改修,新旧LOT混結ユニット廃止)

2019-09-21 21:31:01 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
失地回復。

駆動不調を引き金に緊急入場となったKATO製JR103系ラシ310F-1(Tc803)が再出場した。
動力ユニットはモーター軸受部への注油及びDT33動力台車の再整備で性能復元を果たしている。
当時に元ラシ310F-2(M162)への対応も廃止されモハ103-733(5号車)が新たな動力ユニット搭載車となった。




JR103系ラシ310F (1995/4)。
[ラシ310F-1]:Tc803-M732-M'888-T488-M733-M'889-T489-M734-M'890-Tc810
◆運行番号・行先表示変更,車体改修,モハ103-733 動力ユニット整備。

ラシ310F(Tc803)の前身に当たるツヌ309F(Tc803)は1979年12月に津田沼区へ新製配置された編成である。
前後に落成したツヌ307F(Tc805),ツヌ308F(Tc807),ツヌ310F(Tc801)と同じく均整の採れたクハ103形高運転台非ATC車編成だった。
津田沼~習志野区への103系新製配置はツヌ309Fを以て打ち切られツヌ311F(Tc821)以降からは他区からの転入車で賄われている。
希少価値が高く見えたクハ103形高運転台非ATC車編成だったが豊田区転入車の増加で次第に埋没していく。
朱色1号編成の塗装変更完了後は全27編成中8編成がクハ103形高運転台非ATC車編成となった。
唯一サハ103-772が組み込まれるツヌ311Fを除き豊田区転入編成との差は無くなっている。
◆ツヌ307F:Tc805-M738-M'894-T492-M739-M'895-T493-M740-M'896-Tc812(1984/5)。
◆ツヌ308F:Tc807-M741-M'897-T494-M742-M'898-T495-M743-M'899-Tc807(1984/5)。
◆ツヌ309F:Tc803-M735-M'891-T490-M736-M'892-T491-M737-M'893-Tc810(1984/5)。
◆ツヌ310F:Tc801-M732-M'888-T488-M733-M'889-T489-M734-M'890-Tc808(1984/5)。
◆ツヌ311F:Tc821-M760-M'2017-T501-M761-M'2018-T772-M762-M'2019-Tc828(1984/5)。
◆ツヌ312F:Tc817-M754-M'2011-T497-M755-M'2012-T498-M756-M'2013-Tc824(1984/5)。
◆ツヌ322F:Tc819-M757-M'2014-T499-M758-M'2015-T500-M759-M'2016-Tc826(1984/5)。
◆ツヌ323F:Tc811-M746-M'2003-T328-M747-M'2004-T329-M748-M'2005-Tc818(1984/5)。
1985年4月現在では新製時の編成を維持していたツヌ309Fは1986年4月までに組成変更が行われた。
クハ103-803,クハ103-810はツヌ310Fへ異動となりモハ103-732以下8両との10両編成に改められる。
この際サハ103-489(旧ツヌ310F)に代わりサハ103-491(旧ツヌ309F)が7号車に組み込まれた。
敢えて連番を崩した理由は不明だが他編成でも同様の組み替えがあり何らかの意図があったと思われる。
ようやくサハ103-489が編成に戻ってきたのはJR移行から約4年6箇月が経過した1991年10月だった。
後の変更は側扉窓黒Hゴム支持化程度で留まったが一時的にモハ103-162+モハ102-300(5,6号車)へ交換された期間があった。
モハ103-733+モハ102-889は短期間で復帰したらしくモハ103-162+モハ102-300もラシ335F(Tc461)へ正式に異動している。
◆ラシ310F:Tc803-M732-M'888-T488-M733-M'889-T491-M734-M'890-Tc810(1987/4)。
◆ラシ310F:Tc803-M732-M'888-T488-M733-M'889-T489-M734-M'890-Tc810(1991/10)。
◆ラシ310F:Tc803-M732-M'888-T488-[M162]-[M'300]-T489-M734-M'890-Tc810(1997/7)。
長らく習志野区で活躍したラシ310Fだったが編成番号再編を前に運用から外れた。
同時期に新製配置された4編成では実質旧ラシ307F(Tc805→ラシ306F)だけが生き残っている。
旧ラシ308F(Tc807),旧ラシ309F(Tc383)が廃車された一方で旧ラシ310Fは1998年12月に三鷹区へ貸し出しとなった。
209系950番代,E231系0番代の故障予備編成を務めていた旧ミツ23F(Tc369)に代わりミツ23F(Tc803)として再登場した。
その後1999年3月付でクハ103-803が豊田区へ転出となりクハ103-431(旧ラシ327F:Tc431)に置き換えられる。
続いてモハ103-732以下9両も旧ラシ327Fを中心とする習志野区所属車との車両交換が行われ習志野区に返却された。
しかし返却時には奇数向クハ103形予備車が在籍しておらず編成単位での運用復帰は実現しなかった。
1999年6月以降からは終始予備車扱いとなり1999年10月を以て全車廃車されている。


旧ラシ311F。

ラシ310F-1はプロトタイプ合致作業の推進で編成維持が困難になった旧ラシ311F(Tc817)を出自とする。
2014年5月の初出場時はイメージ編成が多く適当に車両番号を割り当て10両編成化した。
プロトタイプ合致に当たりモハユニットは車両異動でKATO製量産冷房車(未更新車)を揃えている。
但し捻出した車両には新旧LOT混結ユニットが含まれ今改修での解消項目となった。
なおサハ103-488,サハ103-489は振替対象車が存在せずサハ103-324,サハ103-325(旧ラシ311F)を改番,改装して凌いでいる。
また旧ラシ310F-2(M162)との両立も絡みモハ103-734(8号車)が動力ユニット搭載車に指定された。


旧ラシ333F。

製品原形に近いKATO製ラシ307F-1(Tc805)が在籍する関係からラシ310F-1には側扉窓黒Hゴム支持化を施し差別化を図った。
しかしラシ310F-1ならではの特徴が引き出せず苦肉の策でミツ23F(Tc803)を兼ねさせる事とした。
行先表示類も[27B 千葉]へ変更したが稼働率向上には結び付かずに終わっている。
休眠期間の長さが動力ユニットを不調へ至らせる間接的な要因になった可能性が高いと思われた。
東行設定は旧ラシ311F時代から引き継がれており復調に併せて[31C 中野]表示へ変更している。
クハ103-803,クハ103-810とも旧ラシ333F(Tc773)で使用されていた保管品の前照灯用プリズムに交換した。


モハ103-733(ラシ310F-1:動力ユニット搭載車)。

モハ103-733は[千ツヌ]電略標記印刷が成された現行LOT品を種車とする。
ただ現行LOT動力ユニットの予備品は一切持ち合わせが無く元モハ103-734用動力ユニット(旧LOT品)を移設している。
カプラーポケット付DT33動力台車はラシ310F-1の仕様に合致したが銀色車輪が残されてしまった。
非動力車ではいんちき黒染車輪化を施して切り抜けてきたが生憎動力ユニット搭載車への施工例が無かった。
ピボット軸受部の塗り潰しがどの様な影響を及ぼすか読み切れず今改修での施工は見送っている。
動力ユニット搭載車だけ銀色車輪を履く編成が他にも在籍しており黒染車輪動軸の投入に向かった方が無難だと思う。


クハ103-812 [31C 中野]:2脚嵌合式KATO製B形防護無線アンテナ搭載車。


クハ103-260 [17C 三鷹]:ラシ305F-3(接着固定式KATO製B形防護無線アンテナ搭載車)。

クハ103-812の改修入場では追設したKATO製B形防護無線アンテナが脱落する事態に襲われる。
旧ラシ311Fが出場した当時はゴム系接着剤による固定が主流でわざわざアンテナ取付脚の切除を行っていた。
後日ゴム系接着剤固定は強度不足が明らかとなり別途流し込み接着剤を投入して溶着を進めた。
活躍の場が少なかったラシ310F-1はクハ103-803,クハ103-812ともこの施工が行われておらず2脚嵌合式に変更している。
在籍編成ではKATO製B形防護無線アンテナを搭載するクハ103形高運転台非ATC車が極端に少ない。
そのため2脚嵌合式は初採用となったが取付脚と前照灯用プリズムの競合が判明し屋根板裏面を面一化した。


モハ102-888(車体振替施工車)。

新旧LOT混結ユニットは塗装変更車を含むラシ317F(Tc259)の組成休止により解消が図られた。
ラシ317Fからはモハ102-558,モハ103-470+モハ102-626が異動しモハ102-888,モハ103-734+モハ102-890を置き換えている。
全車ともペイントリムーバー式車両番号標記印刷消去が行われた旧LOT品であり車体改修が必要だった。
塗装被膜の変質具合は車両毎で異なっていたため各々に合わせた修正方式を採り入れ見附改善まで持ち込んでいる。
ラシ310F-1に残留したモハ102-732(旧LOT品)も種車の[モハ103-700]標記跡が残る状態で慎重なラプロス捌きを心掛けた。
入場順にも恵まれ最も艶が強く現れていたモハ103-734はモハ103-732の施工例を参考に修正している。


ラシ317F,ラシ310F-1。

両端ユニットは旧LOT品で揃えられモハ103-733+モハ102-889,サハ103-488,サハ103-489(現行LOT品)を挟む組成へ変更となった。
並行してカプラーポケット付DT33非動力台車への交換を行ったがTR62非動力台車が足りず編成内の統一は果たせていない。
今後ラシ317Fの更新でモハ103-402(旧LOT品)が保留車に廻るためユニット相手が必要になる。
モハ102形の種車にはサハ103-442(黄色5号)を引き当てカプラーポケット付TR62非動力台車を捻出する方向である。
車両異動によりモハ102-558(ラシ317F),旧モハ102-890の2両は保留車へと廻り再起を図る。
唯一旧モハ103-734だけは回着当時から塗装状態が悪くメーカー塗装車ながら廃車となった。




ラシ310F-1サイドビュー(クハ103-803:側扉窓黒Hゴム支持化施工車)。


ラシ321Fサイドビュー(クハ103-188:車両更新工事施工車)。

モハ102-890に続き入場したモハ102-889,サハ103-488,サハ103-489は改修を要するまで達していなかった。
車両番号標記配置に乱れはあるものの他車両やラシ317Fでのインレタ消化具合で再転写を行うか判断する。
塗り潰しが不十分だった側扉窓黒Hゴム支持化は初期施工車の旧LOT品で繁く見られ補修を伴った。
車両更新工事施工車仕様でも戸袋窓黒Hゴム支持化を施しており同様の結果を招いていると予想される。
今後の車体改修は側面窓セル窓サッシ印刷だけではなく黒Hゴム支持化も確認項目に加わる事になった。
ラシ310F-1の地位向上は間違いないが施工時差を再確認出来た入場でもあった。

JR103系習志野電車区305F [Tc780] (クハ103-780[ラシ305F-2] 竣工:組成休止解除,クハ103-763 車体改修)

2019-08-04 21:53:26 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
再出発。

KATO製JR103系ラシ305F-2(Tc780)は2017年10月より組成休止が続いていた。
早期復旧を想定していたがKATO製クハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)の導入が高い壁になってしまった。
結局クハ103-780(ラシ305F-2:Tc780)はクハ103-763(ラシ305F-3:Tc260)から大幅に遅れて竣工を迎えている。




JR103系ラシ305F (1999/3)。
[ラシ305F-2]:(Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-)Tc780
◆クハ103-780 竣工。

JR103系ラシ305F(Tc763)は編成番号再編まで長らくラシ306F(Tc763)として活躍した。
原編成は1986年3月に転入したクハ103-763,クハ103-780が先頭車両へ配された後のツヌ306F(Tc763)である。
黄緑6号混色編成でJR移行を迎えたラシ306F(←ツヌ306F)だったが1987年5月までに黄色5号編成へ変更されている。
1987年10月現在での習志野区クハ103形高運転台ATC車編成は30編成中6本と少数派であった。
よって黄緑6号混色編成の特徴が失われたもののラシ306Fは稀少な存在と言えた。
◆ラシ302F:Tc289-M678-M'834-T454-M679-M'835-T455-M680-M'836-Tc290(1987/10)。
◆ラシ306F:Tc763-M707-M'863-T468-M708-M'864-T469-M709-M'865-Tc780(1987/10)。
◆ラシ326F:Tc291-M681-M'837-T456-M682-M'838-T457-M683-M'839-Tc292(1987/10)。
◆ラシ328F:Tc483-M450-M'606-T203-M451-M'607-T207-M452-M'608-Tc484(1987/10)。
◆ラシ329F:Tc485-M610-M'766-T433-M611-M'767-T434-M612-M'768-Tc486(1987/10)。
◆ラシ330F:Tc309-M613-M'769-T435-M615-M'771-T436-M614-M'770-Tc310(1987/10)。
101系置き換え用に配属されたラシ331F(Tc741)以降は非冷房車組込編成で占められており車両異動が数多く行われる。
これに対し1987年4月以前から配置されていたラシ302F,ラシ306F,ラシ326F,ラシ329F,ラシ330Fの動きは少なかった。
中でも車両更新工事施工対象から外れた車両で構成されるラシ306Fは1997年10月まで離脱車が発生しない長寿組成編成となる。
目立った外観変化は側扉窓黒Hゴム支持化程度に限られラシ301F(Tc179),ラシ303F(Tc103),ラシ308F(Tc807)と同格に思えた。
サハ103-196,サハ103-212への置き換えから2年も満たないうちにラシ305F(Tc763)へと編成番号が繰り上げれる。
1979年11月に津田沼区へ新製配置されたラシ308Fは編成番号再編が実施される直前の1999年1月を以て編成が解除された。
僅か4箇月しか落成時期に開きがないモハ103-707以下6両へ長い活躍は寄せられず2000年7月でラシ305Fも運用終了となった。
なお最晩年にはクハ103-780がクハ103-260(←ラシ313F:Tc259)へ振り替えられる最後の組成変更が行われている。
ラシ306F(ラシ305F)は長い安定期間がありながらも黄緑6号混色編成に始まり変則組成で最期を迎える珍しい編成だったと思う。


旧クハ103-780(旧ラシ305F-2:旧クハ103-484改番車)。
※塗装変更車:初代。

KATO製JR103系ラシ305F(Tc763)は中野方先頭車両にクハ103-260を充当した旧ラシ305F-2(Tc260)が先発出場している。
この当時クハ103-780をバリエーションへ加える計画は全く存在せず順次10両編成化を進めた。
ラシ305F-2(Tc780)はKATO製国鉄103系ラシ329F(Tc483)の廃止で発生した保留車を活用する一手として出場させた。
現在とは異なりクハ103形高運転台ATC車を組み込める編成が限られ操配に苦戦している。
その結果窮余の策で旧クハ103-484(元ラシ329F)はクハ103-780(ラシ305F-2)へ改番した。
しかし旧クハ103-484はクハ103-316(旧ツヌ322F:Tc315)の塗装変更車であり非常に状態が悪かった。


旧クハ103-780(旧ラシ305F-2:旧クハ103-373改番車)。
※塗装変更車:二代目。

その後クハ103-373(ラシ310F-2:Tc373)の車体更新により旧クハ103-373(塗装変更車)が余剰となった。
2015年2月に登場したクハ103-780(ラシ305F-2)だったが状態の悪さには敵わず2016年11月には車体振替へと踏み切られる。
旧クハ103-373の車体に振り替えられたクハ103-780(二代目:ラシ305F-2)は入場前よりも飛躍的な外観向上を遂げた。
しかし2017年9月の車体更新でメーカー塗装車体に改められたクハ103-763(ラシ305F-3)との釣り合いが取れなくなった。
編成見附が大きく崩れたラシ305F-2を組成休止すると共にクハ103-780(ラシ305F-2)は保留車へ格下げされる。
更にクハ103-780(ラシ305F-2)でクハ103-374(ラシ337Fb:Mc69)を置き換えたためラシ305F-2は組成中止に追い込まれた。


クハ103-780(車体更新車)。

ラシ305F-2はクハ103-763以下9両をラシ305F-3と共用する関係からクハ103-780の竣工だけで復帰が可能だった。
長らく待ち続けたKATO製クハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)の回着が実現し車体更新に取り掛かった。
種車は旧クハ103-763(元ラシ305F-3)とする予定だったが車体更新を終えた車両であり撤回を余儀なくされている。
代わりには元クハ103-461(廃車:元ラシ335F-2)が起用され奇しくも朱色1号車両(クハ103-315:Tc315)が種車となった。
更新開始前にはクハ103-763(ラシ305F-3)を改修入場させており竣工時差の感じられない仕上がりに達したと思う。
但しクハ103-272(黄色5号)にはLOT差があった模様で黄色5号に若干の色温度差が伺える。


クハ103-780 [17C 三鷹]:車体更新車。


クハ103-763 [17C 三鷹]:ラシ305F-3(車体更新車)。


クハ103-260 [17C 三鷹]:ラシ305F-3(車体改修施工車)。

クハ103-780(ラシ305F-2)はクハ103-763(ラシ305F-3)に準拠した仕様としラシ305F-2組成時の違和感解消を狙った。
KATO製クハ103形量産冷房車では行先方向幕を広幅に切り出し行先表示器内が埋まる措置を施してきた。
今回はクハ103-260(ラシ305F-3)への遡及施工を避けるべく意図的に採用しなかった。
あくまで基準編成がラシ305F-3に置かれる関係から単独竣工となったクハ103-780の前面見附はかつての仕様へ戻されている。
運行番号もKATO製ツヌ315F(Tc213)付属ステッカーにて[17C]表示としている。
クハ103形低運転台量産冷房車とクハ103形高運転台では運行番号表示器幅が異なるためステッカー両端は切り詰めた。


ラシ321F,ラシ305F-2。


国鉄103系ツヌ306F。
※TOMIX製High-Grade製品。

出場直前には管理細分化防止策として編成番号再編前のラシ306F(Tc763)へ変更するか過っている。
モハ103-707以下6両(ラシ305F-3)のモハユニットはTOMIX製国鉄103系High-Grade製品ツヌ306F-2(Tc763)と同一車両番号である。
そのためツヌ306Fの系譜を受け継ぐラシ306Fこそが編成番号に相応しく感じられた。
しかしこれはグリーンマックス製サハ103-196,サハ103-212(ラシ305F-3)の組成が抑止を掛ける。
ラシ306F(Tc763)へ変更してもプロトタイプ時期が短過ぎラシ321F(Tc188)ですら離合対象に含まれないと判明した。
今後もラシ305F-3との11両体制に変わりはなくラシ305F-2を承継させた。


ラシ305F-2サイドビュー(クハ103-763:車体改修施工車)。
※車体更新車。


ラシ305F-3サイドビュー(クハ103-763:車体更新車)。
※ラシ305F-2兼用車。

先のラシ305F-3改修入場でクハ103-763(ラシ305F-3)は改修対象から外された。
ところが各部の施工が現在と異なっていたためクハ103-260(ラシ305F-3)に続き修正を施している。
主な修繕箇所は灰Hゴム支持印刷再現が覗かせていた側扉窓黒Hゴム支持化である。
黄色5号に映える黒Hゴム支持だけに掠れたように見える初期施工には納得が行かなくなった。
改修により灰Hゴム支持印刷は全て黒色化され引き締まった見附に至ったと思う。
予めクハ103-763(ラシ305F-3)の改修を施した効果はクハ103-780(ラシ305F-2)へ繋げられたと思える。
組成休止が解除されたラシ305F-2はラシ305F-3とほぼ同格に達しての再出場と言えるだろう。

JR103系習志野電車区305F [Tc260] 晩年仕様 (車体改修完了:簡易式改番車廃止)

2019-08-01 21:30:54 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
頻々。

入場が先送りされ続けてきたJR103系ラシ305F-3(Tc260)のKATO製量産冷房車はようやく改修を終えた。
初期竣工車で採用していた簡易式改番の全桁改番変更はやはり難関であった。
改修工程も想定を遥かに越える規模に渡ったが弱点の解消へ繋がる入場だったと思える。




JR103系ラシ305F (2000/6)。
[ラシ305F-3]:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc260。
◆簡易式改番車廃止。

クハ103-260は1973年7月に落成した低運転台量産冷房車である。
新製配置は豊田区で[特別快速]運用を中心に営業線へ投入された。
なと当初からサハ103形750番代サハ103-755,サハ103-756が組み込まれる10両編成(Tc259)で現れている。
◆トタ--F:Tc259-M402-M'558-T755-M403-M'559-T756-M404-M'560-Tc260(1978/3)。
しかし201系が登場し1981年より豊田区103系は順次置き換えが開始される。
配属から約8年7箇月後の1982年2月にクハ103-259以下10両編成は津田沼区へ転出した。
津田沼区ではツヌ317F(Tc259)の編成番号が与えられ朱色1号編成のまま営業を開始している。
クハ103形低運転台量産冷房車編成はツヌ315F(Tc213),ツヌ319F(Tc235),ツヌ324F(Tc217),ツヌ325F(Tc231)を含む5本体制となった。
このうちツヌ319F,ツヌ324Fもサハ103形750番代組込編成とされツヌ317Fの個性は余り強くなかった。
黄色5号への塗装変更は1982年6月中旬から始まり翌7月上旬には完了している。
◆ツヌ317F:Tc259-M402-M'558-T755-M403-M'559-T756-M404-M'560-Tc260(1984/10)。
◆ツヌ319F:Tc235-M364-M'520-T751-M365-M'521-T752-M366-M'522-Tc236(1984/10)。
◆ツヌ324F:Tc217-M337-M'493-T768-M338-M'494-T769-M339-M'495-Tc218(1984/10)。
特徴が現れたのは1988年頃に施工された前面窓金属押え面支持化である。
国鉄時代の改造と記憶していたが1988年3月に特別保全工事を受けておりこの時実施されたと思われる。
編成を組むクハ103-259は前面窓灰Hゴム支持車で残されクハ103-260との前面見附に変化が生じた。
その後クハ103-231(ラシ315F)も同様の改造を受け習志野区での異端車となった。
ところが1991年以降より仙石線仕様車両更新工事施工車に習志野区所属車が相次いで引き当てられる。
最終的にクハ103形低運転台量産冷房車編成はラシ315F(Tc231),ラシ317F(Tc259),ラシ324F(Tc217)まで減少してしまった。
◆ラシ315F:Tc231-M687-M'843-T460-M688-M'844-T461-M689-M'845-Tc232(1993/10)。
◆ラシ317F:Tc259-M402-M'558-T215-M470-M'626-T184-M403-M'559-Tc260(1993/10)。
◆ラシ324F:Tc217-M337-M'493-T252-M338-M'494-T253-M339-M'495-Tc218(1993/10)。
前面窓金属押え面支持化改造車はラシ315F,ラシ317Fへ分散配置され3編成中2本を占める。
その関係もありむしろラシ324Fの希少性が高まったように感じられた。
編成番号再編時も3編成は揃って生き残りラシ311F(Tc231),ラシ313F(Tc259),ラシ318F(Tc217)へと繰り上げられた。
ラシ311F:Tc231-M687-M'843-[T336]-M688-M'844-[T337]-M689-M'845-Tc232(2000/3)。
ラシ313F:Tc259-M402-M'558-[T202]-M719-M'875-T472-M403-M'559-Tc260(2000/3)。
ラシ318F:Tc217-M337-M'493-[T333]-M338-M'494-T479-M339-M'495-Tc218(2000/3)。
最初に運用を離脱したのはラシ313Fだったがクハ103-260だけは2000年4月下旬までにラシ305F(Tc763)へ異動となった。
ラシ305Fでの活躍は短期間に終わったもののクハ103-260の存在感が最も放たれた組成だったと思える。
仮にクハ103-231ではなくクハ103-259へ前面窓金属押え面支持化が施されていればその注目度は変わっていたかもしれない。


旧ラシ305F-2。

ラシ305F-3の前身である旧ラシ305F-2(Tc260)は旧ラシ315F(Tc213)のバリエーション編成として2013年12月に出場させた。
この当時からKATO製クハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)の導入が難航していた。
代替にはTOMIX製旧製品クハ103-396(青緑1号:Tc395)を塗装変更したクハ103-763が充てられる。
しかしクハ103-763の出来映えが宜しくなく2014年3月にTOMIX製旧製品クハ103-763(メーカー塗装車)へ更新となった。
車両更新を終えたTOMIX製旧製品クハ103-763だったが早くも2014年8月にはKATO製クハ103-763(塗装変更車)へ再更新される。
このKATO製クハ103-763もKATO製クハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)の回着によりクハ103-763へと改められた。


クハ103-763(車体更新車)。

クハ103-763だけでも4回の更新が行われる等とにかくラシ305F-3は出入りの激しい編成である。
強いて改修の起点を挙げるとすればクハ103-763が竣工した2017年9月だと思う。
この後塗装変更車からメーカー塗装車体へ更新を済ませたKATO製一般形サハ103-196,サハ103-212も消滅の憂き目に遭っている。
各々2019年4月にグリーンマックス製サハ103-196,サハ103-212へ置き換えられラシ305F-3は2社混結編成となった。
車体更新車だった旧サハ103-196,旧サハ103-212はサハ103-269(ラシ336F:Tc433),サハ103-94(ミツ6F-1:T94)に充当されている。


サハ103-196(車両振替車)。

簡易式改番車で残されていたモハ103-707以下7両は車体更新が行われる度に改修入場へ取り掛かるべきか検討している。
しかしKATO製サハ103-359(ラシ336F→サハ103-497:ラシ307F-2)での全桁改番化が難航したため先送りされてきた。
まずまずの状態を維持していた側面窓セル窓サッシ印刷に劣化が見え始めモハ103-707+モハ102-863より順次改修が決定する。
初期出場編成のラシ305F-3は改番時期も早かった模様で元サハ103-359よりも車両番号標記印刷消去痕の状態が劣っていた。
塗装被膜改善と古インレタによる車両番号標記転写に時間を割かれ作業は苦戦の連続となっている。


モハ102-865(車体改修施工車)。

この状況はモハ103-709+モハ102-865でも続いた上に定着が甘かった黄色5号塗料も追い討ちを掛けた。
クロスで拭っても湧き出てくる黄色5号塗料粉に辟易しモハ102-865では途中で作業を見切っている。
塗料粉除去が車体断面にまで及びマッキーで再現した側扉窓黒Hゴム支持も掠れてしまった。
同時に初回施工時の失敗も露わになり側扉や側板へ付着させたマッキーも修正が必要になっている。
側面窓セル窓サッシ印刷は部分的な剥離こそ生じていたが全てが透明サッシに至る前で踏み留まっていた。
一部は油性メタリックマーカーでの補修を複層化して対応し波打現象の完全抑止に繋げられた。


モハ103-708(動力ユニット整備施工車)。

マッキーの付着はモハ103-708+モハ102-864でも見られラプロス#8000での修正に変更している。
消しゴム式インク消去は今ひとつ効率が悪かったがラプロス式の採用で劇的な改善が図れた。
またモハ103-708(動力ユニット搭載車)では工程順を改め動力ユニットの整備を先行させている。
ところが酸化か進行した導電板を持つモハ103形量産冷房車用動力ユニットと初対面する羽目になった。
これまではユニットカバーへモーターを取り付けたまま整備が進められるほど導電板の状態は安定していた。
従って導電板を撤去する機会が無く研磨は撤去方法が理解出来た後にも行う二度手間となる。
その代わりモハ103形量産冷房車用動力ユニットは複数に跨がって完全分解したと同義になり以後の整備で役立つと思う。


クハ103-260(車体改修施工車)。

最終入場車のクハ103-260は今や少数派となった消しゴム式印刷消去による簡易式改番車であった。
各種インレタも全面的にKATO製が使用されており[クハ103-260]標記も例外ではない。
ペイントリムーバー式印刷消去車よりは体裁が良く見えた車両番号標記だったが今回の改修で消滅している。
その他には側扉窓黒Hゴム支持化も再施工し初期竣工車独自の方式は側面見附から伺い難くなったと思える。
ツヌ315F(Tc213)を種車とするモハ103-707以下7両ではクハ103-260の竣工が最も早かった。
皮肉にも滞りなく改修を進められた車両はクハ103-260だけであり簡易式改番車の全廃は当分先になると思われる。


ラシ315F-1,ラシ305F-3 (前面窓灰Hゴム支持車,前面窓金属押え面支持車)。

クハ103-260の特徴である前面窓金属押え面支持はクハ103-243(旧ツヌ314F:Tc243)と前面窓セルを交換して再現した。
大阪環状線仕様(Tc243)はクハ103形低運転台量産冷房車編成の嚆矢となった製品である。
ただ前面窓Hゴム支持モールドはツヌ315F(Tc213)に比べ広幅であり前面見附の落ち着きを欠く要因になっていると思われた。
前面窓金属押え面支持車のクハ103-188(ラシ321F:Tc188)にて大阪環状線LOT前面窓セルへ交換を行った結果はまずまずだった。
この実績からクハ103-260も同一措置が採られ前面窓灰Hゴム支持車とは異なる見附を演出出来たと思う。
当初ガンダムマーカー再現とした金属押え面支持化は後に油性ペイントマーカー再現へと変更し質感の向上を図った。
現在でも施工当時の状態が維持されており改修対象には挙がっていない。




ラシ305F-3サイドビュー(クハ103-763:車体更新車)。

敢えて改修入場対象車から外したクハ103-763であったが側扉窓黒Hゴム支持再現に甘さが見受けられる。
側扉窓黒Hゴム支持化はクハ103-260は当然ながらモハ103-707以下6両も現在の方式と異なっていた。
クハ103-763は2017年9月の竣工で現行方式に準拠していると考えていたが実際には違ったらしい。
補修は分解をせずとも行えるため直ぐにでも見附を整えられる環境が整っている。
ただクハ103-260で前照灯照度向上対策の再施工を行っており正規手順での整備を施す予定である。

JR103系習志野電車区326F [Tc291] 黄緑6号混色:YG-Y-YG編成 (塗装変更車廃止完了) ※TOMIX製旧製品

2019-07-11 21:43:04 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
復活。

TOMIX製JR103系旧製品ラシ326F-2(Tc291)の車体更新,車体改修が完了した。
2013年5月まではモハ103-741以下8両をラシ308F(Tc807)と共有する旧ラシ327F(Tc791)を名乗っていた。
その後TOMIX製旧製品松戸区仕様(Tc395)の廃止により10両編成化を行い編成番号も旧ラシ326F(Tc791)へ改めている。




JR103系ラシ326F 黄緑6号混色編成(1987/6)。
[ラシ326F-2]:Tc291-M681-M'837-T456-M682-M'838-T457-M683-M'839-Tc292
※TOMIX製旧製品。
◆モハ103-681+モハ102-837,モハ103-682,モハ103-683+モハ102-839,サハ103-456,サハ103-457:車体更新。
◆モハ102-838:動力ユニット換装,クハ103-291,クハ103-292:車体改修。

旧ラシ331F(Tc807)の出場によりモハ103-741以下8両(ラシ308F)は旧ラシ326Fへ異動となった。
一旦メーカー塗装編成が組まれた旧ラシ326Fだったが再びモハ103-681以下6両(元松戸区仕様)を含む10両編成に戻される。
この時ラシ326F-2(Tc291)の原形が大凡定まったが初期塗装変更車が集結してしまった。
更にモハ103-741+モハ102-897(旧ラシ326F)が入れ替えられモハ103-681以下8両は全て塗装変更車へと改悪された。
一方クハ103-791,クハ103-791は早くから動態保存車に指定されている。
動態保存車が塗装変更車を挟む10両編成は如何にも不釣り合いと言え改善が望まれる状態だった。


モハ103-682(中期LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品:初期LOT品仕様化施工車。

ただ更新種車となるTOMIX製旧製品中間車8両を揃えるには少し時間が遅かった。
2019年3月からTOMIX製旧製品(中古製品,ジャンク車両)の順次回着が実現する。
本格的なTOMIX製旧製品の車体更新はモハ102-711(ラシ320F:Tc779)を皮切りとした。
ただ車両需給との兼ね合いもあり導入したTOMIX製旧製品はラシ320F,ラシ335F-2(Tc461)の更新用へ優先的に充当される。
ようやくラシ326F-2に更新順が巡ってきたのは2019年5月に入ってからだった。
ラシ326F-2での車体更新第1号にはモハ103-682(5号車)が抜擢される。
これはユニット相手のモハ102-838が何時の間にかメーカー塗装車体へ振り返られていたためである。


サハ103-456(中期LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品:初期LOT品仕様化施工車。

ラシ326F-2を構成する車両のうちクハ103-291,クハ103-292は車体更新対象に含めなかった。
今や稀少な初期LOT品でありモハ103-681以下8両には濃色成形窓セル,プラスチック車輪を用いる初期LOT品仕様化が決定した。
よってモハ103-682はPS16形パンタグラフ(0201)も継続採用としPS16形パンタグラフ(0230)への換装は見送られている。
車体更新と並行した初期LOT品仕様化への拘りはビス締結台枠での統一にも及んでいる。
サハ103-456(4号車)はスナップ嵌合式床板装着車のモハ103-557(ジャンク車両)が種車となった。
嵌合爪を有する側面窓セルとビス締結式座席部品は原形での装着が行えない。
そのため座席部品に嵌合爪回避口を設けるビス締結式床板対応化を施した。
なお車体改修のみに留まったモハ102-838は凸形動力ユニットへの換装を行いLOTを遡らせている。


モハ102-837(最終LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品:初期LOT品仕様化施工車。

2019年6月に入るとモハ103-681+モハ102-837(2,3号車)が車体更新を迎える。
種車は透明成形窓セルを持つ最終LOT品に変わりビス締結式床板化に濃色成形窓セル交換が必要が加わる。
スナップ嵌合式床板装着車だったモハ103-681はモハ103-672(ラシ331F-2:M672)と台枠を振り替え対処した。
窓セルが流用出来たモハ103-681とは対照的にモハ102-837は透明成形窓セル装着車へと改められていた。
廃車発生品の濃色成形窓セルはグリーンマックス製TR-200床板を履かせるための細工が施された個体が多数を占める。
止むを得ず補修途中の元サハ103-328(廃車:元ラシ323F)用窓セルを代打に起用した。
2両とも窓サッシは油性ペイントマーカー再現だが初期LOT品相当の見附に至ったと思う。


モハ103-683(初期LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品。

種車都合により再度車体更新が中断されたラシ326F-2だったがサハ103-494(ツヌ308F:Tc807)の回着が流れを変えた。
車両番号標記が印刷された初期LOT品は改番に失敗した経緯から黄色5号車両でも導入を見送ってきた。
サハ103-494はビス締結式床板への交換が残されていたサハ103-331(ラシ320F)用に確保したものである。
転用先の無いサハ103-494を更新用途へ切り替えられるか確認するためラプロス#6000での車両番号標記印刷消去が試行される。
多少怪しい仕上がりになったものの車両番号標記インレタ転写で往なせるように思えた。
少なくとも塗装変更車体より飛躍的な外観向上が期待できモハ103-683(8号車)へ編入された。


モハ102-839(初期LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品。

モハ103-683での結果を受けモハ102-897(ツヌ308F:Tc807)も部品取車から更新種車に用途変更される。
かなり悪い状態で回着したモハ102-897は濃色成形窓セルの補充が本来の役割であった。
現状での転用には無理があり成形色を覗かせていた一部は黄色5号塗料で補修している。
印刷消去で三方コック蓋の[▼]標記を残した都合によりモハ102-839(9号車)へ充当された。
初期LOT品での車体更新はモハ103-683+モハ102-839が初施工であり特異な車両と言えよう。
車体更新の最後を飾ったサハ103-457(7号車)には車体だけで回着した最終LOT品が引き当てられる。
元モハ103-683(廃車)から側面窓セルを転用した関係でサハ103-456に倣った座席部品への加工を施した。


クハ103-292 [47C 中野]:塗装被膜改善,通電系統整備施工車。


クハ103-807 [67C 三鷹]:ラシ308F(初期LOTライト基板装着車)。
※TOMIX製旧製品:動態保存車。

モハ103-681以下7両の車体更新を終えクハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-2)が改修入場する。
経年約33年に達するクハ103-291,クハ103-292はさすがに長年の疲れが目立っていた。
改修項目は塗装被膜改善と通電系統整備に絞り極力部品交換を行わない方針とした。
打痕を多数抱えるクハ103-292には成形色まで露出した箇所が散在していた。
塗装被膜への対処ははあくまで[改善]であり敢えて黒色成形部を残したまま竣工させている。
ライト基板も照度の低い初期LOT品を流用しラシ308F(動態保存編成)と仕様を揃えた。


クハ103-291 [47C 中野]:塗装被膜改善施工車。

最終入場車となったクハ103-291(ラシ326F-2)は前面助士側腰板の擦過痕が激しかった。
これは繰り返された[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーの交換に拠るものである。
最初に貼付したグリーンマックス製[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーは切り出しに失敗した。
短期間で再度グリーンマックス製[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーへ交換されるが剥離でも失敗している。
この失策以降からクハ103-291の前面助士側腰板には擦過痕が居残り続ける事になる。
[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーはペンギンモデル製,自作品Excel版,自作品PhotoShop版へと貼り替えが繰り返される。
その度に擦過痕は見て見ない振りをしてきたが今回ラプロス#6000を当てる方法で大幅な軽減が実現した。


クハ103-291+モハ103-681 (ラシ326F-2:初期LOT品車体改修施工車+中期LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品。

クハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-2)は改番前のクハ103-791,クハ103-791時代に繁く仕様変更が行われた。
何れも25年以上前の施工でその時の気分により側面用JRマーク,[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー位置が変更されている。
JRマークはTOMIX製デカールからKATO製インレタへ改めた直後より腰板貼付仕様と吹寄貼付仕様が交互に出現した。
[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーも隔扉貼付仕様と全扉貼付仕様仕様を行き来している。
各々JRマーク:腰板貼付,[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー:隔扉貼付が正規位置であり2016年5月の修正を以て落ち着いた。
しかし転写糊,接着糊は除去されておらず両車とも綿棒に頼り薄汚れた黄緑6号から脱出させた。
インレタ化も考えたシルバーシートマークステッカーは塗装被膜への負荷が考慮されTOMIX製ステッカーのまま生き残っている。


ラシ308F,ラシ326F-2 (動態保存編成)。
※TOMIX製旧製品。


ラシ320F。
※TOMIX製旧製品。

約2箇月を要して全車の改修が完了したツヌ326F-2はメーカー塗装車体での統一を果たした。
車体更新車は初期LOT品,中期LOT品,最終LOT品が更新種車に分かれるが初期LOT品仕様化を徹底した。
車体基本構造に変更が無かったTOMIX製旧製品ならではの強味が活かされ車両毎のLOT差異は殆ど感じられないと思える。
編成見附を大きく左右する濃色成形窓セル及びプラスチック車輪は非常に効果的だった。
ラシ308Fに対する見劣り感は消え去りラシ326F-2を動態保存編成に格上げしても良いだろう。
TOMIX製103系旧製品10両編成習志野区仕様はラシ308F,ラシ320F,ラシ326F-2の全3本がメーカー塗装車体で揃った。
このうちラシ320Fは現在の改修項目に則った施工が成されておりラシ308F,ラシ326F-2と編成見附が異なる。
改修予定のラシ308Fはラシ326F-2に準拠した整備内容で確定したため3編成の構図は当面維持されると思う。




ラシ326F-2サイドビュー(クハ103-291:座席部品黒色化未施工初期LOT品車体改修施工車)。
※TOMIX製旧製品:動態保存車。


ラシ320Fサイドビュー(クハ103-779:座席部品黒色化施工最終LOT車体更新車)。
※TOMIX製旧製品。

製品原形を維持する姿勢はクハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-2)の座席部品にも垣間見える。
国鉄103系ツヌ329F(Tc485←旧ツヌ330F:Tc309)を切っ掛けとした遮光ブロック押え部の黒色化は施されていない。
座席部品黒色化は側扉窓の統一感向上を狙い拡大採用を続けてきた施工項目である。
先に竣工したクハ103-779,クハ103-790(ラシ320F),クハ103-461,クハ103-726(ラシ335F-2:M213)では座席部品転用まで行った。
意図的に座席部品黒色化を取り止め灰色成形色を維持した点は動態保存車ならではの拘りと言えよう。
ラシ326F-2の初期LOT品仕様化により国鉄103系クハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-1:Tc291)の取り扱いが問題となった。
第一次初期LOT品仕様化まで終えたクハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-1:最終LOT品)だが屋根板色温度が濃灰色とされている。
現時点ではラシ326F-2が改修完了を迎えた充実感が勝っておりラシ326F-1を分離する方向に傾きつつある。
実現には中間車8両を最終LOT品で揃える必要がありしばらくは12両体制で推移すると思う。

JR103系習志野電車区319F [Tc463] (車体更新完了,モハ103-344+モハ102-500[ラシ315F-2] 車体改修)

2019-07-01 22:26:53 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
初陣。

KATO製量産冷房車,KATO製一般形,グリーンマックス製で構成するJR103系ラシ319F(Tc463)が再出場した。
改修後も2社3種混結編成に変更は無くKATO製モハ103-344+モハ102-500(ラシ315F-2:M344)を含む12両体制が維持される。
引き続き自家塗装車,塗装変更車の削減を進めたが廃車はサハ103-181,サハ103-311だけに留まった。




JR103系ラシ319F (1993/10)。
[ラシ319F]:Tc463-[M198]-[M'353]-[T181]-M110-M'188-[T311]-[M200]-[M'355]-Tc728
[ラシ315F-2]:(Tc463-[M198]-[M'353]-[T181]-)[M344]-[M'500](-[T311]-[M200]-[M'355]-Tc728)。
◆クハ103-463,クハ103-728 ModelTrainPlus製103系用LEDライト基板換装,サハ103-311 車両更新。
◆モハ103-110+モハ102-188,モハ103-198+モハ102-353,モハ103-200+モハ102-355,サハ103-181 車体更新。

30編成体制でJR移行を迎えた習志野区103系は比較的経年の浅いモハユニットが集結していた。
最若番ユニットはモハ103-331+モハ102-487(ラシ314F:Tc817)で1973年1月に竣工した量産冷房車である。
津田沼区のモハ103形+モハ102形は新製投入車と豊田区からの転入車が大半を占めた。
そのため非冷房車,初期形冷房改造車のモハユニット登場は1988年3月まで遅れている。
101系置き換え用に投入されたラシ331F(Tc741)~ラシ336F(Tc277)には全て非冷房車が組み込まれていた。
しかし初期形冷房改造車はラシ332F(Tc753),ラシ335F(Tc461)に限られ依然として少数派のまま推移した。
ラシ337F(Mc69:中原区・豊田区借入車編成)の登場により一時増加したが編成解消後は元に戻っている。
◆ラシ331F:Tc741-M673-M'829-T272-M7-M'7-T274-M674-M'830-Tc754(1988/12)。
◆ラシ332F:Tc743-M265-M'420-T269-M53-M'53-T270-M266-M'421-Tc756(1988/12)。
◆ラシ333F:Tc773-M416-M'572-T180-M54-M'54-T198-M417+M'573-Tc786(1988/12)。
◆ラシ334F:Tc295-M438-M'594-T49-M43-M'43-T50-M440-M'596-Tc296(1988/12)。
◆ラシ335F:Tc461-M212-M'367-T342-M47-M'47-T144-M215-M'370-Tc726(1988/12)。
◆ラシ336F:Tc277-M334-M'490-T326-M21-M'21-T327-M336-M'492-Tc278(1988/12)。
◆ラシ337F:Mc69-M'177-T142-M149-M'280-T'c576+Tc373-M46-M'46-Tc374(1989/1)。
1988年より開始された車両更新工事は当初1967年~1972年度落成車が対象とされた。
大多数を量産冷房車が占めていた習志野区では無関係に思われた。
ところが仙石線用車両更新工事施工車へ習志野区所属車が引き当てられる。
そして1989年10月にモハ103-198+モハ102-353,モハ103-200+モハ102-355が配属となる。
初期形冷房改造車モハユニットとしてはモハ103-212+モハ103-367,モハ103-215+モハ102-370(ラシ335F)以来の配置であった。
モハ103-198+モハ102-353,モハ103-200+モハ102-355は陸前原ノ町区転出車に代わりラシ319F(Tc463)へ定着する。
当初の組成はSC24形インバータ給電式AU712冷房改造車,サハ103形750番代が含まれる異色の編成とされた。
◆ラシ319F:Tc463-[M198]-[M'353]-T751-M110-M'188-T752-[M200]-[M'355]-Tc728(1990/10)。
その後モハ103-156+モハ102-289(ラシ333F:Tc773),モハ103-142+モハ102-267(ラシ336F:Tc433)が続いて転入した。
1991年1月の配属後も特定の編成を組まなかったモハ103-213+モハ102-368はモハ103-47+モハ102-47(ラシ335F)の代替車となる。
更に事故補填車としてモハ103-136+モハ102-249(ラシ307F:Tc805)が1993年7月に転入する。
特別保全工事を受けていたモハ103-136+モハ102-249,モハ103-213+モハ102-367は当時では珍しい未更新車であった。
しかし1997年4月に配置されたモハ103-162+モハ102-300を以て初期形冷房改造車モハユニットの転入は途絶える。
36編成体制にまで達した習志野区103系だが量産冷房車が多数派の状況は覆らなかった。
何故か量産冷房車を量産冷房車(未更新車)へ振り替える車両異動が繰り返された。
それでも最後まで習志野区に残留した103系4編成には初期形冷房改造車モハユニットが4組生き残っている。
この中にはモハ103-198+モハ102-353,モハ103-200+モハ103-355も含まれ最期の花道を飾った。
ラシ315F:Tc463-[M198]-[M'353]-[T291]-[M344]-[M'500]-[T311]-[M200]-[M'355]-Tc728(2001/4)。
ラシ325F:Tc461-[M162]-[M'300]-[T194]-[M212]-[M'367]-[T312]-[M540]-[M'696]-[Tc710](2001/4)。


サハ103-181(車体更新車)。

ラシ319Fの改修はKATO製一般形サハ103-181(4号車:塗装変更車)より開始された。
更新はKATO製一般形旧サハ103-180(元ラシ333F:Tc773),グリーンマックス製塗装済サハ103形の起用で揺れている。
KATO製一般形モハ103-110+モハ102-188(SC24形インバータ給電式AU712冷房改造車)はKATO製一般形にて更新するしかなかった。
編成でのメーカー統一は難しく車体更新車だった旧サハ103-180が種車に決定した。
サハ103-311(7号車)にKATO製量産冷房車が起用されており台枠は配管が追設済の元サハ103-198(元ラシ333F)用を転用している。
この際TR62非動力台車も転用してしまったため以降の改修入場はいんちき黒染車輪化が工程に追加された。


モハ103-198+モハ102-353 (車体更新車+車体更新車)。

グリーンマックス製モハ103-198+モハ102-353,モハ103-200+モハ102-355は自家塗装車だった。
先にサハ103形で登場していたグリーンマックス製塗装済103系がモハ103形,モハ102形にも現れている。
更新で押し出される元モハ103-198+元モハ102-353,元モハ103-200+元モハ102-355は転用計画が浮上した。
まだプロトタイプが決まっておらずモハ103形へのKATO製モハ103形用動力ユニット搭載も考えられた。
その場合嵌合爪位置が変わってしまうため側面窓セルは流用の一択となる。
これによりグリーンマックス製サハ103形とは異なるTR-200床板装着車での竣工を迎えた。


サハ103-311(車両更新車)。

サハ103-311(7号車)は急遽更新が決定した煽りで変則的な種車の捻出が行われている。
唯一異動が可能だったサハ103-342(ラシ336F-2:T359)には[弱冷房車]ステッカーインレタが転写されていた。
残数が厳しい[弱冷房車]ステッカーインレタを温存するべく先にサハ103-328(ラシ323F:M746)を再更新した。
そして旧サハ103-328を直接サハ103-311へ改番し元サハ103-311は部品供出の機会すら与えられないまま廃車となった。
この時KATOカプラーBタイプ付TR62非動力台車からカプラーポケット式TR62非動力台車へ交換している。
黒染車輪は流用せずカプラーポケット式TR62非動力台車が装着していた車輪をいんちき黒染車輪に改めた。
KATO製量産冷房車でのいんちき黒染車輪装着車はサハ103-311が初登場である。
なお実車は第一次改良形非冷房車をAU75冷房改造車化した車両であり量産冷房車には該当しない。


クハ103-728 [11C 三鷹]:旧LOT品TR62非動力台車装着ライト基板更新車。

KATOカプラーBタイプ付TR62非動力台車の廃止はグリーンマックス製TR62非動力台車との相性を考えた結果である。
連結器高が揃わず常に窮屈そうな雰囲気を漂わせており改修にてKATOカプラーの自由度を高めようとした。
車体更新を終えていたクハ103-463,クハ103-728はクハ103-281,クハ103-282高運転台ATC準備車(黄緑6号)用床板を流用していた。
連結面側TR62非動力台車交換だけの施工とする予定はModelTrainPlus製103系用LEDライト基板の入手で流れが変わる。
元サハ103-311の廃車でラシ319Fは全車がメーカー塗装車体へと一新された。
これに併せクハ103-463,クハ103-728はModelTrainPlus製LEDライト基板装着車への更新が決定する。
黄色5号編成ではラシ321F(Tc188)以来2編成目の施工であり強力発光は格上げ感に繋がる効果を得られたと思える。


クハ103-463+モハ103-198 (KATO製量産冷房車+グリーンマックス製)。

同時に行った運転台側カプラー無TR62非動力台車の旧LOT品換装は余計だったかもしれない。
枕梁天面が面一成形となる旧LOT品TR62非動力台車は車体との嵌合を可能にするためビス締結を緩める必要があった。
保管品のTR62非動力台車で生じたLOT差を解消させる手段としたが予想に反する結果になっている。
しばらくは旧LOT品TR62非動力台車のまま耐久試験を行う予定である。
ただ既に車体支持は不安定さが覗かせており現行LOTカプラー無TR62非動力台車へ戻す確率が高いと思う。
連結面側の嵌合不良は現れずカプラーポケット式TR62非動力台車は交換対象に含めない。


モハ103-110+モハ102-188 (車体更新車+車体更新車)。


モハ103-68+モハ102-68 (ミツ6F:メーカー塗装車+メーカー塗装車)。

車体更新を先送りする予定だったモハ103-110+モハ102-188も急遽入場となった。
種車にはサハ103-49,サハ103-50(ラシ334F:Tc295)を抜擢しモハ103-110+モハ102-188に充当した。
このままではラシ334Fが組成不能に陥るため旧モハ103-110+旧モハ102-188がサハ103-49,サハ103-50へ編入されている。
KATO製一般形はサハ103形に比べモハ103形,モハ102形の車体更新が大幅に遅れていた。
メーカー塗装車で揃うモハユニットはモハ103-66+モハ102-66,モハ103-68-モハ102-68(ミツ6F:Tc93)だけの在籍に留まっていた。
編入車ではあるがモハ103-110+モハ102-188は2013年5月以来約6年1箇月振りのメーカー塗装車ユニット登場を飾っている。


サハ103-181+モハ103-110 (車体更新車+車体更新車:車両更新工事施工車仕様+未更新車仕様)。

KATO製一般形は長期間に渡る製造が続いている関係でLOTにより黄色5号の色温度差を抱える。
モハ103-68+モハ102-68は青味が強くモハ103-110+モハ102-188と明らかな違いが手に取れた。
種車にはモハ103-1+モハ102-188が起用されており恐らく1stLOT品+2ndLOT品だと思われる。
更新時差と種車のLOT都合が絡みKATO製一般形の側面見附を整える作業は難しい。
予定に無い更新ながら偶然にもサハ103-181と近い黄色5号になってくれた。
しかもサハ103-181は車両更新工事施工車仕様のため施工時差を誤魔化せたと思う。
いんちき黒染車輪化が行えるか微妙だったモハ103-110だが通電系統に影響しないと再確認出来た。
DT33動力台車の撤去には凸形動力ユニットを分解する必要がありモーターへの注油も同時に施した。


モハ103-344+モハ102-500 (ラシ315F-2:旧LOT屋根板装着車+旧LOT屋根板装着車)。

ラシ319Fは編成番号改変後にラシ310Fへ繰り上がりモハ103-344+モハ102-500(5,6号車)が組み込まれた。
モハ103-110の凸形動力ユニットは経年が高く当初からKATO製モハ103-344+モハ102-500(旧ラシ315F-3)を予備ユニットとして配備した。
KATO製モハ103-344+モハ102-500は旧ラシ320F(Tc779)へ異動した後もTOMIX製旧製品モハ103-344+モハ102-500を竣工させている。
2019年3月の改修でラシ320F(Tc779)はTOMIX製旧製品で統一されKATO製モハ103-344+モハ102-500もラシ315F-2へ復帰した。
一部がラシ320F仕様で残されていたモハ103-344+モハ102-500は部品交換を行いサハ103-311と同様の見附へと改めた。
旧LOT屋根板化が必要だったモハ102-500の仕様統一では元サハ103-311が装着する部品を活用している。
モハ103-344が搭載する動力ユニットは整備実施で性能復元を図れたものの通電不良の再発が懸念される。
予備品が確保されればカプラーポケット式DT33動力台車以外を交換する方向で検討している。


ラシ334F,ラシ319F (車体更新車,車体更新車)。

サハ103-49,サハ103-50を捻出したラシ334Fはラシ319Fより状態の良い編成であった。
KATO製クハ103-295,クハ103-296(ラシ334F)はクハ103-272,クハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)による車体更新を終えていた。
後はKATO製一般形モハ103-43+モハ102-43の車体更新を残すだけでメーカー塗装車体統一は目前だった。
しかしサハ103-49,サハ103-50が戦列に加わり塗装変更車は4両へと逆戻りしている。
メーカー塗装車統一は自家塗装車を含むラシ319Fが一番乗りを果たしたが反比例するようにラシ334Fの更新順位は下がった。
その代わりモハ103-43+モハ102-43,サハ103-49,サハ103-50の車体更新は同時期に行われるため編成見附は向上すると思われる。




ラシ319Fサイドビュー(クハ103-463:Assyベンチレーター搭載車)。


ラシ334Fサイドビュー(クハ103-295:現行LOTベンチレーター搭載車)。

またKATO製一般形非冷房車はAssyベンチレーターへの統一を進めている。
全車現行LOTベンチレーターに置き換えたラシ334Fであるが再換装が控える。
現在は屋根上見附が異なるラシ319Fとラシ334Fだが何れ同様の外観に至るだろう。
クハ103-463,クハ103-728は旧LOT品運転台側カプラー無TR62非動力台車に不安を抱えるため足廻りも共通化が予想される。
まだ塗装変更車を多数抱えるクハ103形高運転台ATC車の車体更新は台枠とTR62非動力台車のLOTを揃えた方が安全だと思う。
車両構成上カプラーポケット式TR62非動力台車への換装を要する車両に出会すと考えられる。
ラシ319Fでの試験結果に関わらず運転台側カプラー無TR62非動力台車には手を出さないつもりである。

国鉄103系津田沼電車区329F [Tc485] (ねずみ色1号塗装済ベンチレーター統一完了) ※TOMIX製旧製品

2019-06-18 21:40:48 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
達成。

TOMIX製旧製品では外観向上策施工編成に指定している国鉄103系ツヌ329F(Tc485)が再出場した。
10両全車が最終LOT品で揃い初期LOT品だけで構成されるJR103系ラシ308F(Tc807)とは対極に位置する。
今入場でのねずみ色1号塗装済ベンチレーター統一を以てツヌ329Fへの外観向上策は一区切りを迎えた。




国鉄103系ツヌ329F (1986/8)。
[ツヌ329F]:Tc485-M610-M'766-T433-M611-M'767-T434-M612-M'768-Tc486
※TOMIX製旧製品。
◆ねずみ色1号塗装済ベンチレーター統一。

津田沼区103系は1983年3月に豊田区から転入したツヌ327F(Tc101)で27編成体制となった。
その後一部車両の転出入を経ながらも1986年4月上旬までは増減は無い状態が続く。
久し振りの増備は1986年4月下旬に現れたしたツヌ328F(Tc483)であった。
ここでクハ103形高運転台ATC車(黄色5号)が初登場している。
続けて1986年6月:ツヌ329F(Tc485),1986年8月:ツヌ330F(Tc309)が山手区より転入する。
これにより101系ツヌ108F(Mc191),ツヌ109F(Mc202),ツヌ110F(Mc172)の編成が解かれた。
1986年8月以降からは101系7編成,103系30編成へと再編されている。
◆ツヌ328F:Tc483-M450-M'606-T203-M451-M'607-T207-M452-M'608-Tc484(1986/8)。
◆ツヌ329F:Tc485-M610-M'766-T433-M611-M'767-T434-M612-M'768-Tc486(1986/8)。
◆ツヌ330F:Tc309-M613-M'769-T435-M615-M'771-T436-M614-M'770-Tc310(1986/8)。
JR移行当時はラシ302F(Tc289),ラシ306F(Tc763),ラシ326F(Tc292)と共に側面用JRマークが腰板に貼り付けられる。
この貼附位置1988年3月より101系置き換え用名目で投入されたラシ331F(Tc743)~ラシ336F(Tc277)とは異なっていた。
程なくして側面用JRマークの貼り替えが行われ特徴ある姿は失われている。
個性こそ弱まったがラシ329F,ラシ330Fは10両全車が量産冷房車で整う数少ないクハ103形高運転台ATC車編成だった。
但しラシ330Fはモハ103-614+モハ102-770,モハ103-615+モハ102-771が昇順に並ばない変則組成とされた。
しかもモハ102-771だけC-2000形空気圧縮機への消音タンク追設が見送られる妙な癖を有していた。
1986年に転入した3本ではツヌ329Fが最も整っていた編成だったと言えよう。
ツヌ329Fは1978年度落成車で占められたが1996年8月まで転入当時の組成を維持し続けた。
1996年9月の車両異動が最初で最後となる動きの少ない編成だった。
習志野区晩年での組成変更に倣い編成から離脱したのはサハ103-433,サハ103-434であった。
検査期限の都合からかサハ103-433,サハ103-434は翌1997年8月まで廃車が持ち越されている。
◆ツヌ329F:Tc485-M610-M'766-[T138]-M611-M'767-[T216]-M612-M'768-Tc486(1996/10)。
1999年2月までラシ329Fの活躍は続いたが編成番号再編を目の前にして運用を外れる。
奇しくも続番のモハユニットを組んでいたラシ330Fと共に姿を消した。
ほぼ同時期に転入したラシ330Fはクハ103-310,サハ103-435,サハ103-436の置き換えに留まっている。
ラシ328Fに至っては離脱直前まで転属当時の組成を守り続けた。
一応の安定期へ入った後の配属がラシ328F,ラシ329F,ラシ330Fを車両異動から遠ざけた一因になったと思う。


旧ツヌ330F。
※TOMIX製旧製品:KATO製配管付TNカプラーSP装着編成。

ツヌ329Fは当初旧ツヌ330F(Tc309)として出場させた改番編成である。
種車としたツヌ330Fの回着は2014年9月だったが外観向上策施工が決定した。
この整備に時間を要し旧ツヌ330Fは出場が2014年11月までずれ込んでいる。
第一次整備で外観向上編成化が決定し順次現代水準への引き上げを行った。
先ず旧モハ102-769,旧モハ102-770,旧モハ102-771へグリーンマックス製,マイクロエース製C-2000形空気圧縮機を追設した。
続けて旧モハ103-613,旧モハ103-614,旧モハ103-615もPS16形パンタグラフ(0230)へ換装している。
旧クハ103-309,旧クハ103-310の運転台側にはKATO製配管付TNカプラーSPを取り付けた。
更に旧クハ103-309はTOMIX製103系High-Grade製品用ホース付ジャンパ栓納め化を並行した。


ラシ329F。

その他2エンド側への貫通幌取付や側扉窓及び妻面窓灰Hゴム支持化が施されラシ308Fとの差別化を図った。
初出場当時には国鉄仕様のKATO製ラシ329F(Tc485)が在籍していた。
しかしモハ103-610以下8両がツヌ304F-1(Tc103)の10両編成化で異動となり消滅する。
津田沼区仕様,習志野区仕様を併せ第301編成~第337編成まで揃えていたがこの異動により第329編成が空番になってしまった。
そこで旧ツヌ330Fをツヌ329F(Tc485)へ改番し第329編成の穴埋めとしている。
編成見附は元ラシ329Fと同様ながら津田沼区仕様=国鉄時代の図式に従いツヌ329Fへ呼称変更した。


旧ツヌ329F。
※TOMIX製旧製品:High-Grade製品用配管付ステップ(PZ6287)装着編成。

ツヌ329Fへの改番後より外観向上策はクハ103-485,クハ103-486が中心に置かれる。
2016年11月にはTOMIX製103系High-Grade製品用配管付ステップ(PZ6287)を取り付けた。
TOMIX製クハ103形旧製品用台枠とTOMIX製クハ103形High-Grade製品用台枠はTNカプラーSP取付部周りの成形が異なる。
原形での装着はクハ103-486にて不可能と判り運転台側台枠,配管付ステップ双方の加工を行った。
配管付ステップはTNカプラーSPと台枠との間で抑えられているだけであり今一つ安定性に欠ける。
これは今入場で配管付ステップの撤去を回避した大きな理由になっている。
なお配管付ステップ取付と同時にKATO製配管付TNカプラーSPは廃止された。


旧ツヌ329F。
※TOMIX製旧製品:High-Grade製品クハ103形高運転台車用TNカプラーSP(JC6336)換装編成。

クハ103-485,クハ103-486への細工は続き2017年2月には運転台側TNカプラーSPを交換した。
TOMIX製103系High-Grade製品では高運転台車用にジャンパ連結器付TNカプラーSP(JC6336)が用意される。
配管付ステップの装着によりTNカプラーSP(0336)でも不満は抱いていなかった。
ただ初期LOT~中期LOT品クハ103形旧製品用床板まで存在したジャンパ連結器モールドをツヌ329Fで再現したくなった。
単純なTNカプラーSP交換工程と思われたが先発入場させたクハ103-486にて壁にぶつかる。
ジャンパ連結器付TNカプラーSPは車体裾と支障してしまい運転台側台枠の下垂を引き起した。
干渉解消策はTNカプラーSPカバーのジャンパ連結器モールド基部を薄型化する手法を採った。
かなり窮屈な取付具合となったかクハ103-485も同様に換装している。
この時ツヌ329Fに於ける外観向上策はねずみ色1号塗装済ベンチレーターへの換装だけが残っていた。
しかしTOMIX製103系旧製品用ベンチレーターは保管品が限られ塗装に踏み切れなかった。


クハ103-486 [19C 中野]:通電系統整備施工車。

この間に従来集電式TR62非動力台車(PT-101)を起因とするクハ103-485,クハ103-486の走行抵抗軽減策が採られる。
クハ103-486での装着試験から新集電式TR62N非動力台車(0051)と集電スプリング(JS06)の組み合わせが理想的だと判断した。
車輪はモハ103-610以下8両に合わせ新集電式台車用銀色金属車輪(0653)が用いられる。
大幅な摺動抵抗軽減が実現した新集電式TR62N非動力台車化はツヌ329Fの走行性能向上に直結している。
在籍するTOMIX製旧製品では別格の存在となったが走行機会増加に比例し前尾灯点灯の不安定さが露呈する。
新集電式TR62N非動力台車へ交換した際の手落ちにより導電板には激しい曇りが生じていた。
また新集電式台車用銀色金属の白濁現象にも悩まされておりクハ103-485,クハ103-486とも改修で通電系統を整備している。


JR103系ラシ320F。

遅れていたねずみ色1号塗装済ベンチレーターへの換装はTOMIX製旧製品JR103系ラシ320F(Tc779)の改修が契機となった。
複雑な部品遣り繰りが発生したモハ103-555(ラシ320F)の改修時にモハ103-610はねずみ色1号塗装済ベンチレーターへ交換された。
これ以降モハ102-735(ラシ320F)までラシ320Fとツヌ329Fの同時入場が続きモハ102-768を以て置き換えは中断される。
絶対数の少ないねずみ色1号塗装済ベンチレーターは1両分が不足してしまった。
最終手段としてJR103系モハ102-829(ラシ331F-2:M672)がベンチレーター供出車に決定した。
2019年3月から開始されたベンチレーター換装は約3箇月を要しながら全車への施工を終えている。


ラシ326F-1,ツヌ329F (メーカー塗装ベンチレーター搭載車,ねずみ色1号塗装済ベンチレーター搭載車)。

モハ103-610がねずみ色1号塗装済ベンチレーターに換装された時点で屋根板との対比効果は期待外れと判明してしまった。
結局TOMIX製103系High-Grade製品並の色温度差には至らず外観向上策の最終項目としては物足りない結果に終わっている。
最終LOT品が先頭に立つTOMIX製旧製品ラシ326F-1(Tc291)との比較でもベンチレーターの色温度差は余り伝わってこない。
もう少し最終LOT品の屋根板が濃灰色に振られていれば違う雰囲気へ達していたと思われる。
ただこればかりは製品仕様に頼るしかなく現在の技量では精一杯と言える。
なおクハ103-485,クハ103-486が装着していた配管付TNカプラーSPはクハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-1)に転用された。
KATO製配管付TNカプラーSPも見附は十分だがHigh-Grade製品用配管付ステップには敵わないと思う。




ツヌ329Fサイドビュー(クハ103-485:ねずみ色1号塗装済ベンチレーター搭載車)。
※TOMIX製旧製品:最終LOT品。


JR103系ラシ320Fサイドビュー(クハ103-779:メーカー塗装ベンチレーター搭載車)。
※TOMIX製旧製品:最終LOT品。

更新によりクハ103-779,クハ103-790(ラシ320F)も最終LOT品車体へと置き換えられた。
但しモハ103-579以下8両(ラシ320F)はメーカー塗装屋根板装着車と塗装済屋根板装着車が混在する。
更新種車に左右される条件付ながら他編成の改修と並行して最終LOT屋根板への統一を計画している。
編成見附こそツヌ329Fに近くなるがねずみ色1号塗装済ベンチレーターの採用には至らないだろう。
ちなみにModelTrainPlus製LEDライト基板はその後も装着を試みたものの打開出来なかった。
構造都合により車体と床板が嵌合させられなくなるとは予想しておらず見事な失敗となった。
遮光ブロックの形状を改めない限りクハ103形旧製品への取り付けは難しいと思われる。
満額回答とは行かなかったがツヌ329Fの外観向上策は終点に辿り着いたと言えるだろう。

国鉄103系津田沼電車区312F [Tc817] 朱色1号編成 前期仕様 (クハ103-817,824 車体更新)

2019-06-11 21:37:08 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
復活。

KATO製国鉄103系クハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-1:Tc817)の車体更新を終えた。
2015年1月に旧ツヌ316F-1(Tc105)から異動したモハ103-754以下8両は状態が良かった。
なお塗装変更車のクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-2:Tc817)は改修対象外であり再出場となっている。




国鉄103系ツヌ312F 朱色1号編成 前期仕様(1981/9)。
[ツヌ312F-1]:Tc817-M754-M'2011-T497-M755-M'2012-T498-M756-M'2013-Tc824
クハ103-817,クハ103-824 車体更新。

ツヌ312Fは1981年9月に豊田区から津田沼区へ転属した朱色1号編成だった。
1982年4月からツヌ312Fは黄色5号への塗装変更が開始され同月中に施工を終えた。
その後1985年4月現在では転入当時の組成を維持していたが1986年4月以降組成変更が相次ぐ。
クハ103-817,クハ103-824はツヌ311Fに異動しクハ103-801,クハ103-808(旧ツヌ310F)が先頭に立った。
同時にサハ103-498もツヌ322F(Tc69)へ組み替えられサハ103-489(旧ツヌ310F)に変更される。
早くも1986年11月(ラシ312F)にはサハ103-489とサハ103-497が入れ換えられた。
◆ツヌ312F:Tc801-M754-M'2011-T497-M755-M'2012-T489-M756-M'2013-Tc808(1986/4)。
◆ラシ312F:Tc801-M754-M'2011-T489-M755-M'2012-T497-M756-M'2013-Tc808(1986/11)。
少なくとも1987年4月のJR移行後から1990年10月の間に目立った異動は無かったと思われる。
ところが1990年10月にラシ307F(Tc805)とラシ314F(Tc819)が習志野区構内で接触事故を起こした。
使用不能に陥ったラシ307Fの復旧にはサハ103-497が起用される。
この間サハ103-489も編成を離れサハ103-772(ラシ310F:Tc803)を置き換えた。
代わりに組み込まれたサハ103形はラシ307Fを構成していたサハ103-753,サハ103-754であった。
◆ラシ312F:Tc801-M754-M'2011-T753-M755-M'2012-T754-M756-M'2013-Tc808(1991/10)。
モハ102形2000番台とサハ103形750番代が連なる珍妙な編成は1994年4月までに解消されていた。
サハ103形は他区転入車で賄われサハ103-208(←浦和区),サハ103-338(←中原区)がラシ312Fの一員となる。
編成番号再編によりラシ312Fはラシ308Fへ繰り上がったが組成変更は行われなかった。
E231系0番代の配置が進み1979年度に製造された車両は徐々に姿を消す。
ラシ308Fは1980年度落成車を中心としたが世代交代の波には逆らえず2000年12月を以て編成が解除されている。
ラシ308F:Tc801-M754-M'2011-[T208]-M755-M'2012-T338-M756-M'2013-Tc808(2000/7)。


旧ツヌ312F。

現在のツヌ312F-1(Tc817)が出場する前には旧ツヌ312F(Tc315)が在籍していた。
当時はKATO製旧ツヌ313F(Tc143)の10両編成化で余剰となったクハ103-315,クハ103-316(元Tc315)を先頭車両に起用した。
中間車両はモハ103-367以下8両(旧ツヌ313F)及びモハ103-385以下8両(旧ツヌ315F:Tc243)を都度組み合わせている。
クハ103-315,クハ103-316(旧ツヌ312F)は高運転台ATC準備車であり実車と異なるイメージ編成だった。
これが仇となりクハ103-773,クハ103-786(旧ツヌ336F:Tc773)の種車に引き当てられた。
ツヌ312Fは2014年2月を以て一旦消滅したが2014年5月には復活を果たす。
KATO製クハ103-828,クハ103-828高運転台非ATC車(黄色5号:中古製品)を種車にクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F:Tc817)を竣工させた。
引き続き中間車両を旧ツヌ313F,旧ツヌ315Fに頼る組成方式が踏襲される。
その後旧ツヌ313Fはツヌ315F-1(Tc69)に改装されたため旧ツヌ315F(→旧ツヌ315F-2)との12両体制へ変更となった。


ツヌ315F-1。

旧ツヌ315F-2は大阪環状線仕様(Tc243)が種車でありクハ103-817,クハ103-824のAssyベンチレーター換装が行われる。
10両編成化は旧ツヌ316F-1(Tc105)とツヌ316F-2(Tc105)を12両体制へ改めた余波だった。
未改番のまま異動したKATO製モハ103-367以下8両は何故かクハ103-817,クハ103-824に倣いAssyベンチレーター化される。
2015年1月にモハ103-754以下8両への改番を経てツヌ312Fは正式出場を迎えた。
後の車両異動でクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-2)が加わりツヌ312F(M754)は12両体制となった。
ツヌ312F-2は前面用大形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーに貼り替えられた朱色1号編成後期仕様がプロトタイプである。
朱色1号編成前期仕様だったツヌ312Fは編成管理番号をツヌ312F-1へ改め現在に至っていた。


ツヌ312F-2。

塗装変更車のクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-1)は車体更新が難しいと考えていた。
ところが事態は急転しクハ103-828高運転台非ATC車(朱色1号)の車体へ置き換えられた。
これにより旧ツヌ312F(Tc315)以来約5年4箇月振りにメーカー塗装車体で揃う編成へと戻っている。
現行LOTベンチレーターの保管品数は大幅に減少しておりAssyベンチレーター搭載編成が維持された。
Assyベンチレーターは旧ツヌ312Fと雰囲気を異にする大きな要素になったと思う。
行先表示類は部品流用も絡み更新前の[59C 御茶ノ水]を踏襲している。
[御茶ノ水]表示編成は103系津田沼区仕様,習志野区仕様共に設定数が少なかった。
よって恒例行事になりつつあった廃止編成の設定復活は見送られている。


ツヌ314F-1,ツヌ312F-1。

豊田区からの前期転属編成はツヌ312F-1,ツヌ312F-2,ツヌ313F(Tc143:TOMIX製High-Grade製品),ツヌ314F-1(Tc213)の4本が在籍している。
ツヌ313Fだけは朱色1号混色編成だがツヌ312F-2を除き前面には小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーを貼附した。
行先表示はツヌ313F:[三鷹]幕,ツヌ314F-1:[千葉]幕に分配しておりツヌ312F-1を[御茶ノ水]幕から変更する名目が見当たらなかった。
総勢14本16組成に及ぶ朱色1号編成,朱色1号混色編成で唯一の[御茶ノ水]表示は今後も維持されると思う。
車体更新に当たり前面用を含め[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーは全てが再用となった。
今のところ劣化の気配は感じられずクハ103-214(ツヌ314F-1)と同等に見える。
[59C],[御茶ノ水]幕も同様で改めてエーワン製ラベルの耐久性が確認された。




ツヌ312F-1サイドビュー(クハ103-817:車体更新車)。


ツヌ312F-2サイドビュー(クハ103-817:塗装変更車)。

車体更新と同時にクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-1)は[関スイ]電略標記車となった。
モハ103-754以下8両も[西トタ]電略標記車のまま存置され[千ツヌ]電略標記への統一には手を着けていない。
103系ではTOMIX製High-Grade製品ですら電略標記未再現車が多数を占めており施工対象には入らなかった。
塗装被膜状態はクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-1)よりもクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-2)の悪さが際立っていた。
しかし前面用小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー貼附編成を優先した結果ツヌ312F-1が更新対象に決定している。
応急対策として旧クハ103-817,旧クハ103-824(元ツヌ312F-1)をクハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-2)へ転用する計画が浮上した。
残念ながら作業中の失策でこの計画は頓挫してしまい旧クハ103-817,旧クハ103-824も廃車された。
ツヌ312F-1の車体更新施工は奇跡的と言えツヌ312F-2を更新入場させる機会が巡って来るかは運次第になるだろう。

JR103系習志野電車区333F [Tc773] (行先表示類変更,車体改修,サハ103-180,198 車両更新)

2019-06-04 21:58:11 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
途上。

2社混結編成への改変が主工程だったJR103系ラシ333F(Tc773)は改修まで進められた。
先ずグリーンマックス製サハ103-180,サハ103-198の竣工によりKATO製一般形が離脱している。
種車の手配が付かなかったクハ103-773,クハ103-786も更新準備施工が行われた。




JR103系ラシ333F (1993/10)。
ラシ333F:Tc773-M416-M'572-[T180]-M417-M'573-[T198]-[M156]-[M'289]-Tc786
◆行先表示類変更,前面窓縦桟銀色化,車体改修,サハ103-180,サハ103-198 車両更新,ラシ333F-1 廃止。

在籍するKATO製クハ103形高運転台ATC車はクハ103-281,クハ103-282高運転台ATC準備車(黄緑6号)の塗装変更車が多い。
その中でクハ103-773,クハ103-786はクハ103-315,元クハ103-316(旧ツヌ312F)を塗装変更した珍しい存在だった。
塗装変更に用いたグリーンマックス製黄色5号スプレーは黄色1号に近く当初から見栄えが悪かった。
2014年8月の再塗装入場で黄色5号へ修正されたが上塗りとした関係で見附は更に悪化している。
仕上がりは所有編成でも屈指の醜態を誇り2017年1月に車体振替が行われた。
種車には車体更新で措置保留となった旧クハ103-295,旧クハ103-296(元ラシ334F:Tc295)が起用される。
旧クハ103-295,旧クハ103-296もクハ103-281,クハ103-282(黄緑6号)を種車とする塗装変更車だった。
塗装被膜には斑がありクハ103-773,クハ103-786とも黄色マッキーでの簡易補修を施した。
冴えない塗装変更車体から塗装変更車体への振替えではあったが底辺からの脱出は図れたと思う。


ラシ334F,ラシ333F (現行LOT前面窓セル装着車,前面窓縦桟銀色化試作車)。

但し前面窓セルは灰色印刷再現ワイパーを持つ旧LOT品が流用された。
現行LOT前面窓セルはワイパーが銀色再現に変更されておりラシ333Fとの差異になっていた。
少しでも現行LOT前面窓セルに近付けるためクハ103-786ではワイパーの銀色化を試行した。
しかし油性メタリックマーカー式では殆ど効果が無く即除去されている。
代わりに前面窓縦桟の銀色化へ踏み出したもののこちらも失敗に終わった。
今後KATO製クハ103形高運転台車のワイパー,前面窓縦桟には小細工を一切行わない方針である。
更にクハ103-773,クハ103-786も車体更新時にクハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)が装着する旧LOT前面窓セルへ戻す。


旧ラシ335F-2。

現在103系習志野区仕様では行先設定の偏りが激しくなっていた。
[中野]幕表示編成は[三鷹]幕表示編成に次ぐ7編成に増加しておりラシ333Fで調整を行っている。
行先表示類変更は廃車されたKATO製旧クハ103-461,旧クハ103-726(元ラシ335F-2:M213)に頼った。
元々[西船橋]幕表示編成は少数派だったがラシ335F-2の改修によりラシ323F-1(Tc71)のみとなった。
そのラシ323F-1もクハ103-71の老朽化が激しく組成休止を余儀なくされる。
旧クハ103-461,旧クハ103-726に貼付した自作ステッカーはまだ劣化の兆しが伺えなかった。
従って前照灯用プリズムの交換だけで[西船橋]幕表示編成を再登場されられる。
だが奇遇にも捻出した前照灯用プリズムはクハ103-315,クハ103-316(朱色1号)用であった。
前照灯用プリズム天面に残る湯口痕は運転台側屋根板を押し上げる要因になりかねず平滑化した上で取り付けている。
TOMIX製旧製品ラシ320F(Tc779),ラシ335F-2に続きラシ333Fでも一旦消滅した行先設定が復活した。


サハ103-198(新旧LOT品TR62非動力台車装着車)。
※車両更新車。

ラシ333F-1はグリーンマックス製モハ103-156+モハ102-289とKATO製モハ103-417+モハ102-573を都度入れ替え組成していた。
[71C 西船橋]表示への変更で推進比率が高まる危険性はサハ103-198の竣工時に廃止が確定しており回避されている。
サハ103-198(7号車)はモハ102-573(6号車)とモハ103-156(8号車)に挟まれる。
床板にKATO製サハ103形量産冷房車用を起用した事でLOTの異なるTR62非動力台車が取付可能になった。
KATOカプラーBタイプ付TR62非動力台車とグリーンマックス製DT33非動力台車は連結器高に差が生じる。
走行性能安定化を狙いサハ103-198の2エンド側にはカプラーポケット付TR62非動力台車が充てられた。
せっかくの特殊仕様もラシ333F-1では全く用を成さず東行変更を前に消滅となった。


モハ102-572(車体改修施工車)。
※ベンチレーター無塗装車。

簡易式改番車だったモハ103-416+モハ102-572,モハ103-417+モハ102-573では全桁改番への変更も改修工程に含まれた。
全桁改番はモハ103-417+モハ102-573が竣工して間もなく開始されており時期に恵まれなかったと言える。
ペイントリムーバーで消去した車両番号印刷跡は標記周囲に黒ずみを招く場合が多かった。
簡易式改番廃止試行編成のラシ336F(ラシ336F-2:T346,ラシ336F-3:T269)では塗装被膜改善に腐心している。
4両の状態はまちまちだったが全車ともラプロス式改番車同等にまで持ち込めた。
しかし作業時間が延びる傾向に変わりはなく簡易式改番車の全廃は遠いと思う。
また現行LOT屋根板が取り付けられていたモハ102-572,モハ102-573は保管品の旧LOT屋根板へ交換した。
キハ35形900番代用Assyベンチレーターも移設されラシ333F独自の存在感を保持している。


サハ103-180(金属ワッシャー式・プラ板式併用車体高嵩上施工車)。
※車両更新車。

グリーンマックス製塗装済サハ103形は3次車となるサハ103-180の竣工を迎えた。
投入時期が近いためサハ103-198(2次車)との成形色温度差は感じられない。
KATO製サハ103形量産冷房車用床板の採用は1~3次車共通だが何故か両車揃ってプラ板式車体高嵩上が上手く機能しなかった。
苦肉の策でサハ103-198にはプラ板式と床板湾曲式を併用して乗り切った。
ところがサハ103-180はプラ板式・床板湾曲式併用車体高嵩上も通じない苦境に立たされる。
この難局はグリーンマックス製103系KATO製床板装着車に採り入れた金属ワッシャー式車体高嵩上で切り抜けている。
金属ワッシャーの挿入はかなり苦しさがあるもののプラ板式との併用により車体沈下から脱せた。
退路の無い作業が絡むため正式採用へ踏み切るべきか判断に悩んでいる。
ただ金属ワッシャー式・プラ板式併用車体高嵩上はKATO製床板装着車の切り札になるかもしれない。




ラシ333Fサイドビュー(クハ103-773:側面窓セル窓サッシ印刷補修施工車)。


ラシ325Fサイドビュー(クハ103-461:塗装変更車)。

ラシ323F-1の入場以降から全車改修完了まで達した編成はラシ305F-2(Tc260),ラシ320F,ラシ335F-2の3本に留まる。
更新種車の不足によりラシ326F-1(Tc291),ラシ331F-2(M672),ラシ336F(Tc433),ミツ6F(Tc93)は途中で作業が中断された。
更にラシ333Fまでが加わり各編成の改修進捗状況がばらばらになってきた。
改修対象のうちクハ103-272(黄色5号)の回着を待つ編成は5本に及んでいる。
前途のラシ333F,ラシ336F(Tc433)以外にラシ305F-2(Tc780),ラシ325F(Tc461),ラシ331F-1(MM'7)と錚々たる顔触れが並ぶ。
組成休止が長引くラシ305F-2を車体更新の一番手とする計画だったが中途半端な改修進行で怪しくなった。
クハ103-710(車両更新工事施工車)を含むラシ325Fは以前から優先度が高かった。
TOMIX製旧製品クハ103-741,クハ103-754の異動に繋がるラシ331F-1への投入も効果的と言える。
更新準備まで終えたラシ333Fを筆頭候補に据えても申し分なく今一度更新順位の整理を行いたい。

国鉄103系習志野電車区326F [Tc291] 黄緑6号混色:YG-Y-YG編成 (第一次初期LOT仕様化) ※TOMIX製旧製品

2019-05-13 21:32:02 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
逸脱。

連結面側TR62非動力台車交換を終えTOMIX製国鉄103系旧製品ラシ326F-1(Tc291旧ツヌ326F)が出場した。
10両編成化は考えておらずクハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)の竣工で作業は終了となった。
ただ出場直前で中間車両が実車に合致しないと判明しツヌ326Fからラシ326Fへプロトタイプを改めている。




国鉄103系ラシ326F 黄緑6号混色編成(1987/3)。
ラシ326F-1:Tc291(-M681-M'837-T456-M682-M'838-T457-M683-M'839-)Tc292
※TOMIX製旧製品。
◆編成番号変更,濃色成形窓セル化,連結面側TR62非動力台車枠交換。

朱色1号車両の消滅により津田沼区から[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー貼付車は見納めとなった。
ところが1986年1月に池部区から転入したクハ103-291,クハ103-292(ツヌ327F)にて復活を果たす。
続いて1986年2月:クハ103-289,クハ103-290(ツヌ314F),1986年3月:クハ103-763,クハ103-780(ツヌ306F)が加わった。
何れもクハ103形低運転台初期形冷房改造車の組成変更と連動し黄緑6号混色編成で出場している。
津田沼区で黄緑6号を纏う車両は101系以来となるが103系では初登場だった。
◆ツヌ306F:Tc763-M707-M'863-T468-M708-M'864-T469-M709-M'865-Tc780(1986/4)。
◆ツヌ314F:Tc289-M678-M'834-T454-M679-M'835-T455-M680-M'836-Tc290(1986/4)。
◆ツヌ327F:Tc291-M675-M'831-T450-M676-M'832-T451-M677-M'833-Tc292(1986/4)。
全編成とも1981年12月から使用され続けた[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが貼付される。
見慣れた感のあった[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーだが黄緑6号車両では殊更新鮮に映った。
突如登場した黄緑6号混色編成の背景には国鉄末期の財政事情が深く関係した。
検査入場を伴わない場合は塗装変更が見送られ前所属区時代のまま新所属区へ転属となる。
遅れて編成単位で転入したツヌ328F(Tc483),ツヌ329F(Tc485),ツヌ330F(Tc309)とは対照的だった。
なおツヌ314F(Tc289)はATS-BS併設とされ京葉線予備編成を兼ねた。
代走直前には[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが剥がされた状態で運用に当たった珍しい時期が存在する。
1986年は編成番号,組成変更が度重なりツヌ314F,ツヌ327F(Tc291)もその波に巻き込まれた。
京葉線代走運用から復帰したツヌ314Fはモハ103-678以下8両と組んだままラシ302Fへ繰り上がる。
またツヌ327Fはモハユニットがモハ103-668以下6両へ振り替えられた後に再度組成変更が実施されラシ326Fへと変わった。
◆ラシ302F:Tc289-M678-M'834-T454-M679-M'835-T455-M680-M'836-Tc290(1986/11)。
◆ラシ327F:Tc291-M668-M'824-T450-M669-M'825-T451-M670-M'826-Tc292(1986/11)。
◆ラシ326F:Tc291-M681-M'837-T456-M682-M'838-T457-M683-M'839-Tc292(1987/3)。
唯一ツヌ306F(Tc763)だけは転入当時のままJR移行(ラシ306F)を迎えている。
1987年4月以降は混色編成編成解消の方針が決定し津田沼区の黄緑6号混色編成も消滅へと向かう。
黄色5号への塗装変更は全車幕張電車区で施工され徐々に数を減らし1987年6月を以て姿を消した。
最後まで黄緑6号混色編成で残ったのはクハ103-291,クハ103-292が先頭に立つラシ326Fであった。


ラシ326F-2。

所有する103系は国鉄時代:津田沼区仕様,JR時代:習志野区仕様を大原則にしていた。
旧ラシ326F(Tc291)に続いて初期LOT仕様化へ踏み切ったツヌ326Fだったがプロトタイプの齟齬が発覚した。
TOMIX製103系旧製品は在籍数が限られる上に塗装変更車廃止を急務とする。
車両更新,車体更新予定車を差し置いてモハ103-675以下8両(ツヌ326F)を増備するには時期尚早と言えた。
結局クハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)はモハ103-681以下8両(旧ラシ326F)と組むしかなくなる。
津田沼区仕様への拘りはTOMIX製High-Grade製品ツヌ323F-2(Tc71)を屋根板交換に踏み切らせた程である。
しかし旧ツヌ326Fはクハ103-291,クハ103-292(旧ラシ326F)の保全計画頓挫が出場契機だった。
現在津田沼区仕様黄緑6号混色編成はKATO製ツヌ302F-2(Tc289),TOMIX製High-Grade製品ツヌ306F-2(Tc763)も在籍する。
組成名目の弱さも重なり1986年3月の習志野区仕様を選択しプロトタイプ合致を死守した。
編成管理番号は旧ラシ326F(Tc291)をラシ326F-2へ改めた上でラシ326F-1に割り当てた。


クハ103-292(ラシ326F-1:濃色成形窓セル交換施工車)。
※TOMIX製旧製品:最終LOT品。


JR103系クハ103-292(ラシ326F-2:濃色成形側面窓セル装着車)。
※TOMIX製旧製品:初期LOT品。

2015年2月に初出場を飾った旧ツヌ326Fは当時から旧ラシ326Fとの12両体制とされた。
種車都合によりクハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)はモハ103-681以下8両と異なる最終LOT品であった。
一方旧ラシ326Fは塗装変更車を軸としながらもクハ103-291,クハ103-292を含め初期LOT品で固められる。
そのため長期に渡り透明成形窓セル車と濃色成形窓セル車が混結していた。
濃色成形窓セル化は更新種車として投入したTOMIX製旧製品クハ103-461,クハ103-726(ラシ335F)が中期LOT品だった事に拠る。
グリーンマックス製103系が7両に達するラシ335F-2(M213)は編成見附を考慮し透明成形窓セル車で統一を図った。
クハ103-461,クハ103-726(ラシ335F-2)はクハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)との振替えで透明成形窓セルに入れ替えられる。
不可抗力ではあったがクハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)の濃色成形窓セル車化は福音とも言えた。


モハ103-682(ラシ326F-2:初期LOT品仕様改装車)。
※TOMIX製旧製品:中期LOT品。

改修方向が定まっていなかった旧ラシ326Fだがモハ103-682の車体更新を皮切りに初期LOT品仕様化へと梶が切られる。
サハ103-456(旧ラシ326F)と共に中期LOT車体へ種車のTR62非動力台車が流用され更新を終えた。
ここで旧ラシ326Fの改修は中断となりクハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)が入場対象となる。
旧ラシ326Fとモハ103-681以下8両を共有する旧ツヌ326Fも初期LOT品仕様化が決定した。
濃色成形窓セル化まで進んでいたクハ103-291,クハ103-292(旧ツヌ326F)だが最終LOT品TR62非動力台車が残されていた。
リブ有カプラーポケット付TR62非動力台車を起因とする連結面間隔差異解消が今入場での主工程となった。


モハ102-839+クハ103-292 (初期LOT品DT33非動力台車装着車+初期LOT品TR62非動力台車装着車)。

TOMIX製旧製品は非動力車,動力ユニット搭載車に関わらずカプラーポケット内部の成形がLOT毎で異なる。
リブ有カプラーポケットの採用はTNカプラー対応化が図られた最終LOT品からだと思われる。
連結面間隔均等化には初期LOT~中期LOT品TR62非動力台車を所要とした。
車両更新,車体更新,廃車発生によりリブ無カプラーポケット付TR62非動力台車の確保は確実だった。
TR62非動力台車枠は各々クハ103-291:中期LOT品,クハ103-292:初期LOT品が充当される。
中実軸車輪及び台形台車集電板の組み込みに支障なかったもののKATOカプラーは滑りが極端に悪かった。
連結器突き出し長が安定せず反力増強対策としてグリーンマックス製カプラースプリングへ交換している。


クハ103-291 [71C 千葉]:最終LOT台枠,KATO製配管付TNカプラーSP装着車。

ラシ326F-1の運転台側カプラーには旧ツヌ329F(Tc485)より捻出されたKATO製配管付TNカプラーSPが取り付けてある。
最終的には初期LOT~中期LOT台枠へ振替えクハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-2)同様のジャンパ連結器付ダミーカプラー化を施す。
今入場ではKATO製配管付TNカプラーSPの転用先が見当たらず台枠振替は行われていない。
初期LOT品仕様化にはライト基板も含まれており今後の更新及び増備実施時での交換を予定している。
現状は前面窓セルのみが濃色成形品に改められた独特の前面見附となった。
なお白濁対策施工から漏れていたKATO製配管付TNカプラーSPは別途乾式清掃を施した。


ツヌ306F。


ツヌ302F-2,ラシ326F-1。

独自のKATO製配管付TNカプラーSPはKATO製クハ103形用ダミーカプラー(発生品)を接合したものである。
ATS-B形車上子より内側を切除しTNカプラーSPフレーム両脇へ接着固定しただけの構造を持つ。
そのためKATO製クハ103形用ダミーカプラーとは連結器部以外の共通項が多い。
KATO製クハ103-289,クハ103-290(ツヌ302F-2)はクハ103-281,クハ103-282(黄緑6号:ATC準備車)を種車に竣工させた。
主な変更点はKATO製A形防護無線アンテナ取付と[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー貼付だけで製品原形に近い。
車体寸法や前面印象把握等異なる箇所は多いものの下廻り雰囲気には統一感があると思う。
ツヌ306FはTOMIX製High-Grade製品だけに別格だがラシ326F-1も将来の初期LOT仕様化が控え三者三様になるだろう。




ラシ326F-1サイドビュー(クハ103-291:濃色成形側面窓セル,KATO製配管付TNカプラーSP装着車)。
※TOMIX製旧製品。


ツヌ302F-2サイドビュー(クハ103-289:クハ103-281 ATC準備車改装車)。
※KATO製。

モハ103-681以下8両の初期LOT仕様化では側扉窓灰Hゴム支持再現も行わない。
極力クハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-2:動態保存車)の側面見附に近付けるべく未施工とした。
よってクハ103-291,クハ103-292(ラシ326F-1)もこれに従い製品仕様のまま竣工となった。
まだ最終LOT台枠が継続採用されており初期LOT仕様化は第一次施工と言える。
ラシ326F-1の初期LOT仕様化は初期LOT~中期LOT台枠への交換で完成系に至る。
TOMIX製クハ103形旧製品更新種車の導入次第では意外に早く第二次初期LOT仕様化が訪れるかもしれない。

JR103系習志野電車区335F [M213] (動力ユニット搭載車変更,クハ103-461,726,サハ103-144,342 車両更新)

2019-04-30 23:43:08 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
増強。

KATO製,グリーンマックス製2社混結で組成していたJR103系ラシ335F-2(M213)の改修が完了した。
車両更新によりKATO製旧クハ103-461,旧クハ103-726,旧サハ103-144,旧サハ103-342(塗装変更車)は廃車されている。
代わりにTOMIX製旧製品が組み込まれTOMIX製旧製品,グリーンマックス製の2社混結編成へと改められた。




JR103系ラシ335F (1992/10)。
[ラシ335F-2]:Tc461-[M212]-[M'367]-T144-M213-M'368-T342-M215-M'370-Tc726
◆車体改修,クハ103-461,クハ103-726,サハ103-144,サハ103-342 車両更新。

旧ラシ335F(M213→ラシ335F-3)は2014年11月に初出場を飾った古参編成である。
グリーンマックス製未塗装103系のリリースにより自力でのモハ103形,モハ102形初期形冷房改造車竣工が可能となった頃だった。
長い津田沼~習志野区103系の歴史で全モハユニットが初期形冷房改造車で揃う編成は1本に限られた。
1992年10月~1994年4月間のラシ335F(Tc461)をプロトタイプに選定しKATO製,グリーンマックス製にて仕立てている。
当初はサハ103-342が車両更新工事を受けた後の1993年10月に設定されていた。
後にサハ103-342(未更新車)が投入されラシ335F-2(T342),ラシ335F-3([T342])の11両体制へ改められる。
しばらく続いた11両体制はサハ103-342(車両更新工事施工車)がサハ103-328(ラシ323F-1:Tc71)へ改番異動し解消となった。
その結果ラシ335F-2は自家塗装車,塗装変更車だけで構成される極端に状態の悪い編成と化してしまった。


モハ103-213(KATO製動力ユニット搭載施工車)。

グリーンマックス製モハ102-368はTOMIX製旧製品モハ102形用動力ユニットを搭載する異端車であった。
TOMIX製旧製品動力ユニットの捻出とグリーンマックス製103系に於ける仕様統一を狙いモハ102-368は電装解除が決定する。
代わりにモハ103-213がKATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニット搭載車となった。
採用したKATO製動力ユニットは不動のジャンク品を再生させたものである。
折しも国鉄103系モハ103-338(ツヌ324F-1:Tc217)よりKATO製動力ユニットの本格整備を開始していた。
またモハ103-341(ツヌ318F:Tc107)の入場から間もなかった事も重なり復活に結び付けられたと思う。
モハ103-368への再生動力ユニット搭載は施工時期に恵まれたと言えよう。


サハ103-144(車両更新車)。

クハ103-461,クハ103-726,サハ103-342はTOMIX製旧製品で置き換える方向に定まる。
グリーンマックス製103系はTOMIX製旧製品組込に備えKATO製103系現行LOTベンチレーターへ換装した。
唯一のKATO製一般形だったサハ103-144はグリーンマックス製サハ103-144への車両更新となった。
床板はクハ103-107(ツヌ318F)の床板振替実施で捻出を図ったKATO製サハ103形量産冷房車用とした。
その出自から2エンド側台枠は座席部品の押さえが効かず2エンド側プラ板式車体高嵩上が採用される。
これは後の再入場で両エンドプラ板式車体高嵩上に踏み切ったモハ102-368へ繋がる施工だったと思う。


モハ103-212(車体改修施工車)。

グリーンマックス製モハ103-212+モハ102-367,モハ103-215+モハ102-370(自家塗装車)は小規模な車体改修で留められた。
初出場以来車体には殆ど何も手が加えられておらず断面の塗料除去を行った。
何れも薄塗りで仕上がった初期竣工車でありこの清掃が側面窓セルの嵌合精度低下を招く。
側面窓セルの固定化はモハ103-368から部品を転用したモハ102-368にて3点止めへと改めていた。
従来からの1点止め妻面窓セルとを併せ車体剛性が高まりグリーンマックス製103系での標準化項目に挙がっている。
なおTR-200床板は1エンド側金属ワッシャー式車体高嵩上が施工済で改修対象には含まれなかった。


サハ103-342(車両更新車)。
※TOMIX製旧製品。

TOMIX製旧製品ラシ335Fが回着しKATO製量産冷房車の車両更新が本格化する。
ジャンク車両が種車となったが第一次整備で起用に差し支えない状態へ復帰させた。
但し全て濃色成形窓セル装着車だったため透明成形窓セルへの交換を行っている。
インクのはみ出しが課題だった側扉窓灰Hゴム支持化はサハ103-342にて一応の解決策を見い出せた。
クハ103-461,クハ103-726(ラシ335F)の入場を前にして弾みをつけられた施工であった。
その他リブ有カプラーポケット付TR62非動力台車とモハ103-215(TR-200床板装着車)の曲線通過性能に不安を抱えていた。
車体との嵌合猶予抑制策を採ったTR-200床板装着車であれば特に不都合は生じないと判明した。
むしろモハ102-368(KATO製床板装着車)との連結面間隔が狭まる意外な結果が出ている。


旧ラシ320F。

クハ103-461,クハ103-726クハ103-779,クハ103-790(ラシ320F)に続くTOMIX製旧製品クハ103形の更新入場となった。
更新工程も似通ったものとなりKATO製A形防護無線アンテナ,前照灯・表示器用プリズムは廃車発生品を再用している。
その関係から旧ラシ320Fで設定されていた[09C 千葉]表示が復活した。
少数派の[西船橋]表示は消滅が惜しまれたがTOMIX製旧製品クハ103形組込編成そのものが増備,更新過程にある。
現在習志野区仕様TOMIX製旧製品黄色5号編成はラシ308F(Tc807):[三鷹]表示,ラシ320F(Tc779):[御茶ノ水]表示に設定している。
一方2社混結編成はラシ322F(Tc733):[千葉]表示,ラシ323F-2(Tc379):[武蔵小金井]表示,ラシ331F-1(MM'7):[中野]表示とした。
但しラシ322F,ラシ323F-2,ラシ331F-1は組成メーカー単純化が絡み異動予定が組まれている。
そのため[千葉]表示編成のラシ322Fをラシ335F-2で代替する手法を採った。


ラシ308F,ラシ335F-1 (排障器未装着編成,排障器装着編成)。


ラシ320F,ラシ335F-2 (最終LOT床板装着編成,中期LOT床板装着編成)。

中期LOT台枠が維持されたクハ103-461,クハ103-726はジャンパ連結器付ダミーカプラーを有する。
そのためKATO製クハ103形用ダミーカプラーへ交換したラシ320Fとは若干趣が異なる前面見附に仕上がった。
初期LOT品で固められたラシ308Fに近い雰囲気だが透明成形前面窓セルはラシ335F-2だけの特徴である。
無骨な排障器はキハ58系用(PZ-900)で代用している限りTOMIX製High-Grade製品には適わない。
ラシ335Fの回着当時から悩まされた車体傾斜は屋根板の歪みが最も作用していると判った。
弛めていた締結ビスを締め直し出場直前まで修正を続けた結果かなり改善されたと思う。


モハ102-368+サハ103-342 (グリーンマックス製+TOMIX製旧製品)。




サハ103-144+モハ103-215 (KATO製床板装着車+KATO製動力ユニット搭載車)。

モハ103-213と全高が揃わなかったモハ102-368はよもやの両側プラ板式車体高嵩上施工へ至った。
依然として微妙な車体高差を残したままで打ち切らざるを得なくなり今後の課題となった。
再入場に併せモハ102-368には室内灯取付台座断面,妻面側の黒色化を行っいる。
車内に突起物が存在しないTOMIX製旧製品,グリーンマックス製TR-200床板装着車との差が気になり始めた直後だった。
そこで一部車両にて採用済だった室内灯取付台座黒色化を施し編成見附向上策とした。
サハ103-144もKATO製床板装着車でありラシ335F-2の出場前に追加施工した。


ラシ335F-1,ラシ335F-2 (TOMIX製High-Grade製品,TOMIX製旧製品)。

TOMIX製High-Grade製品ラシ335F-1(MM’47)はラシ335F-2の前身に当たる編成である。
ラシ335F-1の特徴はモハ103-47+モハ102-47(非冷房車)にありラシ335F-2との競合は無い。
車両更新によりクハ103-461,クハ103-726は新旧TOMIX製品の顔合わせとなった。
設計時差こそ隠せないもののメーカー塗装車同士の並びは新鮮に感じられる。
在籍する習志野区仕様はJR以降直後をプロトタイプに指定した編成が多い。
これまでTOMIX製High-Grade製品,KATO製が主力を占めてきたがTOMIX製旧製品も増強対象に含めたい。




ラシ335F-2サイドビュー(クハ103-461:側扉窓灰Hゴム支持車)。
※TOMIX製旧製品。


ラシ320Fサイドビュー(クハ103-779:側扉窓金属押え面支持車)。
※TOMIX製旧製品。


ラシ308Fサイドビュー(クハ103-807:側扉窓支持再現未加工車)。
※TOMIX製旧製品。

クハ103-461,クハ103-726でも座席部品遮光ブロック押え立ち上がり部の黒色化を踏襲している。
よって当該側扉窓周りは独特の表情となりKATO製旧クハ103-461,旧クハ103-726の雰囲気とは異なる。
また同様の施工を行った側扉窓金属押え面支持車のクハ103-779,クハ103-790(ラシ320F)とも一味違う側面見附になった。
原形を保つクハ103-807,クハ103-807(ラシ308F)に比べ側扉窓支持の存在感は向上したと思える。
今後のTOMIX製旧製品投入時もラシ326F(Tc291:動態保存編成)更新用を除き採用する方向である。
7両がグリーンマックス製103系で構成されるラシ335F-2ではTOMIX製旧製品所要数が3両だけで収まった。
他編成には量産冷房車が組み込まれており異例の車両更新に繋がったと思う。

JR103系習志野電車区305F [Tc260] (サハ103-196,212 車両振替:グリーンマックス製サハ103形組込)

2019-04-16 21:47:10 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
転身。

JR103系ラシ305F-3(Tc260)は長く続いた1社2種混結編成に別れを告げる再出場となった。
KATO製一般形サハ103-196,サハ103-212の車両振替実施により2社混結編成へ改められている。
元サハ103-250(元ラシ327F:Tc433)に転写していた[弱冷房車]ステッカーインレタは狙い通り温存された。


JR103系ラシ305F (2000/6)。
ラシ305F-3:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc260。
◆サハ103-196,サハ103-212 車両振替。

モハ103-707以下6両を基準に設けるとラシ305Fの源流は国鉄103系ツヌ306F(Tc71)まで遡る。
津田沼区に所属した103系はツヌ301F~ツヌ306F,ツヌ307F~ツヌ310F,ツヌ311F~ツヌ327F,ツヌ328F~ツヌ330Fに大別出来る。
このうちツヌ306Fは101系置き換え用103系投入の第一陣に含まれた。
当初クハ103-61,クハ103-48が非冷房車のまま組成される逆キセル編成であった。
一度組成変更を経た後に原編成へ復帰したが1986年3月のクハ103形入れ替えでクハ103-763,クハ103-780が先頭に立った。
◆ツヌ306F:Tc763-M707-M'863-T468-M708-M'864-T469-M709-M'865-Tc780(1986/4)。
財政難に陥った国鉄が検査入場まで塗装変更を行わない姿勢へと変わった後の組成変更は3本の黄緑6号混色編成を生み出した。
この方針はJR移行直後に撤回となりJRマークが転写された黄緑6号混色編成は短期間で姿を消している。
比較的経年の浅い車両で占められたせいか1987年4月から1997年7月現在まで無風状態が続く。
この間の外観変化は1993年頃から開始された側扉窓黒Hゴム支持化が成された程度であった。
1998年4月現在の編成表によるとサハ103-468,サハ103-469が編成から外されサハ103-196,サハ103-212へ置き換えられていた。
サハ103-468,サハ103-469の廃車は1998年10月付であり予備車若しくは保留車扱いだったと思われる。
ラシ305F:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc780(1999/3)。
編成番号再編にてラシ302F(Tc769)が編成を解かれたためラシ306Fはラシ305Fに繰り上がった。
既にE231系0番代の本格投入が開始されておりラシ305Fはこのまま姿を消すと思われた。
ところが2000年4月頃にクハ103-780が何らかの事情で編成から離脱しクハ103-260(元ラシ313F)へ置き換えられる。
前面窓が金属押え面支持化されたクハ103-260はクハ103-231(ラシ311F:Tc231)と並ぶ異端車であった。
一方千葉方先頭車両はクハ103-763から変更されず前後の見附が揃わない珍しい編成となった。
低運転台初期形冷房改造車,非冷房車と高運転台車の組み合わせはラシ337F(Mc69),ミツ6F(Tc93)が同時期に登場している。
また低運転台一次改良形と高運転台車による編成もラシ321F(Tc188)での組成例が存在した。
淘汰間近の習志野区103系でこの様な変則編成が初登場するとは思いもしなかった。
ラシ313F:Tc259-M402-M'558-[T202]-M719-M'875-T472-M409-M'559-Tc260(2000/4)。
なお編成を組めなくなった元ラシ313F(Tc259)はクハ103-259以下9両が予備車とされた。
2000年7月現在ではE231系0番代の勢力が更に拡大し103系は14編成まで減少していた。
この直後にラシ305Fも運用終了となり変則編成は短期間で姿を消している。


旧ラシ305F。

ラシ305F-3(←旧ラシ305F:Tc763)の初出場は2013年12月で所有編成でも古参組に相当する。
在籍車両が少なく当初はTOMIX製旧製品クハ103-763,KATO製クハ103-260だけの竣工に留まった。
組成もモハ103-331以下8両を旧ラシ315F(Tc213)と共有するイメージ編成であった。
個性が強い旧ラシ305Fの10両編成化着手は早く2014年4月より開始されている。
ちょうどプロトタイプ合致作業と重なりKATO製量産冷房車モハ103-707以下6両への改番も並行した。
正規編成を組むにはサハ103-196,サハ103-212の初期形冷房改造車捻出が壁となる。
当時初期形冷房改造車はKATO製一般形を種車に充てるしか術がなかった。
まだ塗装変更車を続けざまに登場させていた時期でありサハ103-196,サハ103-212は今ひとつ冴えない姿で竣工した。


旧ラシ305F-3。

その後メーカーが異なるクハ103-763とモハ103-707の車体高差が気になり始める。
2014年8月にKATO製クハ103-281高運転台ATC準備車(黄緑6号)にてクハ103-763をKATO製に変更した。
クハ103-763の車両更新により一応KATO製での統一を果たせたが塗装変更車が3両含まれた。
そのため編成見附は芳しくなく後々まで車体更新が繰り返される編成と化している。
更新順はクハ103-763が最優先とされサハ103-196,サハ103-212の入場までは考えていなかった。
ところが屋根板交換入場でサハ103-212の車体を破損させてしまい塗装変更車廃止計画が前倒しされる。
各車の入場時期こそずれたがサハ103-196の更新が完了した2018年3月を以てラシ305F-3はメーカー塗装編成に格上げとなった。




サハ103-196(AU712冷房改造車)。

完成系に達したと思われたラシ305F-3だったがグリーンマックス製塗装済サハ103形初期形冷房改造車の試験投入が影響を与える。
ラシ327Fから離脱した元サハ103-250,元サハ103-265は自家塗装車体ながら貴重なグリーンマックス製サハ103形だった。
しかも[弱冷房車]ステッカーインレタは残数が厳しい状況に追い込まれている。
元サハ103-250の現状を活かす手段としてサハ103-196への改番復帰が決定した。
グリーンマックス製103系用屋根板をAU712冷房改造車仕様へ仕立てるには大幅な手間を要する。
当然見映えも望めないためKATO製101系用屋根板の代替起用に至る。
全長の短縮が必要であったがグリーンマックス製AU712冷房機,ランボードは屋根板Rに合致してくれた。




サハ103-196+モハ103-708 (グリーンマックス製+KATO製量産冷房車)。

グリーンマックス製サハ103形AU712冷房改造車は竣工対象から外していた。
文字通り急転直下のAU712冷房改造車化と言え旧サハ103-196では見られなかった齟齬が生じている。
サハ103形AU712冷房改造車は側面行先表示器追設改造を受けない車両が多数存在した。
これに該当するサハ103-196は初期形冷房改造車転用に於ける数少ない弱点となった。
サハ103-196の窓サッシは側面窓セル再現であり編成見附の向上に繋がったと思える。
そのため実車とは異なる側面行先表示器の存在は黙認する方向とした。
なお捻出された旧サハ103-196にも[弱冷房車]ステッカーインレタが転写されている。
よって今後はサハ103-269(ラシ336F-3:Tc433)の更新種車に充当される公算が高くなった。




サハ103-212(AU75冷房改造車)。

一方サハ103-212は製品仕様に近いAU75冷房改造車として竣工した。
屋根板は予備品に廻っていたグリーンマックス製103系用灰色成形品を初使用している。
KATO製AU75B(M)冷房機の取り付けで作業が滞ったものの全体的には上手く纏められたと思う。
自家塗装屋根板ではKATO製103系用現行LOTベンチレーターの挿入に悪戦苦闘した。
ここは灰色成形屋根板の強味が発揮され取り付けには労さず程良い嵌合精度も保てている。
側面窓セルはKATO製量産冷房車用嵌合爪を持つクハ103-107,クハ103-112(ツヌ318F:Tc107)の発生品とした。
その結果サハ103-196,サハ103-212とも2pcs式側面窓セルになった。
1エンド側連結面寄窓部のみが独立した構造により直後の戸袋窓セルは若干浮く傾向が現れる。
最終的に1エンド側戸袋窓付近にもゴム系接着剤を塗布し面一度を確保した。
再用品を繋ぎ合わせた2pcs式側面窓セルであるが製品原形と近似の外観には持ち込めたと思う。


再用品同士が組み合わされた2pcs式側面窓セル(サハ103-196)。


2pcs式側面窓セルの分割部となる1エンド側連結面寄(サハ103-212)。

側扉窓金属押え面支持も変更となり油性メタリックマーカー再現へ変更した。
油性ペイントマーカー式と比べ塗り斑が少なく落ち着いた窓周りに見える。
グリーンマックス製103系はHゴムモールドが窓セル側にあり本格採用へと踏み切った。
これは車体再現のTOMIX製旧製品,KATO製でも再挑戦を検討している。
床板には保管品のKATO製サハ103形量産冷房車用床板が充てられクハ103-763以下8両と仕様を揃えた。
2エンド側床板湾曲式車体高嵩上は施したものの試行段階からの脱出は図れていない。


ラシ305F-3サイドビュー(クハ103-763:車体更新車)。

今入場はサハ103-196,サハ103-212の車両振替に絞った工程とした。
よって簡易改番式が採用されたモハ103-707以下7両の修正には進んでいない。
間もなく改修時期を迎えるがKATO製クハ103-272(黄色5号)の導入が全ての鍵を握る。
現在ラシ305F-2はクハ103-780の車体更新に目処が立っておらず組成を休止している。
ラシ305F(Tc763)は本来11両体制であり全車が出揃った際に改修を行いたい。
取り敢えずグリーンマックス製サハ103形が4両の布陣となった事を一区切りにする。