試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-212[ラシ305F-3] マイクロエース製屋根板装着試行 (元モハ102-2040 部品転用) ※失敗記録:車体破損

2017-09-19 21:47:01 | 国鉄/JR103系
悲劇。

KATO製JR103系ラシ305F-3はクハ103-763の車体更新に合わせ行先を変更する。
サハ103-212(KATO製一般形)は窮余の策で側面行先表示器をステッカー再現とした。
KATO製付属ステッカーには[]幕が無く[津田沼]幕を貼付しており交換が必要になった。


JR103系サハ103-212(ラシ305F-3)。

サハ103-212はモハ102-188(朱色1号)を種車にAU75冷房改造車化の上竣工させた。
冷房改造に当たり非冷房車用屋根板にランボードを敷設しα-model製AU75B(H1)冷房機を搭載させた。
ランボードはグリーンマックス製で厳つさが目立つ。
またAU75B(H1)冷房機取付にはタミヤセメントを用いた都合で塗料が溶解し見窄らしく見える。
側面行先表示器ステッカー交換の前に冷房機周りの見附を向上へ着手した。


入工中の元モハ102-2040,サハ103-212 (部品取車,ラシ305F-3)。

ランボードの厳つさを解消するには標準でAU75冷房機を搭載する屋根板が必要だった。
KATO製量産冷房車用屋根板は保管品が無い。
何れにせよ爪嵌合式が採用出来ない事から初のマイクロエース製屋根板を試験採用する。
屋根板はマイクロエース製元モハ102-2040(部品取車)から捻出した。
既にベンチレーター,AU75B(S)冷房機はWIN製サハ103-430(ミツK6F)へ転用済である。
屋根上機器は全て撤去されており試用には最適だった。


撤去した屋根板 (元モハ102-2040用,サハ103-212用)。

塗装済KATO製一般形用屋根板とマイクロエース製屋根板を比較すると全長はほぼ同じだった。
色温度は異なるがサハ103-212は車両更新工事施工車でこの程度なら問題無いと思える。
試しに屋根板を取り外したサハ103-212へ被せると嵌合爪の張り出しが側面窓セルに支障した。
車体への取付はゴム系接着剤に頼るため全嵌合爪とも約1mmへ短縮している。


嵌合爪を短縮したマイクロエース製屋根板。

サハ103-212だけはねずみ色1号で塗装された旧LOTベンチレーターを搭載していた。
ラシ305F-3の他車両は現行LOTベンチレーターで揃っている。
そこで屋根板交換とベンチレーター統一を同時に行う。
マイクロエース製屋根板のベンチレーター取付孔はKATO製ベンチレーター取付脚より径が小さかった。
取付孔はΦ2.0mmのドリルで拡大しKATO製ベンチレーターを取付可能にしている。


拡大したベンチレーター取付孔。

残念ながらα-model製AU75B(H1)冷房機はプラスチックの一部が溶けており再用を断念した。
幸いにしてまだ予備品がありマイクロエース製屋根板へ取付出来る様加工を行う。
α-model製AU75系冷房機は各社の冷房機取付孔に対応している。
このうちTOMIX製屋根板用の嵌合爪は不要のため切除した。
マイクロエース製屋根板は2脚嵌合式でTOMIX製用嵌合爪以外には手を加えていない。


TOMIX製屋根板用嵌合爪を撤去したAU75B(H1)冷房機 (原形品,加工品)。

α-model製AU75系冷房機で存置した取付脚は2エンド側が太く成形されている。
一方マイクロエース製屋根板は1エンド側取付孔が広くこのままでは装着出来ない。
作業性を考えAU75B(H1)冷房機の加工は見送り屋根板の2エンド側取付孔を拡大する。
取付孔中心は変更せずΦ2.6mmのドリルを貫通させた。
AU75B(H1)冷房機も接着剤固定を考えており1エンド側取付孔は未加工のままである。


拡大された2エンド側冷房機取付孔。

屋根板への細工を施しα-model製AU75B(H1)冷房機を試着した。
拡大した取付孔は見事に合致してくれた。
しかし1エンド側の径が合わないため位置合わせが必要になる。
ここでAU75B(H1)冷房機固定にはゴム系接着剤を用いる方針とした。
大幅に角度がずれるまでには至らず調整は容易だと思える。


マイクロエース製屋根板へ試験搭載したα-model製AU75B(H1)冷房機。

2.0mmに拡大したベンチレーター取付孔も計算通りに行った。
僅かに抵抗を感じるものの屋根板を破損させることなく最終位置まで押し込めた。
ベンチレーター台座とのバランスに多少違和感が生じる点は見切っている。
ここで3号車のKATO製一般形サハ103-196と比較を行った。
サハ103-196はサハ103-212と同様車両更新工事施工車だがAU712冷房改造車で屋根板塗装を施した。
両車でどれだけの差が現れるか確認している。


サハ103-196,サハ103-212 (AU712冷房改造車,AU75冷房改造車)。

屋根板塗装色はマイクロエース製の方が濃い。
その代わりKATO製現行LOTベンチレーターとのコントラストが強く出ている。
α-model製AU75B(H1)冷房機はねずみ色1号で塗装するためAU712冷房機とは雰囲気が全く異なると予想される。
サハ103-196とは対照的な存在になり編成の個性は更に強くなると思われた。
ランボードもスマートな形状に改められマイクロエース製屋根板化を正式決定した。


部品嵌合具合の悪かったサハ103-212。

α-model製AU75B(H1)冷房機塗装の前に嵌合精度の悪い車体の修正へ手を着けた。
これが最悪の結果を招くとは思いもせず車体を分解している。
竣工時の記録でも各部品嵌合が固いとの記載があり種車由来の現象らしい。
屋根板撤去も行い難く整備性の向上を狙った。
ところが側面窓セルの取り外しから壁にぶつかっている。
片側で4箇所しか無い嵌合爪だが各々を浮かせても側面窓セルは引き出せないままだった。
方向を変えながらどうにか撤去できたものの車体から発した異音が気になった。


破断した幕板。

初めは原因が判らなかった。
しかし車体を撓ませると1-3位側の幕板に割れた箇所を発見した。
亀裂なら誤魔化せるが破断では対応する術が無い。
屋根板交換を目前にしてサハ103-212の車体は継続使用不能に陥ってしまった。
サハ103-212が離脱するとラシ305F-3の存続が難しくなる。
グリーンマックス製サハ103形での代替が浮かんだものの車体更新を選択した。


モハ102-188(ジャンク車両)。

折しもクハ103-272(ジャンク車両→クハ103-763)と同時にモハ102-188(黄色5号)が回着したばかりだった。
モハ102-188も打痕や傷の多いジャンク車両である。
導入名目は変則構造を持つサハ103形の床板廃止だった。
車体はサハ103-196若しくはサハ103-180(ラシ333F)の更新に活用する予定を組んでいた。
共に塗装変更車で車体の亀裂と言う不安要素を抱える。
しかしこの目論見通りには進まずサハ103-212の車体更新へ転用となった。
サハ103-212は工程を大幅に見直さざるを得ず作業は中断された。

側面行先表示器ステッカー交換だけで留めておけばサハ103-212は竣工していたと思われる。
少々欲張った結果重大な失策までに至った。
ラシ305F-3の入場名目を塗装変更車減少と考え仕切り直したい。

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