試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-47[Tc461] 動力ユニット整備 (モハ103-188[Tc54]用凸形動力ユニット復旧施工:発生品転用)

2020-01-24 23:59:54 | その他
複合。

保管品を組み合わせたKATO製103系一般形用凸形動力ユニットの再生に一区切りが付いた。
復活した凸形動力ユニットはモハ103-53(Tc743),モハ103-54(Tc773)へ仮搭載となり一連の作業を終えている。
だが手元には分解されたままのモハ103-188用,モハ103-1用動力ユニット部品が散らばっていた。


国鉄103系モハ103-188(Tc54:動力ユニット搭載車)。
※ジャンク車両。

当初モハ103-188,モハ103-1用動力ユニットは所要部品を抽出した後に破棄する予定だった。
だが復旧工程では離散した部品の選別に手間取り余計な時間を費やす羽目になった。
そこで部品毎ではなく動力ユニットの形態を保った保管方式へと改める事にした。
モハ103-188用動力ユニットは駆動系統部品を振り替えたのみに留まったため組み立てには労さなかった。
ところがモハ103-54へ台枠を譲ったモハ103-1用動力ユニットで身動きが取れなくなった。


入工中のモハ103-188用動力ユニット。

不動から抜け出せていないモハ103-188用動力ユニットだがモーターに不具合は無いと判明している。
ただ磨耗したDT33動力台車用ギアは回着時と変わっておらずジョイントも瑕疵品が廻された。
一方モハ103-1用動力ユニットは初期LOT品独自の構造から互換性を持たない部品を有する。
既に行き場を失った都合もありモハ103-188用動力ユニットへの部品集約が決定した。
結果次第ではモハ103-188用動力ユニットの復活へ繋がる可能性も低くないと思われた。


支持方式が異なるDT33動力台車 (モハ103-188用,モハ103-1用)。

最初期LOT動力ユニットは全長に渡る動軸押え部品を持つDT33動力台車が特徴的である。
カプラーポケットも動軸押え部品に組み込まれる構造とされ後期LOT品よりも部品数が多い。
だが一見した限りではギア類の基本構造はそのまま引き継がれたように映った。
モハ103-1用動力ユニットも不動品だったがギア類は予想より磨り減っていなかった。
先ずは車輪回転すらままならないモハ103-188用DT33動力台車の整備に着手した。


ビス固定式のモハ103-1用動軸押え部品(2エンド側用)。

初期LOT品DT33動力台車は台車枠裏面のビスで全体を固定する構造が採用された。
動軸押え部品の引掛部も凸形成形品とされDT33動力台車押え部品の転用も行えない。
よってモハ103-1用DT33動力台車周りからの発生品は動軸とギア類に限られる。
動力台車枠には嵌合爪が一切設けられておらず前途のビス締結を解くだけで分離出来る。
後はギア類を取り外すだけだったがカプラーポケットの構造がいまいち掴み切れなかった。


ばらばらになったカプラーポケット(モハ103-1用)。

動軸押え部品に内包されるカプラーポケットがギア類の撤去を阻害する。
痺れを切らし2-4位側の動軸押え部品を捻ったところカプラーポケットが吹き飛んでしまった。
この方法は少々強引過ぎたらしく大ギアまで同時に脱落している。
貴重な大ギアを破損させるとモハ103-188用DT33動力台車へ部品を集約する意義が失われてしまう。
そのため2エンド側DT33動力台車の先行整備と共にカプラーポケット構造を確かめる工程順へと変更した。


モハ103-188用DT33動力台車に組み込めたモハ103-1用ギア(2エンド側用)。

油脂汚れが際立ったモハ103-1用ギアであるがクリーナープールへの漬け込みで艶を取り戻した。
小ギアの状態もモハ103-188用を遥かに上回っていたためギア類全てが移設対象となった。
モハ103-188用動軸押え部品の流用は行わず別途整備を施した保管品へ交換している。
台車集電板は保管品との差が無いに等しくラプロス#2400にて研磨した。
口径が合致するか気掛かりだったモハ103-1用ギアだが抵抗もなく後期LOT品動軸押え部品に装着できた。


状態に格差が現れた部品類 (1エンド側用,2エンド側用)。

初期LOT品と後期LOT品はギア比も同一であり車輪回転の異常も発生していない。
2エンド側DT33動力台車の仕上げには踏面清掃が欠かせず一旦モハ103-188用動力ユニットを仮組立する。
なおジョイントは磨耗が伺えた発生品をラプロス#6000で整形した個体に頼った。
モハ103-53,モハ103-54では最後まで駆動試験が行えず不安を抱えながらの作業が続いた。
片軸駆動ではあるが途中経過を確認するには塩梅の良い機会になっている。


まさかの起用となったモハ103-1用モーター。

ギア交換が的中した模様で全く動かなかったモハ103-188用動力ユニットは踏面清掃を可能にする状況まで改善された。
ところがモーター回転が増加するに従い動力ユニットは軋み音を奏で始める。
悲鳴のような軋み音はモーター周りから発せられており瑕疵品を再用したジョイントが疑わしく思えた。
しかしどのジョイントを充てても全く同じ症状に至るため騒音源はモーターにあると突き止められた。
だがモハ103-188用台枠を流用する関係から小径モーターは起用できずモハ103-1用が転用となる。


ようやく理解できたカプラーポケット構造(モハ103-1用)。

1970年代に生産されたと思われるモハ103-1用モーターの経年は少なくとも約40年を越えているはずである。
そのため代替には向かないと承知の上で軸受部に注油を施し単独駆動試験へと移行した。
試験結果は良い意味で予想を裏切り経年の浅いモハ103-188用モーターをも凌ぐ性能を示してくれた。
これでモハ103-188用動力ユニットの復旧は1エンド側用DT33動力台車を整備するだけとなる。
カプラーポケット構造を確認するためモハ103-1用2エンド側DT33動力台車の組み立て後にギア交換を行った。




JR103系モハ103-47(Tc461:元サハ103-144 モハ103形編入,屋根板交換,動力ユニット搭載施工)。


JR103系モハ103-53(Tc743:凸形動力ユニット予備車)。


JR103系モハ103-54(Tc773:凸形動力ユニット予備車)。

駆動試験を兼ねた1エンド側用DT33動力台車の踏面清掃にてモハ103-188用動力ユニットは復活が確実になった。
但し金属製スパイラルギアが装着されておりモハ103-53,モハ103-54に比べ耐久性は劣ると思う。
よって緊急予備用が適任と言えダイキャストの黒色化は省略した。
なお車体は元サハ103-144(旧ラシ335F-2:Tc461)を転用しモハ103-47(Tc461)へ編入している。
凸形動力ユニット予備車は習志野区に在籍した車両から付番したが全て塗装変更車体のため単独で管理する方向である。

モハ103-54[Tc773] 動力ユニット整備 (モハ103-1[Tc1] 回着,KATO製凸形動力ユニット再生施工:発生品転用)

2020-01-23 23:55:16 | その他
古豪。

KATO製国鉄103系一般形は最終LOT品までクモハ103形,モハ103形非動力車が生産されなかった。
10両編成では3M7Tと出力過剰になるため一部車両の簡易非動力車化を行っている。
その多くはDT33動力台車用駆動系統部品とモーターを撤去する安直な方式が採用された。


国鉄103系モハ103-1(Tc1:動力ユニット搭載車)。
※ジャンク車両。

現存する凸形動力ユニット用部品の大半は簡易非動力車化施工車からの発生品である。
20年以上前に実施した簡易非動力車入場時には原形復帰が考慮されず駆動系統部品は破棄処分となった。
この影響が現在まで尾を引き保管品同士を組み合わせる凸形動力ユニットの復旧は行えなかった。
2015年3月の故障により非動力車されたモハ103-7(ラシ331F-1:MM'7)では初めて台枠以外の部品が保管品に廻された。
これが奏功し再起不能と思われた旧モハ103-7用動力ユニットは保管品の起用にて戦列復帰を果たしている。
まだ手持ち部品を活用した凸形動力ユニットの再生が可能に思えモハ103-1(Tc1:ジャンク車両)も部品捻出対象車となった。


入工中のモハ103-1

モハ103-1の導入名目は足踏み状態が続くKATO製一般形塗装変更車廃止用であった。
当然の如く動力ユニットは故障していたが更新種車の確保が難しく高経年車ながら投入に踏み切っている。
初期LOT品独特の黄色5号は折り込み済であり僚車が揃うまで措置保留とする予定だった。
計画よりモハ103-1は入場が前倒しされ新たな凸形動力ユニット再生に駆り出されている。
更新入場時に不要となる最初期LOT動力ユニットは部品取が前提とされた。
但し最終LOT動力ユニットとは一部構造が異なるため転用可能な部品は限られる。


アーノルトカプラーが残る元クモハ103-17用DT33動力台車(1エンド側用)。

KATO製一般形モハ103-53(Tc743)には整備済の旧モハ103-7用動力ユニット用部品を多数起用できた。
しかし今回の工程は長期間眠り続けた保管品を掻き集めるため何れも整備が必要となる。
その保管品だがばらばらで放置されていた状態に近く凸形動力ユニットへ充当する部品の選定から着手した。
複数あるDT33動力台車のうち台枠内部の汚れが最も少ない元クモハ103-17(Mc17)用を引き当てている。
元クモハ103-17は簡易非動力車化試作車であり未交換のアーノルトカプラーにその名残があった。
たが主要の駆動系統部品は小ギアしか残されておらずその状態も余り良くなかった。


寄せ集めた駆動系統部品(1エンド側用)。

油脂汚れが目立つ動軸押え部品及び小ギアはクリーナーに浸けた綿棒と歯ブラシで磨き直した。
車輪は流用する方向だったが1エンド側用,2エンド側用とも踏面が飴色に変色していた。
そのため通電性能の不安が拭えず失われた大ギア,台車集電板と共に保管品充当対象となっている。
但し使用期間が短かったためか動軸ギアの状態は良好であり車輪だけを振り替えた。
台車集電板は酸化や腐食が著しい個体で占められたためラプロス#2400にて研磨を行い真鍮色へ戻した。
ただ大ギアだけは簡易非動力車化時に部品を破棄した影響をまともに受け型崩れの少ない保管品で往なした。


整形したプラスチック製スパイラルギア(2エンド側用)。

状態が思わしくないDT33動力台車用大ギアはプラスチック製スパイラルギアの一択へと繋がる。
だがKATO製一般形クモハ103形,モハ103形の簡易非動力車化は主に金属製スパイラルギア装着車を施工対象とした。
そのためプラスチック製スパイラルギアは捻出数が少なくその後の補充も実現しないまま現在に至っていた。
手元に残る保管品は若干ギア山が崩れかけた個体が含まれており現状での再用には向いていない。
何処までDT33動力台車への負荷を軽減させられるか不明だがラプロス#8000での整形に踏み切った。
擦過痕こそ目立つものの体裁はそれなりに達しざらついた感触も伝わって来なくなった。


分解されたモハ103-1用動力ユニット。

ジョイントと導電棒はLOTが大幅に遡るモハ103-1用動力ユニットから転用する。
これまでに最初期LOT動力ユニットを分解した事例は元モハ103-1(旧ミツ6F:Tc93→モハ103-68:ミツ6F)のみに留まる。
簡易非動力車だった旧モハ103-1(旧ミツ6F)は2013年5月に非動力車化が実施された。
この際最初期LOT動力ユニットと最終LOT動力ユニットには数多くの共通項があると判明している。
駆動系統の構造には大きな変更が見られずジョイント,導電棒は同一品だと思われる。
よって離散した保管品を捜し当てるよりもよりも合理的なモハ103-1用動力ユニットの分解が選択された。


後期LOT品と同等になった駆動系統部品。

簡易非動力車は完全非動力車化やモハ102形,クハ103形,サハ103形への編入により姿を消した。
動力ユニットの組み立ては行われなかったが1両分だけモーターとダイキャストが一体で残されていた。
偶然にも小径モーターが装着されており再生を図る凸形動力ユニットの中枢に決定している。
動力ユニット整備施工車はダイキャストの黒色化が定番工程のためマッキーで塗り潰した。
そしてモーター軸受部に注油を施し取り揃えた駆動系統部品と組み合わせる。
最初期LOT動力ユニット用ジョイントは不都合無く収まり外観だけは最終LOT品とほぼ同格に達した。


色分けを採り入れたダイキャスト固定ビス。

モハ103-53(Tc743)には導電棒が存置されていた旧モハ103-110(ラシ319F:Tc463)用台枠を充てた。
今回引き当てた後期LOT用台枠は導電棒が撤去されており最初期LOT品の転用に至っている。
導電棒周りの設計は終始変更されなかった模様で全長に加え挿入方法まで最終LOT品と同一であった。
DT33動力台車押え部品(保管品)だけは殆ど経年劣化が見受けられず拭き上げのみで新品同様に戻せた。
なお2-4位側用ダイキャスト固定ビスは黒色仕上げのモハ103-1用を移設し1-3位側用と区分した。
下駄を持たない1-3位側用ビスはダイキャストから脱落し易く分解時の優先順位を明確化している。




JR103系モハ103-54(Tc773:元サハ103-94 モハ103形編入,屋根板交換,動力ユニット搭載施工)。


JR103系モハ103-53(Tc743:凸形動力ユニット予備車)。

そして組み上がった凸形動力ユニットだが本格的な駆動試験は初となる。
原形ではないDT33動力台車用大ギアや整形した2エンド側用スパイラルギアの相性に不安があった。
しかし心配は杞憂に終わり極低速域から高速域まで淀みない加減速を示してくれた。
これでモハ103-53(Tc743)に続き2台目となる凸形動力ユニットの復旧が実現した。
動力ユニットは車体転用計画のあるモハ103-1に代わり元サハ103-94(元ミツ6F)を編入したモハ103-54(Tc773)にて管理する。
旧モハ103-21(旧ラシ336F:Tc277)用動力ユニットを併せ予備品は3台体制となり当面は編成解除から逃れられると思う。

モハ103-53[Tc743] 動力ユニット整備 (モハ103-188[Tc54] 回着,旧モハ103-7用凸形動力ユニット復旧施工)

2020-01-22 23:51:10 | その他
覚醒。

KATO製国鉄103系一般形凸形動力ユニット搭載車は状態の良い個体と巡り会える機会が激減した。
現在の稼動車はモハ103-66(ミツ6F:Tc93),モハ103-43(ラシ334F:Tc295),モハ103-110(ラシ319F:Tc463)まで減少している。
だが予備用動力ユニットは元モハ103-21(旧ラシ336F:Tc277)から捻出した1両分しかなくその増強が課題になっていた。


国鉄103系モハ103-188(Tc54:動力ユニット搭載車)。
※ジャンク車両。

2016年10月~12月に掛けてモハ103-66,モハ103-43,モハ103-110は大規模な動力ユニット整備を受けている。
初整備から約3年3箇月が経過したが今のところ全車とも致命的な故障には見舞われていない。
だが元モハ103-21用動力ユニットだけでは編成維持が困難になると思われモハ103-188(Tc54:ジャンク車両)を導入した。
回着したモハ103-188は[動力不動]との記載があり当初から部品取を名目としている。
保管品には簡易非動力車化やサハ103形への編入で発生した凸形動力ユニット用部品が多数残されている。
但し全てが揃っている訳ではなく手持ち部品だけでの組み立ては行えない状況にあった。


入工中のモハ103-188(ジャンク車両)。

故障原因こそ不明ながらモハ103-188の投入により凸形動力ユニット用部品は一式が揃った。
取り敢えずモハ103-188用動力ユニットを分解し各部品の状態確認及び切り分けを進める。
このうち不具合が疑われる部品は適宜保管品に振替え症状改善まで持ち込む算段とした。
念のため駆動試験を行ったがやはり微動だにせず本格的な分解に取り掛かっている。
撤去したDT33動力台車はギア周りへの埃侵入量が異様に多く車輪回転を許さない状態だった。
ところが車輪が回転しない要因は埃ではなく型崩れしたギアそのものであった。


故障原因だったDT33動力台車 (モハ103-188用,元モハ103-21用)。

埃除去を終えたDT33動力台車だったが捲れ上がったギア山が露わになった。
比較に持ち出した元モハ103-21用DT33動力台車との違いは明らかでギア類の継続使用を断念した。
一方単独駆動試験の結果動力ユニット本体には全く問題が無いと判明する。
恐らくモハ103-188用DT33動力台車はギアの磨耗が進み推進力を伝えられない状態に陥っていたと思われる。
かつてKATO製一般形旧モハ103-7(旧ラシ331F:MM'7)もモハ103-188と同様の症状に襲われ走行不能となった。
度重なる故障に手を焼かされたモハ103-7(ラシ331F-1:MM'7)は保管品の激減もあり2015年3月付で非動力車化されている。


形状が異なるモーター (モハ103-188,旧モハ103-7用)。

手元に残る旧モハ103-7用DT33動力台車はギアが大きく磨り減っておりようやく故障の主因を特定出来た。
ただ旧モハ103-7用動力ユニットは使用停止直前まで適宜整備を施していたため状態の良い部品を保管品に廻していた。
よってこれ以降は状態に勝る旧モハ103-7用部品を中心とした凸形動力ユニットの再生へ転換される。
モーターの回転力は変わらなく映ったが外殻形状から経年が浅いと思われる旧モハ103-7用を選択した。
但しモハ103-188用モーターも緊急予備品に充てるため双方とも軸受部への注油を行っている。
ジョイントはモハ103-188用を転用しモーター周りの整備に一区切りが付いた。


部品を組み替えた動力ユニット (モハ103-188用,旧モハ103-7用)。

凸形動力ユニット用スパイラルギアは金属製とプラスチック製の二種類が存在する。
初期LOT品で用いられた金属製スパイラルギアはDT33動力台車用ギアを磨耗させる要因になると思われた。
そのためプラスチック製スパイラルギア(保管品)と振替えDT33動力台車の延命策を採っている。
旧モハ103-7用台枠は3pcs式モハ103形用床板擬に転用されたため現存していない。
代打にはモハ103-188用台枠を起用する予定だったがモーター支持部の成形が異なっていた。
小径モーターに適合する旧モハ103-110用台枠の再整備を行い旧モハ103-7用ダイキャストと嵌合させた。




JR103系モハ103-53(Tc743:元サハ103-97 モハ103形編入,屋根板交換,動力ユニット搭載施工)。

旧モハ103-7用DT33動力台車は1エンド側用,2エンド側用ともギアが崩れていたため保管品と交換している。
やはりDT33動力台車用ギアが不動の直接要因だったらしく整備を終えた動力ユニットの駆動試験結果は良好であった。
約4年10箇月振りの復活を果たした旧モハ103-7用動力ユニットは予備品として戦列に加わっている。
なお動力ユニット保管車には元サハ103-97(元ミツ6F)を抜擢しモハ103-53(Tc743)へ編入した。
ひとまず2両分の凸形動力ユニット(予備品)が確保されたが寄る年波には勝てないと思われる。
モハ103-188に加えモハ103-1(Tc1:ジャンク車両)も同時投入しており引き続き凸形動力ユニットの整備を続ける予定である。

グリーンマックス製TR-180床板 第二次床下操作式ライトスイッチ台枠試作(ライトスイッチ部品操作部追設施工)

2018-03-14 21:09:45 | その他
再登場。

グリーンマックス製TR-180床板の床下操作式ライトスイッチ化はもう一息の時点で中座した。
ところがモハ3191現行色前期仕様(3194F-1)の竣工直後に突然閃きがあった。
再度床下操作式ライトスイッチ台枠試作品の細工に取り掛かる。


床下操作式ライトスイッチ台枠試作品と加工用ライトスイッチ。

第一次試作ではライトスイッチ部品を反転させ床下側から切替を可能にしようとした。
床下操作式ライトスイッチ化対象は他編成との混結を行っていた京成3150形前尾灯点灯車である。
何れもTNカプラーSPを前進取付している。
試作品はTNカプラーSPマウントとライトスイッチ切替部が重なり合い操作不能に陥り続行を断念した。
ライトスイッチ切替部を移設すればTNカプラーSPマウントの下部に潜らないだろう。
ただライトスイッチ操作時の強度をどの様に確保するかが最大の課題となった。


裏面に追設したライトスイッチ操作部。

モハ3191の入場時にライトスイッチ部品の裏側へ操作部を設ければ床下操作式が実現すると思えた。
そこでグリーンマックス製京成3700形3708F現行仕様(1次車:3708F-2)で用途不要になったライトスイッチ部品を2枚用意した。
1枚はライトスイッチ操作部供出用とする。
ライトスイッチ操作部の切り出しはニッパーで行った。
出来るだけ接着面積を縮小するため断面は台形にしている。
収まりが読めず凸形成形部上下は切除した。
もう1枚のライトスイッチ部品裏側へ切り出した操作部を溶着する。
凸形成形部上下を切り落としておりライトスイッチ操作部はライトスイッチ部品の端に寄せられる。
これでTNカプラーSPマウントとの競合を防げると考えた。


入工中のモハ3194。

仕上がったライトスイッチ部品が機能するか現車確認を行う。
試験車は再びモハ3194(3194F-1)とした。
モハ3194用台枠は使用せず床下操作式ライトスイッチ台枠第一次試作品を用いる。
ライトスイッチ部品では製品仕様の方向が維持される。
よって台枠開削部周囲の平滑化は不要だと思われた。
あくまでライトスイッチの動作及び嵌合確認が主名目で試作品での試験を続ける。


開削部を延長した台枠。

台枠開削部は原形のライトスイッチ部品表面に合わせていた。
ライトスイッチ部品裏面の操作部は原形より偏位している。
そのためライトスイッチの可動範囲が狭くなってしまった。
不足する代は凸形成形部の約1箇所分だった。
現物合わせでライトスイッチスリットの全長を伸ばし操作部が全て収まるよう改めた。


再登場したモハ3194現行色VVVF制御化改造車。

座席部品と試作台枠を組合せ床板を組み上げる。
ビス締結後のライトスイッチは原形と変わらなかった。
前回試作では動きが渋くなる現象が生じた。
第二次試作品は基本構造が製品原型に近い。
床下側からの操作感も至ってスムーズだった。
モハ3194の車体と床板を嵌合させ点灯試験に入った。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:消灯(第二次試作台枠動作確認)。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:前照灯(第二次試作台枠漏光確認)。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:尾灯(第二次試作台枠漏光確認)。

再びVVVF制御化改造車となったモハ3194には第一次試作と同様両面テープでTNカプラーSPを取り付けた。
採用している前進取付方法とは異なる。
取付位置にも若干のずれがある。
点灯試験は開削部を延長したライトスイッチスリットからの漏光具合を把握するためのものである。
車体嵌合後もスイッチ操作は軽快さが維持された。
消灯,点灯に不具合は無く漏光も生じていない。
基本的には第二次試作の方法で床下操作式ライトスイッチ化が実現出来そうに思える。


後端部を切除したTNカプラーSPカバー。

但しTNカプラーSPマウントとライトスイッチ操作部の競合は防げなかった。
第一次試作品に比べ操作部は車体中央寄に移ったがまだ切替え出来ないままたった。
これ以上代を確保するのは難しい。
TNカプラーSPカバーの後端部を短縮し隙間から精密ドライバーをを差し込める空間を稼いでいる。


操作可能に見えるライトスイッチ。

導電板とライト基板集電脚が接触を保つ限界の位置までライトスイッチをON側に寄せた。
するとどうにか切替えを行えそうな位置に操作部が下りてきた。
この状態であればモハ3194用台枠を加工して良いかもしれない。

ただ前進取付したTNカプラーSPとの相性が判らない。
加工を終えても床下操作式ライトスイッチ化に至らない可能性は十分に残る。
幸い失敗しても漏光を招かない事実を点灯試験で確認できた。
見切り発車となるが2+4編成の休止解除へ向けモハ3194で第三次試作を行う。

グリーンマックス製TR-180床板 床下操作式ライトスイッチ台枠試作 ※試作継続:TNカプラーSP干渉対策再検討

2018-03-12 21:41:26 | その他
不完全。

グリーンマックス製京成3150形では点灯機構を持つ車両の4+2編成,2+4編成,4+4編成逆組成を休止している。
自身の取扱い方法にも問題があると思われるがTR-180床板用座席部品センターピン部の破損を招いた。
TR-180床板はライトスイッチが床板内側にあり分解を要するためセンターピン部に余計な負荷を掛けたと考えている。


京成3150形3182F 新赤電色+3194F 現行色 前期仕様。
3182F-2:[3182]-[3181]+[3194]-[3193]-[3192]-[3191]。
2+4編成:3182F-1+3194F-1。

組成休止となった2+4編成には3182F新赤電色(3182F-1),3194F現行色前期仕様(3194F-1)も含まれる。
各々4両編成を基本に上野寄へ非動力車の半ユニットを増結する2+4混色編成が組めた。
現在休止中だが行先表示類は何れも[B31 津田沼]を存置し2+4編成の復活へ向け各種検討していた。
混色編成は各々3182F-2(2+4編成),3194F-2(2+4編成)となり他形式でも再現出来ない。
後に増備した3174F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口(3174F-2)は4+2編成で補填には至らなかった。


3174F-2 (3174F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口)。

全てはTR-180床板のライトスイッチ操作が壁と言える。
どうにか床下側からの切替を可能にすべく部品取車から供出したTR-180床板用台枠での試作を行う。
原形のままではTNカプラーSPマウントとの競合が避けられない。
しかし3150形運転台付車はTNカプラーSPの前進取付を行っており多少猶予が生じると考えた。
ただ現車での試行に踏み切るには危険が多く保管品を起用した。


部品取車から持ち出した3700形M1車用台枠。

ライトスイッチの床板操作化を試行する台枠はビス締結へ変更された後の京成3700形塗装済キットが出自である。
基本構造は完成品のTR-180床板と同等で手を加えるには相応しい。
床下機器部品は強固に接着されておりこのまま転用は行えない。
先ずTR-180床板用台枠を加工しライトスイッチを反転可能にする。
現車確認で問題無ければ本格採用を検討する二段構えとした。


要開削部を罫書いた台枠。

床下操作化はライトスイッチを反転させる単純な発想である。
座席部品のライトスイッチスリットに相当する台枠へ同様の溝を設ける加工から開始した。
台枠と座席部品を重ねライトスイッチスリット部から台枠の切除を行う箇所に罫書きを行った。
Φ1.5mmのドリルで複数の孔を貫通させた後に開削している。
開削部周囲にはリブが残った。
切除するか迷ったがひとまず現状を維持させている。
この時点ではライトスイッチの動きに問題は無かった。


ライトスイッチスリットが新設された台枠。

グリーンマックス製導電板は持ち合わせておらず台枠加工予定のある3150形前尾灯点灯車から拝借する。
最終的に現車での動作確認を要する事から試作台枠は3150形の導電板及び座席部品との組み合わせに変更した。
試験車にはモハ3194(3194F-1)を抜擢している。
モハ3194は2+4編成組成時のライトスイッチ操作対象車だった。
ライトスイッチ部品組込試験を含め将来的にも都合が良い。
台枠以外はモハ3194装着部品を使用し製品仕様との差異を極力減らしている。


モハ3194現行色前期仕様(3194F-1)。

ところが試作台枠装着前に余計な作業が舞い込んでしまった。
3194Fは1stLOT品で台車集電板と導電板にはグリスが塗布されていないと思い込んでいた。
いざKS-116非動力台車を撤去すると集電板が重力に逆らった。
導電板は台車集電板との接触部に目立つ変色が生じており気になって仕方がない。
試験では通電系統の確認が伴うため先に台車集電板と導電板のグリス除去と研磨を行った。


入工中のモハ3194。

各々の研磨を終え通電系統には瑕疵が無くなった。
早速試作台枠と座席部品の嵌合に取り掛かる。
ライトスイッチは位置を変更せずに反転させ凸形の操作部を床下側に向けた。
そしてKS-116非動力台車のビス締結を行っている。
上野寄,成田寄共に最後まで締結出来た。
しかし運転台側座席部品は僅かに浮き上がりが生じた。
台枠ライトスイッチスリット周囲のリブは切除した方が良いかもしれない。


床下側に移ったライトスイッチ操作部。

リブ存置の影響からかライトスイッチの動きも渋くなった。
ビス締結により座席部品の押圧を受けたと思われる。
取り敢えずスイッチ操作は可能だった。
現車確認を進めるためこのまま作業を続行した。
極力モハ3194用台枠の現状に近付ける。
前進取付を施したTNカプラーSPの代わりに加工失敗品を両面テープで貼り付けた。
現物合わせを廃止した直後であり仮設のTNカプラーSPの位置は容易に決められた。


両面テープで固定した加工失敗品のTNカプラーSP。

加工に失敗したTNカプラーSPは原形のマウント形状に近い。
台枠のライトスイッチ操作部との競合を確認するには十分だった。
しかしその結果は凶と出た。
既に2箇所ある凸形の操作部は半分がTNカプラーSPマウントに覆われている。
非点灯から点灯への切替えは可能な一方でその逆は難しいと判ってしまった。




VVVF制御化改造車となったモハ3194。

まだ確認項目にはライトスイッチスリット開削による漏光状況把握が残っている。
漏光次第によっては座席部品の一部を埋め込まなければならない。
試作台枠で取り入れた工法の正式採用は不可能である。
ただ新たな対策を要する追求を行う。
点灯試験のために組み上げたモハ3194はVVVF制御化改造車の様な出で立ちに変わった。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:消灯(試作台枠動作確認)。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:前照灯(試作台枠漏光確認)。


モハ3194 点灯試験[B31 津田沼]:尾灯(試作台枠漏光確認)。

点灯試験はライトスイッチが働くかの確認から開始した。
上下反転しただけのライトスイッチでも絶縁に至っている。
基本的な考え方は間違っていないようだった。
続いてライトスイッチを点灯に切替え漏光具合を確かめる。
予想に反し前照灯,尾灯に点灯関わらず全く漏光しなかった。
根本的な弱点を抱えるもののこの2点だけは収穫になっている。


ライトスイッチスリット周囲のリブを切除した台枠。

点灯試験が終わり次第モハ3194を原形に復する予定だった。
しかし明らかになった問題点を少しでも解消したい。
計画を変更し台枠ライトスイッチスリット周囲に残るリブを取り除きスイッチの動作改善を狙った。
リブはクラフトナイフで大雑把に欠き取り#400のペーパーで平滑に近付けている。
空振りに終わった試作台枠ではこの程度の処理で十分である。
本格採用時にもっと丁寧に仕上げるのは言うまでもない。


押し出しが解消された運転台側床板。

ライトスイッチスリット周囲の平滑化で座席部品の浮き上がりは生じなくなった。
従って運転台側床板の張り出しも抑えられている。
しかし渋い動きのライトスイッチは相変わらずだった。
スイッチ操作には支障しないがライト基板の集電スプリングを傷める可能性がある。
今後の課題はライトスイッチ部品に集約された。


ライトスイッチを再反転させたモハ3194用床板。

床下操作式ライトスイッチ化は惜しいところまで進められた。
スイッチ操作の渋さはどうにかなると思う。
しかしTNカプラーSPマウントとの競合は解決策が見当たらない。
前進取付を採用している関係でマウント後端部を短縮出来るTNカプラーSP擬3化は強度に不安がある。
しかも復心スプリング固定都合により連結器部品が下方向を向くため先頭車には使用し難い。
あと一歩が足りない状態で試行は中断となった。


抵抗制御車に復帰したモハ3194。

試作台枠は今後も試行に供される。
ライトスイッチ操作部とTNカプラーSPマウントの競合を防ぐ妙案が浮かぶまでは保管品とする。
今回は失敗でも成功でもない珍しい結果となった。
ライトスイッチ部品は大量に予備品を抱えており加工の各種試行が行える。
モハ3194VVVF制御化改造車の再出現は床下操作式ライトスイッチの完成形が見えた時になるだろう。

グリーンマックス製FS-329C動力台車側梁コアレスモーター搭載動力ユニット用台車枠転用施工,TNカプラーSP化

2017-10-02 21:43:10 | その他
本施工。

グリーンマックス製京成3150形向けのコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠製作はKS-116動力台車で一定の答を得た。
これで2個モーター搭載動力ユニット用動力台車でも台車枠化が行える目途が立っている。
しかし動力ユニット更新予定のモハ3172現行色前期仕様(3174F-1)はFS-329Cであり再度加工に挑む。


京成3150形モハ3172 現行色 前期仕様(3174F-1:動力車)。

軸箱支持方式はKS-116:ウイングバネ式,FS-329C:軸バネ式で各々で異なっている。
両台車では軸箱部成形が違うためFS-329C動力台車でも上手く行くか判らなかった。
しかもFS-329Cは非動力台車の保管品さえ無く一発勝負となる。
モハ3160現行色晩年仕様(3162F-5)で前例のあったKS-116動力台車加工とは環境が大きく違った。
失敗は許されず仕切り直して作業に取り掛かっている。


モハ3172から撤去した2個モーター搭載動力ユニットと分売品のコアレスモーター搭載動力ユニット。

FS-329C動力台車の動力台車枠化は側梁切り出しまでKS-116動力台車の加工に倣う。
元モハ3160用2個モーター搭載動力ユニットはTNカプラーSP擬対応化されており分解が容易だった。
しかしまだアーノルトカプラーのまま存置されていたFS-329C動力台車は嵌合爪が硬い。
そのため車体中央寄の嵌合爪を偏位させ集電板を斜めにしながら撤去している。
この時点ではまだ後戻り出来た。
問題はピボット軸受を設ける箇所に余裕があるかだった。
軸箱周りの成形を見る限りではΦ1.5mmの軸受を開けても支障しないと思えた。
更に軸受径を2.0mmに拡大しても十分な剛性を保てると判断し作業を続行している。




分解したFS-329C動力台車。

嵌合爪部と側梁部の成形はKS-116動力台車と変わらずコ字形の接合だった。
この成形は2個モーター搭載動力ユニット用動力台車で共通化されているのかもしれない。
接合部は三方からニッパーで切断している。
側梁裏面を上方から見て軸箱と下揺れ枕が平行になる程度まで切断面を均した。
ここはKS-116で先行試作を行った成果が出た。
平滑化に集中しその他の箇所には全く手を着けていない。
但しFS-329Cは構造都合で枕バネ付近の型抜き成形が多い。
このうち一箇所は整形部の直近にある。
切断面を均す際に型抜き部を埋めないよう注意を払った。


側梁を切り出したFS-329C。

FS-329Cは点対称構造で台車装着時にボルスタアンカの向きを注意しなくて済む。
線対称構造のKS-116では取付方向を何度も確認した。
事前に上野寄,成田寄の組合せを仕分ける必要が無くピボット軸受開孔に取り掛かった。
軸受は軸箱中央裏面を中心とする予定だった。
ところがFS-329Cの側梁裏面には都合良く点状の凹みがあった。
これを基準にΦ1.5mmのドリルでピボット軸受を設けた。
しかしこの方式は安直過ぎた模様でKS-116に比べその位置が高くなった気がした。


側梁裏面凹部を中心に開孔したピボット軸受。

ひとまずピボット軸受の細工は1枠だけに留めた。
ここでコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車と仮合わせを行った。
やはり軸受は若干上方へ偏位しており車輪との位置関係が今一つしっくり来ない。
輪心黒色化を済ませていない影響も考えられた。
ただ装着後に再加工を行うのは手間である。
台車枠位置調整代も稼げておらず先に軸受を下方へ拡大した。
約1.5mmの軸受幅を保ったままクラフトナイフで抉り楕円形に修正している。


軸受修正に繋がった台車枠仮合わせ。

側梁の軸受位置を決定しない事には先に進めない。
ここでコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車のTNカプラーSP対応化を行った。
従来方式のままロアフレームからカプラーポケットを撤去した。
FS-329C台車枠取付は1箇所さえ決まれば他は追随するだけとなる。
この後上野寄海側の動軸のみ輪心黒色化を施した。
早急に軸受基準を定めFS-329C台車枠の細工方法を確定させる。


TNカプラーSP対応化を図ったコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車 (上野寄,成田寄)。

FS-329Cの型抜きを考慮しコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車の集電板表面は全て黒色化した。
真鍮色が台車の隙間から見えると締まりに欠ける。
試作したコアレスモーター搭載動力ユニット用KS-116動力台車枠は当初FS-329Cへの交換を考えていた。
同様の措置を施しており本施工でも踏襲している。
早速ピボット軸受を設けたFS-329C動力台車枠の試着に入った。
試験箇所は上野寄海側のみである。
ゴム系接着剤による3点止めもKS-116動力台車枠に倣った。
微調整が利くうちに車体を嵌合させFS-329C非動力台車と比較した。


固定位置検討中のFS-329C動力台車枠 (モハ3174+モハ3173:非動力台車+動力台車)。

コアレスモーター搭載動力ユニットへ換装すると車体高が僅かに上がるお釣りが付いてくる。
よって非動力台車と車体裾の両方でバランスを取る必要があった。
何度か位置を変更し納得の行く場所を追求している。
その結果KS-116動力台車枠と同位置で構わないと判った。
上記都合で車体裾と台車側受の間隔は非動力車より広くなった。
但し俯瞰が多い上に転用台枠自体もやや張り出し気味となる。
車体裾との位置関係は十分に誤魔化せると思われる。


KS-116と変わらなかったFS-329動力台車枠取付位置。

結局FS-329C動力台車の台車枠転用も非動力台車枠転用と変わらなくなった。
グリーンマックス製京成形式では3150形:KS-116,3400形:FS-383,3700形:FS-547(047)で動力台車枠転用を行ってきた。
何れも取付位置は変わらず2個モーター搭載動力ユニット用動力台車でも差異は殆ど無いらしい。
試験装着結果を基に残り3枠へのピボット軸受開孔を施した。
台車枠裏面の凹部は基準になり得ないと判ったため現物合わせでドリルを当てている。
凹部を活用するのであればΦ2.0mmのドリルで構わないと思われる。
上野寄山側台車枠,成田寄台車各々へFS-329C動力台車枠を接着し固着を待った。


完成したコアレスモーター搭載動力ユニット用FS-329C動力台車(成田寄)。

動力台車枠は目分量で接着している。
そのため各側梁毎に若干位置がずれてしまう。
この差を極力小さくするため下揺れ枕と動力台車枠取付台座の下部を目安にした。
それでも作業誤差が生じるのは致し方ない。
やはり動力台車枠を加工するより非動力台車枠を転用した方が有利に思える。
モハ3172ではFS-329C非動力台車が手に入れられず止むを得ない措置だった。
今後の動力台車枠転用は窮余の策に限られるだろう。


京成3150形用コアレスモーター搭載動力ユニット (KS-116,FS-329C)。

失敗出来ない環境の下だったがFS-329C付コアレスモーター搭載動力ユニットが完成した。
KS-116動力台車での試作を挟んだ事でピボット軸受開孔の抵抗が薄れたのは確かである。
二段階を踏んだ手順は結果的に正解だった。
なお試作品のKS-116付コアレスモーター搭載動力ユニットは当初の予定を変更し存置された。
その結果KS-116を履く3150形のうち1編成だけ動力ユニット更新が可能になった。
更新候補車両は以下の3両に絞られる。

◆モハ3156新赤電色(3158F-1)。
◆モハ3192現行色前期仕様(3194F)。
◆千葉急行3150形モハ3152(3154F-1)。

KS-116を履くモハ3152千葉急行色(3154F-2)は台車色を灰色へ塗装したため対象外となった。
更新には2個モーター搭載動力ユニットの調子も鍵を握る。
3両のうちモハ3156は3190F新赤電色(3190F-1)との4+4編成,4+2編成を組む際に中核を担う。
動力ユニットへの負荷は他2両に比べ大きく筆頭候補である。
2個モーター搭載動力ユニットの調子次第では保管品を含め振替も検討する。
また3162F-5から捻出されたKS-116サックスブルー成形台車も2両分が残っている
何れは3150形全編成のコアレスモーター搭載動力ユニット統一を図りたい。
そのためにはFS-329C非動力台車の確保が重要課題となる。


更新準備を終えた動力ユニット(モハ3172用)。

無事FS-329C動力台車のコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化を終えた。
最大の山は越えたもののモハ3172の竣工には床下機器部品移設を要しまだ壁が残る。
一応モハ3160の動力ユニット更新過程に準ずる。
しかし時間の経過で予期しない症状が出たため一部施工を改める予定である。

グリーンマックス製KS-116動力台車側梁コアレスモーター搭載動力ユニット用台車枠転用試行,TNカプラーSP化

2017-10-01 21:30:01 | その他
初挑戦。

グリーンマックス製京成3150形3174F現行色前期仕様(3174F-1)はモハ3172の第二次整備を残すだけになった。
コアレスモーター搭載動力ユニットへの更新に未練があったが出場を優先した。
しかし入場前に行った走行試験の結果が余りに酷過ぎ事態の急展開に繋がっている。


京成3150形モハ3172 現行色 前期仕様(3174F-1:動力車)。

モハ3172は2個モーター搭載動力ユニット装着車である。
コアレスモーター搭載動力ユニット登場まではグリーンマックス製の主力だった。
ところがモーターの協調が芳しくない個体が存在する。
運悪くモハ3172はこれに相当し加速度が極端に低かった。
モーター同士が互いに抵抗となり加減速を阻む様な感じである。
この状態では他編成に比べ性能が大きく劣るため動力ユニット交換を考えた。
当初はモハ3160現行色晩年仕様(3162F-5)から捻出された2個モーター搭載動力ユニットを転用する予定だった。
しかし保管品の動力ユニットへ交換するには床下機器部品移設やTNカプラーSP擬3の製作を伴う。
同じ手間を掛けるならコアレスモーター搭載動力ユニット化が有利に思えた。
取り敢えず今まで見送ってきた2個モーター搭載動力ユニット用動力台車の動力台車枠化に挑む。


用意したKS-116付2個モーター搭載動力ユニットとコアレスモーター搭載動力ユニット (元モハ3160用,分売品)。

モハ3172はFS-329Cを履くが3150形に相応しい2個モーター搭載動力ユニットの保管品は生憎KS-116しか手持ちが無かった。
2個モーター搭載動力ユニット用動力台車の構造は同一である。
先ずはKS-116動力台車でコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化を試行する。
KS-116動力台車はTNカプラーSP擬対応化時に分解しており嵌合構造は掴めていた。
活用するのは台車側梁のみで原形は維持されなくなる。
よって台車側梁を破損させない事を重点に置いた。


集電板撤去中のKS-116動力台車(上野寄)。

KS-116動力台車の分解は集電板の前後を挟む嵌合爪を歪ませるだけで良い。
嵌合爪部は不要となるため両側とも内側へ偏位させた。
都合4箇所で固定されていた集電板は上方へ引き抜ける。
ギア類も集電板に取り付けられておりロアフレームに残ったのは動軸のみとなった。
動軸は集電板に抑えられるだけの構造でKS-116動力台車の分解はあっさり終了している。


分解されたKS-116動力台車(上野寄)。

この構造がコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化を見送る要因だった。
側梁にピボット軸受が存在せず新たに設けなければならない。
いきなりFS-329動力台車を動力台車枠化するのは技量都合でリスクが高かった。
一度KS-116動力台車で試作し上手く行けばモハ3172の動力ユニット更新を行う。
失敗した場合には元モハ3160用2個モーター搭載動力ユニットと交換する二段構えとした。


側梁を切り出したKS-116台車枠。

KS-116動力台車枠はロアフレームとの一体成形品である。
ロアフレームと側梁の成形部はコ字形で各々ニッパーで切断した。
切断部の仕上げは凸部を平滑化する程度で留めた。
コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車へはゴム系接着剤で固定する。
鑢等で薄くすると張力が作用し安定度を欠く恐れがある。
そのため非動力台車転用時とは異なり裏面のペーパー掛けは施していない。


ピボット軸受を設けた側梁。

側梁に設けるピボット軸受位置はKS-116非動力台車を参考にした。
動力ユニット更新を行ったモハ3160の施工例に準拠したい。
極力軸受を非動力台車に合わせ作業の簡略化を狙った。
軸受径は軸箱中央裏面を基準にややゆとりを持たせ1.5mmとした。
深さは約1mmである。
動力台車枠の側梁は非動力台車枠とほぼ同じ厚みでドリルが貫通する心配は無かった。
念のため側梁軸受開孔後に現物合わせを行っている。
上記の値で問題無い事を確認し残る3枠も同様に加工した。


カプラーポケットを撤去したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(上野寄)。

グリーンマックス製京成3150形は全編成でTNカプラーSP及びTNカプラーSP擬を採用している。
試作のコアレスモーター搭載動力ユニットもTNカプラーSP対応化が必要になった。
これまでグリーンマックス製京成3400形,3700形の動力ユニット更新を進めてきた。
よってコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP対応化は手慣れたものである。
但し3150形では輪心黒色化も工程に加えている。
2個モーター搭載動力ユニット用動力台車では分解が手間で見送っていた。
コアレスモーター搭載動力ユニット分売品は輪心へ色が挿し易く側梁取付前に黒色化を図った。


一部を黒色化した集電板(上野寄)。

コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車は構造上集電板が側面から目立ち易くなる。
側梁で覆えない箇所をマッキーで塗り潰した。
これはモハ3160の動力ユニット更新時に判明し先手を打った。
なおFS-329Cへの転用を考慮し集電板塗り潰し面積はモハ3160より広く取っている。
これでコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車への加工は終了となり側梁の取付へと移る。


KS-116台車枠を取り付けたコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(成田寄)。

非動力台車を転用したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠は軸受が取付目安だった。
しかし加工誤差を吸収する目的で敢えて軸受径を大きくした。
よって軸受は当てにならない。
そこでモハ3160のKS-116を目安に動力台車中央の台車枠取付台座を基準とした。
KS-116では通用するがFS-329Cでは都度非動力車との比較が必要になるだろう。
なおゴム系接着剤は両側軸受部と台車枠取付台座の3点へ塗布し安定度を高めている。


完成したKS-116動力台車 (動力台車枠転用品,非動力台車枠転用品:モハ3160用)。

上野寄,成田寄共に側梁の取付を終えた。
試作品の第一印象は悪くない。
3150形では3162F-5が唯一の動力ユニット更新編成である。
3162F-5はKS-116を灰色成形品に変更しており完成したKS-116動力台車とは雰囲気が異なる。
成形色のせいかサックスブルー成形色のKS-116動力台車は側梁が厚く見えた。
実寸は殆ど同じで単なる錯覚だったらしい。


TNカプラーSP化されたコアレスモーター搭載動力ユニット。

側梁の固着を待つ間にTNカプラーSPを装着した。
KS-116ではあるものの動力台車転用によるコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠試作を終えた。
動力ユニット単体では完成形に見える。
しかし車体へ装着しないと最終判断が出来ない。
3174F-1とプロトタイプの近い3194F現行色前期仕様(3194F)で確認を行った。
3194FはKS-116を履く上にサックスブルー成形色を維持している。
モハ3192は2個モーター搭載動力ユニット装着車で相対するモハ3193へ試作品を取り付けた。


モハ3193+モハ3192 (3194F:コアレスモーター搭載動力ユニット装着車+2個モーター搭載動力ユニット装着車)。

モハ3193を見ると相変わらず車体高が僅かに上がる癖が出ている。
一方KS-116動力台車は上手く収まったと思う。
この状態であればFS-329C動力台車もコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠転用が可能と予想する。
思わぬモハ3172の2個モーター搭載動力ユニット不調が呼んだ細工だった。
進んで着手した訳ではなかったが一応成功例として扱いたい。

今回の結果を受けモハ3172は動力ユニット更新が決定した。
ただせっかく取付けたKS-116台車枠を撤去するのが惜しくなった。
幸いコアレスモーター搭載動力ユニットは3700形3706元登場時仕様(元3708F)向けに増台していた。
離脱中の元3708Fは復帰が足踏み状態にあるためこれをモハ3172用に充当したい。

TNカプラーSP原形復旧施工(前進取付加工失敗品) ※TNカプラーSPマウント交換

2017-07-26 21:39:03 | その他
戦列復帰。

東京地下鉄05系40F前期仕様のTNカプラーSP化は全車前進取付にて対応した。
作業過程で前進取付対応化に失敗したTNカプラーSPを3器生じさせてしまった。
灰色成形品のTNカプラーSPは予備品に限りがあるため復旧に取り掛かった。


前進取付対応化を誤ったTNカプラーSP (密着式,密着自動式,密着自動式)。

何れもTNカプラーSPマウントの取付部加工を失敗したものである。
密着式は取付部を千鳥配置にしてしまい今後の安定装着が望めなくなった。
密着自動式はマウントの前進取付加工自体に問題は無い。
しかし所要のTNカプラーSPは密着式だったため予備品としての性格を失った。
幸いマウント以外に加工箇所は無く部品交換を行えば原形に戻せる。


復旧に着手した密着自動式TNカプラーSP。

かつてTNカプラーSP擬製作時等に発生したTNカプラーSPマウントを予備部品として保管しておいた。
途中からTNカプラーSP擬とSPフレームTNダミーカプラーを並行して組み上げた。
最終的にTNカプラーSPを加工するTNカプラーSP擬3に改めており最近の発生品ではない。
何れも復心スプリングを伸ばしてしまい代打で起用されたTNカプラーSPの残骸だと思われる。
数年前の余剰部品を廃棄しなかった事が加工に失敗したTNカプラーSPの修繕を可能にしてくれた。


保管品マウントに引き掛けた復心スプリング。

復旧は作業の行いやすい密着自動式TNカプラーSPから開始した。
密着自動式は連結器部品に復心スプリングが挟まる構造をしている。
そのため復心スプリングのマウント装着がし易い。
加えて3器のうち2器が密着自動式だったため先に手を着けた。
復心スプリングを連結器部品ごとマウント後部のスプリングフックへ引き掛ける。
後はカバー装着だけで通常のTNカプラーSP同等になる。


復旧した密着自動式TNカプラーSP。

カバー装着時は連結器可動範囲に支障させないよう気を付ける。
少しでも位置がずれると連結器がロックされてしまう。
僅かに連結器部を手前に引き出しその位置を保ちながらカバーを取り付けた。
最後に復心機構が正常に機能するか試験を行った。


連結試験中の密着自動式TNカプラーSP (再生品+再生品)。

先ず再生したTNカプラーSP単体で連結器が中央に戻るか確かめた。
カバー装着時の連結器引き出し具合では復心スプリングを伸ばしてしまう恐れがある。
実際JC6359を湾曲胴受密着式TNカプラーSPへ加工した際に数個のTNカプラーSPを駄目にした。
復心スプリングが伸びると脱線に繋がるため何度も復心試験を行っている。
その結果2器とも問題無く稼働してくれた。
次に連結試験を行った。
カプラー単体での異常は見当たらなかったが念のため確認項目に追加している。
連結器部の不都合は無かった模様で密着自動式TNカプラーSPは2器とも復活に至った。


単体の復心スプリングが厄介な密着式TNカプラーSP。

密着式TNカプラーSPの加工は1器だけ失敗した。
密着式は連結器側の復心スプリング固定が引掛式で密着自動式より手間を要する。
密着式も密着自動式と同一にしないところは不可解だが仕様上仕方がない。
復心スプリングを伸ばすと使い物にならなくなるため作業は慎重に行った。


マウントに引き掛けた復心スプリング単体。

これまでは密着自動式に倣い連結器の引き掛け部へ復心スプリングを留めてからマウントへ装着してきた。
何度も復心スプリング装着に失敗したため今回から方法を改めた。
先にTNカプラーSPマウント後端の引き掛け部へ復心スプリングだけを引き掛ける。
マウントを反転させると復心スプリングは垂直方向に立ってくれる。
復心スプリングが落ちないようマウント後部を支えつつ連結器の引き掛け部を探った。


連結器部に引き掛けられた復心スプリング。

ここで少々時間を割かれたものの何とか連結器引き掛け部に復心スプリングが嵌まってくれた。
この状態を維持しないと復心スプリングはあっさり外れてしまう。
僅かに張力を与えカプラーマウントを再反転させた。
ここからの作業は密着自動式と同様である。
連結器部を必要最低限だけ引き出しカバーを装着した。


復旧した密着式TNカプラーSP。

密着式TNカプラーSPも復心機構の作動状態を確認した。
復心スプリングの固定方式が異なるためカバー装着時に脱落する可能性があった。
多少の不安があったが密着式TNカプラーSPの再生も無事に終えられている。
連結試験は予備品と行った。
特に引き掛かり等は無くこのまま使用出来るだろう。


連結試験中の密着式TNカプラーSP (再生品+予備品)。

無事3器のTNカプラーSP復旧を終えた。
なおカバーは流用したため失敗品の目印だった品番刻印部のマッキーによる塗り潰しが残る。
外観からは伺えない箇所であり敢えて除去や交換は行わなかった。
予備品の少ない灰色成形品TNカプラーSPはどうしても数量を確保したかった。
保管しておいた余剰部品のお陰で損失を防げたと言える。
やはり使用可能な部品は例え用途不要に思えても保管しておいた方が良いと思う。


再生されたTNカプラーSP (密着式,密着自動式,密着自動式)。

マウント交換で捻出された加工失敗品のうち2器分は前進取付対応済である。
導入編成次第では前進取付を再び採用するかもしれない。
今後の転用に備え保管品に廻している。


再起を待つ前進取付対応化済TNカプラーSPマウント。

取付部が千鳥になった失敗品は一度破棄しようと思った。
しかし遠慮なくマウントに手を加えられる利点に気付いた。
採用車こそ少数派に留まるがゴム系接着剤+ビス固定式には打ってつけである。
前進取付対応済マウントより登板機会は限られると思う。
何年後か分からないが突然の出番がやって来るかもしれない。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬製作 ※復心機構コイルバネ化,KATO製クハ103形用配管追設:発生品再加工

2017-06-08 21:17:29 | その他
試験終了。

TOMIX製103系旧製品クハ103-774(ラシ337F-4:廃車)の車体振替時に銀河モデルマウントTNカプラーを採用した。
KATO製旧クハ103-786(元ラシ333F)を中間組込車とするため銀河モデル製TNアダプター(3D-022)を用い代替している。
その後KATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬試作品へ交換し連結試験を続けていた。


JR103系クハ103-774(ラシ337F-4)。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬へ変更してから約1箇月が経とうとしている。
クハ103-774と連結するTOMIX製旧製品クハ103-373(ラシ337F-3)はTNカプラーSPが装着済だった。
TNカプラーSPとの相性は悪くないようで銀河モデルマウントTNカプラーで生じた脱線は招いていない。
この調子なら銀河モデルマウントTNカプラーSP擬同士の連結も耐えられると考えた。
クハ103-373の車両振替を前提にKATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬をもう一器製作する。


クハ103-774+クハ103-373 (KATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬+TNカプラーSP)。

クハ103-774で試用中の銀河モデルマウントTNカプラーSP擬は銀河モデルマウントTNカプラーと交換した。
その際に捻出された銀河モデルマウントTNカプラーの復心機構をコイルバネ化する。
これは新たな銀河モデル製TNアダプターを準備しなくて済むように先手を打ったものだった。
当然グリーンマックス製クハ103-576(ラシ337F-3)に見附を近付けるためKATO製配管を追設する。
配管追設は予定外だったが復心機構コイルバネ化の際に作業領域を狭める可能性があり逆に都合が良かった。


TNカプラーSP,銀河モデルマウントTNカプラー,KATO製クハ103形用ダミーカプラー。

銀河モデルマウントTNカプラーの復心機構コイルバネ化に絡む部品は試作品と同様である。
但し密着式TNカプラーSP用の連結器部発生品が見当たらず予備品を持ち出した。
分解するため一番白濁の激しい個体を抽出している。
KATO製クハ103形用ダミーカプラーはTOMIX製旧製品クハ103-292(ツヌ326F)からの発生品で嵌合爪が撤去されていた。
ゴム系接着剤の痕が残るがこの箇所は使用しないため問題は無い。


嵌合だけに頼っていた銀河モデル製TNアダプター。

銀河モデルマウントTNカプラー製作は指示書通りに組み立てた。
しかしどの様な展開が待ち受けているか読めなかった。
そのためTNアダプターはTNカプラーロアフレームとの嵌合だけに留めていた。
これが奏功し再分解は労することなく終えている。
先ずTNカプラーロアフレームの線バネステーへ復心スプリングを取り付ける。
復心機構コイルバネ化で一番重要かつ丁寧な作業が要求される。
輪状の復心スプリング端部は線バネステーより径が小さい。
ここでスプリングを伸ばすと使い物にならなくなるため無理せず十分に時間を割いた。


復心スプリングを装着したTNカプラーロアフレーム。

試作品は強引に通しただけで工夫の欠片も無かった。
たまたま成功した結果であり改めて取付方法を練り直した。
第一関門は線バネステーの円形モールド部である。
ここはピンセットでスプリングの左右を交互に押し込みながら通過させた。
第二関門は枕木方向に伸びる線バネ抑え部をどの様に乗り越えるかだった。
ピンセットでは微調整が利かずニードルに持ち替えた。
片側の張り出しを先に通し反対側を少しずつ伸ばしていく。
輪状部の反力を残さなければならない。
復心スプリングの先端が見えた瞬間にニードルを捌き張り出しを乗り越えさせた。
結果反力の減衰を防ぎつつTNカプラーロアフレームへの復心スプリング取付を無事に終えた。


ジャンパ連結器モールドを切除したTNカプラーロアフレーム。

ここでKATO製配管追設準備を忘れた事に気付いた。
幸い復心スプリングはそう簡単には脱落しない位置にある。
一応注意を払いながらTNカプラーロアフレームのジャンパ連結器モールドを撤去した。
クハ103-774ではTNアダプター取付後に配管を追設したため平刃で慎重に切り落とした。
TNカプラーロアフレーム単体であれば加工は容易でニッパーにて切断している。
注意点は誤って嵌合爪を切除しないこと程度だろう。


完成した銀河モデルマウントTNカプラーSP擬。

次は連結器とTNカプラーロアフレームの組付である。
密着式TNカプラーSP用連結器端部の復心スプリング固定は比較的短い引掛爪になっている。
そのため爪角度と違う方向からの入力に耐えられない。
試作品よりも復心スプリングの脱落回数が多く苦戦を強いられた。
そこで全ての天地を浦返し引掛爪に復心スプリングが残る状態を保ったまま連結器を僅かに引き出した。
引き出した連結器を押えながら再び反転させ引掛爪からの復心スプリング脱落を防いでいる。
最後にTNカプラーロアフレーム嵌合爪部にゴム系接着剤を塗布しTNアダプターを取り付けた。
今回は再々分解を考えておらず完全固定させている。


KATO製クハ103形用ダミーカプラーから切り出した配管部。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬としては完成を迎えた。
TNカプラーSPとの連結であればこの形態でも十分だと思われる。
前途の通りクハ103-576と見附を合わせる必要があった。
試作品に続きKATO製配管を追設しKATO製配管付TNカプラーSPの見附に極力近付ける。
KATO製クハ103形用ダミーカプラーはATS-B形車上子から配管側しか使用しない。
胴受と一体成形されたATS-B形車上子部の切り出しには十分注意を払った。
なお天面はジャンパ連結器と同じ厚さまで短縮している。


仮装着した銀河モデルマウントTNカプラーSP擬。

両側配管の切り出しを終え銀河モデルマウントTNカプラーSP擬への取付に入った。
配管追設は現物合わせになるため休車中の旧クハ103-773(元ラシ333F)を活用する。
旧クハ103-773はクハ103-373の車両振替用種車筆頭候補で都合が良かった。
まだ床板が中間組込対応化されておらず銀河モデルマウントTNカプラーSP擬は爪嵌合のみの仮装着とした。


位置調整中のKATO製配管(旧クハ103-773)。

切り出したKATO製配管は断面が薄く糊代を稼げない。
そのためゴム系接着剤はTNカプラーロアフレーム側に塗布した。
初回は盛り過ぎジャンパ連結器と胴受の隙間から接着剤がはみ出してしまった。
塗布量を減らし改めてKATO製配管の位置調節を行っている。
今度は接着剤量が少な過ぎたせいで配管位置がなかなか定まらなくなった。
止むを得ずATS-B形車上子部裏側から流し込み接着剤を投入し胴受と溶着させた。
試作品よりかなり作業効率が悪くなったがKATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬が完成した。


2器目となるKATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬。

旧クハ103-773から銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を取り外した際に追設したKATO製配管が若干動いた。
溶着部が極小で安定を保てるまでには至らないらしい。
強度面で不安が残るもののクハ103-373の車両振替に半歩近付いた。
床板の中間組込対応化を終え次第KATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬はゴム系接着剤で固定される。
その際には配管追設部の強化を施した方が安全だろう。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬 KATO製103系用配管取付試行 ※KATO製クハ103形用ダミーカプラー加工転用

2017-05-04 21:00:35 | その他
追加項目。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬の試作品が仕上がった。
早速KATO製103系クハ103-774(ラシ337F-4)へ取付け使用試験に入る予定だった。
その前にもう一つ手間を加え外観を向上させる。


JR103系クモハ103-69,クハ103-576 (ラシ337F-3:ナハ11F借入車)。

ラシ337F塗装変更車グループは6+4編成でグリーンマックス製クモハ103-69が先頭に立つ。
製作中からグリーンマックス製クモハ103形,クハ103形のダミーカプラーは物足りなく映った。
竣工時はTNカプラーSPを取り付けたが出来の拙さも絡み次第に不満を抱くようになった。
そのためKATO製クハ103形用ダミーカプラーを片栓構造へ加工の上クモハ103-69に取付けた。


元ラシ314F (1989/4)。
元ラシ314F:Tc819-M331-M'487-T325-M332-M'488-T500-M333-M'489-T'c576

6号車のクハ103-576もTNカプラーSPを無加工で採用した。
一時期ATS-P形取付入場代車で使用された実績を基にラシ314Fを組成するため先頭に立つ機会があった。
この際KATO製クハ103-819との外観差を埋める目的でクハ103形500番代用KATO製配管付TNカプラーSPに変更した。
ラシ314F組成解消後もKATO製配管付TNカプラーSPを維持している。
このままクハ103-373(ラシ337F-3)の車体振替を行うとカプラー周りに差異が生じてしまう。
そこで銀河モデルマウントTNカプラーSP擬にもKATO製配管を取付け側面見附を揃える。


銀河モデルマウントTNカプラーSP擬,KATO製クハ103形用ダミーカプラー。

KATO製クハ103形用ダミーカプラーは再用品とした。
TOMIX製旧製品クハ103-291(ツヌ326F)をKATO製配管付TNカプラーSPへ交換した際に余剰となった。
嵌合爪が撤去されておりKATO製クハ103形高運転台車には起用し難くなっていた。
今後の用途が限定されてしまったため今回の部品供出用に抜擢されている。
使用する箇所はジャンパ連結器からATS-B形車上子,配管まででそれ以外は使用しない。


3分割されたKATO製クハ103形用ダミーカプラー。

103系の増備が一段落した上にTOMIX製クハ103形旧製品の車体更新も進んでいない。
KATO製クハ103形用ダミーカプラーはある程度の予備品を確保しており不足に陥る心配は無かった。
用途限定の発生品であり躊躇することなく3分割している。
ATS-B形車上子を活かすため先ず胴受内側を残し両側ともニッパーで切断した。
やや余裕を持たせて切断しATS-B形車上子を破損させないよう注意を払った。
この後はクラフトナイフに持ち替え余分な箇所を切除する。


切り出しを終えた配管部。

胴受とATS-B形車上子は一体成形である程度の慎重さを求められた。
この工程自体は久し振りで初ではない。
ところが配管切り出しについての記録が全く存在しない。
かつての作業を思い出しながら胴受の切除を進めた。
ある程度ATS-B形車上子を浮き立たせた時点で一旦手を止めた。
後は現物合わせの作業になるため銀河モデルマウントTNカプラーSP擬の加工と同時進行になる。
なおジャンパ連結器上部のモールドは折り返しが無くなる状態まで切断している。


旧クハ103-278に取付けた銀河モデルマウントTNカプラーSP擬。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を装着予定のクハ103-774はまだ入場準備前だった。
そこで現物合わせは休車中の旧クハ103-278を用いている。
銀河モデルマウントTNカプラーSP擬はジャンパ連結器モールドが残っていた。
KATO製配管取付けの障害となるため撤去する。
ジャンパ連結器モールドはロアフレーム側に存在するが嵌合爪には関連していない。
但しTNアダプターに仮固定しており分解を割け裏面からクラフトナイフを入れた。


撤去されたジャンパ連結器モールド。

念のためTNカプラーロアフレームのジャンパ連結器撤去はカプラー単体で行った。
クラフトナイフの入力方向によっては嵌合爪を傷める可能性が否めず大事を取っている。
切除は平刃の方が楽に終えられたかもしれない。
クハ103-373の車体振替時はクハ103-774で使用中の銀河モデルマウントTNカプラーを再加工する。
この際は連結器交換のため分解しなければならない。
予めロアフレームのジャンパ連結器切除を忘れないようにしたい。


ゴム系接着剤で仮固定したKATO製配管。

ジャンパ連結器の撤去を終えKATO製配管の取付けに移った。
KATO製配管付TNカプラーSPでは瞬間接着剤を用いたが今回はゴム系接着剤に変更した。
製品指定ではない連結器取付を行っているため一抹の不安が残る。
再加工が必要になった場合に位置関係が変わる事も考えられ取り外しに有利なゴム系接着剤とした。
配管取付は目安が全く無く自分の感覚に頼るしかない。
胴受とATS-B形車上子が数少ない目安で角度が合うようATS-B形車上子付近を修正しながら理想の位置を探った。
先頭に立たない事を逆手に取り左右のATS-B形車上子がずれない程度で纏めている。


KATO製配管を支持する胴受。

瞬間接着剤からゴム系接着剤に変更したため完全固定までの時間が掛かるようになった。
その分白化現象を防ぐ手間は省かれ実質相殺されている。
車体を取り外すと後付けした配管の様子が良く判る。
銀河モデル製TNアダプターは枕木方向の幅が狭く配管天面の糊代を確保出来なかった。
その割には安定しておりゴム系接着剤採用が有利に働いたと思う。
このまま床板をクハ103-774へ組み込めれば良かったが中間組込対応を施しておらず断念した。
ここで現物合わせは終了となり旧クハ103-278は原形に復帰し休車状態に戻っている。


完成したKATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬。

固着が確認できた時点でKATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を床板から取り外した。
何となく配管の平行が保てていないように見える。
大幅にずれている訳ではなく中間組込車用なら充分だろう。
今後気になるようなら位置修正を施す。
ゴム系接着剤のお陰でKATO製配管付銀河モデルマウントTNカプラーSP擬の着脱は配管,ロアフレーム共に影響を与えずに行える。
取付時はなかなか定まらない固定に苛立ちを抱いたか将来的にはこれで良かったと思う。


存在感を放つATS-B形車上子。

一見ではKATO製配管付TNカプラーSPとほぼ同等の見附になった。
無理矢理感は拭えない一方で前面連結器周りの淋しさは解消されると思う。
もう一器製作する必要があるがクハ103-576とのバランスも保たれるはずである。
今度こそクハ103-774への装着が行える。
現状との違いがどの様に現れるか期待したい。

銀河モデルマウントTNカプラーSP擬試作 ※銀河モデル製TNアダプター(3D-022)使用,復心機構コイルバネ化

2017-05-03 21:09:33 | その他
復心機構。

KATO製クハ103-774(ラシ337F-4)の車両振替時に銀河モデルマウントTNカプラーを試験採用した。
銀河モデル製TNアダプター(3D-022)はTNカプラーのロアフレームを嵌合させる構造である。
TNカプラーSPではなくTNカプラーをベースにする点が銀河モデルマウントTNカプラーの弱点だった。


JR103系ラシ337F 後期仕様 (1989/3)。
ラシ337F-4:Mc69-M'177-T142-M149-M'280-Tc774+Tc373-M46-M'46-Tc374。

TNカプラーは復心機構が線バネのため反力が弱い。
連結相手のTOMIX製旧製品クハ103-373(ラシ337F-3)はTNカプラーSPを装着している。
クハ103-774+クハ103-373は実質TNカプラー+TNカプラーSPとなり竣工時からの不安要素だった。
TNカプラーSPの復心力がTNカプラーの動作を補助してくれる可能性に期待した。
しかし復心力の不均等が影響したせいか幾度か曲線出入口で脱線してしまった。
そこで新たな対策を採る。


クハ103-774+クハ103-373 (銀河モデルマウントTNカプラー+TNカプラーSP)。

TNアダプターは2枚1組でもう一方はクハ103-373(ラシ337F-3)の車両振替用に充てる予定だった。
これを活用し銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を製作する。
仮に成功すれば試用中の銀河モデルマウントTNカプラーも簡易加工で復心機構をコイルバネに変更できる。
クハ103-373車両振替用への充当は可能で部品不足には陥らない。
早速作業に取り掛かった。


銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を構成する部品。

前方支持,横支持に対応するTNアダプターは先に横支持用の嵌合爪を撤去している。
TNアダプターを除き全て再用品を用いた。
部品の整理を行ったところかつての失敗で用途不要になりかけた素材が出て来た。
出自は全てばらばらだが予備品のTNカプラーSPには影響せず失敗時のダメージを軽減できるメリットがある。
TNカプラーSP擬はグリーンマックス製2個モーター搭載動力ユニットで初使用した。
基本構造はこれまでのTNカプラーSP擬に倣う。
但し密着式連結器は復心スプリング固定方式が密着自動式と違うため一部仕様を変更する。


形状の異なるロアフレーム (TNカプラー,TNカプラーSP)。

TNカプラーとTNカプラーSPは全く構造が異なる。
どの様に復心スプリング後端をTNカプラーロアフレームへ固定するかが課題となった。
現在のTNカプラーSP擬3はTNカプラーSPのカバーに復心スプリングを引き掛ける方式としている。
これは密着自動式連結器の復心スプリングが固定されていたため採用できた。
しかし密着式連結器は固定式ではなく引掛式になっている。
従来方式を踏襲すると肝心な復心機構を殺してしまうため根本的に考えを改めた。


復心スプリング引き掛け用途に変わった線バネステー。

復心スプリングの反力を維持するためにもフレーム側の固定位置は連結器端部から極力離したい。
今までのTNカプラーSP擬では線バネステーがグリーンマックス製動力台車に支障してしまい切断してきた。
TNアダプターは伸縮式ボティマウントKATOカプラー専用で台車に支障を来さない。
そこで線バネステーを復心スプリングの引き掛け部に代用する。
復心スプリングの端部を線バネステーへ慎重に通し新たな引掛式が実現した。
残るは線バネより厚みが出た復心スプリングをTNアダプターが受け入れてくれるかが課題になった。


組立を終えた銀河モデルマウントTNカプラーSP擬。

TNカプラーロアフレームの構造は全く変更していない。
よってTNアダプター嵌込み時は復心スプリングの挟み込みだけに注意を払っている。
単独の再用品だった復心スプリングだが保有数が限られ無駄にしたくなかった。
復心機構コイルバネ化で一番気を付ける作業だと言えよう。
組み立てたところ復心スプリングはTNカプラーガイドの枠内で収まってくれた。
動作もTNカプラーSP同等で不具合は生じない。
なおTNアダプターは簡略化のため床下側と断面をマッキーで黒色化している。


TNカプラーSP,銀河モデルマウントTNカプラーSP擬,TNカプラー (裏面)。

TNカプラー,TNカプラーSPと銀河モデルマウントTNカプラーSP擬はほぼ同じ全長となった。
復心スプリング後端はTNカプラーSPに近く復心力の減衰を最小限に食い止められたと言えよう。
線バネステーは復心スプリング引掛用で支障する場合にはもう少し短縮しても問題ないと思う。
KATO製クハ103形高運転台車では銀河モデルマウントTNカプラーでも影響は無くこのまま試用する。
なお復心スプリングの不具合に備えTNアダプターとロアフレームの嵌合はゴム系接着剤を用いた。
嵌合を強化するかは今後の試用次第である。


TNカプラーSP,銀河モデルマウントTNカプラーSP擬,TNカプラー (表面)。

TNアダプターの塗装を省いたため表面は成形色が残っている。
白濁したTNカプラーSPのようだが床板で隠されるため追加措置の予定は無い。
この様に見比べるとTNカプラーSPのカバーを交換するTNアダプターもリリース可能に見える。
ただ横支持形伸縮式ボディマウントKATOカプラーには対応出来ないため採用可能な形式が限られる。
ここを乗り越えられれば上記の加工は不要となり積極的に導入を図れると思う。


銀河モデルマウントTNカプラー試用中のクハ103-774。

小細工により銀河モデルマウントTNカプラーSP擬の試作品が出来上がった。
試験車両は引き続きクハ103-774とする。
構造はグリーンマックス製2個モーター搭載動力ユニット用TNカプラーSP擬に近く長期に渡る試用は不要かもしれない。
クハ103-373の車両振替まではTNカプラーSP化したTOMIX製クハ103-373と常時連結される。
そのため銀河モデルマウントTNカプラーSP擬同士による連結の予行演習にもなるだろう。

銀河モデルマウントTNカプラー試作 ※銀河モデル製TNアダプター(3D-022)試用

2017-03-02 21:06:59 | その他
中間組込対応。

KATO製103系は元クハ103-278(元ミツ6F),旧クハ103-773,旧クハ103-786(元ラシ333F)が余剰車になっている。
塗装変更車から塗装変更車への車体振替を中止したため用途を失い留置されていた。
このうち旧クハ103-773,旧クハ103-786は前面塗装状態が芳しくなく車体振替の対象になった。


JR103系ラシ337F 後期仕様 (1989/3)。
ラシ337F-4:Mc69-M'177-T142-M149-M'280-Tc774+Tc373-M46-M'46-Tc374。

先頭車への起用は難しい一方で側面はまだ耐えられる。
そこで塗装変更車のTOMIX製クハ103-774(ラシ337F-4)の置き換え用に転用する。
ラシ337FはTOMIX製High-Grade製品とグリーンマックス製+TOMIX製旧製品の2編成が在籍している。
各々6号車用のクハ103-576,クハ103-774を配置し前期仕様(1989年2月)と後期仕様(1989年3月)に対応させた。
先発出場はグリーンマックス製+TOMIX製旧製品で全車塗装,塗装変更車で組成される。
103系整備開始から間もなく着手した初期出場編成に該当する。
増備時にはプロトタイプ重複を避けてきた。
しかしTOMIX製High-Grade製品高運転台車リリース告知を契機に新ラシ337F-1,新ラシ337F-2の導入に動いた。
両編成出場によりグリーンマックス製+TOMIX製旧製品編成はラシ337F-3,ラシ337F-4へ管理番号を改めている。


クハ103-774(ラシ337F-4)。

このうちクハ103-774は旧クハ103-373(ラシ337F)を方転,改番した経緯を持つ。
旧クハ103-774は車体への細工に失敗し前面ライトケースの一部を切り落としてしまった。
塗装は旧クハ103-774が上回っていたが細工失敗を隠蔽するため新クハ103-374を投入した。
捻出された旧クハ103-374は新クハ103-373へ方転,改番され旧クハ103-373を捻出した。
その旧クハ103-373を新クハ103-774へ方転,改番し新クハ103-374導入による玉突き車両振替を終えた。
一連の車両振替で旧クハ103-774は廃車されている。
しかし余りにも側面見附が悪いためラシ337F-2出場後は殆ど出番が無く実質休車になっていた。


旧クハ103-786(元ラシ333F)。

一方旧クハ103-786は車体振替でジャンク車両を出自とする部品構成に変わった。
部品交換の手間に加え車体振替が中止に至り埃を被ったまま放置されてきた。
用途不要が幸いしクハ103-774の車両振替には最適で再起を目指す。
余剰車で候補に選ばれたのは節約式改番を採用するためである。
旧クハ103-773は[77]の上下が揃っておらず1番違いながら選考漏れしている。


銀河モデル製TNアダプター(3D-022)。

先頭に立っていた旧クハ103-786は中間組込に対応させなければならない。
7号車のクハ103-373(ラシ337F-4)と常時連結するためTNカプラーをどの様に対処するか考えた。
その矢先に銀河モデル製TNアダプターを発見した。
早速旧クハ103-786の運転台側に採用し装着具合の確認を行う。
不調に終わった場合はゴム系接着剤+ビス固定式か台枠嵌合式を検討する。


入工中の旧クハ103-786。

旧クハ103-786は運転台側TNカプラー化以外に車体部品の交換も必要とする。
今回はTNカプラー化を優先し下廻りから着手した。
床板も部品撤去,交換を伴うためそれなりに時間が掛かると思われる。
先ずは最重要項目である銀河モデルマウントTNカプラーの製作から開始した。
銀河モデル製TNアダプターは2両1組で今後のクハ103-373車両振替にも備えられる。
但し取扱いや性能の把握が重要で1両分は保管品に廻した。


加工に入るTNカプラー (銀河モデル製TNアダプター,TNカプラー)。

銀河モデル製TNアダプターはTNカプラーのマウントを交換しKATO製車両への取付を可能にする。
ダミーカプラーと伸縮式KATOカプラーに対応出来るよう嵌合爪は4箇所に設けられていた。
使用する車種により2箇所を撤去し瞬間接着剤で固定する比較的自由度の高い製品だと思う。
但しTNカプラーSPは組み込めずTNカプラー限定なのが惜しまれる。


マウントを交換したTNカプラー (銀河モデルマウントTNカプラー,TNカプラーマウント)。

TNカプラーSP擬への加工も可能だったが今回は指示書に従う。
密着連結器式TNカプラーSPの予備が余り無かった。
加えて密着自動連結器式とは異なる復心スプリング固定方式のため一回で終えられる保証もない。
クハ103-774はカプラーに限りデチューンが決定している。
TNアダプターの嵌合孔はTNカプラーマウントに準拠しているため容易に交換できた。
むしろTNアダプターの方が噛み合いが良く感じる。
恐らくマウント厚が薄いためだろう。
今回は指示書に従ったが将来的に復心スプリングを組み込む可能性も残る。
よってロアフレームは嵌合だけで済ませた。


中間組込対応を施す床板。

銀河モデルマウントTNカプラーの製作を終え床板の加工に移った。
旧クハ103-786は座席部品破損により運転台側台車締結が行えない。
代替の座席部品は元クハ103-278から転用し不具合を解消させる。
最初に銀河モデルマウントTNカプラーの取付から着手した。
KATO製クハ103形はダミーカプラーが採用されている。
不要となる伸縮式KATOカプラー用嵌合爪を撤去した。


伸縮式KATOカプラー用嵌合爪を切除したTNアダプター。

TNアダプターのダミーカプラー用嵌合爪は前位寄にある。
この構造だと瞬間接着剤取付推奨も理解できる。
台枠もビス固定を行えそうな場所が無く完全固定には瞬間接着剤を用いるしかない。
気になったのはTNアダプターと床板の隙間だった。
アダプター天面よりTNカプラーロアフレームの嵌合爪が高くなる分密着できない。
瞬間接着剤を用いるならゼリー状が無難だろう。


銀河モデルマウントTNカプラーを試着した台枠。

TNアダプターの嵌合爪は精度が高く台枠のダミーカプラー取付孔にしっかりと嵌まった。
この嵌合具合なら支点のずれも生じないと思う。
嵌合確認を終え一度銀河モデルマウントTNカプラーを取り外した。
材質都合上白色成形でこのままでは前面からアダプターの存在が判るかもしれない。
指示書ではプライマー等で下処理を行った後に全体の塗装を推奨していた。
しかし資材,技量都合で採用は難しい。
ここは毎度のマッキー塗り潰しで黒色化した。
なお嵌合爪強度がどの程度有しているのか判らず撤去は慎重に行っている。

下廻りは中間組込対応化を残すだけになった。
KATO製クハ103形はライトスイッチが無いためライト基板自体を撤去した。
座席部品は元クハ103-278と交換しビス締結を復旧させる。
破損したはずの座席部品だったが元クハ103-278に組み込むと問題無く固定できた。
ビスとの相性かもしれないが廃車の可能性もあった元クハ103-278は引き続き保留車扱いで踏み留まった。


ライト基板撤去後のライトケース。

ライトケースはプリズムケース押えを兼ねているため廃止できない。
再取付はライト基板脚位置調整が不要となり非常に楽だった。
それにしても電球の無いライトケースは如何にも間抜けである。
最後に銀河モデルマウントTNカプラーを取り付けた。
固定は将来の復心機構コイルバネ化に備えゴム系接着剤を使用した。
瞬間接着剤に頼らず脱落を防げれば最良の形になる。
クハ103-774車両振替後は接着強度の経過確認を行う。


中間組込対応化を終えた床板。

心配された運転台側台車は問題無く締結が行えた。
TR62(212)はラシ337F-4に合わせ黒染車輪を再用している。
かなり黒染処理の劣化が進んでいたが他車両との釣合にはちょうど良かった。
これで床板加工の全工程を終えた。
下廻りの準備が整ったためクハ103-774の車両振替に着手したい。

グリーンマックス製コアレスモーター搭載動力ユニット(18m級)TNカプラーSP取付試行

2016-08-23 21:12:52 | その他
考証。

グリーンマックス製コアレスモーター搭載動力ユニットの単体販売が開始された。
編成単位では京成3400形3408F前期仕様,3700形3798F中期仕様(リニューアル再生産品)が回着予定である。
しかしコアレスモーター搭載動力ユニットへTNカプラーSPが装着できるか正確な答が見当たらなかった。
3400形は全編成,3700形は3818FのTNカプラーSP化を終えている。
3700形も順次TNカプラーSP化を予定しており形式内で見附統一を図りたい。
そこで単品のコアレスモーター搭載動力ユニットを仕入れTNカプラーSPが取付けられるか試行する。


グリーンマックス製コアレスモーター搭載動力ユニット(18m級)。

試行動力ユニットは20m級Aか18m級かで迷った。
グリーンマックス製品では東京地下鉄05系40F前期仕様(40F)がKATOカプラーのまま残っている。
台車枠も代用のSS-167が同時発売され失敗時の痛手は少ない。
しかし05系はTNカプラーSPの前進取付を行わないと極端に連結面間隔が狭まる。
この確認試験を終えておらず18m級を選択した。
今後京成形式に対応した台車枠がリリースされれば即応出来るのもメリットである。
ひとまずTNカプラーSP取付まで挑み成功すれば動力ユニット更新予備品とする。


簡単に取り外せる動力台車。

動力台車は車体中央寄を支点とし車端部側を斜めにするとあっさり外れる。
余りにも抵抗が無く不安を抱くほどだった。
説明文にも掲載されているが真下に引き抜こうとすると破損する可能性があるらしい。
角度で嵌合が保持される構造なのかもしれない。
アーノルトカプラーは従来の2個モーター搭載動力ユニット同様アームが長い。
KATOカプラー化は容易だが連結面間隔はばらばらになると思う。


前後2点支持のロアカバー。

いよいよ動力台車の分解に入る。
細工するのはカプラーポケットだけにしたい。
ここでグリーンマックスブログに掲載されていた試作品の透過図をもう一度確認した。
どうやら動力台車本体とロアカバーは別成形で2点支持らしい。
プラスチックドライバーが差し込み易い車体中央寄から部品嵌合部を開いた。
すると透過図通りロアカバーだけを取り外せた。


ロアカバーを取り外した動力台車。

ここからの問題はカプラーポケットを何処まで切り落とすかである。
先ずカプラースプリングステー端部まで全てカットした。
このままだと折り返しが高く残りTNカプラーSPと支障するかもしれない。
ロアカバーを見直すと動力台車本体との嵌合爪が比較的下部に存在するのが判った。


嵌合爪上部で切断したカプラーポケット。

ここは透過図と若干異なっていた箇所で製品化までに改良が加えられたのだろう。
嵌合爪の強度を考慮し約1mmの代を残して高さを詰めた。
これで組み合わせられなければゴム系接着剤に頼るしかなくなる。


無事嵌合したロアカバー。

その心配は杞憂に終わった。
ロアカバーを押し込むとカプラーポケット撤去前と変わらない嵌合を保ってくれた。
思ったより容易にカプラーポケットの撤去部把握に至った。
一方動力台車本体は出来るだけ手を加えたくない。
そこで一度動力台車を動力ユニットに組み込みTNカプラーSPと支障しないか試した。


無加工で取り付けられたTNカプラーSP。

結果次第ではTNカプラーSP擬3の製作も頭にあった。
しかし何処にも当たることなく動力台車を装着できた。
直線はもちろん台車旋回半径にも全く支障しない。
台車枠を取り付けると若干旋回半径は狭まるだろう。
それでもC280曲線は通過可能に見える。
これでコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP化はカプラーポケット撤去だけで可能だと判明した。


旋回半径を確保できた動力台車。

なかなかコアレスモーター搭載動力ユニットの情報が得られずTNカプラーSP化の加工に不安を抱いていた。
実物を手にしないと解決出来なかったため単品購入した甲斐があったと言える。
2個モーター搭載動力ユニットよりも簡便にTNカプラーSPへ対応できるのは非常に有り難い。
恐らく20m級Aも同一構造のはずで東京地下鉄05系40FもTNカプラーSP化が近付いた。
やや値の張る動力ユニットだが加工の容易度を考えると納得出来る。
これまで厄介だった動力車のTNカプラーSP取付作業効率は一気に高まる。
ここはグリーンマックスの開発陣に拍手を贈りたい。


TNカプラーSP化されたコアレスモーター搭載動力ユニット。

肝心の性能は2個モーター搭載動力ユニットを数段上回る。
2個モーター搭載動力ユニットはモーターの協調性に問題があったが一掃された。
ただ動力ユニット単体で試走させたため静粛性の恩恵は感じられなかった。
本当の実力は車体に組み込むまで判断できない。
感覚が異なるのは電流量が0になっても惰性により停止までタイムラグが生じることである。
それだけフリクションロスが少ないのだろう。
このまま予備品とするのは惜しい。

これで安心して京成3400形,3700形再生産品の回着を待てる。
ぶっつけ本番の加工だったが良い答が出てくれた。
今後は京成各形式の台車枠発売に期待したい。
京成3700形3706(3708F)動力ユニット更新へ転用済。

京浜急行1000形1005F 冷房改造車 回着 (誘導無線アンテナ取付)

2015-05-20 21:22:23 | その他
TOMYTEC製京浜急行1000形冷房改造車Aが回着しました。
プロトタイプは1005FでM2cu-M1u-M1s-M2csの4両編成です。
この組成は事業者限定品の冷房改造車2両口と同様です。


京浜急行1000形1005F 冷房改造車。
[1005F]:1005-1006-1007-1008
◆誘導無線アンテナ取付。

デハ1008にはジャンパ栓納めモールドがなされました。
三相ジャンパ栓も漏れなく再現されています。
ワイパーモールドは銀色からバーミリオンへと変更されました。
そのバーミリオンも若干深みが強まったように思えました。
全車OK-18台車を履いています。
行先表示類は[普通 15 品川]です。


京成1000形1029F,1005F

入手にした個体は塗装が乱れ気味でした。
アンチクライマー周りには塗装溜まりがあります。
貫通幌座塗装が甘く前面は銀粉が目立ちました。
またデハ1008の行先表示器窓Hゴム支持モールドが欠けていました。




デハ1005+デハ1006 (TNカプラー装着車+TNカプラー装着車)。

取り扱いは決まっていませんが回着整備に取り掛かりました。
デハ1005,デハ1008の運転台側はTNカプラーSPとし連結面側はTNカプラーを取り付けました。
パンタグラフは予備品のグリーンマックス製PT-43S形(5814)を採用しています。


入工中のデハ1005

デハ1005,デハ1008へTNカプラーSPを組み込むと車体嵌合がきつくなります。
時間の経過と共に車体が浮いてくるため三平面折妻に合わせTNカプラーSPカバーを削りました。
切除代は床板前端を目安にしています。


TNカプラーSPフレームを整形したデハ1005 (デハ1005,デハ1008)。

更に車体偶柱と競合するTNカプラーSPフレームの角を切り落としました。
念のためスカート取付孔は残しています。
最後にTT-04R走行部品を組み込み作業を終えました。

●京浜急行線
※改訂:2024年7月5日

TNカプラーSP擬2試作 (復心スプリング組込) ※グリーンマックス製マウント試用

2015-03-22 22:16:02 | その他
グリーンマックス製DD-180動力ユニット搭載車用にTNカプラーSPを試作しました。
これまで2両への取り付けを終えています。
ただ何れも現物合わせに大幅な時間を割かれました。


TNカプラーSP擬2使用部品一式。

これを少しでも短縮出来るようTNカプラーSP2を試作してみます。
動力台車との間隔が稼げるグリーンマックス製ダミーカプラーマウントを取り付けてみます。
マウントは京成3150形モハ3167,モハ3162標準色後期仕様(3170F-3)発生品を転用しました。


灰色成形TNカプラーSP擬2。

TNカプラーSP擬からの変更部品はフレームのみです。
復心スプリング引き掛け部とフレームの接触部はパテに変更してみました。
ゴム系接着剤固定との強度比較を行います。


TNカプラー,TNカプラーSP,TNカプラーSP擬2。

またフレームの嵌合が若干緩い気がしました。
そのためゴム系接着剤と流し込み接着剤を併用しています。
TNカプラーSP2は上記3170F-3で試用予定です。

※改訂:2024年6月21日