試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3200形モハ3263,モハ3226[3264F] 新赤電色 後期仕様 3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ換装 ※再生品

2017-09-04 21:20:46 | 京成線:3200形
修復。

マイクロエース製京成3200形3264F新赤電色後期仕様(3264F)は京成形式とは異なる避雷器が装着されていた。
取付位置も全て海側で実車とは異なる。
マイクロエース製3500形3520F更新車現行仕様(3520F-3)出場で避雷器の転用を行う予定だった。


京成3200形3264F 新赤電色 後期仕様。
3264F:[3264]-[3263]+[3228]-[3227]-[3226]-[3225]。
※英字併記行先方向幕編成。

3520F-3は現行仕様に倣うためPT-43形パンタグラフからTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへ交換した。
捻出品と予備品のPT-43形パンタグラフから避雷器をモハ3263,モハ3226(3264F)へ移設する直前まで行った。
しかしマイクロエース製新3000形3051F現行仕様(3051F)への転用に変更されている。
3051FはTOMIX製PT-7113-D形パンタグラフへ置き換えたが巨大な避雷器が弱点だった。
所有する京成3000系列ではグリーンマックス製京成3150形系列も避雷器が無い。
3051Fを優先した結果3264Fへの避雷器取付は中止された。


モハ3263新赤電色後期仕様(3264F)。

マイクロエース製3200形は3264FからPT-43形パンタグラフの形状が改善されている。
1stLOTに該当する3216F試験塗装色ライトブルー編成,3240F現行色よりスマートになった。
後の3300形,3500形用に近く無骨なイメージは払拭された。
ところが何故か避雷器形状まで変わってしまった。
3264Fの避雷器違いはメーカーエラーだと思われる。
明らかに形の違う避雷器は違和感を生み出すだけだった。
後日モハ3263,モハ3226を入場させ避雷器撤去を行っている。


入工中のモハ3263。

マイクロエース製3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフは3台の保管品を有していた。
何れも3232F現行色晩年仕様(3232F←3240F現行色),3240F現行色後期仕様(3240F)からの発生品である。
折畳時の変形や上昇時の座屈により元モハ3239(部品取車)等と交換された不良品だった。
避雷器単独取付を見送ったため発生品を修繕しPT-43形パンタグラフごと交換する。
入場対象はモハ3263,モハ3226の2両で各々パンタグラフ搭載台数が異なる。
先ずはパンタグラフ1台搭載車のモハ3263から作業を開始した。


修正したマイクロエース製3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ。

発生品で一番状態の悪かったPT-43形パンタグラフは上昇姿勢を保てなかった。
上枠とスライダーを分解し原因追求を行った。
このパンタグラフは上枠,下枠共に湾曲が激しく上昇時に大きく傾き座屈を招くと判明した。
各々を修正し走行時でも上昇姿勢を保てるまでに復旧させている。
他のPT-43形パンタグラフも下枠の歪みが原因で折畳時の形状を崩していた。
何れもモハ3263,モハ3226入場前までに修正を施し準備を整えた上で交換に結び付けている。
主項目のパンタグラフ交換自体は楽に終えられると思っていた。
ただ何が待ち構えるか分からずモハ3263を先行入場させた。
この考えは当たり予想外な苦戦を強いられる事になる。


上枠片側を外して取付けたPT-43形パンタグラフ。

モハ3263のパンタグラフは容易に撤去出来た。
3264Fは3240F現行色の塗装変更品と決め付けていたが誤りだった。
3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフとは取付脚径が異なる。
しかも1stLOT品の取付脚が思ったより太く即時交換とは行かない。
パンタグラフ台座の取付孔拡大が必要となり遠回りが始まった。
モハ3263では開孔径をどの程度にすれば良いか見当が付かなかった。
よってパンタグラフ取付孔拡大は現物合わせを繰り返している。
更に復旧したPT-43形パンタグラフを変形させると全てが台無しになってしまう。
再破損を防ぐため片側の上枠を外し慎重にパンタグラフ台枠を押し込んでいる。




モハ3263(マイクロエース製3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ換装)。

どうにか取付孔にPT-43形パンタグラフを挿入した。
しかし各ピッチも僅かに異なっていたらしく徐々にパンタグラフ台枠が浮き上がってくる。
固定には流し込み接着剤を用い安定度の向上を図った。
3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ搭載により屋根上の雰囲気が重く感じられる。
しかし避雷器が復活し概ね満足の行く答を得られた。


モハ3226新赤電色後期仕様(3264F)。

続いてパンタグラフ2台搭載車のモハ3226を入場させた。
注意点は避雷器の取付位置である。
予め避雷器位置を確認し上野寄,成田寄の識別を行った。
各々をモハ3226の両端に分けて置き誤取付防止策としている。


入工中のモハ3226。

モハ3263での迂回を基にモハ3226ではパンタグラフ取付時の現物合わせを廃止する。
パンタグラフ取付孔拡大後の径は約Φ0.7mmだった。
但しモハ3226のパンタグラフは2台とも全脚に流し込み接着剤が投入されていた。
撤去は容易に行えたものの取付孔内には接着剤滓が残る。


パンタグラフを撤去したモハ3226。

これを取り除くためΦ0.6mmのドリルを一度貫通させた後にΦ0.7mmに拡大した。
取付孔拡大の効果は高くモハ3263に掛けた時間内でモハ3226のパンタグラフ交換を終えている。
取付脚ピッチの差異はモハ3226でも現れたため流し込み接着剤で固定した。


京成形式特有の避雷器が再現されたモハ3263,モハ3226 (山側)。

発生品のPT-43形パンタグラフは瑕疵があり敢えて部品転用を行ってこなかった。
それによりモハ3263,モハ3226共に正規位置への避雷器取付が実現している。
たまたま3台の発生品とモハ3263,モハ3226に用いるパンタグラフの方向が揃ってくれた。
差異が生じた場合には避雷器を接着剤取付にしていたと思う。




モハ3226(マイクロエース製3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ換装)。

モハ3263,モハ3226のパンタグラフ交換を終え3264Fが再出場した。
3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフの起用で製品の雰囲気から少々変化が生じた。
課題だった避雷器は再用品起用により復活している。
菱形パンタグラフにしては3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフはやや特殊な構造を持つ。
それでもシングルアーム式パンタグラフより手慣れており復旧まで持ち込めた。






モハ3264+モハ3263 (3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ換装)。

製品状態では形状の異なる避雷器が海側に取り付けられていた。
京成らしさを欠く避雷器は単なる点の様にも見えた。
避雷器撤去後は何処か物足りない印象を抱いていたがこれは他マイクロエース製3200形の影響だろう。
なお避雷器取付に当たり事前に実車資料で山側取付を確認した。
恐らく間違いは無いと思う。




モハ3239+モハ3226 (3240F+3264F:3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフ搭載車)。

今入場により所有する3200形M1車は全編成が同一形状のパンタグラフで統一された。
3264F新赤電色以降音沙汰の無い3200形だが8M車やVVVF制御編成3294F等のリリースが考えられる。
今後は3300形以降で採用されているPT-43形パンタグラフが主流になると思う。
3200形1stLOT用PT-43形パンタグラフを搭載する編成は3264Fが最後になるかもしれない。

3264Fは[(千葉) 大森台 Omridai]幕が災いし離合に相応しい編成が少ない状態に変わりはない。
しかしマイクロエース製3298F新赤電色を導入しておらず3200形唯一の新赤電色で希少な存在である。
外観が揃った事を機に広義の新赤電色編成として活躍の幅を広げようと思う。

京成3200形モハ3214[3216F-1] 試験塗装色ライトブルー車 千葉線仕様 現行LOTモーターカバー化 ※修復品起用

2017-06-16 21:26:23 | 京成線:3200形
二択。

マイクロエース製京成3300形元モハ3310には補修済モーターカバーを取り付けなかった。
一応再破損しないよう着脱回数を減らした上で取付対象車の絞込に入った。
発売時期から旧LOTモーターカバー装着車は3200形に限られる。


京成3200形3216F 試験塗装色ライトブルー編成 千葉線仕様。
3216F-1:[3216]-[3215]-[3214]-[3213]。

6M車のうち3232F現行色晩年仕様(3232F),3240F現行色後期仕様(3240F)は既に現行LOTモーターカバーに交換していた。
3264F新赤電色後期仕様(3264F),片開扉車の3298Fグループも当初から現行LOTのモーターカバーが装着されている。
必然的に8M車グループからの対象車抽出となった。
8M車で製品化に至ったのは3216F試験塗装色ライトブルー編成のみで少々淋しい現状である。


京成3200形3216F 試験塗装色ライトブルー編成 本線仕様。
3216F-2:[3216]-[3215]-[3214]-[3213]。

増備都合により3216F試験塗装色ライトブルー編成は2本が所属する。
1編成は千葉線仕様(3216F-1),もう1編成は本線仕様(3216F-2)で行先表示類の違いだけに留まる。
どちらを現行LOTモーターカバー化するか考えた。
3216F-2は中古製品で導入したがまさかの[Keisei]社名板が消去された状態で回着した。
グリーンマックス製インレタで[Keisei]社名板を復活させたものの車体状態は3216F-1より劣る。
そこでモハ3214(3216F-1)の現行LOTモーターカバー化に決定した。


モハ3214 試験塗装色ライトブルー車 千葉線仕様(3216F-1)。

6年落ちながら新品で回着した3216F-1は動力ユニット整備も終え快調さを保っている。
しかし3240Fと同時リリースの古い製品で旧LOTモーターカバーを有したままだった。
影絵処理が無く平板感が強く現れるのが弱点と言えよう。
補修品起用でアップグレードとダウングレードが共存する珍しい入場となった。


入工中の元モハ3310,モハ3214。

過去にモハ3262(3240F),モハ3266(3232F)でモーターカバーの交換を行っており支障無い事は確認済だった。
注意点は修復痕のある現行LOTモーターカバーの装着となる。
必ず山側から取付けを行わないと再度海側の抵抗器部分が割れる恐れが高い。
せっかくの転用可能な現行LOTモーターカバーを無駄にしないよう十分に気を払い作業に当たる。


全く雰囲気の異なるモーターカバー (現行LOT品,旧LOT品)。

旧LOTモーターカバーはプラスチック成形厚のせいか床下機器のモールドが浅い。
これに加えて影絵処理が無く奥行き感が物足りなかった。
唯一の強みは強度だけと言えるかもしれない。
旧LOTモーターカバーを塗装する手段もあるが細かい箇所のマスキングに自信が無く自分には行えなかった。
現行LOTモーターカバーには破損部に僅かな亀裂が残る。
しかし遠目では全く判らない接合を図れた。


抵抗器側に溶着痕が残る現行LOTモーターカバー。

修復はセロハンテープで前後左右を固め流し込み接着剤を投入した。
しかしこれだけでは強度が不足し再び分離させてしまった。
流し込み接着剤だけでは斜め方向の入力に耐えられないらしい。
そこでもう一度溶着させた後にタミヤセメントで破損部全体を埋め込んでいる。
これにより捻り剛性が高まった模様で強引な着脱さえ控えれば使用が可能になった。
モハ3310現行色(3304F-2)で再用され3300形動力車の見附統一に一役買っている。


モーターカバーを交換した元モハ3310,モハ3214。

モハ3214用動力ユニットへ修復済モーターカバーの山側を合わせ慎重かつゆっくり海側を押し込んでいった。
その結果軋み音も生じる事無く嵌め込めている。
幸いモハ3214は動力ユニットの整備を終えており暫くモーターカバーを取り外す機会はやって来ないだろう。
また試験塗装編成と言う特殊性もあり3300形で継続使用するより良かったと思える。




モハ3214(現行LOTモーターカバー化)。

モーターカバーの交換を終えモハ3214が竣工した。
旧LOTモーターカバー時代より床下が引き締まった様に見える。
亀裂部も影に隠れるため殆ど判らない。
3216F-2はモハ3215に動力ユニットを載せ替え3216F-1との識別点とした。
車両番号以外にモーターカバーの違いが加わり混同はしないだろう。
仮に現行LOTモーターカバー入手が叶った際にはモハ3215(3216F-2)が交換対象となる。
そのため3216F-2の動力車位置変更は行わない。


⇩モハ3318→電装解除。

⇩モハ3318→改番,方転,貫通扉取付。

⇩モハ3335→再改番,再方転,FS-361化,[K'SEI]CIマーク剥離。

⇩モハ3306→再々改番,再電装,KS-121化,貫通扉撤去,[K'SEI]CIマーク転写。

⇩モハ3310→FS-361化,旧LOTモーターカバー装着。

元モハ3310(予備車)。

一方元モハ3310には旧LOTモーターカバーを装着し組み立てた。
部品供出を終え一旦予備車に廻る。
しかし動力ユニットは何れモハ3214試験塗装色ホワイト車(3212F)へ転用する予定を組んでいる。
元モハ3310の種車だったモハ3318現行色(3320F)は流転を繰り返し遂には部品取車まで格下げされた。
事実上戦線離脱となったがこれからは3300形グループを影で支える存在になる。
車体再用は厳しいもののパンタグラフ,窓セル類はほぼ無瑕である。
万が一の破損に対応出来る様になったのは大きいと言えよう。

京成3200形モハ3296[3298F-3] 復活赤電色 動力ユニット再整備(経年対策) ※中期整備施工車

2017-04-26 21:21:21 | 京成線:3200形
余計。

マイクロエース製京成形式の動力ユニット整備は3200形最終編成となる3298F復活赤電色(3298F-3)が入場を迎える。
3298F-3は3298Fリバイバル開運号(二代目)を種車に出場した。
LOTは3298Fグループと同一だが中古製品で導入した点が異なる。


3200形3298F 復活赤電色。
3298F-3:[3298]-[3297]-[3296]-[3295]。

リバイバル開運号の復活赤電色化は号車表示と[指定特急]ステッカー印刷剥離が主工程だった。
モハ3298,モハ3295は種別表示器取付等が加わったがM1車は印刷剥離のみで復活赤電色へ仕様変更を終えた。
本格的に爪楊枝式印刷剥離を採用したものの[指定特急]ステッカーがなかなか崩れなかった印象が強い。
辛抱して[指定特急]ステッカーを剥離しモーンアイボリーの塗装被膜を守った。
現在でも剥離痕は殆ど目立たず数少ない成功例の1つと言える。


モハ3296 復活赤電色 (3298F-3:動力車)。

3298F-3の整備記録を振り返るとモハ3296は前オーナーさんの手入れにより軽微な内容で済まされていた。
この当時はユニットカバーを取り外し導電板状態確認と動力台車の過剰グリス除去に手を付け始めた頃である。
ただモハ3296の詳細な記録は全く残していなかった。
軽微な内容が中途半端に終わっていると痛い目に遭う予感がする。


入工中のモハ3296。

ユニットカバーを撤去すると染みのように酸化した導電板が現れた。
擦過痕は無くクリーナーで拭き上げただけだった。
染み状の酸化は拭き上げが雑でクリーナーが一部残っていたためだと思われる。
事前に予想した中途半端さが露呈した瞬間でもあった。


予想が的中した導電板状態。

導電板は染みのような酸化の他に全体が霞んでいた。
そのため通常整備と同じくラプロス#4000で研磨する。
霞んだ箇所は両端に強く現れていた。
染み状の酸化は中央部に集中している。
クリーナーで拭き上げたと言いながら全体には行き届いていなかったらしい。


研磨中の導電板。

モハ3296リバイバル開運号仕様(3298F-2)とは異なり研磨は順調に進められた。
仕上げ前の綿棒による清掃では先端が真っ黒に変わった。
中期整備施工車ではこの様な例が増えてくると思われる。
その点では良いデータ収集になった。


まずまずの状態だったKS-121動力台車。

KS-121動力台車は夥しいグリスが見られず竣工当時に近かった。
しかし委細に見るとギア山の谷部に純正グリスと思われる残滓が存在した。
特に成田寄動力台車にこの傾向が強く見られ上野寄動力台車と共に分解整備を施す。
ギア類で気になったのはグリスの残滓のみである。
そこでモハ3296(3298F-2)で採用した歯ブラシによる清掃を行う。
劣化したグリスは歯ブラシで容易に除去できた。
最後にクリーナーで拭き上げギアボックスに組み上げた。


グリスを除去したギア類(上野寄)。

ギアボックス内にも多少の純正グリスが残っていた。
こちらはクリーナーを浸した綿棒で掻き出している。
動力台車の清掃は15分/台で終了した。
純正グリスの絶対量が少なかったためクリーナー浸け等の手間を要さなかった。
この点が大きく作用したと思う。


KS-121動力台車とは対照的なスパイラルギア周り(成田寄)。

しかしスパイラルギアは純正グリスが残ったままだった。
それでも動力台車のギア類清掃よりは作業が捗る。
金属製ギアはプラスチック製ギアに比べ神経を遣わなくて済む利点がある。
動力台車がプラスチック製ギアのため摩耗だけは経年で心配される要素と言えよう。
スパイラルギア周りは構造が単純でグリス除去には然程時間を取られなかった。
なおスパイラルギアも歯ブラシで清掃を行った。


整備を終えたKS-121動力台車(成田寄)。

特に気になるモーター駆動音は出ていなかった。
同経年車は同一施工とするためモーター軸受部へ注油している。
何故かフライホイール部への埃侵入が激しくエアーダスターで吹き飛ばした。
なおモーターストッパーはモハ3296(3298F-2)と同じ黒色成形品が用いられていた。
3298F新赤電色を所有しておらず各仕様でどの様な差異があったかは判らない。
ただ3298Fリバイバル開運号だけは黒色成形品だった可能性が高いと思う。


黒色だったモーターストッパー。

動力ユニットを組み立て津川洋行製ホイールクリーナーでの車輪踏面清掃に移る。
通常走行後に必ず使用しているが添加したタミヤ製グリスを馴染ませる目的もあり基本工程に組み込んでいる。
駆動試験では加減速の変化こそ出なかったが駆動音が静かになった。
これはギア周りの整備が関係していると思われタミヤ製グリスの効果だと思う。


全工程を終えた動力ユニット。

モハ3296(3298F-3)は動力ユニット整備を終え竣工した。
これで3200形全編成への施工が終了し一段落を迎えている。
次は最大勢力を誇る3300形が入場対象となる。
3300形はプロトタイプを合致させる目的で動力ユニットの振替えを繰り返した。
その都合で製品リリース時期と動力ユニットのLOTが合わない編成が多数存在する。
車両履歴を追い掛けるより順次入場させた方が効率は高いだろう。
3200形と同じく編成管理番号順に動力ユニット整備を進めたい。

京成3200形モハ3296[3298F-2] リバイバル開運号仕様 動力ユニット整備(経年対策)

2017-04-17 21:40:00 | 京成線:3200形
超過。

マイクロエース製京成形式の動力ユニット整備は3200形3298Fリバイバル開運号(3298F-2)を迎えた。
3編成が在籍する3298Fグループはマイクロエース製京成3000系列でも古参製品に入りつつある。
その中でも走行機会の多い3298F-2が入場となった。


京成3200形3298F リバイバル開運号。
3298F-2:[3298]-[3297]-[3296]-[3295]。

3298F-2はモハ3298,モハ3295の入場回数が多い。
共に[特急 開運]ヘッドマークへ細工を施した。
実車のヘッドマークはモハ3298:ステッカー式,モハ3295:行燈式だったが製品は作り分けがなされなかった。
モハ3298の光らない行燈式ヘッドマークは撤去し自作の[特急 開運]ヘッドマークステッカーを貼付した。
フォントの小さかったモハ3295の行燈式ヘッドマークも印刷を消去し自作ステッカーを上貼りしている。
その後ヘッドマークは耐水紙ラベル劣化による入場も加わり2度の交換を経ている。
更にモハ3295では通過標識灯点灯化にも挑んだ。
試行錯誤を繰り返し4次に渡って入場し完成系に辿り着いた。


通過標識灯が点灯するモハ3295。

一方M1車のモハ3297,モハ3296はTNカプラーSP化で入場した以外特に措置を施していない。
3298Fグループではリバイバル開運号だけ側面行先表示器が基準幕化されており追加施工を要さなかった。
動力ユニットもマイクロエース製3000系列では一番の走行距離を稼ぎながら順調に推移していた。
ところが最近になりモーター駆動音が低音を奏でるようになり気になる症状が出始めた。
動力ユニット整備時期を大幅に超過していたがようやく入場機会が巡ってきたと言える。


モハ3296 リバイバル開運号仕様(3298F-2)。

3298F-2は走行方向に偏りがある。
全てはモハ3295の通過標識灯点灯化が原因となった。
光源を行先表示器用チップに頼っているため後退時にも通過標識灯が点灯する。
製品仕様も成田方面行が基準だったがモハ3295の加工により宗吾検車区への回送さえ許さなくなってしまった。
成田方面への一方通行が原則で上野方面行への走行はモハ3295の加工後から激減した。
走行過多と一方通行の影響がどの程度あるのか不安を抱きながら作業を開始した。


入工中のモハ3296。

前途の通り3298F-2はTNカプラーSP化を施している。
そのためカプラーポケットが撤去されたKS-121動力台車には違和感を持つ。
ユニットカバーに取り付けられたTNカプラーSPは念のため分解時に撤去した。
3298Fグループは同一LOTのはずだがモハ3296は嵌合爪の柔軟性が余り無かった。
破損を防ぐため1箇所ずつ慎重に台枠から浮かせユニットカバーを取り外している。


予想より状態が良かった導電板。

経年が高くそれなりの劣化を覚悟していた。
ところが思いの外導電板の酸化が進んでいない。
この状態なら手早く研磨できると考えたが大間違いだった。
最初にクリーナーで拭き上げた後にラプロス#6000で導電板磨きに入った。
しかし全く輝く気配を見せない。
極端な酸化は進んでいなかった代わりに強固な被膜で覆われた様な感じである。
ラプロス#6000に戻したのは導電板の状態から判断したためだった。
#6000では全く歯が立たず途中で#4000に番手を下げている。
それでも全てが輝くようになるまでかなりの時間を割かれた。


研磨を終えた導電板。

ラプロス#4000でも変色部が消しきれず一部は力頼みになった。
そのためやや粗い仕上がりになったがその分クリーナーで丁寧に拭き上げている。
続いてKS-121動力台車の清掃に移った。
回着時から全くメンテナンスを行っていないためグリスの状態が気になった。
ただ起動の重さや加速の悪さは感じられず山盛りグリスではないと読んだ。


ほぼグリスが乾燥していたKS-121動力台車(上野寄)。

スパイラルギアカバーを取り外すと予想通りの結果が待っていた。
塊こそ無いもののグリスは乾燥状態に近く殆ど機能していない。
それでも走行距離を考えればましな方だと思える。
KS-121動力台車を分解しグリス除去に取り掛かった。
何時もなら爪楊枝で簡単に剥がれる乾燥グリスだがモハ3296に限ってはそれを許してくれなかった。
特にギアボックス内は綿棒でも取り除けずクリーナー漬けを選択している。


グリスが除去されたギアボックス(上野寄)。

ギア類のクリーナー漬けは行ってきたがギアボックスの投入は初となった。
乾燥グリスはギアボックス内部の段差付近に集中して残っていた。
進まない作業に痺れを切らし採った措置だったがお陰で全てのグリスを除去できた。
こびり付いたグリスはギア類も同様だった。
ギアボックスで懲りたため最初からクリーナーに浸している。
それでもギア山の谷にグリスが残ってしまった。
ここで新兵器の歯ブラシを持ち出し拭き取れなかったグリスを掻き出し対処した。
歯ブラシは今後も強力な戦力になると思われる。


歯ブラシで清掃したギア類(上野寄)。

グリスの状態は上野寄,成田寄とも変わらなかった。
2台目の清掃となった成田寄KS-121動力台車もグリス除去方式を踏襲している。
両台車の清掃に約60分を要した。
今までこれ程時間を要した事は無い。
もしかすると走行過多の影響かもしれない。


清掃を終えたKS-121動力台車(成田寄)。

ようやくモーターへの整備に移行した。
低い唸り音が目立っていたため注油を施す。
なおモハ3296のモーターストッパーは黒色で珍しい部類に入ると思われる。
モハ3296現行色はグレーの成形品で何が理由で変更されたのか不思議に思う。
単なる個体差の可能性も否定できない。


珍しい黒色のモーターストッパー。

一通りの工程を済ませ動力ユニットの整備を終えた。
後は踏面清掃を残す所まで来た時点でまさかのフィーダー不具合に襲われた。
駆動試験も行えず整備の結果が判らない。
ここで作業は脇道に逸れフィーダー修繕に取り掛かった。
フィーダーの構造は単純で原因は直ぐに判明した。
端子に半田付けされた導線がささくれ立っていた。
これが接触し短絡したと思われる。


整備を終えた動力ユニット。

応急措置として導線が剥き出しになった箇所をセロハンテープで巻き絶縁している。
しかしテープを巻き付けた分の幅が広がってしまいフィーダーカバーが装着出来なくなった。
何度か巻き直しを行い20分後に復旧した。
これでようやく踏面清掃が行える。
津川洋行製ホイールクリーナーで駆動させたところ既にモーターの低音は治まっていた。
車体を載せても変化はなく走行過多の不安は一掃されている。


フィーダー復旧を待つ動力ユニット。

竣工直前にTNカプラーSPの装着忘れに気付いた。
中間車はKATO製カプラーが主力で動力ユニット組立時にTNカプラーSP取付けが完全に抜け落ちていた。
幸い容易に取り付けられる構造であり直ぐに修正を図っている。


慌ててTNカプラーSPを取り付けたモハ3296。

最後の最後で飛んだ間抜けな事をやらかしたがモハ3296は無事竣工を迎えた。
フィーダー短絡という不運も重なり作業は都合2時間半近くに及んでいる。
台車整備で60分も割かれており作業効率が悪過ぎた。
やはり走行過多が絡んでいるのだろう。
日付を跨いでの作業になったが動力ユニットは快調さを取り戻し多少は救われた気がする。

京成3200形モハ3226[3264F] 新赤電色 後期仕様 屋根上配管,ランボード修正

2017-04-08 21:02:19 | 京成線:3200形
剥離。

マイクロエース製京成3200形3264F新赤電色後期仕様は動力ユニット整備を終え順調に稼働していた。
ところがパンタグラフを上昇させようとした際にヒューズボックスが引っかかってしまった。
それと同時にヒューズボックスが配管ごと外れた。


京成3200形3264F 新赤電色 後期仕様。
3264F:[3264]-[3263]+[3228]-[3227]-[3226]-[3225]。

マイクロエース製京成3000系列は屋根上機器とPT-43形パンタグラフの位置関係に余裕が無い。
これは3200形3240F現行色から3300形3304F,3344Fまで引き継がれる弱点になっている。
普段はクーラーキセに嵌り込む事が多い。
この日に限っては逆側で現象が生じてしまった。


モハ3226 新赤電色(3264F:動力車)。

発症したのはパンタグラフ2台搭載のモハ3226だった。
引っ掛かったパンタグラフ外枠を丁寧に復旧させたがヒューズボックスは浮いたまま元に戻らない。
流し込み接着剤が全く機能しなくなっており分解が必要になった。
モハ3226は動力ユニット整備で竣工したばかりだったが予想外な事態に陥り再入場の憂き目に遭っている。


入工中のモハ3226。

ヒューズボックスが引っ掛かったパンタグラフは成田寄である。
海側は既に浮いてしまい接着剤で固定するしかない。
念のため山側も確認するとぐらぐらで今にも外れそうだった。
よってヒューズボックスは両側とも補強を施す。


車体から浮いた海側ヒューズボックス。

京成3000形系列では別部品が多用され立体感のある仕上がりを見せている。
しかしこれが別の問題を引き起こしている。
モハ3239(3240F現行色)では配管が湾曲し二度目の修正で失敗した。
この時は部品取車の元モハ3239の車体と振替え復旧させている。
モハ3226の代替車体は無く現車整備を施すしかない。
先の失敗で懲りたため作業は慎重に進めた。


外れかかったランボード。

ヒューズボックス以外に不具合が無いか確認した。
すると海側成田寄のランボードも半分浮きかかった。
モハ3226は全体的に溶着が甘いらしい。
今後の接着剤劣化を考え別部品は極力再溶着し不安を払拭する。
配管類の別部品は取付孔が少ない。
これは先のモハ3239復旧で掴めていた。
特にパンタグラフ2台搭載車は1台搭載車をベースに後付けしたような感じを抱く。
付加される部品の取付孔は全体的に粗雑である。
これが溶着不良を招いたのかもしれない。


クーラーキセ,パンタグラフ取付孔以外に流し込んだ接着剤。

パンタグラフ1台搭載車と同一に設けられた取付孔も信用が出来なかった。
そのため多量に接着剤が盛られたクーラーキセと交換の可能性があるパンタグラフを除き補強している。
再剥離を防ぐため流し込み接着剤で安定度を高めた。
これでも上手く行かなかったのは外れかかったランボードだった。
ランボード脚は上野寄から2本目に設けられておりどうやっても屋根と接触してくれない。
そのため上野寄のランボード脚に微量のゴム系接着剤を塗布し完全固定を図った。




復旧したランボード。

ゴム系接着剤塗布後は直ぐにランボードが浮いてくるためマスキングテープで抑え固着を待った。
固定度を高めるためマスキングテープ剥離は翌日に行っている。
日を改めマスキングテープを剥がすと無事にランボードは屋根板と接していた。
ヒューズボックスと同時に配管類も溶着を図った。
これにより入場前より配管の歪みも多少収まっている。




モハ3226(屋根上配管,ランボード修正)。

外れたヒューズボックスも含め全て車体に溶着された。
ひとまず最低限の措置は施せたと思う。
パンタグラフ2台搭載車ではモハ3266現行色(3232F)が未着手のまま残っている。
取扱いに注意すると同時に剥離の兆候が現れた際には即修正を行う予定である。
今の所配管周りで不具合が生じたのはモハ3226,モハ3239の2両で何れもパンタグラフ2台搭載車だった。
但しパンタグラフ1台搭載車も基本構造は変わらないため3300形も含め都度状態を確認したい。

京成3200形モハ3296[3298F-1] 現行色 後期仕様 動力ユニット再整備(経年対策) ※初期整備施工車

2017-04-07 21:03:52 | 京成線:3200形
予想外。

マイクロエース製京成3200形の動力ユニット整備は両開扉車全編成の施工を終えた。
残る3編成の3200形は何れも片開扉車の3298Fである。
編成管理番号順に整備を進めることにし3298F現行色後期仕様(3298F-1)が入場した。


京成3200形3298F 現行色 後期仕様。
3298F-1:[3298]-[3297]-[3296]-[3295]。

赤電色を纏う他2編成に比べ現行色の3298F-1は総走行距離が短い。
3298F復活新赤電色の整備都合で英字併記[普通]種別幕から英字無併記[普通]種別幕に交換された。
製品は[K'SEI]CIマーク貼付後がプロトタイプで種別幕交換後は離合に相応しい編成が激減してしまった。
この煽りで所有する京成3000系列では登場機会が最も少ない編成になっている。
そのせいか駆動音はややざらつきがあるもののこの時期のマイクロエース製品にしては静かだった。


モハ3296 現行色(3298F-1)。

これまで故障や経年対策で入場したマイクロエース製動力車は何れも走行距離を稼いでいた。
経年の割に走行機会の少ないモハ3296はどの程度劣化が進むのか気になる点になった。
場合によってはギア周りの状態が良いかもしれない。
今後動力ユニット整備周期の参考になる可能性もあり一種の期待を抱き作業に入った。


入工中のモハ3296。

分解すると室内灯ステーの無いユニットカバーが目に入った。
何時紛失したか全く記憶に無い。
室内灯ステーは径が太くそう簡単に折れはしない。
自分が何かをやらかしたに違いなかった。
ユニットカバーを取り外すと状態の良い導電板が現れた。
経年の割には綺麗だと思ったがよく見ると擦過痕がある。
どうやら一度動力ユニットの整備を行ったらしい。


整備済だった導電板。

記録も記憶も無く戸惑ったが初期整備施工車に違いない。
それを表すように導電板を固定する焼き潰し部にはコンパウンドが残り白い塊になっていた。
モハ3215試験塗装色(ライトブルー),モハ3262現行色晩年仕様と同様の工程を踏んだはずだった。
それでも導電板が輝いていたのはコンパウンドやクリーナーをそれなりに拭き上げたためだと思われる。
幾何学模様の酸化を招いたのはクリーナーが主因かもしれない。
しかし焼き潰し部だけは手が回らず残ってしまったらしい。
そして室内灯ステー折損は力任せに導電板を磨いたためだろう。
復旧の痕が全く見られず何処かへ吹き飛んだのだと思う。
そこそこの状態を保っていた導電板だがラプロス#8000で擦過痕を消した。
その後クリーナーでコンパウンドの残滓を除去している。


過剰グリス除去だけを行っていたKS-121動力台車(上野寄)。

導電板の状況を見た直後でもありKS-121動力台車も程度が良いと思われた。
しかし中途半端なグリス除去で留まっており分解が必要になった。
恐らくグリスの塊だけを取り除きそれ以上の手を加えなかったと考えられる。
ギアボックス内は茶色に変色したグリスが残ったままにされていた。
この様な工程で打ち切ったのはまだマイクロエース製グリスへの信用があったのかもしれない。


ギアボックス下部に溜まったグリス。

走行距離が短いせいかギアボックス下部からロアフレームにかけてグリス溜まりが目立っていた。
粘度は低く乾燥は余り進んでいなかった。
過剰グリス除去との関連性は不明である。
上野寄,成田寄共に同じ状態でギアを撤去しクリーナーで清掃した。
グリスがゼリー状ではなかったため思ったほど清掃の時間は掛からなかった。


清掃を終えたKS-121動力台車(成田寄)。

駆動音が低かったのはグリスの粘度に拠るものだろう。
最後にタミヤ製グリスを塗布するため更なる静音化が図れるかもしれない。
なお成形色がダークグレーのカプラーポケットが使用されていた。
全車TNカプラー化を断念した際適当に保管品のカプラーポケットを取り付けたと思われる。
これを発生品と交換し純正仕様へ近付けた。
KATOカプラーは従来品を流用している。


注油を施したモーター軸受部。

モーターの回転は至って快調だった。
ただ今後の経年劣化を考え注油を行っている。
注油だけに留めモーターの着脱は行わず動力ユニット組立後に駆動試験を行った。
またフライホイールも曇りが激しくクロスで輝きを取り戻している。


整備を終えた動力ユニット。

モハ3296はまさかの初期整備施工車で今後のデータ取りには何の役にも立たなかった。
唯一導電板の拭き上げだけは効果があると判ったのが数少ない成果になっている。
グリス粘度も個体差の可能性があり経年との因果関係は掴めないままである。
現在は回着整備時にグリス除去を行っており動力ユニット未整備車以外の参考にはならない。


折損寸前のユニットカバー嵌合爪。

ユニットカバーの嵌合爪のうち上野寄の1箇所が根本が白濁し折損を招く可能性が高かった。
モハ3296もユニットカバー着脱順に注意を要する。
この箇所には青マッキーで印を付け識別とした。
竣工したモハ3296の駆動音はざらつきが収まり注油とグリス変更の効果を感じられた。
高経年車では遠慮なく注油できるが3300形3304F,3344Fが種車のグループは微妙な時間経過となる。
入場前の試験走行で自分の耳を頼りにするしかないと思う。

京成3200形モハ3226[3264F] 新赤電色 後期仕様 動力ユニット整備(加減速不調改善,台枠方転)

2017-03-19 21:36:58 | 京成線:3200形
逆転配置。

マイクロエース製京成形式の動力ユニット整備は3200形6両編成グループ最後となる3264F新赤電色後期仕様へ進む。
3264Fは3300形系列の狭間に突如リリースされた感がある。
今に続く側面行先表示器基準幕化工程は製品再現済の3264Fが切っ掛けだった。


京成3200形3264F 新赤電色 後期仕様。
3264F:[3264]-[3263]+[3228]-[3227]-[3226]-[3225]。

発売当時は形式に関わらず新赤電色編成の増備に消極的で3264Fの導入を見送った。
その後3240F現行色のプロトタイプ変更で富士川車輌工業製[(千葉) 大森台]幕が浮き掛けた。
[(千葉) 大森台]幕再用が3264F新赤電色投入の理由になっている。
リリースから時間が経過した後の導入になり中古製品としてコストを抑制した。
この後新赤電色編成は3150形,3200形,3300形各々で在籍するまで勢力を拡大している。


モハ3226 新赤電色 後期仕様(3264F)。

製品の動力車はモハ3227が指定されていた。
整備時に3240F現行色へ揃えるためモハ3226と床板を交換し5号車を動力車に変更している。
現在では5号車(6両固定編成)の動力車化を放棄し製品に倣っている。
この入場を機に動力ユニットをモハ3227に戻すことも考えたが他編成への波及を考え従来方式を踏襲した。


入工中のモハ3226。

車体を分解して不可解に思ったのは室内灯ステーが上野寄にあることだった。
他動力車は成田寄に存在しモハ3226だけが異なるのはおかしい。
ユニットカバーを外すとこの原因が判った。
モーターの向きが逆に配置されており動力ユニット自体が逆転し組み込まれていた。
モハ3227から移設した際に方転させたらしい。
当時の記録が無く意図的に方転を行ったのか判らない。
わざわざモーターカバーを嵌変えており外観からは気付けなかった。


ラプロスの番手を落とした導電板磨き (#4000,#4000+#6000)。

導電板の状態はかなり悪かった。
至る所で酸化が見られる上に進行状況がばらばらだった。
導電板研磨はラプロス#6000で開始したが酸化の進んだ箇所が散在し均一に磨き出せない。
使用には迷いのあった#4000を持ち出さないと作業が進まなくなる。
#6000より更に浅掛けとし酸化部を磨き上げた。
このままだとやや擦過痕が残るため#6000で仕上げている。


グリス量の少なかったKS-121動力台車。

モハ3266(3232F)の3300形用FS-361動力台車は夥しいグリスが投入されていた。
それに比べるとモハ3226はましな方だと思える。
グリスは乾燥こそしていなかったがゼリー状に近かった。
全体的な添加量が多くなくクリーナー浸け方式は採用していない。
丹念にギア山を清掃し変色したグリスを除去している。


サックスブルーの成形色が目立つギアボックス (清掃後,清掃前)。

入場直前の3264Fは段付加減速が気になった。
最終的にはスケールスピードまで達するもののそれまでの安定感に欠ける。
この状況はモーター単独駆動試験でも現れている。
更に駆動音も大きく感じられたためモーター軸受部へ注油を施した。


油脂除去を行ったモーター軸。

注油後の駆動試験では不安定な動作が収まった。
モーター軸には固着した油脂が付着していたためモーターへの注油決断は早かった。
油脂を除去しただけでも不安定な挙動は改善できたかもしれない。
しかし静音化に結び付く確率が低いと考え動作確認は注油後にだけ行っている。


方転した動力ユニット。

各部品の清掃を終え動力ユニットを組み上げた。
逆転配置を是正するため予めユニットカバー共々方転させている。
これで見慣れた台枠方向になった。
ユニットカバーの室内灯ステーも成田寄に移り標準的な姿に改まっている。


双方向に取付可能なモーターカバー。

今回は最後にモーターカバーを取り付けた。
途中で間違える可能性は低かったものの逆転配置が発覚した直後で予防措置としている。
入場前とは台枠との位置関係が逆になったが特に抵抗もなくダイキャストに嵌まった。
3264Fから採用された現行LOTモーターカバーはどちらの向きでも使用可能らしい。




モハ3226(動力ユニット整備)。

方転した動力ユニットは車体嵌合にも支障を来さなかった。
よって入場前との変化は室内灯ステーが成田寄に移ったのみとなる。
最後に津川洋行製ホイールクリーナーで車輪踏面清掃を行いモハ3226が竣工した。
走行試験結果は良好で段付加減速,駆動音共に収まってくれた。

まさかの動力ユニットの逆転配置があったが全体的には順調に進んだ整備だった。
3264Fは再出場するが引き続き避雷器問題が残る。
こちらも何とか解消できるよう案を絞り出したい。

京成3200形モハ3262[3240F] 現行色 後期仕様 動力ユニット再整備(経年対策) ※初期整備施工車

2017-03-08 21:22:29 | 京成線:3200形
番手。

京成線グループのマイクロエース製動力ユニット整備は経年都合で細々とした追加工程が増え一気に進められない。
時間に余裕が無く項目が増えると1両/日で限界となる。
京成線グループは形式若番編成順に整備を進めている。


京成3200形3240F 現行色 後期仕様。
3240F:[3240]-[3239]-[3238]-[3237]+[3262]-[3261]。

今回も項目の多そうな3200形3240F現行色後期仕様(3240F)の入場を迎えた。
マイクロエース製京成3000系列第一陣として出場した3240Fは3216F試験塗装色ライトブルー編成(3216F)と並ぶ高経年編成である。
自分の不手際でモハ3239は車体更新を行う羽目になった。
その後側面行先表示器基準幕化,モハ3262(動力車)のモーターカバー交換で現行製品に近い見附に変わっている。
モハ3262は極端な加速不調に陥り一度動力ユニットの整備を行った。
この際の記録を見直すと現在とは異なるコンパウンドでの導電板磨き等を行った初期整備施工車だと判明した。


モハ3262現行色後期仕様(3240F)。

初期整備施工車のモハ3215(3216F-2)では自らの雑な仕事ぶりに手を焼いた。
特に導電板は手を加えない方が良かったと思えるほどの再酸化ぶりで研磨に手こずっている。
モハ3262も嫌な予感が充満する。
この日はモハ3262だけの入場となる事を前提に作業を開始した。


入工中のモハ3262。

モーターカバーを外すと予想を遥かに超えた醜態に愕然とした。
導電板は完全に曇り一部は黒色になっている。
如何にもいい加減に拭き上げた染みが各所に見られ素人作業の怖さを痛感した。
現在でも手探りな部分があり今後も余計な手間を招く可能性が有ると思う。
導電板はユニットカバーに焼き潰し固定されており着脱が出来ない。
最早劣化としか言えない導電板だが従来通りの研磨方式しか通用しないため地道に磨くしかなかった。
先ずクリーナーを浸けた綿棒で汚れを落とそうとした。
当然導電板には全く変化が起きない。
その代わりクリーナーがクリーム状に変わり何かが除去された。
モーターカバーを仔細に見ると導電板溝の至る所にコンパウンドが残っていた。
クリーム状の物質はどうやら拭き残したコンパウンドらしい。
コンパウンドとクリーナーが混ざり幾何学模様の変色に繋がったと思われる。




ラプロス#4000で研磨した導電板。

何とか元に戻すべくラプロス#6000を手に取った。
しかし黒色化した箇所には全く対抗できなかった。
黒色部は各所に点在しているため一向に作業が捗らない。
そこで思い切ってラプロス#4000まで番手を落とした。
真鍮色に戻らない以上番手を下げるのは仕方がない。
粗くなるとは言えラプロスの表面であれば最低限の研磨で模様を消去できると考えた。
すると導電板にしつこく残っていた模様は急速に姿を消していき真鍮色が現れた。
#6000に比べ擦過痕が目立つものの妙な物質が残るより良い。
番手を改めたことが奏功しこれ以降の導電板磨きは快速で進んだ。
なお#4000で磨き上げた後に#6000で仕上げを行い擦過痕を目立たなくしている。


中途半端な整備で終えていたFS-361動力台車(上野寄)。

磨き終えた導電板をクロスで丁寧に吹き上げFS-361動力台車の整備に入った。
分解すると作業をやり残した様に見えるギア類が目に入った。
台車ギアはまだそれなりに頑張った雰囲気が伺える。
しかしスパイラルギアは最悪だった。
ギア前後のプラスチック製ストッパーは軸に固着してしまい動かない始末である。
カバーにも乾燥グリスが付着し殆ど手を出していないように見えた。


焦茶色化していた乾燥グリス(成田寄)。

成田寄は更に酷くスパイラルギアカバーには乾ききったグリスが埃と共に付着していた。
さすがにここまで変色したグリスはなかなかお目に掛かれない。
スパイラルギア周りの清掃はグリスが完全に乾燥していたため除去自体は楽だった。
一方FS-361動力台車は主ギアのグリス除去が甘く上野寄,成田寄とも分解している。
クリーナー浸けを選択するほどではなく極細綿棒で丁寧に残滓を取り除いた。
遡るとモハ3215の動力台車周りも同様の措置が施されていた。
この頃はスパイラルギア周りの清掃を行っていなかったらしい。
何故半端な作業で留めたのか当時の自分に聞きたいほどである。


塗装剥離が見られた台枠。

FS-361動力台車を組み立てモーター軸受部への注油を施した。
前回整備から加速度が落ちる症状は出ていない。
その代わり駆動音が目立っていた。
もちろんマイクロエース製動力ユニットでは標準的だと思える程度である。
しかしギア周辺の状態が余りにも酷くこれまでの負荷を考慮しモハ3266(3232F)に続いての選択になった。
全工程を終えたと思った矢先に台枠の黒色塗装が剥がれダイキャストが顔を出している箇所を発見した。
このまま放置しておくと剥離が進行し黒粉飛散に繋がる。
最終的にはダイキャストの劣化を招く恐れがあるためマッキーで塗り潰した。
剥離箇所はまだ上野寄の一部分に限られていた。
しかし他の箇所も新たに塗装剥離を起こすと厄介になる。
そのため両側の動力台車嵌合部全てに施工した。


両端をマッキーで塗り潰した台枠。

台枠塗装に合わせマッキーを使用したが今考えると色マッキーの方が良かったかもしれない。
その方が劣化進行か新たな塗装剥離かを判別し易く出来たと思う。
既に一部車両で台枠塗装剥離を確認している。
京成線グループではマイクロエース製品が主力で再び同様の症状を持つ車両が現れる可能性があるだろう。
その際には色マッキーでダイキャスト保護を行いたい。


車輪踏面清掃を行ったFS-361動力台車(上野寄)。

台枠塗り潰しを終え動力ユニットを組み立てた。
最後に津川洋行製ホイールクリーナーで車輪踏面清掃を行い全工程を終えた。
試験走行では駆動音が静まり整備,特に注油の成果を裏付けしている。
モハ3262の動力整備はとんでもない始まりだった。
前回の整備内容が酷過ぎ痛い目に遭ったが最終的には竣工へ漕ぎ着けられた。
導電板磨きに大幅な時間を要し動力ユニット整備では過去最長の入場時間になってしまった
予想通りこの日の入場はモハ3262だけに留まっている。

初期整備整備車は経年劣化車より強敵だった。
素人作業に危険が伴うのは承知の上ではある。
今後モハ3262以上の強敵出現も覚悟した方が良いだろう。

京成3200形モハ3266[3232F] 現行色 晩年仕様 動力ユニット整備(経年対策) ※京成3300形用動力ユニット搭載車

2017-03-04 21:19:53 | 京成線:3200形
低経年。

マイクロエース製京成3200形3232F現行色晩年仕様(3232F)は3240F現行色(二代目)を種車に出場した。
導入目的通り部品取化されKS-121動力ユニット,非動力台車は他編成へ散り元3240Fは一旦長期保留編成になった。
その後マイクロエース製3300形の増備,組成変更で所要部品を確保し3232Fへ改番のうえ復活している。


京成3200形3232F 現行色 晩年仕様。
3232F:[3232]-[3231]-[3230]-[3229]+[3266]-[3265]。

製品仕様の3240F現行色とはKS-121,FS-361の比率が逆転(4:2)している特徴を持つ。
動力ユニットは3300形出場によって頻々と入れ替わる予備品を遣り繰りし3300形用(FS-361)をモハ3266に搭載した。
3240Fと台車比率が逆転したのはKS-121動力ユニット転用が始まりだった。
この後どうにかFS-361非動力台車を捻出しモハ3265(3232F)竣工に結び付けている。


モハ3266現行色晩年仕様(3232F)。

3200形系列では唯一の3300形用動力ユニット搭載車で竣工時の記録には整備済と記載されていた。
当時は3300形整備に注力しており長期保留編成だった元3240Fへ時間を割いた記憶が無い。
肝心な整備工程が無く信用できなかった。
3232F出場時期を考えると初期整備車に当たり仮に施工済でも内容には期待できない。
たまたま3300形用動力ユニットの本格整備になるため今後の参考にはなるだろう。


入工中のモハ3266。

モハ3266の駆動音は入場前のモハ3214(3216F-1)と変わらなかった。
これが通常だと思っていたが動力ユニット整備後のモハ3214は劇的な静音化に至っている。
竣工時から変わらないモハ3266の駆動音も今回の入場で改まるかもしれない。
前回入場の内容に関わらずモハ3214と同じ工程を踏む事にした。


メンテナンス施工の気配が全く見られないモハ3266用動力ユニット。

ユニットカバーを外すと指紋の残る導電板が確認できた。
整備時は必ずゴム手袋を嵌めるため自分の指紋は付かない。
この時点でモハ3266の動力ユニット整備済という記載は誤りと発覚している。
恐らく整備済のFS-361動力ユニットは3300形に起用したのだろう。
久し振りに指紋の付着した導電板磨きを迎えた。
モハ3214から導電板磨きにはラプロス#6000に切り替えている。
そのせいか指紋は簡単に除去出来た。
#8000より短時間で磨き終えられるため出場から時間の経過した車両は#6000を使用する。


指紋が消えた導電板。

続いてFS-361動力台車を取り外した。
3300形用のため黒色のギアボックスが特徴である。
その分白色グリスも引き立たせる。
スパイラルギアカバーを外すと変色の始まったグリスが確認できた。
3300形3304Fリリースは2015年8月で僅か1年半程度にも関わらず劣化が始まるらしい。


変色の始まったグリスが盛られたFS-361動力台車(上野寄)。

不幸なことにグリスはてんこ盛りでロアフレームまで染み出ている。
先ずギアボックス周りから清掃を開始した。
3個のギアは粘度の高まったグリスで回転が重い。
余りに量が多くクリーナー浸けを選択した。
この間にギアボックスの清掃を行いグリスを取り除いている。


清掃済のギアボックスと清掃前のロアフレーム一式(成田寄)。

ギア類をクリーナー浸け方式にしたため上野寄,成田寄FS-361動力台車の平行作業になった。
清掃を終えたギア及びギアボックスを組付けた後にロアフレーム一式へ移行している。
なおグリス未塗布の状態ながらギアの回転はかなり軽くなった。
かなりの抵抗になっていたはずでモーターには過大な負荷が掛かっていたと思われる。
そのためこれまでの原則を破り軸受部へ注油を行った。


油脂付着等は見られなかったモーター周り。

モーターの外観は良好な状態に見えた。
但し内部までは手を入れられないため駆動試験で状況を確認するしかない。
一応問題無い様に思えたが試験では台車の負荷が無く軽やかになるのは当然である。
モハ3214,モハ3215(3216F-2)の騒音差はモーター軸受への注油に拠るものかもしれない。
微量の注油で抑えておりモハ3266の結果次第では経年整備項目に組み込む事も考えている。


整備,清掃を終えた各部品。

ギアボックス,スパイラルギア周りからはグリスの塊が消え去った。
モーター軸受部への注油も施しほぼフルメニューと言える工程になっている。
時間こそ要したものの整備済の先入観を取り払っていたため手応えが上回った。
最後にFS-361動力台車へ微量のタミヤ製グリスを塗布し動力ユニットを組み立てた。


清掃を終えたモハ3266用動力ユニット。

3300形用動力ユニットを丸ごと転用したためユニットカバーの色温度が他車両と異なる。
確か3300形で3200形用ユニットカバーを転用した車両が存在したはずである。
順次動力ユニット整備を進めるため何れは発見できると思う。
その際にはモハ3266とユニットカバーの交換を行いたい。

最後は津川洋行製ホイールクリーナーで車輪踏面清掃とギアのグリスを循環を並行して行った。
トラクションタイヤをブラシに当てないよう3軸だけをクリーナーへ接触させている。
この時に駆動音の静音化が確認できた。
走行試験でもモハ3214整備後並の駆動音に変わりモーター軸受部注油の効果だと予想される。
今後の動力ユニット整備予定は高経年車が続く。
入場前走行で駆動音が目立った車両はモーター軸受部への注油を施したい。

京成3200形モハ3215[3216F-2] 試験塗装色ライトブルー車 本線仕様 動力ユニット再整備 ※初期整備施工車

2017-02-28 21:13:27 | 京成線:3200形
不備。

マイクロエース製京成線グループの動力ユニット整備は第2編成が入場となる。
今回はモハ3214試験塗装色ライトブルー車千葉線仕様(3216F-1)竣工比較の流れを継ぐ。
モハ3214に比べ駆動音が目立った3200形3216F試験塗装色ライトブルー編成本線仕様(3216F-2)を整備対象となった。


京成3200形3216F 試験塗装色ライトブルー編成 本線仕様。
3216F-2:[3216]-[3215]-[3214]-[3213]。

各形式の若番編成から整備を進める予定でモハ3214の比較対象がモハ3215(3216F-2)だったのは都合が良かった。
因みに3216F-2は3216F-1と同時期のプロトタイプで千葉線仕様か本線仕様かの違いしかない。
後から出場した3216F-2は3212F試験塗装色ホワイト編成との4+4混色編成を組むため導入した。
未だにモハ3209(3212F)の前面塗装状態が酷すぎるため実現に至っていない。
参考までに3216Fは塗装試験期間中に[UENO 上野],[NARITA AIRPORT 成田空港]幕を含む新幕(当時)へ交換が行われた。
共に数少ない差別点になる行先方向幕だったが4両編成[急行]と両立させるため[東成田]を選択している。


モハ3215 試験塗装色ライトブルー車 本線仕様(3216F-2)。

3216F-2は[Keisei]社名板が消去された中古製品を整備し出場させた。
この時3216F-1との混同及び3212F併結時の動力車偏位防止を目的に上野寄M1車のモハ3215に動力ユニットを搭載させている。
電装はモハ3214(3216F-2)との床板交換とせず一旦2M2T化させた後に1M4T化する妙な方法を採った。
そのため予備品のKS-121を履く動力ユニットを起用している。
当時の記録を見直すとこの動力ユニットは整備済となっていた。
しかし前途の通りモハ3214(3216F-1)との比較で駆動音が目立ったため再整備を施す。


入工中のモハ3215。

モハ3214(3216F-1)のカプラーポケットはカプラー色に合わせマッキーで塗り潰した。
ただ余りにも効果が無さ過ぎモハ3215ではこれを取り止めグレーのカプラーポケットが存置されている。
整備済の動力ユニットだがどの様な措置を行ったか肝心な記録が記されていない。
先入観を持たずに作業に取り掛かった。
するとユニットカバーの嵌合爪受が1箇所折れ掛かっていたのに気付いた。
ここが最後に台枠から離れるよう嵌合爪を浮かす順番を考えカバーを取り外している。


整備を施したようには見えないモハ3215用動力ユニット。

ユニットカバーを裏返すと導電板は薄汚れていた。
どう見ても磨き出し後には映らない。
但しクリーナーで表面保護を施してもこの程度の酸化を招く可能性がある。
これは今後の動力ユニット整備の進捗で判明すると思う。
改めてユニットカバーを見直すと所々に白色の滓が残っていた。
当初導電板磨きにはコンパウンドを用いていた。
白色の滓はコンパウンドの拭き残しらしい。
この動力ユニットは極初期に整備を行ったと思われる。


磨き直した導電板。

現在ではラプロスでの導電板磨きに移行しておりコンパウンドは使用していない。
動力ユニット整備開始直後の施工は明白で他にも欠けている項目があると考えた。
再整備とは言え実質通常整備と変わらない手順を踏む。
先ずコンパウンドの拭き残しを除去した。
一部は嵌合爪受にも付着しており全て爪楊枝で取り除いた。
前途の折れ掛けた嵌合爪受はコンパウンド塗布時に綿棒の圧力に負けたのだろう。
導電板はラプロス#6000で磨き直した。
クリーナーで拭き上げた後に折損しかけの嵌合爪受に瞬間接着剤を投入し補強している。


純正グリスは除去されていたKS-121動力台車。

導電板で躓いたためKS-121動力台車も期待せずに内部を確認した。
ところがギア類は綺麗に清掃されており台車分解の必要は無かった。
ギア山はグリスの残滓も見られず丁寧に作業したらしい。
動力ユニットの整備は「車輌メンテナンスマニュアル」を参照しながら開始した。
もしかするとクリーナー浸けでグリス除去を行ったのかもしれない。
この状態で駆動音が目立つのは腑に落ちなかった。
てっきり台車周りから発する音だと思っていたが違っていた。


騒音の原因だと思われるスパイラルギア周り。

しかしスパイラルギアを確認すると様相が一転した。
スパイラルギアカバーには乾燥したグリスが夥しく残っていた。
あれだけ台車ギアを綺麗にしながらスパイラルギア周りを放置した理由が判らない。
ギア軸受にも乾燥グリスが付着しギア自体の回転を重くしていた。
恐らくこれが駆動音を大きくしていた可能性が高い。


一から清掃をやり直したスパイラルギア周り (清掃後,清掃前)。

微妙に複雑な成形が成されているスパイラルギアカバーの清掃は苦しんだ。
軸受部のグリスがなかなか除去出来ない。
爪楊枝では逆に隙間にグリスを押し込む結果を招くだけだった。
止むを得ずクリーナー浸けに変更し極細綿棒とクロスで拭き上げた。
スパイラルギアはクリーナーを浸したクロスで包み込み回転させながら溝清掃を行っている。


再整備を終えた各部品。

モーターは単独駆動試験で特に異常が伺えなかった。
無用な注油は防ぐようにしておりモハ3215ではモーター周りに手を加えていない。
一通りの工程を済ませKS-121動力台車へ極微量のグリスを塗布し動力ユニットを組み立てた。
動力台車へのグリス塗布はギア類の艶が殆ど見られなかったために行った。
もしかするとギアへのグリス塗布を失念した可能性もある。
駆動試験では入場前より静音化された。
KS-121動力台車のギアも疑わしいが最大の原因はスパイラルギア周りだと思う。
ただ注油を施さなかったせいかモハ3214よりも駆動音は大き目になっている。
次入場車は駆動音次第で注油を頭に入れた方が良いかもしれない。


青マッキーで識別点を設けた折損寸前の嵌合爪受。

最後に折れ掛けたユニットカバー嵌合爪受に色を挿し今後の注意喚起とした。
カバーを外す際は順番を間違えないようにしなければならない。
瞬間接着剤は斜め方向の入力に弱い。
モハ3215用動力ユニットは分解入口から気を付ける必要がある。
念のため黒色の台枠と同化しないよう青マッキーで嵌合爪受全体を塗り潰した。

今後の取扱いに不安が残るもののモハ3215が竣工した。
幸いユニットカバーは予備品があり折損時には交換できる。
しかし安易に転用すると入場車都合で窮地に陥る可能性がある。
限界まで使用し極力予備品を確保する方向にした。
ひとまず2編成が再出場したが3200形だけでまだ6編成が残っている。
一部には整備済動力ユニットを搭載している初期整備車が含まれているかもしれない。
1編成ずつ確認を進めていくしかないだろう。

京成3200形モハ3214[3216F-1] 試験塗装色ライトブルー車 千葉線仕様 動力ユニット整備(経年対策,静音化)

2017-02-27 21:29:28 | 京成線:3200形
先手。

先日マイクロエース製京成3300形モハ3342現行色(3320F-1)が故障のため緊急入場し編成に復帰した。
動力ユニット整備は元々東西線グループ終了後に京成線グループへ移行する計画を組んでいた。
モハ3342の故障を機に若干前倒しし順次入場させる。


京成3200形3216F 試験塗装色ライトブルー編成 千葉線仕様。
3216F-1:[3216]-[3215]-[3214]-[3213]。

編成数の多い京成線グループではどの様に整備を進めるかを考えた。
経年順,走行履歴順,回着順,出場順,形式順等鍵が有り過ぎて迷う。
本来なら経年順か走行履歴順が理想だった。
しかし何れも全編成の正確なデータを抑えられていない。
無難に形式順の動力ユニット整備で決定した。
その結果入場第1号編成は3200形3216F試験塗装色ライトブルー編成千葉線仕様(3216F-1)となった。
偶然にもマイクロエース製京成3000系列の初陣に当たり経年上でも好都合になっている。
なお3216Fより若番の3212F試験塗装色ホワイト編成(←3216F:二代目)は4T化されており入場しない。


モハ3214 試験塗装色ライトブルー車 千葉線仕様(3216F-1)。

3216F-1は予約をしなかったせいでリリースから6年後に回着した。
不良在庫だったらしく5年落ちながら新品で導入している。
動力車は成田寄M1車のモハ3214である。
当時の整備工程に倣いM2車以外特に措置を施すことなく3216F-1を出場させた。
モハ3214の状態は当時のマイクロエース製動力ユニット特有の癖があり起動電流が高い。
駆動音も大きかったが同時リリースの3240F現行色と変わらず仕様だと思い気にしていなかった。


入工中のモハ3214。

出荷から現在までかなりの時間が経過している。
初めからある程度の劣化は避けられないと思い作業を開始した。
高経年車だが基本的構造は現行製品と変わらない。
よって普段通りの手順を踏みメンテナンスを進める。


初めて分解されたモハ3214用動力ユニット。

モーターカバーを外すと思ったより綺麗な導電板が現れた。
モハ3342(3320F-1)も同様だったが一部が黒色化する極端な酸化は見られない。
この当時から現在までに何度か材質の変更があったのかもしれない。
しかし輝きが全く失われており研磨は必要である。
毎度のラプロス#8000を手に取った。
ところが曇りが強敵でなかなか地が出て来ない。
ラプロスの表面は劣化部を確実に磨いている事を表すかのように真っ黒に変わっている。
にも関わらす導電板は一向に輝く気配を見せなかった。
このままでは埒が開かない。
そこで番手を#6000に下げ研磨を再開した。


ラプロス#6000で磨いた導電板。

#6000でも思うように作業が捗らなかった。
しかし#4000では下げ過ぎだと考え#6000で磨き続けた。
15分近くを要してやっと導電板が輝きを取り戻した。
これだけ時間が掛かるなら#4000を使用しても良かったと思う。
3M製研磨フィルムで仕上げに入ったが逆に一部を傷が付けたため中止している。
最後にクリーナーで拭き上げ導電板磨きを終えた。


グリスが乾燥していたKS-121動力台車(上野寄)。

次にKS-121動力台車の清掃へ移った。
ギアボックス内には乾いたグリスがこびり付いていた。
救いはグリス投入量が予想を下回っていたことである。
先ず爪楊枝で乾燥グリスを掻き出し大雑把に取り除いた。
ここからクリーナーで丁寧に清掃を行う。
プラスチック製ギア類は全て爪楊枝で山を攫いクリーナーを浸けた極細綿棒で清掃を施した。


清掃後のギアボックス。

乾燥したグリスは除去がし易く中途半端に粘度が高まった状態より作業が進む。
そのため大ギア,小ギアともクリーナー浸けを見送っている。
結果的には現行製品の動力ユニット整備後と同等に仕上がった。
スパイラルギア,ギアカバーも同じ方法で清掃を行いグリス除去を終了した。


清掃を終えたKS-121動力台車。

最後は心臓部であるモーターの整備である。
単独駆動試験ではやや回転が重く感じられた。
奏でる音も低音で軽やかさに欠ける。
フライホイール部を廻すと凝りがあるような振動が周期的に伝わってきた。
モーター軸そのものが抵抗になっている可能性がある。
そこでモーターストッパーを外し軸受部に注油を行った。


台枠に存置したまま注油を行ったモーター軸。

モハ3342では微動だにしなかったためユニバーサルジョイントまで取り外しモーターを撤去した。
しかしモハ3214はその必要が無く軸受部を覆うモーターストッパーを外すだけで終えている。
注油後のモーター単独駆動試験は良好な結果を得られた。
取り敢えず低音だけの状態からは脱している。
最後にKS-121動力台車へグリスを添加し動力ユニットを組み立てた。
確実に変化が見えるのは導電板とフライホイールである。
フライホイールは曇りが激しかったためモーターの駆動確認時に拭き上げを行った。
見掛けだけは若返ったと言えるだろう。




整備を終えたモハ3214用動力ユニット。

走行試験ではモーターのメンテナンスを裏付けする答が出ている。
相変わらず起動電流は高い。
しかし駆動音は全く異なるものに変わった。
大幅に低音域が小さくなり軽やかにモーターが回転する。
入場前の試験区間を軽く凌ぐ程の加速度に高まった。
京成線グループ動力ユニット整備第1号のモハ3214は最良の結果を残し竣工した。

仕様だと思っていた駆動音が抑えられたのは虚を突かれた。
比較でモハ3215試験塗装色ライトブルー車本線仕様(3216F-2)の走行試験を行った。
すると整備前のモハ3214と変わらない状況だった。
どうやらメンテナンス次第で静音化を図れるらしい。
次の入場は比較試験の流れでモハ3215(3216F-2)とする。

京成3200形3298F 復活赤電色 行先変更

2016-04-30 21:14:44 | 京成線:3200形
回転。

マイクロエース製京成3300形は半ユニット+半ユニットが保留車になっている。
これを整備すべく所有車両編成表を確認していた。
各種候補があったがどれも一長一短でなかなか絞り込めなかった。


京成3300形3316F 現行色 中期仕様 4+2編成。
3316F-2:[3316]-[3315]-[3314]-[3313]+[3302]-[3301]。

最終的にモハ3304+モハ3303,モハ3310+モハ3309中期仕様が理想的かつ合理的と判断した。
3316F現行色(3316F-1)は半ユニットのモハ3302+モハ3301を随時増結し4+2編成(3316F-2)としていた。
この半ユニットを3304F現行色中期仕様化して4両編成化する。
動力車は組み込まずに4Tとしモハ3310+モハ3309の半ユニットを増結して4+2編成とする方向である。
これは物理的にFS-361,KS-121非動力台車が不足した事による。
3308F現行色中期仕様出場で活用できる部品が明らかになったが中途半端さも露呈してしまった。
KS-121はサックスブルーだが[K'SEI]CIマークとの共存期間が僅かにあったためそこに嵌め込む。
但し3316F-2を維持するため[B43 普通 津田沼]が前提になる。
しかしマイクロエース製3316F新赤電色クロスシート試作車付属ステッカーに余裕が無く[津田沼]幕が1枚しかない。
そこで3200形3298F復活赤電色(3298F-3)の行先を変更し対処する。


3200形3298F 復活赤電色。
3298F-3:[3298]-[3297]-[3296]-[3295]。

3298Fの行先方向幕は[UENO 上野],[NARITA AIRPORT 成田空港]幕が含まれる旧方向幕だった。
マイクロエース製ステッカーで使用できる行先方向幕は[千葉中央]幕しか残っていなかった。
3264F新赤電色付属ステッカーは中途半端に全コマ英字併記方向幕が印刷されている。
そのため3316F新赤電色クロスシート試作車付属ステッカーに頼るしかなかった。
何故ここでマイクロエース製ステッカーに拘ったのか分からない。
3240F,3264F共に富士川車輌工業製ステッカーを採用しており形式間の差異を考えなくても良かった。
これに気付かないまま3298F-3の行先方向幕交換に入った。
3298F-の種車は3298Fリバイバル開運号(二代目)である。
リバイバル開運号仕様は基準幕が製品標準化されており部品振替による表示変更に向かない。
行先表示器点灯状態が3316F-1と変わってしまうためステッカーを剥離する。


基準幕(製品仕様)が特徴のモハ3298。

[津田沼]幕をステッカースライダーで滑らせながら剥離した。
自分にしては珍しくジャストサイズで切り出せており普段通りに行かなかった。
Hゴムモールド手前から動かないためクラフトナイフで端部を持ち上げている。
そのため[津田沼]幕はやや折線が入ってしまった。
ステッカー初期貼附車よりはまだましであり即モハ3304(四代目)へ移植した。


[千葉中央]化された行先表示器:マイクロエース製ステッカー。

そして新たに[千葉中央]幕を貼附した。
3298F復活赤電色で2枚使用する[千葉中央]幕も予備が無くなる。
やはりステッカーベースを用いて富士川車輌工業製行先方向幕にすれば良かったかもしれない。


モハ3298 点灯試験[B51 普通 千葉中央]:前照灯。


モハ3298 点灯試験[B51 普通 千葉中央]:尾灯。

製品仕様で基準幕化されている関係で独特の発光になる。
これは3264Fでも見られる。
なお種別表示器の漏光が激しいのは行燈式ヘッドマークを撤去した名残である。
非点灯では誤魔化せても点灯時には派手に歪んだ発光になる。
改修予定はあるものの今回の項目ではなく後日再入場させたい。

モハ3295も[千葉中央]幕へ交換した。
ステッカーが上手く剥がれなかったのはモハ3298と変わらなかった。
こういう時に限ってジャストで切り出せた自分が嫌になる。
[津田沼]幕は元モハ3333へ貼附し劣化を少しでも防ぐようにした。


モハ3295 点灯試験[B51 普通 千葉中央]:前照灯。


モハ3295 点灯試験[B51 普通 千葉中央]:尾灯。

モハ3295のダミーヘッドマークは差し込まれていただけで漏光は激しくない。
何とかモハ3298もこの程度まで遮光したい。
なお運行番号は変更せず[B51]を引き継いでいる。
千葉線系統の運行番号は飽和状態で4両編成運用は[B51]から[B65]まで埋まってしまった。
変更しても重複する状態は回避できない。
自作ステッカーとは言え無駄遣いは勿体なく従前の運行番号が残ることになった。




3298F-3 (行先変更)。

これで3300形の保留車解消に一歩近付いたと思った。
3316F現行色中期仕様と併結する都合で3304F現行色中期仕様は[K'SEI]CIマークが必須になる。
動力車は増結するモハ3310に頼るが種車は旧モハ3306になる。


旧モハ3306(現行色前期仕様化済)。

3308F現行色前期仕様の種車が3304F(五代目)に切り替わる前に竣工していた旧モハ3306は[K'SEI]CIマークが消去されていた。
[K'SEI]CIマークインレタは京成3600形3618F芝山色へ優先使用するため現段階では使用できない。
元芝山3600形3618Fに続き3304F現行色中期仕様4+2編成も先に進めなくなった。
この状態でモハ3304(四代目)+モハ3303(←元モハ3343)の整備に進むべきか迷う。
暫定出場でモハ3304+モハ3303+3316F-1の2+4編成は組めるのだが。

京成3200形モハ3213[3216F-2] 試験塗装色ライトブルー車 本線仕様 行先表示類貼付,[Keisei]社名板転写

2016-03-01 21:45:01 | 京成線:3200形
復帰。

マイクロエース製京成3200形3216F試験塗装色ライトブルー編成(三代目)の第二次整備は最終入場となるモハ3213に入った。
[A37]運行は4両編成のため3212F試験塗装色ホワイト編成の出場を待たずに出場できる。


京成3200形モハ3213 試験塗装色ライトブルー車。

モハ3213も再用できるものは活かす考えで作業を開始した。
分解するとやはり側面窓セルが一度撤去された痕跡があった。
しかも山側は既に折損しS字部の一部分が無くなっていた。
前オーナーさんも流し込み接着剤に苦戦したようである。


入工中のモハ3213。

側面窓セルの取り外しが容易であり簡単に側面行先表示器基準幕化を済ませた。
車体への取付はゴム系接着剤を併用している。
2pcs化されていた山側窓セルのうち前位寄は戸袋吹寄せ部での1点止めだがライトユニットが抑えの役割を果たしてくれる。
後位寄は2点止めとして安定度を高めた。
行先表示器の突き出しが脱落こそ防いでくれるものの嵌合爪が浮くため接着している。


[急行 東成田]:再用ステッカー。

行先表示類貼附方式はモハ3216と全く同じになった。
新調したのは[A37]運行番号表示器,行先方向幕ステッカーベースだけで済んでいる。
なお[急行]幕はマイクロエース製3264F新赤電色付属ステッカーで透過率の低いタイプである。


基準幕化した側面行先表示器と[Keisei]社名板インレタ。

最後の作業は[Keisei]社名板インレタの転写となった。
前オーナーさんによる消去痕が限られた範囲で収まっていたためインレタ転写で誤魔化せた。
溶剤でこの様に消去できれば爪楊枝式に進むことは無かっただろう。
店舗のAランク扱いには納得行かないが全車違和感なく転写出来たのは幸いだった。


モハ3213 (千葉線仕様,本線仕様)。

後は点灯試験を行うのみである。
検品時に点灯確認を終えており貼付したステッカーとのマッチングを重視した。


モハ3213 点灯試験[A37 急行 東成田]。


モハ3216 点灯比較[A37 急行 東成田]。

種別・行先方向幕の視認性はモハ3216とほぼ同様になった。
これでマイクロエース製京成形式へのグリーンマックス製行先方向幕ステッカー流用もコツが掴めた。
但し[UENO 上野],[NARITA AIRPORT 成田空港]幕などの二段表示幕は天地が厳しくなる。
モハ3213の試験結果は良好な一方でモハ3216の前照灯光量の低さが気になった。
もう一度モハ3216を入場させライトユニットを分解した。


分解したモハ3216用ライトユニット。

モハ3216のライトユニットは前照灯プリズムがすぐに脱落する状態だった。
個体差と思い手を着けなかったが失敗だったらしい。
尾灯プリズムの嵌まり具合によるものかと思ったが全く変わらない。
そこでモハ3209(3212F)で使用していた尾灯プリズムに交換した。


尾灯プリズムを入れ替えたライトユニット。

ライトユニットごと交換しても良かったが原因追究のため全面交換は見送っている。
その結果しっかり部品が嵌まるようになり前照灯プリズムも脱落しなくなった。
蒸着処理にも差があったようで尾灯プリズムは引き込まれた位置に収まっている。
車体への嵌合もスムーズに行えた。




モハ3216 点灯試験[A37 急行 東成田]:尾灯プリズム交換。

確実に前照灯光量が上がり尾灯プリズム交換の効果が出た。
光量に変化があったのは前照灯のみだった。
原因は前照灯プリズム位置ということが判明したが間接的に尾灯プリズムが影響していたらしい。
これで両先頭車の点灯具合は同じになった。




京成3200形モハ3213(側面行先表示器基準幕化,[Keisei]社名板転写)。

全車[Keisei]社名板消去済という状態で回着した3216Fは無事に京成3200形へ復旧できた。
側面窓セルの着脱も容易で作業性だけはAランクだったと言えよう。

京成3200形モハ3216[3216F-2] 試験塗装色ライトブルー車 本線仕様 行先表示類貼付,[Keisei]社名板転写

2016-02-29 21:53:46 | 京成線:3200形
感謝。

マイクロエース製京成3200形3216F試験塗装色ライトブルー編成(三代目)は運行番号絞込に苦しんでいた。
かつて当たり前に見られた4両編成急行だが運行番号まで把握していなかった。
当時のデータが手元に無くM1車竣工で作業が止まっていた。


京成3200形モハ3216 試験塗装色ライトブルー車。

運行番号が決められないとM2車の整備に入れない。
色々なキーワードで検索を続けてようやく答を見付けた。
[A37 急行 東成田]が4両編成運用と判明した。
早速モハ3216を入場させている。


入工中のモハ3216。

カプラー交換等の基本的な部分は第一次整備で終えていた。
後は側面行先表示器基準幕化と行先表示類の貼付になる。
分解時に山側の側面窓セルを折損させてしまった。
前オーナーさんにより接着剤止めではなくなっていたが硬化したS字部が耐えられなかったらしい。
ただ3240F現行色後期仕様(3240F)で悉く折損させた経験があるため焦りは無かった。
行先表示器を青マッキーで塗り潰し戸袋吹寄部にゴム系接着剤を塗布し復旧させている。


基準幕化された側面行先表示器。

ライトユニットは3300形と異なり種別表示器の減光は行わない。
3200形は種別表示器窓セルの白色化が減光を兼ねているため不要な工程となる。
マイクロエース製京成形式共通の処理として行先表示器用プリズムの先端だけ青マッキーで塗り潰している。


原形に近いライトユニット。

運行番号表示器は新たに[A37]を製作した。
原板を何度も改変するのが面倒になってきたためそろそろ全面改訂しようかと考えている。
モハ3210電装解除時にスペーサー代わりとして切り出したプラ板を再用し助士側窓内に取り付けた。
[急行]幕はかつて3216F+3212Fを組んでいた際に貼附していたステッカーを持ち出した。
種別表示器の白地幕化が奏功し再用品には見えないと思う。
[東成田]幕はグリーンマックス製ステッカーに頼るためステッカーベースを貼り付けた。


行先方向幕ベースを貼付したモハ3216:[A37 急行 ]。

[東成田]幕も再用品である。
運行番号表示器ステッカー,ステッカーベース以外は再用品の塊になっている。
貧乏性もこういう時には威力を発揮する。
最後に[Keisei]社名板インレタを転写した。


[Keisei]社名板を転写したモハ3216。

[Keisei]社名板インレタは1枚目を使い切ったため2枚目に変わった。
入手時期に開きがあり安定して転写を終えている。
インレタは乾燥剤を入れたジップロックで保管しているが劣化自体は避けられない。
[Keisei]社名板を使う機会は殆ど無いと思っていたが思わぬ出番がやって来た。
劣化が進む前でタイミングが良かったのは幸いだった。


モハ3216 (千葉線仕様,本線仕様)。

社名板は僅かに成田寄になったが平行を保てている。
3216F試験塗装色ライトブルー編成千葉線仕様(3216F-1)とは時期が被るため側面見付はほぼ同様になった。
[Keisei]社名板の質感違いが識別できる要素になる。


モハ3216 点灯試験[A37 急行 東成田]。

行先方向幕,種別幕の視認性は上々と言える。
特に行先方向幕はプリズム青色化とステッカーベースが効力を発揮してくれた。
なお種別表示器窓セルに施した周囲黒色化は裏側だけの簡易式になっている。
3200形では珍しく押し出せなかったため止むを得ない措置になった。
そのため入場予定のモハ3213も同様にする。




京成3200形モハ3216試験塗装色ライトブルー車本線仕様(3216F-2:側面行先表示器基準幕化,[Keisei]社名板転写)。

モハ3216の竣工で残るモハ3213の第二次整備を終えれば3216F試験塗装色ライトブルー編成本線仕様(3216F-2)が出場できる。
とにかく[A37]の発見が大きかった。
画像をアップされていた方にお礼を述べたい。
この他[49 ]も4両編成急行と確認した。
[成田],[高砂]は確定で今後の4両編成急行登場にも備えられる。
ところで[A37]運行はどの様なものだったのだろうか。
引き続きデータを探りたい。


モハ3216 (3216F-1,3216F-2)。

仮にライトブルーが採用されていれば京成3000系列はかなり雰囲気が変わったであろう。
モハ3216(3216F-1)と並べると離合の雰囲気が味わえる。
少なくともイエローグリーンよりは上を行っていたと思える。

京成3200形モハ3211+モハ3210[3212F] 試験塗装色ホワイト車 赤系内装色化

2016-02-17 21:29:05 | 京成線:3200形
本仕様。

マイクロエース製京成3200形モハ3211+モハ3210試験塗装色ホワイト車(3212F)は無事に床板交換を終えた。
何れも暫定竣工なのは内装色都合だった。


京成3200形モハ3211 試験塗装色ホワイト車:暫定竣工。


モハ3210 試験塗装色ホワイト車:暫定竣工。

モハ3211はグリーンマックス製で明灰色,モハ3210はTOMYTEC製で青色だった。
余り内装色には拘っていないが何故かこの2両だけは赤色系統にしたくなった。
座席パーツを塗装し本竣工させる工程に入った。
床板は共に2pcsで座席パーツが取り外せる。
暫定竣工していた2両を分解して塗装を行った。
近似色で構わないことから京成1000形1037F後期仕様で余った京急バーミリオンを起用している。
塗装当日は生憎の強風だったが構わず作業している。
座席部品という余り目立たない部分なので色斑は気にしなくて良いという考えによる。




京急色になった座席部品。

予定通りの色斑,ボタ塗りだが問題ない。
室内灯は今後も導入する計画が無く多少の粗は目を瞑れる。
モハ3211はこのまま床板を組み上げ即竣工した。
なお上板に接着していたモーターカバーを一度撤去する必要があり作業順を間違えたらしい。
一方のモハ3210は一部加工を行った。


ウエイト両脇に追加したスペーサー。

TOMYTEC製床板は床下機器取付孔部分を全てくり貫いた。
その影響で剛性が落ち車体からの横力が弱まってしまった。
それをカバーするため中央部にプラ板を溶着して蒟蒻状態から脱した。
これに座席部品が組み合わさるため横剛性は確保できるはずである。

そして端梁と座席パーツを溶着させる。
この工程は所有するTOMYTEC製車両全てに施している。
これにより事実上1pcs化され剛性が上がる。
更に下板両端が下垂する事を防ぐ狙いがある。


溶着させた座席部品。

完全固着を待ち組立に入った。
モーターカバーを安定させるため使用していた両面テープは全て剥離した。
グリーンマックス製床板より圧着度は下がるが分解の作業性を考えた結果である。


入工中のモハ3210。

塗料被膜の分だけ横力が増したらしく床板が嵌めにくくなった。
床板のスペーサー効果もあるだろう。
座席塗装を剥がさないよう慎重に車体と組み合わせる。
車体の平行を合わせるのに難儀したが無事に作業を終えた。


内装色が赤色系になったモハ3211,モハ3210。

一見するとマイクロエース製京成車両らしい感じになってくれた。
連結部は殆ど見えないため余り効果は高くないだろう。
完全に自己満足作業である。




モハ3211(内装色赤色化)。




モハ3210(内装色赤色化)。

酷い仕上がりの内装塗装は外観に引けを取らない。
だが外からは全く見えないので問題ないだろう。
3212F試験塗装色ホワイト編成はモハ3209の前面塗装修正に力を注いできたため他3両は放置に近かった。
少しでも被膜を均せるよう工夫したい。


モハ3212+モハ3211 (マイクロエース製床板+グリーンマックス製床板)。

床板交換による車体高の変化は最小限に抑えられたと思う。
モハ3212はマイクロエース製だが車体高ほぼ同じになった。
通常のレールでも凸凹は然程目立たない。
床板を交換したモハ3211+モハ3210は自分にしては成功の部類に入れていいだろう。
今後は厳つさがよりFS-361に近いFS-345を探したい。