試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ100-237[ツヌ123F] 第二次冷房改造車 車体改修 (ウエイト防錆対策,車体清掃,PS16形パンタグラフ整形施工) ※'旧製品

2020-02-24 23:43:18 | 国鉄/JR101系
優先。

KATO製国鉄101系ツヌ123F(Tc78:弁天橋区仕様+旧製品)の改修順を変更しました。
当初モハ101-176(ツヌ123F:旧製品)の次はクモハ101-184(ツヌ123F:旧製品)を入場させる予定でした。
ただ錆取り作業に限ると長尺の中間車両用ウエイトは分が悪く思えました。


国鉄101系モハ100-237 第二次冷房改造車(ツヌ123F)。
※旧製品。

クモハ101-184(第二次冷房改造車)は2018年9月に車体振替を実施しました。
車体塗装の埃巻き込みが旧クモハ101-184(旧製品)の弱点でした。
これを廃するため十四代目ツヌ118F(Mc155:旧製品←旧ツヌ118F:Mc155)を起用しました。
クモハ101-155(ツヌ118F)は後天的瑕疵車両でしたが中間組込車への起用には支障しません。
床板も再生産品LOT相当品に更新しておりモハ100-237(ツヌ123F:旧製品)と入場順を入れ替えました。
なお旧クモハ101-184(元ツヌ123F)はクモハ101-152(ツヌ103F:Tc48)に改番異動済で現在も健在です。


入工中のモハ100-237。

在籍中のKATO製101系第二次冷房改造車は総勢17両で全体に占める割合は高くありません。
ツヌ123Fの他はトタ冷房5F(Mc198),カノ1F(Mc178:旧製品),ツヌ116F(T'c91:旧製品)です。
このうちトタ冷房5F:側面窓Hゴム支持再現統一,カノ1F:前面窓支持色変更試行,ツヌ116F:車体改修と各々入場機会がありました。
対照的にクハ101-78,クハ100-89(弁天橋区仕様)の車体更新以降ツヌ123Fに変動はありません。
その後他編成との兼ね合いでツヌ123F用第二次冷房改造車はクモハ101-184,クハ100-89に限り手直しが実施されます。
従ってモハ100-237だけは第二次冷房改造車でも初竣工以来全く動きがありませんでした。


木工用ボンド固定を採用した避雷器部品。

改修を終えたモハ101-198以下5両(ツヌ113F:旧製品)では車体汚損が目立ちました。
ところがモハ100-237だけは状態が良く車体内側の黄色5号塗料粉除去に手を焼いた程度でした。
車体側板,屋根板,側面窓セル,妻面窓セルは純水ウエットクロスでの湿式清掃が効果的でした。
屋根上機器は全て撤去しAU75A冷房機搭載箇所を中心に蓄積した埃除去を行っています。
絶対数こそ少ないもののクモハ100形,モハ100形には避雷器部品の安定度に欠ける個体が存在します。
第二次冷房改造車用屋根板との相性だと思われますが生憎モハ100-237がこれに該当しました。


上昇姿勢が改善されたPS16形パンタグラフ(1エンド側)。

既に一部車両で実績のある木工用ボンド固定を採り入れ再発防止策としました。
木工用ボンドは屋根板裏面から避雷器部品取付口を埋め込むように塗布しています。
この方式であれば避雷器部品挿入後も屋根板表面へのはみ出しは発生せず未施工車と同じ体裁を維持できます。
決して施工例は多くありませんが再撤去も支障無く行えるため有効な対策だと思います。
屋根上機器ではPS16形パンタグラフの上昇姿勢が今ひとつ優れず整形しました。
パンタグラフ台枠が凹形に歪むお馴染みとも言える原因であり修正方法は心得ていました。


純粋ウエットクロスで仕上げた座席部品裏面,台枠表面。

従来まではパンタグラフ下枠を外していましたがモハ100-237では試験的に分解を見送りました。
KATO製PS16形パンタグラフは上枠がスライダーに引き掛かる構造を有しています。
そのため製品原形のままパンタグラフ台枠に圧を与えると必ず上枠が外れてしまいます。
スライダー部品の破損防止が名目の分解修正でしたが作業効率低下の一因にもなっていました。
今回はスライダー部品全体及び上枠を押さえながら直接パンタグラフ台枠を水平形状に戻しています。
多少強引さこそありますが都度状況確認が行える利点があり手早く整形を終えられました。


容易だったウエイト防錆対策(2エンド側)。

これまでの施工例に従うとパンタグラフ台枠さえ矯正出来れば上昇姿勢も改善されるはずです。
試行結果はまずまずで普段では余り使用しない上段まで型崩れする事無く持ち上がるようになりました。
モハ100-237用PS16形パンタグラフ程度の変形具合ならば分解修正は不要かもしれません。
苦戦が続いてきた床板老朽化対策ですがモハ101-176(ツヌ123F:旧製品)では僅か約10分で終えられました。
モハ100-237用床板の第一印象も非常に悪くサハ101-258(ツヌ123F:旧製品)から試験採用した第一次処理を踏襲しています。
錆粉塗れだった座席部品裏面,台枠表面は歯ブラシで叩き落とし純粋ウエットクロスにて拭き上げました。




モハ100-237(車体清掃,PS16形パンタグラフ整形施工)。
※旧製品:車体改修。

両部品ともウエイト擦過痕以外はほぼ経年を感じさせない状態に引き上げられたと思います。
モハ101-176用と然程状態の変わらなかったモハ100-237用ウエイトですががやはり第一次処理が効果的でした。
殆どの錆は乾燥クロスで削ぎ落とされウエイト断面も金工用鑢を軽く当てただけに留まっています。
結局モハ100-237(ツヌ113F)はPS16形パンタグラフ整形が加わりながらも約40分で竣工を迎えられました。
意図的に順番を入れ替えた効果は全く無かったものの作業時間短縮への手応えを得られた入場でした。
これでツヌ123Fではクモハ101-184のみが未改修車となります。

モハ101-176[ツヌ123F] 車体改修 (ウエイト防錆対策,2-4位側車両番号標記印刷跡再消去施工) ※'旧製品

2020-02-23 23:57:30 | 国鉄/JR101系
劇的。

初出場から約5年8箇月が経つKATO製国鉄101系ツヌ123F(Tc78:弁天橋区仕様+旧製品)は各所で綻びが伺えます。
クハ101-49(ツヌ116F:Mc154)と同時入場させたクハ101-78(ツヌ123F:弁天橋区仕様)は深刻なウエイト腐食が発覚しました。
車体更新を経たクハ101-78ですが床板は旧クハ101-78(旧ツヌ123F:旧製品←クハ101-75:ツヌ118F)からの流用品でした。


国鉄101系モハ101-176(ツヌ123F)。
※旧製品。

現在でもツヌ123Fには五代目ツヌ118F(Mc155:旧製品)出自車7両が含まれ中間車両5両は床板も受け継いでいます。
クハ101-78での改修内容からウエイト腐食は当該中間車両にまで及んでいると考えられました。
予想通りモハ101-198,サハ101-258,サハ101-106(ツヌ123F:旧製品)の改修工程には必ず錆取り作業が付帯しました。
またクモハ100-149(ツヌ123F:旧製品)を皮切りにサハ101-258,サハ101-106と車両番号標記インレタ再転写まで続きます。
ツヌ123F構成車は全体的に状態が芳しくなく今回改修入場させるモハ101-176(ツヌ123F:旧製品)では長期戦を前提とします。
但し錆取り作業だけはサハ101-258より試行開始した第一次処理方式を踏襲し少しでも所要時間削減を狙いました。


入工中のモハ101-176。

当然の如くモハ101-176も旧ツヌ123Fが初出場して以降全く入場機会は得られていません。
屋根板,車体,側面窓セルは何れも薄汚れており一連の車体改修では最も悪い状態でした。
加えて分解から躓き嵌合が固かった1-3位側用側面窓セルの取り外しに苦戦しています。
101系800番代LOT側面窓セル装着車では多々見られる症状で両妻板を外側へ撓ませ撤去しました。
何処から手を着けるべきか迷う程で先ずは車体清掃を第一工程に据えました。
側面窓セル撤去時には黄色5号塗料粉飛散が確認されており早くも純水ウエットクロスの出番となりました。


湿式を初採用した車体清掃。

旧製品車両,再生産品車両に関わらず車体内側清掃は湿式を採用してきました。
アルコールクロスから純水ウエットクロスへ変更となったものの現在では手慣れた作業と化しています。
天井桁,車体断面を含め黄色5号塗料粉の拭き上げを行い側板清掃へと移行します。
ところが油脂付着の激しかったモハ101-176では磨きクロスでの乾式清掃が通用しませんでした。
油膜を引き伸ばす状況が幾度と無く繰り返されたため再度純水ウエットクロスを持ち出しまひた。
本格的な湿式車体側板清掃はモハ101-176が初試行だと思われ車両車両標記を崩さないよう留意しました。


嵌合具合が改善された1-3位側用側面窓セル。

湿式清掃への切替は効果覿面で薄汚れた車体は瞬く間に消え去りました。
続けて屋根板,妻面窓セル,側面窓セルも湿式清掃とし各々の著しい曇りを解消させています。
使用している純水ウエットクロスは比較的水分量が少なく意外に拭き斑が目立ちません。
そのため現状でも十分に思えたが念のため磨きクロスで最終仕上げを行いました、さ。
嵌合に手こずると思われた1-3位側用側面窓セルですが呆気なく車体へと滑り込みました。
清掃だけで改善されるとは思えませんので妻面窓セルの嵌まり具合が悪かっただけかもしれません。


手遅れに見えたウエイト腐食。

試行した湿式清掃ですが入場前の状態が悪く組み立てまでに約20分も掛かりました。
床板老朽化対策は錆取り作業こそ若干の時間短縮が実現したものの最低でも約30分は割かれます。
悪足掻きをしたところで大幅な作業効率改善には結び付かないと考え長期戦を覚悟しました。
御多分に漏れずモハ101-176用ウエイトも腐食が進み十七代目ツヌ118F(Mc155→ツヌ118F:旧製品)相当だと思えました。
ウエイトは全断面が錆に塗れており廃車発生品との交換も検討したほどでした。
ところが座席部品裏面,台枠表面への湿式清掃が思いの外軽度で済んだため継続使用としました。


再び成功したウエイト断面第一次処理。

ウエイト錆取り作業は乾燥クロスによる第一次処理を本格試行しています。
サハ101-258用,サハ101-106用とは比較にならないほど錆だらけでがっかりしました。
ところが殆どの錆粉が削ぎ落とされ第二次処理を不要と思わせる状態にまで戻ってくれました。
見てくれが至極悪かったモハ101-176用ウエイトは腐食進行が遅かった模様です。
結果錆取り作業は丸棒金工用鑢で断面を均す程度に留まりました。
まさか作業開始から約10分で防錆処置及び床板組み立てを終えられるとは思いませんでした。




[モハ101-176]:2-4位側。

通常であれば竣工に至る場面ですが2-4位側[モハ101-176]標記の埃引き抜きに手を着けました。
[モ101-176]の2箇所に糸屑のようなものが挟まっており修正を試みています。
しかしインレタが脆くなっていた成果糸屑ごと剥がれ落ちてしまい[モハ101-176]を失います。
追い討ちを掛けるように[モハ101-215]標記印刷跡までが露出してしまい消去痕修正にまで要しました。
先のサハ101-106では定番化しつつあるユニクリーナー式で[サハ101-108]標記跡を除去できました。
だが[モハ101-215]標記跡はインクが十分に溶けておらず不発に終わっています。




[モハ101-[1][7][6]]:2-4位側。

ペイントリムーバー式とラプロス式を比較した結果[モハ101-176]標記インレタへの影響を考え後者に落ち着きました。
途中で[モハ101-176]を大きく傾かせ全桁転写へと変更になりかけましたが意地で元に戻しています。
仮に全桁転写であれば[モハ101-215]標記跡の状態からペイントリムーバー式に切り替えていたと思います。
未改番車で実績を重ねたラプロス式印刷消去でもあり[モハ101-215]標記跡は全く伺えなくなりました。
印刷濃度を基準にラプロス#4000で残る標記を崩しラプロス#6000で仕上げる工程となりました。
よって[モハ101-176]を追加転写するには塩梅の良い塗装被膜に達しています。



モハ101-176(車体分解清掃,2-4位側車両番号標記印刷跡再消去・車両番号標記再転写施工)。
※旧製品:車体改修。

標記復旧用に高経年台紙を持ち出し[モハ101-]+[1]+[7]+[6]を組み合わせました。
ここはラプロス式印刷消去が幸いした模様で失敗無く[モハ101-176]標記を成立させています。
[モ101-176]には何となく埃を引き抜いた際の歪みが残るものの許される範囲にあると思います。
床板関連項目までは順調に進んだモハ101-176(ツヌ123F)でしたが別工程に足を引っ張られ約70分を要して竣工となりました。
ただ標準的な車体清掃,床板老朽化対策だけならば約30分で作業完了を迎えられる収穫も得られています。
引き続き純粋ウエットクロス式車体側板清掃及びウエイト第一次処理は試行項目としツヌ123Fの再出場を目指します。

※文体修正中

サハ101-106[ツヌ123F] 車体改修 (ウエイト防錆対策,ペイントリムーバー式印刷消去痕修正,車両番号標記再転写施工) '旧製品

2020-02-22 23:59:54 | 国鉄/JR101系
糸口。

KATO製国鉄101系では十七代目ツヌ118F(Mc155→ツヌ118F:旧製品)から床板老朽化対策を標準整備項目に組み入れました。
但し座席部品裏面,台枠表面,ウエイト全断面への錆取り作業は約40分に及ぶ長丁場となります。
これに本格的な車体改修が加わると単独入場しか望めなくなる苦しい状況が続いていました。


国鉄101系サハ101-106(ツヌ123F)。
※旧製品。

ツヌ123F(Tc78:弁天橋区仕様+旧製品)は五代目ツヌ118F(Mc155旧ツヌ123F:旧製品)以来の床板を承継している車両が多数派です。
入場も少なくクハ101-49(ツヌ116F:T'c91)と床板を振替えたクハ101-78(ツヌ123F:弁天橋区仕様)が状態の悪さを暗示していました。
ご多分に漏れず改修を終えたモハ101-198,サハ101-258(ツヌ123F:旧製品)でも錆取り作業に手を焼かされています。
ただサハ101-258用ウエイトは錆の根が浅く乾燥クロスで断面を擦る第一次処理で金属面が露出してくれました。
その結果約10分ながら錆取り作業時間が短縮され少しだけ光が射し込んだように感じられました。
当然腐食状態に左右されるがウエイト断面への第一次処理をサハ101-106(ツヌ123F:旧製品)でも試行してみます。


入工中のサハ101-106。

錆びたウエイト断面への第一次処理はサハ101-263(ツヌ104F:Mc159)での試行例があります。
だがこの時は歯ブラシ式だったためサハ101-259(ツヌ104F:旧製品)には歯が立たず従来方式に戻しました。
保管品にはサハ101形200番代への編入で押し出されたサハ101形0番代用床板が相当数眠っていました。
そこで錆取り作業が長期化しそうな場合には床板更新へ切り替える二段階作戦を採用します。
早速サハ101-106を入場させましたが車体状態はサハ101-258に勝るとも劣りません。
作業効率を考えた結果モハ101-198,サハ101-258と同じく車体分解清掃が第一工程に決定しました。


容易に曇りが除去出来た側面窓セル。

サハ101-106の現状はサハ101-258から車両番号標記周囲に残る転写糊を差し引いた程度でした。
ツヌ123Fでは乾式清掃に限界が感じ取れたため下地処理を湿式清掃へ全面変更しました。
更にアルコールクロス,純水ウエットクロス併用式は取り止め純水ウエットクロス式で一本化しました。
使用した純水ウエットクロスは適度な水分量であり拭き斑が抑えられる利点を有しています。
また側面窓セル窓サッシ印刷も構わず拭き上げましたが逆効果となる場面には出会しませんでした。
即戦力に近い純水ウエットクロスですが若干繊維が残り易く磨きクロスでの最終仕上げは入念に行っています。




第一次処理を終えた台枠表面(1エンド側)。

床板を取り外した際座席部品裏面とウエイトの間には微粒子が挟まっている感覚がありました。
やはりサハ101-106用ウエイト断面はモハ101-198と殆ど変わらない劣化度合いでした。
台枠表面ウエイト抑えモールド立ち上がり部への錆付着は粉末か塊かを判断できない有り様です。
ただサハ101-258での推測からこれが錆粉ならば見掛けよりもウエイト腐食は軽度で収まっているはずです。
歯ブラシで台枠表面を払う第一次処理を行ったところ塊には達していないと判明しました。
これによりサハ101-106用ウエイトもサハ101-258用に近い腐食状況だと思われ俄然期待度は高まりました。


乾燥クロスだけで蘇った金属面(2エンド側)。

但し台枠表面の第一次処理には落とし穴があり各方面へ飛び散った錆粉除去に追われました。
最終的には台枠表面を純水ウエットクロスで仕上げるため歯ブラシ式は間違いだったと思います。
そして乾燥クロスを持ち出し全体が錆で覆われたウエイト断面へ強目に擦り続けました。
あっと言う間に白色だった乾燥クロスは茶色一色へと変わりましたが錆落としに対しては効果的でした。
ウエイト断面は一部を残し金属面を覗かせる状態にまで持ち上げられています。
但し当初の状態が余りにも悪かったため部分補修とはせず全区間を研磨しマッキーでの防錆対策を施しました。




[サハ101-10[6]]:2-4位側。

最終工程は黒ずみが残る2-4位側ペイントリムーバー式印刷消去痕修正です。
しかも[サハ101-106]標記上部には除去し切れていない[サハ101-108]標記印刷跡まで見られました。
皮肉にも[サハ101-106]標記が車体裾側へずれており先ず当該インレタを剥離し[サハ101-106]へと改めました。
次に[サハ101-108]標記印刷跡を含めユニクリーナー式で溶解したインクの除去に取り掛かります。
サハ101-258で[サハ]標記インレタを無駄使いしてしまったため何もしても[サハ101-106]は残さなければなりません。
側板へ広がるユニクリーナーに細心の注意を払いながら少しずつ黄色5号へと近付けていきました。




サハ101-106(車体分解清掃,2-4位側ペイントリムーバー式印刷消去痕修正・車両番号標記再転写施工)。
※旧製品:車体改修。

ユニクリーナー式第一次試作車は[テシ]電略標記印刷消去痕修正に踏み切ったクモハ101-165(ツヌ104F:Mc159)でした。
第二次試作車のクモハ100-149(ツヌ123F:旧製品)でも相応の結果を残しサハ101-106から正式採用に至っています。
拭き上げを怠らなければインレタ転写糊への影響は無いに等しく無事[サハ101-10]+[6]の追加転写を終えました。
偶然試行要素が重なったサハ101-106(ツヌ123F)ですがそれなりの手応えを得て竣工を迎えられました。
中でも床板老朽化対策に関わる作業時間短縮はほぼ確実だと思われ今後も試行を続ける方向です。
後は十七代目ツヌ118Fに匹敵する個体と出会した場合の対応が錆取り作業で残された課題になるでしょう。

サハ101-258[ツヌ123F] 車体改修 (2-4位側車両番号標記修正転写,1-3位側用導電板整形,ウエイト防錆対策施工) ※'旧製品

2020-02-21 23:51:23 | 国鉄/JR101系
喪失。

2014年6月に出場したKATO製国鉄101系旧ツヌ123F(Tc78:旧製品)ではペイントリムーバー式印刷消去を採用しました。
まだラプロス式は試行にすら至っておらず旧クハ101-78,旧クハ100-89(旧ツヌ123F)の車体更新も同様に対処していています。
改修入場までクモハ101-184(ツヌ123F:旧製品)を除く9両は初回改番当時のまま維持され続けてきました。


国鉄101系サハ101-258(ツヌ123F)。
※旧製品。

初期改番車が揃う割に車両番号標記配置の乱れは少ない編成でした。
現時点ではクモハ100-149(ツヌ123F:旧製品)の2-4位側[クモハ101-149]標記を修正したのみです。
ただ改番からは約5年8箇月が経ち初期ペイントリムーバー式印刷消去との相性にも不安を抱いていました。
中間車両は事実上の初入場でありモハ101-198以下6両(ツヌ123F)には各所で疲れが見え始めています。
そのため全面的な車体分解清掃を改修項目に加えましたが印刷消去痕修正は除外しました。
これも比較的整った車両番号標記を維持する狙いがありました。


入工中のサハ101-258。

号車順に従いツヌ123Fの改修入場第四陣はサハ101-258(旧製品:4号車)となりました。
あくまで床板老朽化対策を主工程に据えましたが想定以上に車体汚れが目立ちました。
床板を取り外した際の手応えでウエイト断面の錆取り作業が避けられない状態だと読めました。
時間が割かれるウエイト防錆対策は第二工程へ廻し先ず薄汚れた車体を可能な範囲で復旧させます。
当初[サハ101-258]標記周囲には手を出さず埃,油脂等の除去を進める予定でした。
しかし1-3位側,2-4位側共に転写糊がこびり付いており見逃せる状況ではありませんでした。


状態の悪い側板(1-3位側)。

窓セル,屋根板を取り外すと車体内側から黄色5号塗料粉が舞い散りました。
そのため側板清掃は先送りせざるを得なくなりアルコールクロスで全て拭い去っています。
気を取り直して側板状況を再確認しましたが何処から手を着けるべきか迷う程でした。
車両番号標記周囲に残る転写糊は[サハ101-258]標記内まで除去を要し油脂拭き上げを先行させます。
塊と化した油脂には磨きクロスが通用せずここでもアルコールクロスを持ち出しました。
汚れが酷く想定より手間取ったものの大凡の体裁を取り戻し転写糊除去へと移行しました。


アルコールクロスで清掃した屋根板。

出場時期を踏まえると旧ツヌ123F(←ツヌ118F:五代目)への改番には低経年インレタが使用されたはずでした。
実際にモハ100-192(ツヌ123F)まで転写糊付着は殆ど見られず標記崩れも生じていませんでした。
突如として状況が一転したように思えましたが印刷消去はやや失敗したらしく状態が良くありません。
厄介な転写糊付着は印刷消去痕のみに限られておりペイントリムーバー塗布量が多過ぎた模様です。
油脂汚れに続き磨きクロスは全く機能せずアルコールクロスで包んだ爪楊枝を当該箇所に当てました。
計算違いは屋根板でも発生しまたもやアルコールクロスを持ち出しました。


劣化していた窓サッシ印刷再現(1-3位側用)。

KATO製101系用屋根板でのベンチレーター形状を象った汚れは高経年未入場車両で多々見られる症状です。
先行車体改修車となったクハ101-78,クハ100-89(ツヌ123F:弁天橋区仕様)でも清掃は欠かせない工程でた。
しかしサハ101-258用屋根板は曇りこそ磨きクロスで取り除けましたがベンチレーター跡がしつこく残りました。
車体同様油脂分が強固な汚れの根本原因だと考えアルコールクロスにて削ぎ落としています。
入場前点検時には1-3位側用側面窓セル窓サッシ印刷の斑点状剥離が確認されました。
だがその前に著しい曇りを取り除かなければならず思い切って湿式清掃を試行しました。


最早お馴染みの光景となったウエイト腐食。

モハ101-198用妻面窓セルではアルコールクロスを試用しましたが印刷再現への影響が引っ掛かりました。
窓サッシ印刷劣化を抱えるサハ101-258用側面窓セルでの再試行は危険要素が多過ぎます。
そこで純水ウエットクロスで拭き上げた後に磨きクロスを当てる方式にしました。
Hゴム支持印刷再現が劣化する事例は殆ど無く窓サッシモールドも油性メタリックマーカーで塗り潰されます。
まだ経過観察が必要ですが純水ウエットクロス式は作業効率向上にも寄与するためツヌ123Fでの継続試験項目としました。
対照的に錆取り作業は十七代目ツヌ118F(Mc155→ツヌ118F:旧製品)から全く進展が見られません。


整形した1-3位側用導電板と拭き上げた台枠(2エンド側)。

末期症状とは言えないウエイトでしたが座席部品裏面,台枠表面には大量の錆粉が散らばっていました。
従来に引き続き歯ブラシとアルコールクロスを併用し錆粉を落とす作業が繰り返されます。
ただ塊と化していない台枠表面ウエイト抑えモールド断面の錆がウエイト状況を反映しているように思えました。
そのウエイト断面は茶色一色でしたが乾燥クロスで擦ったところ金属面が顔を出します。
腐食が深刻化する直前だったらしく錆だらけのウエイト断面は平形金工用鑢だけであっと言う間に消え去りました。
また1-3位側用導電板2エンド側車端部に折損箇所が見付かり整形を行いました。


[[サハ]101-258]:2-4位側。

床板関連項目は約10分の作業時間短縮が実現し車体組立に戻れました。
ようやく竣工かと思えたサハ101-258でしたが2-4位側車両番号標記の一部が崩れていました。
転写糊除去とは異なる作業で[サハ101-258]標記を削いでしまった模様です。
寄りによって残り少ない[サハ]標記インレタを転写する羽目になってしまいました。
辛うじて保たれた[サハ101-258]標記とのフォント太さ調整は見切り[サハ101-258]復活を優先しています。
高経年インレタではあったものの[サハ]+[101-258]の組み合わせを一発転写で切り抜けました。




サハ101-258(車体分解清掃,2-4位側車両番号標記修正転写,1-3位側導電板整形施工)。
※旧製品:車体改修。

無駄に[サハ]標記インレタを消費しながらもサハ101-258(ツヌ123F)の竣工を迎えられました。
追加転写した[サハ101-258]標記ですが今後塗装被膜状態に左右される可能性が高いと思われます。
インレタそのものの経年も高く取り扱いには注意が必要でしょう。
なお1-3位側用導電板の整形は成功した模様で車体不等沈下は発生しませんでした。
見窄らしかった外観は消え去り初竣工時に近い水準へ戻せたように思えます。
だが以後もペイントリムーバー式改番車の入場が控えるため予断を許さない状況は続くと思います。

モハ100-192[ツヌ123F] 車体改修 (車体分解清掃,2エンド側車体湾曲修正施工) ※'旧製品

2020-02-20 23:53:17 | 国鉄/JR101系
波状攻撃。

KATO製国鉄101系モハ100-192(ツヌ123F:Tc78)ですが車体整備にも課題があります。
五代目ツヌ118F(Mc155:旧製品→旧ツヌ123F:Mc155)時代から続く2エンド側車体湾曲修正方式に限界を感じていました。
将来の非動力車化へ備えられる状態へ持ち上げるべく今入場での根本解決を狙っています。


国鉄101系モハ100-192(ツヌ123F:動力ユニット搭載車)。
※旧製品。

回着時期が近い五代目ツヌ118F,六代目ツヌ118F(旧製品)には車体湾曲車が紛れ込んでいました。
生憎不運は重なり両編成とも動力ユニット搭載車のモハ100-208(ツヌ118F)でした。
応急対策として車体と側面窓セルを接着し各々モハ100-192(旧ツヌ123F),モハ100-210(旧ツヌ116F:T'c91)へ改番しています。
2020年1月に改修入場させたモハ100-210(ツヌ116F:旧製品)では側面窓セル固定の廃止が実現しました。
恐らく車体湾曲矯正に用いた流し込み接着剤が撓んだ側板を垂直へと戻す方向に作用したと思われます。
先発竣工したモハ100-192にも同一方式を採り入れたはずですが自動復元効果は全く現れていませんでした。


入工中のモハ100-192。

モハ100-192には2エンド側嵌合爪付近の車体裾に波打ちが見られました。
当然ながら押さえが利かない側面窓セルでは質量のある動力ユニットを支持できません。
予想通り2エンド側から動力ユニットが脱落し嵌合精度はモハ100-210(ツヌ116F)よりも劣ると判明しました。
現状のままでは非動力車化後も車体不等沈下を招く確率が高くなると思われます。
手間を要するクモハ100-149(ツヌ123F)への動力ユニット搭載施工は時間が欲しいところです。
今入場はモハ100-192が抱える車体湾曲を矯正する絶好の機会だと考えました。


全く機能していなかった流し込み接着剤固定(2エンド側)。

ところがモハ100-192の車体内側に流し込み接着剤を投入した痕跡は伺えませんでした。
どうやら分量を絞り過ぎた模様で側面窓セルと車体内側は何処も固定されていませんでした。
実質的に約5年8箇月の間放置されたも同然と言え2エンド側車体は1-3位側,2-4位側とも外側へ膨らんでいます。
むろん回着当時よりも変形が進んでおり旧モハ100-256(元ラシ107F:Mc202)と車体を振り替えたくなる程でした。
しかし旧モハ100-256(旧製品)はカノ10F(Mc139)への起用が内定済で組成準備車も9両まで達しています。
今更引き返す訳にも行かずモハ100-192の車体湾曲修正へと取り掛かりました。


爪楊枝で浮き上がりを抑えた2エンド側雨樋上部(1-3位側)。

膨らんだ2エンド側側板は幕板部から車体裾側へ向けてハ字形を示していました。
しかも直線状ではなく微妙な弧を描いており一度での修正は困難でした。
順次当該部の矯正を進める算段としましたが側板を押し込む度に天井桁が上方向へ浮き上がります。
これでは押圧を往なしてしまうため湾曲した側板は一向に改善されない状況が繰り返されるだけでした。
とにかく幕板を垂直へ戻さなければ修正には到達できません。
そこで2エンド側雨樋上部へ爪楊枝を乗せ天井桁の競り上がりを抑止しました。


隙間無く取り付けられた屋根板(2エンド側)。

爪楊枝で天井桁を抑えた効果は高く次第に幕板の湾曲が薄れていきました。
続けて腰板,車体裾も同一方式にて修正を行い1-3位側,2-4位側揃って大凡直線状まで辿り着いています。
ここまで戻せば車体嵌合精度は確保されると思われました。
しかし屋根板の組み付けと同時に車体湾曲が再発し2エンド側雨樋付近には隙間が生じました。
屋根板嵌合爪に異常は無く車体単体での矯正が不足したように思えました。
今度は車体と屋根板を組み合わせた状態で側板の絞り込みを行いました。


直線状に戻った車体裾(2エンド側)。

無事屋根板は雨樋と接するまでに至り安心して側面窓セルを取り付けました。
ところが再び車体外側へ向けて2エンド側側板が張り出してしまい三度目の矯正を強いられます。
この後には動力ユニット装着が控えており垂直への修正では堂々巡りになると思われました。
強引な方式ですが入場前とは正反対となる逆ハ字形まで2エンド側車体を押し込んでいます。
側面窓セルを再装着した時点で歪みが出るまで変形させましたが台枠で押し戻されると予想しました。
窮余の策だった嵌合代調整でしたがそれなりの効果はあったらしくようやく車体裾から波打ちが消え去りました。




モハ100-192(動力ユニット整備,車体分解清掃,2エンド側車体湾曲修正施工)。
※旧製品:車体改修。

動力ユニット装着後も症状再発には至らず製品並の嵌合精度へと達しました。
この状態まで改善されれば非動力車化にも十分対応できると思います。
モハ100-210(ツヌ116F)とは勝手が違ったがモハ100-192(ツヌ123F)も接着剤を用いず竣工させられました。
他に車体湾曲対策を施した車両は記憶,記録とも無く後天的発症車に限られると思います。
次から次へと襲い掛かる2エンド側車体の湾曲再発に手を焼かされ工程は約50分に及びました。
ただ仮に類似症状を抱える車両が入場した場合にはモハ100-192での作業が大いに参考となるでしょう。