復元。
KATO製JR103系ラシ310F-1(Tc803)のプロトタイプ合致作業は2014年7月に行われた。
予備ユニットを遣り繰りし雑然とした組成から量産冷房車による10両編成へと整えた。
ただクハ103形高運転台非ATC車が先頭車両の編成でありラシ307F-1(T493)との差別化に苦慮している。
JR103系ラシ310F (1995/4)。
[ラシ310F-1]:Tc803-M732-M'888-T488-M733-M'889-T489-M734-M'890-Tc810。
苦肉の策で側扉窓黒Hゴム支持化を施し習志野区晩年仕様に据えられる。
更にグリーンマックス製モハ103-162+モハ102-300(←モハ103-265+モハ102-420:ラシ332F)を含む12両体制とした。
随時5,6号車へモハ103-162+モハ103-300を組み込む旧ラシ310F-2(M162)も対応可能にしている。
しかし個性の弱さは隠せず一時的に三鷹区へ貸し出されたミツ23F-1(Tc803)との両立へと変更される。
行先表示類を[27B 千葉]へ改めるだけの微細な変化に留まり存在感の向上には殆ど繋がらなかった。
その後TOMIX製High-Grade製品ラシ309F(Tc383),ラシ330F(Tc309)の増備もありラシ310F-1は出番に恵まれない状況が続く。
久し振りに走行機会を得たラシ310F-1だったがモハ103-734(動力ユニット搭載車)の調子が悪く緊急入場となった。
入工中のモハ103-733,モハ103-734 (ラシ310F-1:非動力車,動力ユニット搭載車)。
後に旧ラシ310F-2(M162)はモハ103-162+モハ102-300がラシ325F(Tc461)へ異動したのを契機に廃止されラシ310F-1へ一本化された。
旧ラシ310F-2はモハ103-162が非動力車となる関係でモハ103-734(ラシ310F-1:8号車)を動力ユニット搭載車に指定していた。
動力車位置偏位対策は何故か旧ラシ310F-2の廃止時に行われなかった。
そのためモハ103-733(ラシ310F-1:5号車)は非動力車のまま存置されており今入場で解消を図る。
モハ103-734はモハ103-733からモハ103形用床板を移設するだけの予定だった。
だが状態が悪いモハ103-700(中古製品)を種車とした名残の払拭を名目に車体改修も行っている。
↓
モハ103-734(ラシ310F-1:床板交換施工)。
※車体改修。
モハ103-734は[関スイ]電略再現を持つ旧LOT品で車体塗装に埃混入が見られる。
こればかりは手の施しようが無かったが各所で見られる擦過痕を修正した。
また雨樋直下の幕板には埃が沈着しており入念に磨きクロスで拭き上げている。
側面窓セルの曇りも酷く屋根板以外は全て補修対象となった。
高経年車にしては側面窓セル窓サッシ印刷の劣化が見られずまずまずの見附に戻せたと思う。
但しユニット相手のモハ102-890は現行LOT品であり何れ他編成と振り替えるかもしれない。
モハ103-733用に変更される動力ユニット。
モハ103-734から撤去した動力ユニットは整備の上モハ103-733に取り付ける。
比較的走行履歴の少ない動力ユニットだが起動電流の高さと段付加速が著しかった。
特に前者は急発進,急停車を引き起こし最大の改善項目となる。
先ずはユニットカバーの取り外しから着手したが台枠とシャフト受が支障する事態に見舞われた。
通常であれば垂直方向に引き上げるだけでモーター一式を含めたユニットカバーが取り外せる。
だが両シャフト受が両エンド側に偏位しており台枠から引き抜けなかった。
整備後に性能回復が実現したモーター。
このままでは埒が明かず両シャフト受をモーター中央寄に寄せた。
ひとまずユニットカバーと台枠を分離させたが組み立てる際の修正は避けられないと考えた。
整備前のモーターはほぼ無負荷状態の単体駆動試験でも起動電流が高かった。
そこでモーター軸受部に注油を施しラプロス#6000で端子部の研磨を行っている。
端子部を磨いた効果は直ぐに現れ無瑕疵の動力ユニットと同様に戻った。
引き続き超低速で油脂を馴染ませると徐々に軽やかな回転へと変化した。
取り敢えず駆動不調を招いた原因の一つは解消に至っている。
劣化が際立つ台車集電板(1エンド側)。
起動電流の問題はモーター側だったが段付加速にはDT33動力台車が関与しているはずである。
先に取り外したDT33動力台車の台車集電板は断面が茶褐色へと変わっていた。
一部には緑青のようなものまで発生しており全面的な研磨を要すると思われた。
DT33動力台車の分解を進めると予想以上に状態が悪いと判明する。
問題無かったのは都度踏面清掃を行っている車輪程度で他は見事な惨状ぶりだった。
プラスチック製ギアは悉く油脂切れを示す有り様で表面の艶が全く見られない。
スパイラルギアにも埃が固着し動力伝達損失を生んでいるのは明らかだった。
整備を終えたDT33動力台車(2エンド側)
先ずスパイラルギアをクリーナーへ漬けた後に歯ブラシで払い落とした。
油脂付着は殆ど無くこれだけで茶褐色だった表面は真鍮色に戻せている。
予想通り台車集電板は1エンド側用,2エンド側用とも全体的に酸化が進んでいた。
ラプロス#4000では作業が捗らずラプロス#2400まで番手を落とし磨き上げる。
更に油脂分で半分埋まりかけたピボット軸受部は爪楊枝にて清掃し摺動抵抗を減らした。
これほど酷く劣化した台車集電板は初であり都合4枚の研磨が完了するまでに約20分を割かれている。
なおプラスチック製ギア類には微量のユニクリーンオイルを投下した。
↓
モハ103-733(ラシ310F-1:動力ユニット整備・搭載施工)。
全箇所の整備を終えたがまだモーター中央寄に偏位させたシャフト受を戻す作業が残っている。
現状のまま台枠とユニットカバーを嵌合させシャフト受の位置修正に取り掛かる。
位置基準は既に動力ユニット整備が完了したモハ103-708(ラシ305F:Tc763)を参考にした。
今更台枠にLOT差があると気付くおまけが付いて来たものの幸い2エンド側は類似の成形形状であった。
先に2エンド側の台枠切り欠き部から僅かに引き込んだ位置へシャフト受合わせる。
1エンド側のシャフト受もこれに倣いモーター軸露出部が両側等幅になるよう調整した。
やや不安が残る組み立てになってしまったが駆動試験は一発で整備の答を得られている。
シャフト受の位置変更による変化は一切見受けられず駆動力低下には至らなかった。
段付加速は劣化した台車集電板の影響が大きかった模様で断面まで磨いた甲斐があったと思う。
一方車体は側面窓セル窓サッシ印刷の波打現象が生じていた。
磨きクロスで側面窓セル全面を吹き上げても剥離には至らず補修は施していない。
無事モハ103-733,モハ103-734(ラシ310F-1)が竣工し動力車位置偏位も解消された。
この整備を機にラシ310F-1の存在感を高めるべく他車両も入場させる予定である。
KATO製JR103系ラシ310F-1(Tc803)のプロトタイプ合致作業は2014年7月に行われた。
予備ユニットを遣り繰りし雑然とした組成から量産冷房車による10両編成へと整えた。
ただクハ103形高運転台非ATC車が先頭車両の編成でありラシ307F-1(T493)との差別化に苦慮している。
JR103系ラシ310F (1995/4)。
[ラシ310F-1]:Tc803-M732-M'888-T488-M733-M'889-T489-M734-M'890-Tc810。
苦肉の策で側扉窓黒Hゴム支持化を施し習志野区晩年仕様に据えられる。
更にグリーンマックス製モハ103-162+モハ102-300(←モハ103-265+モハ102-420:ラシ332F)を含む12両体制とした。
随時5,6号車へモハ103-162+モハ103-300を組み込む旧ラシ310F-2(M162)も対応可能にしている。
しかし個性の弱さは隠せず一時的に三鷹区へ貸し出されたミツ23F-1(Tc803)との両立へと変更される。
行先表示類を[27B 千葉]へ改めるだけの微細な変化に留まり存在感の向上には殆ど繋がらなかった。
その後TOMIX製High-Grade製品ラシ309F(Tc383),ラシ330F(Tc309)の増備もありラシ310F-1は出番に恵まれない状況が続く。
久し振りに走行機会を得たラシ310F-1だったがモハ103-734(動力ユニット搭載車)の調子が悪く緊急入場となった。
入工中のモハ103-733,モハ103-734 (ラシ310F-1:非動力車,動力ユニット搭載車)。
後に旧ラシ310F-2(M162)はモハ103-162+モハ102-300がラシ325F(Tc461)へ異動したのを契機に廃止されラシ310F-1へ一本化された。
旧ラシ310F-2はモハ103-162が非動力車となる関係でモハ103-734(ラシ310F-1:8号車)を動力ユニット搭載車に指定していた。
動力車位置偏位対策は何故か旧ラシ310F-2の廃止時に行われなかった。
そのためモハ103-733(ラシ310F-1:5号車)は非動力車のまま存置されており今入場で解消を図る。
モハ103-734はモハ103-733からモハ103形用床板を移設するだけの予定だった。
だが状態が悪いモハ103-700(中古製品)を種車とした名残の払拭を名目に車体改修も行っている。
↓
モハ103-734(ラシ310F-1:床板交換施工)。
※車体改修。
モハ103-734は[関スイ]電略再現を持つ旧LOT品で車体塗装に埃混入が見られる。
こればかりは手の施しようが無かったが各所で見られる擦過痕を修正した。
また雨樋直下の幕板には埃が沈着しており入念に磨きクロスで拭き上げている。
側面窓セルの曇りも酷く屋根板以外は全て補修対象となった。
高経年車にしては側面窓セル窓サッシ印刷の劣化が見られずまずまずの見附に戻せたと思う。
但しユニット相手のモハ102-890は現行LOT品であり何れ他編成と振り替えるかもしれない。
モハ103-733用に変更される動力ユニット。
モハ103-734から撤去した動力ユニットは整備の上モハ103-733に取り付ける。
比較的走行履歴の少ない動力ユニットだが起動電流の高さと段付加速が著しかった。
特に前者は急発進,急停車を引き起こし最大の改善項目となる。
先ずはユニットカバーの取り外しから着手したが台枠とシャフト受が支障する事態に見舞われた。
通常であれば垂直方向に引き上げるだけでモーター一式を含めたユニットカバーが取り外せる。
だが両シャフト受が両エンド側に偏位しており台枠から引き抜けなかった。
整備後に性能回復が実現したモーター。
このままでは埒が明かず両シャフト受をモーター中央寄に寄せた。
ひとまずユニットカバーと台枠を分離させたが組み立てる際の修正は避けられないと考えた。
整備前のモーターはほぼ無負荷状態の単体駆動試験でも起動電流が高かった。
そこでモーター軸受部に注油を施しラプロス#6000で端子部の研磨を行っている。
端子部を磨いた効果は直ぐに現れ無瑕疵の動力ユニットと同様に戻った。
引き続き超低速で油脂を馴染ませると徐々に軽やかな回転へと変化した。
取り敢えず駆動不調を招いた原因の一つは解消に至っている。
劣化が際立つ台車集電板(1エンド側)。
起動電流の問題はモーター側だったが段付加速にはDT33動力台車が関与しているはずである。
先に取り外したDT33動力台車の台車集電板は断面が茶褐色へと変わっていた。
一部には緑青のようなものまで発生しており全面的な研磨を要すると思われた。
DT33動力台車の分解を進めると予想以上に状態が悪いと判明する。
問題無かったのは都度踏面清掃を行っている車輪程度で他は見事な惨状ぶりだった。
プラスチック製ギアは悉く油脂切れを示す有り様で表面の艶が全く見られない。
スパイラルギアにも埃が固着し動力伝達損失を生んでいるのは明らかだった。
整備を終えたDT33動力台車(2エンド側)
先ずスパイラルギアをクリーナーへ漬けた後に歯ブラシで払い落とした。
油脂付着は殆ど無くこれだけで茶褐色だった表面は真鍮色に戻せている。
予想通り台車集電板は1エンド側用,2エンド側用とも全体的に酸化が進んでいた。
ラプロス#4000では作業が捗らずラプロス#2400まで番手を落とし磨き上げる。
更に油脂分で半分埋まりかけたピボット軸受部は爪楊枝にて清掃し摺動抵抗を減らした。
これほど酷く劣化した台車集電板は初であり都合4枚の研磨が完了するまでに約20分を割かれている。
なおプラスチック製ギア類には微量のユニクリーンオイルを投下した。
↓
モハ103-733(ラシ310F-1:動力ユニット整備・搭載施工)。
全箇所の整備を終えたがまだモーター中央寄に偏位させたシャフト受を戻す作業が残っている。
現状のまま台枠とユニットカバーを嵌合させシャフト受の位置修正に取り掛かる。
位置基準は既に動力ユニット整備が完了したモハ103-708(ラシ305F:Tc763)を参考にした。
今更台枠にLOT差があると気付くおまけが付いて来たものの幸い2エンド側は類似の成形形状であった。
先に2エンド側の台枠切り欠き部から僅かに引き込んだ位置へシャフト受合わせる。
1エンド側のシャフト受もこれに倣いモーター軸露出部が両側等幅になるよう調整した。
やや不安が残る組み立てになってしまったが駆動試験は一発で整備の答を得られている。
シャフト受の位置変更による変化は一切見受けられず駆動力低下には至らなかった。
段付加速は劣化した台車集電板の影響が大きかった模様で断面まで磨いた甲斐があったと思う。
一方車体は側面窓セル窓サッシ印刷の波打現象が生じていた。
磨きクロスで側面窓セル全面を吹き上げても剥離には至らず補修は施していない。
無事モハ103-733,モハ103-734(ラシ310F-1)が竣工し動力車位置偏位も解消された。
この整備を機にラシ310F-1の存在感を高めるべく他車両も入場させる予定である。