試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-346,359[ラシ336F] 側面窓セル窓サッシ印刷補修施工,簡易式改番廃止試行

2018-08-15 21:05:20 | 国鉄/JR103系
波及。

2社3種混結に改められたJR103系ラシ336F(Tc433)は初期竣工車が多い。
KATO製モハ103-560+モハ102-716,サハ103-346,サハ103-359(ラシ336F-2,ラシ336F-3)はツヌ315F(Tc213)を種車とする。
何れも2014年3月には改装,改番を終えていた。


JR103系サハ103-359(ラシ336F-2)。

竣工後の4両はAssyベンチレーター化等で入場したが大規模な改善を要さなかった。
組成から約4年半が経過した現在でも基本的に回着整備時から大きく変わっていない。
偶然同一LOTとなったモハ103-534+モハ102-690(ラシ336F-2)では側面窓セル窓サッシ印刷を改修した。
初期竣工車のモハ103-560+モハ102-716,サハ103-346,サハ103-359も劣化が既に始まっていた。
KATO製103系は塗装変更車の車体更新を軸に進めてきたがメーカー塗装車も個別対応を要する時期に来たらしい。
なおラシ336F(Tc433)にはサハ103-442(中古製品:旧LOT品)を種車とするサハ103-346(ラシ336F-2)も在籍する。
よりLOTが遡るサハ103-346(ラシ336F-2)は何故か剥離は見られずいまいち腑に落ちない。


入工中のサハ103-359。

油性メタリックマーカーでの補修は余り時間を要さないため各車の改修に着手する。
入場は未更新車のサハ103-359を先発に起用した。
車両更新工事施工車とは異なり車体への小細工は一切無い。
劣化部品は側面窓セルのみで簡単に復旧出来ると思えた。
この考えは間違いなかったが余計な余裕を生んでしまい追加施工を呼び込む事になる。


既に斑点状剥離まで進んでいた側面窓セル(1-3位側)。

車体がほぼ原形のため分解は何も気を使わずに済む。
妻面窓セルを持たない構造も幸いしあっと言う間に側面窓セルの撤去を終えた。
窓サッシ印刷は部分的に銀色印刷を失った箇所が多い。
クロスでの拭き上げ前から斑点状剥離が確認できる状況だった。
従って側面窓セルの清掃後は剥離箇所が増加している。


油性メタリックマーカーで補修した窓サッシ(2-4位側)。

窓サッシの補修はその劣化状態に関わらず該当するモールド全てを塗り潰すよう改めた。
これは少しでも塗り斑を抑える狙いがある。
部分補修では当該箇所だけ銀色の質感が異なってしまう。
長らく採用し続けていた油性ペイントマーカー式以来の弱点は完全に拭い去れた。
代わりに補修を行うサッシモールドの総延長は延びている。
それでも作業時間は油性ペイントマーカー式部分補修より短縮され効率悪化は招いていない。


[サハ103-359]:2-4位側。

側面窓セル窓サッシ印刷はあっさりと補修を終えた。
呆気なく竣工を迎える場面だったが簡易式改番が目に留まった。
サハ103-359の種車はサハ103-325である。
回着整備当時は技量不足も重なり車両番号だけをインレタに頼る簡易式改番を多用していた。
何れは全廃の予定でありサハ103-359を全桁改番への試行車とする。
先ずインレタ再現の[サハ103-359]を剥離した。


[サハ103-359]:1-3位側。

簡易式改番の印刷消去はペイントリムーバー式であった。
印刷再現の[サハ103-346]はラプロス式で消去する。
ペイントリムーバー式印刷消去部は塗装被膜が弱くなっていると考えられた。
よって[サハ103-325]の消去痕を避けラプロスを当てる。
ところが擦過面積が限られ思ったより綺麗に仕上げられなかった。
やはりペイントリムーバー式印刷消去車は厄介だった。
更にラプロス式印刷消去が加わったため車両番号標記転写部は2種の消去方式が混在してしまった。
対策としてラプロス#8000で標記跡を全面的に均している。


[[サハ103-][3][5][9]]:2-4位側。

グリーンマックス製インレタはサハ103形用が少ない。
古インレタは形式称号を含め消費済であり使用中の新インレタを持ち出した。
現時点では再転写が必要なサハ103形は在籍しておらず今後困る場面は無いと思われる。
組合せは両側とも[サハ103-]+[3]+[5]+[9]で揃った。
車両番号標記も整っており全桁改番車化そのものは成功を収めた。




サハ103-359(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工,簡易式改番廃止試行)。

無難に終えられた側面窓セル窓サッシ印刷補修に対し簡易式改番の廃止は手間取った。
[サハ103-359]の消去方法は誤っていたと言える。
竣工に至ったサハ103-359だが消去方式はまだ再考の余地がある。
窓サッシ印刷補修とは別の課題を抱えサハ103-346(ラシ336F-3)が入場となった。


入工中のサハ103-346(ラシ336F-3)。

サハ103-324を改番したサハ103-346(ラシ336F-3)は当初ラシ336F-2を組んでいた。
その後KATO製一般形サハ103-269(ラシ336F-3)の登場を機にラシ336F-3へ異動している。
同期に竣工した3両に比べ走行距離は伸びていない。
しかし側面窓セル窓サッシ印刷の状態は変わらなかった。
窓サッシ印刷補修はサハ103-359の通り要領を掴めた。
入場したサハ103-346は簡易式改番の廃止から取り掛かる。


[サハ103-346]:2-4位側。

インレタ再現の[サハ103-346]は転写糊の付着が激しかった。
サハ103-359との差はインレタのLOTよりもペイントリムーバー式印刷消去の個体差だと思われる。
どうにか転写糊を除去し印刷のまま残る[サハ103-346]を消去する。
マスキングテープでの養生は全桁改番車と同一に改めた。
ラプロス#4000を当てる中心は当然[サハ103-346]である。
印刷標記が崩れた後にラプロス#6000へ変更する。
ここから[サハ103-324]消去痕も擦過対象に加えペイントリムーバーによる塗装被膜変質の影響を小さくした。
この方法は的中しサハ103-359より程度良く仕上がった。
塗装被膜を悪化させた[サハ103-346]転写跡までほぼ同化されており簡易式改番車廃止に繋がると思う。


[[サハ103-][3][4][6]]:2-4位側。

車両番号標記印刷痕は全桁改番車に近い。
よってインレタの転写も安定化された。
組標記が1つ不足し1-3位側:[サハ103-]+[34]+[6],2-4位側:[サハ103-]+[3]+[4]+[6]の組合せになっている。
バラ標記転写に迫られた2-4位側も一発で仕上がりインレタの変形は生じなかった。
ペイントリムーバー式印刷消去部は当て方に注意を要するがラプロス#6000が適すると思われる。


側扉窓金属押え面支持再現が剥げ始めていたサハ103-346。

簡易式改番車廃止への糸口を掴めたと思い一安心した。
それも束の間で油性ペイントマーカー再現の側扉窓金属押え面支持が劣化していると判った。
竣工したばかりのモハ103-534+モハ102-690と差がありすぎる。
予定には無かった金属押え面支持再現の修正が加わった。
1-3位側から手を着けたものの窓支持モールドの波打ちが激しくなり逆効果だった。
改善のはずが飛んだ改悪になっている。


消しゴムでHゴム支持に戻せた側扉窓支持モールド(2-4位側)。

2-4位側ではモハ102-488(→モハ102-690)で試行した消しゴムでのインク除去を採り入れた。
色挿しの直後では成功したが施工から時間が経過した車両に通用するか判らない。
不安を抱えながら消しゴムを擦り続けたところ少しずつ油性ペイントマーカーのインクが落ち始めた。
最終的には製品仕様のHゴム支持まで戻せている。
消しゴムの角度次第では車体断面の原形復旧が可能かもしれない。
但し再び金属押え面支持に変更する都合で試行は見送っている。


車両更新工事施工車仕様に復帰したサハ103-346(1-3位側)。

1-3位側も同様にHゴム支持へ復帰させた。
注意点は車体断面等に入り込む消しゴムの残滓である。
後年車体塗装を傷める原因になるため丁寧に除去を行った。
Hゴム支持まで戻せた事で金属押え面支持化の再施工では波打ちを抑えられている。
なおインク除去時に一部の戸袋窓も灰Hゴム支持へと変わった。
結局全てをマッキーで塗り潰す車両更新工事施工車化と同一工程になっている。


点状剥離まで達していた窓サッシ印刷(2-4位側)。

迂回を経てようやく側面窓セル窓サッシ印刷の修正に漕ぎ着けた。
ここまでの施工内容に比べれば軽いと感じられる。
サハ103-346の窓サッシ印刷は点状剥離が各所で生じていた。
特に1-3位側は劣化が激しい。
中段,下段共に大半を油性メタリックマーカーで補修している。


1段しか残らなかった印刷再現の窓サッシ(1-3位側)。

2-4位側も決して状態は良くなかった。
側面窓セルの清掃で波打ち現象が進んだ下段は全て塗装再現へと変更される。
中段は4箇所が補修対象となった。
何れも窓セルモールドを外さず一直線状での修繕に至っている。
側面窓のインク除去が不要になると作業効率は更に高まる。
主工程は他項目に主役の座を奪われる結果になった。




サハ103-346(ラシ336F-3:簡易式改番廃止試行,車体改修・側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

側扉窓の金属押え面支持は輝きを取り戻しサハ103-346が竣工した。
消しゴムによるインク除去の影響も殆ど伺えない。
簡易式改番が廃され車両番号は整った標記へと変わっている。
車両更新工事施工車の改修は初施工となったが想定以上に時間を要するとも判った。

一方側面窓セル窓サッシ印刷の補修は続けて捌けた事により不安は全く無くなった。
車体改修と区分するか悩むところである。
簡易式改番車の形式称号印刷消去はその方式に未確定要素が残る。
但しサハ103-346は一つの切っ掛けになったと思う。
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