試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-486[ツヌ329F] 新集電式TR62N台車(0051)装着試験 (走行抵抗低減試行) ※TOMIX製旧製品

2017-02-18 21:09:07 | 国鉄/JR103系
予行演習。

TOMIX製国鉄103系旧製品ツヌ329F(Tc485)はクハ103-485,クハ103-486の走行抵抗が非常に大きい。
これはTOMIX製クハ103形旧製品共通の弱点である。
少しでも走行抵抗軽減を図れるか対策を練る。


国鉄103系ツヌ329F (1986/8)。
ツヌ329F:Tc485-M610-M'766-T433-M611-M'767-T434-M612-M'768-Tc486

ツヌ329Fは全車TOMIX製103系旧製品最終LOT品で揃う状態の良い編成で回着した。
欲を出し自称Middle-Grade化を図りTNカプラーSP交換,貫通幌取付,PS16形パンタグラフ換装,Hゴム色挿し等を施した。
直近の入場ではクハ103-485,クハ103-486へクハ103形高運転台車用TNカプラーSP(JC6336)を装着している。
車体やカプラーは近代化が進んだ一方で下廻りは回着時から殆ど変更されず旧態然としていた。


重力に逆らうクハ103-486(ツヌ329F)。

特にクハ103-485,クハ103-486は台車方向が線路方向から少しでもずれるとリレーラー上で止まる。
旧集電式のTR62非動力台車(PT-101)は構造上転がり抵抗の軽減に対して手の施しようが無い。
ピボット集電化するには軸箱部の加工が必要で車輪の平行を維持するのが難しい。
そこで103系High-Grade製品用新集電式TR62N非動力台車(0051)を仮装着し103系旧製品へ対応できるか確認する。


入工中のクハ103-576,クハ103-486 (ラシ337F-1,ツヌ329F)。

TR62N非動力台車(0051)を新調するにはリスクとコストのバランスが非常に悪かった。
先ず既存のTR62N非動力台車(0051)装着車から拝借しクハ103-486へ取り付ける。
この結果を見てから正式にTR62N非動力台車(0051)化するか判断する。
そこでTR62N非動力台車(0051)提供車にクハ103-576(ラシ337F-1)を抜擢した。
6号車のクハ103-576は前尾灯を点灯させる機会が全く無い。
万が一取付試験で集電スプリングの屈曲等があっても不都合が生じないため起用に至った。
クハ103-485を取付試験車にしなかったのはホース付ジャンパ栓納めを破損させないためである。


新旧TR62非動力台車 (PT-101,0051)。

新旧62非動力台車では集電方式こそ大きな変更が見られるが台車枠の基本構造は同じに見えた。
クハ103形旧製品は車体,床板,台車を同時に固定する締結方式で中間車両とは構造が異なる。
台車横梁厚が変わらなければ従来通りの締結で済む。
仮に異なっていればビス山等を傷める可能性があったため慎重に締めている。


TR62N非動力台車(0051)を装着したクハ103-486。

締結ビスが止まった時点で台車を回転させると何となく軽く感じた。
旋回ストッパーは有効で取付はしっかりと行えているらしい。
ただ妙な軽さが心許なさを誘う。
この原因が横梁厚なのか集電スプリングの反力なのか判らなかった。
TR62N非動力台車(0051)を履いたクハ103-486は走行抵抗が軽くなった。
リレーラーで停車する事態は見られなくなり惰行性も向上した。
これでTR62非動力台車(PT-101)の廃止に前進するかと思ったが気になる点を見付けた。




モハ102-768+クハ103-486 (ツヌ329F:旧TR62非動力台車装着車+新TR62非動力台車装着車)。

TR62非動力台車(PT-101)ではモハ102-768と殆ど車体高の差は見られなかった。
むしろ屋根板位置を基準にするとクハ103-486の方が僅かに高い。
これは一体成形車体のクハ103形と屋根板が別体化された中間車との違いを吸収するためだろう。
ところがTR62N非動力台車(0051)に履き替えると雨樋位置さえ揃わないほど車体高が下がる。
モハ102-768との差を許容範囲内とするか微妙なところだった。


クハ103-486 点灯試験[19C 中野]:TR62N非動力台車(0051)交換試行。

車体高の問題は後に廻し点灯試験を行った。
通電系統には変更が無いため理論上問題なくて当たり前である。
但し台車締結の緩さが引っ掛かった。
そのため導電板,集電スプリングの接触確認を目的にしている。
試験結果はまずまずだった。
車体の傾斜によってはちらつきが生じるため満点ではない。


旧集電スプリング(JS06)を装着したTR62N非動力台車(0051)。

分売パーツリストを見直すと新旧集電スプリングには全長の違いがあると判った。
旧集電式スプリング(JS06)のL7.5mmに対し新集電式スプリング(JS17)はL7.0mmと記載されている。
0.5mmの差が車体高や前尾灯のちらつきに影響するのかもしれない。
追加試験としてTR62N非動力台車(0051)の集電スプリングをJS06に交換しクハ103-486へ再装着した。




モハ102-768+クハ103-486 (ツヌ329F:旧TR62非動力台車装着車+新TR62非動力台車装着車)。

台車締結の感触はTR62N非動力台車(0051)+新集電式スプリング(JS17)と全く変わらない。
もしかすると台車横梁厚にも変更が加えられた可能性がある。
台車旋回の軽さを招くには十分な理由になると思う。
しかしTR62N非動力台車(0051)+旧集電式スプリング(JS06)では若干車体高が上がった。
長さ0.5mmの他にバネ反力が異なるのかもしれない。
モハ102-768との車体高差は納得の行く間隔に縮まってくれた。
後は点灯試験の結果待ちとなる。




クハ103-485 点灯試験[19C 中野]:TR62N非動力台車(0051)+旧集電式スプリング(JS06)交換施工。

旧集電式スプリング(JS06)の効果か点灯は安定したものに変わった。
多少の傾斜でもちらつきは生じない。
単独点灯試験とは別に走行試験も行ったがこちらでも好成績を残している。
+0.5mmの差は大きかったらしい。
仮にTR62N非動力台車(0051)化を行うとすれば集電スプリングは流用が前提になる。
なお走行試験では波打ち起動が収まった事も確認できた。
転がり抵抗が確実に下がった証でありリレーラー試験の結果を裏打ちしたと言えよう。


原形に復帰したクハ103-576,クハ103-486。

TR62N非動力台車(0051)装着試験を終えクハ103-486,クハ103-576共々原形に戻し各編成へ復帰させた。
装着試験の結果TOMIX製クハ103形旧製品の転がり抵抗軽減にはTR62N非動力台車(0051)化が近道だと思う。
しかし問題はコストである。
◆新集電式TR62N非動力台車(0051):定価920円。
◆新集電式用銀色車輪(0653):定価360円。
各々1両分で都合2倍に跳ね上がる。
性能との引換えにしては少々壁が高い。
更なるMiddle-Grade化を進めるなら中間車向に新集電式用黒染車輪(0654),動力車用黒染車輪(PW-150)まで所要になる。


モハ102-768+クハ103-486 (ツヌ329F:旧TR62非動力台車装着車+旧TR62非動力台車装着車)。

試験結果は良好だったが今一つ踏み出せない。
答は出ているため動き出せば早いと思われる。
もう少し間を設け考える時間を作りたい。

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