試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-790[ラシ320F] 車体更新 (側扉窓金属押え面支持化,TR62非動力台車集電方式変更施工) ※TOMIX製旧製品

2019-03-12 21:41:26 | 国鉄/JR103系
復活。

TOMIX製JR103系旧製品クハ103-231(中古製品)はクハ103-790(ラシ320F:Tc779)の更新を前提に投入した。
第一次整備では車両番号標記インレタ転写まで進めクハ103-790(ラシ320F)に改番済だった。
ただ前面幕板へ屋根板の濃灰色が回り込んでおりこのまま車体更新に踏み切って良いものか悩んでいる。


JR103系クハ103-790(ラシ320F:塗装変更車)。

TOMIX製旧製品クハ103形最終LOT品には同様の回り込みを有する個体が存在する。
所有車両ではクハ103-741(ラシ331F-1:MM'7)の1両だけが類似の形態を持っていた。
幕板への屋根上塗料回り込みは車両更新工事施工車で多く見られた仕様である。
現在車両更新工事施工車仕様のクハ103-379,クハ103-380(ラシ323F-2:Tc379)が廃車予定になっている。
ラシ323F-2が廃止されるとTOMIX製旧製品クハ103形から車両更新工事施工車仕様が消滅してしまう。
再登場には塗料回り込みがある個体がクハ103形車両更新工事施工車仕様に相応しいと考えた。
そこでクハ103-790(ラシ320F)の更新種車をクハ103-754(ラシ331F-1)へ差し替える計画が浮上する。


入工中の元クハ103-474,クハ103-790,クハ103-790 (廃車,ラシ320F,ラシ320F)。

クハ103-754(ラシ331F-1)の懸念材料はKATO製モハ103-673以下8両に合わせた側扉窓灰Hゴム支持化施工であった。
KATO製一般形モハ103-7(旧ラシ331F)の故障に伴う組成変更でクハ103-278(旧ラシ336F:Tc277)はクハ103-754へ改番移動となった。
黄色5号の側扉窓Hゴムモールドで残されていたクハ103-278(→クハ103-754)は油性ペイントマーカーで灰Hゴム支持化が行われる。
油性ペイントマーカーの上塗りは斑を生じさせ易く余り仕様変更に向いていない。
Hゴムモールド表面のインクは消しゴムで除去を行えるが車体断面は原形復旧が困難である。
またラシ320Fはサハ103-331以外纏まった側扉窓周りに仕上げられてきたと思える。
TOMIX製旧製品クハ103形車両更新工事施工車仕様差替えは当分先の計画でもありクハ103-754(ラシ331F-1)の存置が決定した。


転用品で固められたクハ103-790用部品。

クハ103-790(ラシ320F)はクハ103-396(青緑1号)を種車に竣工した塗装変更車である。
車体更新施工でメーカー塗装車体へ改められるがライト基板は初期LOT品であり現状のままでは床板流用に向かない。
一方最終LOT品に該当するクハ103-790は簡略化されたダミーカプラーが物足りなく映った。
加えて1エンド側TR62非動力台車のKATOカプラー連結器突き出し長もモハ103-579以下8両との均等化を図りたい。
尚且つTR62非動力台車にはT式走行抵抗軽減策を採り入れる方向で床板関連工程は山積みとなる。
やはりクハ103-790用床板の単独細工も非効率性が高まるだけに思えた。
そこで目を付けたのが廃車された元クハ103-474(元ラシ327F:Tc473)の装着品であった。


集電方式を変更したTR62非動力台車 (前クハ103-790用,クハ103-790用)。

クハ103-474もクハ103-790(ラシ320F)と同じくクハ103-396(青緑1号)が種車の初期LOT製品を出自とする。
旧LOT品ながら2エンド側TR62非動力台車にはキハ58系用排障器(PZ-900)が追設されている。
更に再用床板を用いた関係でKATO製クハ103形量産冷房車用ダミーカプラーも装備していた。
何れも他車両への転用を考えていたがTOMIX製旧製品クハ103形は塗装変更車が多くその機会を逃し続けてきた。
クハ103-790用床板での細工課題は元クハ103-474からの部品移設で解消が図れると思われた。
初めに元クハ103-474を分解し両TR62非動力台車へT式走行抵抗軽減対策を施す。
最終LOT品のTR62非動力台車では加工を要する台車集電板の反転取付は初期LOT品への交換で不要となった。
反転取付される台車集電板は台車枠から真鍮色の露出が隠せず部分的にマッキーで黒色化している。


KATO製クハ103形用ダミーカプラーを取り付けたクハ103-790用台枠。

車輪はKATO製101系元サハ101-247(廃車)に廻されていたKATO製集電対応中空軸銀色車輪を充当した。
これらの施工よりクハ103-790は自動的に排障器付となり連結面間隔の均等化も図れた。
蛇足ながら元サハ101-247はモハ103-555(ラシ320F)から捻出されたDT33非動力台車にて黒染車輪へ復している。
KATO製クハ103形用ダミーカプラー取付はクハ103-790が分解済であり元クハ103-474の廃車体を利用した。
元クハ103-474の台枠はプラ板で全長を補った再生品で設置に当たり支障したと思われるダミーカプラー台座が切除されていた。
クハ103-790用台枠との接地面積は極僅かしかなくゴム系接着剤の塗布量を多目に取り補う。


元クハ103-474から移設されたKATO製A形防護無線アンテナ (クハ103-790,元クハ103-474)。

在籍中のクハ103形A形防護無線アンテナ搭載車はメーカーに関わらずKATO製で統一している。
形状が芳しくないTOMIX製旧製品(中期LOT品以降)のA形防護無線アンテナは当初から交換予定だった。
予備品は十分確保されていたが元クハ103-474搭載品に瑕疵が見られず転用となる。
クハ103-790にモールドされたA形防護無線アンテナを根元から切除しΦ0.8mmのドリルで取付孔を設ける。
モールド切除跡はKATO製A形防護無線アンテナの台座で覆われるため成形色露出には至らない。
元クハ103-474の竣工当時はゴム系接着剤固定が主流だったが後年のアンテナ傾斜発症に悩まされた。
そのためクハ103-790ではTOMIX製High-Grade製品と同様の流し込み接着剤固定に変更した。


金属押え面支持が特徴の側扉窓。

クハ103-790は車両更新工事未施工車ながら側扉窓が金属押え面支持化された独自の外観を持っていた。
よって車体の改装は車両更新工事施工車仕様化と同一工程となりマッキー,油性ペイントマーカーを用意した。
側扉窓金属押え面支持化を油性メタリックマーカー再現とする方法も採れた。
しかしラシ320Fではモハ103-344+モハ102-500,サハ103-330が油性ペイントマーカー再現車のためこれに揃えている。
繊細な黄色5号Hゴムモールドへの直接塗布でありある程度の踏み外しは避けられない。
大幅に乱れた箇所は消しゴムで油性ペイントマーカーのインクを除去し再施工を施した。
戸袋窓黒Hゴム支持化はマッキーでの塗り潰しとし従来方式を踏襲している。




クハ103-790 [43C 御茶ノ水]:JRマーク転写,表示器用プリズム・TR62非動力台車交換,KATO製A形防護無線アンテナ・KATO製クハ103形用ダミーカプラー取付施工。

側面窓セル窓サッシ印刷の状態は良好そのもので拭き上げを行うのみに留められた。
表示器用プリズムはクハ103-790(ラシ320F)用,元クハ103-474用双方とも行先表示類が整備済だった。
在籍するJR103系習志野区仕様の東行設定は[千葉]幕表示編成が大多数を占めている。
西行設定及び少数派行先表示編成の増強を狙い元クハ103-474用プリズムが復活へと進む。
元クハ103-474用プリズムは前照灯用プリズムが一体化されており同時交換となった。
ダイキャスト製遮光ケースは経年に勝るクハ103-790用を流用している。
ちなみにTOMIX製旧製品クハ103形は最終LOT品までビス嵌合式床板が採用され続けた。
TR62非動力台車の初期LOT品履き替えの影響は見られず最終LOT品と変わらない締結具合だった。


クハ103-790 点灯試験[43C 御茶ノ水]:前照灯(車輪交換,台車集電板反転取付施工)。


クハ103-790 点灯試験[43C 御茶ノ水]:尾灯(車輪交換,台車集電板反転取付施工)。

前面見附はKATO製A形防護無線アンテナ,クハ103形用ダミーカプラー,排障器取付により大きく印象が変化した。
特にダミーカプラーと排障器が下廻りを引き締め最終LOT品特有の弱点が解消されたように見える。
ジャンパ栓連結器までモールドされた初期LOT台枠も魅力的だが立体感はKATO製ダミーカプラーが勝ると思う。
点灯試験で不安視されたのは表示器用プリズムに施されたステッカー切り出し失敗対策であった。
元クハ103-474が竣工した当時からステッカーの切り出しが安定せず両表示器へ白色ガンダムマーカーを塗布した。
照度低下を招きかねない要素と言えたが光量が増大した最終LOTライト基板に救われている。
台車集電板反転取付は既にクハ103-741,クハ103-754(ラシ331F-1)での実績があり通電性能には全く影響しない。




クハ103-790(戸袋窓黒Hゴム支持・側扉窓金属押え面支持化,TR62非動力台車交換,集電方式変更施工)。
※車体更新。

集電方式変更は他TOMIX製旧製品のオーナーさんからご教示頂いたものでT式走行抵抗軽減対策と名付けた。
TR62非動力台車(PT-101)の走行抵抗に耐えかねクハ103-485,クハ103-486(ツヌ329F)を新集電式TR62N非動力台車(0051)へ交換した。
結果は非常に良好だったがTR62N非動力台車(0051)の他に新集電式対応銀色車輪化が加わりコスト面で不利になっている。
この際台車集電板反転取付によりTR62非動力台車(PT-101)でも走行抵抗軽減が可能と教えて頂いた。
TOMIX製旧製品クハ103形(黄色5号)の増備,更新がままならず中断されていた加工はクハ103-790にて再開を果たす。
ラシ320Fの改修は車両更新,車体更新によるメーカー塗装車増強に走行性能も向上が見込める工程となった。


モハ102-500+クハ103-790 (ラシ320F:側扉窓金属押え面支持車+側扉窓金属押え面支持車)。

クハ103-790(ラシ320F)は部品供出の大半を元クハ103-474に頼り竣工した。
唯一遮光ケース押え立ち上がり部を黒色化した座席部品だけが旧クハ103-790からの流用品に留まる。
座席部品当該部の黒色化は原則的に動態保存編成のラシ308F(Tc807),ラシ326F(Tc291)以外へ施した。
灰色成形の座席部品は外観からその存在が判ってしまいマッキーで塗り潰し埋没させた。
但し元クハ103-473,元クハ103-474(元ラシ327F)だけは側扉窓黒Hゴム支持車だったため施工対象から外されている。
そのため僅かに旧クハ103-790の系譜が受け継がれ車両更新と同等の工程ながら車体更新扱いとした。
なお旧クハ103-790は一旦休車に指定しクハ103-779(ラシ320F)への部品供出予備車とする。

車体更新工事施工車並の側面見附を持つクハ103-790はモハ102-500に続く。
一見サハ103-331から車両更新工事施工車が4両連なるように見える編成見附はラシ320Fの特徴と言える。
ただ側面行先表示器窓は実車の推移が掴めず暫定的に灰Hゴム支持再現としており曖昧な箇所が残ってしまった。
黒Hゴム支持化はマッキーで何時でも対処可能でありクハ103-779も同一仕様としお茶を濁す。
この記事についてブログを書く
« モハ102-735[ラシ320F] 車両... | TOP | クハ103-779[ラシ320F] 車体... »