試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-213[ラシ335F-2] 床板振替 (KATO製103系量産冷房車用動力ユニット整備・搭載施工) ※グリーンマックス製

2019-04-20 21:54:00 | 国鉄/JR103系
電装。

2社混結で出場したJR103系ラシ335F(M213→ラシ335F-2)は自家塗装車,塗装変更車で構成される。
初期形冷房改造車の全モハユニットにはグリーンマックス製103系(自家塗装車)を充当した。
更に保留車だったサハ103形(塗装変更車)が廻された結果所属編成でも状態の悪い編成に属する。


JR103系ラシ335F (1992/10)。
ラシ335F-2:Tc461-[M212]-[M'367]-T144-M213-M'368-T342-M215-M'370-Tc726。

当時TOMIX製旧製品モハ102形用動力ユニットで余剰が発生しモハ102-368(ラシ335F-2)に活路を見い出した。
そのためモハ102-368は現在に至るまでグリーンマックス製モハ102形唯一の動力ユニット搭載車として竣工している。
2017年9月に動力ユニットの経年対策を行って以降順調な駆動を示してきた。
残念な事にTOMIX製旧製品モハ102形用動力ユニットにはC-2000形空気圧縮機が再現されていない。
またKATO製一般形サハ103形塗装変更車の車体更新が中断された影響でC-2000形空気圧縮機は移設が難しくなった。
モハ102-368が搭載する動力ユニットにはエンドウ製C-2000形空気圧縮機を追設している。
これを捻出するべくモハ103-213(ラシ335F-2)へのKATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニット搭載が決定した。


入工中のモハ103-213(ラシ335F-2)。

生憎KATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニット予備品はコンデンサー付の旧LOT品しか残されていない。
長らく放置されていた関係で駆動状態も芳しくなく再用は気が進まなかった。
ただ現行LOT相当動力ユニットが手元に無い以上引き当てざるを得ない。
とにかく性能復元を行わない限り動力ユニット搭載車変更は未達のままになる。
DT33動力台車の構造こそ異なるが国鉄103系モハ103-341(ツヌ318F:Tc107)での整備例を参考に据えた。
ところが動力ユニットカバーはプラスチックの硬化が進行していたらしく簡単に折損してしまった。


分解したKATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニット(ジャンク品)。

この現象は2台保有していた保管品双方で発症し旧LOT動力ユニットの再用を諦めた。
至急KATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニットの確保に向かった。
何とか押さえられた現行LOT品と同一構造を有する動力ユニットは不動との記載があるジャンク品であった。
銀色車輪を履くDT33動力台車が装着されているが経年はコンデンサー付動力ユニットよりも浅い。
故障原因が特定できれば旧LOT動力ユニットの部品で復活を果たせるかもしれなかった。
余り高いとは言えない可能性に賭けジャンク品の動力ユニット整備を開始した。


清掃を施したモーターコイル部と台枠。

再度動力ユニットカバーを破損させる訳には行かず慎重に台枠との嵌合を解いた。
まだプラスチックは劣化が始まっていなかった模様で難無く撤去を終えた。
早速故障部品の切り分けに取り掛かる予定はモーターと台枠に付着していた黒粉が抑止を掛ける。
帯磁した黒粉には油脂分が含まれており発生源はモーターの磁石だと思われる。
ひとまず磁石屑のようなものを全て取り除いた後に単独駆動試験へ移行した。
その結果は意外なもので低回転から安定した動きを見せてくれた。
スケールスピード相当以上の電流値まで上げても不審な挙動は生じずまだ使用に耐えられると判断した。
異常は感じられなかったが念のためモーター軸受部には注油を施している。


トラクションタイヤが逆に取り付けられていたDT33動力台車(1エンド側)。

一応モーターには瑕疵が無いと判明し次の疑いはDT33動力台車へ向けられる。
車輪踏面は汚れ付着が激しく見られ前オーナーさんの元で大活躍していたらしい。
これ以外で気になった箇所は1エンド側DT33動力台車の車輪が前後逆に装着されている程度だった。
ロアフレームを取り外しても内部は経年相応に見えるだけで特に抗の起因となる箇所すら伺えなかった。
不可解に思いながら車輪を撤去したところ状態の悪い台車集電板が姿を現した。
台車集電板は全体的に油脂汚れを帯びピボット軸受部も埃で埋め尽くされている。
埃は動軸にまで絡み付いており通電不良が不動の主要因だと思われた。


整備が完了したDT33動力台車(2エンド側)。

予めアルコールクロスで脱脂を済ませピボット軸受の状態改善へ取り掛かる。
埃の塊を爪楊枝で掻き出すと入れ替わりで黒ずんだ金属面が露わになった。
単なる酸化と考えラプロス#4000を当てたが状態は一向に良くならない。
ラプロス#2400まで番手を落としても黒ずみの解消には至らず金工鑢に切り替えた。
軽く金工鑢を擦り続けてようやく真鍮色が現れ始める程黒ずみは強力であった。
長くピボット軸受と接触していた動軸も同様の汚れが見られたものの材質が異なるせいかクリーナーで復元を終えている。
並行して車輪踏面の拭き上げを施したがさすがに走行痕だけは隠せなかった。


新調した側面窓セルと性能復元を終えた動力ユニット。

なお1エンド側DT33動力台車はトラクションタイヤを車体中央寄へ戻している。
ギア類に欠損は無く組み立てたDT33動力台車の車輪も通常通り回転してくれた。
最後にユニクリーンオイルを挿し現状で行える全ての措置が終了した。
分解前の動力ユニットユニットはいくら電流を流しても動く気配すらしなかった。
整備完了後の駆動試験では正転,逆転共に引き掛かりも無く稼働するよう変わっている。
ジャンク品だった動力ユニットの再生に成功しモハ103-213への搭載が可能となった。


再生動力ユニット搭載車となったモハ103-213。

モハ103-213(ラシ335F-2)にはKATO製モハ103形量産冷房車用床板が起用されていた。
よって側面窓セルは車体中央寄2箇所の嵌合爪を切除すれば流用が可能な状況であった。
しかし非動力車へ変更されるモハ102-368には発生品のKATO製モハ102形量産冷房車用床板を用いる方向で考えていた。
そのため予備品の窓セル部品から側面窓セルだけを切り出しモハ103-213へ取り付けている。
この際車体断面の塗料粉除去を行ったところ側面窓セルは嵌合精度が極端に落ちてしまった。
そこでグリーンマックス製サハ103-196,サハ103-212(ラシ305F-3:Tc260)での施工例に倣ったゴム系接着剤固定とした。




モハ103-213(ラシ335F-2:側面窓セル交換,KATO製103系現行LOTベンチレーター換装,KATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニット整備・搭載施工)。

当初の予定通りモハ103-213は動力ユニット搭載車に改められ竣工を迎えた。
磁石屑のようなものが気になるものの平坦線では1M9Tでも問題ない動きを示す。
今後牽引力が落ちた場合にはモーターの交換で対処できると思われる。
新品に交換された側面窓セルだが従来品と同等のHゴム再現が保たれておりその影響は伺えない。
ラシ335F-2はこのまま改修に移る関係でKATO製103系用現行LOTベンチレーターへ交換している。
若干側面見附に変化が生じたモハ103-213だがジャンク品から蘇った動力ユニットを搭載する車両には見えないと思う。
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