試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ101-106[ツヌ123F] 車体改修 (ウエイト防錆対策,ペイントリムーバー式印刷消去痕修正,車両番号標記再転写施工) '旧製品

2020-02-22 23:59:54 | 国鉄/JR101系
糸口。

KATO製国鉄101系では十七代目ツヌ118F(Mc155→ツヌ118F:旧製品)から床板老朽化対策を標準整備項目に組み入れました。
但し座席部品裏面,台枠表面,ウエイト全断面への錆取り作業は約40分に及ぶ長丁場となります。
これに本格的な車体改修が加わると単独入場しか望めなくなる苦しい状況が続いていました。


国鉄101系サハ101-106(ツヌ123F)。
※旧製品。

ツヌ123F(Tc78:弁天橋区仕様+旧製品)は五代目ツヌ118F(Mc155旧ツヌ123F:旧製品)以来の床板を承継している車両が多数派です。
入場も少なくクハ101-49(ツヌ116F:T'c91)と床板を振替えたクハ101-78(ツヌ123F:弁天橋区仕様)が状態の悪さを暗示していました。
ご多分に漏れず改修を終えたモハ101-198,サハ101-258(ツヌ123F:旧製品)でも錆取り作業に手を焼かされています。
ただサハ101-258用ウエイトは錆の根が浅く乾燥クロスで断面を擦る第一次処理で金属面が露出してくれました。
その結果約10分ながら錆取り作業時間が短縮され少しだけ光が射し込んだように感じられました。
当然腐食状態に左右されるがウエイト断面への第一次処理をサハ101-106(ツヌ123F:旧製品)でも試行してみます。


入工中のサハ101-106。

錆びたウエイト断面への第一次処理はサハ101-263(ツヌ104F:Mc159)での試行例があります。
だがこの時は歯ブラシ式だったためサハ101-259(ツヌ104F:旧製品)には歯が立たず従来方式に戻しました。
保管品にはサハ101形200番代への編入で押し出されたサハ101形0番代用床板が相当数眠っていました。
そこで錆取り作業が長期化しそうな場合には床板更新へ切り替える二段階作戦を採用します。
早速サハ101-106を入場させましたが車体状態はサハ101-258に勝るとも劣りません。
作業効率を考えた結果モハ101-198,サハ101-258と同じく車体分解清掃が第一工程に決定しました。


容易に曇りが除去出来た側面窓セル。

サハ101-106の現状はサハ101-258から車両番号標記周囲に残る転写糊を差し引いた程度でした。
ツヌ123Fでは乾式清掃に限界が感じ取れたため下地処理を湿式清掃へ全面変更しました。
更にアルコールクロス,純水ウエットクロス併用式は取り止め純水ウエットクロス式で一本化しました。
使用した純水ウエットクロスは適度な水分量であり拭き斑が抑えられる利点を有しています。
また側面窓セル窓サッシ印刷も構わず拭き上げましたが逆効果となる場面には出会しませんでした。
即戦力に近い純水ウエットクロスですが若干繊維が残り易く磨きクロスでの最終仕上げは入念に行っています。




第一次処理を終えた台枠表面(1エンド側)。

床板を取り外した際座席部品裏面とウエイトの間には微粒子が挟まっている感覚がありました。
やはりサハ101-106用ウエイト断面はモハ101-198と殆ど変わらない劣化度合いでした。
台枠表面ウエイト抑えモールド立ち上がり部への錆付着は粉末か塊かを判断できない有り様です。
ただサハ101-258での推測からこれが錆粉ならば見掛けよりもウエイト腐食は軽度で収まっているはずです。
歯ブラシで台枠表面を払う第一次処理を行ったところ塊には達していないと判明しました。
これによりサハ101-106用ウエイトもサハ101-258用に近い腐食状況だと思われ俄然期待度は高まりました。


乾燥クロスだけで蘇った金属面(2エンド側)。

但し台枠表面の第一次処理には落とし穴があり各方面へ飛び散った錆粉除去に追われました。
最終的には台枠表面を純水ウエットクロスで仕上げるため歯ブラシ式は間違いだったと思います。
そして乾燥クロスを持ち出し全体が錆で覆われたウエイト断面へ強目に擦り続けました。
あっと言う間に白色だった乾燥クロスは茶色一色へと変わりましたが錆落としに対しては効果的でした。
ウエイト断面は一部を残し金属面を覗かせる状態にまで持ち上げられています。
但し当初の状態が余りにも悪かったため部分補修とはせず全区間を研磨しマッキーでの防錆対策を施しました。




[サハ101-10[6]]:2-4位側。

最終工程は黒ずみが残る2-4位側ペイントリムーバー式印刷消去痕修正です。
しかも[サハ101-106]標記上部には除去し切れていない[サハ101-108]標記印刷跡まで見られました。
皮肉にも[サハ101-106]標記が車体裾側へずれており先ず当該インレタを剥離し[サハ101-106]へと改めました。
次に[サハ101-108]標記印刷跡を含めユニクリーナー式で溶解したインクの除去に取り掛かります。
サハ101-258で[サハ]標記インレタを無駄使いしてしまったため何もしても[サハ101-106]は残さなければなりません。
側板へ広がるユニクリーナーに細心の注意を払いながら少しずつ黄色5号へと近付けていきました。




サハ101-106(車体分解清掃,2-4位側ペイントリムーバー式印刷消去痕修正・車両番号標記再転写施工)。
※旧製品:車体改修。

ユニクリーナー式第一次試作車は[テシ]電略標記印刷消去痕修正に踏み切ったクモハ101-165(ツヌ104F:Mc159)でした。
第二次試作車のクモハ100-149(ツヌ123F:旧製品)でも相応の結果を残しサハ101-106から正式採用に至っています。
拭き上げを怠らなければインレタ転写糊への影響は無いに等しく無事[サハ101-10]+[6]の追加転写を終えました。
偶然試行要素が重なったサハ101-106(ツヌ123F)ですがそれなりの手応えを得て竣工を迎えられました。
中でも床板老朽化対策に関わる作業時間短縮はほぼ確実だと思われ今後も試行を続ける方向です。
後は十七代目ツヌ118Fに匹敵する個体と出会した場合の対応が錆取り作業で残された課題になるでしょう。
この記事についてブログを書く
« サハ101-258[ツヌ123F] 車体... | TOP | モハ101-176[ツヌ123F] 車体... »