試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

新京成N800形モハN831[N838F] 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 (表示器用プリズムケース遮光テープ廃止試行)

2019-01-26 22:18:31 | 京成線
英断。

マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)の最終入場車となるモハN831を迎えた。
モハN838(N838F)でのスカート下垂対策は今ひとつ冴えない結果に終わった。
そこでモハN848,モハN841現行色(4次車:N848F)以来疑いを掛け続けてきたライトユニットカバーの嵌合精度改善に目を付けている。


新京成N800形モハN831 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様(N838F)。

モハN838が竣工した後にモハN818京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)との床板振替を試行した。
するとモハN838車体(6thLOT製品)+モハN818用床板(1stLOT製品)でもスカート下垂が発症する。
この切り分けでスカート位置が落ち着かない要因は車体側にあると判明している。
新3000形系列6thLOT製品ではN848Fが先発入場したがこの時からライトユニットカバーの嵌まり具合に手応えを得られなかった。
諸悪の根源はここにあると読みモハN831の第二次整備で各種対策を試行に移す。
行先表示類へのステッカー貼付まではモハN838と同一手順で進行させライトユニットカバーの嵌合対策に時間を割く。


入工中のモハN831。

モハN831もモハN838と同じく表示器用プリズム捻出入場に伴い仮組立で留めていた。
そのためライトユニットカバーは労する事無く撤去できた。
分解も前面窓セル撤去式にて行われており前照灯,表示器用プリズムケースの取り外しまでは順調に進む。
但しモハN831の受信用誘導無線アンテナはぐらつきが見られ今にも抜け落ちそうだった。
誘導無線アンテナは京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)を引き継ぐ焼き潰しの様な固定方式が採用されている。
現状での溶着は難しくクハ3601(3608F)の送信用誘導無線アンテナの修繕例に倣った。


流し込み接着剤で埋め戻した受信用誘導無線アンテナ取付孔。

車体内側からは2脚嵌合式の誘導無線アンテナ取付孔痕がはっきりと判る。
ここへニードルを刺し込み薄いプラスチックの被膜に微細な孔を貫通させた。
取付孔は漏光と縁遠い箇所に思えたが念のため流し込み接着剤で取付脚もろとも溶着している。
よって受信用誘導無線アンテナへ加工した痕跡は殆ど伺えない仕上がりとなった。
参考までに送信用誘導無線アンテナ取付孔は溶着のみであり万が一の脱落に対応出来る。
続いて前照灯,表示器用セルを車体に残したまま行先表示器類の貼付へ取り掛かる。


マッキーでの塗り潰しが廃止された表示器モールド周囲。

N848Fまでは簡易漏光対策施工のため前照灯,表示器用セルを取り外していた。
この措置はモハN841を以て中止となりモハN838から一項目だけ作業が削減されている。
但しステッカーの切り出し失敗等を考慮し固定化は行っていない。
新3000形系列では表貼りを採用し続けており採寸を誤ると前照灯,表示器用セルの撤去に迫られる。
更にステッカー貼付は圧着を要する事から車体内側のセル支持も欠かせない。
よって分解しての行先表示器類整備は今後も続くと思われる。
運行番号,種別・行先表示ステッカーの貼付は早急に終わらせた。


遮光テープが剥がされた前照灯,表示器用プリズムケース。

窓セルを取り付け即ライトユニットカバーの嵌合精度改善に取り掛かった。
京成新3000形3002F中期仕様(1次車:3002F)との大きな違いは表示器用プリズムケースに貼付された遮光テープである。
遮光テープの厚みがライトユニットカバーを頼りない挿入感にさせていると考えていた。
そこで遮光テープを剥がし3002Fと同様の構造へ戻す。
物理的に押し込み代が増大されライトユニットカバーは奥まで嵌められるばずである。
代わりに乗務員室内への漏光対策が新たな課題に挙がった。
この漏光は3002F以前にリリースされた新3000形系列の弱点であり汎用性の利く手法を検討する。


ライトユニットカバー開口部前端天面に貼付したビニールテープ。

表示器用プリズムケースとライトユニットカバーは車体へ組み込むと密着しなくなる。
この隙間を剥がした遮光テープで埋めれれば都合が良かった。
しかし遮光テープは折り込まれた癖が付いている上にライトユニットカバー開口部を塞ぐだけの長さが足りなかった。
そこで別用途で購入した100円ショップの極薄ビニールテープを持ち出した。
ライトユニットカバー天面の肉厚は僅かしかない。
貼付箇所は運転台側に限られるが裁断と粘着力低下が壁となった。
ビニールテープとライトユニットカバーの材質はいまいち相性が良くない模様でなかなか安定しなかった。
最後は圧着で決着させ車体の組み立てに戻る。


短命に終わったスペーサー追設。

ライトユニットカバーは通過標識灯,尾灯用プリズムケースを撤去して挿入した。
手応えは向上した上に車体から脱落もせず嵌合精度が高まったとの感覚を得ている。
別途取り付けた通過標識灯,尾灯用レンズはスリットに収まるクリック感が伴った。
ここで前照灯,表示器用プリズム導光部へ試験照射を行ったところ漏光は全く起きていなかった。
極細に切り出したビニールテープを貼付しただけの簡便な対策ながら効果は抜群だと思われた。
この施工方法は後に単なる偶然だったと判明し更なる対応を求められる事になる。



モハN831 [33F 普通 松戸]:運行番号,種別・行先表示ステッカー貼付施工。


モハN841 [03F 普通 千葉中央]:N848F(スカート位置修正施工車)。

床板一式は歪み等の問題が見られず組み直したのみとなった。
強いて挙げるならば座席部品と台枠の平行を保つよう心掛けビス締めした程度である。
早速車体と嵌合させスカート位置を確認した。
モハN831は回着当時から車体裾とスカートが離れ気味だったが解消に至った。
まだモハN811(N818F)には及ばないもののモハN841と肩を並べたように映る。
やはり表示器用プリズムケースに追加された遮光テープがスカート下垂に繋がっていたらしい。
この結果を受けモハN838で施工したスカート前部へのクッション付テープ貼付は取り止めている。




モハN831 点灯試験[33F 普通 松戸]:前照灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN831 点灯試験[33F 普通 松戸]:尾灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN838 点灯比較[33F 普通 松戸]:N838F(表示器類簡易漏光対策未施工車)。


モハN811 点灯比較[17F 普通 千葉中央]:N818F(表示器類簡易漏光対策施工車)。

点灯試験は先ず乗務員室内の漏光確認から入った。
結果は満足の行くものとなりビニールテープでの漏光対策施工中と同じ答に至っている。
表示器類に採用したステッカーは[33F]:マイクロエース製,[普通 松戸]ジオマトリックス製である。
なお[33F]表示はモハN838で正規寸法に切り出せたステッカーを縮小の上再用している。
組み合わせは変更していないが何故か運行番号表示器が判読可能になった。
また左右で光束が異なっていた前照灯点灯具合も均等化された。
遮光テープの廃止により前照灯,表示器用プリズムケースへの加重が変わったのかもしれない。
モハN838との差異が薄れ全体の雰囲気は向上したと思う。




モハN838 [33F 普通 松戸]:前照灯,表示器用プリズムケース遮光テープ,スカートスペーサー廃止施工。

思い切って遮光方式を変更した策は吉と出た。
副作用は無くスカート位置調整工程の廃止にも繋がっている。
モハN831の竣工後にN838Fでの漏光対策仕様統一のためモハN838を再入場させた。
ところがモハN838は乗務員室内での漏光を引き起こす。
急遽モハN831を分解したところ貼付したビニールテープはあっさりと剥がれ落ちてしまった。
復旧も上手く行かず極細ビニールテープ式は放棄される。
改めて5mm幅に裁断したビニールテープをライトユニットカバー運転台側前端部へ貼り付けた。
上側2mm程だけ張り出させ表示器用プリズムとの境を覆わせる。
これによりビニールテープの安定性と遮光性能が確保された。
作業簡略化も果たし他編成への波及を計画している。

N838Fで第二次整備を行った車両は何かと手間が掛かった。
モハN837の動力ユニット整備は覚悟して臨めた。
しかしモハN838,モハN831は当初の計画と全く異なる方向へ進んでしまった。
最終的には良い着地点を迎えられたと考えている。
新京成形式の現行仕様はN848Fだけの1編成体制でありN838Fの方が幅広い活躍を見込めると思う。

新京成N800形モハN838[N838F] 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 (行先表示類貼付,スカート位置調整試行)

2019-01-25 23:56:46 | 京成線
油断。

M2c車が竣工次第マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)は出場となる。
京成新3000形3010F現行仕様(3次車:3010F-2)の入場に関連しモハN838,モハN831は分解を経た。
双方ともライトユニットカバーは仮組立に留め直ちに整備へ取り掛かれる態勢を採っている。


新京成N800形モハN838 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様(N838F)。

第二次整備の入口に立っているモハN838,モハN831だがN848F現行色(4次車:N848F)と同じくスカート位置が不安定だった。
モハN848,モハN841(N848F)での対策は床板一式を組み直す比較的手の込んだ方法を選択した。
しかし出場後にスカート下垂が再発してしまい根本的解決には至っていない。
1stLOT品から新3000形系列のスカート部品は一貫して台枠による1点支持が採用され続けている。
スカートの支持点を増やせば下垂防止に繋がると考えN838Fで試行へ踏み切る事にした。
入場は現行LOT表示器用プリズムを取り出す際に側面窓セル撤去式で分解を行ったモハN838を先発させる。


入工中のモハN838。

前面窓セル撤去式が採用されなかった理由は単に作業効率の比較
を行うためだけだった。
側面行先表示器部と車体内側嵌合爪の位置関係が厳しいと判りモハN831では前面窓セル撤去式に戻した。
後にモハN838は海側松戸寄側面窓の成形不良が明らかになったため返って都合は良くなっている。
流し込み接着剤で溶着されていた側面窓セルも仮嵌合とし着脱の手間を軽減してある。
側面窓セルの修正を第一工程としたが何れにせよライトユニットカバーは取り外さなければならない。
先ずは前照灯,表示器用プリズムケースを撤去し運行番号,行先表示ステッカー貼付の前段階まで進める。


殆ど溶着されていないに等しい前面窓セル。

前途の通りライトユニットカバーは前回入場当時のまま残されており容易に撤去できた。
モハN838の前面窓セルは車体外側から上端部を押し込むと同時に脱落している。
車体に残る溶着痕は前面窓セル下辺に該当する部分だけにしか見られなかった。
車体への取り付けは従来通りゴム系接着剤に変更し今後の整備性を確保する。
この程度の接着剤痕であれば特別な措置を加えずに復旧が可能であり整形は見送った。
前面窓セルの支持を失った表示器用プリズムケースは自然落下を待つのみで構わない。


下辺の整形を施した側面窓セル(海側)。

海側側面窓セルも確実な嵌合を行っておらず側面行先表示器部への注意は不要だった。
光源角度により一点が煌めく海側松戸寄側面窓はN800形独自の黒色窓枠からかなり浮き立って見える。
当初原因が掴めなかったが側面窓セル単体を仔細に見ると湯口痕の仕上げが非常に雑だと判った。
湯口痕に残るバリのようなものが乱反射を引き起こし側面見附の粗になったと思われる。
本来は凸形だった湯口痕は整形を進めているうちに全て消え失せてしまった。
修正を施した箇所は車体裾側であり車体と側面窓セルの嵌合には影響しない。


[33F],[普通 松戸]:マイクロエース製ステッカー+ジオマトリックス製ステッカー。

海側側面窓セルは修繕が終わり次第直ちに車体へ装着し行先表示類の整備に移った。
種別,行先表示ステッカーはN848Fに先を越されたジオマトリックス製を使用する。
計画では運行番号表示ステッカーもジオマトリックス製を貼付する方向だった。
しかし3色LED表示器編成では運行番号表示のみマイクロエース製ステッカーとする方針を思い出した。
先に出場したN848Fはこの原則から外れてしまったがせっかく貼付したステッカーを剥がすのは憚られる。
新京成形式では唯一の現行仕様であり離合編成もフルカラーLED表示器編成で占められる事から存置が決定した。


組み直し中の床板一式。

一方N838FはN818F京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)とプロトタイプが完全合致する。
外観の整合性を取るため運行番号表示ステッカーはマイクロエース製へ変更した。
なお使用したステッカーはN818F付属品より視認性の高いN848F付属品である。
今回は正確に切り出せたものの種別表示器に収まらない皮肉な結果となった。
再用策は採らず外周を一回り小さくした新たなステッカーが代替に充てられる。
これはスカート位置調整に時間を割くための止むを得ない措置でもあった。


クッション付テープによるスペーサーを追設したスカート。

嵌合に手応えの無いライトユニットカバーはそのままに全く手を加えていない床板を試着した。
正規位置へ届かないスカート位置は折り込み済だったが返って症状が悪化する憂き目に遭う。
噛み合わせが悪いと予想していた座席部品や床板には瑕疵が見られずN848Fでの方式も通用しない。
このままでは回着当時よりも見附が悪化してしまうため車体側に設ける予定だったスカート支持点増加策を再考した。
車体裾内側は複雑な整形が成されている上にスカートとの接触部が限られ支持点を増やせない。
残る手段はスカートへの細工しか無くなりどの様に車体と接触させるか検討に入った。




モハN838 [33F 普通 松戸]:運行番号,種別・行先表示ステッカー貼付,スカート位置修正施工)。


モハN818 [17F 普通 千葉中央]:N818F(富士川車輌工業製種別・行先表示ステッカー貼付車)。

床板を車体へ挿入する際はLEDチップをライトユニットカバーのスリットに合わせる必要がある。
床板を斜めにした方が組み込み易いがスカートは前面車体裾に触れそうな位置まで上昇する。
この動きに着目しスカート部品が車体裾と重なる箇所へクッション付テープを貼り付けた。
圧縮されたクッションが車体内側とスカートを押し付ける役割を担い必要以上の下垂は生じなくなった。
但しモハN818(N818F)のスカート位置には達せず十分な対策とは言えない。
加えてクッションは経年劣化により反発力の低下が明らかで応急的な対処となった。


モハN838 点灯試験[33F 普通 松戸]:前照灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN838 点灯試験[33F 普通 松戸]:尾灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN818 点灯比較[17F 普通 千葉中央]:N818F(表示器類簡易漏光対策施工車)。


モハN848 点灯比較[03F 普通 千葉中央]:N848F(表示器類簡易漏光対策施工車)。

モハN838からは新3000形3010F前期仕様(3次車:3010F-1)以来続けてきた表示器用セルへの簡易漏光対策を取り止めた。
富士川車輌工業製,ジオマトリックス製に関わらずマッキーによる塗り潰しでは完全に漏光を抑えられない。
これ以上の対策は思い浮かばず表示器用セルの着脱も手間に感じており廃止となった。
漏光具合はモハN818,モハN848と大して変わっておらず影響は最小限に留まったと思う。
むしろ製品付属品を用いた運行番号表示ステッカーの判読性が劣る事に目が行く。
印刷状態から現行LOT品の起用へ至ったが透過が著しく[33F]表示は強力発光に負けてしまった。


モハN818京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)。

余りに差が現れたためジオマトリックス製運行番号表示ステッカーへの交換も検討した。
ただスカート下垂対策が不完全な状況で再びライトユニットカバーを外す気にはなれない。
モハN818は入場を繰り返した経歴を持つもののスカート位置に変化が無いまま現在に至っている。
そのため順次追加されたメーカーによる漏光対策に要因があると推測している。
確実な対策方法が得られるまでマイクロエース製[33F]表示の継続使用が確定した。
1stLOT表示器用プリズム化だけはN818Fに近い点灯色温度となり数少ない収穫になっている。


モハN818+モハN838 (N818F+N838F:1stLOT製品+6thLOT製品)。

なおN818FとN838FのM2c車は床下機器配置に違いがあり目立たないながらも差別化が図られている。
この床板は新3000形3051F現行仕様(7次車:3051F)から使用されており新規部品ではない。
基本的な構造に変更は無いはずだが側面車体裾とスカートの角度は明らかに異なる。
車体と平行に近いモハN818のスカートに対しモハ838は連結面側へ向け傾斜が付く。
モハN818との決定的な違いは通過標識灯,尾灯用プリズム導光部に貼付された遮光テープである。
これがスカート位置を狂わせる原因だと思われるが剥離して良いものか判断に苦しむ。




モハN838+モハN837 (N838F:M2c車+M1車)。

今工程で最初に施工した海側松戸寄側面窓セルの修正は見事な成功を収めた。
側面から整形痕が覗かせる事も無く編成見附を乱す要素は解消されている。
スカート位置調整や運行番号表示ステッカーの課題を抱えたままモハN838は竣工となった。
次に入場するモハN831はモハN838よりスカートの下垂が見られ手こずるに違いない。
モハN837の動力ユニット整備がN838Fに於ける山場との考えは少々甘かったらしい。
今一度構造の再確認を行い既存編成へ水平展開が図れる解決方法を見出したい。

新京成N800形モハN837[N838F] 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 (KATOカプラー化,動力ユニット整備施工)

2019-01-24 23:46:15 | 京成線
突破。

マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)は第一次整備で作業が中断された。
同時回着したN848F現行色(4次車:N848F)の整備で数々の問題点が浮き彫りになった。
純正グリスに塗れた動力ユニットの整備にも嫌気が差し一旦間を設けている。


新京成N800形N838F 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様。
N838F:N838-N837-N836-N833-N832-N831。

N848Fの回着整備はマイクロエース製京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)に続いた。
動力台車へ大量に投入された純正グリスはモハ3606(3608F)と同程度でモハN847(N848F)も長丁場の作業となった。
3連続で動力ユニット整備に取り掛かる気力は失せN838FはKATOカプラー化を中心とした第一次整備で打ち切られる。
この間モハN838,モハN831は京成新3000形3010F現行仕様(3次車:3010F-2)へ現行LOT表示器用プリズムを供出している。
1stLOT表示器用プリズム化されたN838FはN818F京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)と類似の点灯色温度となる。
6thLOT品と1stLOT品の差異は新3000形3010F-2,3002F中期仕様(1次車:3002F)と同様に解消の見込みが立った。


入工中のモハN837京成千葉線直通色前期仕様(N838F)。

仕掛状態が続いたN838Fだったがようやく動力ユニットの整備を行う気になった。
モハ3606,モハN847と続けて状態は宜しくなくモハN838も変わらないと考えた。
クリーナープールに浸けても純正グリス除去の進捗が悪かったため工程を見直す。
各部品類は現状のままクリーナーへ投入したが純正グリスの溶解まで達しなかった。
手間は承知の上で予め純正グリスをある程度拭き取った後にクリーナープールへ浸けるよう改める。
対象部品も絞り込みを図りクリーナーの効力が最大限に活かされる環境を目指した。


3002-7並の導電板状態だったモハN837用動力ユニット。

入場前の試験走行ではモハ3606,モハN847と打って変わり力強い駆動を見せる。
起動電流は低く低速域の制御も自在でありモーター周りへの注油見送りが決定した。
但し動力ユニットの状態そのものには全く期待を寄せおらず基本工程に変更は無い。
早速モハN837を分解しユニットカバーを撤去するとこれまでとは異なる展開が待っていた。
ユニットカバー裏面への油脂流出が一切無く煌めいたプラスチックは見られない。
この状況は3002-7(3002F)に酷似しておりN847とは違う何かが感じられた。


クリーナーでの仕上げを廃止した導電板研磨工程。

導電板も極一部に酸化が見られたものの全体的には思いの外状態が良かった。
油脂を拭き上げる必要が無く直接ラプロス#4000での研磨に取り掛かった。
従来は施工前後のクリーナー使用が欠かせなかったがモハN837では仕上げにも用いていない。
磨き粉除去には有効なクリーナーだが技量不足から拭き上げ斑を防げず定期点検時の再研磨に直結していた。
回着整備簡略化の狙いもあり思い切って拭き上げ工程自体を廃止している。
これはユニットカバーに油脂付着が無かった付帯効果に過ぎず臨機応変に対処する。


長期戦を覚悟したFS-564S動力台車(千葉中央寄)。

走行試験時の好結果からモーター周りは目視点検で済ませる予定であった。
ところがモーターストッパーを引き抜いたところモーター軸表面は油脂により波打って見える。
クリーナーを浸した極細綿棒で清掃し固形化が引き起こす摺動抵抗増大を防いでいる。
いよいよ2連続で手こずった動力台車の純正グリス除去工程へと突入する。
FS-564S動力台車を取り外した瞬間に大量の白濁物質が目に入りげんなりした。
モーターカバーへの油脂付着が生じなかったのは単なる偶然だったらしい。


手作業での清掃となったスパイラルギア周り(松戸寄)。

過剰な純正グリス投与は千葉中央寄,松戸寄同様でモハN847の竣工から間を設けた手段が当たったと思われた。
しかし構成部品毎の切り分けを進めていくうち少しずつ違いが露わになる。
先ずスパイラルギア周りはクリーナープールを使用せずとも脱脂が可能だと判明した。
ギアボックス内の純正グリスとは余り接触していなかった模様でスパイラルギアは極細綿棒だけで状態が改善された。
最後はクリーナーを浸したクロスでギア谷を再清掃した後に歯ブラシにて仕上げている。
スパイラルギアカバーも同様の手順で進められ予想より早く作業を終えてしまった。


クリーナープール行を免れた動軸ギア(千葉中央寄)。

続けて純正グリスを抱えたFS-564S動力台車を分解し各部品の状態を確認する。
取り外した直後のギアボックスからロアフレームまで純正グリスが到達していると予想した。
諦め半分でロアフレームを分離したところ殆どがプラスチック地のまま保たれていた。
これには動軸ギアの大半も含まれ動軸ギア用クリーナープールの出番は無くなっている。
問題無い外観に見えたが念のためロアフレームと台車集電板はクロスで拭き上げた。
動軸ギアは爪楊枝でギア谷に残る純正グリスを掻き出した以外スパイラルギアの清掃に倣った。


ギアボックス上部で踏み留まる純正グリス(松戸寄)。

ロアフレーム周りの進捗状況は優秀と言え作業開始から約40分程度しか経過していない。
しかしギアボックスを埋め尽くす純正グリスは除去に時間を要するはずでここから仕切り直す。
その大きさからギアボックスはクリーナープールに浸けられず地道に作業を進める。
ところがギア類を撤去したところ純正グリスはギアボックス内部に行き渡っていなかった。
無用な油脂の広がりを防ぐためゴム系接着剤除去用爪楊枝を用い上部へ向け純正グリスを押し出す。
千葉中央寄,松戸寄双方ともこれだけで脱脂は工程の半分を越えた状況に等しくなった。


脱脂が完了したFS-564S動力台車(千葉中央寄)。

クリーナーでギアボックス全体を仕上げ最後に残った部品はギア類となった。
純正グリス塗れだったのは主ギア用センターピンのみでその他は動軸ギアと同等だった。
センターピンの清掃はクリーナープールを持ち出すまでもなくクロスで仕上げられる。
各ギアも手作業で進められる範囲にあり特に難航する場面を迎えないまま組み立てへ入った。
残るはKATOカプラーへの交換だけとなり順調にFS-564S動力台車の整備を終えた。
構えて作業へ取り掛かった上に初見で騙された分安堵と拍子抜けが同居する妙な感覚に襲われている。


整備を終えたモハN837用動力ユニット。

ギア類には恒例となったタミヤ製グリスを塗布し動力ユニットを組み立てた。
相変わらずユニットカバー中央部の歪みが気になるものの嵌合に支障は無い。
整備後の駆動試験は入場前と同様の挙動を示し今ひとつ手応えが感じられない程である。
同一LOTのモハN847と似たような状態だったが作業内容は全く逆方向に進んでいる。
クリーナープールを起用せずにギア類の清掃が行えたのはギアボックスへの純正グリス塗布方法だろう。
とにかく純正グリスがギアボックス下部へ行き渡らなかった事が味方をしてくれた。


モハN837京成千葉線直通色前期仕様(N838F:動力ユニット整備施工)。

純正グリスの多さに違いは無かったが僅かな差により予定より早くモハN837が竣工した。
但し所要時間は手作業が大半を占めた都合でモハN847と然程変わっていない。
その代わり精神的負荷が軽減され連続入場を回避する考えは浮かばなかった。
近年の入場車はクリーナープールに頼る機会が多くモハN847までは画一的な作業内容となっていた。
今後の整備は構成部品の切り分けを進めた後に脱脂方法を定めるつもりである。
モハN837での工程は回着整備の方向性を改める良い機会になるかもしれない。


モハN838+モハN837 (N838F:非動力車+動力車)。


モハN847+サハN836 (N838F:動力車+非動力車)。

モハN847の整備では導電板研磨失策により車体不等沈下を招いてしまい後の修正を要した。
よってモハN837の研磨工程は台車集電板との接触部に十分な注意を払っている。
その結果編成を組むモハN838,サハN836と車体高が揃わなくなる事態は回避された。
まだモハN838は第二次整備が完了していないため多少の変動が予想される。
一方のサハN836は竣工済であり一応車体不等沈下対策が当たったと思われる。
最大の難敵と言えたモハN837の整備を無事終えられた勢いに乗りN838Fの出場を目指す。

新京成N800形N838F 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 回着 (KATOカプラー化,サハN836 ウエイト整形施工)

2019-01-10 22:36:33 | 京成線
一時休止。

マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)の第一次整備を開始する。
N800形京成千葉線直通色はN818F前期仕様(1次車:N818F)が導入済であり出場を急ぐ必要は無い。
しかし検品すら終えていない状況は好ましくなく第一次整備実施へと踏み切った。


新京成N800形N838F 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様。
N838F:N838-N837-N836-N833-N832-N831。

N838Fの印象はN818Fと殆ど変わらない。
登場時を謳うだけあり[shin-kei-sei]シンボルマーク貼付前がプロトタイプとされた。
主な差異点は京成新3000形の増備へ追随した床下機器配置変更に伺える程度となった。
隙間を突いてくるマイクロエース製品にしては捻りの少ない仕様だと思える。
空間波無線アンテナはN848F現行色(4次車:N848F)と同じく濃緑色成形品から灰色成形品に変わった。
そのため屋根上見附の違和感は薄れている。


入工中のモハN838京成千葉線直通色(N838F)。

検品ではモハN831の屋根上に広がる油脂が気になった。
車体に油脂付着が見られたモハN847(N848F)は動力ユニット搭載車で理由も何となく判る。
ただモハN831はM2c車でありいまいち合点が行かない。
モハN837,モハN832に搭載されるPT-71系パンタグラフは不満の無い動作を見せた。
今まで抱かなかった剛性感は今LOTから金属製に変更された釣合棒の効果だろう。
第一次整備はモハN837を除く5両のKATOカプラー化とダミーカプラー固定に留める予定とした。


前照灯用LEDチップが異なっていたライト基板。

N848FのLED式前照灯再現は前照灯用セルへの着色かと思っていた。
ところがモハN838を分解すると黄色発光の前照灯用LEDチップが取り付けられていた。
ライト基板に記された部品番号から同一品と考えた推測だが誤りだったため訂正する。
先発入場したモハN838はダミーカプラー固定の手順変更を試みた。
台枠への影響を避けるべくスカートを存置したままダミーカプラーを撤去している。
しかしスカートとダミーカプラーの嵌合部が窮屈で作業を行い難くするだけに終わった。




モハN838 [□ □ □]:ダミーカプラー固定施工。

ゴム系接着剤でのダミーカプラー固定方式はN848Fと同様である。
胴受部品と連結器部品は各々でスカートへ固定され下垂は生じなくなった。
連結器部品のみの固定化でも下垂は防げるが胴受との位置関係維持を名目に同時施工している。
ライト基板前端に遮光テープは台枠との隙間へ入り込む事無く貼付されていた。
現在のところ前面車体裾とスカートの間隔に不満は無い。
但し第二次整備ではライトユニットカバーの着脱が待っており調整を要すると思われる。


モハN838 点灯試験[□ □ □]:前照灯。


モハN838 点灯試験[□ □ □]:尾灯。


モハN848 点灯試験[□ □ □]:N848F(製品仕様)。

点灯試験ではN848Fとの違いが明白になった。
前照灯は暖かみのある色合いを持つ。
恐らく京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)と同一ライト基板だと思われる。
ただ行先表示器の強力発光には敵わずステッカー未貼付状態では存在感に欠けると言わざるを得ない。
尾灯点灯時の前照灯漏光も3010F中期仕様(3次車:3010F-1)から改善されておらず何らかの対策をお願いしたい。
なおN838Fは京成千葉線内運用仕様へ充てられるため通過標識灯を点灯させる機会は最初で最後となった。


入工中のモハN831京成千葉線直通色(N838F)。

モハN838でのダミーカプラー固定化不発によりモハN831は分解時にスカートを取り外している。
前記した通り第二次整備でのスカート位置調整は入場前から折り込み済だった。
座席部品と台枠の噛み合わせは見直しに迫られる可能性が高い。
床板一式を分解し各部品の撓みまで矯正を図るためスカート存置は無用の配慮でしかなかった。
やはりスカート単体での胴受部品取り付けは容易い。
スカートへのゴム系接着剤塗布にも有利で回帰は当たりと出た。


カプラー類への細工を終えたモハN831用床板一式。

グリーンマックス製京成3700形のTNカプラーSP化に端を発したKATOカプラー発生品はN848Fで完全転用を終えた。
よってN838F以降は予備品が起用される。
一度に5両分を組み立て以後の入場車に備えた。
このうち1組はモハN837用のため第一次整備では使用しない。
続いて入場したモハN831はモハN838に比べスカートと前面車体裾の空間が広かった。
床板を確認すると座席部品と台枠に隙間が生じている。
そのため第二次整備での大規模修正は不可欠だと思えた。


モハN831 [□ □ □]:ダミーカプラー固定施工。

ところがモハN831はモハN841(N848F)と若干症状が異なった。
モハN841で見られたスカート下垂は台枠湾曲が直接の原因である。
これに対しモハN831のスカートは軽く車体へ押し込むとしばらくその位置で留まる。
時間が経つと共に離れ始める独特の動きを見せた。
現状でも一応定位に収まる瞬間があり全く受け付けなかったモハN841の様な対処は不要かもしれない。
これはライトユニットカバー着脱後に判断する。


モハN831 点灯試験[□ □ □]:前照灯。

N848F,N838Fの漏光対策はメーカー側で注力した箇所が伺える。
各所に遮光テープが追加され妙な部分から光を発さなくなった。
3002Fでは線路方向へ尾灯の赤色が照射されてしまいスカート開口部に蓋を設ける有り様だった。
先に出場したN848Fで改善の兆しが見えたものの個体差の範疇だと考えていた。
しかしモハN838,モハN831の点灯試験で確実に対応が採られたと判明している。
どの箇所が補強されたか掴めれば既存の新3000形系列へ水平展開を図れると思う。


入工中のサハN836京成千葉線直通色(N838F)。

サハN836,サハN833,モハN832の3両はKATOカプラー化だけで竣工させる算段であった。
しかしサハN836を試験線上に載せると松戸寄へ向けた車体の捻れに出会す。
車体傾斜は全く予期しておらず慌てて復旧整備へ取り掛かった。
座席部品及び台枠に不具合は無かったが海側ウエイトの集電スプリング接触部が大きく歪んでいた。
どうしたらこの様になるのか不明だが車体支持を担う箇所が極端な凸形に変形している。
今まで見たことのない形状で整形は慎重に進めた。




サハN836+サハN833 (N838F:KATOカプラー化)。

一度での修正は到底不可能である。
取り敢えずクランパーを松戸寄車端側から凸形の角度が緩むように挟み付ける。
少しずつ京成津田沼寄へ施工箇所をずらし山形へと持ち込む。
その後本棚の下へ挟み込み荷重にて大凡直線状に戻した。
車体傾斜を招かない状態には戻せたもののウエイト最端部の捲れは手を施す術が無かった。
幸い座席部品と台枠の嵌合には支障無い部位だったためこのまま組み立てを行った。




N838F (第一次整備完了)。

とんでもないメーカーエラーに見舞われたがサハN836,サハN833,モハN832京成千葉線直通色(N838F)の竣工まで漕ぎ着けた。
サハN833,モハN832は特に異常は無くKATOカプラーへの交換で作業を終えている。
例によって動力ユニット搭載車であるモハN837はアーノルトカプラーのまま残された。
N838Fの第二次整備は後日へ廻す。
モハN847でFS-564S動力台車の純正グリス除去に悪戦苦闘した直後で手を伸ばす気にはなれない。
検品都合も関係したがN838Fには別の役割がある。
そのための第一次整備と言え早速部品転用に着手する予定である。

新京成N800形モハN841[N848F] 4次車 現行色 (運行番号・行先表示器ステッカー貼付,スカート位置修正施工)

2019-01-08 22:32:22 | 京成線
復活。

マイクロエース製新京成N800形N848F現行色(4次車:N848F)の第二次整備はモハN841が最終入場車となった。
基本的な工程はモハN848(848F)に倣うが第一次整備で修正を行ったスカート位置の微調整が付加される。
床板は台枠の状態から見直しを図りモハN848に引けを取らない外観を目指した。


新京成N800形モハN841 4次車 現行色(N848F)。

スカート位置の偏位はプリズムケースを脱着したモハN848でも発症してしまった。
回着当時からスカートと前面車体裾の空間が広かったモハN841は台枠湾曲修正を施している。
一応改善には持ち込めたもののモハN848での事例を考えると再発してもおかしくなかった。
モハN841に於いてもプリズムケースの取り外しは避けられない。
現状で台枠には歪みが残ると思われた。
そこでスカート位置調整は最終工程に廻し先に運行番号,行先表示ステッカーの貼付を終わらせる。


入工中のモハN841。

モハN848ではしっくり来ないライトユニットカバーの嵌合具合が気になり続けた。
竣工には漕ぎ着けた一方で今でも正しく取り付けられているか不安を抱える。
装着感の薄さはモハN841も同様だと思われる。
先ずプリズムケースを撤去する前の記録を残し再装着時に不都合が無いか確かめる手段とした。
取り外し方法は京成標準車体形式で採用し続けている前面窓セル撤去式を踏襲する。
前照灯,表示器用プリズムケースの仕様変更が確認されれば今後は手順変更を余儀なくされると思われた。


撤去前のライトユニットカバー。

ライトユニットカバーの嵌まり具合はモハN848と変わらず非常に固かった。
ここだけは力業に頼らざるを得ず後端部天面を斜め下方向へ引き下ろし撤去した。
通過標識灯,尾灯用プリズムケースの2脚嵌合部はやはり溶着が成されていなかった。
これは嵌合がきつくなったライトユニットカバーが関係しているのかもしれない。
ただ流し込み接着剤使用量削減は京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)から顕著になった。
恐らくN838F京成千葉線直通色(3次車:N838F)も共通だと予想され整備性は向上すると思われる。


成形不良と判明した前照灯,表示器用プリズムケース裏面処理。

前照灯,表示器用プリズムケース裏面は僅かな張り出しを有するバリのようなものが見られた。
モハN848用とは明らかに形状が異なっており単に成形不良だった模様である。
前面窓セル撤去式は前照灯,表示器用プリズムケースが垂直落下してくれる最大の利点があった。
この強味を失う可能性があったが当面は心配無用だろう。
ちなみに流し込み接着剤投入は前面窓セル下部への極僅かに限られ押し込むだけで取り外せている。
また前照灯,表示器用セルも溶着は見送られていた。


[03F],[普通 千葉中央]:ジオマトリックス製ステッカー。

固定されていない前照灯,表示器用セルは行先表示類ステッカーを貼付する際にずれ動く。
そのため位置調整までの間は車体内側から支えなければならない。
マッキーによる種別表示,運行番号表示器モールド周囲への漏光対策は廃止を検討している。
モハN848でも余り効果が得られないと再確認出来た。
それでもステッカー貼付を行う以上プリズムケースの着脱は避けられない道である。
車体への固定が手っ取り早い手段と言えるが行先変更を行い難くする等の問題があり考えていない。


再挿入したライトユニットカバー。

ステッカーはモハN848と同様に切り出したつもりだったが[03F]表示の天地を広く取り過ぎてしまった。
運行番号,行先表示双方とも3両分が印刷されており最後の1枚を充てられる環境にあった。
ただ再び失敗するとモハN848の再入場に直結するため[03F]表示は再用へと進む。
慣れない天地縮小は今ひとつの結果に終わり前照灯,表示器用セルを着脱して運行番号表示器内へ収めた。
表示器用プリズムケースと前面窓セルを車体に戻しライトユニットカバーの取り付けに移る。
手応えは相変わらずだったが入場前の記録と照らし合わせ無理な押し込みは取り止めた。


最初からやり直しとなった床板湾曲修正。

大凡の位置にライトユニットカバーが嵌まり込んだ時点で通過標識灯,尾灯用プリズムを合わせる。
前面より光源を当て各プリズムからの反射を頼りに嵌合させた。
ライトケースの組み込みには多少不安を抱えるもののモハN848を教訓とし深追いしていない。
これ以降は車体関連に手を振れず床板周りに集中する。
第一次整備で施した台枠の湾曲修正はスカートが斜めに傾く中途半端な状態で留まっていた。
部品同士の噛み合わせを調整するためもう一度分解を行う。


一旦撤去されたライト基板。

スカートはもちろんライト基板まで取り外した。
ライト基板の撤去で抑えを失った座席部品は海側と山側で高さに差が生じていた。
遮光テープが巻き込まれた状態で台枠と組み合わされた影響は広範囲に渡っていたらしい。
第一次整備で見落とした原因は5点嵌合のライト基板が剛性を高めていたためだろう。
また台枠にも捻れが残っており座席部品と共に平行へ戻している。
ライト基板の復旧は通過標識灯スイッチ位置に注意する程度だった。


復旧した床板一式 (モハN848用,モハN841用)。

以降の作業はモハN848での施工が参考になった。
先ず位置がずれ易いウエイトをゴム系接着剤で台枠に固定した。
座席部品と台枠の嵌合具合も予め両部品を挟み密着するか確認を行っている。
大方捻れの解消に目途が立ちビスを締め上げる。
その結果モハN848用床板一式に近い仕上がりへと至った。
これだけ手を尽くせばスカートの下垂や傾斜は再発しない手応えを得られている。




モハN841 [03F 普通 千葉中央]:運行番号,行先表示ステッカー貼付,スカート位置修正施工)。


モハN848 [03F 普通 千葉中央]:N848F(スカート位置調整施工車)。

満を持して車体と床板を組み合わせる。
すると不安が残っていたライトユニットカバーの取り付けを一蹴する前面見附へと至った。
位置調整前のモハN848ほどには達しなかったもののスカートは違和感なく収まってくれた。
幸いモハN848は第二次整備の不手際でスカート位置が若干下がっており同等に見える。
第一次整備完了直後に思い描いていた構図と若干ずれはした。
ただ編成見附としては十分であり現状でも満足している。




モハN841 点灯試験[03F 普通 千葉中央]:前照灯(表示器類簡易漏光対策施工)。


モハN841 点灯試験[03F 普通 千葉中央]:尾灯(表示器類簡易漏光対策施工)。


モハN848 点灯比較[03F 普通 千葉中央]:N848F(表示器類簡易漏光対策施工車)。

ジオマトリックス製ステッカーはモハN841でも黒色再現部を剥離させている。
これは前照灯,表示器用セルを着脱した際に引き起こした。
中でも[普通 千葉中央]表示の下辺は全てマッキーで塗り潰した。
それでもモハN848とは大差ない仕上がりに至ったと思う。
点灯試験結果から通過標識灯,尾灯用レンズの装着も上手く行ったと思われる。
綻びが顔を出してもおかしくない作業が続いたが最終的には纏まってくれた。

モハN841の竣工でN848Fは全車が第二次整備を終えた。
8800形8804F京成千葉線直通仕様(8804F)以来約3年2箇月振りに新京成形式の現行仕様が復活を迎える。
京成形式でも千葉線系統の現行仕様は少数派であり弱点を埋める存在になるだろう。

新京成N800形モハN848[N848F] 4次車 現行色 (運行番号・行先表示器ステッカー貼付,スカート位置調整施工)

2019-01-07 22:20:00 | 京成線
初登場。

マイクロエース製新京成N800形N848F現行色(4次車:N848F)の第二次整備はM2c車を残すのみとなった。
京成新3000形を初めとする京成標準車体形式のM2c車はLOT毎に小変更が繰り返されている。
そのためモハN848は第一次整備に続き構造解析を含む工程とした。


新京成N800形モハN848 4次車 現行色(N848F)。

モハN848の整備は行先表示器類へのステッカー貼付が中心となる。
各ステッカーは表貼りとしながらも表示器用セルへささやかな漏光対策を施す。
表示器用セルを撤去するには3pcs構造のプリズムケースを取り外さなければならない。
第一次整備にて京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)から基本構造に変更は無いと確認された。
構成部品もこれまでと変わらないように見える。
よってプリズムケース取り出しは従来方式の踏襲が決定した。


入工中のモハN848。

床板を取り外すと最初の変更点が現れる。
ライトユニットカバーは後端部の把手のようなものが切除された形状に戻されていた。
新3000形3001F中期仕様(1次車:3001F)から採り入れられた把手付ライトユニットカバーは便利な様で余り用を成さなかった。
続く3026F現行仕様(8次車:3026F)で一旦廃止となるが3002Fにて復活を果たす。
これで定着するかと思われたがN848Fでは再び姿を消した。
ただ把手の成形痕は残されており今後も変更が繰り返されるかもしれない。


プリズムケースを撤去したモハN848。

3002Fまでプリズムケースの撤去は労さない工程だった。
しかしモハN848のプリズムケースは嵌合が非常に固くなかなか浮き上がらない。
廃止されたライトユニットカバーの把手は取り外しが行い易かったため不要に感じていた。
N848Fこそ把手を残すべきだったと思う。
車体天井とプリズムケース天面は空間が広いため作用点を設けられず梃子の原理が通用しなかった。
止むを得ず指力で後端部天面を起こしライトユニットカバーを通過標識灯,尾灯用プリズムケースごと取り外した。


表示器周囲だけに施した遮光処理。

プリズムケースは前面窓セルで支持されるお馴染みの方式である。
簡便な構造を逆手に取り前面窓セル撤去式でプリズムケースを取り出してきた。
前面窓セルは上部を押し込むだけで脱落するはずだったが傾斜したところで全く動かなくなった。
プリズムケース底面にはバリのようなものがあり前面窓セルの移動代を縮小させている。
車体内側よりバリを避けながら前面窓セルを引き抜いた。
バリのようなものは設計変更か成形不良か区別が付かずモハN841での確認項目となる。


視認性が良いとは言えない製品付属ステッカー。

プリズムケースは嵌合部を持たない落とし込み式であっさりと取り外せた。
前照灯レンズ部と一体成形された表示器用セルは固定されておらず容易く押し出せている。
運行番号,行先表示器モールド周囲をマッキーで塗り潰し強力発光への対抗手段とした。
ただ薄いインク被膜では遮光効果が低く既存編成と仕様を揃えたに過ぎない。
N848Fは3色LED表示器編成であり製品付属ステッカーの発色に不安を抱いていた。
念のため確認したが見難さは変わっていないように思える。


試験用[八柱]表示ステッカーを貼付したモハN848。

これまで3色LED表示器編成には富士川車輌工業製ステッカーを愛用してきた。
しかしN818F京成千葉線直通色(1次車:N818F)で[千葉中央]表示を採用している。
そのためプロトタイプの近いN838F京成千葉線直通色(3次車:N838F)は[松戸]表示にしたかった。
よって富士川車輌工業製ステッカーは起用出来なくなる。
新たにジオマトリックス製新京成線用ステッカーを投入し[松戸]表示の再現に結び付ける算段とした。
本来はN838F用ステッカーだったが入場順都合によりN848Fでの先行採用となった。


ゴム系接着剤で固定した前面窓セル。

京成標準車体形式でのジオマトリックス製運行番号,行先表示器ステッカーは初採用だった。
試験貼付用行先表示ステッカーには使用見込みが無い新京成線内運用の[八柱]表示を用いている。
縦横共に目安線外側を基準としたところ無難な表示に至った。
これに従い[普通 千葉中央]表示を貼付する。
運行番号表示ステッカーは試験貼付を行わず行先表示ステッカーと同様に切り抜いた。
行先表示類の整備が一段落し前面窓セル下部へ微量のゴム系接着剤を塗布してから車体に固定した。


装着感の薄いライトユニットカバー。

後は何時も通りの手順で組み立てを行えば良いと思っていた。
ところがライトユニットカバーを挿入してもいまいち手応えが感じられない。
沈むように収まるライトユニットカバーは正規に取り付けられているか判断に苦しむ程であった。
この何とも言えない嵌まり具合はプリズムケースに追加された遮光テープが原因だと思われる。
僅かな偏位代は分離構造に戻された通過標識灯,尾灯用プリズムケースの挿入をも難しくした。


座席部品との位置関係を修正した台枠。

従来から通過標識灯,尾灯用レンズは車体に嵌まっているかが識別し難かった。
プリズムケースの偏位は通過標識灯,尾灯用プリズムケースまで及んでおり強引に押し込む手法とした。
この方式が拙かったらしく床板を組み付けたところ前面車体裾とスカートには大きな空間が生じてしまった。
床板を頼りにプリズムケースを押し戻す作業も追い討ちを掛け座席部品は台枠に対し斜めになった。
結局床板を分解して修正せざるを得なくなり無理な進行は裏目に出ている。
N848F,N838Fは余り手を広げない方が得策かもしれない。


入場前の位置に近付いたスカート。

幸いウエイト,座席部品,台枠に歪みは見られなかった。
座席部品と台枠は嵌合猶予がありこの範囲内で噛み合わせが崩れたのみに留められていた。
組み直しに当たり先ず何かと暴れ易いウエイトをゴム系接着剤で固定した。
そして座席部品と台枠を挟み付けながら徐々にビスを締める。
取り敢えず床板単体に於ける撓みは解消され座席部品から傾斜が消え失せた。
再度車体へ嵌合させると車体裾とスカートの間隔は製品仕様に近い位置まで戻っていた。




モハN848 [03F 普通 千葉中央]:運行番号,行先表示ステッカー貼付,スカート位置調整施工)。

改善されたとは言えスカートは回着当時に比べ若干車体裾から離れてしまった。
ただ修正前のモハN841ほど酷くはなく十分な前面見附を取り返せたと思う。
むしろモハN848を基準に据えるとモハN841のスカート位置調整は敷居が低くなる。
調整方法もモハN848での施工例が参考になった。
恐らくモハN841用台枠には撓みが残ると予想されこれを乗り越えれば両車の差異は気にならなくなると思われる。
強引な作業が引き起こした余波は丸く収まりそうな気がする。




モハN848 点灯試験[03F 普通 千葉中央]:前照灯(表示器類簡易漏光対策施工,通過標識灯消灯)。


モハN848 点灯試験[03F 普通 千葉中央]:尾灯(表示器類簡易漏光対策施工)。

モハN848は京成形式では初となるジオマトリックス製ステッカー貼付車となった。
視認性は申し分なく3色LED表示器も十二分に再現されている。
ただ繊細な印刷面は注意が必要で予め判っていながら[普通 葉中央]上部の黒色再現を剥がしてしまった。
皮肉にもマッキーでの誤魔化しは強力発光に助けられる。
簡易的な対策では表示器周囲からの漏光を抑えられない。
しかしこれがステッカー断面の乱反射を呼び補修箇所を目立たなくしてくれた。

なお通過標識灯スイッチはスカート位置調整中にOFF位置へと切り替えている。
組み立てた状態より遥かに操作が行い易く同様のスイッチが採用される形式では標準化すると思う。
モハN848の正式竣工を迎えたが作業の進め方は大いに反省しなければならない。
一応仕様変更箇所を把握できたためモハN841の第二次整備は壁が低くなった。
癖を有するライトユニットカバーの取り付けが課題になるだろう。
手応えの無さは仕様であり当初の嵌合位置を確認してから作業を開始する。

新京成N800形モハN847[N848F] 4次車 現行色 (動力ユニット整備,千葉中央寄PT-71系パンタグラフ台座修正施工)

2019-01-06 21:57:48 | 京成線
辟易。

マイクロエース製新京成N800形モハN847現行色(4次車:N848F)を入場させた。
工程は動力ユニット整備以外に歪みが生じている千葉中央寄パンタグラフ台枠の修正が加わる。
どちらも苦戦は明白だが手順を抑えられている動力ユニット整備から開始した。


新京成N800形モハN847 4次車 現行色(N848F:動力ユニット搭載車)。

京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)までは動力ユニットへの純正グリス投入が控えられる方向にあった。
これを踏まえ京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)を入場させている。
しかしモハ3606(3608F)が装着するFS-513動力台車は予想を裏切り白濁物質で埋め尽くされていた。
脱脂に手を焼き動力ユニットの整備だけで約60分を要している。
リリース時期が近いN848Fも当然同様の状態だと予想された。
パンタグラフ台枠修正を含むモハN847の第二次整備はモハ3606より長引くものと腹を括った。


入工中のモハN847。

入場前の単独試験走行では力強さが全く感じられなかった。
起動電流は高く中速域も伸びやかさを欠きこの状態で1M5Tを組むには厳しいと思える程である。
マイクロエース製動力ユニット搭載車は全て導電板研磨を施した。中には起動電流低下が確認された個体も存在する。
よってモハN847の導電板は分解前から期待出来ない状況だと読めてしまった。
当初よりラプロス#4000を手元に用意し作業を開始している。


モハ3606の状態を下回ったモハN847用動力ユニット。

諦め半分で動力ユニットを分解するとモハ3606にさえ届かないユニットカバー裏面の酷さが目に入った。
鈍い色に変化した導電板は予想通りだったが裏面全域が油脂に塗れている。
スパイラルギアカバーの丸孔は純正グリスで埋め尽くされておりここから流出した模様である。
ラプロスでの導電板研磨より先にユニットカバーの清掃が待っているとは思わなかった。
クリーナーでユニットカバー裏面と導電板を同時に拭き上げる。
油脂量が多くプラスチックの艶が消え去るまで大幅な時間を割かれている。


順調に進められた導電板研磨とモーター軸への注油。

油脂さえ無くなればFS-564S動力台車の整備まで従来方式で一気に作業を終えられる。
指紋のような跡が着いていた導電板はラプロス#4000にて真鍮色へ戻しクリーナーで仕上げた。
トルクが細く感じられたモーターは無負荷駆動試験でも一向に改善が見られない。
そこで新製投入車では出来るだけ控える方針だったモーター軸への注油に踏み切る。
再度無負荷駆動試験を行ったところ起動電流低下と回転率向上が確認出来た。
モーター周りの摺動抵抗は廃されたらしく1M5Tでも差し支えない状態に到達した。


ギアボックス内部を覆う純正グリス(松戸寄)。

ユニットカバー裏面の具合からギアボックスには過剰なグリス投与が行われていると思われた。
FS-564S動力台車を分解すると覚悟していた以上の純正グリスがギアボックス内に盛られていた。
モハ3606をも凌ぐ純正グリス量で早々にクリーナープールを持ち出している。
先に爪楊枝や綿棒で掬えるだけの純正グリスを取り除く。
その後次々と構成部品をクリーナープールへ投入した。
グリス除去は焼け石に水と言え透明のクリーナーは瞬く間に白く濁る有り様だった。


脱脂を終えたFS-564S動力台車構成部品(千葉中央寄)。

クリーナーに浸かった部品はカプラーアダプター,台車集電板,ロアフレームを除く全てとなった。
この数量は過去最多へ達し如何にモハN847の純正グリス投入量が夥しかったかを示していると思う。
なおロアフレームは物理的にクリーナープールへ入らなかっただけである。
動軸ギアは専用クリーナープールを用いたが車軸全体にまでグリスが及んでいた。
専用クリーナープールは車軸まで届かないため別途脱脂を施す必要性に迫られている。
クリーナープールから引き上げた各部品だが細部のグリス溶解には至らず極細綿棒と歯ブラシで仕上げを行った。


KATOカプラー化されたFS-564S動力台車(松戸寄)。

FS-564S動力台車への純正グリス投入量は千葉中央寄,松戸寄とも同程度であった。
効率化を狙い並行作業としたが最終仕上げに思いの外時間を要し効果があったか判らない。
最後の最後まで純正グリスに行く手を阻まれる散々な目に遭った。
KATOカプラー化だけで整備を終えられるのが理想的だがせめて3002-7(3002F)程度の投与に留めてもらいたい。
まだ京成3600形3648F現行色(3648F),新京成N800形N838F京成千葉線直通色(3次車:N838F)が未入場で残る。
再びこの展開が待っていると思うだけで嫌気が差す。


中央部が湾曲するユニットカバー。

最後にギア部へ微量のタミヤ製グリスを塗布し動力ユニットを組み立てた。
モハ3606(3608F)用動力ユニットでも見られたがユニットカバーには撓みが生じる。
台枠との嵌合部が車体嵌合爪受を兼ねる構造のため少々気掛かりな箇所ではある。
今のところ改善策は見当たらず整備前と同形態で組み立てた。
延長された絶縁シートが絡んでいるように感じられるものの厚みは殆ど同じで何とも言えない。
整備を終えた動力ユニットは快調な駆動を見せ当初の不安を一掃している。


地味に改良されていたPT-71系パンタグラフ(千葉中央寄)。

動力ユニット整備は約100分に達したがモハN847には課題がまだ残されている。
パンタグラフ台枠が変形した千葉中央寄PT-71系パンタグラフの補修に取り掛かった。
PT-71系パンタグラフは4脚嵌合式ながら車体との固定は2箇所しか施されていない。
流し込み接着剤の塗布量も控えられ容易に取り外せている。
ここで初めて釣合棒が金属製に変更されていると気付いた。
オールプラスチック製から脱却したシングルアーム式パンタグラフならどうにかなりそうな予感が漂う。


修正が行えた千葉中央寄パンタグラフ台枠(山側)。

山側のパンタグラフ台枠が歪んだ箇所はちょうど釣合棒の支持部と重なっていた。
支持部の均衡を崩すとパンタグラフそのものが機能しなくなる。
特に釣合棒の嵌合爪は繊細な成形が成されており他社製を含め極力修正を避けてきた。
単に釣合棒が金属製に変わっただけながらパンタグラフ台枠の修正から要注意箇所が減った。
海側のパンタグラフ台枠を基準に変形代分だけ押し戻す。
釣合棒との支持部へ負荷が避けられない修正方法だったが昇降に影響は生じなかった。


4点溶着とした千葉中央寄パンタグラフ固定。

従来構造であれば撤去した時点で改修を見送っていたと思う。
たった1部品の材質変更が不得手のシングルアーム式パンタグラフ修正を可能にしてくれた。
コスト面では不利になるものの今後も継続してほしい。
ちなみにパンタグラフ台枠が変形した要因は取付脚が均等に嵌まっていないためだった。
2点溶着の踏襲は再発の恐れがあり4点溶着に改めている。
また無瑕の松戸寄PT-71系パンタグラフには手を加えず2点溶着のままとした。




モハN847(動力ユニット整備,千葉中央寄PT-71系パンタグラフ修正,車体清掃施工)。

千葉中央寄PT-71系パンタグラフは無事に修正を終えた。
後は組み立てるのみだったが車体側板各部で発生する曇りに目が止まった。
拭き上げだけで済むと思われた車体清掃は予想外の方向へ進む。
曇りは油脂付着が原因で乾燥したクロスでは状況を悪化させるだけだった。
広範囲に渡ってしまった車体へのクリーナー使用は憚れた。
水で湿らせたクロスを油膜の除去に用い磨きクロスで仕上げを施している。


モハN848+モハN847 (N848F:非動力車+動力車)。

油脂は純正グリスの可能性が高く放置すると塗装を傷めてもおかしくなかった。
たまたま曇りに気付けたがこれが製品由来か整備の不行き届きに拠るものかは判らない。
PT-71系パンタグラフ修正へ移行するまで車体には触れておらず直前に手袋も交換している。
今ひとつ腑に落ちないがN838Fの整備では十分に気を付ける必要があるだろう。
モハN847の第二次整備は約130分で終了した。
予定より早く完了を迎えられたのは金属製に変更された釣合棒のお陰と言える。
製品仕様に足を引っ張られると思いきや手助けを借りる珍しい入場だったと思う。

新京成N800形N848F 4次車 現行色 回着 (ダミーカプラー固定,KATOカプラー化,モハN841 台枠湾曲修正施工)

2019-01-05 22:35:43 | 京成線
空白。

長らくマイクロエース製新京成形式のリリースは途絶えていた。
2018年12月に入りようやくN838F京成千葉線直通色(3次車:N838F),N848F現行色(4次車:N848F)が回着している。
在籍中の新京成形式は全編成が過去帳入りした仕様へと陥っておりN848Fから整備を開始する。


新京成N800形N848F 4次車 現行色。
N848F:N848-N847-N846-N843-N842-N841。

N800形はN818F京成千葉線直通色(1次車:N818F)がリリース済で現行色も続くと予想していた。
直ぐにでも製品化できる体制のはずだがかなり待たされている。
現行色は鮮やかなジェントルピンクとど真ん中のジェントルホワイトが印象的と言えよう。
これに対し製品のジェントルピンクは落ち着いた色合いに見える。
光線都合も関係すると思われるがスケール上ではこの程度で十分だと思う。
ジェントルホワイトの縁を黒色塗装が引き締める前面見附も好ましく映った。
前面,側面共に[shin-kei-sei]シンボルマーク(ステップマーク)ははっきりと再現されている。
N818Fとは別形式に見える程の特徴を捕らえていると思える。


入工中のモハN848現行色(N848F)。

N848Fの第一次整備はカプラー関係を主工程に据える。
但しモハN847は動力ユニット整備時にKATOカプラー化するため対象外とした。
モハN848,モハN841のダミーカプラーは固定化を施す。
京成新3000形3026F現行仕様(8次車:3026F)以降から連結器部品の下垂が目立ち始めた。
続く3002F現行仕様(1次車:3002F)でも改善の兆しが見られず標準工程へと格上げされる。
3002Fは流し込み接着剤でダミーカプラーを溶着したがN848Fからはゴム系接着剤に戻す。


分解したダミーカプラーとスカート。

ダミーカプラーは胴受部品と連結器部品に別れた2pcs構造である。
スカートへの取り付けは胴受部品後方の嵌合爪に頼る。
しかし嵌合精度が低下してしまい連結器部品の重量を支えられなくなっていた。
スカートは台座までジェントルピンクに塗装されており流し込み接着剤による塗料溶解が不安視された。
ゴム系接着剤への再変更はN848F以降の京成標準車体でも踏襲する考えでいた。
合理的な固定方法を探るべくスカートごと撤去した。


モハN848 [□ □ □]:ダミーカプラー固定化施工。

3026Fにて取り入れたゴム系接着剤式固定は嵌合爪付近を固めるだけで終えられた。
ところが3002Fではこの方式が全く通用せず連結器部品天面への流し込み接着剤投入に切り替えている。
取り敢えず嵌合爪付近へのゴム系接着剤塗布は確定したがこれだけでは連結器の下垂を防げない。
そこで3002Fと同位置にゴム系接着剤を塗り広げた。
次にスカートの嵌合口を接着剤で埋め胴受部品を嵌め込む。
この時点では胴受の押し込みを行わず連結器部品が挿入可能な空間を確保した。
連結器部品を復した後にスカート台座裏面へ密着させる。
実質的に3点固定となりダミーカプラーの安定化が実現した。


モハN848 点灯試験[□ □ □]:前照灯。


モハN848 点灯試験[□ □ □]:尾灯。

製品仕様書では白色点灯の前照灯が謳われN838Fと差別化を図ったとの記載がある。
しかし車体構造は従来と変わりなくライト基板も目新しさは伺えなかった。
不思議に思いながら点灯試験を行ったところ行先表示器と同じ発光色温度を示す。
どうやら白色点灯は前照灯レンズ部への着色を省略しただけの模様である。
新技法が用いられると喜ばしい一方で取り扱いが厄介になる可能性があった。
評価は別れるだろうが簡便な再現で助かったと思えた。


モハN848現行色(N848F)。

先発入場にモハN848を選択した理由はモハN841にある。
モハN841は前面車体裾とスカートの間隔が異様に広かった。
この症状を改善するには前面見附の上回るモハN848での構造解析が必要だと考えた。
結果的に3002Fと全く同様であり特別な措置は不要と判った。
白色前照灯が簡易再現に留まったため車体と床板の嵌合は気を使わずに済む。
スカート位置調整を第二次整備へ先送りする事態も考えられたがダミーカプラー固定との同時進行になった。


入工中のモハN841(N848F)。

モハN841を分解すると運転台側台枠が座席部品から離れていた。
よってスカートの下垂は台枠が要因だと思われた。
先ずダミーカプラーをモハN848と同一方式で固定した。
直ちに床板を分解し構成部品の状況確認へ取り掛かる。
するとライトユニット,座席部品,ウエイトには異常は無く台枠だけが撓んでいる状態であった。
何が台枠の変形を招いたか不明だったがひとまず直線状へ戻す。
中央の座席部品嵌合爪受付近から矯正を始めるほど台枠の状態は悪かった。


整形を終えた台枠。

整形した台枠と座席部品を合わせたところ妙な手応えが残った。
プラスチック同士が噛み合わず何処か浮いた感じがする。
各部の確認を進めると運転台側で何かが挟まっている様だった。
ここで台枠を湾曲させた真因が掴めた。
ライトユニット前端には遮光テープが貼付されている。
モハN841の遮光テープは貼り方が悪く座席部品内側へと折り込まれていた。


貼り直した遮光テープ。

遮光テープは僅かな厚みしか持たない。
しかし座席部品と台枠に挟み込まれた箇所が最悪だった。
座席部品裏面に設けられたリブの下部へ入り込んでしまい台枠を押し下げていた。
これにより台枠は変形へと至りスカートの下垂に繋がったらしい。
折れ曲がった遮光テープを均しモハN848と同位置へ移す。
再度床板を組み上げると運転台側台枠は座席部品へ接するように変わった。




モハN841 [□ □ □]:ダミーカプラー固定化,台枠湾曲修正施工。

車体と床板の嵌合具合はモハN848とほぼ同一で台枠整形による副作用は現れなかった。
そしてスカート位置を確かめる。
まだ完全ではないものの前面車体裾との間隔は大幅に縮小した。
ダミーカプラーの固定を併せ入場前に比べ前面見附はかなり改善されたと思う。
スカート下垂問題は一応の解決に辿り着いた。
微調整は第二次整備に廻し時間を割いて編成見附向上に努める。


モハN841 点灯試験[□ □ □]:前照灯(通過標識灯消灯)。

ライトユニット周りに手を伸ばした序でに通過標識灯スイッチをOFF位置へ切り替えた。
通過標識灯スイッチは操作性が今ひとつに思える。
個体によってはライトスイッチ部品が台枠内部へ落ち込む事例さえ存在した。
N848Fは京成千葉線直通運用への充当が確定している。
よって通過標識灯の点灯機会は無く先手を打った。
まだモハN848の通過標識灯スイッチはON位置にあるため第二次整備で分解した際に切り替えを行う。


モハN841現行色(N848F:台枠湾曲修正施工)。

モハN848,モハN841ともKATOカプラーへの交換はダミーカプラー固定化施工直後に行っている。
灰色成形KATOカプラーはまだ発生品が残っていたが遂にN848Fで使い切れる見込みが立った。
N838F以降の未入場編成からは予備品を起用するため数量不足への注意が必要となる。
なお幕式表示器編成では漏れなく側面行先表示器の基準幕化を図ってきた。
これに対しLED式表示器編成は何も手を加えていない。
車体関連項目は行先表示類整備のみであり最終形態と変わらない側面見附になった。




サハN843+モハN842 (N848F:KATOカプラー化)。

N848Fの第一次整備はモハN841にて台枠整形を行った都合により遅延が始まっていた。
ただこれ以降はサハN846以下3両(N848F)のKATOカプラー化で一区切りを迎えられる。
マイクロエース製品はカプラー交換が行い易くサハN846,サハN843,モハN842を同時入場させた。
上記の通りKATOカプラーは再用品であり組み立てが省略出来た。
そのため余り時間を要さずに竣工を迎えている。
更にモハN847,モハN842のPT-71系パンタグラフを点検する。
昇降試験の結果は問題無かった。


モハN847現行色(N848F:動力ユニット搭載車)。

京成新3000形3001F前期仕様(1次車:3001F)では折り畳めないパンタグラフに手を焼かされた。
3026F,3002Fで改善の兆しが見られN848Fも続いている。
但しモハN847は千葉中央寄パンタグラフに変形が見られた。
不得手とするシングルアーム式パンタグラフの修正に着手すべきか悩むところである。
動作が良好だけに下手な手を加えると竹篦返しを喰らう気がする。
撤去した時点で駆動部に影響しない箇所だと確証が持てれば可能な範囲で改善を図りたい。




N848F (第一次整備完了)。

予定していた項目を捌き切りN848Fの第一次整備が完了した。
取り敢えずモハN841の前面見附も落ち着きを取り返せたと思う。
第二次整備はモハN847→モハN848→モハN841の順で入場させる方向とした。
京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)と同時期のリリースであり動力ユニット整備は長期戦を覚悟している。
ただサハN846,サハN843,モハN842は竣工済であり焦ることなく作業に当たれると思う。

※記事訂正:2018年1月10日。

京成500形モハ501[502F] 更新車 晩年仕様 鳳車輌製造製小形[荷]種別表示板設置,ヒュースボックス黒色化施工

2018-12-09 21:20:19 | 京成線
行商。

一足先にTOMYTEC製京成500形モハ502更新車晩年仕様(502F←200形モハ206:206F)が竣工した。
モハ501(←モハ207:206F)の第三次整備が完了するといよいよ502Fは暫定出場となる。
3両編成及び4両編成化まで種別変更を行く予定は無く軽作業ながら丁寧に作業を進める。


京成500形モハ501 更新車 晩年仕様(502F)。

502Fは行商専用列車運用代走がプロトタイプに据えられた。
鳳車輌製造製小形[]種別板ステッカーは1編成用だけの印刷であり切り出し失敗が許されない。
加えて700形704Fがリリースされた場合には小形[]種別板の転用を計画している。
そのため正式取付同等の作業が要求された。
また黒色化を施すヒューズボックスの仕上がりも課題と言える。
モハ502は厚塗りで終わったが皮肉にも200形206F更新車晩年仕様(206F)の外観へ近付ける要素となった。
意図的に厚塗りを狙うとヒューズボックスの輪郭がぼやけてしまい返って見苦しくなるに違いない。
念のため2000形クハ2003(206F←モハ207:二代目)での発生品を用意しモハ502に近い状態のヒューズボックスを起用する。


入工中のモハ501。

磁力着脱式種別板試作車に引き当てられたモハ501は第三次整備が控えていた。
そのため試験終了後も金属ワッシャー組込による前面窓セルの前傾姿勢が残されたままだった。
先ずこれの修正から取り掛かったが少々遅かったらしい。
尾灯レンズが車体に挿入された状態で金属ワッシャーの負荷が掛かったせいか若干変形している。
復旧には窓セルを撤去しなければならない。
ただ現状での撤去は尾灯レンズ部の折損を引き起こしかねず可能な範囲で整形した。
従って前面窓は傾斜が残り尾灯レンズも左右均等に収まっていない。
増強予定のモハ206(四代目→モハ500),モハ207(四代目→2000形クハ2011)では運行番号表示器印刷が消去される。
モハ501の前面窓セル問題は何れかとの相互交換か尾灯レンズ独立化にて対応したい。


金属ワッシャー挿入の余波を受けた前面窓セル。

続いてヒューズボックスの黒色化に手を着けた。
ヒューズボックスは2脚嵌合であり簡単に引き抜ける。
車体中央側には大きな湯口跡が見られるが206F全車で除去を見送っており特に手は打っていない。
逆に取付時の方向目安となる利点とも言え502Fでも見切られた。
塗装はGMカラーの黒色を吹き付けている。
発生品と同時に塗布したが2器とも変わらない仕上がりとなった。
図らずも厚塗りへと至りモハ502及び206Fとの差異は防がれた。
なおモハ501用と発生品の区別が付かず適当に選び屋根板へ取り付けを行っている。
残された1器はモハ500用に廻し回着整備時の塗装作業を省略する方向とした。




雰囲気が変わった屋根上見附。

ちなみに引き当てたヒューズボックスは発生品だったらしい。
撤去とは対照的に挿入は手間を要している。
モハ502では黒色化施工後も労する事無く取り付けを終えられた。
ところがモハ501に取り付けたヒューズボックス取付脚は屋根板取付孔と間隔が微妙にずれていた。
必然的に嵌合は固くなってしまい垂直方向から力を加え屋根板へ押し込んでいる。
何度も持ち替えたヒューズボックスだったが厚塗りが幸いし成形色は露出していない。
この経緯からヒューズボックス取付脚若しくは屋根板開孔径には個体差があると思われる。
部品同士の相性を考えるとモハ500に於いても嵌合が難しくなる可能性がある。
ただ安定の厚塗りにより成形色が現れる事態は抑止できると思う。


t0.3mmのプラ板に貼り付けた小形[]種別板:鳳車輌製造製ステッカー。

作業は鳳車輌製造製小形[]種別板の取り付けに入った。
案の定切り出しが上手く行かずモハ502より僅かに狭幅となった。
モハ502用種別板ベースは断面に傾斜を設け小形[]種別板ステッカーの迫り出し感を軽減させた。
一方モハ501用は狭幅感を拭うため切断面を垂直に変更している。
どうにか錯覚が通用する形状に漕ぎ着けたと思われ種別表示再変更は免れた。
これでモハ502と極端な差が生じなければ転用も可能だろう。
小形[]種別板の固定はゴム系接着剤一択となった。
貫通扉には種別表示板差しがモールドされている。
206Fで採用した普通[]種別表示板では種別表示板差しモールドが味方し程良い角度へ持ち込めた。
しかし小形[]種別板では一転して障害となる。


垂直に固定した小形[]種別板。

各種資料を参照したところ小形[]種別板は一枚物で直接種別表示板差しに引き掛けられていた模様である。
そのためか普通[]種別板のような傾斜は見られない。
普通[]種別板に比べ天地の狭い小形[]種別板は掲示位置も絡み傾き易かった。
そこで微量のゴム系接着剤を種別表示板差しモールド直下に盛り付け貫通扉との段差を埋めた。
これにより平滑面積の増大を図り小形[]種別板が傾かない措置を採っている。
また種別板ベースは濃緑色枠が無くプラ板地のままとした。




モハ501 [93   ]:鳳車輌製造製小形[]種別板設置施工。


モハ502 [93   ]:502F(鳳車輌製造製小形[]種別板設置車)。


モハ207 [93  津田沼]:206F(自作普通[]種別板,鳳車輌製造製津田沼[▽]行先方向板設置車)。

荷電仕様へと改められたモハ501はモハ502の前面見附に近い形態で落ち着いてくれた。
切り出しに失敗した小形[]種別板ステッカーは痛手になる可能性が高かった。
寸法こそ異なるものの錯覚効果が両車の差異を縮めたように映る。
鳳車輌製造製ステッカーは1枚しか手元に無く代替が利かなかった。
仮に印象が大きく異なる事態に陥るとモハ502共々[],[]表示への変更に迫られる。
初歩的な失策は毎度のいんちき手法で取り繕えた。
モハ502で定めた草冠の上部と塗り分け線を合わせる取付位置も差異発生抑止に貢献したと思う。




モハ501(ヒューズボックス黒色化施工)。


200形モハ207更新車晩年仕様(206F:ヒューズボックス黒色化施工車)。

モハ501はほぼ万全の姿で竣工を迎えた。
但し塗装工程も加わり今入場は約140分に達する作業となった。
ヒューズボックス取付や小形[]種別板の位置調整にも手間取りモハ502と同程度の時間を要している。
小形[]種別板は一時的な使用に留まるものの前面見附を大きく左右するため拘った。
難航したヒューズボックス挿入だったがモハ502に劣らない側面見附に至ったと思う。
動力ユニット非搭載車でありモハ207(206F)が履く3H-67非動力台車との印象差がより際立つ。
FS-28(TS-310)台車が近代的に映る502Fは206Fの離合相手として最良の選択だったかもしれない。

京成500形モハ502[502F] 更新車 晩年仕様 鳳車輌製造製小形[荷]種別表示板設置,ヒュースボックス黒色化施工

2018-12-08 21:58:08 | 京成線
非営業。

TOMYTEC製京成500形502F更新車晩年仕様(502F←200形206F:三代目)は非営業運用充当が確定した。
候補に残った[],[],[],[]表示板には何れも鳳車輌製造製種別表示板ステッカーを起用する。
改めてステッカーを確認したところ[臨時]用は[]ではなく黒文字による[]表示だったと気付いた。


京成500形モハ502 更新車 晩年仕様(502F)。

赤文字表示は青電色に映えると考えていた。
200形206F更新車晩年仕様(206F)を[93  津田沼]表示としており対照的な表示に成り得た。
しかし[]表示ではこの対比効果が下がる。
黒文字表示であれば[]表示の採用が勝るため[]は最終選考を前に対象から漏れた。
3種に絞られた種別表示からどれを選ぶかを考えながらモハ502(502F)の第三次整備を完了させる。


入工中のモハ502。

モハ502は改番がモハ501(502F)に比べ車両番号標記印刷消去を上手く処置できなかった。
ラプロスでの擦過痕を隠す狙いで転写糊を残したものの早くも埃が付着し始めている。
黒ずみ程度で収まってくれると考えた狙いは崩れ去った。
毛羽立つ側板が引っ掛かり車体清掃工程に転写糊除去を含める。
その他施工項目はヒューズボックスの黒色化である。
これは206Fに揃える名目でモハ502,モハ501では唯一の塗装作業となった。


転写糊を除去した前面[502]標記周囲。

モハ502の前面車両番号標記転写は苦戦の連続だった。
グリーンマックス製3100形用[3125]インレタを転用し[502]に纏め上げたが見附は芳しくない。
もう同一台紙には[502]が残っておらず潰れ気味となった[502]の修正は全面的な再転写を要する。
だが別の台紙はモハ500(←モハ206:四代目),2000形クハ2011(←モハ207:四代目)用に温存したい。
よって乱れた標記には目を瞑り転写糊の除去だけを施す。
派手に失敗した車両番号標記印刷消去部隠蔽は青マッキー+緑マッキーの重ね塗りで対処している。
インク被膜の剥離を恐れ改番後も清掃を行わなかった。
先頭車両には相応しくない外観と言え極細綿棒で転写糊を削ぎ落としに掛かる。


磨き直されたモハ502。

貫通幌は種別板取付時に作業を行い難くさせるため予め撤去した。
各インレタが歪む[502]は転写糊との境が判り難い。
車両番号標記転写部を光源に向け凹凸を頼りに限界まで攻め込む。
所詮は目視による作業で留められたため完全な除去までには至らなかった。
清掃前に比べ腰板付近の白濁が失せ多少はましになったと思える。
続いて側板の拭き上げを施す。
モハ207(206F→モハ501)は謎の粘着物質を除去した際に車体全体を磨きクロスで仕上げていた。
特に瑕疵が見当たらなかったモハ206(206F→モハ502)は回着当時のままとされた。
若干ではあるがモハ502とモハ501で塗装被膜の差が生じてしまいこれの解消を図る。
この施工により両車の仕上がりはほぼ同等となった。
なお[モハ502]周囲の転写糊除去は前面車両番号標記に倣っている。


黒色化されたヒューズボックス。

そして不得手とする塗装作業に移った。
206Fは4両全車がお約束の厚塗りで揃っている。
ここを同一にするつもりは無かったがモハ502用ヒューズボックスも遭えなく厚塗りで終わった。
小部品への塗装でこの有り様では手の施しようがない。
モハ501用ヒューズボックスの仕上がりも期待は出来ないだろう。
ただ黒色化したヒューズボックスを屋根板に取り付けるとそれなりに良い雰囲気を醸し出してくれる。
グリーンマックス製PT-43S形パンタグラフ以外は明灰色一色だったためヒューズボックスの存在感を高められた。


部分補修を行った黒色化済ウエイト。

モハ502を先発させたのはマッキーで塗り潰したはずのウエイトが剥がれていた事に拠る。
暫定動力ユニット搭載車のモハ502だが極力床板着脱機会を減らしたかった。
マッキーのインク被膜は決して強くはなく僅かな接触でダイキャスト地が剥き出しになってしまう。
従って車体との嵌合時に再施工を繰り返す可能性があった。
モハ501より手数が増えると思われ優先的に入場させている。
マッキーが剥がれた箇所は限られたものだったが外観から目に付く場所だった。
細字マッキーでの部分補修を重ね少しでもインク被膜が厚くなるよう心掛けた。
第三次整備の工程はいよいよ種別板取付だけとなった。
206Fで使用した自作普通[]種別板は鳳車輌製造製ステッカーの種別板より一回り大きい。
京成1000形用六角[特急]種別板ステッカーと同寸で貫通扉に対する割合も悪くなく思える。
何故この様な差が生じたか不可解だったが鳳車輌製造製[],[],[]表示板を見て氷解した。
何れも表示板差しの印刷が無く白地部からの再現となっていた。


寸法の異なる小形[]種別板:鳳車輌製造製ステッカー。

つまり自作普通[]種別板ステッカーは種別板差しを印刷再現した代相当が拡大された事になる。
濃緑色枠を持つ種別板ベースを製作する余裕は無い。
必然的に小形[]種別板が選択肢として残った。
700形704Fがリリースされた場合に備え小形[]種別板ステッカーは使用を見合わせるつもりでいた。
しかし502Fの出場が優先され候補外からの選考となっている。
502Fへの取り付けはあくまで暫定措置であり再用を可能にしたい。
若干厚みが目立つもののt0.3mmのプラ板の種別板ベースに小形[]種別板ステッカーを貼付する事にした。
問題はその取付位置である。
小形[]種別板は表面だけの印刷だった模様で種別板差し装着車よりも上方向に掲示されていた。
各種資料を参考に実車の雰囲気に近付けられる場所を探る。




モハ502 [93   ]:鳳車輌製造製小形[]種別板設置,車体清掃施工。


モハ206 [93  津田沼]:206F(自作普通[]種別板,鳳車輌製造製津田沼[▽]行先方向板設置車)。

生憎500形更新車は1編成しか在籍しておらず荷電代走に充当された資料に辿り着けなかった。
そこで類似車体の510形を基準に定め現物合わせを行う。
当初は草冠の中央を塗り分け線に揃える位置とした。
ところが貫通幌を装着すると途端におかしく見えるようになってしまった。
ここは1/150スケールの難しいところである。
t0.3mmのプラ板で掲示が前面に押し出された影響もあるだろう。
更に微調整を続け草冠の上部と塗り分け線が重なる位置でようやく落ち着いた。
捲り式行先方向板の取り付け省略と種別板の寸法が違う事から206Fとはかなり趣が異なって見える。
実際には捲り式行先方向板を取り付けられたまま荷電代走に充当されたが雰囲気は十分である。
暫定仕様にしては贅沢な前面見附に至ったと思う。




モハ502(車体清掃,ヒューズボックス黒色化施工)。


200形モハ206更新車晩年仕様(206F:ヒューズボックス黒色化施工車)。

最後にウエイトとの接触に注意を払いながら車体を嵌合させた。
何処にも触れさせずに装着出来た模様で側面見附からダイキャスト地は伺えない。
以上を以てモハ502(502F)が暫定竣工を迎えた。
なお正式竣工は3両編成若しくは4両編成化に於ける非動力車化まで待たされる。
ヒューズボックス黒色化も踏襲されモハ206(206F)との主な外観差は装着台車だけに近い。
迂回を繰り返したが想定通りの形態へ漕ぎ着けられたと思える。


モハ502+モハ1030 (502F+1029F-1:FS-28(TS-310)動力台車装着車+TS-310動力台車装着車)。

モハ502はTOMYTEC製京成1000形モハ1030前期仕様(1029F-1)以来のTS-310動力台車を履く車両となった。
保管品都合でFS-28台車の代打に起用されたTS-310台車は似て非なる形状を持つ。
だが500形は1000形に対し車体色に加え車体寸法も異なっている。
FS-28(TS-310)動力台車の陰影が変わった事でFS-28台車らしく見える様な気がする。
TOMYTEC製TS-310動力台車枠は1029F-1の投入で予備品が発生した経緯がある。
よって200形の500編入は1029F-1を出場させていなければ実現しなかっただろう。

京成500形モハ501[502F] 更新車 晩年仕様 磁力着脱式貫通扉種別表示板製作試行 ※失敗記録:取扱不良

2018-12-07 21:48:59 | 京成線
尚早。

TOMYTEC製京成500形502F更新車晩年仕様(502F←200形206F:三代目)は行先表示類が定まっていなかった。
唯一印刷済運行番号表示器の存置だけは確定しており[93 ]表示から変更しない。
当初は[93  千葉]に内定していたがモハ208更新車晩年仕様(206F)の都度組込中止により再考へと至っている。


京成500形モハ501 更新車 晩年仕様(502F)。

206Fは4両固定編成化後をプロトタイプに設定した。
よって離合相手となる502Fも時期を揃える必要がある。
但しモハ206,モハ207(四代目)の投入までは暫定2両編成で出場せざるを得ない。
まだ[93  千葉]表示の採用には向かず普通[]種別表示板や捲り式行先方向板設置を先送りにした。
青電形式の2両編成時代は1M1Tが原則であった。
当面2Mとなる502Fには非営業運用が適当と思えた。
これにより第三次整備の項目から捲り式行先方向板取付が消滅した。


入工中のモハ501。

非営業運用への充当が仮決定した一方で使用可能な種別表示板は[],[],[],[]の4種に絞られた。
最早[種別]とは言えないが2Mでも齟齬が生じない設定は上記4種しか残らない。
何れも在籍編成には採用しておらず各々が魅力的に映った。
ここでKATO製品の一部で採り入れられているクイックヘッドマーク機構が思い浮かぶ。
仮に磁力着脱式種別表示板が製作出来れば随時[],[],[],[]表示を回転させられる。
早速モハ501(502F)を試験車に起用し再現へ挑むことにした。


前面窓セルと前面妻板の間に挟み込んだ金属ワッシャー。

KATO製クイックヘッドマーク機構はマグネットと帯磁プラスチックを組み合わせる画期的な構造だと思う。
丸ごと移植するにはTOMYTEC製京成200形の成形都合によりマグネットへの加工が必要だった。
この方法は最終手段として温存し簡便な方法を探る。
磁力依存を参考にKATO製クイックヘッドマーク機構の逆転が可能か試験を行う。
金属部品を車体へ取り付けマグネットシートに貼り付けた種別表示板ステッカーが支持出来るか確認する。
金属部品は適当なものが見当たらず金属ワッシャーで代用した。


金属ワッシャーを挟んでも嵌合可能だった座席部品。

金属ワッシャーでは全面を覆えないため余り磁力に期待出来ない。
更に手持ちではt2.0mmが最薄であり座席部品を取り付けられるか不安を抱いた。
ちょうどモハ502(502F)への動力ユニット搭載で座席部品が余剰になっていた。
これを仮装着すると連結面側へ寄せた位置ならば金属ワッシャーを受け入れられると判明した。
但しモハ501は既に床板一体化を終えており座席部品の移動猶予は全く無い。
非動力車用台枠も待機させていたが試験装着は無意味だと思える。
取り敢えずモハ501用床板で金属ワッシャーを往なせるか試した。


貫通扉窓直下まで押し込まれた金属ワッシャー。

ゆっくりと床板を押し込むとTNカプラーSPジャンパ連結器モールドが車体裾に触れる位置まで届いた。
ひとまず座席部品と台枠を溶着した状態でも金属ワッシャーは支障しないと判った。
念の為車体天井開口部から金属ワッシャー位置を確かめる。
すると仮装着した金属ワッシャーは台枠に押し上げられ貫通扉窓モールドの真下まで到達していた。
そのため前面窓セルは前傾姿勢へと変わり尾灯レンズが引き込まれてしまった。
本格施工時は台枠を欠き取るか更に薄い金属ワッシャーへ交換するしかないだろう。


マグネットシートに貼付した六角[特急]種別表示板ステッカー。

種別表示板ステッカーは自作の京成1000形用を用いる。
まだ磁力着脱式種別表示板化が成功するか判らない時点で鳳車輌製造製ステッカーは起用できなかった。
京成1000形用種別表示板は切り出し失敗に備え数多く出力しており試験用へ充てても問題ない。
ちなみに種別表示板ステッカーは1000形用六角[特急]表示しか製作しておらず青電特急仕様にはならない。
薄手のマグネットシートに六角[特急]種別表示板ステッカーを貼り付け金属ワッシャーへ直接当てる。
下方向に向けても落下には至らず僅かな期待を抱かせた。


モハ501 [93 特急  ]:第一次磁力着脱式種別表示板化試行。


モハ207 [93  津田沼]:206F(接着式種別表示板採用車)。

ところが車体に取り付けると事態は暗転する。
金属ワッシャーの丸孔も絡んだと思われるが種別表示板が自らの重さに耐えられなかった。
磁力は利いており脱落こそ生じない。
しかし正規の取付位置を保持出来ず種別表示板下辺は貫通路渡り板で支えられる格好になった。
普通[]種別表示板を掲げるモハ206,モハ207(206F)の前面見附と大きくかけ離れる結果に終わりこの方式は放棄される。
もうKATO製クイックヘッドマーク機構を拝借するしかない。
保管品を活用しモハ501へのクイックヘッドマーク用マグネット取付に着手した。


窮屈な固定を要求されたクイックヘッドマーク用マグネット。

クイックヘッドマーク用マグネットは比較的嵩があり未加工のまま座席部品へ載せると前面窓セルに当たってしまう。
更にモハ502用も確保しなければならず薄型化に加え分割が必要になった。
マグネットの分割は思いの外容易く終えられた。
しかし薄型化はその脆さの前に難航する。
薄型化時に於ける入力方向が分割とは異なったせいかマグネットの崩壊を続出させた。
その結果10mmにも満たないクイックヘッドマーク用マグネットは瞬く間に短くなってしまった。
止むを得ず崩壊寸前のマグネットを繋ぎ合わせ座席部品運転台側最前部へ固定している。


モハ501 [93 特急  ]:第二次磁力着脱式種別表示板化試行。

六角[特急]種別表示板ステッカーはマグネットシートから帯磁プラスチックに貼り替えた。
これで基本構造はKATO製クイックヘッドマーク機構と同等になったはずである。
今回こそ上手く行くと思われたが位置調整に大苦戦した。
青電形式は貫通幌が常設されているため種別表示板は奥まった貫通扉への取り付けと変わらなくなる。
マグネットの薄型化も災いし想定通りの場所へ持ち込むまでに大幅な時間を奪われた。
取付位置さえ落ち着けば良好な見附を得られる。
しかし余りに取り扱い難く都度交換は無駄な時間を浪費させるだけだと判った。
決して結果は悪くなかったものの502Fの磁力着脱式種別表示板化は中止されている。


動力ユニット搭載車にも採用可能だと思われる磁力着脱式種別表示板化 (モハ502用,モハ501用)。

502Fでは採用が見送られた磁力着脱式種別表示板化だが将来性を含む試行内容にはなったと思う。
モハ501用床板に取り付けたマグネットを見るとモハ502用動力ユニットへの取り付けも十分可能に見える。
貫通幌が行く手を阻むとは思っていなかった。
ただ過去の施工を振り返ると気付けてもおかしくなかった。
モハ206,モハ207への普通[]種別表示板取付は貫通扉を撤去して行っている。
ここは気が急いたらしく反省点と言えよう。
結局502Fの種別表示板は[],[],[],[]から1つを選ぶ事になった。
暫定掲示に留まるが各方面から検討を重ねたい。

京成500形モハ502[502F] 更新車 晩年仕様 ウエイト・輪心黒色化,FS-28動力台車組立,床下機器部品移設施工

2018-12-06 21:53:11 | 京成線
前進。

TOMYTEC製京成500形モハ502更新車晩年仕様(502F←モハ206:206F)の第三次整備を続行する。
TNカプラーSPの取り付けを終えたTOMYTEC製TM-05R動力ユニットの搭載は準備万端だと思える。
付帯整備を進めモハ502用動力ユニットの完成を目指した。


京成500形モハ502 更新車 晩年仕様(502F)。

500形への編入ではTS-310台車をFS-28台車に見立てた。
従って動力台車もTOMYTEC製TS-310動力台車枠の起用となる。
TS-310動力台車枠は京成1000形1029F前期仕様(1029F-1)へ編入されたTOMYTEC製京浜急行1000形の発生品が残っていた。
1029F-1はモハ1029+モハ1030:TS-310台車,モハ1031+モハ1032:OK-18台車を履く。
出場当時はOK-18動力台車枠が手に入らずモハ1030へ動力ユニットを搭載させている。
京成1000形はモハ1029+モハ1032だけがTS-310台車を履いていた。
用途の無いTS-310動力台車枠もFS-28(TS-310)非動力台車同様に保管品とされていた部品である。


入工中のモハ502。

共に約3年10箇月もの間保管品箱で眠り続けていた。
500形,510形編入試験206FへのTS-310台車充当に踏み切らせた。
保管癖は現在でも変わっていないが何処で役に立つか分からないものである。
非動力台車とは若干成形色が異なるが誤差の範囲内だと思う。
4両編成化されれば更に明灰色へ振られた(u)D-16非動力台車を履く2000形クハ2011が組み込まれる。
TM-05R動力ユニットを使用する以上TOMYTEC製TS-310動力台車枠が相応しくもあり特に手は加えない。


輪心黒色化を施した動力台車。

TOMYTEC製京成形式はいつの間にか輪心黒色化が定着した。
206F更新車晩年仕様(206F)は見送る予定だったが流れで施工してしまった。
だがイコライザー式3H-67台車は引き締まった外観へと変わり結果的には良かったと思える。
モハ502,モハ501の第二次整備でも踏襲されたためTM-05R動力ユニットも輪心黒色化が必須工程となった。
施工には極細字マッキーを用いるが製品原形では車輪が回転させられない。
台車集電板に隠れた箇所を塗り潰す名目だけで動力台車の分解は行いたくなかった。
車輪はフライホイールを手動で回転させると連動してくれる。
そのためウエイトを撤去し全周を塗り潰している。


谷状に湾曲させた床下機器部品(山側)。

いんちき黒染車輪化とは違いリムは金属地のまま残した。
あくまで輪心を目立ち難くする事が主眼に置かれており簡便な方式を採用している。
なおFS-28(TS-310)台車は軸箱付近の構造により3H-67台車よりも黒色化効果が薄くなる。
ただ将来的に台車の異なるクハ2011が挟まれるためそれなりに威力を発揮すると思う。
予備品の無い床下機器部品は非動力台枠から移設する。
モハ501と同じく撓みが見られ谷形に円弧を描くよう整形した。
TOMYTEC製動力ユニット搭載車の床下機器部品は嵌合のみに留めた車両が多数派である。
流し込み接着剤による湾曲矯正策が採れずRはモハ501よりも小さくしている。
これにより床下機器部品両端は台枠に近い位置まで達してくれた。


アーノルトカプラー台座を切除した動力台車(成田寄)。

TOMYTEC製TM-0XR動力ユニットの動力台車はアーノルトカプラー台座がモールドされている。
アーノルトカプラー台座は張り出しが大きく側面見附を崩す一因と思える。
モハ502用TM-05R動力ユニットはTNカプラーSP化を終えていた。
よってアーノルトカプラーへの交換は考えられずモールドを根元から切り落とした。
施工箇所はロアフレームの嵌合爪受成形部と一体であり亀裂を走らせると全てが台無しになる。
そこでモールドの2/3程をニッパーで切断した後に整形する二段構えとした。
台座切除部は見附向上を考慮し後退角を設けている。


切り出しに苦戦したFS-28(TS-310)動力台車枠(上野寄)。

両抱式踏面ブレーキが採用されたTS-310台車は複雑な構造を持つ。
TOMYTEC製TS-310動力台車枠はこれを巧みに再現していた。
しかし都合7箇所もある湯口のうち2箇所が両抱式ブレーキ引き棒に設けられている。
繊細な引き棒はランナーからの切り離しを難航させた。
引き棒に極力負荷を与えない角度で薄刃ニッパーを当てる。
残る湯口跡はペーパーで仕上げる予定だったが剛性が低く上手い具合に力が伝わらない。
途中でクラフトナイフへ持ち替え削り取る作戦に出たもののバリ状の突起が残ってしまった。
引き棒の強度はペーパーでさえ直ぐに撓む程度でありこれ以上の湯口跡整形は打ち切りとなった。


黒色化されたウエイト。

FS-28(TS-310)動力台車枠に見切りを付け最終工程に移る。
TOMYTEC製動力ユニットのウエイトはダイキャスト地が剥き出しであり嫌でも外観から目に入ってくる。
黒色成形のモーターカバーと余りに差があり過ぎ黒色化を施し往なし続けてきた。
車内に謎の物体が存在する事実に変わりないがダイキャスト地よりは数段見栄えを向上させられる。
マッキーで表面と断面の一部を黒色化し一体感を演出した。
但し金属面へ直接塗布しているためインク被膜強度が極端に劣る弱点を抱える。
車体へ組み込む際に少しでも何処かに触れると剥がれを招く。
補修こそ容易ながら装着時は接触に注意した。




モハ502 [93   ]:TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載施工。


モハ501 [93   ]:502F(非動力車)。

車体嵌合時に側面窓セルとウエイトが触れてしまい早速再施工を余儀なくされている。
これ以外不備は無くモハ502用動力ユニットは搭載準備施工時と同様の装着を迎えられた。
ウエイトは両端垂直面も黒色化を行っており前面からその存在は伺えないと思う。
モハ502への動力ユニット搭載は一時的なものである。
しかしモハ206(四代目→モハ500)より先にモハ207(四代目→クハ2011)が回着する展開も考えられる。
暫定搭載期間は長引くかもしれずモハ501類似の前面見附に辿り着けたのは収穫と言えよう。




モハ502(TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載,FS-28動力台車組立,床下機器部品移設施工)。


200形モハ208更新車晩年仕様(206F:TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載車)。

側面見附はモーター落とし込み部と床下機器部品が重なってしまい下廻りの立体感が薄れた。
これは床下機器部品が黒色成形である限り避けられない。
モハ208(206F)で判っていたとは言え残念な箇所である。
その代わりFS-28(TS-310)動力台車はより引き立つ存在になったように見える。
両抱式ブレーキ引き棒の湯口跡削り残しも輪心黒色化に紛れ誤魔化せたと思う。
モハ502への動力ユニット搭載は及第点を与えても良いだろう。




モハ502+モハ501 (502F:動力車+非動力車)。


200形モハ208+モハ207 (206F:動力車+非動力車)。

TNカプラーSPの後退取付はモハ208を凌ぐ仕上がりと言える。
モハ208は連結面側の連結器突き出し長を稼げなかった。
そのためモハ207(206F)との連結面間隔が他に比べ狭くなっている。
一方モハ502はTNカプラーSPコ字形整形部を狭幅化しモハ501へ限り無く近付けた。
この細工が効果的で502Fの連結面間隔は均等化が図れると思う。
暫定出場にまた一歩近付いた502Fだが行先表示類を考える余裕が無かった。
2両編成かつ206Fとの離合を両立させるのは難しい。
各資料を調べ直しプロトタイプの絞り込みを行う。

京成500形モハ502[502F] 更新車 晩年仕様 TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載準備施工:TNカプラーSP後退取付

2018-12-05 21:47:58 | 京成線
欠落。

TOMYTEC製京成500形502F更新車晩年仕様(502F←200形206F:三代目)の第三次整備はモハ502(←モハ206:206F)へ移行した。
非動力車での竣工予定を変更し暫定動力ユニット搭載車に据える。
TOMYTEC製TM-05R動力ユニットのTNカプラーSP対応化はモハ208更新車晩年仕様(206F)に次ぐ2両目となる。


京成500形モハ502 更新車 晩年仕様(502F)。

17m級車体へTM-05R動力ユニットを組み込む際に使用するスペーサーはSサイズしか充てられない。
しかしSサイズスペーサーはアーノルトカプラー併用限定でTNカプラー取付部が無かった。
モハ208(←モハ206:初代)ではMサイズスペーサーを加工しSサイズスペーサー擬化している。
しかしこのままではTNカプラーSPと動力台車が競合してしまいまともな走行は絶望的だった。
そこでTNカプラーSPも大幅に手を加え後退取付にて対応した。
SサイズスペーサーへTNカプラーSP取付部を新設する技量は無い。
よってモハ502もモハ206と同一構造の採用が決定する。


入工中のモハ208,モハ502 (206F,502F)。

入場前にモハ208用動力ユニットに施した工程を確認した。
ところが記録は結果の記載に留まりTNカプラーSP対応化へ至るまでの過程が判らない。
せっかくの前例は全く用を成さずモハ502への動力ユニット搭載に暗雲が立ちこめた。
細工は台枠,Mサイズスペーサー,TNカプラーSPの3箇所だった。
各々現物合わせを行う必要があり工程はTM-05R動力ユニットの搭載準備までに留める。
最終形状の確認及び比較用にモハ208を同時入場させ作業に取り掛かった。


前端を整形した台枠 (上野寄:モハ502用,モハ208用)。

200形の前面窓セルは尾灯レンズが一体成形とされている。
TM-05R動力ユニットは尾灯レンズ部を往なせない構造であり原形では車体へ組み込めない。
支障する台枠前端角部を切り落とし尾灯レンズ部が当たらない経常へ改める。
切断箇所はスペーサー取付孔から外側となる。
モハ208用動力ユニットではクラフトナイフで切断面を整えた様子が伺えた。
大凡の位置を把握できたためモハ502用はニッパーで直接切り落としている。
この施工は上野寄だけで構わなかったが方向を誤り成田寄へ手を着けてしまった。
全ての台枠前端角部を失う結果になったものの車体との嵌合に不都合は無い。


前後で異なるスペーサーを取り付けたTM-05R動力ユニット(モハ502用)。

一旦モハ502の車体へ加工したTM-05R動力ユニットを組み込み問題が無い事を確認した。
次はMサイズスペーサーをSサイズスペーサー擬化する。
残念ながらモハ208でどの様な方法を採ったか記憶が無い。
取り敢えず上野寄:Mサイズスペーサー,成田寄:Sサイズスペーサーを装着し比較しながら整形を進めた。
丸妻と切妻の違いによりSサイズスペーサー擬は運転台側の掻き取り代が増える。
ひとまず双方とも同一形状へ切り出した後に追加施工を行う。


張り出し箇所の一部を切り落としたMサイズスペーサー(上野寄)。

Sサイズスペーサーに比べMサイズスペーサーは台枠端部から大きく迫り出す。
切除に当たってはTNカプラー取付用ボスを存置する必要があった。
始点を車端寄の凹形成形TNカプラー取付部に設け台枠と被らない箇所をニッパーで切り落とす。
山形に残った張り出し部は台枠前端に沿って切断しSサイズスペーサーと揃えた。
上野寄の整形ではSサイズスペーサーを参照したが要領を掴めたため成田寄は直接Sサイズスペーサー擬化している。
連結面側用Sサイズスペーサー擬はこれにて完成形に至った。


完成したSサイズスペーサー擬(成田寄)。

一方上野寄Sサイズスペーサー擬は更にTNカプラー取付部の整形が加わる。
妻板側TNカプラー取付用ボスから先が車体内側と当たってしまい同一形状には出来なかった。
削り取る箇所は存置した凹形成形TNカプラー取付部である。
しかも後退取付の採用によりTNカプラー取付用ボスを残さなければならない。
目視を頼りに平滑面だけをクラフトナイフで削る。
車体との都度嵌合を行いながら台枠が差し障りなく収まるまで繰り返し削ぎ続けた。
上野寄Sサイズスペーサー擬が仕上がったのは施工開始から約35分後であった。
現物合わせにしては順調に進んでいる。
しかしTM-05R動力ユニットのTNカプラーSP対応化はこれからが本番となる。


後退取付対応化させたTNカプラーSP(成田寄)。

動力台車の形状が災いし単なる後退取付対応施工ではTNカプラーSPの取付まで至らない。
17m級車体にTNカプラーSPが取り付けられない主因は動力台車の形状にあった。
物理的にTNカプラーSPフレーム底面と動力台車上部が干渉する事態を防げずメーカーも諦めたと思われる。
Sサイズスペーサー擬でTNカプラーSPの取り付けは可能になったが動力台車との猶予は皆無である。
これの解消にはSPフレームの整形が必要であり大幅な細工は避けて通れない道となった。
先ず後退取付を実現させるためTNカプラーSPの取付部をコ字形に改めた。
存置箇所は前進取付対応施工とは逆の車端寄となる。


手当たり次第に削り取ったTNカプラーSPフレーム底面(上野寄)。

モハ208の装着するTNカプラーSPは車体中央寄を中心にフレーム底面が大きく削り取られていた。
そこで当初からモハ208用TNカプラーSPに近い形状まで持ち込み現物合わせ機会の減少を狙う。
動力台車との干渉対策はフレーム底面に加え復心スプリング支持部周囲まで及んでいた。
ここを薄くしない限り動力台車天面に当たってしまうらしい。
水平方向から見て復心スプリングが約1/5程度覗かせるまで薄型化している。
その他支障すると思われる箇所を削り取った。


モハ502用TNカプラーSP (上野寄,成田寄)。

フレームの他にカバーも凸形部を切断した。
理由は不明だがとにかくモハ208用TNカプラーSPに従うしかない。
整形で不安定になったカバーは嵌合爪に微量のゴム系接着剤を塗布し固定している。
約55分を掛けモハ502用TNカプラーSPが仕上がった。
見てくれこそ悪いが仮装着では動力台車及び車体裾との接触も見られず特に問題無さそうである。
TNカプラーSPの固定は全面的にゴム系接着剤頼みとなる。
台枠への接着剤付着は破損対応を困難にさせるためスペーサー単体での撤去も要求された。
一旦Sサイズスペーサー擬を取り外し底面へゴム系接着剤接着剤を塗布する。
仮合わせを済ませていたTNカプラーSPを貼り付け台枠に戻す。
これで台枠への接着剤進出は防げるはずである。


成功したTNカプラーSP後退取付(上野寄)。

TNカプラーSPはコ字形整形部を車端寄TNカプラー取付用ボスに密着させた。
ゴム系接着剤による固定であるが前進取付の考え方と同一であり耐久性に問題は無いと考えている。
装着は前面車体裾との競合が不暗視された上野寄から行った。
第一次整備時にジャンパ連結器モールド上段を削り取ったTNカプラーSPを流用したお陰でモハ208と同等に収まってくれた。
勢いに乗り成田寄のTNカプラーSP後退取付へと移る。
モハ208では連結器突き出し長が若干不足してしまった。
この結果を踏まえTNカプラーSP取付部のコ字形整形立ち上がりを更に細くした。
切断や開削は危険でありクラフトナイフで削っている。


狭幅化したTNカプラーSPコ字形整形部(成田寄)。

Sサイズスペーサー擬への固定は上野寄に倣った。
上野寄のTNカプラーSPに注意を払い再び車体と動力ユニットを嵌合させる。
コ字形整形部の再整形は上手く行った模様で妻板に対し平行を維持出来た。
なお成田寄は切妻でありジャンパ連結器モールドへの加工は必要としない。
動力ユニットを取り外すと両側のTNカプラーSPは車端寄TNカプラー取付用ボスで押さえられていた。
この位置であれば不意な移動を心配しなくて済む。
後はゴム系接着剤の固着を待つのみとなった。


動力ユニット上側から見える復心スプリング(上野寄)。

TNカプラーSPの取り付けまでに約120分が経過していた。
台枠及びSサイズスペーサー擬への加工を差し引くと約85分がTNカプラーSP関連の細工に充てられている。
TNカプラーSP化されたTM-05R動力ユニットを見直すと無駄な施工も垣間見えた。
闇雲に整形を進めたTNカプラーSPフレーム底面は大雑把過ぎた。
その結果不要な箇所まで削り取られており見直しが求められる。
またカバーの凸形成形部切除も全く意味が無かった。
モハ208では早期に復心スプリング支持部モールドと動力台車の競合が掴めたと予想される。
その前段階としてカバーを整形したのだろう。
フレーム天面は未加工でありカバー凸形成形部との段差も無い。
台枠から復心スプリングが見える構造はモハ208,モハ502を以て打ち切られる可能性が高いと思う。


モハ502への搭載準備が完了したTM-05R動力ユニット (モハ208用,モハ502用)。

ゴム系接着剤が固着し後退取付を施したTNカプラーSPは微動だにしなくなった。
TNカプラーSPの復心スプリング支持部は各方面から手が加えられている。
連結器部品の動作は未加工品と変わらず性能を維持できたと思う。
モハ208用動力ユニットの仕様をほぼ踏襲したモハ502用TM-05R動力ユニットがお目見えした。
半ば仕切り直しの作業となりようやく辿り着いた感が強い。
まだ床下機器部品移設,FS-28(TS-310)動力台車枠取付,ウエイト黒色化が残る。
ひとまず準備加工を区切りとし作業を打ち切った。


モハ502用TM-05R動力ユニットを装着させたモハ208。

モハ502は暫定動力ユニット搭載車であり将来的には非動力車へ復帰する。
何れはモハ500(←モハ206:四代目)に足廻りを譲る予定である。
TM-05R動力ユニットの現物合わせはモハ502でしか行っていない。
個体差が転用時の壁となる可能性が否めなかった。
事前試験としてモハ208へモハ502用動力ユニットを搭載させ嵌合具合を確認している。
その結果モハ208では車体裾とTNカプラーSPの競合等問題点は浮かび上がらなかった。
上手く行けば追加施工無しにモハ500へ転用出来るかもしれない。




モハ502(TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載準備施工)。


200形モハ208更新車晩年仕様(206F:TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載車)。

そしてモハ502へTM-05R動力ユニットを仮装着した。
現物合わせを繰り返しただけあり台枠は前面窓セルや車体裾に当たらず組み込めた。
車体不等沈下は発症しておらず現状のまま作業を続行しても支障は無いと思える。
今後台枠に掛かる負荷は床下機器部品移設とウエイト黒色化の2項目となる。
何れも撓ませずに作業を進められるため変形はしないと思われる。
ただ慎重さを忘れず丁寧に加工を行いたい。


モハ502+モハ501 (502F:非動力車+非動力車)。

動力ユニット搭載と引き換えに非動力車用台枠とFS-28(TS-310)非動力車が押し出される。
床下機器部品は流用する方向で座席部品と台枠の溶着は行えない。
加えて加工済の運転台側用TNカプラーSPまで充当してしまった。
従って再非動力車化も手間が掛かる工程と化すのは間違い無い。
502Fを自走可能にするためには致し方ない手段であり先の課題は考えないようにする。

京成500形モハ501[502F] 更新車 晩年仕様 走行部品(TT-04R:発生品)組込,床板一体化,TNカプラーSP整形施工

2018-12-04 21:48:36 | 京成線
走行抵抗。

TOMYTEC製京成200形モハ206+モハ207更新車晩年仕様(三代目:206F)の500形編入は第一段階を突破した。
各々モハ502,モハ501に改番され502F更新車晩年仕様(502F)の基本形態に一歩近付いたと思う。
但し当初の計画に従うと206F更新車晩年仕様(206F)と離合出来なくなる致命的欠陥を抱えていた。


京成500形502F 更新車 晩年仕様。
502F:[502]+[501]。

モハ500(502F:動力ユニット搭載予定車)の種車となるモハ206(四代目)導入は中古市場に左右される。
比較的動きの少ない製品故に投入の目途が立たず502Fは3両編成化さえ厳しい環境にある。
しかも都度206Fからモハ208を拝借する臨時組成は放棄された。
計画を改めモハ502を一時的な動力ユニット搭載車とし2両編成単独でも自走可能にする。
但しTOMYTEC製TM-05R動力ユニットの整備は時間を要するため先にモハ501の作業を進める。


入工中のモハ501更新車晩年仕様(502F)。

モハ501の第二次整備は改番とFS-28(TS-310)非動力台車化で打ち切られた。
残る項目は床板一体化,TNカプラーSP整形,ヒューズボックス黒色化行先表示類整備の4工程である。
既に行先表示類は絞り込みを終えていた。
しかし2両編成での暫定出場が確実となり当面は採用に踏み切れなくなった。
再考のため行先表示類整備は今入場に含めない。
またヒューズボックス黒色化もモハ502との並行作業へ廻され第三次整備は2工程で中断される。


ウエイトを貼り付けた台枠。

走行部品のうち金属車輪は改番入場でFS-28(TS-310)非動力台車へ装着を済ませた。
後はウエイトを組み込み正規仕様化する。
金属車輪同様にウエイトも廃車発生品の再用となった。
供出種車都合により双方ともメーカー指定のTT-03RではなくTT-04Rを用いている。
TT-03RとTT-04Rは使用されないアーノルトカプラーアダプターの成形色が異なるだけである。
従って転用しても不都合は生じない。
撤去した床下機器部品は歪みを抱えており谷型へ円弧を描く形状に改めた。
ウエイトはゴム系接着剤で台枠に直接固定するTOMYTEC製品での共通仕様とした。


台枠に密着して取り付けられた床下機器部品。

床下機器部品は両端部が取付脚より張り出す成形になっている。
その構造上全てを台枠に密着させるのは難しい。
206Fでは台枠と床下機器部品の隙間に微量の流し込み接着剤を投入し浮き上がり防止策とした。
但しこの方法では将来の台枠更新を困難に陥れる可能性がある。
モハ501では流し込み接着剤の投入を台枠内側床下機器部品取付口からに改めた。
整形を施した床下機器部品の両端は台枠に対し中央部よりも近接している。
そのため両端取付口に触れる箇所まで到達しており溶着させるには十分だった。
また取付脚の固定も同時に行え作業効率化に繋がった。


一体化された座席部品と台枠(上野寄)。

続いて座席部品と台枠を溶着する床板一体化を図る。
かつては筒状に成形されたダミーカプラー取付孔モールドへ直接流し込み接着剤を投入していた。
ところが最近の製品は座席部品に折り返しが設けられこの方式が通用し難くなりつつある。
そこで同様の効果を得られるダミーカプラー取付孔からの流し込み接着剤投入が現在の手法に変わった。
200形は折り返しの無い座席部品を有していたが後者の固定方式が採用された。
そのため一体化された床板は手を加えた痕跡が殆ど伺えず206F非動力車とは異なる仕上がりとなった。


TNカプラーSPフレームを切除する走行抵抗軽減策 (加工品,未加工品)。

206Fが出場するまでTOMYTEC製京成形式は18m級の3500形未更新車しか在籍していなかった。
初となる17m級非動力車は原則的に3500形未更新車に倣い原形のままTNカプラーSPを取り付けた。
2両編成で暫定出場した当初は特に気にならなかったものの増備に連れ加速度が鈍くなる。
2000形クハ2003の竣工で4両編成化された206Fは極端に走行性能が落ちてしまった。
原因を探ったところ車体中央寄のTNカプラーSPフレームが金属車輪と接触していると判明した。
モハ208(動力ユニット搭載車)で大幅に加工したTNカプラーSPを参考にフレームの一部切除へと踏み切った。


台枠裏面が伺えるようになったTNカプラーSP装着部(成田寄)。

既に他形式で採用済の走行抵抗軽減策だったため試行は行わず3両同時施工とした。
その結果206Fは2両編成時代と同等の性能まで回復している。
3H-67非動力台車からFS-28(TS-310)非動力台車へ履き替えたモハ501も発症の可能性が否定できなかった。
連結性能に影響を与えずに済む細工であり予め対策を施す。
フレームの車体中央寄にある丸孔を基準とし復心スプリング支持モールドまでを切除した。
206Fにて平坦線ならばTNカプラーSPとの接触を完全に防げると実証されている。
台車へ角度を付けても先に車輪が触れる箇所は台枠裏面となる。
よって最低限のアプローチアングルは確保されていると言え勾配線区にも対応出来ると思う。




モハ501 [93   ]:床板一体化施工。


モハ207 [93  津田沼]:206F(床板一体化施工車)。

この症状発生は台枠裏面の成形がTNカプラーSPと支障するためだと思われる。
TNカプラーSPの復心スプリング支持部は凹形成形部を持つ台枠裏面と競合してしまう。
これにより全体的にTNカプラーSPの車体中央寄が線路側へ押し出され車輪との猶予を潰しているように見える。
復心スプリング支持部は整形が行えずフレームの一部を掻き取るしか思い浮かばなかった。
なおフレームの掻き取り施工によりTNカプラーSPは当然の如く剛性が下がる。
しかし床板への取り付けは未加工品とほぼ同等を保てており特に留意する必要は無い。


モハ501+モハ206 (502F+206F:床板一体化施工車+床板一体化施工車)。

FS-28(TS-310)非動力台車を取り付け運転台側TNカプラーSPが車体裾と競合しないか確認した。
第一次整備で細工が重なったせいか無事車体全長に収まり台枠下垂は防がれた。
連結器高もモハ207(206F)と大凡揃えられたと思う。
モハ206(206F)との連結試験でも全高差は感じられない。
よってTNカプラーSPの再整形は不要と判り乱れた細工面を超極細マッキーで塗り潰した。
行先表示類が定まっておらず[93   ]表示に留まるが現時点で引っ掛かる箇所は無くなっている。




モハ501更新車晩年仕様(502F:床板一体化施工)。


200形モハ207更新車晩年仕様(206F)。

モハ501の第三次整備は一旦中断されるが仮竣工に近い状態まで仕上げられたと思う。
床下機器も波打ちが廃され車体裾と平行に改められた。
今後側面見附で変更される箇所はヒューズボックスのみとなる。
これ以外はモハ207と遜色なく映り一区切りを迎えられた。
行先表示類の選定はモハ502へ動力ユニットを暫定搭載させた後に絞り込む。
モハ502の工程は改番以上に難航すると思われる。
何れにせよモハ500にて挑まなければならない項目であり前倒し作業と考え加工に当たる。

京成500形モハ502[502F] 更新車 晩年仕様 (モハ206[3] 改番:500形編入,窓セル印刷補修,台車交換施工)

2018-12-03 21:36:05 | 京成線
自走不能。

TOMYTEC製京成200形モハ207更新車晩年仕様(三代目:206F)の500形編入はどうにか形になったと思える。
ただ改番とFS-28(TS-310)非動力台車化だけに限る予定が窓セル補修まで手を伸ばした。
その結果第二次整備は約120分の長丁場に渡る作業となった。


京成200形モハ206 更新車 晩年仕様(206F)。

500形の車体は200形と同等であり編入を決定付ける要素は車両番号標記となる。
奇跡的にインレタ転写が上手く纏まりモハ501(502F)は想定を越える出来映えへと至った。
これにより床板関連の一部工程は先送りされモハ206(三代目:206F)が改番入場を迎える。
感覚が残るうちに不得手なインレタ転写から脱する作戦だった。
皮肉な事にモハ501の状態がモハ206での改番作業を難しくする。
更に前面車両番号標記印刷消去失敗が響き整備終了まで約160分を要する苦しい展開に迫られた。


入工中のモハ206。

500形,510形編入試験では2両分しか金属車輪を用意しなかった。
そのためモハ206が装着する3H-67非動力台車及び充当されるFS-28(TS-310)非動力台車はプラスチック車輪のままである。
金属車輪は廃車発生品の再用で予め清掃を施していた。
502Fの4両編成化は程遠くモハ501から捻出された3H-67非動力台車に取り付けていた金属車輪を転用する。
これにより作業時間の短縮を狙ったが結果的には気休めにもならなかった。
第一工程は車両番号標記印刷の消去とした。
新京成8000形用[8502]標記インレタを活用する側面から作業に取り掛かる。


[モハ206]:海側。

ラプロス式による車両番号標記印刷消去はモハ207(→モハ501)での手順を踏襲する。
ところがモハ206ではこの方式が全く通用しなかった。
ラプロス#4000で軽く擦る程度では[モハ206]の銀色印刷さえ削り取れない。
一方濃緑色塗装部は少しずつ被膜の艶が変わり始めており危険な雰囲気を漂わせる。
止むを得ずラプロス#4000の使用は取り止め地道にラプロス#6000で印刷消去を進めた。
番手が上がったため作業効率は極端に下がる。
一応[モハ206]の消去には漕ぎ着けたものの海側は擦過痕が目立つ失敗に終わった。
海側の印刷消去痕は濃緑色塗装が薄くなり[モハ502]に相当する面が白んでしまった。
ここを青マッキー+緑マッキーで補修しても意味が無い。
山側車両番号標記印刷がずれていたモハ208更新車晩年仕様(206F←モハ206:初代)の改番入場で判りきっていた。


[[モハ][502]]:海側。

よって小細工は行わずこのままの状態で車両番号標記インレタ転写に移る。
ラプロス#6000での印刷消去部は[モハ206]の印刷跡が浮き上がるモハ501に近い状態であった。
山側は濃緑色塗装の傷みが少なく直接[モハ]+[502]を転写した。
これに対し海側は[モハ]+[502]が[モハ206]の上に被さるよう周囲をマスキングテープで覆っている。
その結果[モハ502]は[モハ206]に限り無く近い位置へ転写され白濁部の半分を隠蔽出来た。
使用したインレタは経年が高く[モハ502]の周囲へ転写糊まで一緒に移ってしまった。
転写糊は艶が出た塗装被膜を埋没させる効果が見られる。
海側に限り清掃は行わず汚れが酷くなるまでの間敢えて存置する。


印刷消去に失敗した[206]。

車両番号標記印刷の強度は前面車両番号も同様であった。
ラプロス#6000では灰色文字に変わる程度で太刀打ちできない。
無理にラプロス#4000で作業を進めたモハ501は濃緑色印刷を剥がしている。
車両番号インレタ転写により目立たなくなったもののモハ502でも続けられる保証は無い。
完全消去を諦めマッキーでの塗り潰し式に変更した。
フォントが小さい前面車両番号標記は極細字マッキーを用いても[206]へ改めるのは不可能である。
そこで[206]を青マッキー+緑マッキーで重ね塗りし標記全体を[]枠の中に収めた。
[206]の天地は極細字マッキー2本分相当だと思われる。
この嵩であればインレタで覆える可能性が高い。
印刷消去失敗を取り戻せそうな予感を抱きながら[5]+[0]+[2]の転写に取り掛かった。


運転台側から嵌合を解いた側面窓セル。

しかし[206]隠蔽以前に[5]+[0]+[2]の転写が立ちはだかった。
古インレタの起用とモハ501で自ら敷居を上げてしまったため失敗が続出した。
なかなか[502]が定まらず瞬く間にインレタが減っていく。
終いにはバラ標記インレタを使い果たし3100形用[3125]を持ち出す羽目になった。
[502]は切り抜けられたが[502]で再び失敗を繰り返す。
結局[502]も[3125]のお世話になりやっとの思いで改番を終えた。
モハ502に辿り着くまで約90分を費やしており相変わらずインレタ転写は難関工程だと痛感している。


掠れが酷かった妻面窓セル印刷。

この後も神経を使う窓セル補修が待つ。
前面窓セルとの境にニードルを差し込み側面窓セルを浮かせる。
このまま側面窓セル妻板側を垂直方向に持ち上げ取り外した。
モハ502の窓セル印刷はモハ501に比べ乱れが激しかった。
特に妻面窓セルは窓サッシ,Hゴム支持印刷が剥がれかかる最悪の状態である。
各窓セルを確認したところ大半で同様の症状が見られた。
補修を行ったモハ501と同程度へ引き揚げるには全てを塗り直した方が効率的に思えた。
印刷箇所へのインク付着は気を払わずに済むよう変わった一方で作業量は大幅に増加している。


補修した戸袋窓Hゴム支持と未補修の窓サッシ(山側)。

妻面窓セルと側面窓セルの修正から着手した。
インクの隠蔽力を考慮し先に全てのHゴム支持モールドをマッキーで塗り潰す。
Hゴム支持モールドはある程度の幅と嵩があり細字マッキーでも十分に捌けた。
続いて窓サッシを油性メタリックマーカー再現へと改める。
銀色印刷は各所で抜けが見られ部分補修では手に負えない。
モハ501の窓サッシで一部に塗り斑を生させたた事もあり全面的に塗り潰す方法を採った。
TOMYTEC製200形は[日]形のサッシ形状である上に中段サッシを境に段差を有する。
そのため縦桟は上下方向からペン先を当て塗り残しを防いでいる。


マッキー再現に変更された前面窓Hゴム支持再現。

前面窓Hゴム支持モールドの再黒色化はモハ501でも行った。
過去にモハ208,2000形クハ2003(206F)でも施工したが何れも中間組込車化に拠るものである。
助士側窓表面に印刷された運行番号表示器を消去する際に薄め液を使用したためHゴム支持印刷まで失った。
モハ208,クハ2003(←モハ207:二代目)でのHゴム支持修復は容易に感じられた。
一方のモハ502,モハ501は運行番号表示器が残されておりペン先が触れると余計な工程を呼び込んでしまう。
運行番号表示器とHゴム支持モールドは近接している。
ここだけはマッキーを当てる角度に注意を払った。


第二次整備を終えたモハ502。

尾灯レンズ部を赤マッキーで塗り潰し組み立てへと戻る。
206Fでは側面窓セルの取り付けに面食らったがさすがに手慣れた。
但し嵌合精度は高くなく車体断面の露出代均等化は図れていない。
最後に3H-67非動力台車からFS-28(TS-310)非動力台車へ金属車輪を移設した。
編入試験前のプラスチック車輪に戻された3H-67非動力台車は保管品へと廻る。
502Fの4両編成化までに所要となる非動力台車はクハ2011用さえ賄えられれば良い。
そのクハ2011にはTOMYTEC製(u)D-16(D形)非動力台車が充てられる。
従って3H-67非動力台車は206Fの保守部品専用となるだろう。




モハ502 [93   ]:改番,Hゴム印刷補修,FS-28非動力台車装着,金属車輪化。


モハ501 [93   ]:502F(モハ207改番車)。


モハ208 [     ]:206F(モハ206改番車)。

入場から約160分後に姿を現したモハ502の前面見附はモハ501と同等まで至らなかった。
転写失敗を繰り返した[502]は上辺が揃っていない。
[502]も波を打っており[501]が奇跡だった事を暗示している。
ただモハ208の前面車両番号標記よりはましに思える。
塗り潰し式印刷消去の余波も最小限に食い留められた。
まだ別の古インレタが残っていたが配列改善に見込みが立たず再転写は見送られた。
なお回着当時から気になっていた貫通扉ドアノブ付近の乱れは繊維片が付着していただけだった。
貫通幌も角度修正が図られ先頭車両に据えても支障ない状態には持ち込めたと考えている。




モハ502更新車晩年仕様(502F:モハ206改番,窓セル印刷補修,FS-28(TS-310)非動力台車装着,金属車輪化)。

側面見附は[モハ502]への改番とFS-28(TS-310)非動力台車化が主立った変化である。
側面窓セルの補修を霞ませる程で500形編入は正解だったと思う。
モハ502更新車晩年仕様(502F)もモハ501と同位置に追い付いた。
改番に於ける苦戦はモハ502+モハ501の仮登場で吹き飛んでいる。
第三次整備は床下関連を中心とする工程になる。
作業は両車の同時進行を考えていたが肝心な事を失念していた。
502Fは206Fの離合相手として増備を図った。
正式な4両編成化までは都度モハ208を組み込む予定でいた。




502F (206F 500形編入)。

これを行うと206Fと502Fの離合が不可能になると今更気付いた。
モハ502かモハ501に動力ユニットを搭載させない限り片方の編成が自走不能に陥る。
502Fはモハ500を動力ユニット搭載車にするつもりだったが暫定対応が急務となった。
個体差の大きいTOMYTEC製品だけに動力ユニット移設は余り気が進まない。
しかし緊急事態と言え今回ばかりは避けられなくなった。
TOMYTEC製TM-05R動力ユニットのTNカプラーSP化は非常に厄介な作業となる。
モハ500での現物合わせを考えるとモハ502の暫定動力車化が無難な選択だと思う。