試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-741,754[ラシ331F-1] 旧集電式TR62非動力台車(PT-101)集電板反転取付施工 ※TOMIX製旧製品

2017-03-18 21:12:33 | 国鉄/JR103系
嚆矢。

TOMIX製旧製品オーナーさんご教示によるTOMIX製集電板反転台車の取付を旧クハ103-473(元ラシ327F)で試行した。
その結果は良好で今後塗装変更車の車体更新にも展開出来る見通しが立った。
先ず優先的にメーカー塗装車の集電板反転台車化を図る。


JR103系ラシ331F (1990/10)。
ラシ331F-1:Tc741-M673-M'829-T272-M7-M'7-T274-M674-M'830-Tc754

現有車両では少数派のTOMIX製クハ103形旧製品のメーカー塗装車だが一部編成には縛りが有った。
ツヌ308F,ラシ326Fは動態保存編成を兼ねているため出来るだけ手を加えてこなかった。
両編成とも排障器(PZ-900)取付さえ見送っており今回の対象編成から外れた。
但しTR62(PT-101)が初期LOTで台車枠への加工が不要ならば原形復帰前提で作業できるため施工の可能性は残る。


ラシ308F (1988/4:動態保存編成)。


ラシ326F (1987/6:動態保存編成)。

今回の候補に残ったのはラシ331F-1,ラシ337F-3だった。
クハ103-741,クハ103-754(ラシ331F-1)は元ラシ336Fを構成した最終LOT製品を出自とする。
塗装エラーを除けば状態が良く今後も活躍が期待できる車両である。
むしろKATO製103系一般形の非冷房車4両が不安を抱える。
一方クハ103-374(ラシ337F-3)は1両だけの入場で済む。
中期LOTに該当し状態も悪くない。
しかしラシ337F-3は組成変更計画があり最終的にクハ103-374は捻出される可能性がある。
再竣工は中古製品の動向次第でその間予備車になり性能向上の効果が薄れてしまう。
そのため集電板反転台車採用編成はラシ331F-1に決定した。


クハ103-741(ラシ331F-1)。

クハ103-741はKATO製モハ103-7の故障に始まった車両異動でクハ103-277(元ラシ336F)から改番された。
元ラシ336Fは中期増備編成で車両番号インレタ転写に失敗し標記位置が大幅にずれてしまった。
クハ103-741への改番は節約式としたため今でも偏位が残っている。
今入場では台車変更に注力するため施工項目から外した。


入工中の旧クハ103-473,クハ103-741 (元ラシ327F,ラシ331F-1)。

試作車の旧クハ103-473で完成した集電板反転台車はクハ103-741へ取り付ける。
これによりクハ103-741のPT-101は運転台側:最終LOT,連結面側:初期LOTの組合せに変更された。
両者では表面仕上げに若干の差があるものの気にするほどではないと思う。
取り外したPT-101のうち運転台側はクハ103-754へ転用する。
この時点で旧クハ103-473は連結面側台車だけが最終LOTになった。


クハ103-741 点灯試験[27C 中野]:前照灯。


クハ103-741 点灯試験[27C 中野]:尾灯。

なお1-3位側の焼き潰し式ウエイト固定が無効になっており当初は点灯しなかった。
台車から車体までを一体で締結する方式では嵌合時の微妙な角度でライト基板への通電不良を招くらしい。
導電板兼ウエイトをビス締結具合に左右されないようゴム系接着剤で固定した。
その後は製品原形と変わらない点灯に戻っている。




クハ103-741(集電板反転台車化)。

集電板反転台車は初期LOT台枠から最終LOT台枠に変わっても何ら不都合は見られない。
前後の台車LOTが異なっており台枠とPT-101の組合せは自在だと思われる。
車体更新用のクハ103形導入は最終LOTに拘ってきた。
TNカプラー対応より性能改善が重要と思え車両番号がインレタ化された中期LOT以降まで対象を広げる。


クハ103-754(ラシ331F-1)。

続いてクハ103-754の台車加工に入った。
試作台車は1両分だけでクハ103-754からは車両装着台車の集電板を反転させる。
旧クハ103-473で2種類の台枠があると判っていたため構えずに着手できた。
予め試作台車を製作した事が奏功したと思う。


入工中のクハ103-754。

運転台側TR62はクハ103-741から捻出された排障器台座付PT-101に振り替えた。
クハ103-754はPT-101(初期LOT)を加工し排障器を取り付けていた。
当時は排障器台座付PT-101の入手を考えていなかった。
初期LOT台車への排障器取付は裏面へプラ板を介し接着させている。


振替えられる運転台側TR62 (PT-101最終LOT,PT-101初期LOT)。

これまで不具合無く経過してきたが編成内で揃えるため旧クハ103-473へ装着し予備品へ廻す。
振替えた排障器台座付PT-101では予想外の事態が待ち構えていた。
分解すると集電板形状の違いに気付いた。


形状が異なっていた集電板。

ここまで細工したTR62の集電板は全て凹形だった。
ところが切れ込み角度が浅く天地が狭まり逆台形になっていた。
どうやら集電板にもLOT差異があったらしい。
旧クハ103-473から凹形集電板を移設しようとも考えたが今後の種車次第では代替が効かない事態も起き得る。
そこで3種類目の反転方式に挑む。


切除中の補強梁。

基本的な考え方はPT-101最終LOTと同様である。
その代わり集電板の天地が狭くなった分だけ補強梁の欠き取りを増やさなければならない。
ナイフの角度を誤ると側梁の破損に繋がりかねずこの作業は慎重を期した。
集電板の天地縮小幅が思ったより大きく補強梁をかなり削ったように思える。
ただ現物合わせで何度も確認を行ったためそう感じさせているだけかもしれない。


完成した運転台側用TR62(集電板反転)。

補強梁切除の終点は凹形集電板取付時と変わらず軸受が目安となる。
最終LOTと思われる集電板でも反転取付が可能だった。
まだPT-101,集電板共にLOT差があるかもしれない。
安直に決め付けず作業した方が得策だろう。


初期LOTだった連結面側PT-101。

最後の連結面側TR62の集電板反転に取り掛かった。
要加工を頭に入れ分解すると凹形の集電板だった。
加えて反転しPT-101に組み込むと軸受が顔を出した。
意気込んで手を伸ばしたが結局連結面側は無加工で集電板反転を終えている。


クハ103-754 点灯試験[27C 中野]:前照灯。


クハ103-754 点灯試験[27C 中野]:尾灯。

クハ103-741で生じていた導電板兼ウエイトの脱落は無く一発で点灯試験を終えた。
3種類目となった集電板反転台車もこれまでの2種と車輪回転の差は生じなかった。
クハ103-754もスムーズにリレーラーを下る。
性能上劣る事は無いだろう。




クハ103-754(集電板反転台車化)。

過去の遣り繰りと今回の振替でクハ103-741,クハ103-754とも台車LOTの組合せが統一された。
改番時の記録内容が余りにも薄くどの様に台車を入れ替えたのか判らない。
転がり抵抗はLOTに関係無く解消したため今後の振替えは入場車の台車LOTに懸かるだろう。

手応えを得てラシ331F-1が再出場した。
今後の施工対象にはクハ103-374の他にクハ103-291,クハ103-292(ツヌ326F)も挙がっている。
塗装変更車も車体更新時に台車を流用できるため対象に加えても損はしない。
但し肝心なKATO製中空軸車輪の保管数を把握しておらず何両が賄えるか掴めていない。
施工より先に転用可能な中空軸車輪数の確認を進めたい。

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