試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3152[3154F-2] 晩年仕様 動力ユニット更新 (濃灰色塗装済DD-180用KS-116動力台車枠転用試行)

2019-07-25 21:40:58 | 京成線:3150形
先発。

在籍するグリーンマックス製京成3150形系列では2編成が灰色台車仕様へ改装されている。
クロスポイント製灰色成形KS-116台車を履かせた3162F晩年仕様(3162F-5)は2017年5月の施工である。
第一陣はグリーンマックス製スプレーを吹き付けた京成3150形3154F晩年仕様千葉急行色(3154F-2)だった。


京成3150形モハ3152 晩年仕様 千葉急行色(3154F-2:動力ユニット搭載車)。

クロスポイント製灰色成形KS-116非動力台車(51052)は試験投入だったため1編成分しか用意しなかった。
装着試行編成にはサックスブルー成形KS-116台車が鮮やかに見えた3162F-5が抜擢される。
当時はまだ3150形系列へ動力ユニット更新の波が押し寄せる前だった。
従って2個モーター搭載動力ユニット(DD-180)を装備するモハ3160(3162F-5)の措置が課題となる。
モハ3160はサックスブルー成形KS-116台車への復旧も視野に入れての動力ユニット更新試行であった。
KS-116非動力台車枠の側梁転用策は当たり3150形が動力ユニット更新対象に加わる嚆矢となっている。


入工中のモハ3152。

自家塗装で濃灰色KS-116台車化した3154F-2もクロスポイント製灰色成形KS-116台車(51052)へ交換する予定だった。
しかし3162F-5への充当を最後にクロスポイント製灰色成形KS-116非動力台車は入手出来ない状況が続く。
3154F-2は台車更新機会を失ってしまい濃灰色化済KS-116台車を履かせ続けてきた。
塗装施工都合から取り扱いに難がありモハ3152(3154F-2)の動力ユニット更新は最後へ廻す方針であった。
先に改修が完了したモハ3154,モハ3151(3154F-2)では細心の注意を払い濃灰色化済KS-116非動力台車を維持出来た。
そこでクロスポイント製灰色成形KS-116非動力台車を待たずにモハ3152の動力ユニット更新へと踏み切る事にした。


段階を置いて側梁の切り出しを進めた塗装変更済DD-180用KS-116動力台車枠。

塗装変更を施したDD-180用動力台車枠の側梁転用はモハ3152(3154F-2)が初となる。
厚塗り仕上げだが塗装被膜は強くなくこれまでのDD-180用動力台車枠転用車とは勝手が違った。
不意に塗装面へ負荷を与えるとサックスブルー成形色が現れるため分解手順から見直した。
ロアフレーム両端に設けられた台車集電板抑えを切除し駆動部品の垂直撤去が行えるようにした。
支持が失われた台車集電板は何の抵抗も感じずに取り外しを終えている。
側梁とロアフレームの接合部には予めクラフトナイフで深目の溝を掘った後にニッパーにて分離した。


ピボット軸受部新設まで耐えてくれた濃灰色塗装。

ここからは濃灰色塗料の保全策として柔らかいクロスを敷いた上での作業とした。
側梁中央部裏面に残ったロアフレームとの接合部跡はクラフトナイフの使用を見合わせ平刃で削り取っている。
ピボット軸受部は一度の加工で終わらせるため直接Φ1.5mmのドリルを当てた。
多少軸受部中心に誤差が生じたが約Φ0.5mm程度でも十分であり動力台車との位置調整に支障は無い。
そして満遍なく吹き付けられていた側梁裏面の灰色塗料は側梁固定時にゴム系接着剤を塗布する部位だけ除去している。
この間クロスに接し続けた側梁表面だったが新たなサックスブルー成形色露出部は生じていない。


カプラーポケットごと切除されたコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(成田寄)。

ひとまず第一段階では濃灰色化済DD-180用KS-116動力台車枠時代の塗装状態を保てた。
次工程はコアレスモーター搭載動力ユニット(5713)用動力台車の京成3150形仕様化である。
TNカプラーへの対応は現在3700形3816中期仕様(5次車:3818F)で使用されている試作品から特に変更されていない。
先日千葉急行3150形モハ3152(3154F-1)の動力ユニット更新を終えたばかりでもあり直ぐに捌き終えた。
京成3150形系列での独自項目は輪心黒色化だが極細字マッキー1本で仕上げられる。
動力ユニット更新の下準備は側梁と動力台車で対照的な展開を見せた。
側梁だけになった濃灰色化済DD-180用KS-116動力台車枠はゴム系接着剤で固定する。
ピボット軸受部を軸とする3点止めは今やDD-180用動力台車枠転用車の標準仕様になっている。


濃灰色化済KS-116動力台車を取り付けたコアレスモーター搭載動力ユニット(上野寄)。

京成3700形3726中期仕様(1次車:3728F-1),3756後期仕様(3次車:3758F)も当初はDD-180用FS-047(547)動力台車枠転用車であった。
濃灰色化は切り出し後の施工であり側梁裏面まで塗料が行き渡っていた。
両車とも動力台車枠更新入場時に塗料がゴム系接着剤ごともぎ取られてしまった。
モハ3152に於けるピボット軸受部周囲の塗装剥離はこの結果を反映したものである。
動力台車枠の取り付けはモハ3152(3154F-1)から単独施工に変更している。
位置調整の手間は掛からず側梁へ触れる回数も激減しモハ3152(3154F-2)にとっては都合が良かった。
ゴム系接着剤を持ち出した序でに側面窓セルの固定も並行している。


役目を終えたDD-180動力ユニット。

モハ3152(3154F-2)用DD-180動力ユニットからは床下機器部品も流用する。
メーカーによるゴム系接着剤塗布量は多くなくモハ3152(3154F-1)と同程度であった。
床下機器部品取付台座天面には取付脚に加え2個所の湯口痕がある。
このうち最低地上高嵩下用スペーサーの密着度を悪化させる湯口痕は切除した。
取付脚は動力ユニットと位置を合わせる際の目安にするため存置している。
スペーサーに用いるプラ板はt0.6mmで取付脚を避けながら全長に渡り溶着した。
KS-116動力台車,床下機器部品が撤去されたDD-180動力ユニットは用途不要となる。


床下機器部品用取付孔位置と合致する床下機器部品取付脚。

コアレスモーター搭載動力ユニットを車体に組み込み床下機器部品の取付へと移行した。
取付基準は線路方向:動力ユニット座席部品取付孔,枕木方向:車体側板である。
予め枕木方向へのはみ出しを生じさせない程度に動力ユニット座席部品取付部にはゴム系接着剤が塗布されている。
床下機器部品は側板及び座席部品取付部への位置合わせを集約し斜め方向から挿入した。
接着直後にモーターカバーとの空間が等間隔になるよう海側,山側の床下機器部品を垂直に手直しする。
固着した後に床下機器部品取付位置確認と動力ユニット着脱試験を行ったが全く問題無かった。




モハ3152(動力ユニット更新:塗装変更済DD-180用KS-116動力台車枠転用,輪心黒色化施工)。


モハ3154(3154F-2:非動力M1c車)。

塗料剥離が懸念された濃灰色化済KS-116動力台車枠を守り通しモハ3152(3154F-2)の竣工を迎えられた。
DD-180用KS-116動力台車枠を塗り替えた際は他編成に揃えるべく輪心黒色化が見送られている。
塗装被膜の厚さは気になるもののモハ3160(3162F-5)の雰囲気に近付けられたと思える。
なお最低地上高はモハ3154(3154F-2:M1c車)より僅かに引き上げられた位置にある。
TR-180床板装着車は線路との間隔が狭過ぎると思え動力ユニット更新車では床下機器部品取付位置を意図的に高くしている。
3150形はM1車系が並ばない構成であり一応編成見附は保てていると思う。




モハ3153+モハ3152 (3154F-2:非動力車+動力ユニット更新車)。


千葉急行3150形モハ3153+モハ3152 (3154F-1:非動力車+動力ユニット更新車)。

モハ3152(3154F-1)は側梁の取付方向を誤る大失策に気付かず再入場を余儀なくされている。
塗装変更済DD-180用KS-116動力台車を履くモハ3152(3154F-2)では常に塗料剥離が付き纏う作業となり二の轍は踏んでいない。
そしてモハ3152(3154F-2)もTNカプラーSPに置き換えられTNカプラーSP擬が姿を消した。
順調な動作を見せていたTNカプラーSP擬だが連結器部品が下方向に作用する弱点は残されたままだった。
3150形の動力ユニット更新もモハ3180新赤電色(3182F-1)を以て終了となる。
取り扱い共通化は3162F-5が更新出場を果たしてからの課題でありようやく解消が視界に入ったと言えるだろう。

京成3150形モハ3151[3154F-2] 晩年仕様 千葉急行色 通電系統整備,SPフレームTNダミーカプラー化施工

2019-07-24 21:41:20 | 京成線:3150形
断行。

グリーンマックス製京成3150形3154F晩年仕様千葉急行色(3154F-2)も千葉急行3150形3154F(3154F-1)と同様の改修となる気配が漂う。
但し3700形3728F後期仕様(1次車:3728F-2)から捻出した再生SPフレームTNダミーカプラーは歪みが隠せない。
モハ3154(3154F-2)での試験装着はTNカプラーSPカバーを固定化する対策を施したが連結器高が低くなる弱点が露呈してしまった。


京成3150形モハ3151 晩年仕様 千葉急行色(3154F-2)。

SPフレームTNダミーカプラーは取付部整形に失敗したTNカプラーSPの再用品である。
現在別形式でTNカプラーSPの整形を伴う編成が存在するが諸事情により回着整備に取り掛かれない。
しかも加工に失敗するとは限らず新たなSPフレームTNダミーカプラーを製作出来る確証は無かった。
ただ3154F-2に取り付けているグリーンマックス製マウントTNダミーカプラーは廃止したい。
今のところ廃止する手段は再生SPフレームTNダミーカプラーを活用する一手しか残されていない。
結局モハ3154(3154F-2)に続きモハ3151(3154F-2)への再生SPフレームTNダミーカプラー装着が確定した。


入工中のモハ3151。

濃灰色塗装を施したKS-116非動力台車の取り扱いに注意を要する点はモハ3151(3154F-2)も同様である。
現状はモハ3154(3154F-2)よりも良く車体傾斜や前尾灯のちらつきも発生していない。
しかし経年や入場回数は全く同一であり導電板及び台車集電板の状態は芳しくないと思われる。
また増締め施工による座席部品ビス締結部底面の捲れ具合も気掛かりな箇所だった。
最悪の場合は自走不能に陥りかねずモハ3154に倣いモハ3151の全面的な改修が決定する。
KS-116非動力台車を取り外すとモハ3154とは異なる展開が待ち受けていた。


分解したTR-180床板。

台車集電板はKS-116非動力台車に挟まった状態を維持して撤去が行えている。
ところが本来座席部品側へ残るはずの導電板は台枠に張り付いたままとなった。
当初はメーカー工程である床下機器部品固定用ゴム系接着剤の仕業かと思えた。
ゴム系接着剤のはみ出しであれば台枠取付孔付近の導電板を持ち上げれば直ぐに剥がせる。
しかし張り付いた部位は台枠ライトスイッチ付近が主であり直ぐに別要因だと判った。
導電板を折り曲げないよう台枠との水平を保ち上野寄方向から引いて分離させている。


グリス塗布痕が消え去った導電板。

台枠と導電板を貼り合わせていた物質は劣化したグリスであった。
モハ3151(3154F-2)のグリス塗布量はモハ3154(3154F-2)に比べ多かったらしい。
グリスは座席部品にまで及んでおりクリーナーでの清掃を先行させた。
この際多少捲れが生じていたビス締結部底面の平滑化も併せて行っている。
導電板はモハ3154の台車集電板に近い状況と言え初めから#600まで番手を落とすペーパー式研磨とした。
擦過痕こそ激しくなった一方で真鍮色に戻るまでの時間は大幅な短縮が実現している。


整備を終えたKS-116非動力台車と台枠(成田寄)。

台車集電板には半固形化したグリスが付着しておりモハ3154(3154F-2)よりも研磨に苦戦した。
特に断面は酸化も発症していたため何度もペーパーを交換する羽目になった。
導電板の整備で生まれたせっかくの時間的余裕は台車集電板で全て失われている。
更に台枠もグリス残滓が夥しくセンターピン裏表面,台車集電板スリット,ライトスイッチ周囲の清掃に手を焼いた。
台車集電板スリットからは固形化したグリスがその形状のまま押し出される有り様だった。
入念に拭き上げたライトスイッチ周囲だが成形色には戻せず茶色のグリス塗布痕が残る。


再生SPフレームTNダミーカプラーを取り付けた運転台側。

モハ3154(3154F-2)での整備より大幅に遅れてTR-180床板の組み立てへと移行した。
修正した座席部品ビス締結部底面は上手く行った模様で台枠との隙間は生じなかった。
締結の手応えも入場前と変わりなくしばらくは更新を考えずに済むだろう。
再生SPフレームTNダミーカプラーの取付部はモハ3154と同一形状の逆L字形整形とした。
TNカプラーSPカバーは断面全周にゴム系接着剤を塗布しフレームとの一体化を図っている。
ただフレーム後端部を切除してしまっため台枠に固定した時点で若干の前傾が確認された。


再び増強された灰色成形密着自動式TNカプラー。

用途不要となったグリーンマックス製マウントTNダミーカプラーはモハ3154(3154F-2)とを併せた1両相当分である。
モハ3154に取り付けられていたTNダミーカプラーは線バネが存置されたままだった。
よって連結器部品後端に塗布したゴム系接着剤を除去するだけでTNカプラーへの復旧が行えている。
他方モハ3151(3154F-2)ではわざわざ線バネの撤去が行われており保管品を起用してTNカプラーに戻した。
TNカプラーはモハ3154,モハ3151(3154F-1)の入場時にも再生が図られた。
灰色成形密着自動式TNカプラー装着車は減少傾向にあり6両分の予備品が確保された今回を以て再生を中止するつもりである。




モハ3151 [B65 普通 UENO 上野]:SPフレームTNダミーカプラー換装施工。


千葉急行3150形モハ3151 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:3154F-1(SPフレームTNダミーカプラー装着車)。

L字形に戻した取付部の効果が発揮され再生SPフレームTNダミーカプラーの前進取付は行い易かった。
前面車体裾断面のパーティングラインとジャンパ連結器モールドは何もせずに同一線上に並んでくれた。
以上で全工程の終了を迎え濃灰色化したKS-116非動力台車も塗装被膜保全が確実になっている。
ダミーカプラーの基礎部がTNカプラーからTNカプラーSP相当に変わり胴受周りは安定感が増したと思える。
しかしモハ3154(3154F-2)に続き連結器部品は下垂気味となってしまった。
フレームの歪みに加え整形にも問題があったと判り微妙なSPフレームTNダミーカプラー化となった。


モハ3151 点灯試験[B65 普通 UENO 上野]:前照灯(通電系統整備,通過標識灯消灯化再施工)。


モハ3151 点灯試験[B65 普通 UENO 上野]:尾灯(通電系統整備施工)。


千葉急行3150形モハ3151 点灯比較[B01 普通 (千葉) ちはら台]:3154F-1(通過標識灯完全消灯化施工車)。

京成3150形系列に対応する電球色LEDライト基板はリリースが無く黄色発光LEDライト基板装着車のまま残存させるしかない。
モハ3151(3154F-2)は通過標識灯からの漏光も無い安定した点灯状態を保ち続けてきた。
従って点灯試験でも入場前との変化は感じられなかったが通電系統の整備により安心感だけは高められた。
あのグリス残滓を考えるとちらつきや非点灯の発症は時間の問題だったと思われる。
なお通過標識灯は下地に油性ペイントマーカーを塗布する現行の消灯方式へ変更した。
大部分が黒色化された通過標識灯用プリズムへの追加施工でありその効果を持続してくれると思う。


千葉急行3150形モハ3151,モハ3151 (SPフレームTNダミーカプラー装着車,再生SPフレームTNダミーカプラー装着車)。

竣工したモハ3151(3154F-2)だがやはり全高の低い連結器部品に目が行ってしまう。
TNカプラーSPは線バネを取り止め復心スプリングへ変更し連結性能の向上が図られた。
付帯効果は復心スプリングの張力により連結器部品が下垂しなくなった事だと考えている。
前面見附を引き締める効果が高く先頭車両はTNカプラーSPへの交換が進められた。
再生SPフレームTNダミーカプラーを取り付けたモハ3151は今更TNカプラー装着車が登場した錯覚に陥るほどである。
モハ3151(3154F-1)との落差は明白であり再出場前までに何らかの手を打ちたい。

京成3150形モハ3154[3154F-2] 晩年仕様 千葉急行色 車体傾斜補正,SPフレームTNダミーカプラー化施工

2019-07-23 21:36:25 | 京成線:3150形
対処療法。

グリーンマックス製京成3700形3728F後期仕様(1次車:3728F-2)も台枠直結式スカート編成に格上げされた。
押し出されたSPフレームTNダミーカプラーはTNカプラー擬3が出自であり剛性に不安を抱える。
長期使用には向かないと思われるが京成3150形3154F晩年仕様千葉急行色(3154F-2)への装着が決定した。


京成3150形3154F 晩年仕様 千葉急行色。
3154F-2:[3154]-[3153]-[3152]-[3151]。

3154F-2は千葉急行3150形旧3154F(3154F)を京成形式に復籍させた編成である。
2013年1月に出場した旧3154Fはグリーンマックス製マウントTNダミーカプラーが採用された。
京成形式への復籍加工ではKS-116台車の濃灰色化や[千葉急行]社名表示印刷消去が行われている。
このうち[千葉急行]社名表示印刷消去は大失敗に終わり後日隠蔽用デカールを自作した程だった。
在籍編成でも異色の編成であり3728F-2から捻出したSPフレームTNダミーカプラーは3154F-2への取り付けが無難に思えた。
ここまで交換されずに来たグリーンマックス製マウントTNダミーカプラーは姿を消す事になる。


入工中のモハ3154晩年仕様(3154F-2)。

仕様都合もあり入場回数が増えなかった3154F-2は何処まで手を施したか余り記録が残されていない。
ただグリーンマックス製京成3150形系列の1stLOT品であり千葉急行3150形3154F(3154F-1)と同程度の状態にあると考えられた。
改修を終えた3154F-1だがモハ3154,モハ3151の導電板,台車集電板に経年劣化が見られた。
グリス除去と研磨に追われ通電系統整備は思いの外苦戦した印象が残る。
仮に3154F-2が3154F-1と変わらない状況であれば2両同日竣工は厳しくなる。
低剛性の再生SPフレームTNダミーカプラーを試用する関係からモハ3154(3154F-2)を先発入場させた。


役目を終えるグリーンマックス製マウントTNダミーカプラー。

モハ3154(3154F-2)は枕木方向の車体傾斜が常に発生する芳しくない状態だった。
前尾灯点灯もちらつきが多くモハ3151(3154F-2)より先に入場を迎えている。
分解時に於ける要注意事項は濃灰色で塗装されたKS-116非動力台車である。
サックスブルー成形KS-116非動力台車に直接グリーンマックススプレーを吹き付けたため被膜強度が低い。
TR-180床板分解時や台車集電板を着脱する際に濃灰色塗装が剥げてもおかしくなかった。
そのため作業開始直後から3154F-1よりも慎重な取り扱いが要求された。


3154F-1ほど状態が悪くなかった導電板。

締結ビスを緩めたところKS-116非動力台車だけが外れ台車集電板は台枠側に残った。
やはりグリスは除去されておらず前尾灯がちらつく要因だった模様である。
茶色に変色した台車集電板は全体的にべたつきが感じられる最悪の状態だった。
一方の導電板はグリス痕が残る台車集電板接触部を除き経年相当と言え極端な酸化も発生していない。
当初ラプロス#4000での研磨へと戻したが外見とは裏腹に全く作業が進まなかった。
ラプロス#2400でも状況は変わらないと思われペーパー掛けに再変更している。


状態改善に時間を要した台車集電板 (上野寄,成田寄)。

導電板のペーパー掛けは#1000で乗り切れたが台車集電板には通用しなかった。
予めクリーナーでグリスを除去したところ斑点状の酸化部が散在していると判明した。
どの様な理由か不明だが黒色に近い酸化部位は#1000のペーパーでもなかなか削げない。
真鍮色を取り戻した周囲との差が開く一方となり番手は#600まで下げられる。
ようやく強力な酸化箇所が少しずつ薄れてゆき最後は跡形も無くなった。
研磨を開始した成田寄用の途中で切り替えを行ったため上野寄用は全面的に#600での仕上げになっている。


逆L字形整形を採用したSPフレーム取付部。

SPフレームの取付部整形に失敗したモハ3151(3154F-1)は逆L字形が崩れ凸形へと変わってしまった。
皮肉な事に凸形取付部がSPフレームTNダミーカプラーの前進代調整には有利だと掴めたばかりである。
しかしモハ3154(3154F-2)へ取り付ける再生SPフレームTNダミーカプラーは既に連結器部品が通常より下を向く有り様だった。
凸形取付部になってしまったSPフレームTNダミーカプラーはTNカプラーSPカバーへゴム系接着剤を塗布する固定方式とした。
フレームの歪みが明らかな再生SPフレームTNダミーカプラーでは取付位置すら覚束ない状態に思える。
再び逆L字形整形を採用し台枠のTNカプラー取付用ボスに引き掛ける構造へ戻した。




モハ3154 [B65 普通 UENO 上野]:車体傾斜補正,SPフレームTNダミーカプラー換装施工。


千葉急行3150形モハ3154 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:3154F-1(SPフレームTNダミーカプラー装着車)。

モハ3154(3154F-2)が抱えていた枕木方向の車体傾斜は座席部品ビス締結部底面が原因であった。
初期に導入されたTR-180床板装着編成は形式に関わらず締結ビスの増締めを行った。
後にビス締結孔を破損させる事例を引き起こしてしまい現在は廃止した工程である。
この影響は現在でも残っておりビス締結部底面に捲れた箇所を抱える車両が多数在籍している。
増締め施工車だったモハ3154はビス締結部底面の平滑化により車体傾斜を緩和させた。
恐らくモハ3151(3154F-1)での座席部品破損も増締めが関与したと思われる。
SPフレームTNダミーカプラー化されたモハ3154(3154F-2)は連結器高が僅かに下がった。
予想通り3798F後期仕様(4次車:3798F)発生品を転用したモハ3154(3154F-1)との差異が生じている。
連結器部品支持は共通でありフレームの歪みが連結器位置下垂を招いたと思う。


モハ3154 点灯試験[B65 普通 UENO 上野]:前照灯(通電系統整備,通過標識灯消灯化再施工)。


モハ3154 点灯試験[B65 普通 UENO 上野]:尾灯(通電系統整備施工)。


千葉急行3150形モハ3154 点灯比較[B01 普通 (千葉) ちはら台]:3154F-1(通過標識灯完全消灯化施工車)。

特に通過標識灯からの漏光が見られなかったモハ3154(3154F-2)であるが念のため消灯化を再度施工した。
まだ通過標識灯消灯化へ向け試行錯誤が続けられていた時期に施工されており仕様統一を図っている。
通過標識灯用プリズムはマッキーでの単独黒色化だったが露出部全てが塗り潰された試作品であった。
全黒色化は意外な持続効果があるらしく現行方式に追加した方が良いかもしれない。
通電系統の整備は3154F-1と同一効果を得られ前尾灯からちらつきが消え去った。
SPフレームTNダミーカプラーの連結器高に疑問符が付くものの取り敢えずモハ3154を竣工させた。
今後の課題になるかもしれないが対策より先にモハ3151(3154F-2)を入場させる。

千葉急行3150形モハ3152[3154F-1] KS-116動力台車枠取付方向修正施工 (モハ3153[3154F-1] TR-180床板点検施工)

2019-07-18 21:45:57 | 京成線:3150形
重過失。

グリーンマックス製千葉急行3150形モハ3152(3154F-1)の動力ユニット更新が完了した。
残るは側面窓セルの曇りが著しいモハ3153(3154F-1)を整備するだけだった。
モハ3151(3154F-1)にてTR-180床板の破損が明らかになり念のため状況把握も行う。


千葉急行3150形モハ3153(3154F-1:動力ユニット更新車)。

先に竣工したモハ3152(3154F-1)は万全を期すため移設部品が落ち着く時間を設けた。
固着状態を確認するだけだったがモハ3153(3154F-1)と同時入場させている。
ところがモハ3153と並べた時点でDD-180用KS-116動力台車枠を転用した側梁の誤取付が発覚した。
上野寄用,成田寄用KS-116動力台車双方ともボルスタアンカの方向に誤りがある。
ゴム系接着剤での固定が確実に行われていると判った直後の失策判明だった。
清掃のみに留まるモハ3153よりも急を要するモハ3152の修正が優先される。


入工中のモハ3153,モハ3152 (3154F-1)。

コアレスモーター搭載動力ユニット(5713)用動力台車へのKS-116動力台車枠取り付けには十分注意を払ったつもりだった。
施工は上野寄用,成田寄用を区分して進めておりDD-180用KS-116動力台車同等に仕上げられたと思っていた。
どこでKS-116動力台車枠を取り違えたのか不明だが余りに初歩的な失策と言える。
DD-180用動力台車枠の剥離は京成3400形3407登場時仕様(3408F-1),3700形3816中期仕様(5次車:3818F)での施工例がある。
両車とも意外なゴム系接着剤の固着力が発揮され撤去には慎重を期した記憶が残る。
ゴム系接着剤の塗布から間もないモハ3152(3154F-1)であるがピボット軸受部は完全に固定されていた。


全側梁の取り付けを間違えていたKS-116動力台車 (上野寄,成田寄)。

KS-116台車のボルスタアンカは車体中央側に配さなければならない。
撤去したKS-116動力台車は生憎2台とも車端側を向き全側梁の剥離に迫られた。
ゴム系接着剤は側梁の両ピボット軸受部と動力台車枠取付台座との接触部に塗布されている。
心許ない固定方法に思えたが上記の通りFS-383動力台車,FS-047(547)動力台車で十分な交換が確認された。
3407(3408F-1),3816に於ける施工はコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠への更新を起点とした。
よって作業はDD-180用動力台車枠廃止が前提であり台車集電板の保全に重点を置いている。
しかしモハ3152(3154F-1)ではKS-116動力台車枠を流用するしか方法が無い。
台車集電板は当然ながらKS-116動力台車枠も変形を防ぐ必要があった。


側梁を撤去したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(成田寄)。

3点止めとしたゴム系接着剤により側梁と台車集電板は殆ど隙間が存在しない。
そのため先端を鋭角に切り落とした爪楊枝で側梁の撤去へ着手した。
接着力は動力台車枠取付台座部が最も低く爪楊枝をすんなりと受け入れてくれた。
先の爪楊枝を残したまま新たな爪楊枝を用意しピボット軸受部の引き剥がしに取り掛かる。
金属との相性が良いゴム系接着剤は台車集電板を撓ませるほど強力な接着力を持つ。
塗布したゴム系接着剤を爪楊枝の先端で切り裂きながら分離を進めた。
なお撤去に際しては極力KS-116動力台車枠裏面へゴム系接着剤が残るよう配慮している。


再取付されたKS-116動力台車枠(上野寄)。

どうにかKS-116動力台車枠は無事撤去へと至り台車集電板の変形も防げた。
再取付もゴム系接着剤頼みのため側梁裏面に残る接着剤残滓は除去が必要となる。
固着力を増加させる手段として新設したピボット軸受部はゴム系接着剤で埋めていた。
然程深さ稼いでいなかったものの思いの外取り除くまで時間を要している。
3407(3408F-1),3816では動力台車枠取付孔に埋め込んだゴム系接着剤が最後まで居残り続けた。
モハ3152(3154F-1)はこれを逆転した構図と言え一定以上の深さに達する取付孔には注意が必要だと思う。


工程変更が幸いしたKS-116動力台車枠位置修正 (モハ3153,モハ3152)。

KS-116動力台車枠の再取り付けは誤りが生じないようモハ3153(3154F-1)を参照しながら行った。
ゴム系接着剤による3点止めの固定方法も従前と同様とし側梁安定性を最優先に据えた。
動力ユニット更新入場時に引き続きコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車への側梁固定は単独施工とした。
折しもDD-180用動力台車枠の取付目安を動力台車枠取付台座下端部へ変更したばかりだった。
これによりKS-116非動力台車との誤差を考えずにKS-116動力台車枠の位置決定が行えている。
ボルスタアンカ位置を修正したKS-116動力台車が完成するまで動力ユニットは一度も取り外していない。




モハ3152(KS-116動力台車枠取付方向修正施工)。
※動力ユニット更新車。


京成3150形モハ3160現行色晩年仕様(3162F-5:灰色成形KS-116動力台車装着車)。
※動力ユニット更新車。

従来方式では動力ユニットの着脱が避けられない上に動力台車枠位置調整を要した。
特に後者はゴム系接着剤が固着するまでの時間を突きながらの作業となり苦戦していた作業である。
これを廃止出来た効果は大きくKS-116動力台車の装着にてモハ3152(3154F-1)が竣工した。
全側梁の入れ替えに迫られたKS-116動力台車だったが作業は約40分で終えられている。
動力ユニット更新の積み重ねが思い切った作業簡略化を実現させたと言える。
ただ工程変更の恩恵がまさかモハ3152(3154F-1)で巡ってくるとは考えもしなかった。


入工中のモハ3153(3154F-1)。

モハ3152(3154F-1)の竣工が早まりモハ3153(3154F-1)も同日作業が可能となった。
早速側面窓セルを撤去したところ車体断面にもかなりの埃が挟まっていると判明した。
これまでモハ3153は側面窓セルの着脱機会が無く回着当時から存在していたと思われる。
急遽車体も清掃対象へ加わえられ側面窓車体断面は綿棒で埃除去を進めた。
曇りが目立っていた側面窓セルは恒例の磨きクロスにて拭き上げている。
側面窓セル窓サッシ印刷に劣化の気配は伺えず車体清掃よりも早く作業を終えた。


モハ3153(3154F-2:車体清掃,TR-180床板点検施工)。

最終工程はビス締結部破損が不安視されるTR-180床板の分解点検となった。
ビス締結具合に問題は無かったが台枠と座席部品を分離させられなない状況に陥った。
モハ3151(3154F-1)も締結そのものに異常は感じられず後に座席部品ビス締結部の破損が発覚している。
嫌な予感が走ったものの原因は床下機器部品固定用に塗布されたゴム系接着剤が台枠表面まで進出したためだった。
座席部品ビス締結部周囲に変色は見られず余計な増締めさえ行わなければ使用に耐えられると思える。
その他の点検箇所も特に問題無くウエイトの固定化のみ施しモハ3153(3154F-1)を竣工させた。




モハ3153+モハ3152 (3154F-1:非動力車+動力ユニット更新車)。

竣工したモハ3153(3154F-1)は側面窓セルの曇りとぼやけた窓枠が消え去った程度にしか映らない。
見附変更はモハ3152(3154F-1)が上回っており3154F-1では最も軽度な改修となった。
但し埃の侵入量は相当なもので入場が遅れていれば側面窓セル窓サッシ印刷劣化に繋がったかもしれない。
何故入場回数の少ないモハ3153だけがこの様な状態に陥っていたかは不可解な現象として残った。
モハ3153の作業を終える頃にはモハ3152へ取り付けたKS-116動力台車は大凡安定域に入っていた。
やはりKS-116非動力台車との誤差を殆ど感じさせない見附に達してくれた。
とんでもない間違いをやらかしたが早急に修正が行えた点だけは収穫扱いとしたい。

千葉急行3150形モハ3152[3154F-1] 動力ユニット更新 (DD-180用KS-116動力台車枠転用施工)

2019-07-17 21:40:11 | 京成線:3150形
耐用期限。

グリーンマックス製千葉急行3150形3154F(3154F-1)は2個モーター搭載動力ユニットへのTNカプラーSP擬採用初期に出場した。
モハ3152(3154F-1)にはグリーンマックスマウントを転用したTNカプラーSP擬2が取り付けられている。
2個モーター搭載動力ユニット搭載車へ広く浸透したTNカプラーSP擬だが動力ユニット更新により姿を消しつつある。


千葉急行3150形モハ3152(3154F-1:動力ユニット搭載車)。

3154F-1に於ける不調はモハ3154,モハ3151の前尾灯点灯具合だけではなかった。
モハ3152(3154F-1)の成田寄TNカプラーSP擬2は老朽化による自然解結が目立ってきた。
TNカプラーSP擬は復心スプリング後端を整形したロアフレームに引き掛ける方式とした。
そのため復心スプリングの圧縮代が不足し連結器部品が車体中央に収まり難い弱点を抱えている。
竣工当初から順調な性能を保持してきたが約4年3箇月前の自前施工であり徐々に不具合が現れ始める。
車体中央へ寄せる際に復心スプリングが連結器部品後端を押し込むため負荷を与え続けてきたらしい。
時間の経過と共に連結器部品が原形を維持出来なくなり連結性能低下へ直結したと思われる。


入工中のモハ3152。

現在在籍する京成3150形系列では2個モーター搭載動力ユニット(DD-180)の廃止を進めている。
DD-180動力ユニット搭載車の中でモハ3152(3154F-1)は調子を落としつつある車両だった。
今更上野寄用TNカプラーSP擬3を製作してまでDD-180動力ユニットを搭載し続ける理由に欠ける。
改修を機にモハ3152もコアレスモーター搭載動力ユニット(5713)への更新が決定した。
動力ユニット更新と同時にTNカプラーSPが装着されるため上野寄での自然解結も生じなくなる。
連結性能の改善と動力新性能化がモハ3152に於ける作業項目となった。


転用するDD-180用KS-116動力台車枠。

サックスブルー成形KS-116非動力台車は予備品が無くDD-180用KS-116動力台車枠を加工する。
これまでにDD-180用動力台車枠の転用例はFS-329C動力台車,FS-383動力台車,FS-047(547)動力台車での実績がある。
基本工程こそ原則的に従来を踏襲するが過去の施工車で効率が悪かった手順だけは見直す事にした。
ロアフレームから切り離したDD-180用KS-116動力台車枠側梁には∩字形のリブが残る。
ゴム系接着剤塗布面積確保を狙い∩字形リブ周囲は凹面形状に改めていたがこれを廃止した。
凹形化は返って動力台車枠取付台座との距離を広げる結果に至り平滑化へ切り替えている。


先に取り付けを行ったKS-116動力台車枠。

側梁裏面へ新設するピボット軸受支持孔はゴム系接着剤固定の鍵を握る箇所であり引き続きΦ1.5mmとした。
コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車への細工も初施工当時から変更していない。
カプラーポケットを切除し上端部はアッパーフレーム用嵌合爪から約1mmの箇所まで詰める。
京成3150形系列では輪心黒色化を基準項目としておりKS-116非動力台車同様にマッキーで塗り潰した。
また台車集電板はKS-116動力台車枠から覗く箇所への黒色化を施している。
従来はKS-116非動力台車との位置調整を行う関係から動力台車枠取付作業を後半に廻していた。
その後動力台車枠取付台座下端部が取付基準になり得ると判り一足先にKS-116動力台車を完成させた。
動力ユニット更新の数少ない弊害は動力ユニット着脱が行い難くなる事である。
嵌合爪位置はDD-180動力ユニットと変わらないが支点となる部位の減少により動力台車だけが外れる場合が多い。
これは側面窓セルを車体に固定すれば解消可能でありモハ3152(3154F-1)にも施している。


床下機器部品が撤去されたDD-180動力ユニット。

床下機器部品は接着固定されたDD-180動力ユニット装着品を流用するしかない。
個体によって固着度が異なる床下機器部品だが旧モハ3152用動力ユニットは外側に倒すだけで取り外せた。
その代わり床下機器部品取付台座には夥しい量のゴム系接着剤が付着してしまい除去に追われた。
コアレスモーター搭載動力ユニットはDD-180動力ユニットよりも床下機器部品取付部が深くなる。
現状での移設は最低地上高が大幅に上がってしまうため床下機器部品取付台座天面へt0.6mmのプラ板スペーサーを追設している。
ここでコアレスモーター搭載動力ユニットにKS-116動力台車を取り付け床下機器部品取付部へゴム系接着剤を塗布する。
そして車体へ嵌め込んた後に側板と沿うよう床下機器部品を密着させた。


側板を基準に設けた床下機器部品取付位置。

動力ユニット更新車ではゴム系接着剤を床下機器部品取付台座天面に塗布し続けてきた。
DD-180動力ユニットに比べコアレスモーター搭載動力ユニットは大幅な狭幅化が実現している。
その分TR-180床板装着車と床下見附を合わせるには床下機器部品を側板寄へ偏位させなければならない。
その結果床下機器部品は動力ユニット側面よりも迫り出す位置へ収まる。
床下機器部品取付台座天面へのゴム系接着剤塗布では車体にも接着剤を付着させる弱点が付き纏う。
ゴム系接着剤除去と床下機器部品位置調整には動力ユニットの着脱を繰り返さなければならず作業効率を下げていた。
今回の塗布位置変更でこれらの工程は一挙に廃止され固着を待つのみに変わっている。




モハ3152(動力ユニット更新:DD-180用KS-116動力台車枠転用,輪心黒色化施工)。


モハ3154(3154F-1:非動力M1c車)。

竣工したモハ3152(3154F-1)は車内から覗いていたユニットカバーが消え去った。
自重は更新前よりも軽量化され走行試験でも軽快な駆動状況を見せてくれた。
加速度が鈍り始めていたDD-180動力ユニットとは比べものにならない。
但し3154F-1はTR-180床板装着編成であり新性能化と呼ぶのが相応だと思える。
取付方式を変更した床下機器部品だが入場前と近い配置に達し動力ユニット更新車共通の側面見附となった。
類似の床下機器配置を持つモハ3154(3154F-1)との差異も最小限に留められたと思う。




モハ3153+モハ3152 (3154F-1:非動力車+動力ユニット更新車)。

DD-180用KS-116動力台車枠を転用した側梁は最終調整をも必要としなかった。
モハ3152(3154F-1)での作業工程が今後動力ユニット更新の基準になると思われる。
度重なる自然解結を招いていたTNカプラーSP擬2はTNカプラーSPに交換された。
上野寄で見られた不自然な連結面から脱し安定感のある見付へと戻っている。
特に不調の気配を見せていなかった成田寄TNカプラーSP擬2も廃止となった。
TNカプラーSP擬2は連結面間隔の不均等化発生に目を瞑って製作した経緯がある。
動力ユニット更新により連結面間隔統一を果たせた事実が最大の収穫かもしれない。

千葉急行3150形モハ3151[3154F-1] TR-180床板破損更新,SPフレームTNダミーカプラー化施工

2019-07-16 21:41:40 | 京成線:3150形
別展開。

不調気味のグリーンマックス製千葉急行3150形3154F(3154F-1)はSPフレームTNダミーカプラー化と同時に改修開始となった。
入場第一陣に抜擢したモハ3154(3154F-1)は不安定だった前尾灯点灯具合が改善された。
今回入場のモハ3151(3154F-1)はモハ3154よりも症状が悪くちらつきで踏み留まっていたモハ3154を先発させている。


千葉急行3150形モハ3151(3154F-1)。

モハ3154(3154F-1)の点灯不調は通電系統整備で呆気なく解消に至った。
そのためモハ3151(3154F-1)も同様の整備で復活させられると淡い期待を寄せていた。
しかし入場前に行った点灯試験では前尾灯双方とも非点灯で終わり暗雲が立ちこめている。
ライト基板自体の不具合も有り得るためさすがに動揺を隠せなかった。
現時点ではとにかく疑いの掛かる箇所を切り分けていくしか方法が無い。
順次作業を進めたところモハ3154とは全く異なる展開が待ち受けていた。


入工中のモハ3151。

先ず最初に疑念を抱いたのは京成3150形専用のライト基板である。
そのためライト基板の単独点灯試験が第一工程に廻されライトユニットを取り外した。
集電スプリングへ電流を流すと前尾灯は不具合無く点灯してくれた。
ちらつきも発生せずライト基板に全く問題無いと判明し取り敢えず一安心している。
点灯試験はライト基板をライトケースから取り外さずに行った。
幸か不幸か前照灯点灯時に通過標識灯の盛大な漏光までもが確認された。
モハ3154(3154F-1)では作業後半に施工した通過標識灯完全消灯化が前倒しとなった。


無事点灯したライト基板。

3154F-1は[(千葉) ちはら台]表示編成でありモハ3151の前照灯点灯機会が多かった。
モハ3171現行色前期仕様(3174F-2)でのライトユニット分解試行で3150形用プリズムは1pcs式だと判った。
物理的に通過標識灯用プリズムの独立化が行えず切断しない限り基板からの光を誘導してしまう。
しかも通過標識灯用レンズを兼ねる構造のため加工には向かず遮光も表面的なものにせざるを得ない。
通過標識灯用プリズム前端への処理に変更は無いが油性ペイントマーカーの下地処理を厚くしている。
これによりモハ3154(3154F-1)よりも高い遮光性能の確保を狙った。


折損していた座席部品ビス締結部(上野寄)。

ライト基板には瑕疵が無く次の疑いは導電板と台車集電板に向けられる。
座席部品と台枠を分離させるとモハ3154(3154F-1)をも凌ぐ酸化した導電板が目に入った。
当然グリスも大量に塗布されており台車集電板は全て台枠スリット部へ突き刺さったままとなった。
どれから手を着けようか迷っている間に上野寄座席部品及び台枠でおかしな箇所を発見した。
見直すと座席部品ビス締結部が折損しており台枠ビス締結部を埋めている。
ビス締結を復活させるには座席部品の交換が必須だが台枠は継続使用が可能と考えていた。
しかし台枠に埋まったビス締結折損部はグリスで融着してしまい取り除けない。
台枠も放棄するしかなくなってしまいTR-180床板の更新へと変更された。


復旧を終えたモハ3151用TR-180床板。

予備品のTR-180床板は床板操作式ライトスイッチ化拡大採用に向け温存していた部品である。
床板操作式ライトスイッチ化は京成3150形モハ3194現行色前期仕様(3194F-1)で試行している。
3182F新赤電色(3182F-1)との2+4混色編成を復活させられたが如何せん肝心のライトスイッチが操作し難い。
現在は他方式への変更が有力であり窮地に立たされたモハ3151(3154F-1)を救ってくれた。
床下機器部品,導電板,ウエイト,連結面側TNカプラーSPは旧モハ3151用床板からの流用となる。
先に台枠へ床下機器部品を移設し導電板及び台枠集電板の研磨へと移行した。


整備が完了したKS-116非動力台車(成田寄)。

導電板,台車集電板はグリスの付着が夥しく予めクリーナーで拭き上げた。
研磨はラプロス式の採用を見合わせ当初より#1000のペーパーを持ち出す。
これにより大幅な作業時間の短縮が実現し約15分程度で導電板は真鍮色に戻った。
断面まで磨き上げる台車集電板はクリーナーの効果が低く想定より苦戦した。
それでも開始から約10分で作業を終えモハ3154(3154F-1)に比べ約10分の短縮が実現している。
擦過痕は激しくなるが余りに状態が悪い個体にはラプロスよりペーパーを起用する方針である。


前進取付としたSPフレームTNダミーカプラーと復旧させたTNカプラー。

TR-180床板が更新されモハ3151(3154F-1)でも生じていた車体不等沈下も改善は間違いないと思われた。
ただビス締結の加減を誤るとKS-116非動力台車を固定出来ず全てが台無しになる。
何とも言えない手応えを感じながら締結ビスが停止したと同時にドライバーを離した。
旧モハ3151用床板に取り付けられていたTNダミーカプラーは連結器部品をゴム系接着剤で固定しただけの簡易形だった。
単独保管品のTNカプラーマウント未加工品と振り替えTNカプラーに戻した。
これで灰色成形密着自動式TNカプラーは予備品数が5両分にまで回復している。




モハ3151 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:台枠更新,SPフレームTNダミーカプラー換装施工。


モハ3154 [B01 普通 (千葉) )ちはら台]:3154F-1(SPフレームTNダミーカプラー装着車)。

モハ3151(3154F-1)に取り付けたSPフレームTNダミーカプラーは京成3700形3791後期仕様(4次車:3798F)の発生品である。
スカート付SPフレームTNダミーカプラー化を図った際にスカート取付台座が切除された。
ここは前面見附に影響を及ぼさない箇所であり再用には全く問題無かった。
なおフレーム取付部の整形が雑になってしまい逆L字形ではなく凸形で仕上げられている。
失敗に近かったが返って取付自由度が増し正規位置への調整はむしろ容易であった。
固定の軸はゴム系接着剤が担っているためモハ3154(3154F-1)と同等の強度を保てていると思われる。


モハ3151 点灯試験[B01 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(台枠更新,通電系統整備,通過標識灯完全消灯化施工)。


モハ3151 点灯試験[B01 普通 (千葉) ちはら台]:尾灯(台枠更新,通電系統整備施工)。


京成3150形モハ3159 点灯比較[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:3170F-3(通過標識灯点灯車)。

入場前は前尾灯が点灯しなかったモハ3151(3154F-1)だったが点灯試験では安定した点灯具合を取り戻してくれた。
非点灯に陥った原因は導電板,台車集電板を覆っていたグリスにあったと推測している。
上野寄ビス締結部品の破損は分解直前までKS-116非動力台車が脱落しなかった事から無関係だと思われる。
通過標識灯は本来はっきりとした点灯に至るがモハ3151では漏光が見られない。
少なからず油性ペイントマーカーの下地処理を厚くした効果が得られたと思える。
但し決して被膜が強い訳ではなくライトユニットを着脱する度に再施工した方が無難だろう。




モハ3151(台枠更新施工:車体不等沈下解消)。

モハ3154(3154F-1)も改修入場と同義となったがモハ3151(3154F-1)は更にその上を行った。
まさか台枠更新にまで手を伸ばすとは予想しておらず作業内容も大幅な変更を余儀なくされた。
期待とはかなり異なったものの無事にモハ3151の完全復帰を果たせた。
車体不等沈下も収まり多くの課題を抱えていたモハ3151はその欠片すら感じさせない竣工を迎えられている。
その代わりビス締結部の破損が他編成へ及んでいないかが懸念材料に急浮上してしまった。
TR-180床板の予備品が今入場で尽きてしまったため早めに確保したいところである。

千葉急行3150形モハ3154[3154F-1] SPフレームTNダミーカプラー化,通過標識灯完全消灯化施工

2019-07-15 22:33:50 | 京成線:3150形
即再用。

グリーンマックス製京成3700形3798F後期仕様(4次車:3798F)は台枠直結式スカート編成に改められた。
これによりスカートと分離されたSPフレームTNダミーカプラーが余剰になった。
当初はマイクロエース製3600形系列へ転用しクハ3600形からTNカプラーSPを捻出する予定だった。


千葉急行3150形3154F。
3154F-1:3154-3153-3152-3151。

この予定はいまいち調子が優れなかった千葉急行3150形3154F(3154F-1)への転用に変更される。
京成3150形系列では4両編成にTNダミーカプラー採用編成が残り4+4編成,4+2編成とは見附が異なっていた。
今のところ灰色成形密着自動式TNカプラーSP(0375)には若干の余裕がある。
取り敢えずクハ3600形から緊急捻出を図る状態ではなく3150形の編成見附統一が優先された。
3150形系列4両編成のうち前尾灯点灯状態の思わしくなかった3154F-1が入場に至っている。


入工中のモハ3154(3154F-1)。

中古製品で導入を行った3154F-1はプロトタイプの特殊性もあり入場機会が少ない。
前回はTNカプラーSPからTNダミーカプラーへの換装でモハ3154,モハ3151の入場に限られた。
そのモハ3154,モハ3151だが前尾灯のちらつきが激しく通電系統整備が必要だと思われた。
非点灯が当たり前になりつつあるモハ3151はライト基板にも疑いが掛かる。
京成3150形用ライト基板は予備品が無いため3154F-1の存続危機に直結しかねない。
その怖さが頭から離れず従来整備に近くなるはずのモハ3154を先発入場車とした。


グリス塗れだった導電板,台車集電板。

グリーンマックス製TR-180床板装着車は製造時期により導電板と台車集電板へグリスが塗布された個体がある。
一度再生産が行われた千葉急行3150形3154Fであるが3154F-1は1stLOT品だった。
よって同時期にリリースされた京成3150形系列と同じくグリス塗布が施されている。
これまで通電系統整備を行った車両はグリスの劣化により通電不良が発生していた。
モハ3154(3154F-1)の前尾灯点灯具合もグリスが関与していると思えた。
KS-116非動力台車を取り外すと一部の台車集電板が台枠スリット部に刺さったまま落ちて来なかった。
台車集電板が脱落しなかった原因は半固形化が進んだグリスの仕業である。


#1000のペーパーで研磨した導電板と台車集電板。

これは過去の通電系統整備施工車で多々見慣れており半ば予想通りだった。
導電板及び台車集電板は劣化したグリスの付着に加え酸化が進行している。
研磨は専らラプロス#4000を使用しているがモハ3154(3154F-1)には全く通用しなかった。
番手を#2400まで下げても余り効果が見られず時間だけが経過していく。
そこでラプロスでの施工を諦めペーパーによる研磨へと切り替えた。
ペーパー掛けは擦過痕を際だ立たせるが今回ばかりは致し方なかった。
ラプロス式に拘り過ぎた事もあり研磨を終えたのは約35分後であった。


SPフレームTNダミーカプラーに置き換えられるTNダミーカプラー。

グリスは座席部品と台枠まで進出しておりクリーナーで除去する。
ビス締結孔と台枠スリット部は極細綿棒で半固形化したグリスを除去した。
また座席部品ビス締結部裏面には増締めによる捲れがありクラフトナイフにて整形している。
座席部品と台枠は隙間無く密着し車体不等沈下解消が解消されると思えた。
ウエイトをゴム系接着剤で固定した後にSPフレームTNダミーカプラーの前進取付対応化へ移る。
TNダミーカプラーはゴム系接着剤除去とマウント交換を行いTNカプラーに復帰させた。
増結を考慮しない3154F-1ではフレーム取付部の逆L字形整形も適当で構わなくなる。
牽引,推進力への配慮を要する中間組込車用とは一転しモハ3154(3154F-1)では取り付け易さを優先した。


油性ペイントマーカーで下地処理を行った通過標識灯用プリズム。

出場時期と入場回数の少なさから3154F-1はマッキー単独での通過標識灯消灯策に留まっていた。
通過標識灯からの漏光は[普通]運用に似付かわしくなく通過標識灯用プリズムの完全消灯化を図る。
現在は油性ペイントマーカーを下地にマッキーで黒色化する方式へと改められている。
構造上ライトユニットを組み込む際に車体と通過標識灯用プリズムが接触してしまう。
そのため油性ペイントマーカーは仮にマッキーが剥離しても通過標識灯用レンズのように見える銀色で統一している。
なおライトユニットは出来るだけ車体との平行を保ちながら装着した。




モハ3154 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:SPフレームTNダミーカプラー換装施工。

SPフレームTNダミーカプラーは3798(3798F)からの撤去後も全く手を加えていない。
形態に不満は無く前進取付対応化を施したのみでモハ3154(3154F-1)への移設となった。
取り付けは前面車体裾のパーティングラインとジャンパ連結器モールドを合わせた位置で決定している。
フレーム取付部の逆L字形整形に自由度を持たせたため調整は容易であった。
TNカプラーとTNカプラーSPでは胴受下部の厚みが若干異なっている。
SPフレームTNダミーカプラーはTNカプラーSPと同一構造を持っており前面見附の安定感が増したように見える。




モハ3154 点灯試験[B01 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(通電系統整備,通過標識灯完全消灯化施工)。


モハ3154 点灯試験[B01 普通 (千葉) ちはら台]:尾灯(通電系統整備施工)。


京成3150形モハ3162 点灯比較[B47 普通 (千葉) ちはら台]:3162F(通過標識灯非点灯化再施工車)。

通過標識灯用プリズムの漏光対策はライトユニット着脱により効果が失われる場合が多い。
京成3150形3162F現行色晩年仕様(3162F-5)も前回入場で再施工を行った。
3162F-5は現行方式での遮光処理だったが3154F-2は旧方式車への再施工だった。
よってモハ3154(3154F-1)の施工効果はモハ3162(3162F-5)よりも高く感じられている。
研磨を行った導電板,台車集電板は効果覿面でちらつきも一切無くなった。
前尾灯点灯の安定化はグリス除去が最も寄与したと思われる。




千葉急行3150形モハ3154(車体不等沈下修正施工)。

入場前のモハ3154(3154F-1)では運転台側から連結面側に向け車体が沈下していた。
座席部品ビス締結部裏面の処理によりこの症状も解消に至っている。
SPフレームTNダミーカプラー化が主工程だったモハ3154(3154F-1)は実質的に改修が成されたも同然と言える。
プロトタイプが限定される関係から現状維持が続いた反動で通電不良を招いたと思う。
先ずモハ3154が無事に竣工しモハ3151(3154F-1)の入場へ備えられた。
同様の工程でモハ3151の整備も進められる事を期待している。

京成3150形モハ3159[3162F-5] 現行色 晩年仕様 通電系統再整備,運転台側SPフレームTNダミーカプラー化施工

2018-10-17 21:48:23 | 京成線:3150形
粘性。

グリーンマックス製京成3150形モハ3159現行色晩年仕様(3162F-5)を入場させた。
主工程はTNダミーカプラーの廃止から通電系統再整備に変更される。
先に竣工したモハ3162(3162F-5)の導電板,台車集電板は状態が悪かったため同じ様な手順になると考えた。


京成3150形モハ3159 現行色 晩年仕様(3162F-5)。

予め前回入場記録を確認したところ専らグリス除去に終始した工程を踏んでいた。
よって作業時間は長めに確保している。
3700形3728F中期仕様(1次車:3728F-1)が出自のSPフレームTNダミーカプラーは双方とも連結器位置中心がずれていた。
スカートで胴受が隠れた3700形とは異なり3150形ではダミーカプラー全てが露出する。
3162F-5だけ連結器位置が偏位する状況には持ち込みたくなく修正を図った。
施工はモハ3162への入場時に2台とも済ませている。
但し前進取付対応化は未措置でモハ3159での工程に組み込まれた。


入工中のモハ3159。

3162F-5は下り方面行に設定した。
そのためモハ3159の前照灯点灯機会は決して多くない。
しかし極端な走行方向の偏りを防ぐため定期的な逆転運転を行っており皆無ではなかった。
この際通過標識灯の漏光は完全に抑えられていた。
現状でも問題は無いが仕様をモハ3162と揃える。
従来から施工されていた通過標識灯用プリズム先端の塗り潰しは敢えて存置した。
この上に金色の油性メタリックマーカーを重ねる。
そしてマッキーで黒色化を行い仕上げた。
都合4重となった被膜ならライトユニットの着脱にもある程度耐えられると思う。


油性メタリックマーカーで下地処理を施した通過標識灯用プリズム先端。

ライトユニットを車体へ戻し前照灯レンズ部に光源を当てる。
プリズムが前照灯から通過標識灯まで一体成形されている形状はモハ3171現行色前期仕様(3174F-2)の入場で掴めた。
この構造を逆手に取り簡易的な非点灯確認とした。
指向性の強いLEDライトを当てても通過標識灯に漏光は生じない。
一応の手応えを得て通電系統の整備へ移った。
TR-180床板を分解するとモハ3162に近い状況が待ち受けていた。
むしろグリス粘度が高く清掃に手を焼かされるのは明らかだった。


斑模様の導電板と台車集電板。

拭き取ったはずのグリスだったが予想通り詰めが甘い。
KS-116非動力台車の締結を緩めても台車集電板は導電板に貼り付いたままだった。
極僅かな接触面積しかないにも関わらず4枚全てが台枠側に残ってしまった。
おまけに導電板及び台車集電板の両面はやたらとべたつく。
導電板はクリーナーを浸したティッシュペーパーで包む。
小部品の台車集電板はクリーナープールへ直行となった。
この間にKS-116非動力台車,台枠,座席部品のグリス除去を進める。
粘度が高かったせいかKS-116非動力台車は余り油脂の煌めきが見られない。
しかしべたつきが酷かった台車集電板の影響を少なからず受けているはずで入念に清掃した。


後始末に終われた台枠,座席部品のグリス除去。

台枠へのグリス進出はモハ3162より抑えられていた。
それでも清掃のし難さはモハ3159が上を行く。
グリスの粘度が曲者で清掃に用いた極細綿棒は毎回茶色く変色するほどであった。
余りのしつこさに呆れ爪楊枝にてグリス残滓を掻き集め事態を収束させた。
対照的にビス締結部へのグリス付着が見られた座席部品はあっさりと清掃を終えられた。
再び導電板,台車集電板の整備に戻る。
残念ながらクリーナーの効果は余り高くなくべたつきが残った。


整備が完了したKS-116非動力台車(上野寄)。

ここは脱脂溶剤に頼るべきだったと気付いた。
急遽アルコールクロスを持ち出し付着した油膜を取り除く。
べたつきこそ解消されたが斑模様は改善されない。
斑模様は前回入場の仕上げ不足が原因だと思われる。
元々の状態か芳しくなかったため遠慮せずにラプロス#2400で研磨を行った。
脱脂が奏功し導電板,台車集電板の研磨は快速で進められた。
双方とも無理にグリスを削ぐ必要は無く軽い力で真鍮色へと変わっていく。
比例して研磨による擦過痕も目立たなくなりラプロス#4000での仕上げを廃止した。


復旧されたTNカプラーと前進取付対応化を図ったSPフレームTNダミーカプラー。

TR-180床板を組み上げSPフレームTNダミーカプラーへの交換に取り掛かった。
TNダミーカプラーの固定はモハ3162と同一手法を採ったらしい。
ゴム系接着剤とタミヤセメントが併用され運転台側台枠裏面の乱れが生じていた。
プラスチックの変質度合いが酷く波打ちが激しい。
TNカプラーSPカバーとの競合は明白であり#600のペーパーで平滑化を行った。
SPフレームTNダミーカプラーは取付部を逆L字形に整形し前進取付を可能にした。
3162F-5に起用したTNダミーカプラーは線バネを残したままゴム系接着剤で連結器部品を固定しただけである。
マウントは未加工発生品に取り替えゴム系接着剤の除去を行った上で復旧させた。
モハ3162での再生品を加え灰色成形密着自動式TNカプラーは4両編成1本分が確保出来た。
灰色成形密着自動式TNカプラー装着編成は2本が残存している。
当座の予備はこれ以上必要ない。
不具合の生じた車両が複数に渡った場合は直接TNカプラーSPへ交換を図るため出番は巡ってこないかもしれない。


前進取付されたSPフレームTNダミーカプラー。

SPフレームTNダミーカプラーの取り付けは労さない。
位置基準も定まっており交換は短時間で終了した。
4両編成で限定している3162F-5は連結耐性強化策を採らない。
そのためゴム系接着剤はSPフレームの台枠取付部とカバー後端の一部だけに塗布した。
心許なく映る接着剤量だが交換を終えたモハ3162は24時間以上が経過した現在でも安定を保つ。
従ってダミーカプラーとしての役割は十分に果せると思う。
ちなみに運転台付中間組込車はカバー天面を全てゴム系接着剤で覆っている。
取付位置修正入場で撤去した際にはカバーだけが台枠裏面に取り残される強度を見せた。
最長8両編成への採用に限られているが今のところビス固定追加の必要性は感じない。




モハ3159 [B47 普通 (千葉) ちはら台]:SPフレームTNダミーカプラーSP化施工。


モハ3162 [B47 普通 (千葉) ちはら台]:3162F-5(SPフレームTNダミーカプラーSP装着車)。

モハ3159のTNダミーカプラーは大幅な老朽化こそ伺えなかった。
しかし連結器部品へのゴム系接着剤量が不足した模様で連結器の方向が定まらなくなっていた。
最早都度修正では追い付けなくなりモハ3162と異なる事情で廃止を迎えている。
他方SPフレームTNダミーカプラーは連結器部品後部とフレームの固定面積が確保出来る。
グリーンマックス製京成3400形,3700形で多用しているが連結器部品の安定性はTNダミーカプラーを軽く凌ぐ。
3728F-1からの転用も耐久性を見込んでのものだった。
不可抗力で破損さえさせなければ半永久的に使用出来るだろう。


モハ3159 点灯試験[B47 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(通電系統再整備,通過標識灯非点灯化再施工)。


モハ3159 点灯試験[B47 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(通電系統再整備施工)。


モハ3159 点灯比較[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:3170F-3(通過標識灯点灯車)。

入場前のモハ3159は前尾灯点灯時にちらつきが生じていた。
原因はグリス残滓による通電不良だと思う。
導電板及び台車集電板の整備後は動態でも安定した点灯に改められている。
点灯機会の少ない前照灯だが同期するはずの通過標識灯は完全消灯を維持した。
モハ3183(3174F-2)での油性メタリックマーカー試用開始からモハ3162(3162F-5),モハ3159と3両連続で結果を残せた。
通過標識灯プリズムは挿入時に於ける車体との接触を防げない。
そのため何れは漏光が再発すると思う。
ただライトユニットの着脱時に通過標識灯完全消灯化再施工を行う機会が減らせる可能性はある。
今後[普通]運用編成が入場した際には油性メタリックマーカーへの変更を進める。


モハ3159+モハ3162 (3162F-5:SPフレームTNダミーカプラー前進取付車+SPフレームTNダミーカプラー前進取付車)。


モハ3167+モハ3162 (3170F-3:TNカプラーSP前進取付車+TNカプラーSP前進取付車)。

安定点灯を取り戻しモハ3159が竣工した。
SPフレームTNダミーカプラーは明確な前進取付位置が定められているためモハ3162との差は殆ど見られない。
TNカプラーSPとは連結器部品以外同規格である。
よってTNカプラーSP前進取付車に通ずる外観となった。
連結されられない事もないが旋回猶予は無く解結が困難になる。
同一車両番号の3162F現行色後期仕様(3170F-3)も在籍するが外観差に加え管理を区分しており混同はしないだろう。

京成3150形モハ3162[3162F-5] 現行色 晩年仕様 運転台側SPフレームTNダミーカプラー化,通電系統再整備施工

2018-10-16 21:46:08 | 京成線:3150形
不完全。

グリーンマックス製京成3150形3162F現行色晩年仕様(3162F-5)はTNダミーカプラー装着編成である。
原則的にTNダミーカプラーには加工失敗や追加施工で余剰となった部品群を充当した。
しかしモハ3162,モハ3159に取り付けたTNダミーカプラーは廃品利用ではなく連結器部品を簡易固定した珍品であった。


京成3150形3162F 現行色 晩年仕様。
3162F-5:[3162]-[3161]-[3160]-[3159]。
※[K'SEI]CIマーク貼付編成。

交換当時は半永久使用とする方向で前進取付まで施していた。
ただTR-180床板とTNカプラーは余り嵌合精度が高くない。
そのため未加工品でも台枠との空間が生じてしまう。
TNカプラー自体もTNカプラーSPに比べ剛性が低く固定時はゴム系接着剤を併用していた。
取付部を逆L字形に整形する前進取付方式の採用でTNダミーカプラーは更に強度が低下してしまったらしい。
経年と共に胴受部が傾く老朽化が見え始めたため廃止を決定した。
京成3700形3728F中期仕様(1次車:3728F-1)の運転台側TNカプラーSP化は3162F-5のTNダミーカプラー廃止が名目であった。


入工中のモハ3162現行色晩年仕様(3162F-5)。

前回入場でモハ3162,モハ3159の通電系統は整備を済ませていた。
従ってTNダミーカプラーをSPフレームTNダミーカプラーに交換する軽加工のはずだった。
3728F-1で使用していたSPフレームTNダミーカプラーは前進取付対応化を要する。
グリーンマックス製品への前進取付は多々施しており最早定番と言える作業である。
4両編成の3162F-5は連結機会が無く牽引及び推進時に掛かる負荷対策も不要であった。
モハ3162を先発入場させモハ3159も続く予定だった。
ところが短時間で終了する予定は早々に崩れ去っている。
KS-116非動力台車を撤去しても台車集電板が台枠スリット部へ取り残されるいきなりの事態に襲われた。
導電板,集電板のグリス除去が甘かったらしく通電系統も再整備を行う羽目になった。


分解したTR-180床板一式。

記録を見直すとモハ3162の通電系統には大量のグリスが塗布されていたらしい。
対策は拭き取りを行っただけで済まされている。
この拭き取り作業が不十分でKS-116非動力台車,台枠センターピン部,座席部品ビス締結部には油脂付着が見られた。
どうやら導電板だけに作業が集約された模様で台枠の清掃は見送られたと思われる。
それを示すかのように導電板はグリスで台枠表面に密着していた。
表面からの撤去が行えず裏面より台車集電板接触部を持ち上げ対処している。
また導電板,台車集電板は研磨された痕跡が見られない。
現在の通電系統整備では必須工程に格上げされており並行して作業を行う。


グリス除去を施した台枠とKS-116非動力台車(成田寄)。

先に広範囲に渡ったグリスを拭き上げる。
KS-116非動力台車は台枠センターピン部から台車集電板を伝わりビス締結部まで油脂が広がっていた。
非動力台車枠までグリスを拭き上げる事例は殆ど無い。
清掃したつもりでいたのは除去量が多かったためだろう。
台車集電板スリットのグリスはクリーナーを浸したティッシュペーパーを往復させ取り除いた。
台枠,座席部品は恒例の綿棒を用いる。
但し台枠表面はグリス塗れで綿棒のみでは歯が立たずティッシュペーパーを併用した。
導電板と台車集電板は糊状に変質したグリスが厄介であった。
クリーナーは油膜を広げるだけでありラプロスでの直接除去に切り替えた。


研磨を終えた導電板と台車集電板。

導電板の研磨にはラプロス#4000を多用している。
しかし直ぐに目が詰まってしまいクリーナーによる清掃と然程変わらなかった。
そこで番手を#2400まで落とし全てを削ぐ。
このままでは擦過痕が目立つため#4000で表面を均した。
二度の研磨を行ったが仕上げはラプロス#4000での一回研磨と同等になっている。
茶色へ変色した台車集電板は当初からラプロス#2400で磨いた。
グリスが固着していた箇所だけは酸化が進んでおらず妙な輝きを持ったまま残された。
床板関連の作業はようやく折り返しに入る。
捻出を目的にライトスイッチの廃止が検討された。
モハ3194現行色後期仕様(3194F-1)で試行した床板操作式ライトスイッチ化は操作性に課題が残る。
別方式を再検討している最中であり急を要するものではなく今回は存置された。




前進取付対応化を図ったSPフレームTNダミーカプラー。

3728F-1から捻出したSPフレームTNダミーカプラーは連結器部品の中心にずれがあった。
モハ3162の入場前に修正した上で前進取付対応化を行っている。
連結を考慮しない前進取付でありフレーム取付部の逆L字形整形は立ち上がり部を狭幅化した。
これにより装着性と微調整代の確保を両立させた。
廃止されるTNダミーカプラーは固定に難航した跡が伺えた。
運転台側台枠裏面にはゴム系接着剤以外にタミヤセメントを投入した形跡が残る。
盛り上がった台枠裏面はTNカプラーSPのカバーと密着しない可能性が高く平滑化を施した。
逆L字形となったTNカプラーSPフレームの元取付部を中心にゴム系接着剤を塗布し台枠へ差し込む。
なお前進代は車体に目安を設けており仮固定で留めた。


SPフレームTNダミーカプラーへ交換された運転台側。

撤去されたTNダミーカプラーはTNカプラーに復帰した。
胴受部の傾斜は保管品のTNカプラーマウントへ交換すると同時に収まっている。
やはり前進取付施工が悪影響を及ぼしたと思う。
連結器部品の固定はゴム系接着剤で施していたため復旧後も動作に問題無い。
使用編成の限られるTNカプラーだが今となっては入手困難品と言え保管品に廻された。
何れはTNカプラー装着編成もTNカプラーSPに交換する予定を組んでいる。
全廃後の措置は決まっていない。
ただモハ3162での老朽化を考えるとTNダミーカプラーには起用しない方向である。


位置調整後のSPフレームTNダミーカプラー。

3150形の車体裾断面は全周に渡りパーティングラインが存在する。
4+2(2+4)編成,4+4編成の運転台付中間組込車は連結面間隔を広げ編成見附の向上を図った。
かつて取付位置は目視に頼っていた。
後にTNカプラーSPのジャンパ連結器モールドとパーティングラインが揃うと気付きここが取付基準化されている。
先頭車両は全て同位置への修正が行われていた。
連結機構が活かされる機会が無いモハ3162では他編成との見附統一が最重要項目となる。
仮固定したSPフレームTNダミーカプラーは台枠に接しない状態を維持し車体と床板を嵌合させる。
ジャンパ連結器モールドを前面車体裾のパーティングラインに合わせた地点で押着した。




モハ3162 [B47 普通 (千葉) ちはら台]:SPフレームTNダミーカプラー化施工。

モハ3162のTNダミーカプラーは若干斜めに固定されていた。
これに胴受の傾斜が加わり余計に前面見附を悪くさせたと思う。
SPフレームTNダミーカプラーはTNカプラーSPとほぼ同等の剛性を持つため再発の恐れは無くなった。
数多く採用しているSPフレームTNダミーカプラーだが今のところ不具合で交換に至った個体は存在しない。
剛性が低いTNカプラーSP擬3の転用品も健在である。
よってモハ3162のカプラーは最終形態になると想われる。
また連結器位置は中央に収まり修正も成功した。
3150形で連結器が明後日の方向を向く事例は珍しくなかった。
しかし他編成の先頭車両はTNカプラーSP装着車が多く整合性を優先している。


モハ3162 点灯試験[B47 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(通電系統再整備,通過標識灯非点灯化再施工)。


モハ3162 点灯試験[B47 普通 (千葉) ちはら台]:尾灯(通電系統再整備施工)。


モハ3183 点灯比較[B25 高砂]:3174F-2(通過標識灯非点灯化再施工車)。

3162F-5は[普通]に設定したため通過標識灯非点灯化を施した。
しかし以前から通過標識灯の漏光が発覚しており今入場で再施工を行っている。
モハ3171現行色前期仕様(3174F-2)の入場はモハ3162への発展を考慮したものだった。
結局通過標識灯用プリズムの間接減光式併用は実現せず従来の方式が踏襲される。
ただ下地処理だけは油性ペイントマーカーから油性メタリックマーカーへ改めた。
一度で完全消灯に達したモハ3183(3174F-2)に続きモハ3162も同様の結果に結び付いている。

導電板及び台車集電板の未研磨は計算外だった。
それ以上にグリス除去が余計でモハ3162の竣工は大幅に遅れた。
続くモハ3159も同等の時間が割かれるだろう。
通過標識灯からの漏光は生じていないが短時間で対応可能な下地処理変更であり仕様統一を図る。

京成3150形モハ3171[3174F-2] 現行色 前期仕様 前尾灯非点灯車用プリズムケース完全分解試行

2018-10-15 21:47:35 | 京成線:3150形
無謀。

グリーンマックス製京成3150形のライトユニットは物理的に分解が行えない。
在籍する3150形は通過標識灯非点灯化を施した車両が多いがプリズム先端を塗り潰すしかなかった。
しかしライトユニットの着脱時に被膜の剥離が多発し都度対策を行ってきた。


京成3150形3174F 現行色 前期仕様+3186F 新赤電色 2両口。
3174F-2:[3174]-[3173]-[3172]-[3171]+[3184]-[3183]。
※4+2混色編成。

現在千葉急行3150形3154F(3154F-1)を加えた6編成が[普通]運用に設定されている。
製品標準で通過標識灯が点灯する構造は画期的だった。
しかしライトスイッチは前照灯と通過標識灯が連動してしまう。
そのため前照灯点灯+通過標識灯非点灯の組み合わせが再現できず到底[普通]運用には似つかわしくない。
通過標識灯の非点灯化は直接減光式を参考にプリズム先端をマッキーで塗り潰す方法が採られる。
しかしマッキーではインク被膜が弱く透過を防げなかった。
そこで下地に銀色油性ペイントマーカーを塗布しマッキーを重ね対擦過性の向上策が図られる。
これでも分解時に通過標識灯用プリズムが車体と擦れてしまい完全消灯化は時間を要する工程となった。


入工中のモハ3171現行色前期仕様(3174F-2)。

入場の度に修正を図る状況から脱したい。
通過標識灯用プリズム先端の塗り潰しに加え光源への入力を抑えれば非点灯化工程が単純化されると考えた。
ライト基板と通過標識灯用プリズム入口に間接減光式を採り入れ絶対光量の抑制へ結び付けようとした。
ただ先頭車両での試行は危険要素が多過ぎ手を出せない。
在籍組成から唯一先頭に立たない運転台付車両のモハ3171現行色前期仕様(3174F-2)が試作車に抜擢される。
他前尾灯非点灯車両は休止中ながら逆組成に対応させており何時その機会が訪れるか分からない。
一方3174F-2は3174F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口(3174F-1+3186F-1)の新旧混色編成が特徴である。
3174F-1は4+2編成以外での組成を考慮せずに出場させた。
よってモハ3171のプリズムケースはほぼ原形が保たれており試行に適していた。


撤去したプリズムケース。

唯一手を加えた箇所は尾灯用プリズム先端の赤色化である。
これも赤マッキーによる再現で復旧は容易だった。
早速モハ3171を入場させ通過標識灯用プリズム入口への間接減光試行に着手した。
3150形のライトユニットは引き抜くだけで取り外せる。
ここは塗装済キットが出自の京成3400形,3700形とは大きく異なる箇所となった。
モハ3171はライト基板が装着されていないため単なるプリズムケースの役目しかない。
ライト基板の代わりに灰色のスペーサーが嵌め込まれている。
基本構造はライトユニットと変わりない。
そのため他編成の中間組込運転台付車もライト基板,導電板,台車集電板,ライトスイッチを組み込めば先頭に立たせられる。


4pcs式だと思われた各プリズム。

スペーサーを取り外すと各プリズムが目に入った。
通過標識灯用プリズム先端から光源を当てると前照灯用プリズム奥への導光が確認できた。
透過具合を見ると前照灯用,左右尾灯用,通過標識灯用に分かれているように感じられる。
プリズム撤去は尾灯用から開始した。
取り外しの始点は車体中央寄が折損確率を下げられると読む。
ところが2pcs式に見えた尾灯用プリズムは左右一体成形であった。
助士側尾灯用プリズムを先に引き抜く作戦は早くも躓く。
窮屈な嵌合を示す尾灯用プリズムと苦闘しながらも梃子の原理で撤去まで漕ぎ着けた。


約10分を要した尾灯用プリズムの撤去。

次なる壁は前照灯用プリズムだった。
尾灯用プリズムで通用した撤去方法は全く歯が立たない。
導光部が接着されていると予想し前照灯レンズ部をプリズムケースから外す手段に出た。
仮に接着式であれば作業中に前照灯用プリズムが脱落してくれるかもしれない。
しかし淡い期待は儚く散った。
いくら前照灯レンズ部を押し込んでも前照灯用プリズムは動く気配すらしない。
止むを得ず導光部を湾曲させ強引にプリズムケースの丸孔から前照灯レンズ部を引き抜いた。
それでも前照灯用プリズムはケース内へ留まったままで手詰まり状態に陥った。


約15分を掛けても取り外せなかった前照灯用プリズム。

さすがに作業中止もちらついた。
しかし通過標識灯用プリズムへの間接減光式採用にはプリズムケースの構造解析が必要である。
気を取り直し通過標識灯用プリズム側へ視点を移した。
2pcs式のプリズムケースは完全接着ではなく運転台側ライトケースの天面が浮いている。
ここから通過標識灯用プリズムの引き抜きを試みる。
モハ3171のプリズムケースは助士側の接着が甘かった。
車内側ライトケースを斜め後方へ倒し通過標識灯用プリズムの始点を探る。
少しずつ通過標識灯用プリズムを外側へ張り出させている最中に突然プリズムケースが分離した。
接着されたプリズムケースの分解は全く考えておらず計算外の展開となった。
それと同時に驚愕の構造が露わになる。


突如分離したプリズムケース。

各々が単体かと思われた前照灯用,通過標識灯用プリズムは兼用の1pcs式だった。
これでは前照灯用プリズムが取り外せないのも当然である。
通過標識灯用プリズムに間接減光式の採用は不可能とも判った。
ただこのまま引き返すのは癪に障る。
モハ3171用通過標識灯用プリズムで間接減光点灯試験を行いせめてもの抵抗とする。
数多く存在する屈曲部は全てマッキーで塗り潰した。
更に導光端部と予想した箇所も黒色化される。
通過標識灯レンズ部は減光効果を確認するため手は加えていない。


闇雲に塗り潰した通過標識灯用プリズム屈曲部。

モハ3171用プリズムケースは上手い具合に前後が分かれてくれた。
破断や欠損は見られず各々隙間無く接合が行えそうだった。
しかし大きな負荷を与えた両プリズムが組み立てを阻む。
変形代がプリズムケース同士の密着を難しくさせた。
前照灯,通過標識灯用プリズムより尾灯用プリズムが接着の鍵を握る模様で微調整に追われる。
ここを乗り切らないとプリズムケースが復旧出来ないため何度も角度変更を繰り返した。
ようやく両プリズムが正規位置に収まったのは約60分後であった。
何とか復旧の目途が立ち前後プリズムケースを接着する。


復旧中のプリズムケース一式。

プリズムケースは爪嵌合式でもボス嵌合式でもない。
よって接着は断面の成形を基準にするしかなかった。
製品仕様は流し込み接着剤固定でありこれを踏襲する。
プリズムケース同士の隙間が生まれないよう慎重に接合し表面成形を揃えた。
流し込み接着剤は両プリズムケース断面に残る溶着跡分だけの塗布としている。
強度面の不安があったが強力な溶着が行え自然分離は生じないと思われる。
前後プリズムケースは段差を生じさせずに平行へ戻せた。
傷だらけの各プリズム以外にライトユニットとの差異は伺えず最大の危機を乗り越えた。


モハ3183から拝借したライト基板。

減光対策の効果確認はモハ3183(3174F-2)用ライト基板,TR-180床板一式を一時的に装着し行う。
ライト基板は爪嵌合式でライトケースに負荷が掛かる。
モハ3171用プリズムケースはこの時に強度が感じ取れた。
ライト基板も前尾灯点灯車と同位置に決まり各プリズムの変形が及ぼす影響は見られない。
最後に尾灯レンズ部を赤マッキーで塗り潰した。
臨時でライトユニット化されたプリズムケースを車体へ挿入する。
前尾灯用プリズムと通過標識灯用プリズムの位置関係が僅かに狂い装着は一癖あるものに変わった。
但し車体への装着が確認されプリズムケースは一応分解前の形状に戻せた。


モハ3171 点灯試験[B07 高砂]:通過標識灯間接減光試行。


モハ3191 点灯比較[B31 津田沼]:3194F-1(前尾灯点灯,通過標識灯非点灯化施工車)。

悪足掻きとなった通過標識灯用プリズムへの間接減光試行は予想を上回る結果を見せた。
レンズ部は未措置で透明を保っているが漏光が一切発症しない。
多くの屈曲部を塗り潰したため何処が完全消灯の決定打になったかは不明である。
考え方は間違っていなかったらしく思わぬ成果に至った。
ただ余計な箇所まで黒色化した模様で前照灯照度までが低下してしまった。
再施工へ取り掛かる気力は残っておらず通過標識灯非点灯化の事実だけで十分だった。
点灯試験を終えモハ3171の原形復旧に取り掛かる。
ライトユニットの撤去は回避し直接ライト基板を取り外した。


原形に復帰したプリズムケース。

スペーサーもプリズムケースを車体に残したまま取り付けた。
車内側ライトケースはライト基板取付時とスペーサー復旧時の二度に渡り負荷を受けた。
しかし影響は現れず溶着部の変形も見られない。
今後モハ3171は中間組込車で終始する。
入場機会は車体改修程度で限られると思われ無茶な細工の弊害に悩む展開には至らないだろう。
なおモハ3171に点灯機構を貸し出したモハ3183は通過標識灯非点灯化の再施工を行った。
たった一度の取り外しで被膜が剥がれてしまい間接減光式の併用見送りが残念に思える。
モハ3183の通過標識灯漏光はプリズム先端が露出した証でもある。
そこで下地処理を油性ペイントマーカーから油性メタリックマーカーに変更した。
マッキーによる黒色化は従来通りで外観は変わっていない。


モハ3183 点灯試験[B25 高砂]:通過標識灯非点灯化再施工。

取り敢えず油性メタリックマーカーはライトユニット装着に耐えてくれた。
油性ペイントマーカーは塗斑が生じ易く一回の施工で完全消灯に達しない事例も存在した。
新たに採用した油性メタリックマーカーは金色である。
側面窓セル窓サッシ印刷の補修に使用している銀色油性メタリックマーカーのセット品で用途が無かった。
地色を活かす通過標識灯擬似点灯化にも向いているかもしれない。

振り返るとモハ3171での通過標識灯間接減光式併用試行は無謀な工程だった。
弾みとは言えプリズムケースの分解を招き窮地に陥っている。
よく原形に戻せたと思えるほどでライト基板の組み込み以外では二度と手を出さないと思う。
完全なる空振りで終わらせなかったのは半ば意地であった。
恐らくモハ3171の点灯試験も今回が最初で最後になるだろう。

京成3150形モハ3159[3170F-3] 現行色 後期仕様 通電系統整備(台車集電板・導電板研磨,台枠グリス除去施工)

2018-04-18 22:27:35 | 京成線:3150形
打破。

グリーンマックス製京成3150形3170F現行色後期仕様(3170F-3:3170F-1+3162F-1)の整備は最終入場車を迎える。
モハ3167(3170F-1),モハ3162(3162F-1)の車体傾斜修正で先送りされたモハ3159(3162F-1)の通電系統整備を行う。
既にモハ3170(3170F-1)で施工した内容と同一ながら時間を要するのが難点と言えよう。


京成3150形モハ3159 現行色 後期仕様(3170F-3)。

グリーンマックス製TR-180床板装着車は座席部品と台枠の間に導電板を挟み込む構造である。
分解時は台枠裏面側から取り外さないとウエイトを含め全てが脱落してしまう。
よってビス締結を解く前からTR-180床板を反転させている。
モハ3159ではこの方法が工程順の変更に繋がった。


入工中のモハ3159。

通電系統整備が名目で台車集電板と導電板の研磨が主となる。
KS-116非動力車を撤去するとグリス溜まりのあるセンターピン部が目に入った。
グリスはかなり劣化が進行し凝固していた。
台枠の集電板スリットから見える導電板も黒色に変わっておりモハ3170よりも状態が悪い。
固着したグリスが気になり台枠清掃から手を着けた。


清掃開始前の台枠センターピン部(成田寄)。

目立つグリスの塊は極細綿棒で取り除いた。
集電板スリットの汚れは床板裏面からだと然程目立たない様に感じられた。
しかし座席部品を分離するとセンターピン側を中心に埃を含んだ物質が覆っていた。
しかも台枠内側は上野寄,成田寄ともセンターピンを中心にグリスが広く進出している。
従来の部分清掃ではグリスが除去し切れないため全てクリーナーで拭き上げた。


全面脱脂に至った台枠。

脱脂中に床下機器部品が大きく傾斜した。
3170F-3はゴム系接着剤の劣化が急速に進行していると思われる。
2ndLOT製品より控え気味な接着剤投入量がこの様な現象を招いたのだろう。
修繕はモハ3162での固定方法を踏襲した。
台枠座席部品嵌合用取付孔の大径3点へ流し込み接着剤を投入し押着を図る。
ゴム系接着剤除去を省略したため台枠と床下機器部品の垂直保持に注意を払った。


予想より酸化進行が遅かった導電板。

クリーナーで脱脂を終えた台枠をクロスで仕上げ台車集電板と導電板の研磨に移行する。
モハ3170の導電板は酸化が目立っていた。
同一条件下で保管しているにも関わらずモハ3159の導電板はある程度の輝きを保っていた。
但し台車集電板との接触部は状態が悪い。
海側の導電板はラプロス#4000で研磨したが当該部のグリス痕除去に手間を要した。
効率が悪く山側の導電板は先に集電板接触部をラプロス#2400で磨き上げた。
この際関係ない箇所までラプロスが当たってしまった。
ところが擦過痕は#4000と変わらなかった。


異なる番手で仕上げた導電板 (海側:#4000,山側:#2400)。

導電板を磨く以上ある程度の擦過痕は避けられない。
#4000と#2400で状況が変わらなければ進捗率の高い#2400を用いた方が俄然有効である。
山側導電板は裏面を含め全て#2400で磨いた。
その結果大幅に研磨の時間が短縮された。
仕上がり具合は海側と殆ど変わらない。
その代わり研磨粉が多く出るためクリーナーでの清掃は入念に行っている。


方向を無視して磨いた台車集電板(上野寄)。

これまで台車集電板は擦過痕を目立ち難くさせる狙いで水平方向からの研磨に留めていた。
モハ3159の集電板はグリスが大量に残っていた影響で台枠集電板スリット挿入部の変色が酷かった。
水平方向ではグリス被膜を広げるだけになるため垂直方向からもラプロス#2400を当てている。
凸部:垂直方向,両端部:水平方向が主になった。
最後は全面を水平方向で均したが従来より擦過痕が激しい。
あくまで通電状態の向上が主名目である。
多少の擦過痕は目を瞑っても良いと思う。


断面まで輝く台車集電板(成田寄)。

グリーンマックス製旧非動力台車の集電機構は集電板断面の状態が鍵になると考えている。
特に車輪接触部と導電板接触部が重要だと思う。
平面と同様に変色していた集電板断面もラプロス#2400で入念に研磨した。
KS-116非動力台車に組み込まれた集電板は霞みが消え去った。
同時に金属車輪の清掃も施し万全の状態に持ち上げている。


モハ3159 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:前照灯(通電系統整備施工)。


モハ3159 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:尾灯(通電系統整備施工)。

各部品の清掃が完了し点灯試験を行った。
しかし電流を流しても全く点灯しない。
ライト基板に不具合は無く何処かで接触不良が生じたらしい。
研磨時に導電板を何度か撓ませた事が気になった。
台車集電板接触部を台枠側へ押し込んだところ解決している。
モハ3159もジョイント部で前尾灯がちらついていたが試験走行では発症しなかった。
当分は好調さを維持してくれると思う。
再発時は台車集電板,導電板の交換時期と考えたい。

モハ3159が竣工し3170F-3は再出場となる。
今入場は1stLOT製品ならではの経年対策に力が注がれた。
在籍する3150形グループの大半は1stLOT製品である。
動力ユニット更新入場時には前尾灯点灯車の通電系統整備が欠かせない工程になるだろう。

京成3150形モハ3162[3170F-3] 現行色 後期仕様 台枠湾曲矯正施工,運転台側TNカプラーSP前進取付位置修正

2018-04-17 22:15:30 | 京成線:3150形
同一方向。

グリーンマックス製京成3150形モハ3167現行色後期仕様(3170F-1)で生じていた車体傾斜は台枠の歪みに原因があった。
線路方向の傾斜は3170F-3(3170F-1+3162F-1)を組むモハ3162現行色後期仕様(3162F-1)でも発生していた。
比較的容易に矯正が行えるためモハ3162を入場させている。


京成3150形モハ3162 現行色 後期仕様(3170F-3)。

モハ3162は上野寄M1車だが成田寄M2車のモハ3167と同一方向に傾斜していた。
実質モハ3167を方転させただけの構造である。
傾く症状は個体差で出てしまうらしい。
しかも運転台側から連結面側に向けてではなく連結面側から運転台側に向けて傾斜していた。
この逆転現象はいまいち良く判らない。
ただ台枠に原因があるとは思える。
矯正方法はモハ3167に倣うが座席部品の整形は行わない。
台枠さえ矯正できれば傾斜は収まると考えた。


入工中のモハ3162。

車体と床板の嵌合には問題無いと思われる。
KS-116非動力台車側受と車体裾の間隔は上野寄,成田寄で大凡揃っていた。
台車からの入力で傾斜が生じる事になる。
モハ3162の床板もU字形に歪んでいた。
当然ながら上野寄,成田寄の台枠最低地上高は揃っていない。
一直線状に戻すに際し台枠両端の最低地上高を目安にしている。
台枠矯正中に海側,山側の床下機器部品が外れかけた。
隙間からゴム系接着剤が見えるものの最早機能していない。
撤去しての再取付も考えたが台枠表面丸孔からの流し込み接着剤投入を選択している。


片側3箇所を溶着した床下機器部品。

台枠には片側5箇所に床下機器部品嵌合用取付孔が設けられている。
このうち大径の3箇所のみ溶着させた。
3150形1stLOT製品は床下機器部品の取付が甘い傾向がある。
一部車両では剥離にまで至りゴム系接着剤で固定している。
モハ3162のゴム系接着剤は上野寄だけ生きていた。
これを活かしつつ脱落を防ぐため流し込み接着剤は大径孔への3点投入に留めた。
床板着脱時に傾く床下機器もこれで廃せるだろう。


ゴム系接着剤が多過ぎだ運転台側TNカプラーSP。

床下機器部品溶着と台枠の矯正を終えた。
作業中に運転台側TNカプラーSPが枕木方向に対し斜めに固定されていると判明した。
モハ3167は前進代が不足していたがモハ3162は別の要因で運転台側TNカプラーSPを撤去する。
予想通り固定には大量のゴム系接着剤が使用されていた。
プラスチックドライバーで隙間を広げたところTNカプラーSPが全壊してしまった。
山側の取付部L字形整形部は変形してしまいマウントの交換に迫られている。


復旧させた運転台側用TNカプラーSP。

新たに前進取付対応化TNカプラーSPを製作しなければならない。
フレームはSPフレームTNダミーカプラー向けに保管していた加工失敗品を転用した。
加工失敗品は復心スプリングが伸び切っていた。
よって加工失敗品とモハ3162用運転台側TNカプラーSPを組み合わせ復旧させている。
取付部を折損させたTNカプラーSPフレームは一応SPフレームTNダミーカプラー向けに保管した。
ダミーカプラーであればゴム系接着剤固定でも十分であり転用出来ると思う。


直線状に戻したモハ3162用TR-180床板一式。

運転台側へのTNカプラーSP前進取付は先送りしTR-180床板を組み上げた。
台枠矯正の効果はモハ3167を上回った。
この状態まで水平になれば問題無いだろう。
車体傾斜の修正は台枠のみの矯正で対応可能だと思われる。
床板を嵌合させた感覚は入場前と変わらなかった。
モハ3167とは矯正過程が異なった影響かもしれない。


突き出し長の揃う連結器 (モハ3167,モハ3162)。

最後に運転台側TNカプラーSPを取り付ける。
車体に取付目安があるため前進取付の個体差は大きくない。
モハ3162は枕木方向の角度が再取付工程を招いた。
現在の方法では線路方向,枕木方向共に一括で位置が出せる。
微調整だけで基準となる取付位置に固定した。
連結器突き出し長もモハ3167と差が無く仕上げられている。


モハ3167+モハ3162 (3170F-3:4+4編成)。

3170F-3組成時にはモハ3167+モハ3162の突き合わせとなる。
今まで見落としていた連結位置中心の偏位は修正された。
モハ3167,モハ3162は回着整備時にグリーンマックスマウントTNカプラーを採用した。
後のTNカプラーSPの前進取付施工により連結位置中心偏位が生じたため久々の等幅化へ至った。
但し連結面間隔はグリーンマックスマウントTNカプラー時代より広くなっている。
若干詰まり気味に見えたグリーンマックスマウントTNカプラーより前進取付を行ったTNカプラーSPの方が好ましく思う。




モハ3162(台枠湾曲修正施工)。

上野寄が沈下していたモハ3162は大凡水平に回復した。
3150形の車体傾斜は上野寄,成田寄のどちらでも台枠湾曲を施せば修正出来ると判った。
3162F現行色晩年仕様(3162F-5)や3172F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口(3172F-2)では特に目に付かなかった現象である。
何れも3rdLOT製品に該当するため車体傾斜は1stLOT製品特有の恐れがあると思う。
ただ前尾灯非点灯車だけで生じており不可解な竣工となった。

急遽モハ3167,モハ3162の車体傾斜修正を行った。
3170F-3の整備工程には入れておらずモハ3159(3162F-1)が未入場で残っている。
最後に通電系統の整備を施す羽目になった。
少しでも効率化を図り早期に3170F-3を再出場させたい。

京成3150形モハ3167[3170F-3] 現行色 後期仕様 線路方向車体傾斜矯正,運転台側TNカプラーSP前進取付位置修正

2018-04-16 21:45:29 | 京成線:3150形
失念。

グリーンマックス製京成3150形モハ3168現行色後期仕様(3170F-3)の動力ユニット更新最終工程は連結試験だった。
試験相手には実際に編成を組むモハ3167(3170F-1)を起用している。
この際モハ3167の車体が運転台側から連結面側に向け傾いている様に感じられた。


京成3150形モハ3167 現行色 後期仕様(3170F-3)。

本来3170F-3(3170F-1+3162F-1)の次期入場車は通電系統の整備が待つモハ3159(3162F-1)を予定していた。
だがモハ3167の線路方向で生じている車体傾斜が引っ掛かった。
モハ3159の工程はモハ3170(3170F-1)と変わらない。
時間こそ要する内容ではあるものの軽作業に留まる。
急遽入場順を改め車体傾斜の真因を突き止めるべくモハ3167が先発となった。


入工中のモハ3167。

早速モハ3167を分解した。
先ず側面窓セルの嵌合爪を点検し異常が無い事を確認している。
原因はTR-180床板しか考えられない。
モハ3167用TR-180用床板は座席部品と台枠を分離する前から波を打っていた。
ビス締結がなされている状況での歪みである。
連結面側の沈下ではないため金属ワッシャー式車体高嵩上施工には当たらない。
座席部品及び台枠の撓みか締結角度に問題があると考えた。


水平に矯正した座席部品。

ビス締結は増し締めの気配こそ伺えたが垂直方向に挿されていた。
ここで疑惑対象からビス締結角度が外れている。
もう座席部品と台枠しか残ってない。
各々を調べ車体傾斜解消を目指す。
台枠から分離された座席部品は長年の締結による影響からか撓みが見られた。
TR-180床板用座席部品には予備がある。
先ず水平に戻し台枠との嵌合を待つ。
不具合が出るようであれば交換を行う二段構えとした。
座席部品の撓みはウエイトボックスを除く両端部で生じていた。
複雑な形状に歪んでいたため各方向から少しずつ力を加え一直線状に近付けている。


TNカプラー取付部を持ち上げた台枠(上野寄)。

一方の台枠は緩いU字形に変形していた。
恐らく車体傾斜の大元は台枠だろう。
台枠も座席部品と同様に水平へ矯正する。
但し上野寄,成田寄端部の最低地上高に差が無かった。
単に水平にするだけでは傾斜を防げないと思えた。
車体傾斜は連結面側に限られる。
そこで床下機器を境に上野寄台枠を下方向へ整形した。
このまま座席部品を取り付けると別の問題が生じる可能性が高い。
対策としてTNカプラー取付部を上方向に持ち上げ最低地上高の差異を廃している。


前進代が不足していた運転台側TNカプラーSP。

3170F-3は3150形で初の4+4編成として出場を飾った。
メーカー仕様のドローバー連結が気に入らず運転台付車にはTNカプラーSPの前進取付を初採用した。
現在まで続く運転台側TNカプラーSPの前進取付だが当時はC280曲線通過性能確保が基準だった。
近年に出場した3150形では明確に前進幅を定めている。
台枠矯正中に取付位置が奥まっている事に気付き修正を決断した。
この時点では運転台側TNカプラーSPの撤去に留め車体傾斜解消対策を進める。


ほぼ変形が解消されたモハ3167用TR-180床板。

先に座席部品と台枠を嵌合させ床板の状況を確認する。
何となく中央部が下垂している様に見えるが当初の変形よりはかなり改善された。
一度車体と組み合わせたところ嵌め込み時の手応えが変わった。
矯正前よりも嵌合猶予が減り車体の剛性も上がったように思える。
まだ確証は持てない状況下だったが対処法が掴めた。
固着時間との兼ね合いもあり運転台側TNカプラーSPの再取付へ移行した。


前進幅が増加した運転台側TNカプラーSP。

撤去した運転台側TNカプラーSPは取付部の逆L字形整形方法が現在とは異なっていた。
不要な箇所を切除し前進代を増大させる。
モハ3167の運転台側TNカプラーSPは撤去に労した。
初期竣工車の名残で大量のゴム系接着剤が塗布されている。
剥離時に逆L字形整形部を折損させる寸前まで至った。
取付部の再整形には慎重を期し流用に結び付けた。
床板はまだ車体に装着したままである。
適量のゴム系接着剤をTNカプラーSPカバー上に塗布しTNカプラー取付部に挿入した。
その後前面車体裾断面のパーティングラインとTNカプラーSPジャンパ連結器モールド前端を揃え固定している。




モハ3170(線路方向車体傾斜矯正)。

運転台側TNカプラーSPの固着でモハ3170は竣工を迎えた。
車体は完全な水平にまで到達しなかった。
しかし傾斜は緩和されたように見える。
入場前の記録を重ねたところその効果が感じ取れた。
結局車体傾斜を招いた原因は台枠だった。
急いて座席部品の交換に走らなかったのは正しい判断だった。
再矯正は容易であり今入場での矯正を打ち切り3170F-3の整備を進行させる。




モハ3170+モハ3160 (3170F-2:4+2編成)。


モハ3171+モハ3184 (3174F-2:4+2編成)。

前進取付位置の見直しを行った運転台側TNカプラーSPも現行の水準に達した。
修正前は連結器後端が前面車体裾と被る位置にあった。
現在はM1'車,M2'車と揃えており寸詰まり感が拭えたと思う。
3170F-1+3162F-1は4+2編成の3170F-2にも対応している。
3150形のTNカプラーSP化は組成自由度の向上が名目だった。
丸妻の運転台側が前進代の不足を隠してしまい気付けなかった。
TNカプラーSP化当時より4+2編成,2+4編成が増加したため良い是正機会になったと思う。

京成3150形モハ3170[3170F-3] 現行色 後期仕様 通電系統整備(台車集電板・導電板研磨,台枠グリス除去施工)

2018-04-15 21:13:09 | 京成線:3150形
的中。

グリーンマックス製京成3150形3170F+3162F現行色後期仕様(3170F-1+3162F-1:3170F-3)は故障を契機に離脱した。
不動に陥ったモハ3168(3170F-1)の動力ユニット更新は完了した。
復帰を前に前尾灯点灯車の通電系統整備を行う。


京成3150形モハ3170 現行色 後期仕様(3170F-1)。

初竣工後のモハ3170(3170F-1)はTNカプラーSP化と行先方向幕交換で入場したのみだった。
台車集電板や導電板に手を着けた記憶は無い。
従って2014年4月以降から全く整備が行われていない事になる。
3194F現行色前期仕様(3194F-1)は通電系統の経年劣化が目立った。
同時期の製品である3170F-1も状態は良くないと予想出来た。
モハ3168がコアレスモーター搭載動力ユニットへ刷新された機会に乗じ3170F-3の整備を進める。


入工中のモハ3170。

3170F-3はモハ3170とモハ3159(3162F-1)が前尾灯点灯車である。
先ずモハ3170から入場させた。
通電系統整備単独入場だったモハ3191(3194F-1)は軽作業ながら大幅な時間を要した。
モハ3170の入場に当たっては十分な時間を確保している。


台枠スリットに突き刺さる台車集電板(成田寄)。

モハ3191で手を焼かせた原因は導電板と台車集電板接触部に塗布されたグリスだった。
FS-329C非動力台車を取り外すと集電板だけが脱落しなかった。
やはりグリス塗布がなされていたらしい。
予想通りとは言え本格作業開始前から気分を滅入らせる。


輝きを失った導電板。

座席部品と台枠を分離すると導電板の全貌が伺える。
その状態はモハ3191を下回る惨状だった。
TR-180床板を分離した機会は殆ど無いはずである。
それにも関わらず全体が茶色を帯び一部は茶褐色化していた。
集電板接触部にはグリス痕が夥しく残る。
時間を確保した上での入場は正解だった。


海側だけ研磨を終えた導電板。

導電板の研磨にはラプロス#4000を用いた。
酸化が進行した箇所が多く何度もラプロスを往復させている。
その結果目立つ磨き斑を生じさせてしまった。
今後再び劣化が生じた場合には交換した方が良いだろう。
グリス痕は#4000でも歯が立たず#2400まで番手を落とした。
海側だけの研磨に10分を要するほど苦戦している。


約20分を掛けて状態を上げた導電板。

山側は海側より更に状態が悪かった。
先にラプロス#2400でグリス痕を除去し後の研磨を楽にさせる。
この作戦は当たり海側とほぼ同時間で研磨を完了した。
グリーンマックス製導電板の整備はグリス痕除去から開始した方が効率が高いと思われる。
研磨の際に敷いた白色ウレタン台座が黒色に変わるほど大量の磨き粉が導電板にも付着してしまった。
磨き上げた後にクリーナーでの清掃を行っている。


台枠集電板スリット部の変色が著しい台車集電板(成田寄)。

台車集電板は導電板よりも厄介である。
凸形の導電板接触部はグリスで覆われており研磨がし難い。
先ずクリーナープールに浸けグリス除去を行おうとした。
しかし全く機能せず無駄骨に終わった。
ラプロス#4000では時間ばかりが過ぎていくため最初から#2400を持ち出している。
かなり擦過痕が目立つ仕上がりになったが入場前よりはましになったと思う。


整備を終えたFS-329C非動力台車(上野寄)。

導電板に塗布されたグリスは台車集電板を伝わり台枠まで達する。
特に台枠センターピン部は表裏ともグリスが付着していた。
クリーナーを浸した極細綿棒でセンターピン内部と集電板スリット部のグリス残滓を大まかに除去した。
更に爪楊枝をクロスで包み完全脱脂へ至っている。


グリスを除去した台枠センターピン部内側(成田寄)。

既に作業開始から50分が経過していた。
ようやく台枠の清掃を終えTR-180床板を組み立てる。
時間を掛けた分の効果は台枠裏面から確認できた。
集電板スリット部から覗く導電板は真鍮色へ戻り台枠へ反射するまでに回復している。


整備後の台枠センターピン部裏面(上野寄)。

車体関連の整備項目は無く車体と床板を嵌合させた。
3170F-3は走行中にジョイント部で前尾灯がちらつく事例が多発していた。
点灯試験では静態,動態に関係無く安定した点灯を保った。
酸化やグリス付着の影響かは不明だが通電効率の向上は間違いないと思われる。


モハ3170 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:前照灯(通電系統整備施工)。


モハ3170 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:尾灯(通電系統整備施工)。

通電系統整備工程は約90分に達した。
スケールスピードでは前尾灯のちらつきが生じなくなった。
気になっていた現象であり解消に至った事実は収穫である。
一応の答を得てモハ3170が竣工した。

ただ所要時間の割に手応えは薄い。
当たり前の状態に戻っただけと言え止むを得ないとは思う。
もう少し早く手を着けていれば違う展開になっていただろう。

京成3150形モハ3168[3170F-3] 現行色 後期仕様 動力ユニット更新 (DD-180用動力台車枠転用,TNカプラーSP擬廃止)

2018-04-14 21:40:30 | 京成線:3150形
故障。

グリーンマックス製京成3150形3170F+3162F現行色後期仕様(3170F-1,3162F-1)は4+4編成(3170F-3)を基準にしている。
動力車はFS-329C付2個モーター搭載動力ユニット(DD-180)装着車のモハ3168(3170F-1)だった。
DD-180動力ユニット装着車では無難な駆動状態を維持しており動力ユニット更新は喫緊の課題ではなかった。


京成3150形3170F+3162F 現行色 後期仕様。
3170F-3:[3170]-[3169]-[3168]-[3167]+[3162]-[3161]-[3160]-[3159]。
※3170F-1+3162F-1。

しかし走行中に3170F-3が急停車し起動不能に陥ってしまった。
DD-180動力ユニットの予備品は3150形,3400形,3700形の動力ユニット更新車竣工により多数保管している。
モハ3168をDD-180動力ユニットの振替えで復旧させるのは容易だった。
ただ3150形は今後全編成のコアレスモーター搭載動力ユニット化が決定していた。


モハ3168現行色後期仕様(3170F-3:動力ユニット搭載車)。

3150形の次期動力ユニット更新対象車はモハ3180新赤電色(3182F-1)で内定済だった。
現在モハ3194現行色前期仕様(3194F-1)に於いて床下操作式ライトスイッチ化の検証を行っている。
試行から約1箇月が経過し3194F-1との2+4混色編成(3194F-2)復帰が見えてきた。
モハ3182(3182F-1)の床下操作式ライトスイッチ化施工と同時にモハ3180の動力ユニット更新へ着手する計画を立てた。
その矢先にモハ3168の故障が発生した。
何れモハ3168も動力ユニット更新を施す予定がありDD-180動力ユニット振替えでの復帰は放棄している。


入工中のモハ3168。

急遽前倒しでモハ3168の動力ユニット更新が決定した。
運悪くモハ3182はFS-329C装着車だった。
予備品の無いDD-180用FS-329C動力台車枠をコアレスモーター動力ユニット用動力台車枠に加工しなければならない。
モハ3172現行色前期仕様(3174F-2)以来となるFS-329C付コアレスモーター動力ユニット製作が工程に入る。
KS-116動力台車は3162F現行色晩年仕様(3162F-5)からの発生品である非動力台車枠があった。
これによりDD-180用KS-116動力台車の動力台車枠転用加工は気持ちに余裕が持てた。
一方DD-180用FS-329C動力台車は代替が利かず一発勝負となる。
既に施工済の作業内容だったが背水の陣を敷いた。


転用に向け部品を撤去したDD-180動力ユニット。

起用するコアレスモーター搭載動力ユニットはモハ3182向けに導入したものである。
名目は変わったが京成3150形への搭載は変わらない。
動力ユニット更新は付帯部品の流用を基本にしている。
故障したDD-180動力ユニットから床下機器部品とDD-180用FS-329C動力台車を撤去した。


台車枠のみになった元DD-180用FS-329C動力台車。

DD-180用FS-329C動力台車を分解し台車枠をコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠へ加工する。
現在DD-180動力ユニット搭載車は漸減傾向が続いている。
故障したモハ3168の動力ユニット振替が行えるほど保管品には余裕があった。
保守品としての役目も不要になると考え部品を供出したDD-180搭載動力ユニットは用途不要となった。
唯一TNカプラーSP擬だけはSPフレームTNダミーカプラー向けとして保管品に廻している。


コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化されたFS-329C側梁。

予備品が無いためDD-180用FS-329C動力台車枠の側梁切り出しには慎重を期した。
側梁を傷めないよう予めロアフレームと分離した後に残存するリブをニッパーで切除する。
フレームとの接合部痕はモハ3192(3194F-1)に引き続きクラフトナイフで削り取った。
完全な平滑化は行わず動力台車枠取付台座への接触面積を残す程度に留める措置も踏襲している。
ピボット軸受はΦ0.8mmのドリルでも固定に影響しないと判った。
しかし軸受部を主とするゴム系接着剤での3点止めへ変更しておりΦ1.5mmのままとした。


台車集電板表面が黒色化されたコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(上野寄)。

FS-329C動力台車枠の製作が完了しコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP化に移る。
動力台車のカプラーポケット撤去方法に変更は無い。
現在TNカプラーSP対応化試作動力ユニットは3700形3816中期仕様(5次車:3818F)が搭載している。
今までロアフレーム脱落等の不具合は生じていない。
基本的な加工は試作品を引き継いでおり安定期に入ったと思う。
なお3150形では輪心黒色化を採り入れている。
マッキーでの塗り潰しは従来通りだが台車集電板の表面の黒色化を全面に拡大した。
FS-329C,KS-116では台車形式に合わせ台車枠から目立つ箇所だけ台車集電板の塗り潰しを行っていた。
今後は作業効率を考え台車形式に関わらず全て黒色化する。


車体に固定した側面窓セルとTNカプラーSP化が完了したコアレスモーター搭載動力ユニット。

コアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP化を終えた。
いよいよ動力ユニット更新の主工程に入る。
車体関連の細工は側面窓セルの固定のみである。
これ以降は車体と動力ユニットの着脱を繰り返すため先にゴム系接着剤で固定した。
動力台車枠の取付位置は大凡掴めている。
ただ個体差が有り得るため動力ユニットを車体に組み付けた状態で作業に取り掛かった。


FS-329C動力台車枠を固定したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(成田寄)。

DD-180用FS-329C動力台車枠の転用であり側梁には取付脚が存在しない。
台車側受の中心を動力台車枠取付台座に合わせ押着した。
前途の通り固定はピボット軸受部を主とする。
FS-329C動力台車枠に新設したピボット軸受の丸孔はゴム系接着剤で埋めた。


完成したFS-329C付コアレスモーター搭載動力ユニット。

ゴム系接着剤は動力台車枠取付台座にも塗布している。
3点止めのうち補助的な役割に留まるが2点止めでは心許なかった。
まだ旧動力台車枠や非動力台車枠転用時に於ける試行錯誤は続く。
未確定要素を残しながらも上野寄,成田寄両台車へのFS-329C動力台車枠取付を終えた。


t0.6mmのプラ板をスペーサーとした床下機器部品。

後は床下機器部品の移設でほぼ動力ユニット更新に目処が立つ。
床下機器部品取付台座にはt0.6mmのプラ板スペーサーを溶着した。
スペーサーはt0.5mm採用車とt0.6mm採用車が混在する。
僅か0.1mmの差だが非動力車との釣り合いを考えると3150形にはt0.6mmが有利に思える。
最低地上高は同一機器配置の非動力車を基準にしており形式毎で使い分けを図る事になるだろう。


床下機器部品を取り付けたモハ3168用動力ユニット。

スペーサーは幅5mmに切り出したプラ板を2.5mmずつに分割したものである。
コアレスモーター搭載動力ユニットのモーターカバーと車体側面内側の間隔は約2.7mmだった。
追設するスペーサーを2.7mmに合わせるのが理想的ではある。
ここも作業効率を優先し2.5mmを採用した。
床下機器部品取付台座よりは広幅となり枕木方向,線路方向両面での調整代を縮小している。
動力ユニットへの取付はゴム系接着剤のみに変更した。
広幅スペーサーによる接着面積拡大の効果が期待でき試験的に採り入れた。
今後の経過次第で流し込み接着剤を投入するか判断したい。


FS-329C動力台車を履く動力ユニット更新車 (モハ3172,モハ3168)。

FS-329C動力台車装着車では2両目となる動力ユニット更新車が登場した。
モハ3172には試作したDD-180用FS-329C動力台車枠転用動力ユニットを搭載させている。
床下機器の塗装を除きほぼ同等の外観に至った。
試作品に続きモハ3168でもFS-329C付コアレスモーター搭載動力ユニットの製作は無難な結果を得られた。
所有車両ではモハ3180が最後のFS-329C付2個モーター搭載動力ユニット装着車で残る。
動力ユニット更新は先延ばしされたがモハ3168の入場が良い予行演習になった。




モハ3168(動力ユニット更新:DD-180用FS-329C動力台車枠転用,輪心黒色化施工)。

予期せぬ故障で急遽入場したモハ3168だった。
無事動力ユニット更新車へ改まり竣工を迎えている。
床下機器の最低地上高は入場前に近い。
車内から消えたユニットカバーが動力ユニット更新車を表す仕上がりになったと思う。




モハ3168+モハ3167 (3170F-3:動力ユニット更新車+非動力車)。

TNカプラーSP擬の廃止によりカプラーは剛性が高まった。
連結性能の向上に加え連結面間隔も若干狭められている。
DD-180動力ユニット搭載時では施工できなかった輪心黒色化も効果的に映る。
モハ3168に充当したコアレスモーター搭載動力ユニットは現行LOT品である。
残念ながら車体高上昇は解消されていない。
そのためモハ3169,モハ3167との連結面は全高が揃わなくなった。
動力ユニット更新車共通の弱点を抱えるものの走行性能は大幅に向上している。
故障が入場の発端でもあり利点が上回ったと思う。

離脱を余儀無くされた3170F-3は復帰が視界に入った。
この機会にモハ3170,モハ3159の台車集電板と導電板の整備を行う。
1stLOT品でありモハ3194,モハ3191(3194F-1)と変わらない状態に陥っていると思われる。
固着したグリスの除去が厄介だが動力ユニット更新工程よりは軽度で済むのが幸いと言えよう。