試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

JR301系三鷹電車区K3F [Tc8] 青帯冷房改造車 後期仕様 LED式運行番号表示器編成

2019-08-26 21:33:41 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
旧態依然。

第一次整備着手が遅れたマイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車後期仕様(Tc8)が出場した。
ミツK3Fは2006年1月リリースのミツK5F青帯冷房改造車(Tc2)から長い沈黙の後に現れている。
2011年11月にミツK2F青帯冷房改造車(Tc4)の再生産を挟んだが実質約13年7箇月ものLOT差が生じる珍しい増備となった。




JR301系ミツK3F 青帯冷房改造車 後期仕様 LED式運行番号表示器編成。
ミツK3F:[Tc8]-[M22]-[M'15]-[M23]-[M'16]-[T101]-[M20]-[M'14]-[M24]-[M'c8]。
◆ダミーカプラー交換,クハ301-8 ホース無ジャンパ栓納め化。

301系は1966年7月に製造が開始された国鉄初のオールアルミ車体形式であった。
交通営団東西線への相互直通運転用として103系を基本に設計が行われた。
走行機器はMT55主電動機が踏襲されたが自然通風式抵抗器と空気バネ式DT34台車,TR204台車への変更が特筆される。
形式は交通営団5000系7両編成に合わせた6M1Tとする必要からクモハ300形が興された。
◆ミツ--F:Tc1-M1-M'1-M2-M'2-M3-M'c1(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc2-M4-M'3-M5-M'4-M6-M'c2(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc3-M7-M'5-M8-M'6-M9-M'c3(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc4-M10-M'7-M11-M'8-M12-M'c4(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc5-M13-M'9-M14-M'10-M15-M'c5(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc6-M16-M'11-M17-M'12-M18-M'c6(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc7-M19-M'13-M20-M'14-M21-M'c7(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc8-M22-M'15-M23-M'16-M24-M'c8(1979/3)。
当初の10両編成化は付属3両編成を増備する計画だったらしい。
しかし製造コスト都合や103系1200番代の増備へ移行した事もあり新製は見送られた。
1982年から実施された第一次10両編成化では7両編成6本が10両編成4本に組成変更される。
これにより301系は7+3編成:2本,10両貫通編成:2本,7両編成:2本の6編成体制に変わった。
7+3編成では運転台機能を停止したクモハ300-1(Tc1),クモハ300-3(Tc3),クハ301-4(Tc4),クハ301-5(Tc5)が中間組込車となった。
またモハ301-4+モハ300-3(Tc2)は電装解除の上サハ301-101,サハ301-102に形式変更され10両貫通編成へ異動した。
◆ミツ--F:Tc1-M1-M'1-M2-M'2-M3-M'c1+Tc5-M15-M'c5(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc3-M7-M'5-M8-M'6-M9-M'c3+Tc4-M12-M'c4(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc8-M22-M'15-M23-M'16-M13-M'9-T101-M24-M'c8(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc7-M19-M'13-M20-M'14-M14-M'10-T102-M21-M'c7(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc2-M10-M'7-M5-M'4-M6-M'c2(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc6-M14-M'10-M15-M'11-M16-M'c6(1982/4)。
なお42両で10両編成化を行ったため端数が生じモハ301-11+モハ300-8(Tc4)は予備車に廻されている。
1982年4月現在の編成表ではまだクハ301-1(Tc1),クハ301-3(Tc3)が先頭に立っておりこの組成は短期間に限られたと思われる。
何時クハ301-5(Tc1),クハ301-4(Tc3)との号車振替が行われたかまでは突き止められなかった。
◆ミツ--F:Tc5-M1-M'1-M2-M'2-M3-M'c1+Tc1-M15-M'c5(1985/4)。
◆ミツ--F:Tc4-M7-M'5-M8-M'6-M9-M'c3+Tc3-M12-M'c4(1985/4)。
JR移行後は1989年の205系配置を契機に帯色が黄色5号から青22号へ改められ印象を新たにしている。
帯色変更と前後してSC24形インバータ給電式AU712冷房改造車化も開始される。
この最中には黄帯を巻いたままのAU712冷房改造車も見受けられた。
1991年に入ると第二次10両編成化が行われ5+5編成:2本,10両貫通編成:3本,5両編成:1本の6編成体制に再変更された。
長らく休車状態にあったモハ301-11+モハ300-8は営業へ復帰する。
代わりにモハ300-9(Tc8)がサハ301-103へ編入され元ユニット相手のモハ301-13は緊急予備車扱いとなった。
◆ミツK1F:[Tc5]-[M1]-[M'1]-[M3]-[M'c1]+[Tc1]-[M2]-[M'2]-[M15]-[M'c5](1997/4)。
◆ミツK2F:[Tc4]-[M7]-[M'5]-[M9]-[M'c3]+[Tc3]-[M8]-[M'6]-[M12]-[M'c4](1997/4)。
◆ミツK3F:[Tc8]-[M22]-[M'15]-[M23]-[M'16]-[T101]-[M20]-[M'14]-[M24]-[M'c8](1997/4)。
◆ミツK4F:[Tc7]-[M19]-[M'13]-[M11]-[M'8]-[T102]-[M10]-[M'7]-[M21]-[M'c7](1997/4)。
◆ミツK5F:[Tc2]-[M14]-[M'10]-[M5]-[M'4]-[T103]-[M17]-[M'12]-[M6]-[M'c2](1997/4)。
◆ミツK10F:Tc6-M16-M'11-M18-M'c6(1997/4)。
車両更新工事はミツK10F(Tc6)を除く5編成が対象となり1992年までに施工を終えた。
クモハ300形,クハ301形車両更新工事施工車は前面幕板の処理が変更され未更新車との識別点になった。
未更新車で残存したミツK10Fとモハ301-13(緊急予備車)は1997年7月,1998年1月の2回に分けて廃車された。
汚れの酷かった表示器類だが1998年から順次運行番号表示器がLED式へ交換され判読性向上が図られる。
2000年にはAU712冷房改造車の夏期熱交換効率低下対策としてミツK3F(Tc8)の屋根板に白色耐熱塗装が塗布された。
車両更新工事施工車編成もJR運用の削減を切っ掛けにミツK1F(Tc5)が2002年11月を以て運用から離脱する。
その後2004年からE231系800番代での本格的な置き換えが開始された。
各々ミツK2F(Tc4):2003年6月,ミツK3F,ミツK4F(Tc7):2003年5月,ミツK5F(Tc2):2003年4月に営業から外されている。
301系の活躍は長期に渡ったが急速なE231系800番代の増備により僅か約3箇月で終焉の時を迎えた。
だがその功績を称え2003年8月3日に三鷹~高尾間でさよなら運転が行われる。
有終の美を飾った編成は拝島駅構内に疎開留置されていたミツK4F(M'c2)であった。
◆ミツK4F:[Tc7]-[M19]-[M'13]-[M11]-[M'8]-[T102]-[M10]-[M'7]-[M21]-[M6]-[M'c2](2003/4)。


サハ301-101(6号車)。


サハ301-103(ミツK5F:6号車)。

ミツK3Fは何と言ってもモハ301-4を電装解除したサハ301-101(6号車)が出色の存在である。
10両貫通編成では他にミツK5Fが在籍しているがサハ301-103(6号車)はモハ300形と酷似した外観を持つ。
一方サハ301-101はモハ301形に準拠したSC24形インバータ,AU712冷房機の配置やパンタグラフ撤去跡が際立って見える。
マイクロエース製品の傾向を考えると先にミツK3Fがリリースされてもおかしくなかったと思う。
個性は5+5編成のミツK2Fが最も強く理解できたがミツK3Fが次期製品化候補になると考えていた。
その意味ではようやく待ち望んでいた増備機会が巡ってきたと言えよう。


クハ301-3(ミツK2F:6号車)。

マイクロエース製JR301系はミツK2F,ミツK3F,ミツK5Fの編成見附が揃わない面白い展開となった。
ただ基本設計は1stLOT品のミツK2Fと殆ど変わりなく改良の余地があったと思う。
床板嵌合位置の変更で若干全高が下げられたがまだ腰高に見える辺りは現代水準から遅れていると言わざるを得ない。
そのためTOMIX製103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車後期仕様(ミツK8F-2:Tc1009)は離合に適さなくなってしまった。
逆にミツK2FとのLOT差は色温度以外我慢できる範疇に収まっていると思われる。
よって301系LED式運行番号表示器編成同士による無理の無い離合が久し振りに復活している。


ミツK2F,ミツK3F。


JR103系1000番代ミツK8F。
※TOMIX製High-Grade製品。

行先表示類は[09K 三鷹]を採用しミツK2Fの[11K 快速 西船橋]表示と差別化した。
[中野]幕はミツK10F青帯未更新車(Tc6)との混結都合が絡みミツK5Fで設定済だったため[三鷹]幕で落ち着いた。
またミツK8F-2で[快速 三鷹]幕を先行採用しており各駅停車設定は回着前からの決定事項である。
ミツK5F,ミツK10Fは幕式運行番号表示器,快速表示器設置編成だが301系内での行先分散も考慮されている。
運行番号表示ステッカーにはミツK5F付属品を充てミツK2Fとの調和を図った。
自作品の[三鷹]幕はマイクロエース製301系に対応していなかったがミツK5Fへの貼付実績があり四辺を詰めて切り出した。


ミツK5F。


ミツK10F。

ミツK5Fまでは成形形状や色温度に不満を抱くB形防護無線アンテナが採用され続けた。
KATO製B形防護無線アンテナへの交換は台座寸法が一回り小さいため採用出来ずに終わった。
せめて色温度だけでも修正したくミツK2F,ミツK5F,ミツK10Fはグリーンマックス製スプレーで濃灰色に改めている。
B形防護無線アンテナの塗装作業はミツK3Fで欠かせない工程になると覚悟していた。
ところがミツK3Fに搭載されたB形防護無線アンテナは濃灰色で仕上げられておりその必要は無くなった。
形状もJR103系1200番代旧ミツK9F(Tc1201:7両編成)用に近く地味ながら大きな変更箇所だと思う。


モハ301-22+モハ300-15 (TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作車)。

パンタグラフも剛性が高められる改善が見られたがTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)へ換装した。
301系列は全編成のTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装を終えておりこれに倣っている。
TOMIX製PS21形パンタグラフ(0291)はTOMIX製High-Grade製品モハ103-1033(ミツK8F-2)での換装試行結果を受け採用を見送った。
作業は前回施工したモハ301-5,モハ301-6,モハ301-14,モハ301-17(ミツK5F)から約3年9箇月もの期間が開いてしまった。
念のためモハ301-22を換装試作車に据えモハ301-20,モハ301-23,モハ301-24の入場へ繋げている。
パンタグラフ取付脚内傾対策は試行3両目のモハ301-20まで続けられたが思うような結果を残せず放棄した。


モハ300-16(5号車:動力ユニット整備施工車)。

製品仕様ではモハ300-15(3号車)に動力ユニットが搭載されていた。
西行設定対応,動力車位置偏位対策としてモハ300-16(5号車)を動力ユニット搭載車に変更している。
動力ユニットの整備では長年使用されてきた純正グリスが廃止された事実に驚かされた。
機械油への変更は非常に喜ばしかったが大量投入の伝統が受け継がれてしまった。
従ってDT34動力台車を完全分解する従来の整備方法から変更は無い。
プラスチック硬度が高まったユニットカバーにも盲点を突かれ妙なLOT差を感じている。


クモハ300-8 [09K 三鷹]:クモハ300形用ダミーカプラー装着車。


JR103系1200番代クモハ102-1204 [01K □ 中野]:ミツK6F(クモハ102形1200番代用ダミーカプラー装着車)。

クモハ300-8,クハ301-8に取り付けられたダミーカプラーはマイクロエース製103系共用部品だと思われる。
マイクロエース製301系,103系1000番台では原則的にKATO製クハ103形用ダミーカプラーへの交換を施してきた。
ミツK3Fも追随させたがこれまで通り両栓構造のKATO製クハ103形用ダミーカプラーは加工を要する。
片栓構造に合致させるべくジャンパ連結器,配管モールドを切除しクハ301形用,クモハ300形用ダミーカプラーを仕立てた。
各々実車に則しクモハ300形用:2-4位側,クハ301形用:1-3位側の欠き取りを行った。
ATS-B形車上子は撤去後の整形が難しく存置したがマイクロエース製301系,103系1000番台共通仕様であり気にしていない。


クハ301-8 [09K 三鷹]:TOMIX製103系1000番代High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納め交換施工車。


JR103系1000番代クハ103-1009 [05K 快速 三鷹]:ミツK8F-2(ホース付ジャンパ栓納め装着車)。
※TOMIX製High-Grade製品。

更にクハ301-8では新たに採用されたホース付ジャンパ栓納め部品も交換対象となる。
ホース付ジャンパ栓納めは小振りだったクハ301-4(ミツK2F),クハ301-2(ミツK5F)より印象が良くなった。
但しジャンパホース末端部が微妙な形状をしており整形に手を着けようとした。
諸事情によりこれは中止されTOMIX製103系1000番代High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納めへと置き換えられた。
ライトケースは薄緑色成形品に戻り製品原形のままでも前面窓黒Hゴム支持が引き立つようになった。
またライト基板のLEDチップが変更されミツK8F-2に引けを取らない点灯具合を見せてくれる。


ミツK3Fサイドビュー(クハ301-8:TOMIX製103系High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納め装着車)。


ミツK2Fサイドビュー(クハ301-4:1stLOT品ホース無ジャンパ栓納め装着車)。

TOMIX製103系1000番代High-Grade製品用ジャンパ栓納めの予備品にはホース付も残っていた。
ミツK2F,ミツK5Fとの整合性を狙った結果がホース無ジャンパ栓納めの採用に繋がっている。
この判断は当たったように思えプロトタイプ時期が一致するミツK2Fとの外観差を縮小できたと思う。
その他ではクモハ300-8,クハ301-8の座席部品に成形された衝立のようなものを黒色化した。
何故か座席部品は車両更新工事施工車とは異なる濃青色に変更されてしまいツK2F,ミツK5Fより効果が若干下がっている。
それでも側扉窓の異物感は払拭されたように感じられ手を加えたなりの答が得られた。
リリース期間が開いたミツK3FだったがミツK5FとのLOT差は殆ど無いに等しかった。
これは早期出場に結び付けられた一方で寂しさを抱かせる要因にもなっている。
ライトユニットの小型化等改良できる部品が継続採用されたのは残念に思える。

クハ301-8[ミツK3F] 青帯冷房改造車 後期仕様 (行先表示類整備,ジャンパ栓納め・ダミーカプラー交換施工)

2019-08-25 21:54:35 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
快速。

いよいよマイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車(Tc8)の第二次整備最終入場車となるクハ301-8を迎える。
クモハ300-8(ミツK3F)では慎重を期して整備へ当たったもののLOT差にはぶつからなかった。
基本構造はJR301系ミツK2F青帯冷房改造車(Tc2),ミツK5F青帯冷房改造車(Tc4)を踏襲しており出場に向けて加速する。


JR301系クハ301-8 青帯冷房改造車(ミツK3F)。

作業工程はクモハ300-8と同様で行先表示類整備,KATO製クハ103形用ダミーカプラー交換で終了する。
クハ103-8も片栓構造車だがクモハ300-8とは異なる奇数向先頭車両である。
よってKATO製クハ103形用ダミーカプラーは別途クハ301形用への細工が必要になった。
構造解析を並行したクモハ300-8ではクモハ300形用ダミーカプラーへの加工に最も時間を割かれている。
その他の作業はミツK2F,ミツK5Fと同一手順で手早く終えられると掴めた。
ライトユニット着脱以外に留意点は無いと言え先に車体関連項目の整備を進める。


入工中のクハ301-8。

クハ301-8は尾灯用プリズムの嵌まりが緩かったためクモハ300-8よりも早くライトユニットを撤去出来た。
ライトユニットを分解しても外れなかったクモハ300-8とは対照的にあっさりと尾灯用プリズムが脱落している。
当初は組み立て都合の仕業かと思え元に戻して作業を進めた。
ところが作業途中で何度も落下する尾灯用プリズムは手間を掛けさせるだけだった。
このライトユニットは尾灯用プリズムとライトケースの相性が今ひとつで単なる個体差らしい。
その都度嵌め込みを繰り返す尾灯用プリズムに嫌気が差し撤去しての作業へと切り替えている。


減光対策が施された運行番号表示器プリズム前端。

ミツK3Fから[■ ■ JR]表示が印刷再現される小変更があった。
ただLED式運行番号表示器ステッカーの貼付には適していないと思う。
運行番号表示器ステッカーの切り出しを誤ると何処かで白地が現れる事態に襲われるはずである。
またミツK5F付属ステッカーを持ち出す関係から強力発光に対抗する減光対策が必要だと思えた。
直接減光式を採り入れたクモハ300-8では運行番号表示が判読可能な状態に持ち込めている。
この結果を受けクハ301-8の運行番号表示器用プリズム前端もマッキーで直接塗り潰した。


ライトユニット単体で行ったステッカー貼付。

運行番号表示ステッカー:ミツK5F付属品,行先方向幕ステッカー:自作品の組み合わせはクモハ300-8と同様である。
ただクモハ300-8はステッカーの位置調整を要した結果運行番号表示ステッカーが依れてしまった。
外観への影響は殆ど無いながらもステッカースライダーでの調整は印刷再現を失う危険性が非常に高い。
加えて切り出し寸法都合によりライトユニットの着脱を余儀なくされている。
ライトユニット着脱とステッカー位置調整は地味に時間が掛かる作業だった。
これらの廃止を狙いクハ301-8はライトユニット単独でのステッカー貼付に変更した。


末端の処理が中途半端に見えたジャンパホース。

運行番号表示,行先方向幕ステッカーは両表示器用プリズムと近い寸法で切り出す。
この方式は事前にプリズムとの調整が行える利点があった。
ただ車体への挿入時に斜め方向の力が作用するため予め移動代を考え貼付している。
ライトユニットを復旧させた後は床板関連項目に移る計画だった。
しかしミツK3Fから新たに採用されたホース付ジャンパ栓納めの形状が気になってしまった。
予定を変更しホース付ジャンパ栓納めの見附向上へと進んでいる。


TOMIX製High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納めに交換されたクハ301-8。

第一印象はジャンパホースの巻き込み不足が目立ち途中で千切れたように見えた。
改めて見直すとジャンパカプラーも前に突き出しており後付け感が拭えなかった。
クハ301-4(ミツK2),クハ301-2(ミツK5F)は当然ながらホース無ジャンパ栓納め装着車である。
特にプロトタイプを合わせたミツK2Fとの外観差発生は好ましい状態と言えない。
最初に考えた方法は単純にジャンパカプラー部を切除する簡便なものだった。
だが大型化されたジャンパ栓納めの成形そのものにも違和感を抱くように変わっている。


クモハ300形用ダミーカプラーと逆勝手になるクハ301形用ダミーカプラー。

ホース付ジャンパ栓納めへの加工は見送られTOMIX製103系High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納めに交換となった。
なおTOMIX製High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓の取付脚は一部を狭幅化し車体切り欠き部に嵌まる形状へ細工している。
そしてKATO製クハ103形用ダミーカプラーをクハ301形用へ加工する作業に移った。
クモハ300-8とは逆に1-3位側のジャンパ連結器及び配管を切除する。
ATS-B形車上子を残したのはクモハ300形用ダミーカプラーと同様の理由で見切られた箇所となった。
ダミーカプラー天面凸形成形部全面にゴム系接着剤を塗布し台枠裏面へ直接固定している。




クハ301-8 [09K 三鷹]:運行番号表示・行先方向幕ステッカー貼付,ジャンパ栓納め・ダミーカプラー交換施工。


クハ301-4 [11K 快速 西船橋]:ミツK2F(マイクロエース製ホース無ジャンパ栓納め装着車)。

ジャンパ栓納めはTOMIX製103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車後期仕様(ミツK8F-2:Tc1009)の予備品である。
TOMIX製103系High-Grade製品用ジャンパ栓納め部品の予備品は他に黄色5号成形品,朱色1号成形品,黄緑6号成形品があった。
数の限られる灰色8号成形品だったが作業効率が優先され塗装作業を回避している。
多少の色温度差には目を瞑り装着へ踏み切ったものの思いの外車体色に馴染んでくれたと思う。
固定はゴム系接着剤が中心だが一部を流し込み接着剤で補強し脱落防止対策とした。
クハ301-4と形状は異なってしまったがマイクロエース製ホース付ジャンパ栓納めよりも釣り合いが取れたように感じる。


クハ301-8 点灯試験[09K 三鷹]:前照灯(運行番号表示器直接減光施工)。


クハ301-8 点灯試験[09K 三鷹]:前照灯(運行番号表示器直接減光施工)。


クモハ300-8 点灯比較[09K 三鷹]:ミツK3F(運行番号表示器直接減光施工車)。


クハ301-8 点灯比較[11K 快速 西船橋]:ミツK2F(1stLOTライト基板装着車)。

点灯試験結果は運行番号表示器を除きクモハ300-8と同等の答を得られた。
直接減光式の弱点はマッキーのインク被膜に左右され易い事である。
クハ301-8は厚めになってしまったらしく[09K]表示の判読性がクモハ300-8よりも落ちた。
それでも1stLOTライト基板車であるクハ301-4の[11K]表示を上回っており現時点での修正は見送られた。
最重要工程だったクハ301形用ダミーカプラーへの加工は上手く纏まったと思える。
TOMIX製High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納めへの交換は全く考えていなかった。
突然の工程変更となったクハ301-8(ミツK3F)だが想定より早く竣工を迎えている。
やはり先に竣工させたクモハ300-8の作業が効果的だったと思う。

クモハ300-8[ミツK3F] 青帯冷房改造車 後期仕様 (行先表示類整備,KATO製クハ103形用ダミーカプラー交換施工)

2019-08-24 21:34:04 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
踏襲。

マイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車(Tc8)は実質301系列の3rdLOT製品に該当する。
今のところ2ndLOT製品であるミツK5F青帯冷房改造車(Tc2)とのリリース時差は少なく感じる。
モハ300-16(ミツK3F)の動力ユニット整備も純正グリス廃止以外に大きな差は伺えなかった。


JR301系クモハ300-8 青帯冷房改造車(ミツK3F)。

最近のマイクロエース製品は改良が進められライトユニットが小型化されている。
中にはライトスイッチがライト基板に組み込まれる車両まで登場していた。
第二次整備はいよいよ運転台付車のクモハ300-8,クハ301-8(ミツK3F)を迎える。
乗務員室内から視認出来るライトケースはミツK5Fと同一成形品に見えた。
点灯試験では強力発光ライト基板へ変更されたと確認できたがライトユニットの構造までは調べていない。
ただ成形色は黒色から薄緑色へ変更されており新規部品へ変更された可能性が否定できなかった。


入工中のクモハ300-8。

よって入場させたクモハ300-8は集電機構の構造解析を含む工程となった。
運行番号,行先表示器も点灯照度とステッカーの相性次第では減光対策が必要になるかもしれない。
その場合予め白色再現が成されている運行番号,行先表示器用プリズムとの調整が必要になる。
整備時間がどの程度要するか判らず先入観無しに作業を進める事にした。
念のため過去の整備記録を参照しクモハ300-8へ反映できるかだけは頭に入れている。
分解前に気付いた箇所はミツK2F青帯冷房改造車(Tc4)と同じ位置にあるライトスイッチだった。


LOT差が無かった床板。

このライトスイッチ位置で床板は設計変更の確率が下がったように感じられた。
少なくともライト基板にライトスイッチが内蔵される近年の構造は採用されていないと読んでいる。
取り外したクモハ300-8用床板はミツK2F,ミツK5Fから何も変わっていなかった。
ライトスイッチは1-3位側ライト基板集電脚を絶縁するだけの簡便な方式である。
しかもライトスイッチ部品形状まで同一であり従来の金型を全て流用したらしい。
ミツK3Fが旧来構造のままリリースされたのは明らかで床板関連作業を整備後半に廻している。


撤去方法まで変わらなかったライトユニット。

続いてライトユニットを確認したが乗務員室内は巨大なライトケースで占領されていた。
蒸着処理が施された尾灯用プリズムの採用が目新しく映る程度である。
ミツK5Fまで貼付されていた遮光用アルミテープは廃止となり整備性が向上したと思われた。
ライトケースは車体天井部付近まで達する大形成形品で通電系統には手が加えられていないと確信した。
事前にライトユニットの着脱方法を把握できていたためやや癖を有する取り外しだが難なく突破できた。
撤去は尾灯用プリズムを支点にライトユニット本体後部から斜め方向へ傾ける。


7pcs構造のライトユニット。

この方式は尾灯用プリズムを折損させる確率が高く余り採用したくなかった。
これまで301系運転台付車の行先表示類変更を躊躇させる一因にもなっている。
しかしクモハ300-8では蒸着処理のお陰で尾灯用プリズムが車体断面に引き掛かり難くなった。
各表示器用プリズムが車体から外れると同時にライトユニットも脱落してくれている。
ライトユニットはプリズム類を含めると7部品に分かれる構造でさすがに設計時差を隠せない。
なお蒸着処理は表示器用プリズムにまで及んでおり間接減光式は採用できないと判明した。


表示内容まで受け継がれていたミツK3F用ステッカー (ミツK3F付属品,ミツK5F(ミツK2F)付属品)。

何も手を出せないままライトユニットを組み立るしかなく行先表示類の整備に移った。
前途の通り運行番号,行先表示器には[]幕が印刷で再現されている。
ところがミツK3F付属ステッカーの運行番号表示器はLED式しか含まれていなかった。
当初からLED式運行番号表示器編成化が確定していたが幕式表示器編成を考えていたオーナーさんには厳しい内容と言える。
しかも表示設定はミツK2F,ミツK5F時代と全く変わっておらずステッカー内容まで流用される事実に唖然とした。
LED式運行番号に至っては視認性も落ちており[11K]表示,[05K]表示,[07K]表示,[09K]表示の識別を難しくさせている。


クモハ300形用に整形したKATO製クハ103形用ダミーカプラー。

車体関連項目はミツK5Fと同じ工程で作業が進められ行先表示類の整備を終えたライトユニットも早々に車体へ戻された。
結局クモハ300-8ではKATO製クハ103形用ダミーカプラーへの交換が主工程になっている。
クモハ300形は片栓構造車であり両側に配管が再現された製品のダミーカプラーでは齟齬を抱えてしまう。
連結器部品の高さも不自然に見えミツK2F,ミツK5Fと同じくKATO製クハ103形用ダミーカプラーへ交換する。
KATO製クハ103形用ダミーカプラーはクハ103形0番代を模しているため原形ではクモハ300形に適さない。
2-4位側のジャンパ連結器,配管を切除し両栓構造から片栓構造へと改めた。


黒色化された座席部品。

実車に従うとATS-B形車上子も不要になるが1-3位側の連結器寄配管末端部の処理が難しく存置している。
更に嵌合爪を根元から切り落としクモハ300形用ダミーカプラーが出来上がった。
床板への固定はゴム系接着剤で一旦車体と床板を組み合わせた後に取り付けている。
ミツK2F,ミツK5Fに倣い前面車体裾内側と胴受前端が接する位置へダミーカプラーを追設した。
仕上げは座席部品運転台側にそびえ立つ衝立のようなものの黒色化である。
側面のみの施工でも差し支えないがペン先が余計な箇所に当たってしまい全面を塗り潰した。




クモハ300-8 [09K 三鷹]:運行番号表示・行先方向幕ステッカー貼付,ダミーカプラー交換施工。


クモハ300-4 [11K 快速 西船橋]:ミツK2F(ダミーカプラー交換施工車)。

組み立てを終えたクモハ300-8は大凡狙い通りの前面見附に達したと思える。
クモハ300形用ダミーカプラーへの交換で連結器高が上昇し入場前に比べ前面見附が引き締まったと感じられた。
運行番号表示ステッカーにはミツK3F付属品ではなくミツK5F付属品を用いた。
これは対比に据えるミツK2Fと仕様を合致させる以外に視認性が劣るミツK3F用ステッカーの起用を避けたためである。
だがミツK5F付属品はステッカー厚が非常に薄くやや依れてしまった。
幕式運行番号表示器であれば貼り替えが必至だったがLED式運行番号表示器に救われ修正は行っていない。


クモハ300-8 点灯試験[09K 三鷹]:前照灯(運行番号表示器直接減光施工)。


クモハ300-8 点灯試験[09K 三鷹]:尾灯(運行番号表示器直接減光施工)。


クモハ300-4 [11K 快速 西船橋]:ミツK2F(1stLOTライト基板装着車)。

なお運行番号表示器プリズムにはマッキーでの直接減光対策を施している。
これにはステッカー切り出し失敗予防策も含まれたがステッカー厚の関係で施工が避けられないと考えた。
一方行先方向幕はt0.7mmのエーワン製ラベルに印刷した自作品を採用しておりその厚みへ期待している。
記録では表示が一部表示飛んでしまったが点灯試験の結果は良好であった。
[09K],[三鷹],[JR]表示は揃って浮き上がるような点灯具合を示している。
非点灯状態なら遜色なく映るクモハ300-4(ミツK2F)だがライト基板のLOT差は残酷であった。


クモハ300-8+クハ301-8 (ミツK3F:座席部品黒色化施工車+座席部品黒色化未施工車)。


クモハ300-6+クハ301-6 (ミツK10F:座席部品黒色化施工車+座席部品黒色化施工車)。

座席部品の衝立のようなものはちょうど側扉窓と重なる位置に来てしまう。
早くからマイクロエース製301系列に於ける弱点だと思い車内へ馴染むよう細工を施してきた。
ミツK3Fでも衝立のようなものは廃止されずに残ったため座席部品の黒色化が必須工程となっている。
全工程が完了したクモハ300-8(ミツK3F)は無難な竣工となったが慎重になり過ぎた面があった。
終わってみれば整備方法はミツK2F,ミツK5Fと同一で全く構わなかった。
クモハ300-8での結果を踏まえクハ301-8の第二次整備に反映する方向である。

モハ300-16[ミツK3F] 青帯冷房改造車 (動力ユニット整備:起動加速度改善,KATOカプラー交換施工)

2019-08-23 21:43:50 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
激変。

第二次整備中のマイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車(Tc8)はモハ300-16が入場を迎えた。
製品仕様ではモハ300-15(ミツK3F:3号車)に動力ユニットが搭載されている。
このままでは動力車偏位が激しくなるためモハ300-16(5号車)へ変更した。


JR301系モハ300-16 青帯冷房改造車(ミツK3F:動力ユニット搭載車)。

在籍するJR301系はミツK10F青帯未更新車(Tc6)との混結に備え7号車を動力ユニット搭載車で統一してきた。
この法則に従えばモハ300-14(ミツK3F)に動力ユニットが移設されるはずだった。
しかしプロトタイプ選定結果からミツK3FはミツK10Fとの混結対象から外れた。
代わりに動力車偏位対策が採り入れられ動力ユニット搭載車はモハ300-16へ改められている。
本来KATOカプラー化のみで竣工させられるはずだったモハ300-16は動力ユニット整備が第二次整備項目に加わった。
見るからに大袈裟なモーターカバーはモハ300-12青帯冷房改造車(ミツK5F:Tc2)と変わっていないように感じさせる。


モハ300-12青帯冷房改造車(ミツK5F:動力ユニット搭載車)。

モハ300-15からモハ300-16へ動力ユニットを移設した際に嵌合の渋さが気になった。
動力ユニット搭載車と非動力車の側面窓セルは同位置に嵌合爪が設けられている。
今ひとつ腑に落ちないままモハ300-16に動力ユニットを搭載させたが早速この影響を受ける。
設計の古さに起因する嵌合爪位置も加わり動力ユニットは堅く嵌まり込んでいた。
また近年の製品に比べ断面が厚く車体を撓ませて撤去する方法も採れない。
そのため各嵌合爪部にプラスチックドライバーを差し込み取り外した。


入工中のモハ300-16。

一見ではモハ300-12用動力ユニットとの成形差異が伺えなかった。
ところがユニットカバーの撤去にて嵌合具合が変化した原因に辿り着けた。
モハ300-16用ユニットカバーはプラスチック硬度が高められており台枠にがっちりと組み付けられていた。
その硬さはプラスチックドライバーの先端を歪ませる程で再び分解行程に狂いが生じている。
先にモーターカバーを撤去したがこちらは逆に薄型化が顕著で容易く撤去できた。
ユニットカバーの取り外しへと戻り嵌合爪が折損しない程度に力を入れてプラスチックドライバーを挟み込む。


撤去に難儀したユニットカバー。

従来は相対する1-3位側,2-4位側の嵌合を交互に解いていけばユニットカバーが外れてくれた。
しかしモハ300-16用ユニットカバーは1-3位側に続けて2-4位側へ手を着けると元の位置へと戻ってしまう。
堂々巡りに嫌気が差し先に2-4位側の全嵌合爪を浮かせる方法へ切り替えた。
その次に台枠を平行移動させながら1-3位側の分離へと持ち込んでいる。
マイクロエース製品でユニットカバー撤去に苦しんだ事例はモハ300-16が初であり今後の仕様変更箇所になるかもしれない。
難航の末取り外せたユニットカバーだったが導電板は変色部が多かった上に油脂塗れであった。


導電板研磨とモーター軸受部注油を済ませた動力ユニット。

マイクロエース製動力ユニットは純正グリス除去が定番化しておりある程度の油脂進出を覚悟していた。
だがモハ300-16用ユニットカバーは遥かに予想を上回る状態でクリーナーでの清掃を施している。
301系列には吊手部品が標準装備されているため導電板の研磨が行い難い。
吊手部品の一時撤去は手間に感じられ入力不足を目が粗いラプロス#2400で補う方法とした。
なおモハ300-15での走行試験時に東行方向だけ起動加速度低下が生じると判明していた。
モーター単独駆動試験でも引き掛かりが見られる等芳しくない結果に終わり軸受部への注油を施した。


グリスが廃止されていたDT34動力台車(2エンド側)。

モーター点検の前にDT34動力台車を撤去したところお馴染みの白塊が全く見られなかった。
改めてDT34動力台車を見直すと手を焼かされ続けた純正グリスは機械油系に変更されたと判った。
どの製品から純正グリスの使用が取り止められたか不明だがこの切り替えは全く予期していなかった。
しかし過剰投入の伝統は受け継がれておりギアボックス周囲には油膜が目立つ。
恐らくモーターカバーの油脂進出は粘度の低い機械油を大量に注いだ影響だと思われる。
純正グリス廃止は大英断と言えたが現状のまま竣工させる訳には行かずDT34動力台車を分解した。


ロアフレームまで煌めかせる機械油(1エンド側)。

純正グリス除去工程が無くなるよもやの展開を見せたが案の定分解整備は欠かせなかった。
機械油はロアフレーム全体まで広がっており端部には油溜まりが発生する惨状だった。
清掃工程を全面的に見直し先ずはロアフレームの脱脂から取り掛かっている。
ティッシュペーパーで機械油を吸い取らせた後にクリーナーでの仕上げへと移った。
次に片側の車輪を引き抜き動軸ギア周囲ごとクリーナープールへ漬ける。
念のため歯ブラシで動軸ギア谷を払ったが殆ど効果は無かったかもしれない。


KATOカプラーに交換されたDT34動力台車(2エンド側)。

ギアボックス関連の清掃はギアボックス自体がクリーナープールと化した。
これによりギアボックス内壁,ギア3種,センターピン,軸受部の機械油除去を同時進行させている。
純正グリス時代に比べモハ300-16用DT34動力台車の整備は簡略化と施工時間短縮が実現した。
クリーナー使用量は激減し最終仕上げの手間も軽減されたと思える。
だが良い事ばかりで済まされず若干ロアフレームの剛性が落とされやや癖のある組み立てへと変わった。
なお純正グリスの廃止に伴いタミヤ製グリス塗布からユニクリーンオイル投入へ変更している。


整備を終えた動力ユニット。

最後にKATOカプラーへ交換したカプラーポケット部品を取り付けDT34動力台車の整備が完了した。
動力ユニット組立での留意点は分解時と同じくユニットカバーの取り扱いである。
殆ど撓みを受け付けてくれないため台枠との平行を保持したまま垂直方向から落とし込む。
この際ずれ易い絶縁シートの位置に十分な注意を払い張り出しを防止した。
更にモーターカバー支持点に近い箇所へDT34動力台車を配している。
整備性に劣るプラスチック硬度だが組み立て後は従来には無い安定感が手に取れた。


モハ301-23+モハ300-16 (ミツK3F:非動力車+動力ユニット搭載車)。


モハ301-16+モハ300-11 (ミツK10F:非動力車+動力ユニット搭載車)。

東行方向だけで発生していた起動加速度低下は整備完了と共に消え去りモハ300-16(ミツK3F)が竣工した。
そして車体との嵌合が渋くなった原因もプラスチック硬度が高いモーターカバーにあると判明した。
側面窓セルに設けられた嵌合爪はモーターカバーを一旦乗り越えなければならずここで入力が削がれる強度上の問題だった。
モハ300-6青帯冷房改造車(ミツK2F:Tc4)以来の基本構造を引き継ぎながらも微細な変更箇所が存在していた。
その他ではフライホイール搭載がミツK5Fまでとは異なるが現在では当然の仕様である。
カプラーポケットもビス締結式からスナップ嵌合式に変更されており約13年7箇月の設計時差を感じさせる第二次整備だった。

モハ301-20,23,24[ミツK3F] 青帯冷房改造車 (TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)換装試行)

2019-08-22 21:54:26 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
四車四様。

マイクロエース製301系列のTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)換装は前回施工から約3年9箇月もの期間が開いた。
製品リリース時差をもろに被り標準工程ながら試作車を設定する慎重策を採っている。
そのためJR301系モハ301-22青帯冷房改造車(ミツK3F:Tc8)では感覚を取り戻す作業に終始する工程となった。


JR301系モハ301-23 青帯冷房改造車(ミツK3F)。

最終施工編成だったミツK2F青帯冷房改造車(Tc4)との施工時差は埋められたように感じられる。
更にパンタグラフ取付脚内傾対策,脱落対策も強化され先行試作車を設けた効果は大きかったと思う。
これで未入場のモハ301-20,モハ301-23,モハ301-24(ミツK3F)はモハ301-22に準拠した工程で構わないと考えた。
ただΦ1.1mmへ拡大するパンタグラフ取付孔は若干の加工誤差を防げない。
そのためパンタグラフ取付脚の内傾対策は改善の余地が残り引き続き各種試行を施す。
3両同日竣工を目標としたが実質単独施工に近い工程を組んでいる。


入工中のモハ301-23。

パンタグラフ換装は車両番号順ではなく西船橋寄から順次進めていく。
よってモハ301-20(7号車)より先にモハ301-23(4号車)を入場させた。
モハ301-23での試行はTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの細工である。
製品原形で内傾している取付脚を予め修正すれば状況が改善されると思えた。
取付孔拡大はモハ301-22と同様ハ字形にドリルを当てる方法を踏襲するが入角を更に深める。
TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ取付脚角度変更との相乗効果で内傾が緩和されると考えた。


取付脚角度を垂直に改めたTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ。

車体との固定は流し込み接着剤が主軸を担うため取付脚を垂直化しても支障ないはずである。
容易く整形出来ると思われたTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフだったが予想とは違う方向へ進む。
クランパーでパンタグラフ取付脚を挟み少しずつ角度を緩めたつもりだった。
ところがしばらく時間が経つと元の形状へ戻ってしまいなかなか垂直に達してくれなかった。
力を加え過ぎるとパンタグラフ台座から碍子がもげる危険性があり無理な作業も行えない。
地道に角度変更を繰り返しどうにかパンタグラフ取付脚への細工を終えた。


殆ど効果が無かったパンタグラフ取付脚角度修正。

細工はパンタグラフ取付脚だけに限られたがパンタグラフ台枠全体にも負荷が加えられたのは間違いない。
念のため換装前に昇降試験を行い取付脚整形の影響が出ていないか確かめている。
パンタグラフ下枠挿入口の偏位は防げた模様で動作は加工前と変わらなかった。
モハ301-23もパンタグラフ取付脚への流し込み接着剤投入量が抑えられていた。
2箇所の溶着部を押し出すのみでマイクロエース製パンタグラフを取り外せている。
そしてパンタグラフ取付孔をΦ1.1mmに拡大しTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへ換装した。




モハ301-23(TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装施工)。

約10分を要して整形したパンタグラフ取付脚だったがその効果は得られず終いだった。
パンタグラフ取付孔はパンタグラフ台モールドぎりぎりで拡幅している。
それにも関わらず取付脚の内傾が発生しミツK2Fと同一の見附で留まった。
モハ301-22に比べ取付脚への押圧が減少するとの考えは見事なまでの空振りであった。
むしろ固定を補完する木工用ボンドの押し込みがし難くなり不利な点だけが浮き彫りになる。
結局TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの取付脚垂直化はモハ301-23だけで打ち切りになった。




モハ301-23+モハ300-15 (ミツK2F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。


モハ301-16+モハ300-11 (ミツK10F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作車)。

パンタグラフ取付孔の拡大方式はモハ301-22から変更していない。
幸いにしてモハ301-23とモハ301-22での外観差を生じさせることなくパンタグラフ換装を終えた。
なおモハ301-23が搭載していたマイクロエース製パンタグラフはモハ301-22よりも高い剛性を持っていた。
一定高以上からの上昇が困難になる個体で最早剛性と呼べる域を飛び出しているとしか言い様がない。
大幅な改善が見られたマイクロエース製パンタグラフだったがこの個体差には面食らった。
思わぬ症状はTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの換装で解消されている。


拡大方式を変更したパンタグラフ取付孔(モハ301-20)。

TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ取付脚の整形が不発に終わり新たな内傾対策を検討した。
モハ301-20ではパンタグラフ取付孔に注目し拡大方式を変更している。
これまではΦ0.8mmのパンタグラフ取付孔を直接Φ1.1mmへ拡大する手法が採られていた。
現状でもパンタグラフ台モールドの強度限界まで取付孔を偏位させたつもりでいた。
またハ字形貫通では不十分だと思われ一旦Φ1.0mmに変更してからΦ1.1mmへ拡大するよう改めた。
ドリルによる削り滓は大幅に増加し取付孔の垂直化が実現出来たと思えた。




モハ301-20青帯冷房改造車(ミツK3F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。

残念ながらこの方式もモハ301-22と変わらない出来映えに留まる。
垂直になったはずのパンタグラフ取付孔ならば取付脚は内傾しないと考えた。
しかしハ字形整形に続き垂直化でも結果を残せずパンタグラフの見附改善策は壁にぶち当たってしまった。
最終手段はTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの取付脚を細くするしかない。
ただこの方法はJR103系1200番代ミツK6F青帯未更新車(Tc1204)で失敗した経緯がある。
Φ0.7mmしかない取付脚は小径化が難しく誤って1台の挿入部全体を切り落としてしまった。




モハ301-20+モハ300-14 (ミツK3F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。


モハ301-22+モハ300-15 (ミツK3F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作車)。

再製作の上モハ102-1211(ミツK6F)で試行されたパンタグラフ小径化は良好な結果を得られた。
だが当時はTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの入手が困難だった時期に当たり失敗回避を優先し採用には至っていない。
なお無駄になりかけたTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフだったが国鉄301系ミツK1F黄帯非冷房車(Tc5)での再用が行えた。
今入場では転用先が無いため万が一の失敗も許されない環境に置かれている。
予備品数も関係しパンタグラフ取付脚の内傾対策はモハ301-20を以て放棄された。
最終入場車のモハ301-24はモハ301-22での工法を簡略化する方向へ舵が切られる。


撤去前から浮き上がりを見せたマイクロエース製パンタグラフ(モハ301-24)。

モハ301-22,モハ301-20,モハ301-23まで順調にマイクロエース製パンタグラフの取り外しが行えていた。
ミツK10F青帯未更新車(Tc6)では碍子部だけが車体に残る憂き目に遭いこれの撤去に追われている。
これに懲りてミツK5F青帯冷房改造車(Tc2)以降からはΦ1.1mmへの取付孔拡大とパンタグラフ撤去を一纏めにした。
そこでモハ301-24では一部だけミツK5Fの手法が採り入れられ作業効率向上を軸とする工程に変更された。
マイクロエース製パンタグラフはミツK5F式とは異なりモハ301-22に倣った単独撤去とする。
何故かモハ301-24に塗布された流し込み接着剤は殆ど機能しておらず1脚だけの押し込みだけで撤去が可能だった。


木工用ボンドで埋められた車体内側パンタグラフ取付孔(モハ301-23)。

モハ301-23で持ち出したΦ1.0mmのドリルは早くも使用が見合わせとなる。
初めからΦ1.1mmのドリルを準備し車体内側からパンタグラフ取付脚を押し出す感覚で貫通させた。
ドリルは各々の取付孔に対し先端を両エンド側へ寄せてパンタグラフ台中心部から偏位させている。
これによりハ字形状にパンタグラフ取付孔を貫くドリルの捌き方も廃止となった。
工程簡略化で唯一不安が過ったTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの競り上がりは発生していない。
パンタグラフ取付脚の内傾度合いもモハ301-22とほぼ同様でありこのまま流し込み接着剤で溶着した。


パンタグラフ換装車で揃えられたモハ301-22,モハ301-20,モハ301-23,モハ301-24 (ミツK3F)。

パンタグラフ固定を補完するパンタグラフ取付脚への木工用ボンド埋め込みはミツK3Fでの共通施工項目となっている。
ミツK5Fまではメーカーによる焼き潰し及び流し込み接着剤塗布痕が車体内側で目立つ存在だった。
LOTが離れたミツK3Fの車体内側は比較的綺麗な状態が保たれており盛り付けた木工用ボンドが目に付く。
加えてパンタグラフ取付孔は避雷器取付口,ヒューズボックス取付孔と近く対照的な措置が強調されて見える。
屋根板の取り外しが可能であればもう少し均せたはずだが一体成形車体ではこれで精一杯だった。
作業簡略化へ進んだモハ301-24だったがパンタグラフ周りはそれなりの仕上がりに達したと思う。




モハ301-24青帯冷房改造車(ミツK3F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。

ミツK3FのTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装入場は同一仕様が全く存在しない異例の展開になった。
先行試作車のモハ301-22を除き何処かで統一が図れると考えていたが最後まで決まらなかった。
追求したパンタグラフ取付脚内傾対策はモハ301-20で完成形に至る予感が走ったが弾き返された。
そして内傾対策そのものも入場3両目のモハ301-23で打ち切りを余儀なくされている。
皮肉な事に出揃ったモハ301-20,モハ301-22,モハ301-23,モハ301-24の外観差は全く感じられない。
この結果ならば301系列でのTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装はモハ301-24が基準になるだろう。




モハ301-24+クモハ300-8 (ミツK3F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。


モハ301-6+クモハ300-2 (ミツK5F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作車)。

全体的な印象は良かったマイクロエースパンタグラフであるがモハ301-24だけは折畳姿勢が安定しなかった。
これもモハ301-23と同様にTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの換装が奏功したと思う。
ミツK10Fに続いて入場したミツK5FもTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作編成である。
施工期間の開きによりミツK3Fも換装試作編成に充当されミツK2Fのみが正規施工編成となった。
ただ基本的に窮屈な取り付けはミツK1Fから変わっておらずミツK3Fを含め抜きん出た編成も見劣りする編成も存在しない。
ここはサハ301-101以外ミツK5Fに比べ大きな変更が加えられなかったミツK3Fの強味かもしれない。

モハ301-22[ミツK3F] 青帯冷房改造車 (TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)換装試行)

2019-08-21 21:37:16 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
弱腰。

回着したマイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車(Tc8)は軽微な第一次整備を終えた。
第二次整備ではJR301系ミツK2F青帯冷房改造車(Tc4),ミツK5F青帯冷房改造車(Tc2),ミツK10F青帯未更新車(Tc6)と仕様を揃える。
先ずモハ301形をTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)へ換装する作業から取り掛かった。


JR301系モハ301-22 青帯冷房改造車(ミツK3F)。

マイクロエース製301系列でのTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装は国鉄301系ミツK1F黄帯非冷房車(Tc5)が試作編成だった。
これはJR103系1200番代ミツK6F青帯未更新車(Tc1204)でのパンタグラフ換装試行結果を受けたものだった。
ミツK6FではTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの固定方式策定に試行錯誤を重ねている。
直後に301系列もTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの換装が決定したが一体成形車体が行く手を阻む。
屋根板が取り外せたミツK6Fのパンタグラフ換装方法は301系列に採用出来ない。
そのためマイクロエース製パンタグラフの老朽化が著しかったミツK1Fを試作編成に起用した。


入工中のモハ301-22。

301系列のTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装はモハ103-1214(ミツK6F)で試行した取付方式とした。
先陣を切ったモハ301-1(ミツK1F)だが取付孔の間隔が合わずTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの浮き上がりに悩まされる。
これに苦戦しながらも流し込み接着剤による固定でマイクロエース製パンタグラフを廃止した。
続けてモハ301-2,モハ301-3,モハ301-15(ミツK1F)も換装を終えたがΦ1.1mmへ拡大した取付孔との相性が課題になった。
試行はミツK10F,ミツK5Fでも続きようやくミツK2Fにて相応の結果に到達している。
当然ミツK3FもTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフに置き換えるが約3年9箇月振りの施工には不安を抱えていた。


対角線上に溶着されているマイクロエース製パンタグラフ。

パンタグラフ取付孔を拡幅してもTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの取付脚は内傾を抑えられない。
しかも施工対象車はモハ301-20,モハ301-22,モハ301-23,モハ301-24(ミツK3F)と4両に及ぶ。
加工誤差に加え個体差も重なる関係上4両同時施工は見附を崩す確率が高く感じられた。
やはり過去の細工を参照しながら1両だけ先行換装する方法が無難に思える。
またミツK5FとのLOT差があるかもしれず改めて構造確認も必要だとの答に行き着いた。
そこでモハ301-22をTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作車に当て単独入場させている。


車体内側から押し出して撤去したマイクロエース製パンタグラフ。

ミツK1F,ミツK2F,ミツK5F,ミツK10F(←ミツK5F)は初出場から時間が経過した後にパンタグラフ換装が行われている。
極端に剛性が落ちたマイクロエース製パンタグラフは上昇姿勢の維持が難しくなっていた。
これに対しミツK3Fのパンタグラフは将来の老朽化を心配する必要が無いと感じられるほど剛性が高められていた。
それでも他編成に揃えるため敢えてTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの交換を行う。
マイクロエース製パンタグラフはミツK5Fを踏襲する対角線上だけの溶着固定が採用されていた。
流し込み接着剤投入量を控える傾向はミツK3Fでも現れておりΦ0.8mmのドリルで車体内側から押し込むのみで撤去出来た。


Φ1.1mmに拡大したパンタグラフ取付孔。

ここでTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの仮搭載を試みたが相変わらず取付孔とは合致してくれない。
少しだけ期待を寄せていた無加工での交換は早々に不可能と判明している。
結局パンタグラフ取付孔をΦ1.1mmへ拡大するミツK1F以来の取付方式に落ち着いた。
ドリルを当てる角度は大曲なハ字形としパンタグラフ取付脚受入猶予を確保する。
取付孔拡大までの作業は最終施工だったミツK2Fでの方式を全面的に採り入れている。
モハ301-22では更なる取付脚内傾の緩和を狙い車体内側取付孔だけ楕円形に変更した。


仮搭載されたTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ。

早速TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフをモハ301-22へ仮搭載した。
楕円形に整形した車体内側取付孔はパンタグラフの浮き上がりを抑える効果へ直結したらしい。
これにより流し込み接着剤の投入時はTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフを軽く支えるだけで済むように変わっている。
しかし肝心な取付脚の内傾具合はミツK2Fから進歩が伺えないまま終わった。
TOMIX製パンタグラフの取付脚径は基本的にΦ0.7mmが採用されている。
従ってΦ1.1mmにまで拡大された取付孔とは0.4mmもの差が生じてしまう。




モハ301-22(TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。

マイクロエース製301系では窮屈な取付を強いられるため車体断面とパンタグラフ取付脚にはある程度の接触面積が望めた。
よって流し込み接着剤だけの溶着でもTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフは十分な固定が可能となる。
その固定力は上昇,下降に全く影響を及ぼさない強度まで達するが思わぬ方向からの負荷には耐えられない恐れがあった。
そのためJR103系1000番台を含めたパンタグラフ換装換装車では車体内側取付孔部へゴム系接着剤を塗布する補強策が採られていた。
だが改修入場させたミツK6Fでモハ103-1214のTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフが外れかける事態に襲われる。
直接的な原因は流し込み接着剤投入量不足だと思われたが今更になってゴム系接着剤での補強が意味を成していないと気付いた。




モハ301-22+モハ300-15 (ミツK3F:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。


モハ301-9+クモハ300-3 (ミツK2F:TOMIX製PS16(PS21)形パンタグラフ換装施工車)。

Φ1.1mmの取付孔中心にはパンタグラフ取付脚が鎮座しておりゴム系接着剤は車体内側を覆うだけに留まっていた。
根本的解決は取付脚もろともパンタグラフ取付孔を接着剤で埋め込む方式が理に適っていると思えた。
しかし一体成形車体ではゴム系接着剤を行き渡らせ難く木工用ボンドに変更して対応している。
ちなみにパンタグラフ取付孔は屋根上側から隙間が見える状態であり木工用ボンドの到達状況確認も労さなかった。
パンタグラフ換装試作車として竣工したモハ301-22(ミツK3F)はミツK2Fに近い見附を保てたと思う。
久し振りとなるTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装は工程変更を伴う作業であった。
安全策のつもりだったが結果的に単独入場は良い選択だったと思える。
モハ301-20,モハ301-23,モハ301-24はモハ301-22を新たな基準に据えパンタグラフ換装を行う。

JR301系三鷹電車区K3F [Tc8] 青帯冷房改造車 回着 (動力ユニット搭載車変更,KATOカプラー化施工)

2019-08-20 21:30:35 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
一部改良。

マイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車(Tc8)は2019年7月に回着済だった。
現在JR301系はミツK2F青帯冷房改造車(Tc4),ミツK5F青帯冷房改造車(Tc2),ミツK10F青帯未更新車(Tc6)の3編成体制である。
このうちミツK10Fは5両編成でミツK5Fとの混結が考慮されていた。


JR301系ミツK3F 青帯冷房改造車。
ミツK3F:[Tc8]-[M22]-[M'15]-[M23]-[M'16]-[T101]-[M20]-[M'14]-[M24]-[M'c8]。

ミツK2Fも事実上5+5編成であり一応ミツK10Fとの混結が可能である。
ただミツK2F:LED式運行番号表示器編成,ミツK5F:幕式表示器編成へプロトタイプを区分した。
JR301系10両編成では3本目となるミツK3Fは先ずプロトタイプ選択が課題に挙がる。
バリエーション強化にはミツK10F混結対応化が理想的に思えた。
その代わり行先表示類は[01K 中野]一択となってしまいミツK5Fとの差別化が行えなくなる。
約1箇月近い検討期間を設けた結果ミツK3FはミツK2Fの対照編成に据える方向で落ち着いた。


入工中のモハ300-16,モハ300-15 (ミツK3F)。

第一次整備はKATOカプラーへの交換と動力ユニット搭載車の変更である。
マイクロエース製JR301系は現在でもミツK2Fを初陣とした名残があり動力車位置偏位が著しい設定になっている。
加えてミツK10Fとの混結が考慮されたミツK2F,ミツK5Fは動力ユニット搭載車を8号車に変更していた。
ミツK3FはLED式運行番号表示器編成がプロトタイプに決定したためこの縛りを受けない。
よって動力ユニットは製品仕様のモハ300-15(3号車)からモハ300-16(5号車)へ移設が可能になった。
入場は床板の相互交換を行うモハ300-15,モハ300-16が先陣を切っている。


カプラースプリングを存置したDT34非動力台車(1エンド側)。

基本設計が古いマイクロエース製301系だがモハ300-16の分解時に変更を感じ取れた。
ミツK5Fまでは車体裾と台枠裏面が面一で収まり床板の取り外しに注意を要した。
僅かではあるがモハ300-16の床板は車体裾が覗かせる嵌合具合を示していた。
車体高への姿勢は喜ばしかったものの動力ユニットの装着は若干渋く変わっている。
モハ300-15はDT34非動力台車のKATOカプラー化を行った後に非動力車化した。
DT34非動力台車のカプラースプリングを存置する交換方式は従来のマイクロエース製品と同様である。


動力車位置偏位対策を終えたモハ300-16,モハ300-15。

新たに動力ユニット搭載車となったモハ300-16は分解整備が控えておりKATOカプラーを見送った。
なお動力ユニット本体に変更は無い模様でモーターカバーの床下機器再現が浅く見える弱点を引き継いでいる。
床下機器配置に余裕のあるモハ300形では動力ユニット搭載車と非動力車で見附が大きく異なって見えてしまう。
モハ300形への動力ユニット搭載を踏襲するならばせめてモーターカバーの設計は改めてほしかった。
仮にモハ301形が動力ユニット搭載車へと変更されていればミツK3Fの印象は変わっていたと思う。
リリース時期が離れた事を逆手に取りミツK2Fから続く仕様と別れられる機会だっただけに惜しまれる。




モハ301-22+モハ300-15 (ミツK2F:非動力車+非動力車)。
※KATOカプラー化。

ミツK3Fで最も面食らった箇所は収納基準が1-3位側に変更された事である。
作業は2-4位側を基準に据えており入場の都度車両の方転が必要となった。
モハ300-15,モハ300-16に続いてモハ301-22,モハ301-23のKATOカプラー化を終わらせた時点までは方転で対処できていた。
しかし編成に1両しか組み込まれていないサハ301-101で1-3位側と2-4位側の識別が混乱してしまった。
方転入場は施工終了後に再方転を余儀なくされるため作業効率をも引き下げる要因となった。
ここで基本6両編成と増結4両編成を10両編成に纏め収納基準も2-4位側へと変更している。


サハ301-103+サハ301-101 (ミツK2F+ミツK3F)。

組み立てが混乱したサハ301-101だったが座席部品及び車体内側の[⇦]刻印を頼りに無事復旧させた。
JR301系以外のマイクロエース製JR103系1000番台も5号車は1エンド側へのTNカプラーSP装着を大原則にしてきた。
その法則はサハ301-101を以て途絶えると共に今後の廃止が決定している。
ちなみにミツK2F,ミツK5F,ミツK10F(←ミツK5F)とミツK3Fでは車体高に加え色温度差も確認された。
ミツK3Fは彩度が高く検査出場直後を思わせる雰囲気に見える。
また青帯も腰板,幕板揃って幅が異なっておりミツK3FをミツK10Fから切り離した選択は正解だった。


屋根上配色にも違いがあるクモハ300-2,クモハ300-8 (ミツK5F,ミツK3F)。

相変わらず一体成形車体であるが屋根板は濃灰色再現に変更され灰色8号との対比が強くなった。
更にミツK5Fまで続いた明灰色再現ベンチレーター,無線台座も屋根板色温度に合わせたせいか取り止められている。
気掛かりだったのはどのB形防護無線アンテナが搭載されるか不明だった事である。
何故かB形防護無線アンテナは301系,103系1200番代,103系1000番代で異なる形状のものが採用された。
唯一103系1000番代は松戸区からの転入編成でありまだ理解できたがコ字形台座のB形防護無線アンテナに変わりはない。
そしてミツK3Fに取り付けられたB形防護無線アンテナは103系1200番代旧ミツ9F青帯車(Tc1201)相当品であった。


小変更された妻面 (クハ301-2,クハ301-8)。

ミツK2F,ミツK5FのB形防護無線アンテナは台座との釣り合いが悪い成形だと思っていた。
しかもベンチレーター同様の明灰色再現で前面から浮く存在に見える始末だった。
余りの違和感に耐えられずミツK2F,ミツK5F,ミツK10FのB形防護無線アンテナは全て濃灰色へと塗装変更されている。
もう少し濃い灰色でも構わなく感じるが取り敢えず塗装変更の必要は無いだろう。
その他全車の妻板へAU712冷房機用配管が追加となりクモハ300-8,クハ301-8には誘導無線アンテナも新設された。
誘導無線アンテナは黄色再現で103系1000番代ミツK8F-1青帯車(Tc1009)との共用部品だと思われる。


クハ301-8 [■ ■]。


クハ301-2 [01K □ 中野]:ミツK5F(ライトケース交換車)。


クハ301-6 [01K □ 西船橋]:ミツK10F(ライトケース塗装施工車)。

前面見附も細かな改良が加えられ2006年1月にリリースされたミツK5Fとの歳月を伺わせる。
未措置だった表示器部品には白幕再現が成された上にコーポレートマーク表示器の[JR]マークまで印刷されていた。
車体同色だった前面窓縦桟は銀色が入り黒色ワイパーも銀色再現へ改められ存在感が増している。
前面窓内の表記もクモハ300-8:[300-8],クハ301-8:[301-8]が視認可能な状態で再現される辺りはマイクロエース製品らしいと思う。
クハ301形のみに設けられるジャンパ栓納めも立体感が増したホース付部品へと刷新された。
ただライトリムの銀色再現はエラーでありこれだけは盛り過ぎであった。


クモハ300-8 点灯試験[■ ■]:前照灯。


クモハ300-8 点灯試験[■ ■]:尾灯。


クモハ300-2 点灯比較[01K □ 中野]:ミツK5F(旧LOTライト基板装着車)。

ミツK5Fから採用された黒色ライトケースは車体更新工事施工車ならではの前面窓黒Hゴム支持再現を相殺するだけだと思えた。
5+5編成のミツK2Fはクモハ300-3,クハ301-3(中間組込車)にも薄緑色成形ライトケースが組み込まれていたためミツK5Fへ転用出来た。
しかし手持ちが尽きたミツK10Fではライトケース前面を灰緑色で塗装する荒業に出るしかなかった。
若干色温度に違いはあるもののミツK3Fで再度薄緑色成形ライトケースへ回帰した点は大いに評価したい。
ライト基板は約13年7箇月のLOT差を主張するかのような強力発光でミツ5Fが気の毒に思えたほどだった。

ようやく整備へ取りかかったミツK3Fだが施工項目は多岐に渡る。
どの車両から手を着けるべきか迷うが先ずはTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)への換装から取り掛かろうと考えている。
ただ施工は2015年11月のミツK2Fへ施した時以来となり感覚が全て失われた状態と言える。
場合によっては単独試行を挟んでから本格的な第二次整備へ移るかもしれない。

JR103系1000番代三鷹電車区K8F [Tc1009] 青帯車 後期仕様 LED式運行番号表示器編成 ※TOMIX製High-Grade製品

2019-04-07 21:37:01 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
競作。

TOMIX製JR103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車後期仕様(Tc1009:ミツK8F-2)が出場した。
103系0番代津田沼~習志野区仕様以外でのTOMIX製High-Grade製品は初投入である。
今までマイクロエース製の独壇場だった301系,103系1000番台に風穴を開ける存在となった。




JR103系1000番代ミツK8F 青帯車 後期仕様 LED式運行番号表示器編成。
[ミツK8F-2]:[Tc1009]-[M1032]-[M'1032]-[M1033]-[M1034]-[M'1034]-[M1036]-[M'1036]-[Tc1010]。
※TOMIX製High-Grade製品。

国鉄103系1000番代は交通営団千代田線相互直通運転用に製造された新たな番台区分である。
同時期には試作冷房車(Tc179),103系1200番代が登場しており103系の節目と言えよう。
クハ103形1000番代はATC-4形搭載に伴い乗務員室後部へ機器室が設置された。
これにより乗務員室後部戸袋窓が廃止され後のクハ103形0番代高運転台ATC車へ引き継がれる。
またモハ103形1000番代はMR119形自然通風式主抵抗器へ変更となり1-3位側には抵抗器が並ぶ。
パンタグラフは鋼体架線対応のPS21形が採用されると共にヒューズボックスも屋根上へ移動している。
ヒューズボックスが2エンド側端部に設置された関係でパンタグラフ踏板は車端部まで延長された。
交通営団との協定により編成は8M2Tと電動車比率が高い構成となる。
そのためサハ103形1000番代は製造されなかった。
クハ103-1009以下10両は1970年2月に落成し松戸区へ新製配置された。
◆マト55F:Tc1009-M1017-M'1017-M1018-M'1018-M1019-M'1019-M1020-M'1020-Tc1010(1979/4)。
◆マト60F:Tc1017-M1032-M'1032-M1033-M'1033-M1034-M'1034-M1035-M'1035-Tc1018(1979/4)。
◆マト61F:Tc1019-M1036-M'1036-M1037-M'1037-M1038-M'1038-M1039-M'1039-Tc1020(1979/4)。
当初は全編成ともモハユニットが昇順で並ぶ整った編成であった。
しかし103系1000番代の性能都合から203系での置き換えが決定し一部が105系へ編入改造される。
モハ103-1020+モハ102-1020,モハ103-1035+モハ1035はその対象に挙がり1984年10月までに消滅した。
残された103系1000番代は常磐線快速用へ転用され新たな10両編成を組む。
ユニット数が半端となってしまい103系1000番代だけの8M2T編成は維持が困難となる。
組成変更により103系0番代が混結される8M2T編成,6M4T編成も出現した。
103系0番代混結編成では長らく中間組込車だったクハ103-93,クハ103-188が先頭に立つ機会を得ている。
◆マト12F:Tc188-M1057-M'1057-M325-M'481-M1060-M'1060-M1061-M'1061-T'c627(1986/4)。
◆マト13F:Tc93-M1041-M'1041-M1028-M'1028-M1044-M'1044-M1049-M'1049-T'c638(1986/4)。
回路の違いからクハ103-93,クハ103-188,クハ103-627,クハ103-638は小改造を受け車両番号標記下部に識別用の白線が引かれた。
更に国鉄末期の転用劇でもあり千代田線色車両と青緑1号車両の混結編成が数多く見られている。
なお冷房改造と組成変更の時期が近く1987年まで車両異動が繰り返された。
クハ103-1009,クハ103-1010には元マト60F,元マト61Fのユニットが充当され8M2T編成に組み替えられた。
マト15F(Tc1009)の冷房改造は1985年7月から開始となり全車AU75E冷房改造車化されている。
冷房改造以後からの変化は見られず編成を維持したまま1987年4月のJR移行を迎えた。
◆マト15F:Tc1009-M1032-M'1032-M1033-M'1033-M1034-M'1034-M1036-M'1036-Tc1010(1987/4)。
マト15Fは1989年5月より車両更新工事が始まり翌月には全車への施工が完了する。
この当時三鷹区では301系,103系1200番代の完全10両編成化とAU712冷房改造施工が並行されていた。
冷房改造中の車両不足補填用にマト15Fが抜擢され再び灰色8号塗装へと復帰する。
当初は301系,103系1200番代と共通の黄色5号帯を巻いた姿で登場した。
ところが東中野駅構内追突事故の影響で埼京線用に製造された205系が急遽三鷹区へ配置される。
301系,103系1000番台と205系は同系統の色合いになってしまい誤乗を招く。
これが1989年度中に301系,103系1000番台の全編成が青帯へ変更される切っ掛けとなっている。
よってミツK8Fを名乗った103系1000番代(Tc1009)黄帯車は短期間しか見られなかった。
一部資料では貸出後に正式転属との記載がなされた記憶があった。
車歴表を再確認し1989年6月の配属だったと実際の異動を把握出来ている。
なおマト15Fと入れ替わる様に103系1200番代10両が松戸区へ転出した。
その後は快速表示器撤去,行先方向幕交換,LED式運行番号表示器化等の小変更に留まった。
新形式導入が早かった千代田線とは異なり東西線301系,103系1000番台の活躍は長期間に及ぶ。
しかし2003年1月から製造が開始されたE231系800番代の投入により呆気ない最期を迎える。
ミツK8FはE231系800番代全7編成が出揃った後の2003年5月30日を以て運用を外れ翌6月付で廃車された。


クハ103-1009(車両更新工事施工車)。


103系0番代クハ103-383(ラシ309F:車両更新工事施工車仕様改装車)。

ミツK8F-2はTOMIX製103系High-Grade製品車両更新工事施工車としても初登場を飾った。
TOMIX製103系0番代メーカー塗装車ではクハ103-383,クハ103-384(ラシ309F:Tc383),サハ103-324(ラシ311F:Tc817)が在籍する。
各々戸袋窓黒Hゴム支持:マッキー,側扉窓金属押え面支持:油性ペイントマーカーによる再現とした。
戸袋窓黒Hゴム支持化は十分だと思える一方メーカー印刷による側扉窓金属押え面支持再現には到底敵わない。
クハ103形1000番代,モハ103形1000番代は専用の台枠が起用され特徴ある床下機器配置を再現している。
103系0番代で付きまとったC4系ブレーキ制御装置部品の脱落対策はモハ102形1000番代のみに限られた。
但しC19形ブレーキ制御装置部品は成形が異なったため台枠内側取付口への流し込み接着剤投入に変更した。


103系0番代ラシ309F,ミツK8F-2。

前面見附はクハ103形0番代低運転台初期形冷房改造車以来の穏やかさが感じられる。
運行番号表示,行先方向幕部品の形状は変更されず第一次整備では暫定的に[津田沼]幕を取り付けた。
予備品さえ手元にあれば製品には付属しない[中野]幕の採用も可能である。
行先表示類は在籍するマイクロエース製301系,103系1000番台の配分から[05K 快速 三鷹]に決定した。
表示器内で安定し難い傾向が強かった運行番号表示,行先方向幕部品も嵌合精度に改善が見られる。
LED式運行番号表示器の発光具合も良好で浮き立つ表示を上手く再現していると思う。


クハ103-1010 [05K 快速 三鷹]:ワイパー銀色化試作車。

但し前面窓Hゴム再現の兼ね合いにより黒色へ変わってしまったワイパーは頂けなかった。
プリズムケースは従来通りの灰緑色成形品ながら位置都合からワイパーが前面窓に埋没して見える。
ちょっとした落とし穴と言えたがクハ103-1010にて油性メタリックマーカーでの銀色化を試行した。
この小細工でワイパーの存在感を向上させたもののHゴムモールドを跨いだ塗布方法は欲張り過ぎたと思う。
マイクロエース製103系1000番代ミツK8F青帯車後期仕様(Tc1009:ミツK8F-1)ですら黒Hゴム支持再現が残されていた。
しばらくは現状を維持する予定だが今後の製品化次第ではマッキーで塗り潰すかもしれない。




モハ103-1032+モハ102-1032 (PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行車)。

PS21形パンタグラフ(0291)とPS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)の形態差異に興味が湧きモハ103-1032にて換装試験を行った。
モハ103形1000番代のパンタグラフ台嵩からPS16R(PS21)形パンタグラフでは見附が悪くなった。
逆にマイクロエース製301系,103系1000番台にはTOMIX製PS21形パンタグラフ(0291)が似合わないとも判明している。
製品は幕式運行番号表示器部品が付属せず後期仕様一択となる。
しかし4号車のモハ103-1033は[弱冷房車]ステッカー再現が省略されていた。
車両番号標記が印刷済のためかインレタは含まれない上にJR仕様の[弱冷房車]ステッカーインレタも手持ちが無かった。
そこで使用予定が見当たらなかったジオマトリックス製大手私鉄仕様インレタの代用で凌いでいる。


モハ103-1033([弱冷房車]ステッカーインレタ転写施工車)。

TOMIX製103系1000番代High-Grade製品の製品化は喜ばしかった。
その一方でマイクロエース製103系1000番台との印象把握や車体高差が浮き彫りになる。
元来マイクロエース製103系は全高が高くミツK8F-2を一回り小さく見せてしまう。
また貫通扉の縦横比が両社で異なるため想定以上に外観差を広げてしまった。
ミツK8F-1はクハ103-1009,クハ103-1010の老朽化が進行してしまい車体更新及びプロトタイプ変更を前提に離脱させた。
よって103系1200番代ミツK6F(Tc1204),ミツK9F(Tc1203)との離合が軸となる予定だったが貫通扉の再現差異は隠せない。
車体高に目を瞑れば貫通幌及び幌座を追設したミツK9Fの雰囲気がミツK8F-2に最も近いと思える程だった。


301系ミツK2F,ミツK8F-2。


東京地下鉄5000系63F,ミツK8F-2。

そもそもミツK6F,ミツK9Fは幕式運行番号表示器,快速表示器設置編成でミツK8F-2のプロトタイプとは合致しない。
301系,103系1000番台では301系ミツK2F(Tc4),ミツK8F-1だけをLED式運行番号表示器編成に充てていた。
実質的にミツK8F-1はミツK8F-2で編成更新が行われたため離合に相応しい三鷹区編成はミツK2Fのみとなる。
マイクロエース製103系よりも更に全高が増す301系は諦めがつく境地に達した。
ミツK8F-2は5号東西線グループにも属しており東京地下鉄5000系63F(5813)等も離合相手に該当する。
それでも車体高差は隠しきれず釣り合いの取れる形式はTOMIX製103系0番代High-Grade製品習志野区仕様だと言えよう。


ミツK8F-2サイドビュー(クハ103-1009:車両更新工事施工車)。


103系0番代ラシ313Fサイドビュー(クハ103-131:TOMIX製High-Grade製品未更新車)。


ミツK8F-1サイドビュー(クハ103-1009:マイクロエース製車両更新工事施工車)。


103系1200番代ミツK9Fサイドビュー(クハ103-1203:マイクロエース製車両更新工事施工車仕様改装車)。

ミツK8F-2の側面見附はTOMIX製クハ103形0番代低運転台初期形冷房改造車LOTに近い。
車体色と車両更新工事施工車仕様の違いで随分雰囲気が変わるものである。
非ユニット窓の再現もマイクロエース製103系1000番台ほど極端ではなく好ましく映る。
その代わり在籍中の301系,103系1000番台では異端編成になってしまった。
三鷹区に配属された103系1000番代はミツK8Fの1編成だけであった。
よって青帯車のバリエーション追加は103系1200番代ミツK6F,ミツK7Fに絞られる。
ミツK7F(Tc1205)はマイクロエースからリリース予定がありTOMIX製High-Grade製品の登場は微妙に思える。
仮に実現した場合には全編成の競合を覚悟し運行番号表示器や快速表示器で差別化を図りたい。

クハ103-1009[ミツK8F-2] 青帯車 後期仕様 (B形防護無線アンテナ取付,ジャンパホース黒色化施工) ※TOMIX製High-Grade製品

2019-04-06 21:45:31 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
盲点。

第二次整備のためTOMIX製103系1000番代High-Grade製品クハ103-1009青帯車(Tc1009:ミツK8F-2)を入場させた。
先に竣工したクハ103-1010(ミツK8F-2)にてワイパー再現の銀色化へ踏み切っている。
もう後戻りは出来ずクハ103-1009の第一工程はワイパーモールドへの油性メタリックマーカー塗布とした。


JR103系1000番代クハ103-1009 青帯車 後期仕様(ミツK8F-2)。
※TOMIX製High-Grade製品。

クハ103-1009の第一次整備も信号炎管とホース付ジャンパ栓納めを仮取付したのみである。
ホース付ジャンパ栓納めはジャンパホースをマッキーで塗り潰す必要があった。
TOMIX製クハ103形0番代High-Grade製品では原則的にジャンパ栓納めを溶着してきた。
取付位置が低いクハ103形1000番代奇数向車は取付口の下端が車体裾と被り欠き取られている。
よって流し込み接着剤の使用は放棄されゴム系接着剤にて固定化を図る。
安定性確保の見地からジャンパ栓納め関連作業は最終工程へ廻された。
これによりクハ103-1009の第二次整備は車体関連項目の間に床板整備が挟まる変則的な進行となった。


入工中のクハ103-1009。

TOMIX製クハ103形1000番代High-Grade製品はクハ103-1010の分解により基本構造を把握できた。
一体成形台枠によりC20形ブレーキ制御装置は特に心配する必要が無くなった。
床板関連項目は白濁対策を施すTNカプラーSPと運転台側TR62非動力台車への排障器取付だけとなる。
課題のワイパーモールド銀色化には引き続き油性メタリックマーカーを使用する。
中程度の出来映えではあるがクハ103-1009(ミツK8F-2)での成功が精神的負荷を与える。
ある程度はモールド踏み外しを許容できるものの完全回復の保証は無い。
前面窓セルの擦過痕は致命傷になりかねず一発での仕上げを目指した。


黒色再現の製品原形ワイパー。

プリズムケースを撤去すると同時に前面窓セルが脱落する仕様はTOMIX製クハ103形High-Grade製品共通である。
組み立てを厄介にさせる構造だがクハ103-1009,クハ103-1010の整備に限っては吉と出た。
クハ103形1000番代の前面窓は枕木方向に後退角が設けられている。
貫通扉窓と一体化された前面窓セルはワイパー銀色化を水平状態で行わせてくれない。
そのため薄ウレタンを重ね合わせ運転台側前面窓が持ち上がる態勢とした。
クハ103-1009では側面窓セル窓サッシ補修と同一方式で銀色化に取り掛かった。
しかし今ひとつ油性メタリックマーカーと黒色印刷の相性が悪く斑になってしまった。


無事銀色化を終えたワイパーモールド。

そこで参考にしたのは斑点状剥離を引き起こした側面窓セル窓サッシの修正である。
側面窓セル窓サッシ印刷剥離対策を開始した当初はサッシ印刷へ馴染ませる部分補修が原則だった。
ペン先を剥離部のみに当てる方式は塗り斑を抑える名目で採り入れたものである。
斑点状剥離が連続して発症していた箇所は点を繋げ窓サッシを復活させた。
油性メタリックマーカーを直接沿わせるとインクを引き伸ばしてしまうため部品補修方式にてワイパーの銀色化を続行している。
黒色印刷では限界があったもののクハ103-1009(ミツK8F-2)のワイパーはどうにか銀色化に漕ぎ着けた。
これに対し初めから点を繋げられたクハ103-1010のワイパーは大幅に斑が収まったと思う。


予備品へ廻された製品付属の信号炎管・アンテナ部品。

車体関連項目での最難関課題が解決されB形防護無線アンテナの設置に移る。
第一次整備の進捗状況によりB形防護無線アンテナ開孔用治具は信号炎管取付車対応品を起用した。
TOMIX製B形防護無線アンテナはクハ103形0番代High-Grade製品のセットバラし品導入時に使用されなかった予備品を用いている。
セットバラし品に1台だけ付属してきたB形防護無線アンテナは保管に向いていない。
従ってクハ103-1009,クハ103-1010への採用は当然の流れと言えた。
信号炎管も予備品で賄われており製品付属品は一体形状を保ったまま今後の編成増強に備える。


ゴム系接着剤で固定した前面窓セル。

ミツK8F-2へのTOMIX製B形防護無線アンテナ採用は取付口径がKATO製B形防護無線アンテナより細かったためである。
編成毎にばらつきが見られるB形防護無線アンテナは交換の可能性が残りゴム系接着剤で固定した。
クハ103-1009は第一次整備時に信号炎管を固定しており車体の組み立てに入った。
前面窓セルはクハ103形0番代High-Grade製品と同様ゴム系接着剤で脱落防止対策を施す。
但しクハ103形0番代用前面窓セルよりも接着剤代が狭く貫通扉窓下部だけの塗布に留まった。
諸事情でクハ103-1010(ミツK8F-2)の分解に迫られたが接着力はクハ103形0番代と同等であった。


湿式白濁対策施工後の運転台側TNカプラーSP。

プリズムケースを取り付けた時点で車体関連項目の作業は一旦中断となった。
先ず運転台側TR62非動力台車に取り付けられていなかった排障器を設置する。
なおTR62非動力台車と排障器部品の何れかに個体差がある模様でクハ103-1009では固定を必要とした。
次に2エンド側TNカプラーSPを歯ブラシにて白濁現象事前対策を行った。
台枠に取り付けたままの簡易施工であり湿式白濁対策とした運転台側TNカプラーSPほどの効果は望めない。
運転台側TNカプラーSPへの施工では予め配管付ステップを取り外す以外に注意点は無いと思う。


ゴム系接着剤で固定したホース付ジャンパ栓納め。

床板の整備が完了し車体関連項目で残されたホース付ジャンパ栓納めを仕上げる。
TOMIX製ホース付ジャンパ栓納めは成形色が剥き出しで原形での取り付けは到底考えられない。
過去に施したジャンパホースの黒色化は黄色5号,朱色1号,黄緑6号成形品が対象であった。
ミツK8F-2の成形色は灰色8号相当で意外にもマッキーでの塗り潰しが行い難かった。
インク被膜が薄く微妙に灰色掛かってしまう有り様で超極細字マッキーを持ち出し仕上げている。




クハ103-1009 [05K 快速 三鷹]:B形防護無線アンテナ・排障器取付,ワイパー銀色化,ジャンパホース黒色化,行先方向幕交換施工。


クハ103-1010 [05K 快速 三鷹]:ミツK8F-2(ワイパー銀色化試作車)。


クハ103-383 [43C 中野]:ラシ309F(前面窓黒Hゴム支持化施工車)。

前途の通りホース付ジャンパ栓納めはゴム系接着剤で車体に固定した。
せっかく別部品とされたジャンパ栓納めは取付脚が丸形をしており傾き易い弱点を抱える。
特にホース付ジャンパ栓納めは何かと触れやすく都度修正が面倒に感じ固定化へ走った。
角形の取付口であればこの現象を確実に防げるはずで改善を願いたい。
車体と床板を嵌合させた後に再度ホース付ジャンパ栓納めの位置を微修正した。
最後に運行番号表示,行先方向幕部品を挿入しクハ103-1009の全工程を終えた。
ワイパー銀色化とジャンパホース黒色化の効果でクハ103-1009は前面見附を引き締められたと思う。
運行番号表示,行先方向幕部品も良好な嵌合を示し暴れる気配は感じられない。


クハ103-1009 [05K 快速 三鷹]:前照灯。


クハ103-1009 [05K 快速 三鷹]:尾灯。

TOMIX製103系High-Grade製品ではミツK8F-2が初の車両更新工事施工車仕様導入となった。
前面窓Hゴム支持色がワイパー再現と連動するとは思っていなかったが一応の対応策を見い出せたと思える。
ただ車体のワイパーモールドへ繋げる銀色化施工は余計だったらしい。
クハ103-383,クハ103-384(ラシ309F:Tc383)はマッキーを軸に車両更新工事施工車へ改装した。
特徴と言える前面窓黒Hゴム支持はモールド全周に渡っておりワイパーを分断していた。
銀色ワイパー化試作車のクハ103-1010では当該部に油性メタリックマーカーが広がってしまい隠蔽策を採っている。
前もってクハ103-383の再現方法を確認していればもう少し良い出来映えになったかもしれない。


103系1200番代クハ103-1203,クハ103-1009 (ミツK9F,ミツK8F-2:マイクロエース製,TOMIX製High-Grade製品)。

クハ103-1009(ミツK8F-2)が竣工しミツK8F-2は全車の第二次整備を終えた。
ミツK8F-2は在籍する103系1000番台で唯一のTOMIX製High-Grade製品となる。
マイクロエース製103系1000番代ミツK8F-1(Tc1009)はクハ103-1009,クハ103-1010の老朽化が著しい。
ミツK8F-2とプロトタイプが競合した事も重なり一旦離脱させる予定である。
よって103系1000番台同士の離合はマイクロエース製103系1200番代ミツK6F(Tc1204),ミツK9F(Tc1203)が務める方向だった。
ところが余りにも車体高の差があり過ぎ違和感を拭い去れない状況に陥った。
TOMIX製103系1200番代High-Grade製品がリリースされない限りこの問題は解消出来ないだろう。

クハ103-1010[ミツK8F-2] 青帯車 後期仕様 (B形防護無線アンテナ取付,前面窓セル固定施工) ※TOMIX製High-Grade製品

2019-04-05 21:43:02 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
延長線。

TOMIX製JR103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車(ミツK8F-2:Mc1009)の整備は遅れている。
モハ103-1032以下8両が全車入場しようやくクハ103-1009,クハ103-1010に順番が廻ってきた。
両車とも信号炎管だけは取付を終えたがB形防護無線アンテナや排障器はまだ未整備の中途半端な状態であった。


JR103系1000番代クハ103-1010 青帯車 後期仕様(ミツK8F-2)。
※TOMIX製High-Grade製品。

クハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F-2)の第二次整備はTOMIX製クハ103形0番代High-Grade製品に準ずる方向とした。
独自施工として運転台側TNカプラーSPの白濁対策と前面窓セル固定化が組み込まれる。
但しクハ103形1000番代は初導入でありクハ103形0番代との相違も考えられた。
順次整備を進めながらクハ103形1000番代固有の構造が判明した場合はその都度対策に当たる。
TOMIX製クハ103形High-Grade製品では奇数向車両のジャンパホース黒色化が欠かせない。
構造解析を並行する関係から慣例に従いクハ103-1010が先発入場となった。


入工中のクハ103-1010。

第一工程は手慣れた運転台側TNカプラーSPの白濁対策事前対策とした。
クハ103形1000番代に採用されたTNカプラーSPは一般流通品(0336)と同一である。
所有するTOMIX製クハ103形0番代低運転台初期形冷房改造車は途中から白濁対策済TNカプラーSPとの振替えにて対処した。
交換は全車に及び白濁対策を施したTNカプラーSPも製作が打ち切られている。
施工済予備品は手元に無くクハ103-1010では取り付けられているTNカプラーSPへの直接施工となった。
現在は歯ブラシによる乾式清掃を主力としているが先頭車両でもあり湿式清掃を行う。


湿式白濁対策を終えた運転台側TNカプラーSP。

国鉄103系元ツヌ306F-2(Tc123→ラシ313F:Tc131)を皮切りとした湿式白濁対策の効果持続期間は大凡1年間程度と確認された。
一度対策を行えばその後の乾式清掃も比較的容易く終えられる傾向が出ている。
まだ黒色成形を保つ運転台側TNカプラーSPも遅かれ白濁現象に襲われるはずである。
モハ103-1036では既に発症が確認され敢えて手間を取り将来の保守簡略化を狙った。
入り目が6器の一般流通品(0336)ならばクリーナープールを持ち出せた。
しかしクハ103-1009用を含めても2器しか施工しないため細綿棒とクリーナーの併用に留めた。


一体成形だった台枠。

クハ103形1000番代のブレーキ制御装置はC19形に酷似したC20形である。
床下機器配置もクハ103形0番代とは異なり台枠は専用品が興されていた。
一見では床下機器部品に別部品が採用されているか識別出来ず床板一式を分解する。
台枠内側を確認するとC20形ブレーキ制御装置を含め床下機器は全て型抜き再現だった。
これによりクハ103-1009(ミツK8F-2)の第二次整備から床下機器部品脱落対策が外れている。
なおクハ103形0番代と同一基本構造であり取扱い上の注意点は存在しない。


排障器を設置した運転台側TR62非動力台車。

分解に乗じて1エンド側TNカプラーSPへ乾式白濁現象事前対策を施した。
運転台側TR62非動力台車への排障器取付も並行し床板関連の項目を片付ける。
比較的嵌合精度の高い排障器であるが既存車両に倣いゴム系接着剤で固定した。
ちなみにクハ103形High-Grade製品用床板の分解は国鉄103系クハ103-483(ツヌ328F:Tc483)以来である。
クハ103-483は新製投入車ながら1エンド側床板が大きく撓んだ状態で回着したメーカーエラー品だった。
独自修正が選択され床板分解へと進んだ過程がクハ103-1010用床板の構造解析を抵抗無いものにしている。


信号炎管回避口を有する防護無線アンテナ開孔用治具。

床板一式を組み立て屋根板周りの整備から車体関連項目に取り掛かった。
主工程はB形防護無線アンテナ取付孔貫通だけに等しく専用の治具も付属している。
ただこの専用治具は信号炎管を取り付けてしまうと屋根板に対し若干傾きが生じてしまう。
クハ103-1010の信号炎管は挿入のみで打ち切られたが再取付を敬遠し撤去せずに進行させる。
TOMIX製103系High-Grade製品が増備されるに連れて開孔治具の余剰品が発生した。
その一部は他社部品取付用や付属部品取付順に左右されない形状への加工が施される。
当然の如く信号炎管先行取付車に対応する開孔治具も製作済でこれを起用した。


固定された信号炎管とTOMIX製B形防護無線アンテナ。

クハ103形1000番代のB形防護無線アンテナ設置位置は松戸区仕様とも言える信号炎管後方となる。
開孔前までB形防護無線アンテナをTOMIX製,KATO製のどちらにするか検討していた。
在籍車のうちA形防護無線アンテナ搭載編成は早い時期からKATO製で統一されている。
これに対しB形防護無線アンテナ搭載編成はTOMIX製,KATO製,マイクロエース製が混在する状態だった。
特にマイクロエース製で占められてきた103系1000番台への投入が余計に頭を悩ませる。
最後まで結論を導き出せず取付孔径が小さいTOMIX製B形防護無線アンテナの搭載に仮決定した。
流し込み接着剤で溶着した信号炎管とは対照的にB形防護無線アンテナの固定はゴム系接着剤を用いている。


油性メタリックマーカーで銀色化したワイパーモールド。

マイクロエース製JR103系1000番台はワイパーモールドに銀色印刷が施されている。
一方TOMIX製103系0番代High-Grade製品はクハ103形低運転台初期形冷房車LOTから灰色再現が採用され続けた。
物足りなさこそ抱いたものの灰色再現でも前面窓内でそれなりに存在感を放っていた。
ところがミツK8F-2は一転して黒色再現へと変わってしまい面食らった。
車両更新工事施工車仕様のクハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F-2)は前面窓黒Hゴム支持でありこれに連動した模様である。
つまりクハ103形0番代での灰色再現ワイパーは前面窓Hゴム支持色に拠るものだったらしい。




クハ103-1010 [05K 快速 三鷹]:B形防護無線アンテナ・排障器取付,行先方向幕交換施工,ワイパー銀色化試行。


クハ103-1010 [01K 西船橋]:ミツK8F-1(KATO製B形防護無線アンテナ搭載車)
※マイクロエース製。

妙に納得出来たが黒色再現のワイパーでは前面見附の締まりに欠ける。
しかしワイパーの銀色化に失敗すると取り返しのつかない事態に陥る可能性が高い。
そこで側面窓セル窓サッシ補修を参考に油性メタリックマーカーの試用に至った。
窓セルへの影響が比較的小さい油性メタリックマーカーならある程度の失敗を許容出来ると思えた。
いざ実行に移したところ黒色印刷が銀色インクから透過する事実に直面した。
線状のまま塗り潰すのは困難でペン先を点状に当て[点]から[線]へと結び付けている。


クハ103-1010 [05K 快速 三鷹]:前照灯。


クハ103-1010 [05K 快速 三鷹]:尾灯。

車体のワイパーモールドへ繋げるには前面窓黒Hゴム支持再現を分断する必要があった。
しかし余り細くないペン先径では余計な箇所まで銀色インクを塗り広げてしまう。
当初は剥離と塗布を繰り返したがなかなか着地点に導けず時間ばかりが過ぎていった。
油性メタリックマーカーのインク特性を考え最後はマッキーで直に上塗りした。
これ以上の改善は図れないと見切りを付け前面窓をゴム系接着剤にて車体へ固定している。
粗さが残る銀色化されたワイパーでも存在感は格段に向上したと思う。


クハ103-1009,クハ103-1010 (ミツK8F-2:ワイパー銀色化未施工車,ワイパー銀色化試作車)。

ワイパー再現はミツK8F-2がマイクロエース製103系1000番代ミツK8F(Tc1009:ミツK8F-1)に劣る箇所だった。
側面窓セル窓サッシ補修に近い作業でその差は多少埋められたと思える。
参考までにクハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F-1)は前面窓黒Hゴム支持がライトケースへ埋没していた。
後年黒色成形ライトケースの前面側のみ灰緑色化し前面窓支持を引き立たせる施工を行った。
同一編成がプロトタイプの両社製品は共に前面見附に手が加わる珍展開となっている。

クハ103-1010(ミツK8F-2)のワイパー銀色化は竣工直前まで微修正を続けた。
少しだけだが塗り斑が抑えられ施工直後の状態からは脱せている。
未入場のクハ103-1009(ミツK8F-2)との比較ではついワイパーへ目が行ってしまう。
出来映えは別としてワイパーの存在感は重要だと改めて思い知らされた。
誤魔化しながら竣工させたクハ103-1010と同じようにクハ103-1009も苦戦するだろう。
ただ施工しただけの効果は得られるはずで何とかワイパー銀色化を切り抜けだいところである。

モハ102-1032,1033,1034,1036[ミツK8F-2] 青帯車 C19形ブレーキ制御装置固定施工 ※TOMIX製High-Grade製品

2019-04-04 21:35:16 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
全ユニット入場。

TOMIX製103系1000番代ミツK8F青帯車(Tc1009:ミツK8F-2)でのTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)搭載試験を終えた。
続いてモハ103-1033(ミツK8F-2)へ[弱冷房車]ステッカーインレタ転写を行っている。
その後の工程ではモハ103形1000番代用床板のC19形ブレーキ制御装置部品が一体成形だと判明した。


JR103系1000番代モハ102-1032 青帯車(ミツK8F-2)。

モハ103形1000番台はMR119形自然通風式主抵抗器に設計変更された。
そのためMR51系強制通風式主抵抗器が搭載されるモハ103形0番代とは床下機器配置が大幅に異なる。
これに対しAU75形冷房改造後のモハ102形1000番代はモハ102形0番代と類似の床下機器配置に改められた。
TOMIX製103系0番代High-Grade製品はC4系ブレーキ制御装置部品が外れ易いように感じている。
在籍車は流し込み接着剤,タミヤセメント,木工用ボンドと方式を変更しながらC4系ブレーキ制御装置部品を固定化した。
床下機器配置からモハ102形0番代とモハ102形1000番代の台枠は共用品だと読んでいる。


入工中のモハ102-1032

仮に共用品であればモハ102形1000番代(ミツK8F-2)のC19形ブレーキ制御装置も脱落する可能性が高まる。
第一次整備ではC19形ブレーキ制御装置の再現方式が確認項目から漏れてしまった。
今更ながらモハ102形1000番代の床板一式を分解し必要であれば対策へ進む事にした。
入場順はPS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行時に倣い西船橋寄のモハ102-1032からとする。
早速モハ102-1032を分解したところ予想通り台枠はモハ102形0番代用床板と同一であった。
早くもモハ102-1033,モハ102-1034,モハ102-1036の入場が予想された。


台枠裏面との接触面積が小さいC19形ブレーキ制御装置部品。

C19形ブレーキ制御装置部品はC4系ブレーキ制御装置部品よりも小形である。
一見では一体成形に見えるほどで不意に引っ掛かる確率は低いと思えた。
しかし103系0番代のC4系ブレーキ制御装置部品は嵌合精度に個体差があった。
モハ102-1032以外の取付具合が判らず103系1000番代に於いてもブレーキ制御装置部品固定化が決定する。
変更が繰り返された接着剤は木工用ボンドで一応決着したと考えていた。
その後斜め方向の入力に耐えられない車両が続出してしまい再考に迫られている。


台枠取付口からの流し込み接着剤投入に変更されたブレーキ制御装置部品固定方式。

完全固定するには溶着が図れる流し込み接着剤の投入が最も信頼出来る方法だった。
しかし103系0番代C4系ブレーキ制御装置部品の固定では床板裏面への接着剤流出を招いてしまう。
次に採用したタミヤセメント式は一定の耐久力を誇り現時点で脱落まで至った車両も発生していない。
但し塗布部を取付脚に絞ったた関係で一度ブレーキ制御装置部品の取り外しが求められる。
加えて一発で取付口に合わせられる機会は稀で作業時間が延びる弱点があった。
ミツK8F-2は8M2T編成でありモハ102形1000番代4両が施工対象に挙がるため根本から固定方式を改めた。


入工中のモハ102-606,モハ102-1033青帯車 (ツヌ328F,ミツK8F-2)。

TOMIX製103系High-Grade製品用台枠は6箇所の嵌合爪で座席部品と組み合わされている。
分解に適した構造と言えブレーキ制御装置部品の着脱よりも効率が良いと思えた。
ブレーキ制御装置部品取付口は台枠を貫通しており座席部品側からの固定が行える。
再び流し込み接着剤での溶着に変更しながらも台枠裏面の変質防止策を採った。
塗布した流し込み接着剤は微量に留め台枠取付口とブレーキ制御装置部品取付脚先端を軽く均す程度とした。
新たな固定方式は十分な強度に達しTOMIX製103系0番代High-Grade製品への水平展開も決定している。


全く成形が異なるC4形ブレーキ制御装置とC19形ブレーキ制御装置 (モハ102-606用床板,モハ102-1033用床板)。

続いてモハ102-1033(ミツK8F-2)と国鉄103系モハ102-606(ツヌ328F:Tc483)を同時入場させた。
早くも別方式でC4系ブレーキ制御装置部品を固定したTOMIX製103系0番代High-Grade製品での試行に入る。
試作車に挙がったモハ102-606は木工用ボンド固定が採用された後期施工車である。
固定方式変更に際しC4形ブレーキ制御装置の着脱が面倒に感じられ現状のまま流し込み接着剤を投入した。
木工用ボンドが流し込み接着剤の浸透を防ぐと思われたが溶着には差し障りなかったらしい。
モハ102-1032とほぼ同じ答へ至りC4系ブレーキ制御装置部品は容易に固定出来ると判った。


入工中のモハ103-1034青帯車,モハ102-1034青帯車 (ミツK8F-2)。

モハ102-1033にも同様の措置を施しモハ103-1034+モハ102-1034(ミツK8F-2)が続く。
ミツK8F-2ではもう一つ施工漏れがありモハ103-1034(動力ユニット搭載車)も入場対象に変更された。
クハ103形0番代低運転台初期形冷房車LOTでは動力ユニットと車体の嵌合が今一つ芳しくない。
そのため動力ユニットの分離が相次ぎプラ板スペーサーを追設する対策に踏み切った。
後のクハ103形0番代高運転台車LOTから若干改善が成されたものの取扱い都合で動力ユニット搭載車全てに施工している。
飛躍的に嵌合精度が高められていたモハ103-1034だったが仕様統一の観点からスペーサー追設を施す。


台枠側面へプラ板スペーサーを追設した動力ユニット (モハ102形0番代用,モハ103形1000番代用)。

動力ユニット脱落対策はモハ102形0番代での現行方式が踏襲される。
車体中央部台枠側面へ適当に裁断したt0.3mmのプラ板を貼り付けた。
走行方向の偏り防止を名目にモハ102形0番代では動力ユニットの都度振替を行っている。
モハ103-1034は振替相手が存在せず旧方式の車体内側貼付でも構わなかった。
しかし車体内側へのスペーサー追設は着脱回数に比例してプラ板が磨耗してしまう。
後年の状況変化が読み切れずモハ103-1034も動力ユニットへのプラ板スペーサー貼付に決定した。




モハ103-1034青帯車(ミツK8F-2:動力ユニット脱落対策施工)。

動力ユニットを搭載するTOMIX製モハ103形High-Grade製品はモハ103-1034が初である。
モハ103-1034での動力ユニット脱落対策施工は何処か違和感を抱くものとなった。
対象形式が変更されても側板に波打ち等は生じずプラ板スペーサー追設による影響は無い。
初出現はモハ102-1034も同様でC19形ブレーキ制御装置部品があっさりと脱落した。
C4系ブレーキ制御装置より負荷が掛かり難い形状とは言え何処で何が起きるか判らない。
早期に下したC19形ブレーキ制御装置部品固定化の判断は正解だったと思う。


入工中のモハ103-1036青帯車,モハ102-1036青帯車 (ミツK8F-2)。

モハ103-1036+モハ102-1036(ミツK8F-2)もユニット単位での入場となる。
ミツK8F-2の第二次整備は当初モハ103-1034,モハ103-1036をその対象に含めていなかった。
ところがモハ103-1036の2エンド側TNカプラーSPにて僅かな白濁現象が確認される。
リリースから間もない新製投入編成では当面対策を行わずに済むと考えていた。
これを覆す白濁現象を目の当たりにし急遽乾式による白濁対策施工が決定する。
1エンド側TNカプラーSPは黒色成形を保っていたが事前措置を採った。


予想外だったTNカプラーSPの白濁現象(モハ103-1036:2エンド側)。

モハ103-1036で白濁現象事前対策へ進んだ影響は将来TNカプラーSPの状態にばらつきを招くと考えた。
結局ミツK8F-2は編成単位でTNカプラーSPの状態を整える方向へと進む。
白濁現象事前対策施工は入場予定のあるクハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F-2)を除く6両に達した。
よってモハ103-1036+モハ102-1036以外は二度目の入場を余儀なくされている。
有効期間こそ短い乾式白濁対策だが湿式ほどの手間は掛からず新製投入車では回着整備に含めたい。
ちなみにミツK8F-2にて白濁現象が発覚した車両はモハ103-1036だけであった。


モハ102-1036青帯車(ミツK8F-2:C19形ブレーキ制御装置部品固定施工)。

最終工程はモハ102-1036(ミツK8F-2)へのC19形ブレーキ制御装置部品固定化,TNカプラーSP白濁対策施工となった。
モハ103-1034,モハ103-1036の入場は計算外だったが確認漏れや油断が原因で半ば自滅に近い。
今回の第二次整備は外観からは殆ど伺えない箇所の整備で占められた。
そのためモハ103-1032以下8両(ミツK8F-2)は殆ど代わり映えしない竣工を迎えている。
今のところ製品仕様から変更された車両は[弱冷房車]ステッカーを再現したモハ103-1033だけに留まる。
些細な箇所に目を瞑ればミツK8F-2はクハ103-1009,クハ103-1010の回着整備のみで出場可能な製品仕様だと言えよう。

モハ103-1033[ミツK8F-2] 青帯車 [弱冷房車]インレタ転写施工 (PS16R形パンタグラフ換装試行) ※TOMIX製High-Grade製品

2019-04-03 21:40:06 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
代用。

TOMIX製103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車(Tc1009:ミツK8F-2)の第二次整備を開始する。
第一次整備ではモハ103形1000番代が搭載するPS21形パンタグラフ(0291)が目に留まった。
マイクロエース製JR103系1000番台をTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)に換装した関係上外観差が気になった。


JR103系1000番代モハ103-1032 青帯車(ミツK8F-2)。
※TOMIX製High-Grade製品。

現在マイクロエース製JR103系1000番台ミツK6F(Tc1204),ミツK8F-1(Tc1009),ミツK9F(Tc1203)の3編成体制である。
TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの換装はマイクロエース製PS16系パンタグラフの剛性不足を端緒とする。
先ず103系1200番代モハ103-1210,モハ103-1211,モハ103-1212,モハ103-1214青帯未更新車(ミツK6F)で取付方式を試行した。
その後接着固定への信頼度が確認され301系を含めたマイクロエース製PS16系パンタグラフを一掃した。
当時PS21形パンタグラフはまだリリースされておらずPS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)一択であった。
しかし真打ちの登場と言う意外な方向へと進み形態差異に不安を抱く展開まで発展している。


入工中のモハ103-1032(ミツK8F-2)。

TOMIX製モハ103形1000番代High-Grade製品はPS21形パンタグラフ搭載のままで全く不満は無い。
ただマイクロエース製モハ103形1000番台でTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフを採用済だった。
そこでTOMIX製モハ103形1000番代にもPS16R(PS21)形パンタグラフを搭載させたくなった。
丁度予備品があったためPS21形パンタグラフ搭載車との比較を行いどの様な印象差が現れるか確認する。
同時に増備予定のマイクロエース製103系1200番代ミツK7F(Tc1205)への対応も検討する。
結果次第ではマイクロエース製301系,103系1000番台まで影響を及ぼしかねない試行となった。


台枠形状が異なるパンタグラフ (PS21形,PS16R(PS21)形)。

モハ103-1032(ミツK8F-2:2号車)を換装試験車としさっそくPS21形パンタグラフを取り外す。
TOMIX製103系High-Grade製品用屋根板は2エンド側妻板部嵌合爪さえ解ければ取り外せる。
なお予め車体内側からの押し出しに支障する貫通幌は撤去した。
4脚嵌合式のPS21形パンタグラフは屋根板裏面より慎重に押し出している。
今回用意したPS16R(PS21)形パンタグラフはミツK7F用に準備したものである。
継続採用となれば予定通りミツK7Fへ充当するためこちらも丁寧に取り扱った。


PS16R(PS21)形パンタグラフに換装されたモハ103-1032 (ミツK8F-2:モハ103-1033,モハ103-1032)。

類似形態のPS21形パンタグラフとPS16R(PS21)形パンタグラフだがパンタグラフ台枠に差異が見受けられる。
特に取付脚を兼ねる碍子付近は大幅に成形が異なっており各々は別物だと思わされた。
ただ平置きの状態ではPS16R形パンタグラフが括弧付でPS21形とされた理由も判る気がする。
PS21形パンタグラフが容易く撤去できたのとは対照的にPS16R(PS21)形パンタグラフの挿入は固かった。
パンタグラフ台に取付脚が隠れる状態まで持ち込むまでに思いの外時間を要している。
両者の取付脚間隔に違いは無いと思われ慎重に取り扱い過ぎただけだと思う。




モハ103-1032+モハ102-1032 (ミツK8F-2:PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行)。


モハ103-1032+モハ102-1032 (ミツK8F-1:TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装編成)。
※マイクロエース製。

俯瞰からPS16R(PS21)形パンタグラフに交換されたモハ103-1032モハ103-1033(ミツK8F-2)を見比べた。
主枠,スライダー部品が共用のせいか碍子周り以外に違いは殆ど感じられない。
しかし側面見附ではパンタグラフ台枠の位置が高く変わり特有の雰囲気が崩れたように映った。
この要因はパンタグラフ台再現が取付脚と屋根板双方に存在するためだと判明した。
一方TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフを搭載するモハ103-1032(ミツK8F-1)との違和感は得られなかった。
パンタグラフ台枠はモハ103-1032(ミツK8F-2)とほぼ同一高に見える。
マイクロエース製モハ103形1000番台はパンタグラフ台嵩が低く上手い具合に全高差を吸収してくれたらしい。
PS21形パンタグラフ(0291)に変更すると返って屋根板との位置関係が狂うと思われた。
従ってミツK7FはTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの換装が確定している。


機器配置が異なるモハ103-450,モハ103-1032 (ツヌ328F,ミツK8F-2)。
※TOMIX製High-Grade製品。

在籍するTOMIX製103系0番代High-Grade製品は脱落が目立ったC4系ブレーキ制御装置の固定を完了させた。
この工程が抜け落ちていたモハ103-1032(ミツK8F-2)だが組み立て直前に思い出した。
103系1000番代のブレーキ制御装置はC19形,C20形へ変更されており形状も異なっている。
台枠裏面を確認したところどうやらモハ103形1000番代のC19形ブレーキ制御装置は一体成形らしかった。
その他の床下機器も動く気配は感じられなかったが後々で対策を採る展開は面倒である。
そこで床板一式を分解し別部品が取り付けられていないか確認した。


全面一体成形だった床下機器 (モハ103形0番代用台枠,モハ103形1000番代用台枠)。

比較のためTOMIX製国鉄103系High-Grade製品モハ103-450(ツヌ328F:Tc483)も同時に分解する。
モハ103形0番代用台枠はバリエーション展開に備える名目でブレーキ制御装置を別部品化したと思われる。
これに対しモハ103形1000番代用台枠は全てが一体で型抜きされていた。
モハ103形1000番代は自然通風式抵抗器が特徴で共用可能な番代区分はモハ103形1200番代のみに限られる。
TOMIX製103系1200番代High-Grade製品がリリースされるか未知数だが敢えて別部品を用いる意味は無かったと予想される。
結局モハ103-1032(ミツK8F-2←モハ103-1032:ミツK8F-2)には何も手を加えず製品原形に戻した。


入工中のモハ103-1210青帯未更新車,モハ103-1033青帯車 (ミツK6F,ミツK8F-2)。
※マイクロエース製,TOMIX製High-Grade製品。

モハ103-1032(ミツK8F-2)での収穫はミツK7FのTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装決定だけとなった。
珍しく作業時間に余裕が生まれ第一次整備で課題に挙がった[弱冷房車]ステッカー再現を検討する。
後期仕様のミツK8F-2ではモハ103-1033(4号車)に[弱冷房車]インレタを転写した方が相応しく思える。
しかし手持ちのインレタからはJR形式用[弱冷房車]ステッカーが消滅してしまった。
そこでモハ103-1033(ミツK8F-2)への[弱冷房車]ステッカー再現が先決事案に持ち上がった。
余り[弱冷房車]ステッカーには拘っておらず再現されている事実を最優先とした。


JR仕様ではない[弱冷房車]ステッカーインレタ:ジオマトリックス製。

モハ103-1033(ミツK8F-2)のインレタ転写位置参照車両はマイクロエース製モハ103-1210(ミツK6F)とした。
7両編成時代のモハ103-1202(旧ミツK9F:Tc1201)を種車とするモハ103-1210には[弱冷房車]ステッカーが印刷されている。
[弱冷房車]ステッカーには大形,小形の2種類が存在したがこの際構っていられない。
とにかくモハ103-1210の雰囲気に近付けられれば合格点とする。
物理的にJR仕様の[弱冷房車]ステッカーインレタが無く大手私鉄仕様で代用するしかない。
幸い使用先が見当たらなかったジオマトリックス製[弱冷房車]ステッカーインレタが残っていた。
これをモハ103-1033に起用し急場を凌ぐ作戦としたがインレタの経年が高く転写は難航する。
片側に当たる4枚を失いながらもどうにか8扉幕板部への[弱冷房車]ステッカーインレタ転写を終えた。




モハ103-1033青帯車(ミツK8F-2:[弱冷房車]ステッカーインレタ転写施工)。
※TOMIX製High-Grade製品。


103系1200番代モハ103-1210青帯未更新車(ミツK6F:[弱冷房車]ステッカー印刷再現車)。
※マイクロエース製。


モハ103-1033青帯車(ミツK8F-1:[弱冷房車]ステッカー未再現車)。
※マイクロエース製。

モハ103-1210の[弱冷房車]ステッカー印刷は大形,小形何れにも取れる寸法だった。
竣工したモハ103-1033(ミツK8F-2←モハ103-1033:ミツK8F-2)も悪くなく見える。
仔細に見れば明らかに実車とは異なるがモハ103-1210の印刷再現も味方してくれた。
少なくとも幕板青帯が各扉毎に途切れる弱冷房車らしさは演出できたと思う。
なお今更ながらマイクロエース製モハ103-1033(ミツK8F-1)も[弱冷房車]ステッカー再現が無いと気付いた。
現在ミツK8F-1はクハ103-1009,クハ103-1010の荒廃が進んでおり休車状態にある。
車両更新さえ行えれば復帰が可能でありミツK8F-1独自の差別点としたい。


モハ103-1033+モハ102-1033 (ミツK8F-2:4号車+5号車)。

モハ103-1032(ミツK8F-2)へのPS16R(PS21)形パンタグラフ換装試行から大幅に外れた地点でこの日の作業を終えた。
十分に余裕があった作業時間は[弱冷房車]ステッカーインレタの転写で全て使い切った。
約40分を要してモハ103-1033(ミツK8F-2)の竣工へと辿り着いたが更なる項目も浮上している。
C19形ブレーキ制御装置はモハ102形1000番代にも搭載されており台枠構造の確認が必要となった。
台枠はモハ102形0番代用共用品と予想されるためモハ103形1000番代のように都合良く進まないと思う。

JR103系1000番代三鷹電車区K8F [Tc1009] 青帯車 後期仕様 回着 (信号炎管取付施工) ※TOMIX製High-Grade製品

2019-04-02 21:56:36 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
競合。

先日リリースされたTOMIX製103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車(Tc1009)が回着した。
製品はLED式運行番号表示器に改造された後期仕様がプロトタイプである。
なおミツK8F黄帯車(Tc1009)も同時リリースされたが離合編成の少なさが課題に挙がったため見送りとした。


JR103系1000番代ミツK8F 青帯車。
[ミツK8F]:[Tc1009]-[M1032]-[M'1032]-[M1033]-[M1034]-[M'1034]-[M1036]-[M'1036]-[Tc1010]。
※TOMIX製High-Grade製品。

TOMIX製103系1000番代High-Grade製品は先に青緑帯車仕様,青緑1号仕様がリリースされた。
ミツK8Fは松戸区からの転属編成であり然程間を置かずに発売告知が成されると思われた。
予想よりも遅れたが読みは当たり青帯車仕様(ミツK8F→ミツK8F-2:Tc1009)の導入が実現した。
外観はTOMIX製103系0番代High-Grade製品と同じく繊細さが感じられる。
在籍中の103系1000番台はマイクロエース製の独壇場だったせいか余計にそう思わせるのかもしれない。
印象把握は秀逸ながら黒色印刷のワイパー再現だけは非常に残念である。


入工中のクハ103-1009(ミツK8F)。

全車印刷済の車両番号標記はインレタ転写が不得手だけに助かった。
他形式ではリリース当時1編成しか在籍しなかった製品にインレタ再現を採用した例がある。
正式告知まで油断できなかったが無用な手間を省く好判断をしてくれた。
基本的な付属品は103系0番代High-Grade製品と同じくアンテナ部品,排障器部品の2種類である。
運行番号,行先方向幕部品はミツK8F専用だが行先表示が4種類しかないため少々物足りなく映った。
構成は[西船橋]幕,[快速 西船橋]幕,[三鷹]幕,[快速 三鷹]幕で[ ○○]幕は皆無だった。
せめて[中野]幕,[快速 中野]幕,[津田沼]幕,[快速 津田沼]幕くらいは含めてほしかった。


やはり安定性に欠ける前面窓セル。

第一次整備施工対象車はクハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F)に限定した。
先ずホース付ジャンパ栓納め取付が必要なクハ103-1009を入場させた。
貫通扉下部両脇付近に足掛けがあるクハ103形1000番台はクハ103形0番代よりもジャンパ栓納め位置が低い。
TOMIX製クモハ103形,クハ103形High-Grade製品ではジャンパ栓納め部品固定化が標準化している。
だがクハ103-1009のジャンパ栓納め部品取付口は基本形状を維持しながらも車体裾部が欠き取られていた。
従って流し込み接着剤の使用には向かない構造であり新たな固定方法を検討する必要が生じた。


切り欠きを有するジャンパ栓納め部品取付口。

かつてTOMIX製品運転台付車両では信号炎管取付工程が大いなる壁になっていた。
専用取付治具の取り扱いに悪戦苦闘し毎回1本以上を失う有り様だった。
近年の竣工車では取付治具に小細工を施す紛失防止策が定着した。
その方法は安直で先ず取付治具先端に裁断したマスキングテープを貼り付ける。
次にニードルで設けたマスキングテープの小孔へ信号炎管を差し込む。
天地逆転が可能となった後に屋根板取付口と信号炎管脚を合わせ挿入する。
今や成功率は格段に向上しておりクハ103-1009(ミツK8F)でも失敗無く終えられた。




クハ103-1009 [05K 津田沼]:信号炎管,ジャンパ栓納め,運行番号表示,行先方向幕部品取付施工。

プリズムケースを取り外した序でに信号炎管を流し込み接着剤で溶着した。
そのままホース付ジャンパ栓納め部品を取り付けし嵌合精度確認に移る。
車体裾方向に切り欠きのある取付口が不安を抱せたが思いの外ぐらつきは生じなかった。
相変わらずホース付ジャンパ栓納め部品は全てが成形色でシャンパホースを黒色化しなければならない。
ただB形防護無線アンテナ取付口を開孔する際に再分解が必要であり塗り潰しは第二次整備項目とした。
なおクハ103-1009(ミツK8F)のジャンパ栓納め部品固定にはゴム系接着剤を採用する方向である。


クハ103-1009 点灯試験[05K 津田沼]:前照灯(LED式運行番号表示器車)。

クハ103形0番代High-Grade製品では運行番号,行先方向幕部品の安定性を欠く個体が多数見受けられる。
プリズムケース位置が関係すると考えているが未だ決定的な打開策は見い出せていない。
当然クハ103-1009(ミツK8F)も気掛かりだったが意外にも運行番号幕,行先方向幕部品は未装着だった。
そのため暫定的に[05K 津田沼]表示とし枕木方向のずれが発生しないか確認してみた。
なお[05K]表示は既存のマイクロエース製103系1000番台編成との重複を避けた確定項目である。
[快速 西船橋]幕,[快速 三鷹]幕に絞った行先表示だが決めきれずクハ103形0番代用[津田沼]幕を一時使用した。


JR103系1000番代クハ103-1009青帯車(ミツK8F-2)。

運行番号表示器,行先方向幕部品動揺対策として組み立てる際にプリズムケースを前面妻板へ密着させた。
その効果か[05K]表示,[津田沼]幕とも程良い嵌合具合を見せ枕木方向の緩みも防げた。
但し建て付けが今ひとつの前面窓セルまでクハ103形0番代High-Grade製品を踏襲してしまったらしい。
前面窓セル固定は必須であり運転台側TR62非動力台車への排障器取付と共に第二次整備で実施する。
第一次整備を終えたクハ103-1009(ミツK8F-2ミツK8F)は何処か締まりに欠ける。
今後ジャンパホース黒色化と排障器装着が完了すれば印象は大きく変化すると思う。


入工中のクハ103-1010(ミツK8F)。

クハ103形1000番代は片栓構造であり奇数向車しかジャンパ栓納めを持たない。
従ってクハ103-1010(ミツK8F)はクハ103形500番代に通ずる工程となった。
数少ないユーザー取付部品の信号炎管はクハ103-1009(ミツK8F-2)に続き予備品を起用した。
何時の間にかTOMIX製信号炎管は予備品が増加しており今回ミツK8F用も温存出来た。
マスキングテープ断面の粘着力に着目した取付方法が理想的な展開を呼び込んだと思う。
なお分解を見送った関係上溶着が省かれており第二次整備入場まで慎重な取り扱いが求められる。




クハ103-1010 [05K 津田沼]:信号炎管,運行番号表示,行先方向幕取付施工。

クハ103-1009(ミツK8F-2)とは異なり製品仕様のまま運行番号,行先方向幕部品を装着する。
製品付属のLED式[05K]表示は車体と面一になる直前で一旦停止した。
その後奥まで押し込む二段階の手応えで表示器内にしっかりと嵌まってくれた。
他方停止しなかったクハ103形0番代用[津田沼]幕も精度に不満は見られない。
後はクハ103形1000番代用行先方向幕部品が同程度の嵌合具合を示すかに懸かる。


クハ103-1010 点灯試験[05K 津田沼]:尾灯(LED式運行番号表示器車)。

ミツK8F-2(←ミツK8F)はTOMIX製103系High-Grade製品初のLED式運行番号表示器編成となる。
点灯機構の基本構造はクハ103形0番代初期形冷房改造車から変更されていない。
LED式運行番号表示器の再現は部品への印刷が全てだったが綺麗に[05K]表示が浮かび上がった。
その視認性は実車を凌ぐ程であり十分に満足感が得られる点灯試験結果となった。
漆黒を保つ運転台側TNカプラーSPだが一般流通品(0336)と変わらないと思われる。
何れは白粉塗れになると予想されるため久し振りの湿式白濁対策を行う予定である。


クハ103-1010青帯車(ミツK8F-2)。

そしてモハ103-1032以下8両(ミツK8F-2ミツK8F)のうち入場が必要な車両を確認した。
マイクロエース製301系,103系1000番台は全編成のTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装を終えている。
ミツK8Fには正真正銘のPS21形パンタグラフ(0291)が搭載されており外観差の元になる気がした。
予備品にはTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)が4台ある。
一度PS16R(PS21)形パンタグラフに置き換えその様子を見てみたい。
またモハ103-1033(4号車)には[弱冷房車]ステッカーが印刷されていないと判った。
製品付属品に[弱冷房車]インレタは含まれておらずどの様に対処すべきか検討する。


モハ103-1034青帯車(ミツK8F-2:動力ユニット搭載車)。

初めは気付かなかったがミツK8Fではモハ103-1034(6号車)に動力ユニット搭載車に指定されていた。
TOMIX製103系は旧製品以来モハ102形への動力ユニット搭載が通例であった。
些細な箇所であるが今までの慣例を破る大きな変更点だと思う。
変更が早ければ床下機器が埋没するモハ102形非冷房車動力ユニット搭載車の登場を防げただけに勿体なく思える。
モハ103形動力ユニット搭載車が以後のの標準となるか103系1000番代だけの採用に留まるかは判らない。
更にまだリリースされていないクハ103形0番代低運転台量産冷房車へ影響を及ぼすか気になるところである。




ミツK8F-2 (第一次整備完了)。


ミツK8F-1。
※マイクロエース製。

ミツK8F-2の第二次整備はクハ103-1009,クハ103-1010を除き試験要素を含むものとなる。
手持ちのTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフはマイクロエース製103系1200番代ミツK7F(Tc1205)導入に向けた備えである。
よって恐らくPS21形パンタグラフ(0291)の継続搭載に至ると思われるが比較だけは行う。
最大の課題はマイクロエース製103系1000番代ミツK8F後期仕様(ミツK8F:Tc1009→ミツK8F-1)の取り扱いである。
現状ミツK8F-1はミツK8F-2とプロトタイプが完全に被る上に側面窓セル窓サッシ印刷の老朽化が著しい。
窓サッシ印刷が極端に劣化した原因はメーカーエラーと言っても過言ではない側面窓セルの撓みにある。
中でもクハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F-2)は症状が酷いためミツK8F-2でミツK8F-1を代替するかもしれない。

JR103系1200番代三鷹電車区K6F [Tc1204] 青帯未更新車 (側面窓セル窓サッシ印刷補修完了,ライト基板通電不良改善施工)

2018-09-29 21:48:21 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
落着。

2社混結のJR103系1200番代ミツK6F青帯未更新車(Tc1204)が再出場した。
入場前は窓サッシ印刷劣化に改番時の仕上げ不足が加わり大幅に状態が悪化していた。
マイクロエース製モハ103-1211+モハ102-1208以降から改修名義に格上げされ面目を新たにしている。




JR103系1200番代ミツK6F 青帯未更新車。
ミツK6F:Tc1204-M1211-M'1208-M1210-M'1207-T430-M1214-M'1210-M1212-M'c1204
※イメージ編成:全車非ユニット窓。
◆車体改修完了。

交通営団東西線直通用の国鉄形式は1966年から製造された301系8編成が運用に就いていた。
301系は103系を基本にアルミ車体,空気バネ台車が採用され東西線5000系へ倣う6M1Tで登場している。
そのため偶数向運転台付車のクモハ300形が興された。
東西線西船橋延伸開業を間近に控えた1971年を前に国鉄形式の増強が図られる。
しかし301系は製造コストが高く1969年度落成車を持って打ち切りとなった。
代わりに登場したのが103系1200番代である。
車体は同時期に登場した103系1000番代と殆ど変わらない。
但しATC-3形を搭載する関係で乗務員室扉直後の戸袋窓が復活し僅かな差が生じた。
また形式構成は301系を踏襲したため初のクモハ102形が現れた。
投入は1970年,1972年,1978年の3次に渡ったが一族35両の少数番代区分となった。
1972年製造車以降は側面窓がユニット窓へ変更された。
JR移行時に[JNR]のコーポレートマークが消去されクモハ102形1200番代,クハ103形1200番代の側面へJRマークが転写される。
登場以来大きな動きの見られなかった103系1200番代は1989年から帯色が黄色5号から青22号に変更され印象が変わった。
時期を同じくして電動発電器給電によるAU712冷房機搭載改造が行われる。
電動式行先表示器化も並行したため[地下鉄経由]表示を持つ旧行先方向幕は消滅した。
1991年には東西線全編成10両編成化の波を受け103系1200番代も組成変更が実施された。
10両編成化は1972年以降の製造車を中心とし浦和区から転入したサハ103-429,サハ103-430を組み入れた8M2T編成となる。
◆旧ミツK9F:Tc1201-M1201-M'1201-M1202-M'1202-M1203-M'c1201。
◆旧ミツK11F:Tc1203-M1207-M'1205-M1208-M'1206-M1209-M'c1203。
◆旧ミツK12F:Tc1204-M1210-M’1207-M1211-M'1208-M1212-M'c1204。
◆旧ミツK13F:Tc1205-M1213-M'1209-M1214-M'1210-M1215-M’c1205。

◆ミツK6F:Tc1204-M1211-M'1208-M1210-M'1207-T430-M1214-M'1210-M1212-M'c1204。
◆ミツK7F:Tc1205-M1202-M'1202-M1207-M'1205-T429-M1213-M'1209-M1215-M'c1205。
◆ミツK9F:Tc1203-M1208-M'1206-M1209-M'c1203。
半端となったミツK9Fは5両編成とされ専ら301系ミツK10Fとの混結や検査入場代走に充てられる。
この際松戸区より103系1000番代を借入れ予備編成を確保した。
返却は103系1200番代旧ミツK9F,旧ミツK10Fで行われ三鷹区所属車の総勢23両に縮小される。
なお103系1000番代は正式に三鷹区へ配属となりミツK8Fの編成番号が与えられ欠番を埋めた。
その後ミツK6Fは車両更新工事施工対象から外れたものの外観の小変更が繰り返される。
小刻みにLED式運行番号表示器化,快速表示器撤去,前面窓黒Hゴム支持化等が施された。
廃車は5両単位で行われサハ103-430から中野寄が2003年2月,残るクハ103-1204以下5両は2003年4月であった。
この2003年2月から4月にかけてはミツK9Fを併結し5-5編成で運用に当たった。
三鷹区103系1200番代は松戸区転出車に比べ最後まで変化に富んだ動きを見せたと言えよう。


旧ミツK6F (LED式運行番号表示器編成)。

行先表示類整備直後のミツK6Fは中期仕様と言えるLED式運行番号表示器編成だった。
快速表示器は撤去済だが前面窓は灰Hゴム支持のままである。
この当時は確定要素に乏しく後の幕式表示器化へ踏み切る要因の1つになった。
後日資料でこの仕様を確認でき誤りは無かった。
改番時に幕式運行番号表示器編成へ繰り上げられる。
しかし種車の大半がマイクロエース製103系1200番代旧ミツK9F(7両編成)のため非ユニット窓を持つ。
WIN製サハ103-430もサハ103形0番代初期形冷房改造車がプロトタイプでありイメージ編成からは抜け出せていない。
入場前の記録は2015年1月当時で改修後と変わりないように映る。
約3年9箇月の間に大幅な老朽化を進行させてしまったがそれなりに巻き戻せたと思う。


サハ103-430(車体改修施工車)。
※WIN製。

ミツK6Fの改修入場で最初に入場させたのはWIN製サハ103-430だった。
これまで4次に渡る外観向上策を施してきたが第5次入場では経年対策も追加した。
油性ペイントマーカーで部分補修された窓サッシは応急感が丸出しであった。
新たに窓サッシ印刷の劣化が発覚し油性メタリックマーカーで塗り直しを行っている。
雑に固定された屋根板も修正を図り整備性を確保した。
屋根板に関してはWIN製特有の歪みが若干生じており何処かで振替えを要すると思われる。
ただこの点は良いヒントを頂戴したためKATO製屋根板を代替起用する方向で考えている。
メーカーが異なるため外観差は手の施しようがない。
せめて屋根上見附程度は統一したいところである。


モハ102-1207+サハ103-430 (マイクロエース製+WIN製:TNカプラーSP装着車+TNカプラーSP装着車)。

マイクロエース製103系1200番代ミツK9F(Tc1203),301系ミツK10F(Tc6)との混結,併結対応は存置された。
引き続きモハ102-1207+サハ103-430の連結部はTNカプラーSPが使用される。
両車の白濁したTNカプラーSPは歯ブラシを用いる乾式清掃へと変更になった。
9個所中1個所だけにTNカプラーSPが起用されており湿式清掃の採用には至っていない。
モハ102-1210にて試行した貫通幌固定は結局全車に波及した。
爪嵌合部品へゴム系接着剤による1点止めを追加しただけの簡易的な措置である。
収納ウレタンとの接触に耐えられるか見当がつかない。
取り敢えずミツK6Fを試験編成とし今後の展開を考えたい。


モハ103-1212+クモハ102-1204 (貫通幌固定試行)。

ミツK6FはTOMIX製PS21形パンタグラフ換装試験編成でもあった。
モハ103-1211,モハ103-1210,モハ103-1214,モハ103-1212の取付試行方式は何れも異なる。
屋根板への加工を抑え気味にしたモハ103-1211,モハ103-1210はしっかりとした強度を示し試作当時のまま竣工させた。
唯一固定にゴム系接着剤を使用していたモハ103-1212も流し込み接着剤へ変更され標準化が図られる。
肝心のモハ103-1214ではTOMIX製PS21形パンタグラフが脱落する憂き目に遭った。
モハ103形1000番台で基準となった取付方式が足許から揺らいだと思わされた。
流し込み接着剤の再投入で安定感を取り返し事無きを得ている。
ミツK6Fでは3種のパンタグラフ取付方式が混在する。
但し外観は同一であり一見では判らないと思う。


クハ103-1204,クモハ102-1204 (KATO製クハ103形用ダミーカプラー装着車)。

長年苦しめられてきたクモハ102-1204,クハ103-1204で生じる前尾灯の点灯不具合は台枠が原因だった。
現在は片栓構造に整形したKATO製クハ103形用ダミーカプラーを取り付けている。
その前はTNカプラーを使用していたが台枠との相性が悪くゴム系接着剤が併用された。
恐らくTNカプラーの撤去時に導電板まで変形させるほど力が加えられたと推測する。
ライトスイッチ機能の温存も図ったせいか余計に接触状態を悪くさせたらしい。
運転台側台枠を上方向に偏位させる強引な手法ではあった。
その代わり前尾灯の安定点灯が実現に至り入場を抑止する要因は解消されている。


ミツK9F,ミツK6F (車両更新工事施工車,未更新車)。

ミツK6FとミツK9Fの導入時期は全く同じだった。
独特の見附を持つミツK9FはミツK6Fを軽く凌ぐ入場回数に達する。
それにも関わらず側面窓セルの窓サッシ印刷劣化は目を覆う状態ではない。
何故ミツK6Fの印刷劣化進行が早まったのか不明である。
今一つ腑に落ちないがミツK9Fの改修は5両編成も味方し順調に進められると思う。
在籍する103系1000番台で最も劣化が進んでいたのは103系1000番代ミツK8F青帯車(Tc1009)であった。
導入当初から側面窓セルの歪みを抱えており未だに修正の目処が立っていない。
更にTOMIX製103系1000番代ミツK8F青帯車(Tc1009)の導入が決定しプロトタイプ重複が確実になった。
改修はプロトタイプ変更と同時に行う方針である。
特にクハ103-1009,クハ103-1010(ミツK8F)は部品交換が欠かせない状態であり種車が確保できるまで入場は先送りとなる。




ミツK6Fサイドビュー(クハ103-1204:側面窓セル窓サッシ印刷補修施工車)。

1-3位側の窓サッシは9割方が油性メタリックマーカー再現へと変更された。
試行中の修繕方式ながら拡大採用が進みミツK6Fでは補修施工車が上回った。
しかも全面塗布が主軸となりこれまでとは規模が異なる。
窓サッシモールドの幅に助けられた面もあった。
それを差し引いても老朽化の影は十分に抑えられたと思う。
改修が完了したミツK6Fは最悪の状況から脱せた。
クモハ102-1204,クハ103-1204の取扱いが足を引っ張ってきたが今入場で制限は無くなった。
再び悲惨な状態に陥る事態は免れるだろう。

クハ103-1204[ミツK6F] 青帯未更新車 側面窓セル窓サッシ印刷補修施工 ※尾灯用プリズム屈曲補修施工車

2018-09-28 21:45:03 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
解明。

2社混結で組成されるJR103系1200番代ミツK6F(Tc1204)青帯未更新車の改修はマイクロエース製クハ103-1204が最終入場車となる。
クモハ102-1204(ミツK6F)は尾灯用プリズム折損まで至らせたがクハ103-1204は一歩手前で止まった。
一応車体に収まるよう修正を図ったがライトユニットは今一つ収まりが悪いままである。


JR103系1200番代クハ103-1204 青帯未更新車(ミツK6F)。
※非ユニット窓。

ライトケースの安定を欠いてしまいクハ103-1204も前尾灯がちらつく症状に悩まされる。
尾灯用プリズムは車体への固定が施されておらずクモハ102-1204より修正に手間取った。
幕式運行番号表示器化までは入出場が多かったがそれ以降は床板の取り外しさえ抵抗を抱くようになる。
その後はJR103系1000番代ミツK8F(Tc1009),103系1200番代ミツK9F(Tc1203)への細工が相次ぎクハ103-1204の入場が途絶えている。
根本症状は異なるがミツK6Fの入場を妨げる要因でもあった。


入工中のクハ103-1204。

クモハ102-1204の改修でマイクロエース製クハ103形1000番台のライトユニットは分解不要と判明した。
まだ原形に近い尾灯用プリズムを持つクハ103-1204ならば本来の撤去方式が通用すると思える。
早速尾灯用プリズムを取り外さずにライトユニットの撤去へと取り掛かった。
導光部の位置都合が絡み屈曲させた尾灯用プリズムはクモハ102-1204と同じ運転台側である。
先に屋根板を撤去し運転台側尾灯部に余計な負荷が掛からないよう天地両方向を支えながらライトユニットを引き抜く。


上下一体で押し出せたライトユニット。

運転台側尾灯部の強度が落ちているため少しずつ前面から離す。
途中で妙な引っ掛かり感があったもののほぼ同時に6箇所の嵌合が解けた。
前照灯用プリズムと表示器用プリズムの分離はその気配すら感じられなかった。
改めて分解をせずともライトユニットが着脱出来るとの確認が行えている。
但し撤去した途端に車体しか支持部を持たない尾灯用プリズムが落下してしまった。
クハ103-1204も全て一体化を施した方が有利に思えた。
一度現物合わせを行った後に方向性を定める。


分解されたクハ103-1204。

妻面窓セルの撤去はクモハ102-1204に引き続き捻りを加え車体から分離している。
クハ103形1200番代には側面行先表示器が設置されているため妻面窓セルはモハ102-1210(ミツK6F)以降の手順を踏襲した。
側面窓セル窓サッシの印刷状況は両側に各症状が現れるクモハ102-1204並であった。
乗務員室扉窓サッシは生き残っていたが側面全段が補修対象に挙がった結果塗り潰しが決定する。
103系1200番代では窓サッシ印刷と油性メタリックマーカーの相性が良く部分補修に留める必要は無かったかもしれない。
上塗りで銀色塗料が保護される状態に等しく今後の改修入場で再検討を行う。


補修試行を施した靴摺 (1-3位側)。

クハ103-1204は窓サッシ以外に靴摺の銀色印刷も掠れていた。
車体への油性メタリックマーカー塗布は他社製品を含め施してこなかった。
靴摺モールドは比較的厚みを持ち踏み外しする事無く補修が行えそうに映る。
念のため車体内側で油性メタリックマーカーのインクが除去出来るか確認した。
若干時間を要したが元に戻せると判った。
ここまでして靴摺の修正に手を着けたものの肝心な効果は余り得られていない。
窓セルと車体は材質が異なるせいか予想より銀色が目立たず劇的な改善には至らなかった。
多少車体との色温度差が増しただけに留まったためクハ103-1204以外ミツK6Fでは手を出さない。
幸いクハ103-1204の状態を下回るマイクロエース製103系1200番代は存在しておらず無理に修正する必要は無いだろう。


木工用ボンドで固定した妻面窓セル (2エンド側)。

クモハ102-1204は全窓セルが取り外せた。
しかしクハ103-1204の前面窓セルは溶着されており脱落する気配すら感じられない。
入場前は上側ライトケース庇部に取り付けた快速表示器を前面窓セルへ移設する計画もあった。
これは成形都合から設置個所が無く断念に追い込まれる。
偶然クモハ102-1204で前面窓セルが外れたため確認が行えた。
仮に移設を行っていればクハ103-1204の工程は壁にぶち当たっていたと思う。
窓サッシ及び靴摺の補修を終え組み立てに戻る。
妻面窓セルの固定はクモハ102-1204から正式に木工用ボンドへ改められた。
一度車体に合わせた後に下側を斜めに倒しセル下部へ木工用ボンドを塗布した。
ゴム系接着剤とは違い固着までやや時間を要する。
この間にライトユニットの一体化を進めた。


一体化されたライトユニット。

ばらばらになったクモハ102-1204とは対照的にクハ103-1204のライトユニットは原形を維持している。
ライトケース後部の固定兼遮光用テープも劣化していなかった。
一応各々の分離に注意を払い下側ライトケース下部へゴム系接着剤を塗布する。
変形を抱える尾灯用プリズムだが再修正は折損に繋がりかねず手を施さず接着した。
屈曲修正部には蒸着処理の剥離が伺える。
入場前の時点で点灯照度低下は感じられなかったため補修当時の痕跡を残したままとなった。
同時に快速表示器を垂直へ戻し前面窓セルへの近接度を向上させている。
更に予めライト基板集電脚の角度を起こし台枠導電板との接触を高める対策を打った。
これで多少は安定点灯に近付くと思えたが結果はクモハ102-1204と同様の調整を迫られている。


ライトユニットの位置調整を待つクハ103-1204。

一体化を図ったライトユニットだが尾灯用プリズムは先端が揃わないままである。
そのため挿入は尾灯側を重視した。
先に運転台側尾灯取付孔へ先端を僅かに差し込み助士側取付孔を合わせる。
この位置を保ち前照灯用プリズム,表示器用プリズムが車体と揃う角度までライトユニットを起こす。
車体とライトユニットは大凡平行に至りそのまま均等間隔を維持しながら前面妻板へ密着させた。
尾灯用プリズムが原形に近いせいかクモハ102-1204に比べライトユニットの収まりは悪くないと思える。
前照灯用プリズムと表示器用プリズムの固定化も装着を容易にしてくれた。
後は床板の着脱を繰り返しつつ安定点灯を取り戻すだけになる。


クハ103-1204:[01K □ 中野]:快速表示器角度修正施工。

ライトユニットの位置調整はクモハ102-1204並に時間を割かれた。
台枠導電板やライト基板集電脚の研磨まで施したが結果には結び付かずに終わっている。
やはり前尾灯のちらつきは接触不良が原因だと思われた。
そこで台枠前端を導電板ごと持ち上げたところ症状が改善された。
全ては不良個所を抱えるライトユニットに問題があると考えていたが違っていた模様である。
この後敢えてライトユニットの位置を動かし床板を組み合わせる嵌合試験を続けざまに行った。
それでも不安定点灯は再発しない。
入場を憚らせていたライトユニットの撤去に続き前尾灯点灯改善対策まで見出せた。
予想だにしない展開であり今までの取扱いが無意味だったとも思わされている。


クハ103-1204 点灯試験[01K □ 中野]:前照灯(通電不良改善施工)。


クハ103-1204 点灯試験[01K □ 中野]:尾灯(通電不良改善施工)。


クモハ102-1204 点灯比較[01K □ 中野]:前照灯(尾灯用プリズム折損車)。

クモハ102-1204では不安を抱えたまま点灯試験に突入した。
しかしクハ103-1204は根本原因を把握できた直後だけに不具合が生じないものと確信があった。
想定通りに静態時,動態時とも安定した点灯を見せる。
追ってクモハ102-1204も運転台側台枠の矯正を行い将来的な問題を一蹴した。
なお前照灯点灯時に於ける尾灯への漏光はクハ103-1204が本来の仕様である。
両側点灯が気になるように見えるが実際には殆ど判らない。
ゴム系接着剤で導光強化を図ったクモハ102-1204の運転台側尾灯では遮られる光量しかなく気にする程ではないと思う。




クハ103-1204(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

クハ103-1204の竣工によりミツK6Fは全車改修が完了した。
難航すると思われたクモハ102-1204,クハ103-1204の分解だったが無事に切り抜けられた。
尾灯用プリズム折損車のクモハ102-1204が先に入場したためクハ103-1204は思いの外順調に作業を進められている。
ここは巡り合わせが幸いしたと言えよう。

老朽化が進んでいたミツK6Fは車体清掃まで施した事により大幅な状態改善に結び付いた。
遅きに失した感のある改修ではあった。
ただ下限へ達する前に入場が実現しぎりぎり間に合ってくれた。
在籍する103系1000番台は尾灯用プリズムに瑕疵を抱える車両が大半を占める。
今後は柔軟な対応が可能となったため積極的にマイクロエース製103系の改修を進める予定である。