試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-196[ラシ305F-3] 車体更新 (サハ103-37 回着,改番,2エンド側TR62非動力台車交換:TR201擬廃止)

2018-03-08 21:39:45 | 国鉄/JR103系
到来。

新たにKATO製国鉄103系一般形サハ103-37(黄色5号:ジャンク車両)を投入した。
導入名目は車体更新用で入籍はさせない。
更新入場車はサハ103-212(ラシ305F-3)で機会を逸したサハ103-196(ラシ305F-3)である。


JR103系ラシ305F (2000/6)。
ラシ305F-3:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc260。

所有車両では状態が劣る塗装変更車の車体更新を進めている。
KATO製JR103系ラシ305F-3はクハ103-763,サハ103-212の更新を終えていた。
KATO製一般形サハ103-196は元モハ102-188廃車体(青緑1号)を復旧させたサハ103-269(元ラシ336F-3)を種車とする。
廃車体は塗装失敗を繰り返しペイントリムーバーでの剥離が度重なった結果車体剛性が劣ってしまった。
サハ103-196への改番ではSC24形インバータ+AU712冷房改造車からAU712冷房改造車(MG給電)に変更している。
この際LOT差のある屋根板を起用したため脆かった車体の1-3位側に亀裂を生じさせた。
現在まで引き摺っていた弱点を車体更新で解消させる。


サハ103-196(ラシ305F-3)。

クハ103-763,サハ103-212の車体更新でラシ305F-3ではサハ103-196が唯一の塗装変更車で残されている。
当初はモハ102-188(黄色5号:ジャンク車両)の投入でサハ103-212より先に更新を図る予定だった。
しかし改修入場中のサハ103-212で車体を破損させ車体更新に踏み切らざるを得なくなった。
その後更新種車の回着に恵まれず現状維持に努めてきた。
計画より約5箇月半も遅れたがサハ103-37の導入でようやく入場を迎えている。


サハ103-37(ジャンク車両)。

サハ103-37は車両番号が示す通り旧LOT品である。
欲を言えば現行LOT品のサハ103-227(黄色5号)が理想だった。
旧LOTベンチレーターでは使用機会が無い。
更新種車確保と予備品拡充の両立が望ましかった。
ただサハ103-37の車体状態は非常に良く車体更新に向いていた。


入工中のサハ103-37,サハ103-196 (ジャンク車両,ラシ305F-3)。

サハ103-196は廃車発生品転用による台枠更新まで変則3pcs式サハ103形用床板擬を使用していた。
種車のサハ103-269は余剰部品を寄せ集め竣工させた。
変則3pcs式サハ103形用床板擬もその名残の1つである。
その他にも状態の芳しくない部品が存在するためどれが流用可能か仕分けながら作業を進める。


消去された[サハ103-37]。

分解前にサハ103-37の車両番号標記印刷を消去する。
工程を後ろへ廻すと消去失敗時のダメージが大きい。
KATO製103系一般形の車体更新は色挿しが必要で全てを台無しにしかねない最終工程には向かなかった。
車体剛性確保もあり予め改番に備える措置を採っている。
印刷消去はラプロス#4000→#6000→消しゴム→磨きクロスの4段階で手慣れた方式とした。
久し振りの印刷消去にしては上出来だと思う。


車体更新を前に分解したサハ103-196。

準備を整えサハ103-196を分解した。
ランボード敷設とAU712冷房機搭載を済ませた屋根板は流用したい。
しかし全長を詰めたとは言え元サハ103-37の車体に負荷無く収まるか不安が過った。
嵌合を考えると側面窓セルは流用した方が無難だろう。
台枠も2箇所に嵌合爪を補修した箇所があった。
折損を修正した模様で組立時の衝撃に耐えられるかが課題となる。


大きく割れた車体補修部。

車体更新を行うため旧車体は不要となる。
余り破損個所には気を配らず側面窓セルを撤去した。
この際誤魔化していた車体破断部が耐えられなくなり大きな亀裂を走らせた。
何度もペイントリムーバーを被った車体は限界だったらしい。


解体された元サハ103-37

続けて元サハ103-37を解体した。
側面窓セルは擦過痕が少なくまだ活用出来ると思う。
サハ103-196の座席部品はクハ103形用を使用していた。
加えて変則3pcs式床板装着時に設けた丸孔が残る。
車体との嵌合精度に不都合が無ければ元サハ103-37から転用する。
床板一式は他車への転用を検討している。
サハ103-196に充当するかは補修された嵌合爪の強度に懸かる。


窓サッシから色挿しを開始した元サハ103-37

KATO製103系一般形の車体更新は戸袋窓支持Hゴム再現からの色挿し開始が恒例だった。
しかしサハ103-196は車両更新工事施工車で都合3色を用いる。
サハ103-37では窓サッシモールドから先発させている。
窓サッシだけは水性のガンダムマーカーを塗布する。
塗料乾燥時間を考慮し施工順を変更した。
側扉窓支持は油性ペイントマーカーで金属押え面化している。
インクの定着度から戸袋窓支持Hゴムモールドへの色挿しは最後に廻った。
黒Hゴム支持化は毎度のマッキーである。


流用した防錆措置済のウエイト。

サハ103-37の車体は車両更新工事施工車仕様化を終えた。
作業は折り返しに入り部品を切り分けつつ組立を進める。
補修された嵌合爪部を傷めない様に元サハ103-37の車体を載せた。
流用のウエイトは錆落としを行いマッキーで表面を保護した防錆対策品だった。
現在でも再発しておらず一定の効果が伺える。
錆だらけだった元サハ103-37用のウエイトも防錆措置を施した後に保管品へ廻す予定である。


屋根板嵌合都合で流用となった側面窓セル。

元サハ103-37用座席部品は何処にも当たらず収まってくれた。
変則3pcs式床板時代から残存していた丸孔と車椅子スペースは同時に消滅している。
側面窓セルの組み付けは嵌合爪補修部から開始した。
取り敢えず他の3個所が生き残っており嵌合には問題無い。
無事に全てへの嵌め込みを終え台枠は流用が確定した。
以後の分解時には側面窓セルの着脱順が注意事項となる。
折損防止のため脱着を先行させる部位に位置する座席部品へマッキーで目印を設けた。
屋根板も旧車体より嵌め易かった。
若干きつい気がするものの側面窓セルの嵌合爪受が1箇所だけ殺されている。
取り扱いには影響しないと思われAU712冷房機及びランボードの移設も回避された。


[[サハ][103-][1][9][6]]:2-4位側。

最後は車両番号インレタの転写となる。
グリーンマックス製インレタは何時の間にか全て古インレタと化してしまった。
元々[サハ]が少ない台紙でもあり両側とも継ぎ接ぎになった。
インレタの組合せは1-3位側:[サハ103-1]+[9]+[6],2-4位側:[サハ]+[103-]+[1]+[9]+[6]である。
特に2-4位側は苦しく配列も揃っていない。
番号抽出から手間を要したため再転写は行わなかった。


再生したTR62非動力台車 (TR62非動力台車,TR201擬非動力台車枠)。

ようやく全工程終了かと思った矢先に2エンド側台車の形状がおかしい事に気付いた。
確認すると[405]の刻印がある。
装着していたのはDT33非動力台車のブレーキシリンダーを切除したTR201擬だった。
3pcs式床板を廃止した際にTR62非動力台車の遣り繰りが着かずDT33非動力台車を加工したらしい。
それなりの見附にはなっているが側梁が波打ち体裁は芳しくない。
せっかくの車体更新でTR201擬非動力台車を流用するのはいまいち気乗りしなかった。
保管品を探り1台だけ残っていた[401]の刻印を持つTR62非動力台車枠を発掘した。
所要部品の大半はTR201擬非動力台車から移設している。
よっていんちき黒染車輪も引き継がれた。
なお締結ピンだけは保管品のグリーンマックス製へ交換した。


[弱冷房車]ステッカーインレタを転写したサハ103-196 (旧車体,車体更新車)。

2エンド側台車の交換を終えたがもう1つだけ工程が残っていた。
旧車体にはジオマトリックス製[弱冷房車]ステッカーインレタを転写していた。
所有車両でも[弱冷房車]ステッカーインレタ転写を行ったサハ103形は少数派である。
車体更新での消滅を防ぎたくTOMIX製209系500番代(旧製品)用インレタを代用した。
103系用とは寸法が異なるものの無いよりは良い。
都合8箇所への転写を珍しく失敗せずに済ませサハ103-196の車体更新工程を終えた。




サハ103-196(車体更新:サハ103-37 改番)。

TOMIX製[弱冷房車]ステッカーインレタの転写で入場前に限り無く近い仕様に戻せた。
元サハ103-37の車体転用で塗装変更車体からメーカー塗装車体に更新され見附は格段に向上している。
取扱い上の注意点も解消に至りサハ103-196が竣工を迎えた。
同時にラシ305F-3の全車メーカー塗装車体化も達成されている。
サハ103-212は不注意で車体更新に迫られた。
結果的にラシ305F-3の底上げに繋がるとは思いもしなかった。




サハ103-196+モハ103-708 (ラシ305F-3:KATO製一般形+KATO製量産冷房車)。

サハ103形非ユニット窓グループの種車はKATO製103系一般形再編過程で竣工した車両が多数を占める。
その中でもサハ103-196は車体破損を抱える失敗作だった。
車体被膜は黄色1号から黄色5号への再塗装を経たお陰で中程度に留まっていた。
しかし亀裂は致命的で元サハ103-37の車体に置き換えられている。
部品の切り分けも上手く行き元サハ103-37用床板は転用が図れる。
少しでもKATO製サハ103形(一般形)の状態改善を図りたい。

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