試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形モハ3622[3648F] 現行色 8両編成 後期仕様 (動力ユニット整備,ランボード波打現象事前対策施工)

2019-03-27 21:41:01 | 京成線:3600形
熟成。

晩年仕様対応を名目にマイクロエース製京成3600形3648F現行色8両編成仕様(3648F)は動力車位置を改めた。
第一次整備にて動力ユニットをモハ3646(5号車)からモハ3622(3号車)へ換装している。
そのモハ3622は工程都合により3648Fの第二次整備最終入場車となった。


京成3600モハ3622 現行色 8両編成仕様(3648F)。

3648Fの第二次整備はM1車系を集中入場させランボード波打現象事前対策を施す計画だった。
モハ3622もその中に含まれたが先発したモハ3646,モハ3642現行色後期仕様(3648F)の作業が延びてしまった。
動力ユニット整備が控えるモハ3622は最終施工車に廻された関係で未入場のまま終わる。
第三次整備まで予定していたモハ3622だったがランボード波打現象事前対策と動力ユニット整備を並行させる。
京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F),新京成N800形N848F現行色(4次車:N848F)では動力台車の純正グリス除去に手を焼いた。
煽りを受けた新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)は第二次整備開始まで一旦間を設けた程である。


入工中のモハ3622。

3608F,新京成N800形N838F,N848FとLOTが近い3648Fも動力ユニットの状態に期待は寄せられなかった。
従って所要時間は長くなると読みクハ3648,クハ3641(3648F)を先に竣工させている。
モハ3622の主工程は2項目に分かれるが当然の如く動力ユニット整備を作業後半へ廻した。
先ずランボード波打現象事前対策とパンタグラフ踏板固定化から取り掛かる。
既に対策を終えたモハ3646,モハ3642の車体内側ランボード取付口は5箇所とも全てが貫通していた。
ところがモハ3622はモハ3606,モハ3602(3608F)と同じく4箇所しか確認出来なかった。


僅かに形状だけが伺えたパンタグラフ取付口。

当該部はモハ3606,モハ3602(3608F)と同様の側面行先表示器左側に位置する1脚である。
但し僅かな凸部が存在しており爪楊枝での取付口捜索は不要だった。
車体内側に直接ニードルを当てランボード取付脚先端を露出させる。
モハ3622,モハ3606,モハ3602:東急車輌製,モハ3646,モハ3642:日本車輌製であり処理差は今LOTの癖かもしれない。
ランボードはモハ3642で採用した全脚を一旦屋根板から浮かせる方式を採った。
整形した取付口以外は製品原形のまま流し込み接着剤を投入している。
一方パンタグラフ踏板は端部が屋根板に接していない状態だったため全てを撤去した。


分解した動力ユニット。

3脚嵌合式のパンタグラフ踏板は中央取付脚だけが軽く溶着されているのみに等しかった。
この仕様が端部の浮き上がりを引き起こしたと思われる。
中央を除いた両端2箇所は線路方向へ拡大し取付脚が受け入れられる猶予を設けた。
敷設後は再発の気配も感じられず十分に溶着が行えたと思う。
車体関連項目は若干予定を上回る約20分程で完了したが誤差の範囲内と言えた。
ここからは長期戦が予想される動力ユニットの整備へと取り掛かる。


予防措置に近い導電板研磨とモーター軸受部清掃。

早速ユニットカバーを撤去すると思いの外程度の良い導電板が目に入った。
真鍮独特の輝きこそ見られないが酸化や指紋等は一切無く京成新3000形3002-7中期仕様(1次車:3002F)に匹敵する。
よってラプロス#4000は浅掛けとしクリーナーによる拭き上げを行うだけで導電板研磨を終えた。
入場前の走行試験では整備が不要と思わせるほどの快調さを示している。
それを裏打ちするかの様にモーター軸受部も綺麗な状態を保っていた。
念のためクリーナーを浸した極細綿棒を当てたが全く汚れは付着しなかった。


苦戦すると思われたFS-513動力台車の純正グリス除去。

導電板は短時間で輝きを取り戻しモーター軸受も特別な措置が不要だった。
そのためFS-513動力台車の純正グリス除去は予定より早く開始となる。
台枠から撤去したFS-513動力台車は上野寄,成田寄共に純正グリスでギアボックス内が埋め尽くされていた。
モハ3606(3602F),新京成N800形モハN837,モハN847での苦闘が頭に浮かぶ。
ただ2018年12月の回着から約3箇月が経過したせいか純正グリスは粘度が高いように感じられた。
試しに爪楊枝で掬い取るとギアボックス内部の純正グリスは大半を取り除けてしまった。


白塊が消え去ったFS-513動力台車(上野寄)。

モハ3606,モハN837,モハN847では純正グリスの粘度が低く爪楊枝は虚しく通過するだけだった。
その結果ギアボックス及びギア類の脱脂に大幅な時間を要している。
取り敢えずモハ3622のFS-513動力台車はギアボックス清掃が簡略化される見通しとなった。
外観上純正グリスが激減したように見えるFS-513動力台車だがその内部は当てに出来ない。
覚悟してカプラーポケットを撤去しギアボックスと台車枠の分離に着手する。
ところがここでも良い意味で予想を裏切る結果が待ち受けていた。


内部への侵入が殆ど無かった純正グリス(成田寄)。

純正グリスで煌めく箇所は動軸ギア及びギアボックスの3ギアが主であった。
ロアフレームも僅かな油脂付着が見られるだけで非常に状態が良い。
スパイラルギアは山がはっきりと確認出来る上にスパイラルギアカバーも薄い膜状の純正グリスで覆われているだけだった。
この状況であればクリーナープールを持ち出す必要は無く手作業での清掃に変更している。
モハ3622の動力ユニット整備は高経年車へ施した性能回復入場に近い工程となった。
動軸ギアはクリーナーを漬けた極細綿棒と爪楊枝でギア谷に残る純正グリスを除去した。


脱脂されたFS-513動力台車(上野寄)。

3ギアには少量のクリーナーを落とし2本の歯ブラシを使い分けて脱脂を行っている。
ギアボックス裏面は凹形成形部に少量の純正グリス溜まりがあっただけで瞬時に清掃を終えられた。
この時点でパンタグラフ踏板の全撤去で奪われた時間を取り戻せた。
余りに順調に進み過ぎ不安を抱く程であったが組み立てたFS-513動力台車の車輪は淀みなく回転する。
摺動抵抗は全く感じられず最低でも入場前の状態を維持出来たとの手応えを得た。
なお各ギア類には何時も通り微量のタミヤ製グリスを塗布している。


全工程が完了したモハ3622。

脱脂を終えたFS-513動力台車とユニットカバーを装着し試験走行を行った。
普段であれば何かしらの改善点が見い出せるところモハ3622は全く変化が無かった。
起動電流や加速度は動力ユニット整備施工車と変わりなく十分に性能を発揮出来ていると思われる。
どうやらモハ3622に装備されていた動力ユニットは当たりだったらしい。
FS-513動力台車の純正グリスは大量だったが各部への侵出までには至らなかった。
モハ3622(モハ3646)の走行機会は回着直後と入場直前の2回に限られておりこれも作用した可能性があると思う。




モハ3622現行色後期仕様(3648F:動力ユニット整備,ランボード波打現象事前対策,パンタグラフ踏板固定施工)。


モハ3646(3648F:ランボード波打現象事前対策,パンタグラフ踏板固定施工車)。

第二次整備に2工程を集約したモハ3622現行色後期仕様(3648F)が竣工した。
所要時間は約60分でモハ3606(3608F),モハN837,モハN847よりも大幅な短縮が実現している。
全てはFS-513動力台車の脱脂工程が作業進捗に影響を与えたと言えよう。
3648Fは約3箇月に渡る入場抑止が純正グリスの変質を呼んだかもしれない。
結果的に好成績を収められたが回着編成は出来るだけ早く出場させる方向である。
モハ3622での措置は例外と言え今後導入予定のマイクロエース製品は苦戦するだろう。

京成3600形クハ3641[3648F] 現行色 8両編成 後期仕様 (床板湾曲・誘導無線アンテナ嵌合修正,種別表示器交換施工)

2019-03-26 21:43:41 | 京成線:3600形
完全解決。

マイクロエース製京成3600形3648F現行色8両編成仕様(3648F)の第二次整備順は途中で変更された。
M1車系はモハ3646,モハ3642現行色後期仕様(3648F)のランボード波打現象事前対策を施した時点で打ち切りとなる。
動力ユニット搭載車へ改められたモハ3622の整備は先送りとしクハ3648,クハ3641の入場へと切り替えた。


京成3600形クハ3641 現行色 8両編成仕様(3648F)。

クハ3648(3648F)はマイクロエース製京成新3000形Mc2車と同一方法で運転台側台枠の矯正に成功した。
TNカプラーSPが運転台側に向けて傾斜しているクハ3641(3648F)も同様の対処とする。
ウエイトの変形が傾斜を招いていると予想され当初から山側ウエイトに疑いを掛けた。
思いの外クハ3648の修正が上手く行ったためクハ3641も即修正を終えられると考えていた。
しかし予想通りに事は進まず車体関連項目への着手は遅れている。
入場前に気付いた箇所はTNカプラーSP両側の空間が均等になっていない事だった。


入工中のクハ3641。

クハ3648では床板組立時に座席部品と台枠の嵌合猶予が大きいと判明した。
TNカプラーSPの偏位は運転台側台枠が山側へずれている証と言える。
よってクハ3641は分解に取り掛かる前から座席部品との噛み合わせが狂っていると掴めた。
床板を分解したところ案の定山側のウエイトが集電スプリング接触部を起点に床下側へ屈曲していた。
ところが台枠に直線状へ戻したウエイトを乗せても安定性に欠ける状態が続く。
2018年12月の回着から整備保留が続いた影響からか運転台側台枠も変形してしまったらしい。


嵌合に注意を払った座席部品と台枠。

運転台側台枠の下垂もウエイト変形に類似した通電スプリング欠き取り部が起点になっていた。
よって山側ウエイトの整形だけではTNカプラーSPの傾斜を抑えられない。
強引な手法であるが運転台側台枠付近を反時計回り方向に捻り水平へ復している。
この後前照灯用プリズム及び種別表示器用プリズムを座席部品に固定する。
嵌合猶予の都合から台枠にTNカプラーSPを取り付け座席部品と床板が揃うよう組み立てた。
目安はTNカプラーSP連結器部品と種別表示器用プリズムの中央とした。


撤去された誘導無線アンテナと開孔を行った取付口。

その結果運転台側で見られた座席部品と台枠の隙間は完全に押さえ込めた。
TNカプラーSPの両側から見える座席部品も左右等間隔であり問題ないと思われる。
修正後のクハ3648用床板と同じくこの時点でTNカプラーSPは傾斜が廃された。
やや遅れて車体関連項目に着手したがクハ3641は送信用,受信用防護無線アンテナ共にぐらついていた。
車体内側の防護無線アンテナ取付口は焼き潰し処理に近くその痕跡が伺える程度である。
先ず判り難い防護無線アンテナ取付脚端部をニードルで探り当てる。


復旧した誘導無線アンテナ及び貫通扉窓セル。

そして押し上げた誘導無線アンテナを引き抜き取付口の整形へ取り掛かる。
取付口は原形を留めておらず車体内側からニードルで丸形に修正した。
誘導無線アンテナ台が接しなくなる危険性を考慮し屋根上側には手を加えていない。
従って都合6箇所の取付口はテーパーが設けられた形状となった。
再設置に当たり誘導無線アンテナは流し込み接着剤にて溶着するためテーパー取付口で正解だったと思う。
流し込み接着剤は誘導無線アンテナ取付脚の溶着とプラスチック溶解名目で二度投入した。
送信用誘導無線アンテナ直下には行先表示器用プリズムが位置する関係から取付口の埋め込みは入念に施している。


[上野]:マイクロエース製3300形用ステッカー。

貫通扉窓セルは種別表示器窓部を切り落とし下端1点止めにて車体へ復した。
なおクハ3641では貫通扉窓セル下側の代へ凹形にゴム系接着剤を塗布する新方式とした。
上下2点止めでも貫通扉窓セルが脱落する事例に見舞われており塗布面積の拡大を図っている。
クハ3648で大形化した富士川車輌工業製LED式運行番号表示ステッカーは前面見附への影響が無く正式採用される。
前面窓セルとの余裕も十分確保されておりプリズムケースの組み込みには支障しない。
種別幕ステッカーは富士川車輌工業製としたが行先方向幕ステッカーだけはマイクロエース製となる。




クハ3641 [A11 特急 上野]:床板湾曲・防護無線アンテナ嵌合修正,種別表示器交換,運行番号・行先方向幕ステッカー貼付施工。


3300形モハ3344 [S1K 特急 成田]:3344F-3(色地[特急]種別幕表示車)。

行先方向幕ステッカーには3300形現行色6両編成仕様(3320F)LOTを起用した。
2012年4月の製品だけに仔細に見ると青地幕の再現は甘くドットが目立つ。
ただその色温度は3648F付属ステッカーより実車に近く感じられ継続採用している。
富士川車輌工業製色地[特急]種別幕ステッカーは3648Fで初登場となった。
色地[特急]種別幕は腰板赤帯への埋没を嫌いモハ3344現行色特急成田山号仕様(3344F-3)以外起用してこなかった。
しかし種別表示器のプラ板再現化が奏功し意外にも陰影のある前面見附に至ったと思う。
ちなみにモハ3344(3344F-3)の色地[特急]種別幕は実車画像を基にした自作品でありクハ3641とは全くの別物である。


クハ3641 点灯試験[A11 特急 上野]:前照灯(種別表示器交換,行先表示器用プリズム青色化施工)。



クハ3641 点灯試験[A11 特急 上野]:尾灯(種別表示器交換,行先表示器用プリズム青色化施工)。


クハ3648 点灯比較[A11 特急 上野]:3648F(種別表示器交換,行先表示器用プリズム青色化施工車)。

台枠矯正は二度目の成功を収め下廻りで気になっていた箇所も消滅した。
但し3648Fは3600形用SPフレームTNダミーカプラーへの交換が控える。
SPフレームTNダミーカプラーは他編成からの発生品を充てる予定だが剛性が低下している。
一応TNカプラーSPカバーは一体化されるもののフレームの変形に注意を払いたい。
点灯試験では運行番号表示ステッカーが若干上方向にずれていたと判った。
よって僅かな漏光が確認されたが実際には気付かない程度であり修正は行っていない。




クハ3641現行色後期仕様(3648F:床板湾曲・防護無線アンテナ嵌合修正,側面行先表示器基準幕化施工)。

全工程を終えクハ3641現行色後期仕様(3648F)が竣工した。
第一次整備で引っ掛かったクハ3648,クハ3641の床板湾曲は新3000形系列での施工例が活きたと言える。
増備の都度修正に迫られる事態は御免だが将来的な不安を払拭できたと思う。
クハ3648,クハ3641が竣工し3648Fの未入場車は動力ユニット整備を行うモハ3622のみとなった。
作業自体は過去の延長線上にあるものの純正グリス除去が立ちはだかる。
先にランボード波打現象事前対策を施した後に動力ユニットの整備へ着手する予定である。

京成3600形クハ3648[3648F] 現行色 8両編成 後期仕様 (床板湾曲修正,種別表示器交換,側面行先表示器基準幕化施工)

2019-03-25 21:55:48 | 京成線:3600形
光明。

主工程以外に時間が割かれマイクロエース製京成3600形3648F現行色8両編成仕様(3648F)は第二次整備から躓いた。
未入場で残されたモハ3622(3648F)は手間こそ要するものの動力ユニット整備の所要時間が読めた。
そこで入場予定を改め床板湾曲が確認されたクハ3648,クハ3641の第二次整備を先行する。


京成3600形クハ3648 現行色 8両編成仕様(3648F)。

現在クハ3648,クハ3641(3648F)の前面見附は交換したTNカプラーSPに傾きが見られる。
同一LOTの3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)では感じ取れない症状だった。
台枠は座席部品との平行が保たれておらず助士側から運転台側に向けて下方向へ傾斜している。
類似の現象はマイクロエース製新3000形系列でお馴染みだが3600形系列では初となった。
床板一式を分解し座席部品,ウエイト,台枠各々の歪みを矯正する方法にて新3000形系列は解消に結び付けた。
この方式が通じるか未知数であるがクハ3648を床板矯正試行車として入場させる。


入工中のクハ3648。

先ず台枠傾斜の解消から取り掛かり上手く行けば車体関連項目へ移行する工程とした。
3600形の前照灯用プリズム及び種別表示器用プリズムは脱落し易い傾向があると思う。
両プリズムの溶着は在籍する3600形系列全編成に施してきた。
座席部品には取付口が設けられており裏面から流し込み接着剤を投入するだけの簡便な措置に過ぎない。
よって床板の分解に併せ前照灯用プリズム,種別表示器用プリズム固定化も並行する。
締結ビスを解くと座席部品と台枠は車体中央付近の嵌合爪だけで保持される状態になる。
剛性が低い台枠の嵌合爪受変形に注意し座席部品を取り外した。


各対策を終えた座席部品とウエイト。

台枠を傾斜させた主要因は床板の分解早々に答へと辿り着く。
山側ウエイトが凹形に湾曲しており助士側座席部品を押し上げていると判明した。
何時もの通り本棚の下へ挟み込み重力任せで直線状へ戻す。
前照灯用プリズム,種別表示器用プリズムを座席部品に固定し早くも組み立てへ移った。
ただ座席部品と台枠は嵌合猶予が大きくビス締結時に山側,海側の張り出しが均等になるよう配慮した。
クハ3608,クハ3601(3608F)では全く気にせず床板の組み立てが行えている。
まだクハ3641が未入場のため何とも言えないが嵌合猶予は単なる個体差かもしれない。


傾斜が治まったTNカプラーSP。

組み上げた床板へTNカプラーSPを取り付けたところ傾きは完全に解消されていた。
取り敢えず3600形系列も新3000形系列と同一方式により床板湾曲を押さえ込めるらしい。
クハ3641でも解消へ至れば今後の編成増強時に於ける不安を払拭出来ると思う。
想定より早く床板矯正を終えられたためこのまま車体関連の整備へ突入した。
海側側面窓セルは2pcs式でプリズムケースの撤去だけであれば乗務員室部を外すのみで構わない。
しかし側面行先表示器の基準幕化が車体内側から施工出来ず全て取り外している。


妻面窓セルを残して撤去した側面窓セル。

3600形の側面窓セルはマイクロエース製品で定番化した妻面窓セルで支持される構造を持つ。
そのため初期導入編成では妻面窓セルの先行撤去が欠かせない工程になっていた。
後に妻面窓セルは取り外さず側面窓セルを車体対角線上から運転台側へ引き抜く方式に変更した。
クハ3648も流し込み接着剤が投入された形跡が無く撤去方式の変更と相俟って無難に側面窓セル撤去を終えた。
本来脱落するはずのプリズムケースは防護無線アンテナ取付脚溶着部に融着しておりプラスチックドライバーにて取り外した。
なお側面行先表示器の塗り潰しはセル内側だけに施しモハ3622以下6両と揃えている。


復旧させた貫通扉窓セル。

種別表示器窓と一体成形された貫通扉窓セルは各々に分割し貫通扉窓セルのみの流用とする。
糊代が狭くなった貫通扉窓セルはゴム系接着剤による上下2点止めを採用した。
貫通扉窓セルの復旧は3600形系列で唯一工法が定まっておらず下部1点止め採用車も在籍する。
両方式とも一長一短を有し絞り込みに苦慮しているが編成数の増加もありそろそろ一本化を図りたい。
幌座把手付近に銀色塗料が行き渡っていない状態はクハ3648,クハ3641共通である。
残念な箇所ではあるものの無理な修正は命取りになりかねないため取り止めとなった。


切り出し寸法を拡大した富士川車輌工業製運行番号表示ステッカー。

プリズムケースには富士川車輌工業製運行番号表示ステッカーを貼付する。
3648Fは3608Fの幕式と異なりLED式運行番号表示器仕様となる。
全編成がLED式運行番号表示器編成だった1stLOT製品では運行番号表示器モールドを活かすべくステッカーの上下左右を詰めた。
しかし運行番号表示器点灯部とステッカーの位置調整に難航する。
更に黒色化したステッカー断面からインクが染み込み視認性が劣る車両まで出現した。
作業効率も悪くクハ3648からは運行番号表示ステッカーの切り出し寸法を二周り大きくしている。
運行番号表示器モールドの代わりは富士川車輌工業製ステッカーに再現されている表示器枠が務める。


ゴム系接着剤固定とした海側側面窓セル乗務員室部。

プリズムケースと前面窓の距離は離れ気味でありモールド再現を放棄しても差し支えないと考えた。
全体を大形化した事により運行番号表示ステッカーは点灯部と合わせ易くなる。
光源を都度当てながら全桁点灯に達する位置へ移動させるだけでステッカー貼付を終えられた。
従来の寸法では微調整に時間を要し第二次整備を遅らせる大きな原因と化していた。
LED式運行番号表示編成の設定変更に二の足を踏む要素でもあったが大幅な改善が図れた。
行先表示器用プリズムは減光対策を兼ね先端を青マッキーで塗り潰している。


プラ板に交換した種別表示器。

運行番号表示ステッカーを貼付したプリズムケースを車内に滑り込ませ側面窓セルの取り付けに移った。
山側側面窓セルは1pcs式で妻面窓セルの支持だけでも車体と嵌合してくれる。
一方海側側面窓セルは2pcs式のため乗務員室部に限りゴム系接着剤で固定した。
今後プリズムケース取り外しを行う際には海側側面窓セル乗務員室部の単独撤去で対応可能となる。
種別表示器は窓セル再現から富士川車輌工業製種別表示ステッカーを貼付したプラ板へと交換された。
プラ板はマイクロエース製京成3300形以来続くt0.5mmを継続採用している。




クハ3648 [A11 特急 上野]:床板矯正,種別表示器交換,運行番号・行先方向幕ステッカー貼付施工。


クハ3608 [B15 普通 千葉中央]:3608F(幕式運行番号表示器車)。

床板を嵌合させる前に行先方向幕ステッカーを貼付する。
3600形系列には所要数が不足した3608F以外マイクロエース製3300形現行色6両編成仕様(3320F)付属ステッカーが用いられている。
3648Fはモハ3622へ動力ユニットを移設した関係で上り方面行が確定していた。
8両編成と6両編成を両立する手段はTOMYTEC製3500形3532F+3544F更新車後期仕様(3532F-2)に倣う。
よって選択肢は少なくほぼ一択で行先表示が決定した。
組み上げられたクハ3648からはTNカプラーSPの傾斜が失せ落ち着きを取り戻したように見える。
3608Fとは帯色に加え幕式運行番号表示器と黒色成形TNカプラーSPの違いがあり雰囲気は全く異なる。


クハ3648 点灯試験[A11 特急 上野]:前照灯(種別表示器交換,行先表示器用プリズム青色化施工)。


クハ3648 点灯試験[A11 特急 上野]:尾灯(種別表示器交換,行先表示器用プリズム青色化施工)。


クハ3618 点灯比較[A01 快速 高砂]:3618F-2(ライトユニット遮光テープ未貼付車)。

LED式運行番号表示ステッカーは寸法変更の影響も無く想定通りの仕上がりに達したと思う。
但し運行番号表示器モールドと同様にステッカー再現の表示器枠は殆どその存在が伺えない。
従って既存のLED式運行番号表示器編成との差異には繋がらず全く問題無いと言って良いだろう。
ちなみにクハ3608(3608F)では十時形に貼付されていたライトユニットへの遮光テープ新設は横方向だけで留まっていた。
これはクハ3641も同一でクハ3601(3608F)での前尾灯漏光対策は少々先走ってしまったらしい。
また1stLOT品と比べても点灯状態は変わらないように見え横方向の遮光テープも実効性に疑念を抱いている。




クハ3648現行色後期仕様(3648F:床板湾曲修正,側面行先表示器基準幕化施工)。

床板傾斜の補正に不安を抱えながらクハ3648の第二次整備へ取り掛かった。
しかし壁に当たる事なく全工程が進められクハ3648現行色後期仕様の竣工を迎えた。
側面見附は行先表示器の基準幕化が主な変更点でやや拍子抜けした感がある。
仮に床板矯正規模が大きければ車体裾と床下機器の位置関係も変わっていたと思われる。
まだクハ3641の入場が控えているとは言え一つの解決策を見出せたのは収穫だった。
原則的にクハ3648と同一工程を採るクハ3641の第二次整備に向け弾みをつけられたと思う。

京成3600形モハ3646,モハ3642[3648F] 現行色 8両編成 後期仕様 (ランボード波打現象事前対策施工)

2019-03-24 22:39:14 | 京成線:3600形
外的要因。

プロトタイプが決定したマイクロエース製京成3600形3648F現行色8両編成仕様(3648F)の第一次整備が完了した。
M2車であるモハ3623,モハ3647,モハ3643は既に3648F現行色後期仕様(3648F)として竣工している。
第二次整備はランボード波打現象事前対策を施すモハ3622,モハ3646,モハ3642(3648F)より開始となった。


京成3600形モハ3646 現行色 8両編成仕様(3648F)。

マイクロエース製京成3600形系列は5編成の陣容で3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)以外が実質的な1stLOT製品と言える。
1stLOT製品のうち3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を除く3本が8両編成を組む。
3600形M1車系は別部品が採用された海側ランボードが立体的に見え好ましく映った。
しかしランボードは5脚嵌合式であり11脚中半数を越える6脚が屋根板と接触しているだけだった。
溶着されているはずの嵌合脚は経年と共にずれが生じランボードの波打現象を招く。
そのため各編成の3600形M1車系を集中入場させ波打現象解消対策へと進む。
なお中間車化改造車を含む3668F-1だけはランボード敷設車が存在せずこの対策から外れた。


入工中のモハ3646。

2018年12月に出場した3608Fでは第二次整備工程にランボード波打現象事前対策が組み込まれる。
施工車はモハ3606,モハ3602の2両だけだったが両車とも1箇所だけ車体内側の取付口が見当たらなかった。
そこでモハ3652現行色中期仕様(3658F)と比較しながら取付口裏面を探り当てた。
爪楊枝で凹状の目安を設けニードルにて取付脚が伺える状態へと持ち込んでいる。
流し込み接着剤で5脚とも屋根板と溶着させ将来的な波打現象発症を防ぐ手段とした。
製品仕様により完全な平行には達していないが現状より悪化する事態には陥らないと思われる。


全て貫通していた車体内側取付口。

3648Fは3608Fと同一LOTであり車体内側の開孔作業は避けられないと考えていた。
入場は動力ユニット整備へ進むかもしれないモハ3622を最終施工車とした代わりにモハ3646が先発となった。
早速車体内側の取付口数を確認したところランボード取付脚数と合致する5箇所が覗かせていた。
ひとまずモハ3646では開孔作業が回避されランボードの固定化へ移行する。
先に波打現象事前対策を施したモハ3606,モハ3602(3608F)ではランボードの撤去が見送られた。
原形でも若干の波打が見られる以上深追いはせず作業簡略化を優先した結果でもある。


案の定固定化されたパンタグラフ踏板(成田寄)。

製品固有のランボード波打をどこまで抑えられるかまだ確認出来ていなかった。
そこでモハ3646にてランボードの一時撤去を行い完全解消が図れるか試行する。
ランボード取付脚は車体内側から押し出すだけで簡単に取り外せる程度の固定具合だった。
やはりマイクロエース製品は流し込み接着剤の使用を控える方向に向いているらしい。
ただランボード撤去時に誤ってパンタグラフ踏板取付脚を押し込んでしまった。
パンタグラフ踏板も殆ど溶着されていない状態に近くランボードと同時に固定化を図る。


限定的に取り外された成田寄妻面窓セル(山側)。

ランボードは波打現象対策施工車に倣い車体中央取付脚から両側へ向け装着を進めた。
上野寄,成田寄の各4脚はランボードを妻面側に引きながら流し込み接着剤を投入している。
この方法は張力の均等化を目論んだものでパンタグラフ踏板でも踏襲した。
パンタグラフ踏板及びランボードを復旧させた後に車体で気になった箇所の修正へ取り掛かった。
最も目立った部位は成田寄山側端部の側面窓で見られた銀色塗料の撥ねである。
車体内側への塗料付着と判り成田寄妻面窓セルだけを取り外し修正に当たった。




モハ3646現行色後期仕様(3648F:ランボード波打現象事前対策,パンタグラフ踏板固定施工)。

マイクロエース製品の印刷剥離の大半は爪楊枝式が採用されそれなりに結果を残してきた。
モハ3646の塗料撥ねも爪楊枝式としたが車体と側面窓セルでは勝手が異なった。
横方向に走っていた銀色塗料撥ねはその形状を残す擦過痕へと変わってしまった。
白濁箇所が目立つ側面窓のまま放置できず消しゴムと磨きクロスにて修復を図っている。
竣工したモハ3646現行色後期仕様(3648F)だがランボード一時撤去まで行ったほどの効果は殆ど感じられない。
波打を抑えるにはランボード脚の等長化が必要と言え現在の技量では実現困難である。


モハ3643+モハ3646 (3648F:山側)。

よって一時撤去を挟んでのランボード波打現象事前対策施工はモハ3646限りで打ち止めとなった。
ただ手を加えたせいか多少は改善された様に思え製品の嵌合を弛める姿勢だけは以後も引き継がれる。
擦過痕が激しかった山側成田寄端部側面窓は仔細に見るとその痕跡が伺える。
狭幅側面窓とセル裏面の凹形成形が重なり思うように消しゴムを当てられなかった。
30分以上に渡り傷との格闘を続け何とか編成見附へ影響を及ぼさない状態には戻せたと思う。
ランボード,パンタグラフ踏板の固定までは順調だったが飛んだメーカーエラーに足を引っ張られている。


入工中のモハ3642現行色(3648F)。

雲行きが怪しくなったM1車系の整備だがランボード波打現象事前対策施工そのものは然程時間を要さない。
モハ3642で崩れかけた態勢を立て直し最終施工車のモハ3622へ移る予定だった。
ところがモハ3642でも主工程以外の作業が加わってしまい計画が大幅に狂う。
入場前に気付いた箇所はまたしても側面窓セルへの銀色塗料付着であった。
当該部は成田寄海側側扉窓のため再び妻面窓セルを取り外さなければならない。
更に腰板赤帯印刷の剥離までも散見されこの日の作業はモハ3646,モハ3642にて打ち切りが決定した。


車体から浮かせた全ランボード取付脚。

モハ3646とは異なる部位の側面窓セル銀色塗料除去にどの程度時間を要するか全く掴めなかった。
ただ展開によっては早めに仕上げられる可能性が考えられパンタグラフ踏板固定も工程へ組み込まれる。
ランボードは撤去を取り止めた代わりに嵌合脚全てを屋根板からずらしている。
そして車体中央取付口裏面を僅かに拡大し流し込み接着剤浸透量の増大を図る。
取付口にテーパーを設ける事で原形取付位置保持と溶着力向上の両立を狙った。
固定方法はモハ3646から変更せず車体中央取付脚を固定した後に上野寄,成田寄へ向かっている。




赤マッキーで埋没させた腰板赤帯印刷剥離部(山側)。

パンタグラフ踏板の固定具合はモハ3646を下回っていた。
全4枚とも中央の取付脚が溶着されているのみで両端は差し込み対応であった。
正式工程化は考えていなかったがモハ3642にて心変わりする。
入場が見送られたモハ3622は当初からランボードとパンタグラフ踏板の固定を工程に組み入れる。
ここまでの作業は狙い通りに進み車体各部の補修へ移行する。
先ず手間を要すると考えた成田寄海側側扉窓の銀色塗料剥離から取り掛かった。
銀色塗料は側扉窓セル表面への付着だったものの車体と挟まれる狭隘な場所に位置していた。
そのため成田寄妻面窓セルを撤去し塗料除去に当たる。




モハ3642現行色後期仕様(3648F:ランボード波打現象事前対策,パンタグラフ踏板固定,側扉窓セル修正施工)。

幸い側扉窓セル断面への付着に留まっており先端を鋭角化した爪楊枝で剥離が行えた。
側扉窓への影響も見られず施工痕は見られない仕上がりとなった。
一方腰板赤帯印刷の修正は山側各所で次々と発覚した。
最も剥離が酷かった成田寄山側側扉部を含め全て赤マッキーで塗り潰している。
多少の色温度差は車体の銀色印刷が露出するよりもましであり見切られた。
京成形式での赤帯補修は赤マッキーを基本としているため今に始まった事ではない。
従って3648Fだけが異端となる事態には至らず十分な隠蔽策を採れたと思う。

モハ3642現行色後期仕様(3648F)も予定時間を大幅に超過して竣工まで辿り附いた。
ランボード波打現象事前対策は一定の答を得られた一方で各部のメーカーエラーを発見する切っ掛けにもなっている。
3648Fの出場前に気付けたのは良かったがモハ3623,モハ3647,モハ3643も再確認が必要となった。
たまたまモハ3646,モハ3642だけが外れだった模様で運は味方しなかったと考えるしかない。

京成3600形3648F 現行色 8両編成仕様 回着 (カプラー交換,動力ユニット搭載車変更施工) ※後期仕様種車

2019-03-23 21:38:57 | 京成線:3600形
熟慮。

マイクロエース製京成3600形3648F現行色8両編成仕様(3648F)の第一次整備は保留されていた。
同時回着した3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)は2018年12月に出場している。
プロトタイプ選定が整備開始遅延の要因であったがようやく方向性が定まり入場が決定した。


京成3600形3648F 現行色 8両編成仕様。
3648F:3648+3623-3622+3647-3646-3643-3642-3641。

京成形式では千葉線系統,本線系統双方とも現行仕様の増強が課題に挙がり続けている。
現行仕様が在籍しないマイクロエース製3600形は3648Fの回着を機に行先表示類を見直す予定だった。
先ず3658F中期仕様(3658F)の[快特 (東成田)芝山]表示を芝山3600形3618F後期仕様(3618F-1)へ転用する。
そして3618F-1から捻出された[快速 高砂]表示は3648Fへ廻し3658Fを現行仕様に改める計画まで立てている。
だが今後3600形は廃車が進行する確率が高く現行仕様の維持は厳しくなると考えた。
行先表示類変更計画は撤回となり3648Fを色地種別幕編成の後期仕様に仕立てる方向へと進む。


入工中のモハ3622,モハ3646 (3648F)。

3648Fの第一次整備では動力ユニット搭載車もKATOカプラーへの交換を行う。
従来は動力ユニット整備の都合上第二次整備時に併せKATOカプラー化を施してきた。
実車の最晩年はモハ3647+モハ3646が脱車され6両編成で運用に就いていた。
プロトタイプが色地種別幕編成に定まったため後期仕様と晩年仕様の両立が視界に入った。
3600形M1車系,M2車は側面行先表示器基準幕化が第一次整備に含まれており分解が必須となる。
そこでFS-513動力台車もKATOカプラーに改めた上で動力ユニットの移設を図る。


KATOカプラー化されたFS-513非動力台車,FS-513動力台車 (モハ3642用床板,モハ3646用床板)。

整備はM1車系→M2車→Tc車の順で決まりモハ3622,モハ3646,モハ3642が先発入場となった。
マイクロエース製品はカプラーアダプターが取り外せる構造を採用し続けている。
しかし非動力車はかつてよりも車体裾とカプラーアダプターの間隔が狭められ単独撤去に向かなくなった。
一時期有効活用していたが現在は非動力台車ごと車体から分離させアダプターを台車枠に残したままカプラー交換を行っている。
KATOカプラー化はFS-513非動力台車を履くモハ3622,モハ3642を先に終わらせた。
なおモハ3642の第一次整備は青マッキーによる側面行先表示器セル裏面塗り潰しで完了となった。




モハ3622現行色(3648F:動力ユニット搭載,側面行先表示器基準幕化施工)。

FS-513動力台車はカプラーアダプターを撤去してKATOカプラー化を行った。
第二次整備で純正グリス除去を施すFS-513動力台車のカプラーアダプターは再び取り外される。
ただ着脱に労する部品ではなく動力ユニット整備を最終工程へ廻す可能性もあり再装着した。
6両編成対応化は動力ユニット搭載車をモハ3646からモハ3622へ変更し対処する。
モハ3642に動力ユニットを搭載させると編成内での動力車位置偏位が激しくなってしまう。
そのためモハ3622が動力車化の対象となったが3号車であり3648F後期仕様(3648F)は上り方面行が確定している。




モハ3646現行色(3648F:床板振替,側面行先表示器基準幕化施工)。

モハ3622に続いて非動力車用床板へ改められたモハ3646も第一次整備が完了した。
床板相互振替施工によりモハ3622,モハ3646は早くも製品仕様が崩されている。
各車ともPT-48系パンタグラフの不具合は見られず避雷器も非常に安定していた。
しかしパンタグラフ踏板と海側ランボードは相変わらずの不安定さが伺える。
3608Fと同様ランボード波打現象への事前対策は第二次整備で欠かせない項目となった。
過去には外れた車両まで出現したパンタグラフ踏板も固定化が必要かもしれない。


モハ3623+モハ3622 (3648F:非動力車+動力車)。

M2車のモハ3623,モハ3647,モハ3643は加工項目が無く第一次整備終了と同時に正式竣工を迎える。
何れも外観変化は側面行先表示器の基準幕化に限られる小規模なものとなった。
しかし在籍編成では一貫して側面行先表示器へのステッカー貼付を見送っている。
特にグリーンマックス製3400形,3700形を除く幕式表示器編成は青地幕化で京成形式らしさを強く醸し出せると思う。
第一次整備の締め括りはクハ3648とクハ3641だが側面窓セル成形が異なるため基準幕化が行えない。
運行番号表示ステッカーを内貼りするには側面窓セルとプリズムケースの撤去が必要でその際に施工する。


暫定使用される3600形用TNカプラーSP(クハ3641)。

これまでに導入した3600形系列先頭車両には3600形用SPフレームTNダミーカプラーを起用してきた。
クハ3600形は前面車体裾内側に欠き取りが無く原形のTNカプラーSPを受け入れてくれない。
ジャンパ連結器を持たないクハ3600形の特徴を逆手に取りTNカプラーSPカバーの整形にて取付可能とした。
その代わり再生品を組み合わせたSPフレームTNダミーカプラーとしTNカプラーSPの温存策にしている。
ところが他形式からのSPフレームTNダミーカプラー捻出が入場に間に合わなかった。
取り敢えず3648Fには3600形用TNカプラーSPの応急投入を図り供出までの繋ぎとする。


クハ3648 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯。


クハ3641 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯。

TNカプラーSPカバーはジャンパ連結器モールドの切り落としと全長短縮を行ったのみである。
よってSPフレームTNダミーカプラーとTNカプラーSPでの相互交換が可能で予備品数の変動は防げる。
純正ダミーカプラーを引き抜き3600形用TNカプラーSPへ交換したがクハ3648,クハ3641とも運転台側に傾きが生じた。
今までには見られなかった現象で原因を探ったところ座席部品と台枠の平行が保たれていないと判明する。
マイクロエース製品では京成新3000形系列にて多く悩まされた症状だったが3648Fで出会すとは思わなかった。
新3000形の修正は座席部品,ウエイト,台枠を組み直し対応出来たがクハ3648,クハ3641に通用するか不安である。




3648F (第一次整備完了)。

第一次整備が完了した3648Fであるが第二次整備での難航が判り切っている。
恐らくFS-513動力台車は純正グリス塗れだと予想されモハ3622の整備は長引くと読む。
更にクハ3648,クハ3641の床板組み直しが加わった事で出場は遅れると思われる。
こればかりは地道に作業を進めるしかなく一つずつ解消を図る予定である。
第二次整備はモハ3622,モハ3646,モハ3642のランボード波打現象事前対策から取り掛かる。
当初からやや波打のあるランボードは経年と共に歪みが著しくなるため丁寧な予防措置を行う。

京成3600形クハ3601[3608F] 1次車 朱帯色 後期仕様 (種別表示器交換,側面行先表示器基準幕化施工)

2018-12-26 23:13:45 | 京成線:3600形
天地。

マイクロエース製京成3600形3608F朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)はクハ3601が最終入場車となった。
クッション付テープによるライトユニット前面へのいんちき漏光対策は安定したと思われる。
施工後初の床板着脱を迎え引き続きクッション付テープが機能するかも重要確認項目に挙げられた。


京成3600形クハ3601 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

クハ3608朱帯色後期仕様(3608F)の整備では行先表示類に起用するステッカー選択で迷走した。
無事軟着陸へと至りクハ3601はクハ3608の工程に従うだけとなる。
但し各種ステッカーの残数には限りがあり油断は出来ない。
特に残り1枚しか手元にない富士川車輌工業製運行番号表示ステッカーは失敗が許されなかった。
何故かこういう時に限って派手な失策をやらかす場合が多い。
しかも特殊な切り出しが求められ嫌な予感が充満する下での第二次整備開始となった。


入工中のクハ3601。

成田寄Tc車のクハ3601は連結面側に貫通扉が設けられていない。
よって妻面窓セルはクハ3608の貫通扉窓一体成形とは異なる門形成形品が取り付けられている。
クハ3608の窓セル撤去は妻面窓セルから開始したがクハ3601では折損を招く危険性があった。
そのため既存の3600形系列での方式に遡り側面窓セルを直接取り出し妻面窓セルは存置する。
側面窓セルは海側,山側とも一体形状を保っていた。
先ず山側の側面窓セルを助士側から連結面側に向け嵌合を解く。
そして成田寄の端部を運転台側偶柱へ寄せ上野寄海側偶柱と対角線上に揃える。
連結面側を支点とし角度を起こすと妻面窓セルの抑えが自動的に外れ引き抜きへと至る。


車体に残る妻面窓セル。

海側側面窓セルはこの逆を辿るだけで構わない。
車体内側の嵌合爪を乗り越えさせるには側面窓セルを適度に湾曲させる必要があった。
クハ3608の様にS字形成形部で前後に分割されている個体は側面窓セルを撓ませ難くする。
一体形状と接着剤不使用が味方しクハ3601の側面窓セル撤去は然程時間を割かずに終えられた。
流し込み接着剤投入量はクハ3601でも少なくプリズムケースまで勝手に脱落している。
分解を要さなかったモハ3607以下4両(3608F)は未確認だが嵌合だけの側面窓セルは非常に有り難い。


先に施工した側面行先表示器基準幕化。

作業進行順はクハ3608から大幅に変更した。
とにかく運行番号表示ステッカー貼付の時間を稼ぐべく手が加えられる箇所は全て前倒しする。
クハ3608で最後を締めた側面行先表示器の基準幕化は分解直後に施工した。
続いて貫通扉窓セルの撤去,分割,復旧に取り掛かった。
貫通扉窓セルも接着剤跡が確認出来ず押し込みだけで取り外せた。
溝状のモールド部で切断し貫通扉窓下辺を黒色化する。
木工用ボンドによる固定はクハ3608への施工で強度が確認されたため正式採用となった。


単独復旧させた貫通扉窓。

既存の3600形系列ではゴム系接着剤で固定を行った。
はみ出し防止策として貫通扉窓セル下辺のみの塗布に留めたが弊害も現れた。
一部車両で脱落が発生し流し込み接着剤へ変更し対処している。
流し込み接着剤の投入は再撤去を難しくさせかねず脱落車両以外に波及していない。
1点止めのゴム系接着剤固定車はまだ多数を占めており将来的な不安を抱える。
木工用ボンドは3点止めに増強され耐性も掴めた。
入場待ちの3648F現行色8両編成仕様(3648F)を含め木工用ボンドへの切り替えが進むと思う。


僅かに底部を貫通させた誘導無線アンテナ取付孔。

クハ3601の送信用誘導無線アンテナは特にぐらつきが酷くどうしても措置を行いたかった。
試しに誘導無線アンテナを引き上げると全取付脚が浮いた。
破損無く送信用誘導無線アンテナを取り外せたが取付孔車体内側は焼き潰しが成されている。
ちょうどプリズムケースの直上に当たり焼き潰しは漏光対策だと思われた。
これを考慮しニードルで焼き潰し部に小孔を設けた。
送信用誘導無線アンテナを取り付け流し込み接着剤にて埋め込む。
取付孔を光源にかざしても漏光は一切生じなかった。
焼き潰し式と同等の効果を得たと共に送信用誘導無線アンテナは安定性が強化されている。


グリーンマックス製[千葉中央]幕,富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕に改められたクハ3601。

[千葉中央]幕はグリーンマックス製京成3150形用ステッカーが確定済である。
但し予備分を含め2枚しか残っていなかった。
切り出しは[千葉中央]表示限界まで詰める必要があるがクハ3608に揃えられる確率は低い。
ある程度の誤差には目を瞑り[千葉中央]幕か歪み無く貼付される状態を目標に据えた。
左右方向に問題無かったが天地方向は若干広すぎたらしい。
その結果ステッカーとHゴムモールドと競合する事態に陥った。
ただ[千葉中央]幕に歪みは見られずステッカースライダーで微調整を行い往なしている。


切り出しに失敗した[B15]幕:富士川車輌工業製。

富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕は唯一目安線通りに切り出せるステッカーだった。
プラ板製種別幕ベースに拠る内側掲示もマイクロエース製3300形以来から続く手慣れた工程である。
t0.6mmのプラ板へ英字無併記[普通]種別幕ステッカーを貼り付けゴム系接着剤で車体内側に固定した。
順調に進んでいた作業だったが案の定運行番号表示ステッカーの切り出しで躓く。
デザインナイフの深度が浅くなってしまい黒色印刷された幕間再現の一部を失っている。
幸い[B15]表示そのものに欠損は無く露出した白色ラベル面をマッキーで塗り潰した。


車体対角線上から差し込んだ側面窓セル(山側)。

運行番号表示器は前面窓から引き込んだ箇所に収まる。
よってステッカー幕間再現の剥離箇所及び補修箇所は陰に隠れ余り目立たないと予想された。
極細字マッキーを用いても隠し切れなかった白色ラベル面は運行番号表示器枠に掛かっていない。
点灯時の影響も殆ど無いはずでありマッキーで誤魔化した[B15]幕は取り敢えず生き残った。
これには接着剤を用いない側面窓セルが大きく寄与している。
3600形系列既存編成に比べ再分解が行い易く運行番号変更への抵抗が低められた。
全ては点灯試験の結果次第だが最後まで[B15]幕が維持される可能性に賭けた。
ひとまず行先表示類の整備に見切りを付け組み立てへ戻った。


ライトレンズに押し込まれた形状へと変わったクッション付テープ。

側面窓セルの組み込みは取り外し時と逆順を辿る。
連結面側車体偶柱と妻面窓セルの間に支持される構造でありここさえ乗り越えれば労する事は無い。
撤去直前と同じく車体対角線上に側面窓セルを据え置き上記の間へ差し込む。
後はプリズムケースの移動に注意しながら車体嵌合爪に引き掛け復旧を終えた。
最後に前尾灯いんちき漏光対策用で貼付したクッション付テープの状況を確認した。
取り外し後約90分が過ぎていたがライトレンズの位置を記憶した凹形から変わっていない。
これが理想的なのか判断に苦しむところである。
一応座席部品への接着も施工当時のまま維持されており手を加えずに車体と嵌合させた。




クハ3601 [B15 普通 千葉中央]:種別表示器交換,運行番号・行先方向幕ステッカー貼付施工。


クハ3608 [B15 普通 千葉中央]:3608F。

凹形のクッション付テープは車体への組み込みに全く影響を及ぼさなかった。
但し漏光対策試行終了後と同位置に収まっているとは限らない。
少しでも偏位すると再び漏光を招きかねずまだ安心できる状況ではなかった。
なお車体を組み立て最初に確認したのは運行番号表示器だった。
ドット抜けのような印刷剥離部が目立つか心配されたが上手く埋没したように見える。
[千葉中央]幕の出来映えは先発したクハ3608を下回る。
代用品充当の難しい面が諸に顔を出したと思う。




クハ3601 点灯試験[B15 普通 千葉中央]:前照灯(行先表示器用プリズム青色化施工,通過標識灯消灯)。


クハ3601 点灯試験[B15 普通 千葉中央]:前照灯(行先表示器用プリズム青色化施工)。


クハ3608 点灯比較[B15 普通 千葉中央]:3608F(遮光テープ増強車)。

3608Fは千葉線系統であり通過標識灯を点灯させる機会は無い。
通過標識灯スイッチをOFF位置へ廻し点灯試験を行った。
ここでも運行番号表示器の点灯具合を先に確認した。
幕間への漏光は発症せずマッキーでの塗り潰しは成功と言える。
大きく黒色印刷を失った箇所は[B15]幕の右上で前面窓セルHゴムモールドと被ってくれた。
本来運行番号表示器は白枠が全て見える位置にあるが製品仕様が[B15]幕の存置を決定付けている。
一方の前尾灯いんちき漏光対策は多少綻びが出た。
やはりクッション付テープの位置がずれた模様で入場前と点灯具合が変わってしまった。
微妙な乱反射と漏光が現れ対策の副作用が見られる。
実際の状況は記録ほど目立たず再施工するべきか悩む。




クハ3601朱帯色後期仕様(3608F:側面行先表示器基準幕化施工)。

いんちき漏光対策の考え方は間違っていないと思う。
クハ3601は予め手を打った事が副作用に繋がったと考えている。
仮に最終工程であればクッション付テープの偏位は生じなかったと思われる。
床板着脱への対応が浮き彫りとなったが対処にはクッション材質の見直しが必要だろう。
竣工したクハ3601朱帯色後期仕様(3608F)はいんちき漏光対策試作車を兼ねる。
当面はクッション付テープの調整を続け適正な位置を模索したい。


サハ3601,クハ3601 (3668F-1,3608F)。

マイクロエース製3600形は先頭車用と中間車化改造車用(3668F)で金型が作り分けられている。
これまでに貫通扉窓Hゴム再現,前面窓寸法,アンチクライマーリベット等の細々とした差異が明らかになった。
3608Fでは更に造作が変わったように感じていたがそれは帯色相違や貫通幌有無ではなく運行番号表示器白枠にあると判った。
3668Fからの流用部品かと思われたプリズムケースは種別表示器白枠の天地が拡大された改良品であった。
残念な事に変更は白枠のみでプリズム位置は変わっておらず白枠上辺と運行番号幕各桁上部は僅かな隙間さえ許さない。
これが運行番号表示器ステッカーの選択で彷徨った大きな原因だったと思う。

紆余曲折を経ながらも3608Fの第二次整備が完了した。
6両編成にしては苦戦した感が強く既存編成とのLOT差も見えない壁になった。
在籍編成では貴重な朱帯色を締めるステンレス車体形式となる。
また1980年代後半~1990年代前半のプロトタイプを埋める役割を担うため広範囲に渡る活躍が期待できるだろう。

京成3600形クハ3608[3608F] 1次車 朱帯色 後期仕様 (種別表示器交換,側面行先表示器基準幕化施工)

2018-12-25 22:34:56 | 京成線:3600形
苦渋。

KATOカプラー化まで完了したマイクロエース製京成3600形クハ3608朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)が入場を迎えた。
第二次整備の主工程は行先表示類ステッカーの貼付である。
3600形系列での幕式運行番号表示器は事実上の初登場で充当するステッカーに悩んでいた。


京成3600形クハ3608 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

既存の3600形では幕式運行番号表示器装着車が一応在籍している。
3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)の中間車化改造車4両がこれに相当する。
モハ3628,モハ3621,サハ3608,サハ3601(3668F-1)は製品仕様でプリズム類が一切組み込まれていない。
止むを得ずプリズムケース内にプラ板を追設し[■■■]表示の代わりとした。
ただこの方式は運行番号表示器のモールド厚が災いし[■■■]表示に見えてしまう弱点があった。


入工中のクハ3608。

プリズムケースの成形も3色LED式運行番号表示器装着車とは異なり桁毎に抜かれている。
3600形幕式運行番号表示器用ステッカーは手元に無く代用せざるを得ない。
候補に挙がったステッカーは製品付属品,自作品,富士川車輌工業製3500形更新車用,グリーンマックス製3150形用となった。
各々で試験貼付を行い相応しいものを選択する。
運行番号表示器の桁再現とステッカー印刷が揃うかが鍵を握る。
厚みを有する成形が故にプリズムケース内掲示は行えない。
桁単位での貼付も検討したが3桁を揃えるのは難しいと思われる。
結果次第では3600形用幕式運行番号表示器ステッカーの新規製作も避けられないと考えた。


窓セルを撤去したクハ3608。

種別表示器は既存編成に倣い車体内側再現へと改める。
また側面行先表示器基準幕化は側面窓セルの成形都合によりモハ3607以下4両(3608F)とは別方式を採る。
何れも分解後に措置を行うためこれまでの第二次整備とは一線を画す作業になった。
早速窓セルの撤去に取り掛かる。
最初に山側側面窓セルのS字形成形部が破断していると判った。
既存編成では中間車化改造車を含め様々な取付方式が採用されておりメーカーエラーかは不明である。
更にマイクロエース製品にしては珍しく妻面窓セルを除き溶着した痕跡が見られない。
思わぬ仕様変更に助けられ妻面窓セルを取り外しただけで大半の分解を終えられた。


断念した誘導無線アンテナの溶着。

側面窓セルを撤去するとプリズムケースまで脱落した。
狙いは判らないが流し込み接着剤の使用箇所が極端に減っている。
側面窓セルの溶着は分解時の注意点だったため意表を突かれた。
クハ3608並まで接着固定部を抑えてくれれば作業性が向上する。
是非ともこの仕様は継続してほしい。
その代わり誘導無線アンテナは焼き潰しに近くぐらつき対策が施せなかった。
ニードルでの開孔は誘導無線アンテナ取付脚を傷めかねず措置自体を中止している。


分割された貫通扉窓セル。

種別表示器窓部と一体成形された貫通扉窓セルは通過標識灯プリズムの撤去を要さないと今更気付いた。
貫通扉窓セルへの接着剤投入量も少なく前面より軽く押し出す程度で取り外せている。
種別表示器はプラ板ベースによる内側掲示化が決定しており分割線を境に切断した。
前面窓セル及び通過標識灯プリズムへの細工は行わないため即貫通扉窓を復旧させる。
最近はゴム系接着剤から木工用ボンドでの固定が増加傾向にある。
クハ3608もこの流れに従い下辺以外の3辺へ木工用ボンドを塗布し貫通扉窓を取り付けた。


木工用ボンドで固定した貫通扉窓セル。

接着剤代が狭い貫通扉窓セルへの木工用ボンド採用は初となった。
実績のあるゴム系接着剤とは違い安定性に不安が残る。
この後は手間を要する運行番号表示器の整備が待つ。
貫通扉窓の固着時間を稼ぎつつ不意な接触も防止する手段とした。
減光対策はひとまず定番化している行先表示器用プリズム先端の青色化のみに留めている。
そして運行番号表示器ステッカーの選択に入った。
初めて製品付属ステッカーを確認したが先に驚かされたのは行先方向幕の内容であった。
3608Fは登場時との謳い文句が掲げられている。
プロトタイプから英字無併記行先方向幕は理解できた。
しかしながら[千葉中央]幕の代わりに[千葉]幕が収録されていた。


登場時を謳う通りの内容だった製品付属ステッカー。

駅名変更は1987年4月であり実車の推移を考えると[千葉中央]幕まで外す必要は無かったと思う。
英字無併記[千葉中央]幕はマイクロエース製3300形3316F新赤電色クロスシート試作車,3200形3264F新赤電色付属品が主力だった。
採用編成が増え各1両分しか賄えない状況に陥っていた。
加えて両者は青地の色温度差があり併用が難しく3608F付属品を用いる計画だった。
まさか[千葉中央]幕が漏れるとは考えておらず行先方向幕ステッカーも選択に悩む展開となる。
取り敢えずどの運行番号表示器ステッカーが適合するか試行する。
3600形が朱帯色だった時代に該当する在籍編成は全て[BXX]台が充てられていた。
これに合致させるため3608Fも[BXX]台にしたい。
ところが製品付属ステッカーは[ 11],[51K],[ 53]幕の3種類しかなく計算が狂った。


[B15]:富士川車輌工業製ステッカー。

早くも製品付属品が対象から外され自作品での試行開始となる。
自作運行番号表示器ステッカーは3000系列用に製作したもので照射を全く考慮しない桁配置だった。
当然各桁に揃わなかった上に天地が足りず運行番号表示器の漏光を招いた。
ここで自作品も使用不能と判り富士川車輌工業製3500形更新車用ステッカーの試験へ移る。
試験貼付用の[ 49]幕を貼り付けたところぎりぎりで白枠内に収まると判った。
改めて[B15]幕を切り出し正式表示化した。
各切り出し基準は天地:運行番号幕上下,左右:幕間を目安にしている。


裏面のみ青色マッキーで塗り潰した側面行先表示器。

行先方向幕ステッカーの貼付は決め手を欠き先送りされた。
側面行先表示器の基準幕化に進み作業進捗率を高める。
モハ3607以下4両の側面窓セル行先表示器部裏面は僅かな凸面を有していた。
そのため施工は容易だったがクハ3608,クハ3601では凹面に変わる。
セル断面の塗り潰しに多少苦戦したものの車体外側からは目立たない状態に持ち込めたと思う。
なお基準幕化は側面窓セル裏面だけに施しモハ3607以下4両の見附に揃えている。


狭幅に戻した種別幕ベース。

まだ行先方向幕ステッカーは比較検討が続いており先に車体を組み立てる。
プリズムケースの支持は側面窓セルに頼っており先に装着した。
車体前後に2分割された山側側面窓セルは運転台側を先行して嵌め込んでいる。
海側,山側とも嵌合に留め車体への接着は妻面窓セルのみとした。
ここもゴム系接着剤の使用を見合わせ木工用ボンドへ切り替えた。
続けて種別表示器を追設する。
3600形系列ではプラ板の種別幕ベースを広幅に改めた。
しかしはみ出したゴム系接着剤が種別表示器再交換時に前尾灯レンズの折損を招いてしまった。
3608Fからはマイクロエース製3000系列に近い狭幅種別幕ベースに戻している。
プラ板は種別表示器の強力発光が気になりt0.6mmへ変更した。




クハ3608 [B15 普通 千葉中央]:種別表示器交換,運行番号・行先方向幕ステッカー貼付施工。

種別表示幕ベースは裁断都合により上辺が貫通扉窓セル下辺に当たる位置へと設置された。
木工用ボンドで固定した貫通扉窓セルは十分な耐性を得られた模様で浮き上がり等も生じていない。
英字無併記[普通]種別幕には当初の計画通り富士川車輌工業製ステッカーを起用した。
これはプロトタイプが合致するマイクロエース製3300形3304F新赤電色(3304F-1)に揃える名目である。
結局製品付属ステッカーは全く出番が無いまま保管品へ廻された。
散々悩んだ行先方向幕ステッカーはグリーンマックス製3150形用を選択した。
グリーンマックス製3150形の行先表示器はHゴム支持が車体側に印刷再現されている。
そのため原寸での貼付はHゴムモールドへの乗り上げが避けられず四辺とも[千葉中央]表示まで切り詰めた。




クハ3608 点灯試験[B15 普通 千葉中央]:前照灯(行先表示器用プリズム青色化施工,通過標識灯消灯)。


クハ3608 点灯試験[B15 普通 千葉中央]:尾灯(行先表示器用プリズム青色化施工)。

通過標識灯スイッチをOFFに切り替え点灯試験を行った。
製品原形では行先表示器及び種別表示器からの強力発光が際立ったがそれなりに抑え込めたと思う。
[B15]幕は運行番号表示器枠に収まり判読も出来る。
グリーンマックス製ステッカーより富士川車輌工業製ステッカーを先に試験貼付したのは視認性向上を目論んだ事に拠る。
フィルムタイプのグリーンマックス製ステッカーでは運行番号表示が飛んでしまうと思われた。
発光量抑制にはラベルタイプの富士川車輌工業製ステッカーが勝ると予想した結果は吉に出ている。
逆にグリーンマックス製3150形用ステッカーを採用した行先表示器は[千葉中央]表示で留まる対称的な結果となった。




クハ3608朱帯色後期仕様(3608F:側面行先表示器基準幕化施工)。

行先表示類のステッカー選定に苦しみながらもクハ3608朱帯色後期仕様(3608F)が竣工した。
予想通り運行番号表示器へ充てるステッカー選択が作業全体の足を引っ張っている。
富士川車輌工業製3500形更新車用運行番号表示器ステッカーは白枠が無く切り出しの自由度が高かった。
運行番号表示各桁の開孔都合で若干上寄に位置するが代用品にしては上出来だと思う。
なお登場時仕様の呼称は[B15]幕の採用で適合しなくなり後期仕様へ変更した。
側面見附ではモハ3607以下4両と同様行先表示器の基準幕化が入場前との差異になっている。


サハ3608,クハ3608 (3668F-1,3608F)。

[3608]号車は3668F-1にも組み込まれている。
3668F-1の[3608]号車は中間車化改造車でありサハ3608を名乗る。
第二次整備は点灯機構周りを除くとモハ3668,モハ3661(3668F-1)に近かった。
前途の通り運行番号表示はプリズムケース内へのプラ板再現により[■■■]幕としたが白枠だけが存在を主張する。
クハ3608で富士川車輌工業製[B15]幕の表示が実現に至りサハ3608も変更を考え始めた。
ただ現状では4両分の[■■■]幕が賄えない。
先頭に立つ車両ではなくクハ3608では見送りとなった桁毎への貼付を試行しても面白いと思う。


3300形モハ3304,クハ3608 (3304F-1,3608F:マイクロエース製[千葉中央]幕貼付車,グリーンマックス製[千葉中央]幕貼付車)。

3304F-1は行先方向幕:マイクロエース製,運行番号表示器:自作品,種別幕:富士川車輌工業製の3者混在ステッカー編成である。
モハ3304(3304F-1)と同じ[千葉中央]幕を掲げるクハ3608は印象が異なる仕上がりに映る。
ここは仕様統一を図りたかったが根本的にステッカーが足りず叶わなかった。
ただグリーンマックス製京成3150形用ステッカーの再現力は見事であり高い次元での妥協と言える。
富士川車輌工業製[千葉中央]幕の採用見送りは運行番号表示器と真逆でラベルタイプが仇となった。
グリーンマックス製[千葉中央]幕と同様に切り出してもHゴムモールドとの競合が防げない。
ステッカーベースの追加も加わるため3608Fには起用しなかった。

3608Fはクハ3601(3608F)の竣工を待つだけとなった。
起用する運行番号幕,行先方向幕ステッカーは決定した。
しかし双方とも通常の切り出し方法が通用しない。
予備分は多くなく寸法を誤ると行先表示類の再策定まで逆戻りしてしまう。
現設定が理想的でありクハ3601の行先表示類整備には時間を十分に割く予定である。

京成3600形クハ3601[3608F] 1次車 朱帯色 ライトユニット前尾灯用遮光テープ追加試行 ※メーカーエラー修正

2018-12-24 21:43:59 | 京成線:3600形
模倣。

マイクロエース製京成3600形クハ3608朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)の第二次整備前にクハ3601を入場させる。
クハ3601はメーカーエラーと思われるライトユニット前面の遮光テープ不足に気付いた。
縦方向の遮光テープが貼られておらず前尾灯点灯時に漏光が生じる弱点を抱えている。


京成3600形クハ3601 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

ライトユニット前面への遮光テープ貼付は今LOTから採用された。
前尾灯の漏光は既存編成でも生じており変更が無ければ気にしなかったと思う。
しかしクハ3608(3608F)との違いが明らかになった。
遮光テープはスポンジ状で小手先の細工が通用すると思える。
手持ちの100円ショップで購入したクッション付テープで代用可能か試行する。
結果次第では在籍中の3600形系列全編成に水平展開が図れる発展性を含む細工となった。


入工中のクハ3601。

ライトユニット周囲へ手を加えると同時に床板も分解する。
並行して脱落気配のある種別表示器用プリズムも修正を施す。
大きくぐらつく種別表示器用プリズムは何故かライトユニットに収まったままだった。
モハ3661現行色VVVF制御車中期仕様(3668F-1)の整備入場時では床板嵌合時に外れた。
指先で触れても踏み留まるクハ3601の種別表示器用プリズムとは対照的だった。
ここも何らかの対策が採られた可能性があり構造を再確認する。


変更箇所が伺えない床板一式。

前照灯用プリズム及び種別表示器用プリズムは座席部品の取付孔で支持されている。
嵌合は1点だけでメーカーでの溶着が甘かったモハ3661は脱落へと至った。
3600形系列全編成では座席部品裏面より流し込み接着剤を投入し脱落防止策にしている。
当然3608Fでも踏襲する予定だったが一向に脱落しない種別表示器用プリズムは逆に疑念を抱かせた。
どの様な措置が採られたのか引っ掛かり遮光テープ追加試行を機に床板の分解へ踏み切らせる。
ところが座席部品を確認しても特に成形が改められた箇所は伺えなかった。


分解したライトユニット。

相変わらずプリズム類は1点嵌合のままである。
従来はこの時点で流し込み接着剤を投入していた。
今入場は解析を含むためライトユニットの撤去へと進む。
ライトユニット側面に貼付された遮光テープは座席部品との嵌合部を覆っており剥離しなければならない。
組み立てる際には再び同位置へ戻す必要があり粘着面を傷めないよう丁寧に剥がした。
埃附着と紛失防止を兼ね上段側ライトケースに貼り付けている。
ここで種別表示器用プリズムが外れない原因が判明した。
漏光対策はライトユニット内部にまで及んでおり座席部品側へ遮光テープが追加されていた。


溶着した前照灯用プリズム,種別表示器用プリズム。

種別表示器用プリズムの嵌合脚は種別表示器枠内から外れた箇所にある珍しい成形がなされている。
この直上へ遮光テープが貼り付けられ脱落を未然に防いでいた。
座席部品には種別表示器用プリズムの嵌合部を受け入れられるよう切り欠きが設けられている。
確かに前照灯への漏光を招く形状ではあるが上段側ライトケースには何も変更が見られない。
漏光対策の他に種別表示器用プリズム脱落を防ぐ狙いが隠されているのかもしれない。
結局成形は全く変更されていないと判り座席部品裏面の取付孔から流し込み接着剤を投入した。
これで今後前照灯用プリズム,種別表示器用プリズムが移動・脱落する心配は払拭されている。


クハ3608の厚みに準拠したクッション付テープ。

種別表示器用プリズムへの疑念が晴れいよいよ前尾灯漏光対策試行へ突入する。
クハ3608の縦方向に貼付された遮光テープは比較的薄い。
持ち出したクッション付テープとは4倍近い差がある。
取り敢えず製品仕様に倣いクッション付テープの薄型化を図った。
貼付位置は座席部品の前照灯用プリズム,尾灯用プリズム両切り欠き部の僅かな間しかない。
粘着力を発揮できるか微妙な幅だったが無事に貼り付けを終えた。
ただクッション付テープは非常に裁断し難く座席部品上段より張り出してしまった。


それらしく仕上がったいんちき遮光対策。

純正仕様のクハ3608は運転台側と助士側で処理が異なっていた。
運転台側:十字形,助士側:T字形に貼付されておりクッション付テープの張り出しは運転台側と近い。
クッションそのものも圧縮されるはずで構わず上段側ライトケースを組み付けた。
ライトケース前面水平方向に貼られた遮光テープの上にクッション付テープを押え付ける。
組み上げたライトユニット前面はクハ3608用床板の外観と近い仕上がりとなった。
車体への挿入も入場前と変わっておらず期待を抱いての点灯試験実施を迎えた。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯(第一次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(第一次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3608 点灯比較[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(遮光テープ増強車)。

その結果は何とも微妙なものだった。
製品原形より漏光は減少したがクハ3608には届いていない。
期待が大きかっただけに少々落胆した。
クッション付テープの厚みに誤りは無く何が不足したのかさえ判らなかった。
不幸中の幸いでライトユニット組立時に側面用遮光テープの復旧を失念していた。
失敗に終わった第一次試作のクッション付テープを剥離し漏光対策強化を続行する。
効果の低さはクッションの反発力に拠るものと考えた。
車体との嵌合でクッション付テープは必ず変形してしまう。
この圧に耐えられる厚さが必要だと思われた。


台枠前端部まで前進したクッション付テープ。

この後は試行錯誤が続いた。
少しずつ切り出し厚を改めながら点灯試験を繰り返す。
なかなか思うような結果を導き出せずクッション付テープからプラ板への変更も考えた。
しかしプラ板では車体のライトレンズを避けるため凹形への整形に迫られる。
他に充てられる素材も見当たらずクッション付テープのまま何度も再挑戦した。
遂にクッション付テープは台枠前端部を凌ぐ厚へと達した。
この厚みは第一次試作品の倍に等しい。
更なる増加は粘着安定性を損なう危険性が高まるためこれを限界値とした。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯(第六次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(第六次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3601 点灯比較[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(製品原形)。

ライトユニットの側面用遮光テープはクッション付テープの再交換が有り得るため貼付を見送った。
好結果に至らなかった場合は台枠前端に揃えた位置で断念する。
クッション付テープが台枠前端から迫り出す状態にも関わらず車体への組み込みは当初と殆ど差が感じられなかった。
そして実に六度目となる点灯試験を迎える。
半ば諦めかけたいんちき遮光対策だったが最後の最後で答が出た。
ようやく尾灯点灯時の漏光がクハ3608並に落ち着いてくれた。
使用した100円ショップのテープは相当クッションが柔らかかったらしい。
点灯試験終了後に床板を取り外すと凹形へ変形した状態だった。
なおライトレンズの圧はクッションが吸収した模様で貼付位置に変わりは無い。


遮光対策試行が完了したライトユニット。

地道な作業の繰り返しで施工内容は薄いと言わざるを得ない。
その代わり大きな結果に結び付けられた。
第二次整備はクハ3608を先発させこの間追加したクッション付テープの安定を高める。
これで漏光が再発しなければ本施工に格上げする予定である。
クハ3601へのいんちき遮光対策は今後に繋がる収穫を得られた試行になったと思う。

京成3600形モハ3606[3608F] 1次車 朱帯色 (動力ユニット整備,KATOカプラー・側面行先表示器基準幕化施工)

2018-12-23 22:00:00 | 京成線:3600形
油脂。

マイクロエース製京成3600形モハ3606朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)が第二次整備のため入場した。
当初はモハ3607+モハ3606の同時入場を計画していたがモハ3602+モハ3602朱帯色(3608F)の竣工遅延により改められた。
単独入場への切り替えは当たり約170分に及ぶ作業となっている。


京成3600形モハ3606 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

モハ3606は動力ユニット整備が重点項目であった。
マイクロエース製品の新製投入は久し振りで京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)以来となる。
少しずつ動力ユニットの状態には改善が見られるがギア周りの脱脂は必須と言えた。
更にモハ3602へ施したランボード波打現象事前対策が付加される。
パンタグラフ踏板の固定化は現状を踏まえ施工するかを決める方向だった。
但し同一LOTであり工程省略に期待は寄せていない。


入工中のモハ3606。

作業開始を車体関連,床板関連のどちらにするか考えた。
動力ユニットは高経年車両から順次展開された劣化対策施工の実績がある。
基本的な手順は同様であり純正グリスの塗布量が進行を左右する。
一方パンタグラフ踏板の状態確認を含む車体関連は時間が読めず先行工程となった。
入場前にPT-48形パンタグラフの昇降試験と避雷器嵌合に不具合が無い事を確認する。
状態はモハ3602と変わらず非常に安定していた。
特に避雷器は既存編成で生じた傾斜が完全に抑えられており対策が採られたと思われる。


ニードルで貫通させた側面行先表示器付近のランボード取付口(海側)。

モハ3606を分解し車体内側のランボード取付口を数えた。
予期はしていたが5箇所あるはずの取付口は4箇所しかない。
埋まっていたのは側面行先表示器付近の取付口でモハ3602と全く同じだった。
今LOTの悪癖かもしれず同時回着した3648F現行色(3648F)も発生している確率が高いと予想する。
貫通方法はモハ3602での施工例に倣った。
爪楊枝で車体内側に目安を設けニードルにて取付脚を露出させた。


固定されていないパンタグラフ踏板(上野寄)。

貫通させた取付口は丸形を踏襲している。
既存編成での四角形整形施工はランボードの波打ちを吸収する狙いがあった。
しかしモハ3606の波打現象はまだ発生していないため移動猶予を確保する必要が無い。
ランボードも撤去を要さず丸孔でも十分な事前対策と言えた。
流し込み接着剤は車体中央部から上野寄,成田寄に分けて各取付口へ投入した。
パンタグラフ踏板は差し込まれているだけの状態だった。
浮き上がりが生じない点だけはモハ3602を上回る。


流し込み接着剤で溶着したランボードとパンタグラフ踏板。

但し嵌合は心許なくあっさりと車体から引き抜けてしまう。
別部品化は有り難いものの爪嵌合式が採用されなかった弱点を晒け出している。
最終的にランボード,パンタグラフ踏板は全て固定された。
3608FではM1車共通仕様化となり今後の脱落には至らないと思う。
瞬時に終えられる側面行先表示器基準幕化は最終工程に廻した。
一旦車体関連の作業を中断し動力ユニットを分解する。


全長が伸びた絶縁シート。

マイクロエース製動力ユニットの基本的な構造は変わっていない。
強いて挙げるならば動力ユニットカバーの剛性向上とユニバーサルジョイント部まで延長された絶縁シート程度である。
前者は嵌合爪受の折損確率低下に繋がる改善点だと思える。
その代わり捻りながらの取り外しは行い難くなっている。
かつては指紋が伺える導電板が当たり前だった。
徐々に品質が高まり近年では研磨が不要と思える仕上がりまで到達していた。
ところがモハ3606の導電板は全く輝きが無く時代が遡ったように感じている。


ラプロス#4000で研磨した導電板。

高経年車両の酸化した導電板はラプロス#4000で磨き上げた。
モハ3606は全体が曇る程度に見えたためラプロス#6000を持ち出している。
しかし輝きを出すまで時間を要した。
効率が悪く結局ラプロス#4000へ改め研磨を施した。
ユニットカバーとの固定は相変わらずの焼き潰し式である。
この周囲は無理にラプロスを当てると導電板脱落へと直結する。
そのため多少の斑には目を瞑り大半が輝きを取り戻せたところで作業を打ち切っている。


山盛りに投入されていた純正グリス。

モーター周りで気になる箇所は存在しなかった。
但し目視点検だけでは不安に感じられクリーナーにてモーター軸の清掃を行った。
続いてFS-513動力台車の脱脂へと取り掛かる。
残念な事にギア周りはグリス塗れだった。
黒色成形のギアボックスは純正グリスを余計に目立たせる。
しかも粘度が低いため除去は難航が予想された。
ギア類は手を伸ばしても無駄に思え何も措置を施さずにクリーナープールへ浸けた。
大半がギアボックスに残った純正グリスは爪楊枝で掬い取る。


脱脂を終えたギアボックス(上野寄)。

ところが爪楊枝は殆ど役に立たなかった。
高経年車両とは勝手が違い純正グリス内を通過するだけに留まり減る気配がしない。
痺れを切らし紙縒状にしたティッシュペーパーで拭い去った。
麺棒と極細綿棒を使い分けクリーナーでギアボックス内部から白濁箇所を取り除く。
夥しい量の純正グリスに手を焼き上野寄,成田寄各々で1本ずつが駄目になっている。
ギアボックスを組み立てた後も煌めきが引っ掛かりクロスで拭き直しを行う程だった。


純正グリス進出量が少なかったロアフレーム(成田寄)。

ギアボックスとは対照的にロアフレームの純正グリス付着は多くなかった。
清掃も綿棒だけで終えられる容易なものだった。
純正グリスはギアボックスへの配分が圧倒的で如何に過剰投入だったかを示していると思う。
ただ動軸ギアだけは対象外で専用クリーナープールにて純正グリスを溶解させた。
ギア類の仕上げは歯ブラシを用いたがギアボックスと同じく油脂ののような輝きが残った。
過去の動力ユニット整備では見られなかった現象であり材質が変更されたのかもしれない。


KATOカプラーを組み込んだカプラーアダプター(上野寄)。

金属製スパイラルギアはプラスチック製ギアに比べ清掃が捗る。
クリーナーを浸したティッシュペーパー内でギアを回転させ余計な純正グリスを除去する。
ギア谷に残る純正グリスは歯ブラシで払った。
その後クリーナープールに浸け完全脱脂へと結び付けている。
FS-513動力台車の清掃は約30分を掛けて終了した。
集中力は限界に達する直前だったが気を取り直しKATOカプラーへの交換に取り掛かる。
KATOカプラー化は非動力台車と同一方式で行えるためようやく一息突けた瞬間だった。


連結面側ロアフレームを黒色化したFS-513動力台車(成田寄)。

一旦カプラーアダプターを装着したところサックスブルー成形のロアフレームが目立つように思えた。
3608Fの非動力台車用と同じくモハ3606も黒色成形カプラーアダプターに改められた。
カプラーアダプターとの嵌合位置都合からロアフレームが中途半端に顔を覗かせる。
これを抑えるため連結面側車軸部よりカプラーアダプター側をマッキーで黒色化した。
FS-513動力台車単体で塗り潰した関係上余計な箇所まで手が加わってしまった。
それでもカプラーアダプターとの色温度差は解消されている。




整備が完了したモハ3606。

モハ3606用動力ユニットは入場前の試験走行時に段付加速が現れる状態だった。
整備完了後は低速から力強く加速するよう改善されている。
この変化は導電板研磨が関わったと思える。
新製投入車でも入念な整備が必要だと再確認できた。
山盛りの純正グリス投入は最早定番と化している。
経年劣化で単なる走行抵抗に変わってしまうため投入量の見直し,材質変更を望みたい。
最終工程は側面行先表示器の基準幕化で締めた。




モハ3606朱帯色(3608F:動力ユニット整備,KATOカプラー・側面行先表示器基準幕化,パンタグラフ踏板・ランボード固定施工)。

やっとの思いでモハ3606朱帯色(3608F)が竣工した。
モハ3607との同時入場であれば途中で作業を打ち切らざるを得なかったと思う。
今回も途中で折れそうになったが3608Fの中核車両であり分断は避けたく意地で整備を終わらせた。
動力ユニット整備はマイクロエース製品投入時の山である。
従来と違う意味で苦戦を強いられたのは想定外だった。
まだ劣化が始まっていない純正グリスへの対処は今後の課題となる。
前半に施工したパンタグラフ踏板,ランボード波打現象事前対策施工はまずまずの答を得られた。
但しランボードの波打現象は何が原因が判らず今後も経過観察対象とする。


モハ3607+モハ3606 (3608F:非動力車+動力車)。


モハ3603+モハ3602 (3608F:非動力車+非動力車)。

FS-513動力台車のロアフレームへ施した黒色化は効果的に映る。
未施工では車端寄の1点だけサックスブルー成形が浮き立っていた。
黒染車輪と黒色成形カプラーアダプターの間に位置する場所も悪かったと思う。
簡便な細工で車体裾の中へ埋没が図れておりモハ3607との連結部に違和感は無い。
ロアフレームと黒色成形カプラーアダプターが組み合わされ色温度差が大きく出た場合には本格採用に進むと思われる。

今入場で3608Fはモハ3607以下4両が出揃った。
クハ3608,クハ3601も細やかな作業が続く第二次整備となる。
既存の3600形系列ではライトレンズ折損や通過標識灯プリズム紛失等の失策をした。
3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を予備部品兼用車に据えているがその存在を消して作業へと当たる。

京成3600形モハ3607,クハ3608,クハ3601[3608F] 1次車 朱帯色 (KATOカプラー化,クハ3608 車体膨張修正施工)

2018-12-22 21:57:01 | 京成線:3600形
分離。

マイクロエース製京成3600形モハ3603+モハ3602朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)の第二次整備は予想以上に時間が掛かった。
エラーを抱えたモハ3603の3200形用貫通扉窓追設は致し方ない。
しかしモハ3602に施したパンタグラフ踏板,ランボード固定は当初の計画を大きく狂わせるものだった。


京成3600形モハ3607 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

次の入場はモハ3607+モハ3606を予定していた。
モハ3606はパンタグラフ踏板,ランボード固定に加え動力ユニット整備を行う。
作業が思い通りに進む保証は無く単独入場へと変更した。
その結果2両単位での竣工は果たせなくなりモハ3607が1両だけ浮いてしまった。
そこでクハ3608,クハ3601のKATOカプラー化を前倒しし3両の入場へ改めた。
これによりクハ3608,クハ3601の第二次整備は行先表示関連項目に集約される。


入工中のモハ3607。

クハ3608,クハ3601は種別表示器交換を行う際に分解を要する。
今入場ではKATOカプラー化に特化させ時間を確保する作戦に出た。
そのため側面行先表示器基準幕化は見送りとなった。
一方モハ3607は正式竣工となる。
工程はモハ3603に倣うため不意を突かれるエラーさえ存在しなれば順調に進むはずである。
先発入場車へ決定し先ず成田寄妻面の貫通扉窓に不備が無いかを確認した。


傾斜する貫通幌(成田寄)。

そう度重なる事例ではないがモハ3603で苦労した直後であり慎重になっている。
モハ3607では貫通扉窓のエラーが見られなかった代わりに成田寄貫通幌が傾いていた。
4箇所の湯口跡が平滑になっておらず貫通幌内側は直線状に仕上げられていない。
モハ3603,モハ3602には無かった症状で新たな個体差に出会した。
不運に苛まれる3608Fであるが引き当ててしまった以上どうしようもない。
傾斜はバリ取りで解消可能と考えKATOカプラー化から開始した。


直線状へ修正した床板。

FS-513非動力台車のKATOカプラー化はモハ3603,モハ3602と同一方式である。
よって交換は瞬く間に終えられた。
一旦FS-513非動力台車を取り付けたところ床板が山形に弧を描いていると気付いた。
再び床板を分解し矯正に取り掛かる。
原因は単純でウエイトが歪んでいたためだった。
座席部品両端部の整形まで至ると厄介であったが修正は容易に行えている。
再び床板を組み上げるとほぼ直線状に戻っていた。


基準幕化された側面行先表示器とバリ取りを終えた貫通幌。

側面窓セルとの嵌合位置を見る限り車体高へ影響を及ぼす湾曲では無かったと思う。
しかし時間の経過と共に何らかの不具合を招く可能性を否定できず予め手を打っている。
マイクロエース製品でのウエイト変形は珍しくなく既存車両でも修正を行っていた。
整形は手力に頼らず本棚の下へ全体を挟み込みその重量に任せた。
続いて貫通幌の傾斜解消に着手する。
4箇所が存在する湯口跡のうち1箇所は髭のようなものが残る有り様だった。
裏面は波を打っておりこれでは傾斜が発生して当然である。
クラフトナイフの背を用いて全てのバリを削り取った。
車体側に不具合は無く貫通幌の整形だけで傾斜を治められた。




モハ3607朱帯色(3608F:側面行先表示器基準幕化,床板湾曲修正施工)。

側面行先表示器は側面窓セル当該部裏面を青マッキーで塗り潰し基準幕化を図った。
モハ3607への細工は全て完了し床板を嵌合させるだけとなる。
直線状に戻した床板は何処にも当たる事無く車体へ収まった。
理論上床板の全長が伸びたはずだが車体との嵌合猶予は十分に確保されているらしい。
貫通幌の傾斜は軽微な修正で改善されモハ3607朱帯色(3608F)は初めて滞りなく第二次整備を終えた。
この時点でまだ時間は十二分に残っておりモハ3606の入場へ進もうとも考えた。
しかし何が待っているか判らずクハ3608,クハ3601のKATOカプラー化へと進む。


入工中のクハ3608朱帯色登場時仕様(3608F)。

クハ3608,クハ3601の第一次整備は運転台側TNカプラーSP化だけで打ち切られた。
この時は細部を確認しないまま組み立てられ再入場を迎えている。
先に入場したのはクハ3608だった。
床板を取り外す際に海側上野寄嵌合爪付近の車体が僅かに膨らんでいると判った。
車体が形状を記憶する前に手を打たなければならない。
KATOカプラーへ交換する前に車体膨張の原因を探る。


車体内側に貼付されていた遮光テープ(海側)。

始めに疑念を抱いた箇所は側面窓セル嵌合爪である。
モハ3607の貫通幌と同じくバリ取りの甘さが起因かと思えた。
ところが車体を裏返したと同時に目に飛び込んできたのは嵌合爪付近にある黒い物体だった。
これは本来ライトユニット側面に貼附されているはずの遮光テープである。
遮光テープは側面窓セル断面に乗り上げており床板との嵌合を邪魔する位置にある。
嵌合爪が完全に噛み込めず車体を膨らませる一因になっていた。
ご丁寧に糊面は車体内側を向き完全に貼り付いている。
ライトユニットへ貼り直すため剥離は慎重を期した。


遮光テープを移設したライトユニット(海側)。

クハ3608とクハ3601では前面の遮光テープ貼附数に差異がある。
これは早期に気付き点灯試験で漏光具合の差を確認した。
現在クハ3601の対策課題に挙がっている。
あからさまに雰囲気が違った前面とは異なり側面用には全く気付けなかった。
完全なる見落としだったが貼り直しが利くだけましと言える。
丁寧に剥離した遮光テープはその粘着力を維持している。
しかし一部が折れ曲がりそのままでは移設に向かなかった。
そのためライトユニットに仮貼付した上で平滑へと戻す作業を挟んでいる。




クハ3608朱帯色(3608F:車体膨張修正施工)。

遮光テープの貼付位置はクハ3601に従った。
しばらくは波打ちが激しく融着するか不安を感じた。
しかし何度も平滑化作業を繰り返した末に原形へ復帰している。
なお第二次整備時にはプリズム類の溶着を行う。
ライトユニットを分解する必要は無くこの時に貼付具合を再確認する予定である。
FS-013非動力台車は成田寄だけのKATOカプラー化で済む。
3種目のエラーを取り除いた後は車体との嵌合まで一気に進行した。
車体膨張はやはり遮光テープが原因だった模様で移設により解消へと至った。
僅かな時差かもしれないが早めに対策を打てた入場順は正しかったらしい。




クハ3608+モハ3607 (3608F:KATOカプラー化)。

クハ3608朱帯色(3608F)の仮竣工によりクハ3608+モハ3607の連結部はKATOカプラーに置き換えられた。
近年のマイクロエース製品はアーノルトカプラーでも連結面間隔が狭くなるよう改良されている。
よってKATOカプラー化による恩恵はかつてより減った。
それでも巨大なアーノルトカプラーが廃止された効果は絶大に映る。
全車のTNカプラーSP化は導入コストが上昇するため原則的に見送っている。
ただ運転台側だけはTNカプラーSPに拘っており両者の共存は続くだろう。


クハ3601朱帯色(3608F)。

最終入場車のクハ3601は前面ライトケース遮光テープ以外は特に対策を採らなくても良いと考えていた。
しかし改めて床板を取り外したところ種別表示器用プリズムが脱落しそうになった。
既にモハ3661現行色VVVF制御車中期仕様(3668F-1)では完全脱落を起こしている。
これを契機に既存車両は全てプリズム類の溶着へと至った。
固定は座席部品裏面から流し込み接着剤を投入するだけの簡単な措置である。
クハ3608は予防措置となるがクハ3601はぐらつきが激しくライトユニットを分解するかもしれない。


モハ3602+クハ3601 (3608F:KATOカプラー化)。

FS-013非動力台車のKATOカプラー化だけで仮竣工したクハ3601朱帯色(3608F)は第一次整備完了時と殆ど変わっていない。
時間都合によりライトユニットの前面用遮光テープ追加貼付試行は見送りとなった。
全てはクハ3608の側面用遮光テープが足を引っ張ったと言える。
ただ無理な工程を組んでいなかったせいか全体としては無難な纏まりを見せたと思う。
貫通幌の成形不良はモハ3607だけで見られたがモハ3606が未入場で残っておりまだ安心出来ない。
単独入場への切り替えが奏功してくれると願う。

京成3600形モハ3603+モハ3602[3608F] 1次車 朱帯色 (KATOカプラー化,モハ3602 ランボード波打対策施工)

2018-12-21 22:59:50 | 京成線:3600形
難航。

マイクロエース製京成3600形3608F朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)の第二次整備を開始する。
入場順はモハ3603+モハ3602→モハ3607+モハ3606→クハ3608→クハ3601に仮決定した。
モハ3606(動力ユニット搭載車)とクハ3608,クハ3601は別工程が加わるため無難な選択だと思う。


京成3600形モハ3603 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

3608F全車の共通施工項目は側面行先表示器基準幕化である。
モハ3607,モハ3603は上記にKATOカプラー化が加わるだけで然程時間を要さないと考えた。
M1車は経年と共にランボードの波打ちが生じてしまい流し込み接着剤にて修正を行っている。
既に京成3600形3618F芝山色(3618F-2),3658F現行色中期仕様(3658F),芝山3600形3618F(3618F-1)は全M1車の対策を済ませた。
現状では形態を保つモハ3602も何れ発症する恐れがある。
そこで既存編成と同様の措置を施し事前対策とする。


入工中のモハ3603。

入場順はあくまで仮決定であり時間次第ではモハ3607までの入場を考えていた。
モハ3606の動力ユニット整備は極力1両でやり過ごしたい。
3600形の側面行先表示器基準幕化はHゴム支持再現の都合により側面窓セルを取り外さずに行える。
モハ3603の整備工程は2項目に限られ何れも過去に施工した内容であった。
よって先発入場はモハ3603としモハ3602のランボード波打現象事前対策に余裕を持たせる。
手早く作業を終わらせモハ3607を含めた3両を同日竣工させる算段だった。


基準幕化された側面行先表示器(海側)。

ところがモハ3603は貫通扉窓セルが無いメーカーエラー品を引き当ててしまった。
連結部は走行時に目立たない箇所だが出場当初から瑕疵を抱える状態が気に食わない。
解消には保管品やジャンク車両で貫通扉窓に相当する透明部品を探るしかない。
これには現物合わせが伴い作業遅延は確実となった。
早くもモハ3607の入場は断念に追い込まれている。
貫通扉窓セル捜索は先送りとし側面行先表示器の基準幕化から取り掛かった。


存置されるカプラースプリング(成田寄)。

在籍編成では側面行先表示器へのステッカー貼付を見送っている。
そのため基準幕が印刷されていない京成形式は全て青マッキーで行先表示器を塗り潰してきた。
3600形は透明セルのままであり京成形式らしさを演出するには欠かせない工程と言えた。
側面窓セルの行先表示器裏面は凸形成形が成されている。
このお陰で側面窓セルは撤去が不要となった。
青マッキーは細字側を用いるため予め車内天井をマスキングテープで養生する。
大雑把に青色化した後は車外から塗り漏れを確認するだけである。
車体への小細工は1工程に限られKATOカプラー化へ移った。


カプラースプリングを押し込むKATOカプラー(上野寄)。

マイクロエース製品のKATOカプラー化はカプラースプリングを組み込む必要がある。
カプラースプリングを存置しない状態ではKATOカプラー全体が下垂してしまい走行中の解結に至る。
KATO製品でさえ同様の方式を採り入れており定番工程と化した。
かつてはカプラースプリングの取り扱いに苦慮していたが現在は精密マイナスドライバーしか用いていない。
カプラーポケットの先端へカプラースプリングを斜めに据え置く。
そして横方向に向けたKATOカプラーを押し込み基部の凸形成形下段でカプラースプリングを圧縮する。
この状態のままマイナスドライバーにてカプラースプリング端部を凸形成形上段へ移動させKATOカプラーを回転させる。


KATOカプラー化されたFS-513非動力台車。

この方式を採り入れてから作業が高速化された。
ピンセットで押さえる必要は無くカプラースプリングが何処かへ飛び去る危険も廃された。
KATOカプラー化は労する工程ではなくなり時間が読み易い作業へと変わっている。
側面行先表示器基準幕化も3600形ならではの構造に助けられ本来であればモハ3603を竣工させられた。
しかし行く手を阻んだのは貫通扉窓セルである。
最終手段は面一化を放棄し凹面のまま適当な透明セルを直接貼り付けるしかない。
取り敢えず手持ちの部品から転用出来そうなモールドを持つセルを探った。




転用されたマイクロエース製3200形用貫通扉窓セル(成田寄)。

極力凹面取付は避けたくHゴム支持窓も捜索対象にしている。
しかし3600形の貫通扉窓寸法に合致する部品は現れなかった。
最後に目に止まったのはマイクロエース製3200形元モハ3239現行色だった。
元モハ3239は部品取用途で導入したジャンク車両である。
貫通扉窓は妻面窓と一体成形された妻面窓セルをモハ3603に当てたところ見事に嵌まってくれた。
3200形用妻面窓セルから貫通扉窓部だけを切り出す。
嵌合には頼れないためセル代の三辺へゴム系接着剤を薄く塗布し車体に固定した。




モハ3603朱帯色(3608F:側面行先表示器基準幕化)。

貫通扉窓セルを捜し当てるまでに30分以上も費やした。
考えもしなかったメーカーエラーに足を引っ張られモハ3603朱帯色(3608F)の竣工は大幅に遅れている。
結果はそれなりの見附へと至り及第点を与えても良いと思う。
但し貫通扉を有する部品取車は元モハ3239だけのはずである。
まだ未入場の3648F現行色8両編成仕様(3648F)も残されており安心は出来ない。
側面見附は行先表示器が基準幕化されたのみに映るが色数が少ない分効果的に見える。


入工中のモハ3602朱帯色登場時仕様(3608F)。

モハ3603での遅れを引き摺ったままモハ3602(3608F)が入場した。
ランボード波打現象事前対策は既存編成と同様に行えると思っていたがここでも想定外の事例が待っていた。
そうとも知らず作業は短時間で終えられるKATOカプラー化から開始している。
分解して真っ先に確認したのは妻面窓セルだった。
貫通扉窓の存在は入場前に確認を済ませ問題無しと判った。
引っ掛かったのはその形状である。


正規の貫通扉窓付妻面窓セル(成田寄)。

モハ3602の成田寄妻面窓セルは妻面窓を含む一体成形だった。
明らかに形状が異なっており何故この様なエラーが生まれたか非常に不思議である。
貫通扉窓が無かったモハ3603は誤って成田寄に上野寄用窓セルを取り付けたらしい。
上野寄用窓セルは貫通路を避けるよう門形成形がなされている。
3200形用貫通扉窓を取り付ける猶予が残されてたのは幸いだった。
クハ3608,クハ3601ではライトケースの遮光テープ本数に違いが見られた。
6両中2両がメーカーエラー品に相当しており出荷検品体制の強化を図ってもらいたい。


固定対象に挙がったパンタグラフ踏板(成田寄)。

KATOカプラー化は難なく終了し車体関連の作業に着手する。
先に側面行先表示器基準幕化を施し屋根板周りを確認した。
するとモハ3602はパンタグラフ踏板の嵌合が甘いと判った。
パンタグラフ踏板は3脚嵌合だが全て両端が浮き上がってくる。
車体内側の流し込み接着剤塗布跡は僅かに留まり断面まで浸透しなかったと思われる。
予定には無かったパンタグラフ踏板の固定化を余儀なくされた。
中央の嵌合脚を先に溶着させ上野寄,成田寄方向へ伸ばしながら各脚を固定した。
なお流し込み接着剤は車体取付口側から投入している。


貫通していなかったランボード取付口。

ようやく本工程のランボード波打現象事前対策に入れた。
ところが此処でも不運が重なる。
ランボードは5脚嵌合で各々屋根板に差し込まれていた。
しかし車体内側は4箇所しか嵌合口が存在せず途方に暮れた。
ここで同一車体のモハ3652現行色中期仕様(3658F)を入場させモハ3602と比較した。
モハ3652を参照したところ側面行先表示器左側付近の嵌合口が行方不明だと判明した。
取付口は車体断面の途中まで開けられている。
ランボードの撤去は考えておらず車体内側から貫通させられるか試行した。


ランボード波打現象事前対策が完了したモハ3602 (モハ3652,モハ3602:3658F,3608F)。

モハ3652に従えば姿の見えないランボード取付口は車体天井の丸形モールド部中央に位置するはずである。
大凡の箇所を定め爪楊枝を押し当てる。
少しずつ移動させながら爪楊枝を当て続けるとようやく僅かな凹みが生まれた。
ただ爪楊枝では貫通まで持ち込めずニードルに持ち替えた。
凹みをニードルで貫いた後に捲れたプラスチックを削ぎ取る。
取付口は四角形が正規の形状だが流し込み接着剤さえ投入できれば構わない。
無理な拡大は行わず丸形のままとした。


昇降試験中のPT-48形パンタグラフ(上野寄)。

ランボードの固定方法はパンタグラフ踏板と変わらない。
元々は3600形既存編成のランボード波打現象解消方式でありこれをパンタグラフ踏板に応用しただけだった。
但し事前対策であり必要以上にランボードを変形させない事が注意点となる。
丸形で存置した取付口も関係し流し込み接着剤投入時はランボードを垂直方向から押さえるのみとした。
結局モハ3602の取付脚類は全て溶着に頼った。
同様の対策を施すモハ3606は展開が異なると願いたい。




モハ3602朱帯色(3608F:側面行先表示器基準幕化,パンタグラフ踏板・ランボード固定施工)。

PT-48形パンタグラフは上昇,下降姿勢共に問題無い。
既存編成では避雷器のぐらつきが目立ったがモハ3602は上野寄,成田寄双方ともしっかり固定されていた。
よって固定は行わず製品原形を維持している。
大迂回を経てモハ3602朱帯色(3608F)が竣工した。
まさか2両続けて計画から外れるとは考えてもいなかった。
既にモハ3603の入場から約130分が経過しておりここで力尽きた。
この調子ではモハ3607とモハ3606の入場を分離した方が無難だとさえ思える。


モハ3603:貫通扉窓追設施工。


モハ3602:正規妻面窓セル装着車。

さすがにモハ3603の貫通扉窓エラーは焦った。
同じ京成形式の元モハ3239から移設が図れたのは偶然ではないかもしれない。
様々ないんちき手法で誤魔化す手段を採ってきたがモハ3603ほど嵌まった事例は記憶に無い。
原形のモハ3602に対しても引けを取らなく見える。
固定方法こそ異なるものの製品仕様まで戻せたと言っても過言ではないだろう。
最後まで部品探しを諦めなかった賜物かもしれない。




モハ3603+モハ3602 (3608F:KATOカプラー化)。


3500形モハ3504+モハ3503 (3504F:サックスブルー成形カプラーアダプター装着車+サックスブルー成形カプラーアダプター装着車)。

3608Fはカプラーアダプター及びアーノルトカプラーが黒色成形品へと改められた。
サックスブルー台車+KATOカプラー+黒色成形カプラーアダプターの組み合わせは初登場である。
3500形3504F朱帯色後期仕様(3504F)はサックスブルー成形カプラーアダプターのまま出場させた。
3504FのカプラーアダプターはKATOカプラー化により違和感を弱められたと思っていた。
記録では判り難いがモハ3603+モハ3602はカプラーアダプターが埋没しFS-513非動力台車が更に浮き立って見える。
成形色変更の理由は不明だが今後も継続採用してほしい。

京成3600形3608F 1次車 朱帯色 登場時仕様 回着 (クハ3608,クハ3601 運転台側TNカプラーSP化施工)

2018-12-20 21:43:00 | 京成線:3600形
的中。

マイクロエース製京成3600形3608F朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)が回着した。
同時に3648F現行色8両編成仕様(3648F)も導入を図っている。
しかし現在3648Fは6両編成化されてしまったためプロトタイプが決まっていない。


京成3600形3608F 朱帯色 登場時仕様。
3608F:3608-3607-3606-3604-3603-3602-3601

マイクロエース製京成3600形は3658F現行色8両編成仕様,3668FVVVF制御6両編成仕様がリリースされた。
各々現行色中期仕様(3658F),6両編成中期仕様(3668F-1)へ改装され在籍している。
その他に芝山3600形3618F前期仕様(3618F-1),京成3600形3618F芝山色(3618F-2)を加えた4編成体制である。
金型は東急車輌製,日本車輌製共に揃っておりバリエーション展開は有り得ると思っていた。
その中には朱帯色も含まれており見事に予想が当たっている。


入工中のクハ3601(3608F)。

前途の通り3648Fは実車の推移が起因となり扱いに悩んでいた。
よって第一次整備はほぼ製品原形のまま出場させられる3608Fから開始する。
京成ステンレス車体形式の朱帯色編成はリリース都合により2本に留まっていた。
3608Fはマイクロエース製3500形3504F後期仕様(3504F),TOMYTEC製3500形3556F後期仕様(3556F)に続く朱帯色編成となる。
在籍編成の構成が絡み何れにせよ3608Fを先発させていたと思う。
第一次整備工程はクハ3608,クハ3601の運転台側TNカプラーSP化に絞った。
KATOカプラー化される3607以下4両は一度の入場で竣工を目指す。


変更されなかった前面車体裾の成形 (クハ3601,サハ3601:3608F,3668F-1)。

台車色は時代設定が反映されたサックスブルー成形品である。
マイクロエース製品では長らくカプラーアダプター,アーノルトカプラーもサックス成形とされてきた。
3608Fからは全てが黒色成形品へ変更となり連結部の見附向上に寄与している。
特にカプラーアダプターはKATOカプラーへの交換後も色温度差が発生しなくなる。
これは大きな改善点だと言えよう。
3658F,3668F-1では運転台側TNカプラーSP化に苦しみ一旦TNダミーカプラーを起用した。
TNカプラーSPが装着出来なかった要因は前面車体裾とジャンパ連結器モールドが競合するためだった。


ジャンパ連結器を撤去したTNカプラーSPカバー。

一方3668F-1の中間車化改造車は車体断面に切り欠きが設けられ支障なくTNカプラーSP化が行えた。
クハ3601とサハ3601(3668F-1)を同時入場させ前面車体裾成形を比較する。
残念ながら金型改修は成されておらず3600形用TNカプラーSPの準備へ取り掛かった。
6両固定編成で登場した3600形はジャンパ連結器が取り付けられていない。
これを逆手に取りTNカプラーSPカバーのジャンパ連結器モールドを切り落とす。
カバーは加工失敗品の転用品で何時でも原形復帰が可能である。
但し黒色成形密着自動式TNカプラーSPは回転に窮する環境ではなく3600形専用でも問題無い。


車体に収まった3600形用TNカプラーSP。

TNカプラーSPは分解した序でに歯ブラシでの乾式白濁対策を施している。
ジャンパ連結器モールドを切断した影響により前面から見えるフレームの面積が広がる。
連結器部品の白濁はまだ我慢できる。
しかし胴受周りは前面車体下部の締まりを無くす原因になりかねず入念に清掃した。
そして台枠にTNカプラーSPを取り付け車体と嵌合させる。
他3600形先頭車両での実績通りTNカプラーSPと車体裾の競合は防がれた。




クハ3601 [■ ■ ■ ■ ■]:TNカプラーSP化施工。

ダミーカプラーからTNカプラーSPに交換されたクハ3601の前面見附は余り代わり映えがしない。
これは黒色成形TNカプラーSP採用車共通の弱点と言える。
その代わり立体感は増したと思う。
特に3600形のダミーカプラーはやや引き込んだ場所に位置しており目立ち難い。
TNカプラーSP化により連結器突き出し長が増加した事で光源を受ける代が伸びた。
埋没感さえあったダミーカプラーは廃され良好な前面見附へと改められた。
またジャンパ連結器が無い3600形用TNカプラーSPも灰色成形品とは異なりフレームの露出が抑えられたように見える。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯。

ライトユニットやプリズムへの減光対策は第二次整備に持ち越しとなった。
そのため原形を維持したまま通電確認を行っている。
よって行先表示器,種別表示器の強力発光が非常に気になる。
3618F-1,3618F-2,3658F,3668F-1は種別表示器の交換が主な減光措置であった。
LOTが離れた3608Fでもこの手法が通用するかまだ判らない。
ライト基板が突然変更されるマイクロエース製品は珍しくなく整備を進めながら考える。


入工中のクハ3608(3608F)。

クハ3601の整備で既存の3600系列と同一方式で運転台側TNカプラーSP化が図れると掴めた。
ただ台枠の設計変更も考えられクハ3608では一旦原形のTNカプラーSPを取り付ける。
3600形では不要のジャンパ連結器であるが念のため確認を行った後に成形へと移る。
床板を取り外したところライトユニット周りの処理がクハ3601とは異なっていた。
クハ3608用床板には前尾灯用プリズム間へスポンジ状の遮光テープが追加貼付されている。
同一LOTでこの様な差異が現れるとは如何にもマイクロエース製品らしい。


違いがあった遮光テープ本数 (クハ3608用,クハ3601用)。

遮光テープは今LOTから追加されたものである。
在籍中の3600系列は前尾灯点灯時に於ける漏光が発生している。
これを防ぐため新たに採用されたのだろう。
確かにクハ3608で見られた縦方向の遮光テープは前尾灯への漏光を防ぐ貼り方が成されていた。
恐らくクハ3608用遮光テープが正式だと思われクハ3601用はメーカーエラーだろう。
点灯試験の結果次第ではクハ3601への対策が必要となる。
いきなり課題を抱える嫌な展開に陥ったが3648Fも同様の事例が考えられる。
クハ3601の第二次整備までに対処方法を編み出したい。


車体裾と競合する未加工のTNカプラーSP。

3600形用TNカプラーSPを製作する前に原形のTNカプラーSPを運転台側へ取り付けた。
その結果は芳しくなくジャンパ連結器モールドと車体裾が支障し台枠が下垂してしまった。
やはり3600形へTNカプラーSPを装着するにはカバーへの細工が欠かせないらしい。
再び発生品の黒色成形カバーを持ち出し整形を施す。
切断はジャンパ連結器モールド部を斜めに切り落とすだけである。
その他に手は加えておらずTNカプラーSPの連結性能に影響は及ぼさない。




クハ3608 [■ ■ ■ ■ ■]:TNカプラーSP化施工。

ダミーカプラーは2脚嵌合式である。
嵌合精度は高くなく引き抜くだけで撤去が行えた。
今後の出番は限り無く0に等しいが黒色成形密着自動式TNカプラーSPが不足した際の備えとして保管品へ廻した。
3600形用TNカプラーSPを装着したクハ3608用床板は難なく車体と嵌合させられている。
本数が多い遮光テープはその存在すら判らない手応えだった。
ある程度変形が許される材質であれば遮光テープ追加の副作用は起きないと思われる。
ここで手元にある100円ショップで入手したクッション付テープが対策の第一候補に挙がった。


クハ3608 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯(遮光テープ増強車)。


クハ3608 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(遮光テープ増強車)。

当然点灯試験は前尾灯への漏光確認が軸に置かれる。
縦方向に貼付された遮光テープは尾灯点灯時の効果が確認できた。
3600形の尾灯は赤色LEDチップによる再現でありプリズムへの色挿しが施されていない。
そのため前照灯点灯時の漏光はある程度許容出来る。
しかし尾灯を点灯させると前照灯へ赤色の漏光が発生してしまい見附を狂わせる。
完全とは言えないもののクハ3608は消灯状態に近かった。
クハ3601との差は明らかで漏光対策は本工程へ格上げされている。


サハ3601+クハ3608 (3668F-1+3608F:原形TNカプラーSP装着車+3600形用TNカプラーSP装着車)。

最後に運転台側TNカプラーSPの取付具合を確認した。
比較対象車には中間車化改造車のサハ3601を起用している。
中間車化改造車は未加工のTNカプラーSPが装着可能である。
よって車体との位置関係に狂いは無くサハ3601と同一であればクハ3608,クハ3601のTNカプラーSP化は成功と言えた。
連結試験のためだけにKATOカプラー化されていたサハ3601を灰色成形TNカプラーSPへ交換している。
灰色成形品と黒色成形品の連結により差異は確認し易くなる。
クハ3608,クハ3601はサハ3601と同等の連結器位置を保てており不備無く第一次整備を終えた。




3608F (第一次整備完了)。

製品はステンレス車体に締められた朱帯が引き立つ。
側扉毎に切れる腰板帯も新鮮でリリース済の3600系列とは雰囲気が異なる。
サックスブルー成形のFS-513,FS-013台車は初登場だが色温度は合格と言って良いだろう。
ただクハ3608,クハ3601共に誘導無線アンテナのぐらつきがある。
動力ユニットの整備も蓋を開けてみないと判らない。
6両編成ながら細かな修正を求められる機会はあると思う。
着実に第二次整備を進め3608Fの出場へ結び付けたい。

京成3600形モハ3621[3668F-1] 現行色 VVVF制御車 中期仕様 動力ユニット整備(段付加速改善:ギア類脱脂施工)

2018-04-13 21:47:34 | 京成線:3600形
一巡。

マイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)は段付加速が目立ち始めていた。
モハ3621は動力ユニットに手を着けないまま竣工した。
そのため後に再入場させ当時の水準で整備(清掃)を行った。


京成3600形3668F 現行色 VVVF制御編成 中期仕様。
3668F-1:3668-3621+3608-3601+3628-3661。
※白地種別幕編成。

京成3500形更新車以降に回着したマイクロエース製品から現行の動力ユニット整備に移行している。
モハ3621の再入場は3500形回着前だった。
従ってFS-562動力台車の純正グリス一部除去を施す程度の内容で留められた。
この中途半端な施工が今になって段付加速を招いたと思われる。


モハ3621現行色VVVF制御車中期仕様(3668F-1:動力車)。

京成線グループ最後の動力ユニット整備入場はモハ3621となった。
現状は段付加速に加え車体動揺が激しい。
走行不能には陥らないものの初期加速度も悪かった。
原因はモーター周りかFS-562動力台車だろう。
各々切り分けを行いながら整備を進める。


入工中のモハ3621。

工程は従来通り導電板研磨からとした。
ユニットカバーを撤去すると導電板は茶色く変色しており酸化が進行していた。
しかも絶縁シートの形状に沿い油脂付着まで見られる。
油脂痕はモーター若しくはFS-562動力台車の純正グリスだと思う。
絶縁シートも油脂塗れでどこから漏れ出しているか判らなかった。
ひとまず導電板を研磨し状態を回復させる。
後の点検入場で追求する方向とした。




輝きを取り戻した導電板。

導電板の研磨はラプロス#4000を使用した。
酸化箇所は容易に真鍮色へ戻せた。
しかし油脂痕はしつこい上にユニットカバー端部まで及んでいた。
マイクロエース製品の導電板は焼き潰し固定である。
撤去して作業が行えず全面の研磨を終えるまで時間を要した。


目立つ異常の無かったモーター周り。

続いてモーター周りの整備に移行する。
段付加速の要因になり得たためFS-562動力台車を取り外し単独駆動試験を行った。
軽負荷の状況下では問題無く電流を上げても気になる症状は現れなかった。
ただ低回転時のトルクが弱く感じられたため注油を施している。


車輪回転が重かったFS-562動力台車(成田寄)。

モーター周りには不安定要素が見られず不調の主因はFS-562動力台車に絞られた。
FS-562動力台車は純正グリスの白塊を取り除く軽度の清掃で打ち切られていた。
完全脱脂施工前の入場でありこればかりは致し方ない。
残った純正グリスは粘度が高まり車輪の回転を重くさせている。


ギア軸まで絡み付く純正グリス(上野寄)。

FS-562動力台車を分解すると物理的に手が届かないギアボックス内部は純正グリスだらけだった。
大ギアはセンターピンが固着したかのように動きが悪い。
モーターの回転を推進力に変えるギア類がこの有り様では段付加速が起きてもおかしくないと言える。
上野寄,成田寄とも同様の状態でクリーナープールを持ち出した。


純正グリスでギア谷が埋まったスパイラルギア(成田寄)。

スパイラルギア周りも一切手が加えられた気配が無い。
純正グリスで守られた金属製ギアは真鍮色こそ保っていた。
但し手作業での清掃には向かない。
プラスチック製ギアと共にクリーナープールへ投入した。


比例して状態が悪かったロアフレーム一式(上野寄)。

モハ3621には相当量の純正グリスが投入されていたと思われる。
動軸ギアはおろかロアフレームまで煌めいていた。
久し振りに動軸ギア用クリーナープールを起用し純正グリスの溶解を待った。
各ギア類がクリーナーへ浸かっている間にギアボックスとロアフレームの清掃を進めた。
固着が生じていたギアボックスセンターピン挿入部は入念に脱脂を行っている。


全部品の清掃を終えたFS-562動力台車(成田寄)。

クリーナープールから引き上げたギア類は純正グリスが白濁した状態で残ってしまった。
爪楊枝と歯ブラシで仕上げを施す。
プラスチック製ギアは表面の艶が消え失せ完全に脱脂された。
スパイラルギアも極細綿棒と歯ブラシで払い純正グリス残滓を取り除いている。


純正グリスが除去されたFS-562動力台車。

思いの外純正グリスが溶解せずようやく組立に入れた。
大ギアを固定するセンターピンは拒絶する気配無く差し込めた。
組み上げたFS-562動力台車は車輪の回転が格段に向上した。
これで摺動抵抗はほぼ払拭できたとの手応えを得られている。
最後にタミヤ製グリスを塗布しFS-562動力台車の整備を終えた。


整備完了後のモハ3621用動力ユニット。

後は津川洋行製ホイールクリーナーでの踏面清掃と走行試験を行うのみとなる。
ホイールクリーナー上でも低電流から車輪が回転し始めた。
安定した低速回転を保ち一定の効果が伺える。
走行試験でも不審な挙動は見せず性能回復に漕ぎ着けた。
なお元運転台側をKATOカプラーからTNカプラーへ復帰させる計画が存在した。
しかし成田寄FS-562動力台車組立時にKATOカプラーを取り付けたため見送りされている。


KATOカプラーが継続使用となったFS-562動力台車(成田寄)。

中期仕様化時にTNカプラーからKATOカプラーへ交換したが連結面間隔が想定より広く見えた。
3600形の運転台側は三平面折妻である。
後退角の関係で錯覚により連結面間隔が増したように見えてしまうのが原因だった。
再びTNカプラーに戻す予定は整備都合で撤回されている。


モハ3621+サハ3608 (3668F-1:中間組込改造車+中間組込改造車)。

モハ3621の竣工で3668F-1が再出場した。
長期に渡ったマイクロエース製動力車整備もモハ3621が最終施工車となり一応の終着点に到達している。
全車現行方式で統一され未整備車は消滅した。
但し京成3500形更新車も初陣の3520F現行仕様(3520F-3)は出場から時間が経過しておりその状態が気に掛かる。
動力ユニット整備が一段落を迎えたのは事実だが整備方法に落ち度がないか確認を行う予定である。

京成3600形モハ3602[3658F] 現行色 8両編成 中期仕様 動力ユニット整備(駆動不調改善:モーター軸清掃施工)

2018-03-11 21:30:07 | 京成線:3600形
意外。

マイクロエース製動力ユニット整備は最終章の京成3600形グループに入っている。
モハ3606芝山色(3618F-2)までの整備を終えモハ3602現行色8両編成中期仕様(3658F)が対象車となった。
編成管理番号順に整備を進めている都合で京成現行色を纏う3600形が初入場を迎えた。


京成3600形モハ3602 現行色 8両編成 中期仕様(3658F)。

モハ3602の工程にはモハ3658,モハ3652(3658F)で先行したランボード波打現象修正を組み込む。
未入場の3600形は3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F)のみとなりこの作業も一旦終了となる。
今後の3600形増備時には回着整備へ格上げする。
M1車系は側面行先表示器の基準幕化だけで竣工させられたが工程が増える事になった。


入工中のモハ3602。

入場に当たり動力ユニット整備とランボード波打現象修正のどちらを先行させるか考えた。
溶着都合でランボード修正を先発する手段も利点がある。
しかし工程数の多い動力ユニット整備は途中で打ち切り難い。
よってランボード波打現象修正は後に廻し動力ユニットの整備から開始する。


分解した動力ユニット。

モハ3602の回着整備は導電板の拭き上げとFS-513動力台車の純正グリス除去しか行われていない。
導電板は当たりに該当し目立った酸化や指紋痕が見られなかった。
2016年3月の竣工から約3年が経過したところである。
この回着整備が作用したか不明だが最近は段付加減速,急停車,低速走行等の不調が現れている。
走行毎に症状が変化する厄介な状況でありこれの解消を目指した。
モーターカバーを取り外すと上野寄導電板の端部が変形し固定部から外れていた。
付近には台車集電板との接点があり急停車の要因だと思われる。


研磨と整形を施した導電板。

導電板も回着当時には気付かなかった指紋痕が浮き上がっていた。
酸化は予想より進行していなかったものの指紋痕の除去するためラプロス#4000で磨き上げている。
研磨後に上野寄導電板を整形しモーターカバーのスリットから外れ難くした。
台車集電板との接触部付近から角度を寝かせモーターカバー側へ反らせた。
無事モーターカバーに収まった導電板だが後で再修正に迫られる。


糸屑を除去したモーター軸。

ひとまず急停車の一要因が潰せた。
まだ段付加減速や低速走行の課題が残る。
駆動系統の不調原因追求には切り分けが必要だった。
先ずFS-513動力台車を撤去し軽負荷下でのモーター単独駆動試験を行った。
電極を端子に直結させてもモーターはぎくしゃくした動きをする。
明らかに様子がおかしくモーターストッパーを撤去した。
挙動不審の要因はモーター軸に巻き付いた糸屑と埃だった。
糸屑はモーター軸受付近まで達しており慎重に取り除いている。
不調を訴えてからの負荷を考えモーター軸受部には注油を施した。
何故モーター軸部に糸屑や埃が侵入したか判らない。
この様な現象は初でいまいち腑に落ちない点である。
整備後のモーターは力強い回転に戻り不調からの脱出が感じ取れた。


純正グリスが残るFS-513動力台車(上野寄)。

不調の主因はモーター廻りだと判明した。
入場前はFS-513動力台車にも疑いの目を向けていた。
整備順が幸いしFS-513動力台車は純正グリス除去に注力するだけで良くなっている。
回着時の清掃は純正グリスの白塊を取り除いた程度だと思われる。
そのためギア廻りは油脂で煌めいていた。
ギア類はFS-513動力台車の分解と同時にクリーナープールへ直行している。


脱脂を終えたギアボックス,動軸ギア,ロアフレーム(成田寄)。

ギアボックスは純正グリス塗れだった。
クリーナーを浸した綿棒で徹底的に清掃を行っている。
不思議な事に動軸ギアは純正グリス付着量が少なかった。
クリーナープールは必要無く歯ブラシを主に清掃を進めた。
比例するようにロアフレームも綺麗な状態を保っており上野寄,成田寄共比較的短時間で純正グリス除去を終えた。
通電不良の疑いが残る集電板は接点をラプラス#8000で磨く対策を施している。


プラスチック地に戻ったギアボックス一式(上野寄)。

クリーナープールから引き上げたギア類のうちプラスチック製品は純正グリスが完全溶解しなかった。
各部に白い膜状のようなものが残る。
ギア1/4事に区切りクリーナーを浸した極細綿棒と歯ブラシで残滓除去を行った。
金属製スパイラルギアもギア谷に純正グリスが散見された。
モハ3602の純正グリスは今までの整備施工車と何かが違うらしい。
3618F-1,3618F-2では生じておらずモハ3628(3668F)の入場を前に予備情報を得られている。


整備を終えたFS-513動力台車(成田寄)。

マイクロエース製動力台車にはタミヤ製グリスを添加している。
今回はグリスの保管状況が悪く暖房機の側にあった。
粘度が極端に下がったグリスは厄介だった。
適正分量が掴み難くどの程度塗布すれば良いか判らなかった。
艶の無いギアはグリスで保護されると表面の仕上がりが変わる。
これを頼りにギアボックス全体へ馴染ませた。
恐らくモハ3602のタミヤ製グリス投入量は過去最少だと思う。


整備工程を終えた動力ユニット。

各部品の整備が完了し動力ユニットを組み立てた。
津川洋行性ホイールクリーナーでの踏面清掃が最終工程となる。
ホイールクリーナーに載せた動力ユニットだが上野寄FS-513動力台車の清掃で不具合が生じた。
解消したと思われた段付加減速が再発してしまった。
各所への対策を遡り到達したのは導電板整形だった。
モーターカバー側に反らせた導電板は動力台車との接点を遠ざける原因にもなっていた。
再度整形を行い台車集電板と接触する導電板の角度を起こした。
その結果動力ユニットは快調さを取り戻し症状の完全解消に漕ぎ着けている。


ランボードを撤去したモハ3602。

動力ユニットの整備が完了した。
日付を跨ぐまでにはまだ時間が残っている。
このままランボード波打現象修正に取り掛かった。
モハ3602のランボード固定は車体中央部を除く4点止めだった。
流し込み接着剤は多目に投入されており車内側の取付口は原形を留めていない。
溶着滓は全て縫い針で突き崩し長方形へ復した。


波打ちが判り難くなった再装着後のランボード。

ランボードも取付脚に溶着時のプラスチック滓が付着した状態で撤去された。
全てクラフトナイフの背を用い形を整えている。
車体へランボードを仮敷設し妻面方向への移動代を確認した。
後は片側毎に取付脚を再溶着させるのみとなる。
モハ3658で採用した取付脚を浮かせた位置からの流し込み接着剤投入にしている。
これにより固着待ち時間は殆ど掛からなかった。




モハ3602(動力ユニット整備,ランボード波打現象修正施工)。

モハ3602のランボードも俯瞰での波打ちを抑えられた様に見える。
駆動不調の改善とを併せ納得して竣工を迎えられた。
3658Fは芝山3600形3618F前期仕様(3618F-1),3618F-2と仕様が統一され再出場している。

そして一連のマイクロエース製動力ユニット整備もモハ3628(3668F)の入場を待つだけとなった。
3600形以降に増備した編成からは動力ユニット整備と同等の工程を回着時に組み込んでいる。
経年対策を主眼に置いた動力ユニット整備はモハ3628が最終入場車となる。
不調の兆しが見られるため早期に整備を行う方向とする。

※ランボード反転取付判明→修正済。

京成3600形モハ3656,モハ3652[3658F] 現行色 8両編成 中期仕様 ランボード波打現象修正施工

2018-03-10 21:24:01 | 京成線:3600形
先行。

マイクロエース製京成3600形3658F現行色8両編成中期仕様(3658F)を入場させた。
この日は作業時間が限られモハ3602(3658F)の動力ユニット整備には手を出せない。
そこで3600形M1車系で進めているランボード波打現象の解消に絞り込んでいる。


京成3600形3658F 現行色 8両編成 中期仕様。
3658F:3658-3657-3656+3603-3602+3653-3652-3651。
※白地種別幕編成。

マイクロエース製3600形M1車系のランボードは別部品化され立体感がある。
その代わり車体への取付脚が少なく波を打つ弱点があった。
芝山3600形モハ3606前期仕様(3618F-1)での試行を皮切りに3618F-1,京成3600形3618F芝山色(3618F-2)への施工を終えた。
在籍する8両編成の3600形では3658Fだけが修正されないまま存置されてきた。
モハ3602の動力ユニット整備入場を前に症状改善を図る。
時間制限があるためモハ3656,モハ3652を先行させ状況次第でモハ3602も入場させる工程順とした。


モハ3656現行色8両編成中期仕様(3658F)。

モハ3656のランボードは車体中央部で盛り上がる形状をしていた。
ランボードの完全な平坦化は台座成形都合で難しい。
よって急角度で立ち上がる波打ち部を多少なりとも穏やかにする事を目標とした。
これだけでも俯瞰からの編成見附が向上するのは3618F-1,3618F-2で確認済である。


入工中のモハ3656。

5点嵌合のランボードだが個体差により溶着箇所が異なる。
モハ3656は全箇所とも流し込み接着剤が投入されていた。
撤去は車内側から押し出すのみである。
取付口との嵌合精度により接着剤の侵入は少ない。
ランボード剛性も高く折損に至る心配は無かった。
無事取り外せたランボードの取付脚は全てに溶着したプラスチックが付着していた。
再装着時の位置修正代を稼ぐためこれを除去している。


ランボードを撤去したモハ3656。

車内側ランボード取付口には溶けたプラスチックが残っている。
本来の形状に戻すため縫い針を持ち出した。
針先でプラスチックを突き崩し徐々に長方形へ修正する。
屋根板側からの細工となり塗装面の保護には十分注意した。
縫い針は径が太くならず比較的容易にプラスチック片を落とせる。
ニードルでは屋根板側の取付口を変形させる確率が高く敢えて縫い針を起用した。


成形を保ったランボード取付口。

屋根板塗装に傷付ける事無くランボード取付口の整形を終えた。
取付口は屋根板側,車内側とも相似の長方形に戻った。
これで車体中央部から妻面方向へのランボード調整代が稼げる。
再取付は一度車体にランボードを嵌め込む様改めた。
車体中央の取付孔は自由度が無く片側に引き込むとランボード取付脚が歪んでしまう。
3618F-2まではランボードの中央部を抑えながら上野寄,成田寄へ各々を引き込んでいた。
しかし装着中に溶着したはずの取付脚が浮く現象が散見されたため3658Fから変更している。


水平に見えるランボード。

ランボードを仮装着した後に車体中央寄の取付口からランボードの溶着を進める。
前途の通り嵌合精度が高く流し込み接着剤が投入し難い。
取付脚を僅かに浮かせ車内側から接着剤を塗布した。
長方形の取付口部はランボードを各々の妻面側に寄せながら押着している。
再装着を終えたランボードは側面上方から俯瞰方面への波打ちが判り難くなったと思う。




モハ3656(ランボード波打現象修正施工)。

固定は5点止めで製品仕様の溶着よりも強固になった。
側面見附ではまだ波打現象が残るものの車体中央部への傾斜は緩くなった様に思える。
波打現象解消と呼べない理由はここにある。
但し最低限の目標には到達しておりモハ3656は竣工となった。


入工中のモハ3652(3658F)。

続いてモハ3652が入場した。
モハ3652は3600形M1車でもランボードの落ち着きが悪かった。
原因は車体妻面寄以外の取付脚が溶着されていないことである。
3点が固定されておらず何かの拍子でランボード全体が浮き上がってしまう。
改修で5点止めを採用するため解消に至ると思い作業を開始した。


屋根板から浮くランボード。

流し込み接着剤が不使用であり修正は容易だと考えていた。
ランボード撤去までは順調に進められた。
ここから迂回が始まる。
ランボード取付口の整形は不要と思われた。
ところが溶着が施されていなかった取付口はリブ状のバリが取り囲んでいた。
縫い針での突き崩しも上手く行かずクラフトナイフへ持ち替えた。
車体を削る危険を避けナイフの背を用いバリの除去を進めた。
ランボードの取り外しで生まれた作業猶予はバリ取り作業で相殺されている。


余計に整形し難かった車内側ランボード取付口。

バリは非常に脆く粉々になって舞い落ちる。
これでは縫い針が通用しないのも当然だった。
その上削ったバリが側面窓セル内側に付着しこれの除去にも時間を要している。
この時点でモハ3602の入場は諦めモハ3652のランボード復旧に全力を注ぐ決断を下した。
粉砕されたバリはセロハンテープで削ぎ取っている。
一度エアダスターを吹いたところ舞った後に側面窓セルへ再付着してしまった。
効率の悪い方法だが地道に側面窓セルの清掃を進めた。
ランボードの再装着はモハ3656から変更していない。




モハ3652現行色8両編成中期仕様(ランボード波打現象修正施工)。

施工を終えたモハ3652のランボードはほぼ一直線になった。
モハ3656を含めこれまでの改修施工車では格段に収まりが良い。
取付方法は変更しておらず個体差に拠るものだろう。
恐らく未溶着のランボード取付脚及び取付口が良い方向に作用したと思われる。

モハ3652の竣工でこの日の作業は打ち切りとなった。
未施工のモハ3602は動力ユニット整備が控えている。
同時にランボード波打現象修正を施し3658Fの再出場を飾りたい。

※モハ3652:ランボード反転取付判明→修正済。