試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-707+モハ102-863[ラシ305F-3] 車体改修 (側面窓セル窓サッシ印刷補修施工,簡易式改番廃止)

2019-07-27 21:33:12 | 国鉄/JR103系
誤算。

2社混結編成に変更されたJR103系ラシ305F-3(Tc260)はまだ改修の途上にある。
グリーンマックス製サハ103-196,サハ103-212への車両振替実施時もKATO製モハ103-707以下7両は入場が先送りされた。
改修を見送った背景にはモハ103-707以下7両に採用した簡易式改番が大きく絡んでいる。


JR103系ラシ305F (2000/6)。
[ラシ305F-3]:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc260。

モハ103-707以下7両(ラシ305F-3)はモハ103-331以下7両(ツヌ315F:Tc213)を種車に竣工させた。
当時はインレタ転写や車両番号標記印刷消去が壁となり全桁改番と言う考えは全く無かった。
形式称号標記印刷を活用する簡易式改番がプロトタイプ合致作業に最も適していると考えていた。
その結果簡易式改番車は相当数に達してしまい車両番号標記が乱れた車両で占められる。
2018年8月に入場したKATO製サハ103-359(ラシ336F:Tc433→サハ103-497:ラシ307F)にて簡易式改番廃止を試行した。
しかしペイントリムーバー式で消去した車両番号標記痕に手を焼き進捗率が上がらないまま推移していた。


入工中のモハ103-707(ラシ305F-3)。

ラシ305F-3を構成するKATO製103系量産冷房車はクハ103-763だけが車体更新を終えている。
種車のクハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)より経年が浅いモハ103-707以下7両は改修を急がなくても良いと思っていた。
しかし側面窓セル窓サッシ印刷の劣化が見え始め傷が深くならないうちに措置を施す方向へと切り替えられる。
改修再開に伴い簡易式改番を全桁改番へ変更し改修が長引くラシ305F-3に区切りを設ける。
工程は側面窓セル窓サッシ印刷補修と全桁改番への変更が主となる。
ただ車両番号標記印刷消去痕の補正に時間を要すると思われ2両単位での入場に絞った。


全段が油性メタリックマーカー再現に改められた側面窓セル窓サッシ。

モハ103-707以下7両(ラシ305F-3)以下7両の現状は同程度で千葉方より順次改修を進める。
先発入場車のモハ103-707+モハ102-863であるが想像以上に側面窓セル窓サッシ印刷は劣化が進んでいた。
油性メタリックマーカー式による部分補修で済むとの考えは甘く斑点状剥離箇所以外も銀色印刷表面に亀裂が走っていた。
車体裾方向から確認したところ波打現象まで現れており今回対処しなければ再入場は確実だと思われた。
部分補修は取り止めとなり全段を油性メタリックマーカーで覆う全面補修に変更した。
早速工程に狂いが生じたが油性メタリックマーカー式は定着化した作業でありまだ余裕を持って修正を行えている。




[[モハ][103][-][7][0][7]]:1-3位側。

誤算は[モハ103-331]標記印刷痕の処理が非常に雑だった事である。
[モハ103-707]標記インレタを剥離したところ1-3位側,2-4位側揃って薄汚れた黄色5号が現れた。
簡易式改番車は形式称号標記印刷を残すためペイントリムーバーの除去は天地方向で限定される。
モハ103-707はペイントリムーバーの拭き取りが甘かった上に車両番号標記印刷消去痕も艶を帯びていた。
ラプロス#4000で[モハ103-707]標記印刷を消去し[モハ103-331]標記跡全体をラプロス#6000にて均す。
強い艶が出るまで塗装被膜に負荷が与えられたはずで平滑化は慎重に行った。
塗装被膜の補正範囲は広くなったが成形色が露出する前に黄色5号を取り戻せた。




モハ103-707(ラシ305F-3:側面窓セル窓サッシ印刷補修,車両番号標記インレタ転写施工)。
※車体改修:簡易式改番廃止。

モハ103-707以下7両(ラシ305F-3)の全桁改番は古インレタを中心に転写を行う。
充当可能な組標記インレタに限りはあるがラシ305F-3の改修を機に高経年台紙の大幅削減を図る算段とした。
早くもモハ103-707から継ぎ接ぎ転写に迫られ組み合わせは[モハ]+[103]+[-]+[7]+[0]+[7]となった。
[モハ103-707]は形式称号単独標記インレタを用いたが相次ぐ転写不能に見舞われる。
古インレタを起用する代わりにせめてユニット間だけでも使用台紙を合わせる計画だった。
多少当てにしていた形式称号単独標記インレタは急減してしまいモハ102-863の改番を危うくさせている。


入工中のモハ102-863(ラシ305F-3)。

出足で躓いたモハ103-707の作業はモハ102-863(ラシ305F-3)に影響を及ぼす。
モハ102-863に装着される側面窓セルは劣化箇所を除き窓サッシ印刷に亀裂が生じる前であり継続使用が可能な状態だった。
しかしユニット相手のモハ103-707が窓サッシ再現の変更を経たためモハ102-863も油性メタリックマーカー再現化が決定した。
ただ経年を考えると予防措置を採るには良い時期と言えモハ103-708以下5両(ラシ305F-3)も同様に対処する。
ペン先が熟れ過ぎた油性メタリックマーカーでは物理的に中段窓サッシモールドからのインクはみ出しを防げない。
側面窓と窓サッシモールド断面まで進出したインクは先端を鋭角に切り落とした爪楊枝で取り除いた。


変形させた側扉窓Hゴムモールド(2-4位側)。

モハ102-863(ラシ305F-3)での誤算は側扉窓黒Hゴム支持化失敗箇所の修正時に発生した。
余り失敗例の無い側扉窓黒Hゴム支持化だがモハ102-863にはマッキーを側扉上部に当てた痕跡がはっきりと残っていた。
磨きクロスと消しゴムでHゴムモールド断面のインク除去へ着手したものの一向に改善が見られない。
最後は磨きクロスで包んだ爪楊枝にて当該部を強く擦る強攻策に打って出ている。
無理矢理黒ずみを解消させた代償は側扉窓Hゴムモールドの歪みになって返ってきた。
側扉窓の形状までもが崩れてしまい軽くプラスチックドライバーを押し当て大凡の原形に戻している。


[モハ102-487]:1-3位側。

[モハ102-863]標記インレタを除去すると崩れた[モハ102-487]標記印刷痕が出現した。
どの様な順番でモハ103-707以下6両(ラシ305F-3)の改番を行ったかは詳細な記録が残っていないため判らない。
ただモハ103-707の施工より酷い事実だけは間違い無く車両番号標記印刷痕の補正に時間を割かれた。
しかもラプロス#6000での平滑化中に成形色が透け始めてしまい黄色5号への復旧は見切られた。
そのため車両番号標記インレタ転写は[モハ102-487]標記印刷痕の隠蔽が必要になっている。
先のモハ103-707で形式称号単独標記インレタが激減しており[モハ102-863]から手を着ける。


[[モハ][102-][8][6][3]]:1-3位側。

先行して[モハ102-863]を転写する事で[モハ102-863]が剥離する危険性は完全に排除された。
細切れの組み合わせはモハ103-707(ラシ305F-3)と大して変わらず[モハ]+[102-]+[8]+[6]+[3]しか選べない。
両側とも転写不能に悩まされ[モハ102-863]は何度も転写を繰り返している。
何とか[モハ102-863]の転写に移れたが1-3位側で[102-863]が崩れかけた。
もう同一台紙には形式称号インレタが無く[102-863]は代替出来ない状況に置かれていた。
意地でバーニッシャーを当て続け[モハ102-863]標記の成立へと持ち込んでいる。




モハ102-863(ラシ305F-3:側面窓セル窓サッシ印刷補修,車両番号標記インレタ転写施工)。
※車体改修:簡易式改番廃止。

予定時間を大幅に超過してモハ103-707+モハ102-863(ラシ305F-3)が竣工した。
古台紙による車両番号標記転写での苦戦は元々計算に入れていたがその外は予期していなかった。
側面窓セル窓サッシ印刷の亀裂は仔細に見なければ判らない状態だったため致し方ない。
とにかくモハ102-863の塗装修正にて側扉窓Hゴムモールドを歪ませたのが余計であった。
形式称号単独標記インレタも無くなるとは思わず各所に落とし穴が潜む作業だったと思える。
引き続きラシ305F-3の改修が続くが時間的余裕を確保した上で入場させる。
この記事についてブログを書く
« 京成3150形3154F 晩年仕様 千... | TOP | モハ103-709+モハ102-865[ラ... »