試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-188[ラシ321F] 車体改修 (側面窓セル交換施工:元クハ103-819[元ラシ314F] 廃車発生品転用)

2017-09-02 21:17:35 | 国鉄/JR103系
愚作。

KATO製クハ103形高運転台車の廃車発生品転用第二弾は元クハ103-819(元ラシ314F:Tc819)の部品を使用する。
部品交換車はクハ103-188でクハ103-278に続きラシ321Fからの入場となった。
強引な手法で竣工させたクハ103-188は側面窓セルのサッシ印刷劣化が進んでいた。


JR103系クハ103-188(ラシ321F)。

クハ103-188はクハ103-214(ツヌ315F:Tc213)を加工し竣工させた。
AU75冷房機搭載の製品屋根板流用は行わずKATO製103系一般形用を転用している。
AU712冷房改造車化には非冷房車の一般形用屋根板を用いた方が加工し易い。
接着剤に頼る固定方式になったがそれ以前の加工が拙く側面窓セルへの細工が必要になった。


窓サッシ印刷が劣化したクハ103-188。

103系一般形用屋根板の転用は裏面のリブを切除する方式とした。
この際車体嵌合の目安となる箇所だけ残している。
これが無加工での側面窓セル取付を妨害する結果になった。
側面窓セルは存置したリブと支障する箇所の掻き取りを行っている。
まだ仮装着だった屋根板を再加工すれば回避できた工程だったが全く思い付かなかったらしい。
しかもこの時の細工方法が拙速で竣工時には既に窓サッシ印刷が乱れ始めていた。
TROM製ランボード敷設時にクハ103-188の屋根板取付方法を改める機会があったものの見事に逃している。


入工中の元クハ103-819,クハ103-188 (元ラシ314F,ラシ321F)。

廃車された元クハ103-819は高運転台非ATC車で乗務員室扉直後に戸袋窓を有する。
クハ103-188の側面窓セル交換は戸袋窓付が必要条件だった。
そのため側面窓セルの捻出は元クハ103-819に限られた。
側面窓セルの状態は良くクハ103-188の劣化した窓サッシ印刷を廃せる見通しが立った。
そこで元クハ103-819,クハ103-188を同時入場させ側面窓セルを相互に交換する。
窓サッシ印刷が劣化した側面窓セルは元クハ103-819へ装着するため車体組立が可能になった。
よって元クハ103-819も今回の解体を免れている。


側面窓セル装着を阻害する屋根板リブ。

元クハ103-819から撤去した側面窓セルも未加工ではクハ103-188に取り付けられない。
現状は屋根板交換が困難で従来と同様に屋根板リブと競合する箇所の切除を施す。
競合箇所は片側2箇所で都合4箇所への細工が必要になった。
戸袋窓付側面窓セルは1両分しかなく失敗は許されない。
尚且つ窓サッシ印刷の保全が必要で作業には細心の注意を払った。


細工を施した側面窓セル (加工品,原形)。

クハ103形用側面窓セルには元々屋根板嵌合爪を避ける成形が成されている。
しかしこの幅を更に拡幅しないとクハ103-188には装着出来ない。
製作時は側面窓セル表面をカッティングマットに向け切除を行った。
これが窓サッシ印刷劣化の引き金になったと思われる。
今回は裏面を下にし表面側から加工を施した。
中央部には張り出しがあり表面からの作業では上段サッシと重なるように見える。
先にニッパーで突起を切断し凹部を拡幅している。


側面窓セルを交換したクハ103-188 (元クハ103-819,クハ103-188)。

入場前は独自の屋根板取付により車体と側面窓セルの嵌合が甘くなる傾向が出ていた。
これを解消するため凹部の拡幅幅を狭め屋根板リブとの間に挟まるよう改めている。
拡幅幅変更により1点止めから3点止めへ支点が増加した。
従来よりも側面窓セルが安定し床板嵌合も製品並まで戻せた。




復活した窓サッシ印刷。

保管品不足から窓サッシ印刷は油性ペイントマーカーでの補修を検討していた。
過去の施工例から補修は失敗する確率が高い。
存在感が際立つクハ103-188ではいまいち気が乗らず踏み切れないままでいた。
しかし元クハ103-819の廃車により交換対応が可能になった。
斑の無い窓サッシ補修は技量都合が絡み望めない。
敢えて手を出さなかった事が今になって奏功したと思う。
なお元クハ103-819に組み付けた側面窓セルは窓サッシ印刷補修の教習素材としたい。
簡易改番式の[クハ103-188]には手を着けなかった。
[クハ103-188]にはKATO製インレタを転写しており印刷標記とのフォント差が少ない。
標記配置のずれこそ隠せないものの見逃せる範囲内と考え今回の工程からは外している。


クハ103-188 点灯試験[13C 千葉]:床板嵌合確認。


クハ103-278 点灯比較[13C 千葉]:ラシ321F(車体更新車)。

側面窓セル交換により床板嵌合位置の偏位を招く可能性があった。
KATO製クハ103形用床板はライトユニットが座席部品に直接固定される構造である。
車体とライトユニットの角度が変わり前照灯点灯に影響を及ぼすと考え点灯試験を行っている。
幸い入場前と同じ状態を維持出来た。
クハ103-278との差も感じられず上出来と言えよう。




クハ103-188(側面窓セル交換施工)。

廃車発生品によりぼやけた側面窓セルから脱した。
その代わりクハ103形低運転台量産冷房車,高運転台非ATC車用側面窓セルの予備品が無くなっている。
ラシ321Fで窓サッシ印刷が剥げたのはクハ103-188だけだった。
収納方法に問題は無いと思われるが取扱いには十分気を払いたい。
クハ103-188の竣工でラシ321Fは再出場を迎える。
塗装施工屋根板を廃したクハ103-278と共に実質改修入場になった。
一方でモハ103-675以下8両はクハ103-188同様簡易改番式のまま残された。
形式称号のインレタ残数が殆ど無くラシ321F全車の改修は当分先になると思う。
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