試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成新3000形3026-1[3026F] 8次車 現行仕様 スカート位置修正,種別・行先変更施工 (3051-1[3051F] 発生品転用)

2019-02-18 22:52:32 | 京成線:新3000形
固定化。

マイクロエース製京成新3000形3026-8現行仕様(8次車:3026F)でのスカート位置修正は成功裏に終えた。
この結果を基に組み立てが保留されていた3026-1(3026F)も同様の施工を施す。
[A15 特急 成田空港]表示への変更は容易でありスカート位置修正が主工程に格上げとなった。


京成新3000形3026-1 8次車 現行仕様(3026F)。

新3000形系列4thLOT品に当たる3026Fはスカート部品の建て付けが前面車体裾との空間を招いていると突き止められた。
特に設計変更が伺えなかった5thLOT品の3002F中期仕様(1次車:3002F)も同一要因だと予想される。
3026-1でもスカート位置修正に成功すれば3002Fまで対策が可能になると思えた。
但しスカート部品と台枠の嵌合精度には個体差があるはずで各M2c車に合わせた措置にならざるを得ない。
どの程度まで3026-1のスカート上端を引き上げられるかは3002Fへの施工にも関わる。
取り敢えず3026-8のスカート位置を目標に据え前面見附改善へ取り掛かった。


入工中の3026-1。

3026-1での車体関連項目は前照灯,表示器用セルの復旧及びライトユニットカバーへ漏光対策を施す程度である。
ビニールテープ式乗務員室内遮光対策施工は6両目であり車体との嵌合に影響しないと確信が持てた。
加えて前照灯,表示器用セルに施した漏光防止対策も3026F以降のリリース編成では敢えて廃止する意義が薄く思える。
また3051-1(3051F)から捻出した[A15 特急 成田空港]表示ステッカーは現状のまま転用を図る。
よって殆ど手間を要さない作業と言え床板関連項目を先行させる工程順とした。
ここは座席部品,ウエイト,台枠の矯正に難航した3026-8での過程を反映させている。


3026-8よりは良好な状態だった3026-1用床板一式。

3026-1も3026-8に続き3051-1との同時入場以降から分解されたままになっていた。
床板一式は3026-8ほどの歪みには至っておらず上手く行けば組み直しだけで済むと思えた。
しかし分解するとウエイトは湾曲し台枠も撓みが直ぐに判る惨状が目に入った。
台枠は全体的な撓みに加え山側の変形が著しく3026-8と同様の修正方法が採られる。
とにかく山側の波打ちを解消させなければ平行に戻しても全く意味を成さない。
取り敢えず直線状には戻せたものの返って撓みが激しくなる憂き目に遭った。


矯正を終えた台枠。

結局車体中央付近から捻るように台枠へ力を与え平行を取り返す手段しかなくなってしまった。
3026-8より軽度に見えた床板の湾曲だったが台枠矯正は予想以上に手こずった。
幸いウエイトは海側,山側とも同一方向に円弧を描く状態で踏み留まっていた。
湾曲率も台枠から競り出すまでには達しておらず直接本棚の下へ挿入している。
復旧は早く10分程度で直線状に戻り3026-8との症状差が大きく出た箇所となった。
なお座席部品は無瑕に等しくライト基板の撤去を行わずに軽微な修正で終えている。


プラ板式に変更したスカート開口部の漏光対策。

3026-1用スカート部品もメーカーにて貼附されたアルミ製遮光テープを廃止する予定でいた。
ところがアルミ製遮光テープは前面内側の縦方向に貼り付けられているだけだった。
念のため台枠も確認したがその存在は確認されず当初から貼られていないと判った。
まさかの個体差だったが3026-8で廃止したアルミ製遮光テープは何ら問題無かったと思われる。
3026-8で採り入れた極薄ビニールテープ式遮光対策は粘着力に劣ると判明し早くも材質変更が行われる。
一旦3002-1(3002F)で試験採用されたプラ板式遮光対策を3026-1で復活させた。


漏光要因の表示器用プリズム立ち上がり部。

3002Fでのプラ板式遮光対策は簡易式であり他編成へ波及する事無く終わる。
簡易式遮光対策は余りに大雑把過ぎスカート下部から除くt0.5mmのプラ板断面を黒色化する必要があった。
復活に当たっては極薄ビニールテープの寸法に準拠した追設方式へと改めている。
現物合わせではあるもののスカート開口部を完全に塞ぐ形状としゴム系接着剤で固定した。
引き続きプラ板はt0.5mmを起用したが外観に影響を及ぼさないため断面の黒色化を見送った。
ここで車体関連の工程に移り乗務員室内漏光対策を施工したライトユニットカバーまで装着した。


スカート装着を待つ3026-1。

そして形状が回復したウエイトを本棚下から取り出し床板一式の組み立てに取り掛かった。
ウエイトは台枠への収まりが改善され不意に座席部品を被せても嵌合脚から外れる気配は感じない。
先に新京成N800形N848F(4次車:N848F),N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)と続けてウエイトを固定化した。
一方その後に入場した3010F現行仕様(3次車:3010F-2),3051Fは施工を見送っている。
座席部品嵌合時にウエイトが暴れる現象は新3000形系列6thLOT品相当のN838F,N848Fで初めて確認された。
5thLOT品である3002Fが4thLOT品と6thLOT品のどちらに属しているか気になるところである。


接着強度不足が露わになった木工用ボンドによるスカート固定。

車体へ床板を装着する前にスカート部品天面へ木工用ボンドを塗布し固定化を図った。
3026-8では各種調整に手間取り塗布から時間が経過した事でスカートの安定性が確保されていた。
ところが固定化直後に嵌合を行った3026-1は車体からの押圧に負けあっさりと剥離してしまう。
入場時に於けるスカート部品の分離を考えると木工用ボンドは最適だと思われた。
しかし強度や耐久性への不安が急浮上し木工用ボンドからゴム系接着剤に改めている。
この変更は追って3026-8にも施し3026Fでの仕様統一を図った。
ゴム系接着剤の塗布は極僅かに抑えスカート部品撤去を考慮した。




3026-1 [A15 特急 成田空港]:スカート位置修正,運行番号・種別・行先変更施工。


3026-8 [A15 特急 成田空港]:3026F(スカート位置調整試行車)。

スカート部品の固定化は効果的で3026-1もスカート上端が前面車体裾寄に引き上げられた。
その位置は3026-8に近く不安を抱いていた差異発生には至っていないと思える。
3026Fの後にリリースされた3002F,N838F,N848はスカートの下垂が目立つ製品だった。
N838F,N848Fは一応の解決が図られたがスカート固定化は行われていない。
共に不安定要素を抱えており今後3026Fと同様の対策を施し経過観察を行う。
その結果次第で未入場の3002Fを含め以後登場する新3000形系列はスカート部品の固定を必須項目とする予定である。




3026-1 [A15 特急 成田空港]:前照灯(乗務員室内漏光対策施工)。


3026-1 [A15 特急 成田空港]:尾灯(乗務員室内漏光対策施工)。


3051-1 点灯比較[A03 快速特急 上野]:3051F(乗務員室内漏光対策施工車)。

ライトユニットカバーと表示器用プリズムケースの空間は3001F前期仕様(1次車:3001F)まで殆ど気にならなかった。
しかし3026F以降より強力発光となったライト基板は乗務員室内の漏光を際立たせる結果を招く。
N838F,N848Fからは新たな遮光対策が採られた一方でライトユニットカバーの嵌合が甘くなる副作用が現れた。
極薄ビニールテープによる乗務員室内への漏光対策はこれらの問題を一蹴する結果を得られたと思う。
圧着の必要は無く再用も可能であり早急に全編成へ追設を進めるつもりでいる。

なお尾灯点灯時に肉眼では判らない通過標識灯への漏光が生じていると判明した。
通過標識灯,尾灯用プリズム導光部への遮光テープ貼付はメーカーにより成されたものである。
言わば仕様であり3026-1は特に手を加えず現状のまま竣工させる事にした。
3051Fでは逆の現象が発生しているため根本的な解決策が見つかるまでは措置保留とする。

京成新3000形3026-8[3026F] 8次車 現行仕様 スカート位置調整試行,種別・行先変更施工 (3051-8[3051F] 発生品転用)

2019-02-17 22:58:41 | 京成線:新3000形
製品仕様。

マイクロエース製京成新3000形3026F現行仕様(8次車:3026F)は[A03 快速特急 上野]表示を3051F現行仕様(7次車:3051F)へ譲った。
3026Fは[A15 特急 成田空港]表示へ改める以外に製品を由来とする症状への対策を施す。
そのため3051-8,3051-1(3051F)と同時入場した3026-8,3026-1(3026F)は組み立てが保留された。


京成新3000形3026F 8次車 現行仕様。
3026F:3026_8-3026_7-3026_6-3026_5-3026_4-3026_3-3026_2-3026_1。

3026Fは新3000形系列の5thLOT品であるがライト基板が強力発光に変更される等の小変更があった。
従来からライトユニットカバーと表示器用プリズムケースの間には隙間が存在しており漏光が生じていた。
不運な事にライト基板の刷新と表示器用プリズムへの蒸着処理廃止が重なってしまった。
発光量の増大により表示器用プリズム立ち上がり部からの漏光が一層著しくなっている。
またスカート部品の安定性が下がり前面車体裾から離れ気味になる現象も3026F以降での癖と言える。
これらは新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F),N848F現行色(4次車:N848F)の整備で解消に目処が立った。


入工中の3026-8現行仕様(3026F)。

2ndLOT品だった3051Fは前照灯,表示器用セルに施工した漏光対策廃止試行編成となった。
これは3026-1の前照灯,表示器用セル撤去時にステッカー印刷面を痛めた事が切っ掛けであった。
しかし補修の代償は大きく貼り直したステッカーは波打が激しくなっている。
3051Fへの富士川車輌工業製ステッカー貼付施工は初期に行われたため切り出しが甘い。
新たな運行番号,種別・行先表示ステッカーへの交換も計画中であり3026Fは現状維持とする。
前照灯,表示器用セルへの漏光対策も強力発光のライト基板には到底敵わないため廃止は見送りとなった。


漏光対策が存置された前照灯,表示器用セル。

3026-8,3026-1は両車とも即作業へ取り掛かれるよう分解されたままになっていた。
入場は床板一式の波打ちが大きく見えた3026-8を先発させスカート位置調整まで行う。
座席部品が撓んだ状態で台枠に組み合わされていると気付けた3026-8は対策試行に向いていた。
スカート位置はN838F,N848Fでの回着整備にて床板を構成する各部品の矯正が必要だと判明した。
但し納得出来るスカート位置へ修正するまでに大幅な時間を割かれている。
前照灯,表示器用セルの現状転用は床板関連への時間を稼ぎ出す手段でもあった。


LOT変更に関係無く取り付けられた表示器用プリズムケース。

3051-8から捻出した前照灯,表示器用セルの[A15 特急 成田空港]表示ステッカーは既に傷みが生じている。
このうち[特急 成田空港]表示ステッカーは[快速特急 上野]表示よりも寸法が小さい。
補修の効果は期待出来ず前照灯,表示器用セルの装着では車体との嵌合を優先した。
前照灯,表示器用セルの交換は3001F前期仕様(1次車:3001F)と3051Fで一時的に行った前例がある。
基本構造に変更は無いと思われたがLOTが開いた3026-8への取り付けだけに不安が過った。
しかし心配は杞憂に終わり表示器用プリズムケース,前面窓セルの復旧は滞りなく終えている。


漏光防止用極薄ビニールテープを貼付したライトユニットカバー。

なお前面窓セルはゴム系接着剤での固定に変更しており圧着のみの対処とした。
再塗布は運行番号,種別・行先表示ステッカーの交換まで持ち越しされるが十分に耐えられると思う。
3026Fから漏光対策が強化されたため通過標識灯,尾灯用プリズム導光部へのアルミテープ追加は不要である。
そのためライトユニットカバーへの細工は極薄ビニールテープ貼付のみとなった。
従って3026-8の車体関連項目は乗務員室内漏光対策だけに留まる簡略化が図られた。
プリズムケース及びライトユニットカバーの嵌合は従前と変わりなくしっかりした手応えを伴うものであった。


分解した床板一式。

ここまでの作業は至って順調に進み約20分程で床板関連項目に移行出来た。
3051Fで前照灯,表示器用セルのマッキー除去に足を引っ張られた過程とは対照的である。
事前の予定通りスカート位置調整試行へ当たれる時間は多分に確保された。
床板一式の分解は締結ビスを緩めたと同時に座席部品が跳ね上がり嫌な予感を漂わせる。
座席部品を押し上げた原因は撓んだウエイトにあると大方の予想がついた。
これは見事に的中し座席部品を撤去すると台枠から浮き上がったウエイトが目に入った。


矯正したウエイトと台枠。

3026Fは初出場以降入場しておらずウエイトの湾曲がいつ生じたのか不明である。
但し長期間組み合わされていた影響からか座席部品や台枠まで歪みが見られた。
台枠山側の座席部品用嵌合爪受けは車体外側へ倒れる有り様で想定以上に状態が悪かった。
先ず根幹を成す台枠の矯正から着手したが形状を記憶してしまったプラスチックはなかなか元に戻らない。
端部だけの修正は不可能と判り車体中央付近を始点に撓みを解消させている。
一方のウエイトは海側,山側双方とも凹部と凸部が混在する複雑な歪み方をしていた。


廃止されるスカートの遮光テープ。

単なる順反りや逆反りであれば容易に平行へ戻せるウエイトだが通常の方式は通用しない。
ひとまず不揃いの湾曲方向を揃えるべく凹部を指力で平行まで近付けた。
ウエイトが全体的に円弧を描く状態まで持ち込んだ後に本棚の下へ差し込みしばらく放置する。
この間運転台側スカート表面へ貼付されたアルミ製遮光テープを剥離している。
ここは尾灯点灯時の漏光を呼ぶ箇所でメーカー側も対策を採っていたらしい。
残念ながらアルミテープは台枠前端部に掛かっておりスカートの安定を揺るがす要因だと思われた。


矯正が完了した床板一式。

当初より遮光テープが貼られていなかった3010F現行仕様(3次車:3010F-2),3051Fはスカート裏面から漏光対策を施した。
純正仕様の遮光方式とは材質と貼付方向が異なるだけで原理は全く変わらない。
既に代替手段が確立されておりメーカーによるアルミテープ式遮光は廃止となった。
本棚の下へ押し込まれていたウエイトを引き抜いたところほぼ平行を取り返していた。
矯正を終えた台枠に乗せても浮き上がりは発生せず座席部品を押し上げる心配が消え去った。
なお座席部品は一度ライト基板を取り外し単独で撓みの矯正を行っている。


追設したスカート裏面の遮光テープ。

再び組み立てられた床板一式からは目立つ歪みが伺えず一応の矯正効果を確認出来た。
その上でスカートを装着し運転台側裏面の開口部へ遮光用極薄ビニールテープを貼り付ける。
付近には段差が設けられているため余り粘着代を確保出来ない点が弱点と言える。
貼付にはそれなりの時間を費やしており今後はプラ板での閉塞に切り替えるかもしれない。
措置を終えたと思えた床板だったが車体との仮嵌合にて新たな問題が発覚した。
スカート位置は入場前と変わっておらず3026-8では座席部品,ウエイト,台枠の矯正が意味を成さないと判った。




3026-8 [A15 特急 成田空港]:スカート位置調整試行,運行番号・種別・行先変更施工。

再び車体と床板を分離させスカート位置が上がらない原因の追及に取り掛かった。
各部品の嵌合に全く不都合は無く初めは何が起因しているのか掴めなかった。
終いには床板の分解まで行い修正を施したウエイトの状態まで確認している。
ここまで手を伸ばしながら最終的に判明した要因はスカート部品そのものであった。
3026-8のスカート部品は通常通り組み付けても若干前後動が生じる個体だった。
台枠への装着時にスカート部品は座席部品に抑えられるため嵌合精度の低さを見落とした模様である。




3026-8 点灯試験[A15 特急 成田空港]:前照灯(乗務員室内漏光対策施工)。


3026-8 点灯試験[A15 特急 成田空港]:尾灯(乗務員室内漏光対策施工)。

嵌合部は台枠裏面との空間を呼び込むほど心許ない精度しか持っていなかった。
これでは物理的にスカートの下垂を抑止出来なくて当然だと諦めがついた。
残された手段はスカート部品の固定化しか考えられず木工用ボンドを塗布している。
その結果ようやくスカート上端は前面車体裾寄に引き上げられ納得の行く前面見附に達した。
点灯試験は前照灯,表示器用セルを3051-8から転用した関係で乗務員室内漏光対策の効果確認に重点が置かれる。
ここでもライトユニットカバーへ貼付した極薄ビニールテープが効力を発揮し十分な答を得られた。


3002-8,3026-8 (3002F,3026F)。

ちなみに3026-8が装着するライト基板は前照灯,表示器用セルへの漏光対策をものともしなかった。
しかも寸法が小さい[A15],[特急 成田空港]表示ステッカーでは表示器用セルを覆えない。
これは将来のステッカー交換を踏まえた結果であり漏光増大は致し方ないと言える。
むしろ3026F以降に出場した編成は無理にマッキーの除去を行う必要性が無いと感じられた。
唯一視認性だけは3051-8に取り付けていた時代を上回っており数少ない改善点となった。
なお各LEDチップは当初から被覆が施されているため点灯照度に変化は見られない。

まさかスカート部品自体の嵌合精度がスカート下垂を招いているとは思いもしなかった。
無駄に手を広げた感がしないでもないが床板の組み直しもそれなりに意味があったと思う。
3002-8中期仕様(1次車:3002F)は製品原形を保っており前面車体裾とスカート上端部の間隔が広いまま残されている。
竣工した3026-8は3002-8並の間隔を有していたが手を加えたなりの成果が出ていると思える。
残る3026-1も同形態を目指すものの個体差が関わっている可能性を否定できない。
3026-8で敷居を上げてしまったためスカートの下垂防止は更に難航すると思われる。

京成新3000形3051-1[3051F] 7次車 現行仕様 前照灯照度向上・乗務員室内漏光対策,種別・行先変更施工

2019-02-15 23:43:02 | 京成線:新3000形
発展解消。

マイクロエース製京成新3000形3051-1現行仕様(7次車:3051F)を入場させた。
3051-8(3051F)への施工でアルミテープ式照度向上対策はビニールテープ式照度向上対策で補完が可能と判明した。
同様の過程を歩んだ3051-1も乗務員室内漏光対策施工に併せ照度向上対策変更へと踏み切る。


京成新3000形3051-1 7次車 現行仕様(3051F)。

3051Fは3026F現行仕様(8次車:3026F)から前照灯,表示器用セルの移設による種別・行先変更とした。
4thLOT品の3026Fはライト基板が強力発光に変更された影響でマッキーでの漏光対策を強化した。
在籍中の新3000形フルカラーLED表示器編成では3010F現行仕様(3次車:3010F-2)のステッカー劣化が明らかになっている。
初期出場編成ではステッカー切り出しにも失敗しており今後の貼り替えを計画していた。
貼り替えは富士川車輌工業製各種ステッカーを準備した後に順次進める予定を組んでいる。
そのため前照灯,表示器用セルへ施した漏光対策の廃止はステッカー交換時へ先送りとなった。


入工中の3026-1,3051-1 (3026F,3051F)。

製品仕様で点灯照度の低い3051Fへ漏光対策が強化された前照灯,表示器用セルを充当するには無理がある。
ある程度予想していたが竣工した3051-8の運行番号,種別・行先表示器は殆ど点灯しているように見えなかった。
しかし現時点に於ける行先表示類変更は時期尚早でありステッカー流用が優先されている。
マッキーで塗り潰された前照灯,表示器用セルの除去方式も定まっておらず検討課題と言えた。
よって3051-1は3026-1(3026F)との部品相互交換になるため結果は3051-8と変わらないはずだった。
ところが3026-1の分解時にフルカラーLED式[快速特急 上野]表示ステッカーを痛めてしまった。


組立保留となる3026-1。

3026Fは2016年3月の出場でありステッカーの切り出しが安定し始めた頃に当たる。
富士川車輌工業製行先表示ステッカーは注意書にある通りマイクロエース製京成新3000形用ではない。
しかもぎりぎりで切り出せた行先表示ステッカーは四隅の処理が見送られ矩形になっていなかった。
これを失念し前照灯,表示器用セルを押し込んだところ端部の黒色印刷が剥がれてしまった。
露出した白色のラベル表面は黒色塗装も重なり前面から異様に目立ってしまう。
修正には行先表示器用セルを保全するため[快速特急 上野]表示ステッカーの剥離が必要となった。


漏光対策を廃止した前照灯,表示器用セル(3051-1)。

3051-8を現状で竣工させた事もあり印刷剥離部の修正に取り掛かるか大いに悩んでいる。
しかし富士川車輌工業製各種ステッカーの投入目処が立っておらず補修が選択された。
同時に[A03]表示ステッカーも剥離し前照灯,表示器用セルの漏光対策廃止を決断した。
マッキーの除去はこれまでの各種施工から消しゴムで行えると思っていた。
しかし消しゴムは殆ど通用せず屑が生まれるだけでセルは黒く染まったままに留まる。
切り札と予想されたユニクリーナーも上手く機能せず窮余の策でペイントリムーバーを持ち出した。


アルミテープ式へ変更した通過標識灯,尾灯用プリズム遮光(3051-1用)。

セルの硬度を落としかねないペイントリムーバーの使用は余り気が進まなかった。
だが今後他編成の遮光処理廃止に繋げるためには致し方ない選択でもあった。
慎重に表示器モールド周囲のインクを溶解させながら都度ティッシュペーパーで拭き取る。
これを繰り返しても完全な透明には戻せず前照灯,表示器用セルは灰色味を帯びた結果で終わった。
ただ幸いな事にセルへ光源を照射すると表示器類の透過量は増大していた。
少なくとも3051-8よりは改善されると思えマッキー除去への筋道を立てられた様に見えた。


極薄ビニールテープで被覆された全LEDチップ(3051-1用)。

3051Fは製品仕様で通過標識灯,尾灯用プリズム導光部の遮光処理が施されていない。
1stLOT品の3010F-2は新京成N800形N838F京成千葉線直通色(3次車:N838F)に倣った対策を施した。
第一次アルミテープ式照度向上対策で打ち切られていた3010F-2はアルミテープの再用が可能であった。
しかし第四次試行まで進めた3051Fは仕様が異なり3051-8では極薄ビニールテープを代用した。
ところが極薄ビニールテープは定着度に課題があり通過標識灯点灯時の助士側尾灯漏光を軽減出来なかった。
そこで3051-1から再びアルミテープへ戻し遮光性能の安定性確保を狙っている。


スカートにも施した漏光対策(3051-1用)。

アルミテープ式照度向上策に代わり採用されたのは極薄ビニールテープでLEDチップへ被覆を行う方式である。
LEDチップへの被覆は3010F-2が嚆矢でメーカー仕様の遮光テープを廃止の上転用した。
遮光テープを持たない3051Fは3010F-2を参考としながらも極薄ビニールテープでの代用が図られる。
熱収縮チューブは基板回路への負荷を避けられないと予想され代替が利かないライト基板には採り入れなかった。
3051Fは常時通過標識灯を点灯させているため3010F-2とは異なり全LEDチップが被覆対象となった。
この点は本線系統様と千葉線系統用の違いであり今後も切り分ける方向である。


ライトユニットカバーと表示器用プリズムケースの隙間を埋める極薄ビニールテープ(3051-1)。

また光源が透過し易い基本構造の運転台下部台枠周りは最終出口となるスカート開口部を閉塞した。
漏光は運転台側で著しく生じるため当該部のみ極薄ビニールテープで覆っている。
尾灯点灯時に運転台下側を照射する症状はスカートへの遮光対策だけでもかなり収まると思う。
ライトユニットカバーと表示器用プリズムケースの嵌合部は微妙な隙間がある。
表示器用プリズムの立ち上がり部から漏れる光は長らく新3000形系列に於ける弱点だった。
これはN838Fの純正遮光テープ廃止により独自方式での完全遮光へと至った。




3051-1 [A03 快速特急 上野]:運行番号,種別・行先変更施工。

ライトユニットカバー運転台側上端へ極薄ビニールテープを貼付する安直な方法ながらその効果は高い。
車体へのライトユニットカバー挿入感覚は遮光対策施工前と同様で全く問題ない。
極薄ビニールテープの状況を確認したところ上手い具合にL字形へ変形し空間を塞いでいた。
新3000形系列のライトユニットカバーは前面窓から引き込んだ位置にあるお陰で小細工を加えた様子が判り難い。
前面見附を崩さない漏光防止対策は3026-8,3026-1(3026F)にも施す予定で並行作業は見合わせている。
比較的工程数の多い作業となったが前面見附は運行番号,種別・行先表示が変わった程度にしか見えないと思う。




3051-1 点灯試験[A03 快速特急 上野]:前照灯(照度向上,乗務員室内漏光防止対策施工)。


3051-1 点灯試験[A03 快速特急 上野]:尾灯(照度向上,乗務員室内漏光防止対策施工)。

点灯試験は各種漏光対策効果に行先表示器照度向上が確認項目へ加わった。
乗務員室内の漏光は3051-8と全く同じ答に至り側面窓セル断面が光を帯びなくなった。
これだけでも所期の目的を果たし十分な結果と言えたが他箇所への施工も気になる。
前照灯,表示器用セルの遮光対策廃止は行先表示器点灯照度向上に繋がった様に見えた。
ただステッカー周囲からの漏光が増しており錯覚に過ぎないかもしれない。
前照灯はLEDチップへの被覆が奏効し入場前との落差は感じられないと思える。
なお通過標識灯からの漏光は構造都合から目標を下げており尾灯の完全消灯は放棄した。


入工中の3051-8現行仕様(3051F)。

3051-1への各種対策は成功した一方で漏光対策が施されたままの前照灯,表示器用セルは3051-8との差異になってしまった。
前照灯,表示器用セルへの漏光対策は何れ廃止されるため3051Fに限り仕様統一を行う。
再入場した3051-8は先ず通過標識灯,尾灯用プリズム導光部をアルミテープ式遮光に変更した。
続けて車体を分解し前照灯,表示器用セルから[A03],[快速特急 上野]表示ステッカーを剥離する。
マッキーのインク除去はペイントリムーバー式を踏襲したが灰色掛かったセルは3051-1と変わらなかった。
ライトユニットカバーに貼付した極薄ビニールテープは施工当時の形状を保っており再用している。




3051-8 点灯試験[A03 快速特急 上野]:前照灯(前照灯,表示器用セル漏光対策廃止施工)。




3051-8 点灯試験[A03 快速特急 上野]:尾灯(前照灯,表示器用セル漏光対策廃止施工)。

3051-1と同一仕様に変更された3051-8は組み立てまで滞りなく作業を進められた。
やはり前照灯,表示器用LEDチップへの被覆はアルミテープより極薄ビニールテープが勝る。
点灯試験の結果は3051-1と同様で行先表示器が照度向上したか今ひとつ掴みきれない。
ただ尾灯への漏光は僅かな軽減が確認されアルミテープへの切り替えだけは的中した。
一応照度向上策及び乗務員室内漏光防止対策は3051Fを基本に進める予定である。
各種対策を繰り返してきた新3000形系列の照度問題はこれにて決着が図れると思う。

京成新3000形3051-8[3051F] 7次車 現行仕様 前照灯照度向上・乗務員室内漏光対策試行,種別・行先変更施工

2019-02-14 21:41:03 | 京成線:新3000形
水平展開。

マイクロエース製京成新3000形3051F現行仕様(7次車:3051F)は2018年1月の再出場以降から乗務員室内への漏光が際立っていた。
入場名目は第四次アルミテープ式行先表示器点灯照度向上対策試行だったが殆ど効果を得られなかった。
逆にライトユニットカバーからの漏光を増幅させる副作用が強く現れている。


京成新3000形3051F 7次車 現行仕様。
3051F:3051_8-3051_7-3051_6-3051_5-3051_4-3051_3-3051_2-3051_1。
※本線運用仕様。

3051Fは2012年8月にリリースされたマイクロエース製京成新3000形系列の2ndLOT品に該当する。
強力発光に変更された改良品ライト基板の採用は4thLOT品の3026F現行仕様(8次車:3026F)からだった。
フルカラーLED式表示編成で揃う3026F,3051Fはライト基板の相違により点灯照度に大きな差が生じる。
そこで3051Fへ各種小細工を行ってきたが2018年1月の入場を最後に試行中断が決定した。
点灯照度向上策は半ば放棄され乗務員室内への漏光だけが放置状態に陥っていた。
ところが6thLOT品に相当する新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)の出場で転機を迎える。


入工中の3026-8,3051-8 (3026F,3051F)。

ライトユニットカバーの嵌合精度改善に苦戦した新京成N800形N848F現行色(4次車:N848F)は製品原形で出場させている。
遅れて回着整備に取り掛かったN838Fでは表示器用プリズムケースに貼付された遮光テープの剥離へ踏み切った。
この施工はスカート位置調整が主眼に置かれたがビニールテープ式乗務員室内漏光防止へと結び付く。
出場後の結果も良好で3002F中期仕様(1次車:3002F)以前に出場した新3000形系列へ展開を図る。
ビニールテープ式遮光テープ貼付試行第1編成は常に各種対策の一番手を飾ってきた3051F以外に考えられなかった。
漏光防止対策に加えて種別・行先変更を行うため3026Fとの同時入場で作業を進める。


分解で作業が中断される3026-8。

種別・行先変更は3026Fとの部品相互交換にて対処し新たなステッカー切り出しは行わない。
またN838Fから廃止された前照灯,表示器用セルの漏光対策も残したままとする。
何れもステッカー再用が念頭にありマッキーでの塗り潰し除去作業を回避する狙いである。
前照灯,表示器用セルの原形復旧はステッカー剥離が避けられず設定変更に迫られる。
現在富士川車輌工業製各種ステッカーには予備が無く次回入場以降へ持ち越しとなった。
入場第一陣は3051-8(3051F)とし3026-8(3026F)と共に分解へ取りか掛かった。


照度向上に腐心した3051-8。

3026-8は製品仕様で生じている乗務員室内への漏光対策の他にスカート位置調整を試みる。
そのため[A03 快速特急 上野]表示が貼付済の前照灯,表示器用セルを撤去した時点で作業を止める。
分解終了後からは3051-8の工程へ集中し先に3051Fを再出場させる方向とした。
前面窓撤去式で分解された3051-8はこれまでに施工したアルミテープ式照度向上策が全て残る。
僅かな照度向上こそ確認されたが前照灯,表示器用セルへの漏光対策が相殺してしまった。
乗務員室内への漏光を激しくさせる直接の原因でもあり完全廃止が決定した。


原形に戻されたライトユニットカバー(3051-8用)。

ライト基板表面とライトユニットカバー内壁に貼付したアルミテープは比較的硬度が高い。
更にアルミテープの表面を均しながら施工を進めた関係で剥離には時間を要した。
特にライトユニットカバー内壁は粘着糊の除去が上手く行かず埃を巻き込んだままになっている。
また誤ってマッキーで赤色化してしまった尾灯用レンズを透明に戻している。
回着当時は2pcs式だったライトユニットカバーは流し込み接着剤により実質的1pcs化を図った。
1pcs式は一旦正式採用された構造でもあり車体への嵌合に影響は無いと考え分離を見送っている。



急遽思い立った尾灯レンズ漏光対策施工 (3051-8用,3026-8用)。

3051-8のライトユニットカバーは2016年4月以来となる原形への復帰を果たした。
LOTが進むに連れ新3000形系列の点灯機構周りは漏光対策が物々しくなっている。
当初は通過標識灯用プリズム導光部へ黒色塗装が成される程度の実に素っ気ないものだった。
点灯照度向上に注力した3051Fは通過標識灯,尾灯点灯時の漏光対策が全く施されていない。
共に分解した3026-8の通過標識灯,尾灯用プリズム導光部はN838Fに近い漏光措置が行われていた。
これを参考とし3051-8も現行LOTに近付けるべく新たに遮光テープを追設する。


極薄ビニールテープを被覆にしたLEDチップ(3051-8用)。

照度向上用に貼付していたアルミテープは皺が寄ってしまい再用出来なかった。
3051-8には遮光テープが一切無く転用も行えないため加工性に優れる極薄ビニールテープを代用した。
現行LOT表示器プリズム化を図った3010F現行仕様(3次車:3010F-2)はN838Fを基にした遮光策が採られた。
LOT差のせいか3026Fとは若干の相違が感じられたが覆う箇所はほぼ同じに見える。
とにかく漏光さえ生じなければ何ら問題は無く3026Fの製品仕様に従っている。
ただ極薄ビニールテープは撓み易く貼付後の安定性を欠き代替品には余り向いていなかった。


遮光幕状にビニールテープを貼付したライトユニットカバー(3051-8用)。

当然ながらアルミテープ式照度向上対策が廃止されると発光量は製品仕様に戻ってしまう。
最低でも第一次試行時点の点灯光量は維持したくLEDチップへ被覆を設ける事にした。
同様の施工を行った3010F-2では手を加えたなりの効果が確認されており3051Fも追随させる。
3010F-2はライトユニットカバー内壁から剥離したアルミテープを再用した。
しかし厚みがあるアルミテープは車体と床板の嵌合に注意が必要で極薄ビニールテープへ変更している。
なお被覆は全LEDチップを対象としており通過標識灯,尾灯用も漏れなく施工した。




3051-8 [A03 快速特急 上野]:運行番号,種別・行先変更施工。

3010F-2では台枠の黒色化も行ったが物理的に透過を防げなかったため早くも廃止となった。
そして表示器用プリズムケースとライトユニットカバー間からの漏光防止対策に進む。
N838Fの再施工後に倣い運転台側ライトユニットカバー上部へ極薄ビニールテープを貼り付けた。
ライトユニットカバー上端からの迫り出し幅は約2mmから約3mmに変更し表示器用プリズムケースとの余裕を稼いでいる。
床板は通過標識灯,尾灯用LEDチップへの被覆施工に伴い組み直しを行った。
極薄ビニールテープの厚みが加わったが座席部品と台枠の位置関係は入場前と変わっていない。




3051-8 点灯試験[A03 快速特急 上野]:前照灯(照度向上,乗務員室内漏光防止対策試行)。


3051-8 点灯試験[A03 快速特急 上野]:前照灯(照度向上,乗務員室内漏光防止対策試行)。

3026-8から捻出した前照灯,表示器用セルに振替えライトユニットカバーを挿入する。
3051Fは流し込み接着剤で前照灯,表示器用セルが固定された製品だったが支障なく取り付けられた。
新設した乗務員室内漏光用極薄ビニールテープはその特性が活き表示器用プリズムケースとの隙間を埋められたように見える。
床板の嵌合も入場前と変わっておらずアルミテープで被覆を行った3010F-2より扱い易い。
結局極薄ビニールテープの採用で引っ掛かった箇所は通過標識灯,尾灯用プリズム導光部だけであった。
その他に擦過痕が目立っていた前面窓セルの磨き直しを施し前面見附改善へ繋げている。

各種対策完了後に行った点灯試験は合格,不合格の差が強く現れる結果となる。
先ず主工程の乗務員室内漏光は完全に収まり側面窓セル断面への透過が見られなくなった。
前照灯照度も第一次アルミテープ式照度向上策施工時を若干上回る光量にまで達した。
尾灯点灯時に運転台下部を照射する赤色光は抑止され尾灯用LEDチップへの被覆が効力を発揮したと考えている。
一方3026-8から転用した[A03 快速特急 上野]表示は漏光防止策存置の兼ね合いもあり殆ど変わっていない。
やはり薄暗い点灯状況から抜け出すにはマッキーの除去が欠かせないと思う。
また助士側通過標識灯から尾灯へと至る漏光も軽減だけに留まり完全消灯には至らなかった。
通過標識灯,尾灯用プリズム導光部はアルミテープによる遮光方式に切り替える予定である。
続けて3051-1(3051F)を入場させ更なる改善を目指す。

京成新3000形3010-1[3010F-2] 3次車 現行仕様 表示器点灯照度向上施工 (新京成モハN831[N838F] プリズム振替)

2019-01-12 23:36:57 | 京成線:新3000形
暫定起用。

マイクロエース京成新3000形3010-8現行仕様(3次車:3010F-2)の行先表示器照度向上策は一応成功した。
これを受け3010-1(3010F-2)と新京成N800形モハN831京成千葉線直通色(3次車:N838F)を同時入場させる。
3010-1への施工項目は3010-8とは異なり当初から表示器用プリズム交換に絞られた。


京成新3000形3010-1 3次車 現行仕様(3010F-2)。

3010-1,モハN831双方とも表示器用プリズムケース撤去には分解が必要になる。
よってモハN831は第二次整備前に分解される異例の展開となった。
あくまで3010-1を主軸に置いた作業でありモハN831は分解,組み立てのみに留める。
この措置はモハN838(N838F)も同様とした。
新京成N800形N848F現行色(4次車:N848F)で明らかになったスカート下垂への対処も見送る。
早速現行LOT表示器用プリズムを供出するモハN831の分解へ取り掛かった。


入工中のモハN831,3010-1。(新京成N800形N838F,3010F-2)。

モハN838の分解は試験的に側面窓セル撤去式を採用した。
前面窓セル撤去式への移行が早くどちらが効率良く表示器用プリズムケースを取り外せるか判らなくなっていた。
流し込み接着剤の使用量は限定的で側面窓セルの剥離は難無く終えられている。
しかし側面窓セル行先表示器部と車体内側嵌合爪が近接し着脱共に煩わしさがあった。
接着剤代が下部に限られる前面窓セルは復旧も容易である。
結局モハN831は前面窓セル撤去式で各部品を取り出した。


分解されたモハN831,3010-1。

LOTの離れた3010F-2とN838Fは前照灯色温度にも違いがある。
これは用いられたLEDチップの差に拠るものと考えている。
ただ改めて前照灯用プリズム導光部を確認すると反射具合が異なると気付いた。
前照灯用プリズムは3010F中期仕様以来蒸着処理が継続して施されている。
表面からは伺えない仕様変更がここで確認され単にLEDチップだけの問題ではないと判った。
実質6thLOT相当となるN838FをN818F京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)へ近付ける壁は想像以上に高いらしい。


通過標識灯,尾灯用プリズムに貼付したアルミテープ。

モハN831のライトユニットカバーは3002F現行仕様(1次車:3002F)並の嵌合精度であった。
表示器用プリズムの交換後に挿入へと戻ったが装着感は手応えのあるものだった。
構造や遮光テープの貼り方に違いは見られず何が関係しているか全く判らない。
第二次整備ではモハN838との比較を行いたい。
一方3010-1用ライトユニットカバーのアルミテープ式点灯照度向上策も廃止となる。
皺が寄らないよう丁寧に剥離し通過標識灯,尾灯プリズムの漏光対策へ転用した。


スカート内側へ施した漏光対策。

3010-1での誤算は座席部品の遮光テープ長が3010-8より短かった事である。
表示器用LEDチップ全周には行き渡らず被覆へ用いる作戦は暗礁に乗り上げた。
遮光テープは転用に備え均し終えており貼り方に癖がある座席部品への再貼付は難しい。
ただ処分は勿体なく思え他箇所の漏光部を塞ぐ役割を与えた。
新3000形系列は尾灯点灯時に線路方向への漏光を招き易い。
中でも最終出口となるスカート運転台側の開口部が遮光対象筆頭に挙がった。


被覆を行った尾灯用LEDチップ。

スカートの開口部は大きくなく遮光テープを使い切れなかった。
現行LOTライト基板は全LEDチップに被覆付である点に着目し元凶の尾灯用LEDチップへ遮光テープの残りを貼付した。
全被覆には至らないが無処置よりは効果を得られると思う。
まだ肝心な表示器用LEDチップの被覆が行えていない。
手元で代用出来そうなものはライトユニットカバーから剥離したアルミテープだけだった。
元々粘着力が低い上に厚みもありLEDチップの被覆には向かないと考えていた。


組立を終えた床板一式 (モハN831用,3010-1用)。

表示器類照度向上には被覆が欠かせない。
急場鎬として取り敢えず表面をマッキーで塗り潰し表示器用LEDチップ全体を覆った。
とにかくライト基板周りの見附だけは3010-8用に近付けた。
座席部品及び台枠の黒色化も踏襲している。
課題はアルミテープで覆われたLEDチップがライトユニットカバーのスリットに収まるかだった。
やはり厚みが災いし床板嵌合を何度もやり直した。


3010-1 [B19 普通 千葉中央]:表示器用プリズム交換施工。

幾度と無くずれるアルミテープに苦戦を強いられ最後は勘に頼った。
限界まで目視で確認を続けライトユニットカバーとLEDチップが触れない感覚が得られた。
非常に心許ない最終工程だが代替手段が見当たらない現在では致し方なかった。
前面車体裾とスカートの位置関係に変化は見られない。
3010-8に続く成功で嵌合には関与しないと確証が持てた。
何れは新3000形系列の通過標識灯,尾灯用プリズム遮光対策未施工編成の廃止に繋げたい。




3010-1 点灯試験[B09 普通 千葉中央]:前照灯(現行LOT表示器用プリズム化施工)。


3010-1 点灯試験[B09 普通 千葉中央]:尾灯(現行LOT表示器用プリズム化施工)。


3010-8 点灯比較[B09 普通 千葉中央]:3010F-2(現行LOT表示器用プリズム化施工車)。

3010-1の点灯試験も3010-8に近い結果を得られた。
ステッカー貼付と切り出し寸法が下回る3010-1では[B09]表示周囲で新たな漏光を呼ぶほどだった。
最終状態が見えない表示器用LEDチップへのいんちき被覆は無事機能しているらしい。
尾灯点灯時に生じていた通過標識灯の漏光も大凡解消され追加したアルミテープが何れも威力を発揮している。
また尾灯用LEDチップへ貼り付けた遮光テープも効果が高った。
該当部は比較的余裕のある構造をしておりこちらも他編成に施工する予定である。




新京成N800形モハN831点灯試験[□ □ □]:N838F(1stLOT表示器用プリズム化施工,通過標識灯消灯)。


新京成N800形モハN838 点灯比較[□ □ □]:N838F(1stLOT表示器用プリズム化施工車)。

3010-1とは逆の狙いがあるモハN831もモハN838と同格になった。
絶対光量が異なる関係上N818Fより漏光は激しくなるだろう。
だが色温度だけでも統一性を持たせる下地は作れたと思う。
N838Fにはジオマトリックス製運行番号,行先表示ステッカーの採用が確定している。
1stLOT表示器用プリズムとの組み合わせは初でありその点灯具合も気になるところである。
発光色温度がN818Fに近くなれば3色LED表示器編成のN848Fの1stLOT表示器用プリズム化も有り得るかもしれない。

3010F-2で覗かせていた1stLOT品特有の癖はかなり薄められた様に思える。
表示器類点灯照度ばかり手を掛けてきたが台枠からの尾灯漏光も弱点になっていた。
今回の入場で暫定的な解決策に辿り着けた。
しかしLEDチップの被覆方式が課題として残されている。
代替品に妙案が浮かび次第旧LOT編成の改善へ取り組む。

京成新3000形3010-8[3010F-2] 3次車 現行仕様 表示器点灯照度向上試行 (新京成モハN838[N838F] プリズム振替)

2019-01-11 22:43:59 | 京成線:新3000形
好感触。

マイクロエース京成新3000形3010F現行仕様(3次車:3010F-2)は3010F中期仕様(二代目)を種車とする。
実車の外観変化が殆ど無く富士川車輌工業製フルカラーLED式表示器ステッカーにより現行仕様化を図った。
京成新3000形系列の初陣を飾った3010Fは2010年7月のリリースから早くも約8年6箇月が経過している。


京成新3000形3010F 3次車 現行仕様。
3010F-2:3010_8-3010_7-3010_6-3010_3-3010_2-3010_1。
※フルカラーLED表示器編成。

製品原形に近い3010F中期仕様(3次車:3010F-1)は新製投入だった。
中古製品価格の高騰に悩まされた3010F-2は2016年7月まで導入がずれ込んでいる。
この間にリリースされた3051F現行仕様(7次車:3051F),3001F前期仕様(1次車:3001F),3026F現行仕様(8次車:3026F)を増備した。
新3000形系列はLOT毎に改良が重ねられ3026F以降から行先表示器の光量が増大された。
1stLOT品の3010F-2は独自の照度向上策を施してきたが何れも思うような答を得られていない。
加えて3002F現行仕様(1次車:3002F)を千葉線系統へ当てたため3010F-2の行先表示器点灯具合は見劣りが隠せなくなった。


入工中のモハN838,3010-8 (新京成N800形N838F,3010F-2)。

2018年12月に入り新京成N800形N838F京成千葉線直通色(3次車:N838F),N848現行色(4次車:N848F)がリリースされた。
残念ながら新製品に新3000形は含まれなかったが基本構造の変更は伺えない。
モハN841(N848F)での床板湾曲修正施工過程にてN838Fの点灯機構部品を3010F-2へ移設する手段が思い浮かぶ。
これまで新3000形系列に於ける行先表示器類の照度向上策試行は3051Fが務めてきた。
今回は部品相互振替が主工程であり3002Fとの差が激しかった3010F-2を抜擢した。


唯一の交換部品となる表示器用プリズム (モハN838用,3010-8用)。

当初計画では3010-8(3010F-2)とモハN831(N838F)でライト基板を交換する予定だった。
ところが行先表示器用LEDチップは3010-8用,モハN838用共に光量差が感じられなかった。
点灯色温度も同系統でこれは意外な結果であった。
強力発光に変わった3026F以降は行先表示器類の点灯色温度にも若干の違いが見られる。
LEDチップの変更かと思われたがその影響は低いらしい。
むしろ前照灯色温度の違いが露わになりライト基板交換は見送りが決定する。


廃止されたアルミテープ式照度向上策。

そこで両車を分解しどの部品が行先表示器類点灯色温度を左右するか比較した。
分別を進めていくと表示器用プリズムに辿り着いた。
モハN838用プリズムは3010-8用プリズムとは異なり蒸着処理が成されていない。
3010-8用プリズムに光源を当てると赤味を帯びた発色を見せた。
行先表示器類の点灯色温度差は表示器用プリズムが変更で強く生じたと思われる。
3010F-2を3002Fの仕様へ近付けるにはプリズム交換のみで十分だと考えた。


漏光防止策へ転用されたアルミテープ (モハN838用,3010-8用)。

3051Fで試行したアルミテープ式点灯照度向上策は効果が低く廃止となった。
剥がしたアルミテープはモハN838に準じた通過標識灯,尾灯の漏光対策へと役目が変わる。
3010-8の尾灯用プリズムは漏光対策が施されておらず助士側が剥き出しになっている。
モハN838用プリズムを参考にアルミテープを貼り付けた。
大凡同位置へ貼付を行えたが3010-8用プリズムケースは通過標識灯と尾灯の間を塞ぐリブが無かった。
よって余り期待を寄せずに施工している。


遮光テープの代わりとした運転台側座席部品,台枠黒色化。

3010-8のメーカーによる主だった漏光対策は運転台側座席部品に貼られた遮光テープ程度だった。
尾灯点灯時の漏光が著しい3010F-2の遮光テープは余り機能していないように思える。
そこで遮光テープを廃止とし新たに尾灯用LEDチップが組み込まれる運転台側座席部品及び台枠をマッキーで塗り潰した。
床板一式での単独点灯試験にて乱反射が確認されており直接照射される箇所は全て黒色化している。
また座席部品前端中央部のリブにはクッション付テープを追設しモハN838用へ合わせた。
何れの施工も負荷が少なく座席部品と床板は入場前と変わらない噛み合わせを維持した。


遮光テープを転用した表示器用LEDチップ被覆。

続いて行先表示器照度向上対策に移った。
ライト基板が流用へ変更され絶対光量の増大は見込めない。
従来の照度向上対策は一貫してライトスイッチカバー内の反射力を高める方式だった。
早くから被覆が行われていないLEDチップには気付いていたが代替品が見当たらなかった。
発光部を上方向に限定すれば多少なりとも照度向上へ繋げられるはずである。
そこで遮光テープの廃止に踏み切りLEDチップ被覆へと転用した。


3010-8 [B09 普通 千葉中央]:表示器用プリズム交換施工。

しかし遮光テープでは絶対長と天地が不足してしまい完全にLEDチップを覆えなかった。
代替品が無い以上これより先には進めない。
中途半端な施工に留まったが無被覆よりはましと考え点灯機構周りの小細工を打ち切った。
心配されたスカートは従来位置に収まった。
床板と通過標識灯,尾灯用プリズムケースに手を加えた影響は全く現れていない。
ここまでの方法は3010-1(3010F-2)でも通用すると思う。




3010-8 点灯試験[B09 普通 千葉中央]:前照灯(現行LOT表示器用プリズム化施工)。


3010-8 点灯試験[B09 普通 千葉中央]:尾灯(現行LOT表示器用プリズム化施工)。


3002-8 点灯比較[B19 普通 津田沼]:3002F(現行LOTライト基板,表示器用プリズム装着車)。

引き続き1stLOTライト基板が装着された3010-8の点灯試験へ入る。
その答は3002Fには及ばなかったもののひとまず合格点に達したと思える。
表示器点灯照度は運行番号,行先表示ステッカー周囲の漏光が目立つまでに向上している。
点灯色温度も3002-8(3002F)に近付き1stLOT品と5thLOT品で生じていた差異を埋められた。
モハN838から点灯機構部品を移設する計画は表示器用プリズム交換の単独施工へ規模縮小となった。
結果次第では原形復帰も有り得たがその必要は無いだろう。




新京成N800形モハN838 点灯試験[□ □ □]:N838F(1stLOT表示器用プリズム化施工,通過標識灯消灯)。

一方モハN838の表示器用プリズムは現行LOT品から1stLOT品へ振り替えられた。
格下げに映るが製品仕様では新京成N800形N818F京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)との点灯具合に落差が生まれる。
現行LOTライト基板装着編成と1stLOTライト基板装着編成の関係は3002F,3010F-2と全く同様であった。
1stLOT表示器用プリズム化で表示器点灯色はN818Fと同系統の色温度へ改められた。
行先表示類ステッカーの貼付を施すN838Fの第二次整備にも期待が高まる。
3010F-2,N838F双方での利点が垣間見える試行結果を得て3010-1の表示器用プリズム交換へ移行する。

京成新3000形3051-1[3051F] 7次車 現行仕様 前照灯照度向上対策施工(行先表示器類照度向上対策再中断)

2018-01-21 21:19:09 | 京成線:新3000形
不完全燃焼。

マイクロエース製京成新3000形3051F(7次車:3051F)の行先表示器類照度向上対策は打つ術が無くなった。
新3000形3001F前期仕様(1次車:3001F),3010F前期仕様(3次車:3010F-1)は3色LED表示器編成でありまだ許容できた。
フルカラーLED表示器編成の3010F現行仕様(3010F-2)と3051Fだけでも何とかしたかったが無念である。


京成新3000形3051-1 7次車(3051F)。

3051-8は三次に渡る照度向上対策で製品原形より行先表示器類の点灯状態は改善されている。
しかし3002F現行仕様(1次車:3002F),3026F現行仕様(8次車:3026F)との格差を埋められる見通しは立っていない。
引き続き対策を考える方向で何か閃く時を待つ。
第三次施工では予想に反し前照灯照度が僅かに向上した。
3051Fの仕様を揃えるため3051-1も入場となった。


入工中の3051-1。

3051-1の入場名目は行先表示器類照度向上対策から前照灯照度向上対策に変更された。
ライトケース内とライト基板にアルミテープを貼付する方式は3051-8を踏襲する。
アルミテープは紙ベースながら皺が寄りやすく意外に綺麗に貼り付けるのが難しい。
3051-8入場時に裁断されたアルミテープは再用せず新たに必要分を切り出した。


アルミテープを貼付したライト基板。

ライトケースへの細工は時間を要するため先にライト基板へアルミテープを貼り付けた。
短絡さえさせなければ前尾灯用LEDチップ全周に貼付しても構わないと思える。
但しライトケースとライト基板の嵌合猶予が掴めておらず各LEDチップ両側だけに限った。
この箇所なら車体との嵌合に支障する事はない。


第一次施工時のアルミテープを剥離したライトケース。

3051-1も運転台側LEDチップ用スリット側だけにアルミテープを貼り付けていた。
全面的に交換するため予め貼付済のアルミテープを撤去している。
100円ショップで手にした安物のアルミテープでありライトケース内への粘着糊付着は生じていない。
逆に言うと粘着力がかなり低く貼付時の圧着は欠かせない。


行先表示器用プリズム導光部を開口したアルミテープ。

ライトケースの連結面側LEDチップ用スリットは空間が広く一度U字形でのアルミテープ貼付を試みた。
しかし中途半端な硬度を持つアルミテープは細工が厄介だった。
結局L字形に戻し内部の形状に合わせている。
竹串と綿棒を用い入念に表面を均すと同時に圧着を図った。
行先表示器用プリズム導光部の開口はライトケースのモールドを基準にしている。


アルミテープ貼付中のライトケース。

運転台側LEDチップ用スリットはU字形貼付を踏襲した。
3051-8での施工結果が思わしくなかったためアルミテープへの細工は必要最低限で構わない。
天面位置と行先表示器用プリズム導光部開口は現物合わせを行わず連結面側に倣っている。
最後に連結面側LEDチップ用スリット客室寄へ再用したアルミテープの切れ端を貼り付けた。
入場当初行先表示器照度向上が施工項目だった3051-8は時間を掛けてライトケースへの細工を施した。
一方3051-1用ライトケースへのアルミテープ貼付は大幅に時間が短縮された。
ここは多少作業進行が雑になった証だと思う。
それでも同一仕様に仕上がる辺りは皮肉である。


車体嵌合に影響しないライト基板へのアルミテープ貼付。

ライトケースの細工は内部が中心であり車体への組み込みに差し障りは無い。
アルミテープの折り返しをライトケースの成形に合わせたためプリズムケースとの嵌合は従来通りである。
LEDチップを除いた全厚が増したライト基板もライトケースには当たらないと思われる。
爪嵌合にはしっかりとした手応えを得られている。
車体裾とFS-564非動力台車の位置関係も製品同等で外観からは手を加えた雰囲気を感じない。




3051-1 点灯試験[A15 特急 成田空港]:前照灯(アルミテープ式前照灯照度向上対策施工)。




3051-1 点灯試験[A15 特急 成田空港]:尾灯(アルミテープ式前照灯照度向上対策施工)。


3051-8 点灯比較[A15 特急 成田空港]:アルミテープ式前照灯照度向上対策施工車。

点灯試験の結果は3051-8と同じだった。
一応当初の目的は達成出来ている。
ただ劇的に照度が向上する工程ではなく達成感は無い。
むしろ3051-1の入場は義務感が勝ったと言える。
今更になって尾灯点灯時に於けるスカート下部の漏光に気付いた。
3002-1(3002F)で試験中のプラ板式簡易漏光対策を拡大採用すれば良かったかもしれない。
今のところ不都合は無く何れは新3000形グループに展開される確率は高いと思う。
その時まで3051Fの漏光対策は先送りとした。


比例してしまった乗務員室内下部漏光。

3051-8と仕様が揃えられ3051-1が竣工した。
尾灯点灯時のスカート下部漏光を課題に残したまま3051Fは再出場を迎えている。
アルミテープ式前照灯照度向上対策は3051F限りで打ち切りとする。
無闇に反射率を高めた事により元々生じていた乗務員室内下部の漏光も強くなった。
効果の低さに加え副作用もあるため拡大採用には値しない。
場合によってはライト基板へ貼付したアルミテープの剥離を行うかもしれない。

京成新3000形3051-8[3051F] 7次車 現行仕様 行先表示器類照度向上対策再試行 ※失敗記録:照度不変

2018-01-20 21:15:32 | 京成線:新3000形
冠履転倒。

マイクロエース製京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)に触発され行先表示器照度向上対策を再開した。
3026F現行仕様(8次車:3026F)からライト基板が変更され点灯時に於ける行先表示器類の視認性が大幅に向上している。
かつて既存編成にてアルミテープ式行先表示器類照度向上対策を試行したが効果は微々たるものだった。


京成新3000形3051F 7次車。
3051F:3051_8-3051_7-3051_6-3051_5-3051_4-3051_3-3051_2-3051_1。

ライトケースにアルミテープを貼付するだけの行先表示器類照度向上対策は手間の割に手応えが無かった。
3026F以降のライト基板変更はこの試行中に気付いた。
多少反射を強める程度では到底敵わない。
試行錯誤したものの新京成N800形N818F京成千葉線直通色(N818F)を残し対策を打ち切っている。


入工中の3051-8。

3002Fの出場でプロトタイプが被る3010F現行仕様(3次車:3010F-2)は点灯照度差が大きく現れてしまった。
少しでもLOT差を埋めようと再び悪足掻きをする。
試行編成は3051F(7次車:3051F)とした。
3051FはTOMIX製PT-7131-D形パンタグラフ換装や波打車輪化等を行い製品原形から姿を変えている。
新3000形グループでは各種対策の先行試作編成と化しており今回もその役割を担う。


新たにアルミテープを貼付した連結面側LEDチップ用スリット。

先ず上野寄M2c車の3051-8を入場させた。
第一次行先表示器類照度向上対策時は運転台側LEDチップ用スリットだけにアルミテープを貼付していた。
何故前照灯点灯時に絞ったかは判らない。
今回は連結面側LEDチップ用スリットにもアルミテープを貼付し尾灯点灯時も同様の効果を狙う。
反射力を高めるため第二次行先表示器類照度向上対策ではアルミテープをL字形貼付へ改めている。
行先表示器用プリズム導光部はクラフトナイフで開口し折り返し部をライトケース内部へ貼り付けた。


連結面側に揃えた運転台側LEDチップ用スリットへのアルミテープ貼付。

運転台側LEDチップ用スリットには線路方向前後にアルミテープを貼付していた。
この状態では天面からの反射が期待出来ない。
第一次施工のアルミテープを剥離し連結面側に採用した全体を覆う方式に改める。
スリットの空間は狭隘でL字形での貼付が行えず無理矢理U字形に押し込み端部をカットした。
線路方向前後のアルミテープは一応の復活を果たしている。
少なくとも第一次施工の点灯照度は確保出来るだろう。


車体に装着したライトケース。

運転台側LEDチップ用スリット向けのアルミテープが半端に残ったため連結面側の室内寄に追加貼付した。
実質的に両側ともアルミテープをU字形に貼り付けた状態へ至った。
早速照度向上対策を施したライトケースを車体に組み込む。
反射力増強用アルミテープは行先表示器用プリズム導光部を塞ぐ事なく露出している。
素人発想が何処まで通用するか期待し点灯試験を行った。




3051-8 点灯試験[A15 特急 成田空港]:前照灯(第二次行先表示器類照度向上対策試行失敗)。




3051-8 点灯試験[A15 特急 成田空港]:尾灯(第二次行先表示器類照度向上対策試行失敗)。

その結果は惨憺たるものだった。
運転台側LEDチップ用スリットへのアルミテープ貼付に苦戦した事もあり多少の変化はあると考えていた。
ところが前尾灯とも行先表示器の視認性は変わらない様に見える。
結果的に入場前と殆ど同じ点灯照度のままで照度向上対策は空振りに終わった。


ライト基板にも追貼付したアルミテープ。

余りの空砲さ加減に唖然とした。
このままでは引き下がりたくなく再び3051-8を分解している。
両側LEDチップ用スリットは側板寄だけアルミテープを貼付していなかった。
全てをアルミテープで覆う方法も浮かんだが面積を考えると劇的な改善には繋がらないと思われた。
そこでライト基板のLEDチップ両側へアルミテープを貼付した。
これならライトケース天面を覆うアルミテープへの反射が期待出来るかもしれない。
3051-8を組立て再び点灯試験を行った。




3051-8 点灯試験[A15 特急 成田空港]:前照灯(第三次行先表示器類照度向上対策試行失敗)。




3051-8 点灯試験[A15 特急 成田空港]:尾灯(第三次行先表示器照度向上対策試行失敗)。

自身では最終手段のつもりだった。
しかしこれも通用せず行先表示器類照度向上対策は完全なる失敗に終わった。
その代わり前照灯照度が若干上がり斑の無い点灯をもたらした。
本来の目的とは異なる箇所で改善点が現れている。
なお尾灯,通過標識灯は形状とライト基板と位置関係のせいか特に手応えを得られていない。


3051-8(7次車:3051F)。

前照灯照度変化は決して大きなものではない。
前面からの照度向上は伺い難いが俯瞰からはそれなりに手を加えた様子が伺える。
第一次行先表示器類照度向上対策時の状態に戻すのも癪であり3051-1(3051F)も同様の施工を行う。
但し期待外れで終わった事実に変わりはなく他新3000形グループへの展開は考えていない。

京成新3000形3002-7[3002F] 1次車 現行仕様 動力ユニット整備(起動電流低減),KATOカプラー化

2018-01-03 21:35:12 | 京成線:新3000形
蓄積。

マイクロエース製京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)は第二次整備最終入場車の3002-7を迎えた。
3500形3520F更新車現行仕様(3520F-3)以降に回着したマイクロエース製品は動力ユニットの経年対策を工程に追加している。
現在進行形のマイクロエース製動力ユニット整備では数多く性能低下対策に追われており先手を打つよう改めた。


京成新3000形3002-7 1次車 現行仕様(3002F:動力車)。

所有する新3000形6両編成は3010F前期仕様(3010F-1)と3010F現行仕様(3010F-2)の2本である。
新3000形の初登場を飾った3010F-1は動力ユニットを3010-7から3010-2へ移設した。
これは当時6両固定編成で標準化していた3200形3240F現行色後期仕様(3240F)に合わせたものだった。
動力車位置変更は3300形3320F後期仕様(3320F-1:6両編成)の様に編成短縮を可能にさせる例もある。
しかしその大半は基準に据えた3240Fに揃えるだけの名目だった。
3010F-2は編成番号,車両番号が3010F-1と重複するため混同防止を目的に動力車を3010-7のまま存置した。
この頃は動力ユニットの移設が困難な6両編成が数多く現れていた。
既に法則が崩れていた動力車位置変更は3010F-2の出場を以て正式に打ち切られた。
よって3002Fの動力車は3002-7が維持され奇しくもプロトタイプの重なる3010F-2と同一になっている。


入工中の3002-7。

検品試験走行の結果は芳しくなかった。
他動力ユニットでは起動する電流に達しても微動だにしない。
出力ダイヤルの目盛りを半分過ぎたところで漸く動き出した。
加減速はスムーズながら起動電流の高さが課題になっている。
同様の症状はこれまでに竣工した動力ユニット整備入場車でも散見され全て解消させた。
大半は導電板の酸化による性能低下だった。
しかし3002-7は新製投入したばかりであり導電板以外に疑惑の目を向けている。


ラプロス#2400で研磨した導電板。

ユニットカバーを外すと綺麗な導電板が現れた。
やはり起動電流の高さに導電板は絡んでいないと思われた。
近年のマイクロエース製動力ユニットは輝く導電板が当たり前になりつつある。
変色や指紋付着が懐かしく思える。
但し導電板をクリーナーで拭き上げるとそれなりの汚れがクロスに付着する。
まだ信頼できる状態には至っておらずラプロス#2400で研磨した。


起動電流が高かったモーター。

通電系統の主力部が問題無かったためモーターが怪しいと考えた。
FS-564動力台車を撤去し単独駆動試験を行ったところ検品試験走行と同じ症状が出た。
モーター軸の状態は良くモーター自体がおかしいらしい。
ただ分解が行えないため注油を施し様子を見る。
新製投入車では非常に珍しい展開だがこれ以外の対処法は思い浮かばなかった。
モーター内部へ油脂を馴染ませた後に再び試験を行った。
すると低電流から回転し現象改善に至っている。
3002-7に限りモーター内部の摺動抵抗が高かった可能性がある。
ひとまず最大の原因を突き止めFS-564動力台車の整備に移った。


予想より純正グリス投入量が下回ったFS-564動力台車(上野寄)。

上野寄,成田寄共にFS-564動力台車の純正グリス量は少なかった。
目立つ白塊も無く状態は悪くない。
これまで純正グリスは経年劣化で摺動抵抗に変わっていた。
モーターへ負荷を与える曲者である。
純正グリスそのものは変更されていないと思われ全面清掃を施す。


過剰投入に変わりない小ギア類への純正グリス(成田寄)。

FS-564動力台車を分解するとギアボックス内部の純正グリス量も控え気味だった。
しかし小ギア類への塗布量は多く回転は重い。
もう少し投入量を減らせば摺動抵抗軽減にも繋がると思う。
白塊が消えたのは大きな前進だが更なる改善を望みたい。
ギアボックス周りは全て分解し小ギア類とセンターピンをクリーナープールへ浸けた。
純正グリスは各部への投入から時間が経過していないせいか早く溶解している。


脱脂されたギアボックス周り(上野寄)。

小ギア類の仕上げも歯ブラシ1本で終えられた。
ここは経年入場の動力ユニット整備とは異なる点と言えよう。
整備を終えた小ギア類は回転が軽くなった。
起動電流問題には影響しないと思われるが加減速性能は確実に高まると予想出来る。
なおギアボックスは純正グリスの白塊が無くクリーナーを浸した綿棒で脱脂した。


純正グリス進出が見られなかったロアフレーム(成田寄)。

純正グリス投入量の減少はロアフレーム周りにも好影響をもたらしている。
殆ど油脂付着が生じていなかったロアフレームは軽度の清掃で留められた。
念のためクリーナーを併用したものの清掃前と清掃後では全くと言って良い程変化は見られない。
その代わり動軸ギアは小ギア類と同様純正グリスで煌めいていた。
まだ粘度が低く爪楊枝と歯ブラシで清掃を施している。
従って動軸ギア用クリーナープールは2回連続で出番が無かった。


クリーナープールを用いずに清掃した動軸ギア(上野寄)。

スパイラルギア周りではカバーの成形色に変更があった。
明灰色成形品となったが成形は変わらない。
動力ユニット分解時に目に付いた箇所だった。
構造変更が過ったが特に目新しい設計は無く助かっている。
金属製スパイラルギアもクリーナーと歯ブラシで磨いたが劣化が全く無いため清掃効果は得難い。


輝きを保つスパイラルギア(成田寄)。

3002-7は第一次整備対象車から外れアーノルトカプラーのまま残っていた。
FS-564動力台車の清掃終了と同時に発生品の灰色成形KATOカプラーへ交換している。
カプラースプリングを存置するFS-564(064)非動力台車と同一方式を採用した。
単純にスプリングの圧縮代を見ると動力台車はKATOカプラーの下垂対策へ繋がると思われる。




KATOカプラー化されたFS-564動力台車(上野寄)。

最後にFS-564動力台車へタミヤ製グリスを塗布した。
3002-7は走行履歴が無く津川洋行製ホイールクリーナーでの踏面清掃は不要である。
そのため一度スパイラルギアを嵌合し手動で車輪を回転させグリスを馴染ませた。
再びスパイラルギアを分離し動力ユニットを組み立てた。


整備工程を終えた動力ユニット。

整備を終えた動力ユニットと車体を組合せ駆動試験を行った。
検品試験で生じていた起動電流の高さは完全に解消されていた。
他マイクロエース製動力ユニットと同等であり3002Fだけが特殊な取扱いに陥る事態を防いでいる。
原因はほぼモーターにあったと考えて間違いないだろう。
未だに完了していない既存編成の動力ユニット整備だが今入場では経験が役立ったと思う。
3002-7は入場タイミングに恵まれたと言えよう。

動力ユニットの復調を実現し3002-7が竣工した。
起動電流の高さは予想外だったものの懸念は払拭されている。
3002-7を以て3002Fの第二次整備は終了となった。
少数派に甘んじている現行仕様の増強は大きな課題だった。
待望の千葉線仕様でもあり3002Fは活躍の場が広くなると思う。

京成新3000形3002-1[3002F] 1次車 現行仕様 運行番号,種別・行先表示貼付,スカート下部簡易漏光対策試行

2018-01-02 21:25:03 | 京成線:新3000形
反面教師。

第二次整備のためマイクロエース製京成新3000形3002-1現行仕様(1次車:3002F)が入場した。
上野寄M2c車の3002-8(3002F)は竣工までに3日を要した。
遅延を取り戻すため3002-1は入場当日強行竣工を前提とする。


京成新3000形3002-1 1次車 現行仕様(3002F)。

計画では既に3002Fは出場を迎えていたはずだった。
第二次整備入場第1号の3002-8で思わぬ作業遅延が生じており3002-1で少しでも回復を狙う。
成田寄M2c車の3002-1も運行番号,行先表示器への富士川車輌工業製ステッカー貼付が主工程である。
時間の制約が無く3002-8で難航した前照灯・行先表示類用セルの撤去は余裕を持って行える。


入工中の3002-1。

車体を分解し確認したのは海側側面窓セルの構造である。
3002-8では実質同位置となる山側側面窓セルが分割されていた。
個体差とも考えられたが3002-1も分割されており今LOTから変更されたらしい。
ただ明らかに整形されていた3002-8に対し3002-1はセルが割れた様な形状をしている。
ここは工場ライン次第で変わるのかもしれない。


分割された海側側面窓セルの整形が異なる3002-1。

前照灯・行先表示類用セルの取り外しは前面窓セル撤去式とした。
海側側面窓セルが分割されているため3026F現行仕様(8次車:3026F)までの方式に拘らなくても良かった。
しかし手慣れた方法を採用し竣工への近道としている。
前面窓セル下部に投入された流し込み接着剤量は多くない。
よって前面窓セル上部から車内側へ倒すのみで簡単に撤去出来る。
プリズムケースも自動的に外れるに等しくここまでは順調に工程を進められた。


前面窓セル撤去式で分解した3002-1。

前照灯・行先表示類用セルの取り外しに時間を要するのは折り込み済である。
嵌合精度の高さは3002-8と変わらない。
折損防止のため撤去にはそれなりに手間を掛けた。
所要時間は3002-8と同等若しくはそれ以上に達していると思う。
取り外した前照灯・行先表示類用セルに簡単な漏光軽減策を施し車体へ再装着した。
予想通りここでも手間取ったが当日竣工が前提にあり作業を続行している。


漏光軽減策を施した前照灯・行先表示類用セル。

3002-8で必要の無い前照灯セル内側まで黒色化してしまった。
従来方式に戻す事も考えたが3002Fの仕様を揃えるため3002-1でも踏襲している。
着脱に苦戦する前照灯・行先表示類用セルは今後の課題になる可能性が高い。
製品リリース次第では前照灯と表示器類の分割化も考えている。
前照灯・行先表示類用セルを装着し終え富士川車輌工業製ステッカーを貼付した。


修正中の前面黒色部。

再び前照灯・行先表示類用セルを取り外し漏光軽減策を本施工した。
ステッカー断面の黒色化も漏れなく行っている。
なお3002-1は前面黒色部に塗装が行き渡っていない箇所があった。
引きでも点状に見える銀塗装は嫌でも目に入ってくる。
マッキーの極細字側を当て隠蔽に取り掛かった。
黒色印刷とマッキーのインクは質感が異なり仔細に見れば修正痕は隠せない。
ただ目立つ銀塗装よりはましだと思う。


車体に組み込んだプリズムケース。

側面窓セルが脱落した3002-8と異なり3002-1のプリズムケース取付は3026Fまでの方法に戻った。
側面窓セルと車体運転台側との空間にプリズムケースの凸部を落とし嵌合爪へ押し込む。
後はゴム系接着剤を塗布した前面窓セルを嵌め込み固着を待つ。
前面窓セルは嵌合爪を持たないためゴム系接着剤が支持を一手に引き受ける。
不意に手が触れないよう十分に注意を払った。


プラ板で蓋をしたスカートマウントの空間。

前面窓セル固着待ちの間に尾灯点灯時に生じる線路方向への漏光対策に着手した。
新3000形M2c車の大半は台枠整形とライト基板の位置都合で線路方向にも赤色の灯りが漏れやすい。
製品に貼付されたアルミテープでは十分な対策とは言えずM2c車の弱点だった。
これを簡便な方法で抑え込む。
漏光が激しく現れる箇所はスカート下部である。
空間の大きいスカートマウントが漏光を防げない原因だと考えた。
ここを現物合わせで切り出したt0.5mmのプラ板で塞いでいる。
側面から露出するか微妙な厚みであり底面と断面をマッキーで塗り潰し車体の陰に埋没させる策を採った。




前面黒色部の銀塗装が消え去った3002-1。

前面窓セルの固着後に車体を組み上げた。
修正した前面黒色部は銀塗装が見えなくなった代わりにRの乱れが生じている。
隠蔽は成功したが良い仕上がりとは言えない。
幸いマッキーを用いたため修正は容易である。
3002F出場までに見付を整えたい。


3002-1 点灯試験[B19 普通 津田沼]:前照灯。


3002-1 点灯試験[B19 普通 津田沼]:尾灯。


3002-8 点灯比較[B19 普通 津田沼]:前照灯。


3010-1 点灯比較[B09 普通 千葉中央]:前照灯(3010F-2)。


3026-1 点灯比較[A03 快速特急 上野]:尾灯(3026F)。

点灯試験は3002-8とほぼ同様の結果に落ち着いた。
3010-8現行仕様(3次車:3010F-2)は旧ライト基板装着車で行先表示器類周囲の漏光度合いは異なる。
プロトタイプの重なる3002Fと3010F-2はLOTの違いがまともに出た形となった。
スカート下部を塞いだ遮光対策は一定の効果を得られたと思う。
今後既存編成へ展開するかは3002Fの経過に懸かる。
3026Fで現れた尾灯点灯時に生じる通過標識灯への僅かな漏光は3002Fで修正されていた。
これでスカートの成形が従来通りであれば気になる箇所は全く無かっただけに惜しまれる。

3002-1は全工程を終了した。
当初の計画通り入場当日での竣工に至っている。
躓いた3002-8の第二次整備は多少なり3002-1の作業短縮化に繋がったと思われる。
3002Fは3002-7の動力ユニット整備が完了次第出場を迎える。
目前に迫った出場だが仕様変更の可能性が拭い去れないため油断せずに作業へ当たりたい。

京成新3000形3002-8[3002F] 1次車 現行仕様 運行番号,種別・行先表示貼付:富士川車輌工業製ステッカー

2018-01-01 22:56:29 | 京成線:新3000形
二度手間。

マイクロエース製京成新3000形3002-8現行仕様(1次車:3002F)の第二次整備を再開した。
前照灯・行先表示類用セルの着脱が必要な運行番号,行先表示ステッカー貼付も苦戦が予想された。
よって中1日を置き作業時間を確保している。


京成新3000形3002-8 1次車 現行仕様(3002F)。

運行番号,行先表示ステッカーの貼付後に前照灯・行先表示類用セルを撤去する方法もあった。
しかし表示類周囲の漏光を軽減させるマッキーの塗り潰しがある。
この時ステッカーにインクを付着させてしまう危険性が高かった。
3001F前期仕様(1次車:3001F)の入場時では[ 上野]にしてしまう失策をした。
これにより3001Fは[特急 上野]から[特急 西馬込]へ変更となった。
敢えて工程を分割し富士川車輌工業製ステッカーの印刷面保護を優先している。


中途半端な仕切り直しとなった3002-8の第二次整備。

前段階までで暫定的に前照灯・行先表示類用セルの表示器部周囲をマッキーで黒色化していた。
一度セルを車体に仮装着させ運行番号,行先表示ステッカーを仮合わせする。
前照灯・行先表示類用セルは取付にも時間を要した。
3026F現行仕様(3026F)から成形は変わらないように見える。
前面黒色部の塗装が厚くなったのかもしれない。
富士川車輌工業製ステッカー仮貼付後の前照灯・行先表示類用セル再撤去は慎重を期した。
印刷面を傷める訳には行かず運行番号,行先表示器部は安易に押し込めなくなる。
ステッカースライダーを活用し全箇所が均等に後退する様丁寧に作業を進めた。


ささやかな漏光対策を施した前照灯・行先表示類用セル。

再び取り外された前照灯・行先表示類用セルは本格的にマッキーで塗り潰しを行う。
ステッカー断面の黒色化と並行しセルが剥き出しとなる表示器部も漏光対策を進めた。
表示器部は凸形に成形されておりマッキーのペン先が当て難い。
全面黒色化が理想だったが限界があった。
その代わり表示器表面は満遍なくインクを載せた。
ステッカー断面はマッキーの細字側を用いた。
ペン先では弾みで表示まで塗り潰す恐れがあり主に腹の部分を使用している。
なお誤って前照灯内側まで黒色化してまった。
本来は塗り潰す必要の無い箇所である。
しかし修正は行わず尾灯点灯時の漏光軽減に期待した。


本設された前照灯・行先表示類用セル。

着脱を繰り返した前照灯・行先表示類用セルだが相変わらず車体への嵌合は難しいままだった。
精度が高くなった部品にマッキーのインクが加わり作業効率が極端に落ちている。
前照灯・行先表示類用セルは斜めになり易くなかなか車体に組み込めなかった。
行先表示器部裏側天面を爪楊枝で支えピンセットで徐々に押し込み嵌合に結びつけている。
結果的に3002-8では一番時間を割かれた作業となった。


ゴム系接着剤で固定した前面窓セルと山側運転台側側面窓セル。

前回作業で分割された山側側面窓セルが剥離してしまった。
これが逆に作用しプリズムケースを装着し難いものにしている。
先に側面窓セルを固定しプリズムケースを落とし込めば良かったかもしれない。
車体のプリズムケース押さえは嵌合を約束する構造ではない。
あくまで支点の1つであり鍵を握るのは前面窓セルである。
プリズムケースの嵌まり具合を確認し流し込み接着剤投入部へゴム系接着剤を塗布した。
同じく山側運転台側側面窓セルも流し込み接着剤投入痕を目安にゴム系接着剤で固定している。
前照灯・行先表示類用セルの着脱が厄介で今後3002Fは表示変更対象に加えたくないと思える。
その点では山側運転台側側面窓セルは流し込み接着剤で溶着しても構わなかったと言えよう。


断念したスカート交換 (モハN818用,3002-8用)。

パーティングラインが目障りなスカートは新京成N800形N818F京成千葉線直通色(N818F)との交換を考えた。
同一部品かと思えたスカートだったがマウントの嵩が異なり相互振替は実現していない。
モハN818用のスカートはマウントが3002-8用より高かった。
原形のまま3002-8へ装着すると車体裾とスカートの間隔が崩れる。
よってスカート交換は放棄され新3000形3000番台の外観統一は果たせないまま終わった。




富士川車輌工業製フルカラーLED表示ステッカーを採用した3002-8。


前照灯・行先表示類用セルを接着した3010-8(3010F-2)。

3002Fは3002-2へ架線検測装置が取り付けられた後がプロトタイプで表示器類はフルカラーLED式となる。
スカート交換こそ実らなかったものの3010F現行仕様(3010F-2),3026Fに近い仕上りになったと思う。
前照灯・行先表示類用セルは嵌合精度が高く別途接着を要した3010-8(3010F-2)より見附は良い。
装着に苦戦した部品ではあったが手を焼いただけの精度を誇っていると思う。


3002-8 点灯試験[B19 普通 津田沼]:前照灯(通過標識灯消灯)。


3002-8 点灯試験[B19 普通 津田沼]:尾灯。


3010-8 点灯比較[B09 普通 千葉中央]:3010F-2。

3002-8の通過標識灯をOFFに切り替え点灯試験を行った。
予想通り表示器類周囲からの漏光は完全に防げなかった。
尾灯点灯時の前照灯漏光も検品点灯と変わらず前照灯セル周囲の黒色化は全く効果を得られていない。
一方旧ライト基板を持つ3010-8(3010F-2)とは大きな差が生じた。
3010-8はアルミテープ式照度向上対策済だがやはり新ライト基板装着車には敵わない。
記録では漏光が大幅に目立って見える3002-8も実際にはもう少しましであり結果は納得している。

予想外な時間を要しながらも3002-8が竣工した。
3002-1も同じ様な経過を強いられると思う。
未入場の3002-2は動力ユニット整備が中心で設計変更が無ければ工程を組み立て易い。
よって次の入場車は3002-1とし3002-8での経過を基に第二次整備を進める。

京成新3000形3002-8[3002F] 1次車 現行仕様 ライトケース,前面窓セル,前照灯・行先表示類用セル撤去

2017-12-31 21:30:37 | 京成線:新3000形
折衷。

マイクロエース製京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)の第二次整備対象車は3両である。
作業時間が確保出来たためM2c車の3002-8を先発させた。
6編成目の新3000形投入で手順は掴めていると考えていた。


京成新3000形3002-8 1次車 現行仕様(3002F)。

第二次整備の主項目は行先表示器類へのステッカー貼付となる。
ステッカーはフルカラーLED表示器編成で共通化している富士川車輌工業製を全面的に採用する。
但し注意事項に記載されている通り特定メーカーの仕様に合わせたステッカーではない。
マイクロエース製新3000形には若干寸法が足りなくなる。
よって完全には防げないものの漏光対策を施す。
マッキーでの漏光対策には前照灯・行先表示類用セルの撤去を伴うため分解が必要になった。


入工中の3002-8。

足廻り関連は施工済のKATOカプラー化とダミーカプラー固定以外に手を出さず製品仕様に頼る。
従って工程は車体関連に限られた。
現在3026F現行仕様(8次車:3026F)を除く既存編成への前照灯と行先表示類の照度向上対策は中止されている。
前照灯及び行先表示類照度の向上策は単純にライトケース内へアルミテープを貼付し反射を高めるものだった。
しかし3026Fから採用されたLEDチップにカバーが巻かれた仕様には到底敵わない。
加えて手間の割に効果が低くLEDチップにカバーをどう巻くか検討するため見送りとなった。
当然ながら3002Fは現行LOTライト基板装着編成で特別な措置は不要である。


カバーが巻かれたLEDチップ。


同じ措置が施されているLEDチップ(3026-8用)。

3002-8は3026Fと同等品で点灯照度に不満は無い。
むしろ強力発光で表示器類周囲からの漏光が目立つ程である。
前照灯及び表示器類用セルは一体成形品で従来製品から変わっていなかった。
これまで前照灯・行先表示類用セルの撤去には側面窓セル撤去式と前面窓セル撤去式の2種類を採用した。
効率と過去の実績から前面窓セル撤去式が採用となった。
分解すると把手のようなものを有するライトケースが目に入った。
この形状のライトケースは3001F現行仕様(1次車→前期仕様:3001F)以来である。
把手のようなものは3051F現行仕様(7次車:3051F)まで存在していなかった。
突如3001Fで現れた形状だったが早くも3026Fで消滅していた。
3026Fのライトケースには明らかな切断痕が見られた。
余り必要性が無く感じられた箇所であり3002Fに3001F仕様が復活するとは予想外だった。
把手のようなものの復活はコストダウンの一環かもしれない。
ライトケースの撤去時に把手は撓んでしまうため作業用には向かずプラスチックドライバーを起用している。


分割された山側側面窓セルと復活したライトケースに存在する把手のようなもの。

同時に山側側面窓セルが運転台側側扉と側面窓の間で切断されている事に気付いた。
3600形で散見された側面窓セルの分割措置だったが新3000形系列では初の構造で面食らっている。
前面窓セルの固定方式は微量の流し込み接着剤によるもので既存編成と変わらなかった。
従来通りゆっくりと前面上部から押し込み撤去した。
この時に分割固定されていたはずの山側側面窓セルの運転台側が脱落し焦った。
側面窓セルには流し込み接着剤の投入痕が見えたものの余り効力を発揮出来なかったと思われる。
これが接着剤投入量抑制の結果なら喜ばしかった。
しかし投入痕の面積は比較的大きく脱落は単に個体差の可能性が高いと思われる。
プリズムケースは後部の嵌合爪を外し車体を真下に向ければ勝手に脱落してくれる。
新3000形1stLOT製品の3010F前期仕様(3次車:3010F-1,3010F-2←現行仕様)から特に変更された様子は伺えなかった。
殊更山側側面窓セルの分割処理は今一つ理解できない。


前面窓セルを撤去し取り出したプリズムケースと前照灯・表示器類用セル。

一方前照灯・行先表示類用セルの嵌合精度は格段に高まっていた。
3026Fまではプリズムケースの脱落と同期するよう撤去出来た。
ところが3002-8の前照灯・行先表示類用セルは脱落するどころか取り外しに苦戦させられている。
折損させると取り返しが付かない。
前面から両側の前照灯部と行先表示器部を少しずつ押し込んでもなかなか後退しなかった。
力加減が難しく時間だけが過ぎていく。
前照灯・行先表示類用セルは運行番号表示器部も含めて均等に押し込まなければならなかった。
更にセル全体も天地左右を保持する必要がある。
接着剤が未投入の部品ながら撤去を迎えた頃には大幅に日付を廻っていた。

新3000形M2c車の入場は都合11両目で作業進行には不都合無いと考えていた。
しかし3002-8ではまさかの足止めを喰らっている。
確保したはずの時間はあっと言う間に無くなってしまった。
運行番号,行先表示ステッカー貼付には前照灯・行先表示類用セルの着脱を要する。
ひとまず出来る範囲で減光措置を施しこの日の作業を打ち切った。
現状を考えるとステッカー貼付後の前照灯・行先表示類用セル装着まで難航するだろう。
3002Fは従来製品と別物と考え作業を進める。

京成新3000形3002F 1次車 現行仕様 架線検測装置搭載編成 回着 (KATOカプラー化,ダミーカプラー固定施工)

2017-12-30 21:12:21 | 京成線:新3000形
第六陣。

マイクロエース製京成新3000形3002F現行仕様架線検測装置搭載編成(1次車:3002F)が回着した。
新3000形では都合6編成目の投入となる。
3001F現行仕様(→前期仕様:3001F)に続く1次車の増備であるが3002Fは6両編成で各々独自性を持っている。


京成新3000形3002F 1次車 現行仕様。
3002F:3002_8-3002_7-3002_6-3002_3-3002_2-3002_1
※架線検測装置搭載編成。

製品は3002Fリリースまで最新LOTだった3026F現行仕様(8次車3026F)の基本仕様が踏襲された。
但し3002-8,3002-1は空間波無線アンテナ台座が無く床下機器配置も異なっている。
3010F前期仕様(3次車:3001F-1,3010F-2←現行仕様)がリリース済で3次車と8次車を足して2で割ったイメージに近い。
当然波打車輪部品は未装着で3000番台の足並みは揃えられた。
※3001F:波打車輪廃止済。


架線検測装置を搭載する3002-2。

3002F最大の特徴は3002-2の成田寄屋根上に搭載された架線検測装置である。
追設された架線検測装置が製品化に直結したと言えよう。
別編成に搭載改造が施されていれば3002Fのリリースは叶わなかったと思う。
架線検測装置は成田寄PT-71系パンタグラフ直近に設けられており存在感を放つ。


追設された架線検測装置と折り畳める様に戻ったPT-71系パンタグラフ(3002-2)。

3026FはPT-71系パンタグラフが折り畳み姿勢を保てない大きな弱点があった。
ここは改善された箇所で3001F以前の仕様に戻っている。
3002-2の架線検測装置を撤去すれば3002F前期仕様を仕立てられると考えた。
しかし屋根板には新たな取付孔があり軽加工の範囲を越えると判明している。


新設された架線検測装置用取付孔。

車体は新3000形M1車に別途手を加えたものらしい。
従来から存在するパンタグラフ取付孔とは明らかに異なる形状がそれを表していると思う。
しかも固定は焼き潰し式で半永久固定化されていた。
乱れた取付痕は従来品をバリエーション展開させたマイクロエース製品らしい点だと思える。


前面からでは判り難いスカートのパーティングライン(3002-8)。

3026Fから退化したのはスカートの成形だった。
斜め前方からのパーティングラインが目立ち光源角度によってはやたらと目立つ。
形状が裾絞りで余計に見栄えを悪くさせており残念に思えた。
修正には再塗装が必要で諦めるしかない。


3002-8 点灯試験[□ □ □]:前照灯(通過標識灯点灯)。


3002-8 点灯試験[□ □ □]:尾灯。


3002-1 点灯試験[□ □ □]:前照灯(通過標識灯消灯)。


3026-1 点灯比較[□ □ □]:前照灯(3026F)。

前尾灯,通過標識灯,表示器類は明るく点灯する。
新3000形初期LOTの3010F-1,3010F-2,3051F(7次車:3051F)から格段に進歩した。
強力発光に変わったのは3026Fからで3002Fにも引き継がれている。
その代わり尾灯点灯時に於ける前照灯への漏光は防げない。
3002Fは千葉線系統への充当が確定しており通過標識灯は最初で最後の点灯となった。
なお通過標識灯周りの黒色塗装は艶のあるものに変更されている。


建て付けが悪かったダミーカプラー(3002-8)。

第一次整備は全車KATOカプラー化のみで留める予定だった。
しかし3002-8,3002-1の下垂するダミーカプラーが気になって仕方がなく改善に着手した。
新3000形のダミーカプラーはLOTが進むに連れ建て付けが悪くなっている気がする。
3002Fでは3026Fより更に症状が悪化していた。


ダミーカプラーを固定した3002-8 (3002-1,3002-8)。

3026-8,3026-1(3026F)は連結器部品をゴム系接着剤で固定し下垂防止策とした。
ところがこの方式を採用しても3002-8,3002-1のダミーカプラーは下垂してしまう。
胴受部品のスナップが甘くダミーカプラー全体が台枠から離れてしまうのが原因だった。
そこで台枠と連結器部品の間に流し込み接着剤を投入し完全固定させている。


入工中の3002-4。

マイクロエース製品には一部編成を除きKATOカプラーを標準採用している。
3002Fにはグリーンマックス製品のTNカプラーSP化で余剰となった灰色成形のKATOカプラーを転用した。
6両を賄うには充分で今回も予備品には手を着けていない。
入場順が前後していれば大量の保管品が生じていただろう。


KATOカプラーへ交換されたFS-064非動力台車(3002-4)。

KATOカプラーへの交換は久し振りとなった。
伝統的にカプラースプリングを存置しており多少は手こずると考えていた。
ところが作業勘は鈍っておらず精密マイナスドライバー1本でKATOカプラー化を終えている。
動力ユニット整備時にカプラー交換を行う3002-7(動力車)は交換対象車から除外された。




3002-2+3002-1 (KATOカプラー化)。

近年のマイクロエース製品はアーノルトカプラーままでも連結面間隔が狭くなっている。
よってKATOカプラーへの交換後も見附をすっきりさせる以外の効果は少ない。
しかし巨大なアーノルトカプラーへの違和感は拭えない領域に入っている。
ジャンパホースが再現されるKATOカプラー化は今後も継続する。




3002F (第一次整備完了)。

3002-8,3002-1のダミーカプラー固定は想定外作業だった。
然程時間を割かれる工程ではなく遅延は最小限に留められている。
第二次整備対象車は3002-8,3002-7,3002-1の3両である。
動力ユニット整備入場の延長線上にある3002-7を先行させるかM2c車とするかで迷う。
作業時間の確保状況で入場順を決定する方向である。

京成新3000形3051-5[3051F] 7次車 動力ユニット再整備(加速度改善:摺動抵抗低減) ※後期整備施工車

2017-12-18 22:05:37 | 京成線:新3000形
先入観。

マイクロエース製京成新3000形3051F(7次車:3051F)を入場させた。
在籍する新3000形では動力ユニット整備の最終編成となる。
リリースの迫る新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)の回着前に一区切りを迎えられている。


京成新3000形3051F 7次車。
3051F:3051_8-3051_7-3051_6-3051_5-3051_4-3051_3-3051_2-3051_1。

3051Fはマイクロエース製新3000形でも初期にリリースされた。
8両編成では3000番台を差し置いての登場だった。
回着後の加工は多岐に渡る。
大半は3050番台独自の配色を上手く利用したつもりである。
3026F(8次車:3026F)のPT-71系パンタグラフが折り畳めず取扱いに苦慮していた。
既に3001F前期仕様(1次車:3001F),3010F前期仕様(3次車:3010F-1)が在籍しており3000番台のパンタグラフを統一したかった。
窮余の策で3051FをTOMIX製PT-7113-D形パンタグラフへ換装し捻出品を3026Fへ移設している。
その後京成形式には似付かわしくない巨大な避雷器を3500形3520F現行仕様(3520F-3)発生品へ交換した。


3051-5 7次車(3051F:動力車)。

目立ち難い箇所ながら全車波打車輪化も行っている。
3051Fの次に回着した3001F前期仕様(1次車:3001F)はディテールインフレが進んだ時期にリリースされた。
一時期マイクロエース製品で標準採用されていた波打車輪部品装着が目新しかった。
しかし新3000形への波打車輪部品装着は3001Fだけに留まってしまい早くも3026Fでは廃止となった。
3000番台で異端編成に陥った3001Fは3051Fと車輪交換を行い非波打車輪化し3001F,3010F-1との外観統一を図った。
動力車の3001-5だけは車輪交換ではなく動力ユニット交換にて対応している。


入工中の3051-5。

その結果3051-5は3051F仕様のユニットカバーを装着した3001F仕様の動力ユニットを持つ。
入場時には当時に於ける動力ユニット整備を並行した。
現在の整備内容とは異なり清掃に近いものだった。
既に整備竣工した3001-5ではこの清掃が裏目に出てしまった。
3051-5も同じ経過を辿ると考え作業を開始した。
ところが導電板は3001-5の状態を上回っていた。
恐らくクリーナーの拭き上げ方が違ったのだろう。
加速度が下がった原因は導電板かと思っていたが外れている。


研磨を終えた導電板。

新3000形3000番台のユニットカバーは裏面に凹凸がありラプロス#2400での研磨が行い難かった。
3051-5では一転して平滑化されており作業は行い易かった。
LOTが進むに連れ雑になる成形処理は改善を望みたい。
当時の動力ユニット整備では動力台車集電板と接する導電板に角度を設け集電効率向上対策を施していた。
後に全く効果が無いと判明し現在は廃止している。
今入場で3051-5も原形に戻し珍妙な施工は姿を消した。


油脂付着が目立ったモーター軸。

モーター周りで目に付いたのはモーター軸への油脂付着である。
従来は黄金色に変色する個体が殆どを占めていたが3051-5は白濁が激しかった。
純正グリスと同じく変更されたのかもしれない。
油脂除去は従来と変わらず綿棒で行えている。
モーター単独駆動試験では低速トルクが弱く感じられた。
よってモーター軸受部には注油を施した。


純正グリスが残るFS-564動力台車(成田寄)。

モーターのトルクは極端に劣っていたわけではない。
加速度低下はFS-564動力台車の純正グリスだと思われた。
前回の整備では過剰投与分の除去しか行わなかった。
劣化した純正グリスにより摺動抵抗が高くなったと考え重点的に整備を行っている。


クリーナー清掃を終えたギアボックス一式(上野寄)。

FS-564動力台車は純正グリスの除去が甘く各所に変色した塊が残っていた。
ギア類は全谷に純正グリスが付着していた。
クリーナープールに浸け溶解を待ったが一部には残滓がある。
歯ブラシを持ち出し全ての純正グリスを除去した。


手作業で純正グリスを除去した動軸ギア(成田寄)。

小ギア類のクリーナー清掃結果を受け動軸ギアは手作業での清掃に切り替えている。
クリーナーを浸した綿棒と歯ブラシを持ち替えながら純正グリスを除去するかつての方式となった。
動軸ギア用クリーナープールを用いなかったため都合4軸のギア清掃には時間を要した。
少しでも溶解させた方が良かったかもしれない。


組立後に再清掃を行った各ギア(上野寄)。

動軸ギアの清掃具合に不安を抱いた。
FS-564動力台車を組立てロアフレームのスリットから歯ブラシを当て再度清掃を施している。
この時点で車輪回転は大幅に向上しており明らかな摺動抵抗低減を感じ取れた。
なおロアフレームへの純正グリス進出は殆ど見られなかった。
多少なり前回整備の効果があったと思いたい。


磨き出しに時間を要したスパイラルギア(成田寄)。

スパイラルギアも谷が純正グリスで埋まっていた。
再びクリーナープールを持ち出し投入した。
当初は動軸ギア用クリーナープールを使用する予定でまだクリーナーが残っていた。
スパイラルギアは金属製で多少の汚れは影響しないと考えた。
しかし純正グリスは殆ど溶解せずクリーナープールから引き上げても殆ど状態は変わっていない。
結局歯ブラシでの研磨に変更する羽目になっている。
普段は直ぐに真鍮色へ戻るスパイラルギアだったが3051-5に限っては甘かった。
なかなか曇りが取れず今までになく苦戦を強いられた。


各部の清掃を終えた動力ユニット。

3051-5のユニットカバーは前回整備で一部の嵌合爪受を破損させてしまった。
そのため嵌合順に気を配る必要がある。
破損部は全て山側である。
撤去時は海側から,装着時は山側から行わなければならず組立にも難儀している。
津川洋行製ホイールクリーナーで踏面清掃とタミヤ製グリスを馴染ませ全工程を終えた。

試験走行では加速がスムーズになり症状改善を確認できた。
性能向上を果たし3051Fが再出場した。
3051-5の加速度低下はFS-564動力台車の純正グリスに拠るものと推測している。
トルクが弱く感じたモーターも多少影響したと思う。
しかし試験走行結果を見るとFS-564動力台車が主因と考えて間違いないだろう。
これまでの動力ユニット整備で加減速不調の原因一番手は導電板かと思っていたが決め付けは良くない。
未入場の1000形,3600形では個別に対策を考えたい。

京成新3000形3026-5[3026F] 8次車 動力ユニット整備(加減速度改善:モーター軸受部注油施工)

2017-11-29 21:27:59 | 京成線:新3000形
試金石。

マイクロエース製京成新3000形3026F(8次車:3026F)が動力ユニット整備のため入場した。
新3000形も整備入場が進み3026Fが再出場すれば3051F(7次車:3051F)を残すのみとなる。
経年の高い3051Fを優先する考えもあったが結局編成管理番号順での施工を選択した。


京成新3000形3026F 8次車。
3026F:3026_8-3026_7-3026_6-3026_5-3026_4-3026_3-3026_2-3026_1。

3026Fは製造後の変化が殆ど無く入場は久し振りとなった。
製品は3051Fより後発ながら何故か折り畳み姿勢の悪いPT-71系パンタグラフが弱点だった。
症状解消に先立ち3051FをTOMIX製PT-7113-D形パンタグラフに換装し純正PT-71系パンタグラフを捻出した。
3051Fからの発生品を3026Fへ移設し標準搭載されていたPT-71系パンタグラフを駆逐している。
マイクロエース製PT-71系パンタグラフによる玉突きであり外観は製品と何ら変わりない。
これ以降入場機会は無く現在に至る。


3026-5 8次車(3026F)。

動力車は3026-5が指定されている。
3026Fは回着時期が悪く動力ユニットはFS-564動力台車の過剰な純正グリス除去のみに留められていた。
出場の重なった京成3600形系列も同様の回着整備とした。
マイクロエース製動力ユニット整備を締めくくる3600形の入場にはちょうど良い事例になると思われる。


入工中の3026-5。

3026-5は当初から加減速性能が悪かった。
日によっては不動に陥る場合もありその都度新3000形内で動力ユニットを遣り繰りしていた。
5編成が在籍する新3000形は3色LED表示器グループとフルカラーLED表示器グループに大別される。
3001F前期仕様(3001F)と3010F前期仕様(3010F-1)は前者に該当し3026Fとはプロトタイプが被らない。
各々動力ユニットは整備済で3001-5(3001F)や3010-2(3010F-1)を振替対象車にしていた。
緊急整備に着手しなかったのは3026Fの入場が近かったためである。
今入場で症状の解消と動力ユニット転回の廃止を目指す。


経年相当の酸化具合だった導電板。

これまでの動力ユニット整備で加減速度改善には導電板研磨が有効だと思っていた。
ところが3026-5の導電板は想定より状態が良かった。
この酸化具合で加減速度に影響を及ぼすとは考え難い。
モーター周りとFS-564動力台車が疑わしく思える。
導電板は新3000形から試用しているラプロス#2400で研磨した。
負荷は大きいものの#4000より効率良く磨ける。
回着整備を含め導電板の研磨にはラプロス#2400を正式採用する。


浮き上がる海側導電板と接着固定した山側導電板。

ユニットカバーの焼き潰しによる導電板固定はプラスチック溶解部が捲れかかっていた。
案の定研磨中に山側の1箇所を失っている。
止むを得ず導電板はゴム系接着剤で直接固定とした。
海側導電板は3010-7現行仕様(3010F-2)と同じくユニットカバー成形により大きく波を打っている。
どうにか焼き潰し固定部を存置出来たためユニットカバー裏面の平滑化は見送られた。


台枠周辺に散らばるプラスチック片(上野寄)。

導電板研磨を終えモーター周りの整備に移ろうとした。
ここで上野寄台枠に異物を発見した。
ラベンダー色のプラスチック片でユニットカバーの溶解部分が飛散したらしい。
これは入場前から生じていた可能性が高い。
但し異音発生には繋がっておらずFS-564動力台車内への侵入は無いと考えた。
通常整備では予め動力台車を撤去している。
低加減速度化の要因を探るためFS-564動力台車を装着したままモーター端子に電流を流した。
するとモーター回転の伸びが極端に悪い。
やはり3026-5に限り導電板の状態は無関係だった。
今度はFS-564動力台車を取り外しモーター単独で駆動させた。


赤色コイルが印象的なモーター。

単独駆動試験でも全く症状は改善されなかった。
プラスチック片飛散の影響も無い。
加減速度の悪さはモーターが直接の要因だと判明している。
モーター軸は綺麗ながら手動で回転させても手応えが鈍い。
3026-5は低経年車に相当するものの例外としてモーター軸受へ注油を行った。
油を馴染ませた後の単独駆動試験では大幅な改善が見られた。
後はFS-564動力台車に残る純正グリスを完全に除去し摺動抵抗の低減を図る。


過剰投与分だけ純正グリスを除去していたFS-564動力台車(上野寄)。

最新LOTのFS-564動力台車は黒色整形ギアボックスに変わり純正グリスの付着量が分かりやすい。
回着整備は分解を伴わない純正グリス除去を行った。
一見では適正量に見える。
しかしタミヤ製グリスの添加を標準化しており固着し易い純正グリスは除去する。


小ギア軸を包む純正グリス(成田寄)。

FS-564動力台車を分解するとギア類とギアボックス内部には純正グリスの白塊が残っていた。
裏側には全く手を着けておらず回着当時の純正グリス量が伺える。
小ギアを撤去した後に現れたギアボックス内壁の純正グリスには辟易する程だった。
なおギア類はスパイラルギアとその関連部品も含めクリーナープールに投入している。


白塊が残るロアフレーム(成田寄)。

簡易な清掃で済まされていた関係でロアフレームにも純正グリスが付着していた。
動軸ギアも油脂で煌めいており大幅な走行抵抗になっていたと思う。
この状況を見て動軸ギアは手作業での清掃を諦めた。
動軸ギア用クリーナープールを持ち出したが純正グリスの溶解には時間を要している。


脱脂を終えた動軸ギア(上野寄)。

クリーナープールからの引き上げ後も油脂の煌めきは完全に落とし切れていなかった。
先に投入したギア類も同様である。
これは白色に変わった純正グリスの特性かもしれない。
幸いクロスと歯ブラシで脱脂に至り爪楊枝は不要だった。
なおギアボックスとロアフレームはクリーナーを浸した綿棒と歯ブラシで仕上げている。


整備を終えたFS-564動力台車(上野寄)。

金属製のスパイラルギアも溝に残る純正グリスが溶けなかった。
歯ブラシで丁寧に磨いたが清掃前の状態と殆ど変わっていない。
恐らく全体が純正グリスで包まれていた事により酸化しなかったと思われる。
上野寄,成田寄のFS-564動力台車清掃に約60分を割いた。
3600形の動力ユニット整備は時間に余裕を持って取り掛かった方が無難だろう。


全工程を終えた動力ユニット。

最後にタミヤ製グリスを添加し全工程が終了した。
思わぬ長丁場の動力ユニット整備だった。
しかし今入場は加減速度改善が着地点である。
動力ユニット転回策により走行距離が抑えられていたため車輪踏面状況は良かった。
ただグリスの馴染みを促進する名目で津川洋行製ホイールクリーナーを起用している。
駆動試験では低加減速が改善され動力ユニット整備施工車と同様の稼働状態に変わっていた。
原因はまさかのモーターだったが当初の目的は果たせている。

3026-5の動力ユニット整備終了と同時に3026Fは再出場となった。
性能回復により動力ユニット転回の必要性は廃された。
所有編成では少数派の現行仕様かつ[快速特急]でもある。
自由度の向上で幅広い活躍が期待出来るだろう。