試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ100-192[ツヌ123F] 車体改修 (車体分解清掃,2エンド側車体湾曲修正施工) ※'旧製品

2020-02-20 23:53:17 | 国鉄/JR101系
波状攻撃。

KATO製国鉄101系モハ100-192(ツヌ123F:Tc78)ですが車体整備にも課題があります。
五代目ツヌ118F(Mc155:旧製品→旧ツヌ123F:Mc155)時代から続く2エンド側車体湾曲修正方式に限界を感じていました。
将来の非動力車化へ備えられる状態へ持ち上げるべく今入場での根本解決を狙っています。


国鉄101系モハ100-192(ツヌ123F:動力ユニット搭載車)。
※旧製品。

回着時期が近い五代目ツヌ118F,六代目ツヌ118F(旧製品)には車体湾曲車が紛れ込んでいました。
生憎不運は重なり両編成とも動力ユニット搭載車のモハ100-208(ツヌ118F)でした。
応急対策として車体と側面窓セルを接着し各々モハ100-192(旧ツヌ123F),モハ100-210(旧ツヌ116F:T'c91)へ改番しています。
2020年1月に改修入場させたモハ100-210(ツヌ116F:旧製品)では側面窓セル固定の廃止が実現しました。
恐らく車体湾曲矯正に用いた流し込み接着剤が撓んだ側板を垂直へと戻す方向に作用したと思われます。
先発竣工したモハ100-192にも同一方式を採り入れたはずですが自動復元効果は全く現れていませんでした。


入工中のモハ100-192。

モハ100-192には2エンド側嵌合爪付近の車体裾に波打ちが見られました。
当然ながら押さえが利かない側面窓セルでは質量のある動力ユニットを支持できません。
予想通り2エンド側から動力ユニットが脱落し嵌合精度はモハ100-210(ツヌ116F)よりも劣ると判明しました。
現状のままでは非動力車化後も車体不等沈下を招く確率が高くなると思われます。
手間を要するクモハ100-149(ツヌ123F)への動力ユニット搭載施工は時間が欲しいところです。
今入場はモハ100-192が抱える車体湾曲を矯正する絶好の機会だと考えました。


全く機能していなかった流し込み接着剤固定(2エンド側)。

ところがモハ100-192の車体内側に流し込み接着剤を投入した痕跡は伺えませんでした。
どうやら分量を絞り過ぎた模様で側面窓セルと車体内側は何処も固定されていませんでした。
実質的に約5年8箇月の間放置されたも同然と言え2エンド側車体は1-3位側,2-4位側とも外側へ膨らんでいます。
むろん回着当時よりも変形が進んでおり旧モハ100-256(元ラシ107F:Mc202)と車体を振り替えたくなる程でした。
しかし旧モハ100-256(旧製品)はカノ10F(Mc139)への起用が内定済で組成準備車も9両まで達しています。
今更引き返す訳にも行かずモハ100-192の車体湾曲修正へと取り掛かりました。


爪楊枝で浮き上がりを抑えた2エンド側雨樋上部(1-3位側)。

膨らんだ2エンド側側板は幕板部から車体裾側へ向けてハ字形を示していました。
しかも直線状ではなく微妙な弧を描いており一度での修正は困難でした。
順次当該部の矯正を進める算段としましたが側板を押し込む度に天井桁が上方向へ浮き上がります。
これでは押圧を往なしてしまうため湾曲した側板は一向に改善されない状況が繰り返されるだけでした。
とにかく幕板を垂直へ戻さなければ修正には到達できません。
そこで2エンド側雨樋上部へ爪楊枝を乗せ天井桁の競り上がりを抑止しました。


隙間無く取り付けられた屋根板(2エンド側)。

爪楊枝で天井桁を抑えた効果は高く次第に幕板の湾曲が薄れていきました。
続けて腰板,車体裾も同一方式にて修正を行い1-3位側,2-4位側揃って大凡直線状まで辿り着いています。
ここまで戻せば車体嵌合精度は確保されると思われました。
しかし屋根板の組み付けと同時に車体湾曲が再発し2エンド側雨樋付近には隙間が生じました。
屋根板嵌合爪に異常は無く車体単体での矯正が不足したように思えました。
今度は車体と屋根板を組み合わせた状態で側板の絞り込みを行いました。


直線状に戻った車体裾(2エンド側)。

無事屋根板は雨樋と接するまでに至り安心して側面窓セルを取り付けました。
ところが再び車体外側へ向けて2エンド側側板が張り出してしまい三度目の矯正を強いられます。
この後には動力ユニット装着が控えており垂直への修正では堂々巡りになると思われました。
強引な方式ですが入場前とは正反対となる逆ハ字形まで2エンド側車体を押し込んでいます。
側面窓セルを再装着した時点で歪みが出るまで変形させましたが台枠で押し戻されると予想しました。
窮余の策だった嵌合代調整でしたがそれなりの効果はあったらしくようやく車体裾から波打ちが消え去りました。




モハ100-192(動力ユニット整備,車体分解清掃,2エンド側車体湾曲修正施工)。
※旧製品:車体改修。

動力ユニット装着後も症状再発には至らず製品並の嵌合精度へと達しました。
この状態まで改善されれば非動力車化にも十分対応できると思います。
モハ100-210(ツヌ116F)とは勝手が違ったがモハ100-192(ツヌ123F)も接着剤を用いず竣工させられました。
他に車体湾曲対策を施した車両は記憶,記録とも無く後天的発症車に限られると思います。
次から次へと襲い掛かる2エンド側車体の湾曲再発に手を焼かされ工程は約50分に及びました。
ただ仮に類似症状を抱える車両が入場した場合にはモハ100-192での作業が大いに参考となるでしょう。
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